JP6582769B2 - 電子機器 - Google Patents
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そのため、電子機器は、内部温度から外部温度を求めるとき、回路部品の動作状態に応じた補正を行っている。つまり、電子機器は、動作状態に応じた補正値あるいは補正式が予め用意されている。
また、みなし制御の場合、あくまでも想定した動作状態に応じた補正を行っていることから、仮に実際の動作状態が想定からずれていた場合には、そのずれを補償することができないという問題がある。一例を挙げると、例えばバックライトがオンされた場合、内部温度は、直ぐに上昇する訳ではなく、バックライドがオンされてから時間が経過すると、それに応じて徐々に増加していくことになる。このため、単純にバックライトの動作状態(オンか、オフか)によって補正値あるいは補正式を変更してしまうと、内部温度がまだ上昇していないにも関わらず、内部温度が高いものとして補正量が大きく設定され、実際の温度との間にずれが生じてしまう。
このように、熱流センサは、筐体の内部と外部との間の熱の流れを、回路部品の動作状態に応じた値として検出する。換言すると、回路部品の動作状態が変化したことによる内部温度の変動の影響は、熱流センサによって吸収される。
また、熱流センサを設けることで常に外部温度を取得することができるため、従来のみなし制御とは異なり、想定外の状態が生じることはないため、外部温度に応じた制御の正確性を向上させることができる。さらに、動作状態に応じた補正値を予め用意しておく必要も無いため、試験工数を大幅に削減することができる。
つまり、熱流センサは、熱流センサ自身と筐体とを経由する熱の流れを検出しており、熱が流れる経路には、他の回路部品が存在しない。
このため、熱流センサは、他の回路部品等の影響を受けることがなく、筐体の内部から外部への熱の流れを精度良く検出することができる。
請求項3に記載した発明では、温度センサと熱流センサとの間を、発熱する回路部品の設置を規制する規制領域に設定する。
図1に示すように、本実施形態の電子機器1は、筐体2内に、制御部3、液晶モジュール4、通信部5、リレー6、リレー7、温度センサ8、および熱流センサ9等を備えている。これら制御部3、液晶モジュール4、通信部5、リレー6およびリレー7等は、回路部品に相当する。なお、図1に示す回路部品は一例であり、これに限定されるものではない。
通信部5は、空調機器本体に接続されており、ユーザにより空調機器の運転の開始操作や停止操作が入力されたり設定温度の変更操作が入力されたりした場合、その操作に応じて制御指令を、空調機本体に通信する。
リレー6、7は、例えば半導体リレーで構成されており、制御部3の指令に基づいてオン(動作状態)またはオフ(非導通)する。なお、リレー6、7は、オンした場合には、例えば負過電流が流れることで発熱する。
なお、熱流センサ9は、上記したように温度センサ8の近傍であれば、筐体2の底面部等に設けてもよいが、筐体2の上部側は熱がこもると想定されるので、避ける方がよい。
まず、比較対象として、従来のみなし制御における外部温度の推定手法(検出手法)について説明する。
みなし制御の場合、外部温度を推定する際の補正値が動作状態に応じて、例えば以下のように予め設定されている。なお、ここでは、内部温度が高く、外部温度が低い場合を想定している。
・バックライトがオンされ、輝度が50%の場合 : 7℃(補正値II)
・バックライトがオフされている場合 : 0℃(補正値III)
・リレーがオンされている場合:補正値I〜補正値IIIに+2℃
この場合、バックライトの輝度が10%の場合には対応する補正値が設定されておらず、直接的には補正できない。なお、このような場合には、未設定の動作状態については比例配分等により補正値を算出することも考えられるが、算出した補正値が適切であるか否かの検証はできない。
具体的には、筐体2の内外の温度差をΔT(ただし、ΔT=T1−T2)、熱流センサ9の厚みをd(mm)とすると、筐体2内外における温度勾配は、ΔT/dで表される。この温度勾配ΔT/dは、熱流センサ9で検出した熱流束密度qに比例することから、熱流センサ9の厚みd(mm)が一定であれば、温度差ΔTは、熱流束密度qに比例した形で表すことができる。
ΔT=B×q ・・・(1)
そして、温度差ΔT=T1−T2であることから、(1)式に基づいて、外部温度(T2)を、以下の(2)式のように求まることができる。
T2=T1−(B×q) ・・・(2)
すなわち、温度センサ8で検出した内部オンと(T1)と、熱流センサ9で検出した熱流束密度(q)とから、外部温度(T2)を求めることができる。
電子機器1は、筐体2と、筐体2内に設けられている温度センサ8と、筐体2内に設けられ、当該筐体2の内部と外部との間の熱の流れを検出する熱流センサ9と、温度センサ8で検出した温度と熱流センサ9で検出した熱の流れとに基づいて筐体2外の温度(外部温度T2)を取得する温度取得部としての制御部3と、を備える。
また、電子機器1では、熱流センサ9は、筐体2の内面に接触した状態で設けられている。つまり、熱流センサ9は、熱流センサ9自身と筐体2とを経由した熱の流れを検出する。このため、他の回路部品等の影響を受けること無く、筐体2の内部から外部への熱の流れを精度良く検出することができる。
また、実施形態のように封鎖された筐体2内に設けた温度センサ8および熱流センサ9で外部温度を取得する構成とすることで、外部に露出する箇所がなくなり(または少なくなり)、埃等や水滴等の侵入を防止することができる。
実施形態で示した数値は一例であり、これに限定されない。
実施形態で示した回路部品の数や配置あるいは種類等は一例であり、これに限定されない。
実施形態で示した電子機器1の形状は一例であり、これに限定されない。
Claims (3)
- 内部に熱源が設けられている筐体と、
前記筐体の内部に設けられている温度センサと、
前記筐体の内部に設けられ、当該筐体の内部と外部との間の熱の流れを検出する熱流センサと、
前記温度センサで検出した温度と前記熱流センサで検出した熱の流れとに基づいて、前記筐体の外部の温度を取得する温度取得部と、を備え、
前記温度センサを前記熱流センサよりも前記熱源に近い側に配置するとともに、前記熱流センサを前記温度センサよりも外気に近い側に配置したことを特徴とする電子機器。 - 前記熱流センサは、前記筐体の内面に接触した状態で設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
- 前記温度センサと前記熱流センサとの間を、発熱する回路部品の設置を規制する規制領域に設定したことを特徴とする請求項1または2記載の電子機器。
Priority Applications (1)
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JP2015176570A JP6582769B2 (ja) | 2015-09-08 | 2015-09-08 | 電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015176570A JP6582769B2 (ja) | 2015-09-08 | 2015-09-08 | 電子機器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017053677A JP2017053677A (ja) | 2017-03-16 |
JP6582769B2 true JP6582769B2 (ja) | 2019-10-02 |
Family
ID=58320760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015176570A Active JP6582769B2 (ja) | 2015-09-08 | 2015-09-08 | 電子機器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP6582769B2 (ja) |
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-
2015
- 2015-09-08 JP JP2015176570A patent/JP6582769B2/ja active Active
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