JP2013113335A - ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バックアップリングを必要としなくても、ボディと回転軸との間のシールを行うシール部材の寿命を向上することを可能とする。
【解決手段】ボディ14および回転軸17に収容部14d、17bを設け、この収容部14d、17dにシール部材20が配置されるようにする。そして、収容部14d、17cよりもピストン19と反対の端部側の部位において、回転軸17の外径がシール部材20の内径よりも大きく、ボディ14の内径がシール部材20の外径よりも小さくなるようにする。つまり、収容部14d、17dよりもピストン19と反対側の部位において、ボディ14と回転軸17との間の隙間Gがシール部材20の最内周と最外周との間に位置し、シール部材20に対向して設けられた状態となるようにする。
【選択図】図2
【解決手段】ボディ14および回転軸17に収容部14d、17bを設け、この収容部14d、17dにシール部材20が配置されるようにする。そして、収容部14d、17cよりもピストン19と反対の端部側の部位において、回転軸17の外径がシール部材20の内径よりも大きく、ボディ14の内径がシール部材20の外径よりも小さくなるようにする。つまり、収容部14d、17dよりもピストン19と反対側の部位において、ボディ14と回転軸17との間の隙間Gがシール部材20の最内周と最外周との間に位置し、シール部材20に対向して設けられた状態となるようにする。
【選択図】図2
Description
本発明は、サービスブレーキに対して駐車ブレーキが一体化されたビルトインタイプのブレーキ装置に関するものである。
従来より、サービスブレーキに対して電動駐車ブレーキ(以下、EPB(Electric parking brake)という)が一体化されたビルトインタイプのブレーキ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図8は、ビルトインタイプのブレーキ装置の断面図である。このタイプのブレーキ装置では、サービスブレーキを作動させたときだけでなくEPBを作動させたときにも、摩擦材であるブレーキパッド101を押圧し、ブレーキパッド101によって被摩擦材であるブレーキディスク102を挟み込むことにより、ブレーキパッド101とブレーキディスク102との間に摩擦力を発生させ、制動力を発生させる。
具体的には、ホイールシリンダ(以下、W/Cという)103内にピストン104が設けられており、サービスブレーキを作動させるときにはW/C103内のブレーキ液圧(以下、W/C圧という)が高められ、ピストン104を移動させる。これにより、ブレーキパッド101を押圧し、制動力を発生させている。また、EPBを作動させるときには、モータ105を駆動することで歯車106、107を介して回転軸108を回転させ、推進軸109を移動させることでピストン104を移動させる。これにより、ブレーキパッド101を押圧し、制動力を発生させている。
そして、このブレーキ装置では、W/C103内の液密が確保されており、W/C103と回転軸108との間においては、ブレーキ液洩れを防止するために、W/C103のボディ110の内周壁と回転軸108との間にシール部材としてのOリング111を備えてある。
しかしながら、W/C103内に高圧なW/C圧が発生させられると、W/C圧によってOリング111が押圧され、回転軸108とW/C103のボディ110との隙間にはみ出して損傷する。これにより、本来のシール性が十分に発揮できなくなり、シール寿命が低下するという問題がある。例えば、W/C103内に高圧なW/C圧が発生させられた状態でEPBが動作させられると、図9に示すOリング111近傍の部分拡大図のように、Oリング111が回転軸108とW/C103との隙間にはみ出した状態で回転軸108が回転させられることになるため、Oリング111が抉られて損傷し易くなる。
これに対して、図10に示すOリング111近傍の部分拡大図のように、Oリング111が押圧される側において、Oリング111とW/C103の間にバックアップリング112を配置することで、回転軸108との間の隙間を狭め、Oリング111がはみ出さないようにすることが考えられる。しかしながら、このような構成では、バックアップリング112が必要になる分、部品点数が増加すると共に、バックアップリング112の配置スペースが必要になり、回転軸108の軸方向における装置サイズ拡大の要因になる。
なお、ここでは特にシール部材の寿命低下が顕著になるブレーキ装置を例に挙げて説明したが、液体が充填されるボディに形成された挿入孔内に回転軸が挿入されると共にシール部材にて液圧保持を行っている液圧保持装置に対して、上記問題が発生し得る。
本発明は上記点に鑑みて、バックアップリングを必要としなくても、ボディと回転軸との間のシールを行うシール部材の寿命を向上することが可能な液圧保持装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、シリンダ状のボディ(14)および回転軸(17)のうちシール部材(20)が配置される部分を収容部(14d、17c)として、収容部(14d)を形成する内壁面(14df)および収容部(17c)を形成する外壁面(17df)をシール部材(20)と当接するシール面として液体のシールを行っており、ボディ(14)は、収容部(14d)よりも中空部(14a)と回転軸(17)の軸方向の反対側において、シール部材(20)の内径よりも大きくかつシール部材(20)の外径よりも小さくされた内壁面(14df)を有し、回転軸(17)は、収容部(17c)よりも中空部(14a)と回転軸(17)の軸方向の反対側において、該回転軸(17)の外径がシール部材(20)の内径よりも大きくかつシール部材(20)の外径よりも小さくされた外壁面(17df)を有し、内壁面(14df)と外壁面(17df)で形成される隙間(G)がシール部材(20)に対向して設けられていることを特徴としている。
このような構成によれば、シール部材(20)は、回転軸(17)のうち収容部(17c)を形成する外壁面(17df)とボディ(14)のうち収容部(14d)を形成する内壁面(14df)をシール面とし、これらシール面とは離れた位置においてボディ(14)と回転軸(17)との間の隙間(G)にはみ出すことになる。このため、シール部材(20)のうちシール面とボディ(14)と回転軸(17)との間の隙間(G)からはみ出す部分とを分離でき、はみ出した部分が回転軸(17)の回転等によって抉れて損傷したとしても、シール面とは異なる部分が損傷するだけであり、シール機能は低下することがない。したがって、シール性能を維持することが可能となり、シール部材(20)の寿命を向上することが可能となる。よって、バックアップリングを必要としなくても、ボディ(14)と回転軸(17)との間のシールを行うシール部材(20)の寿命を向上することが可能なブレーキ装置にできる。
例えば、請求項2に記載したように、隙間(G)は、内壁面(14df)の延長面と外壁面(17df)の延長面の両方から離れて設けられる。
請求項3に記載の発明では、中空部(14a)内には、液体の圧力に基づいて回転軸(17)の軸方向に移動させられるピストン(19)を備え、ピストン(19)は、回転軸(17)の回転に伴って該回転軸(17)の軸方向に押されて移動することを特徴としている。
このように、液体の圧力に基づいてピストン(19)を移動させるような構成では、ピストン(19)を移動させるほど大きな圧力がシール部材(20)に加えられることになり、シール部材(20)が回転軸(17)とボディ(14)との間の隙間(G)にはみ出すことになる。このような構成において、シール部材(20)のうちシール面とボディ(14)と回転軸(17)との間の隙間(G)からはみ出す部分とを分離できることから、特に請求項1に記載の発明の構成を適用すると有効である。
例えば、請求項4に記載したように、請求項1または2に記載の液圧保持装置を、ボディ(14)がホイールシリンダ(6)のボディとされ、中空部(14a)に対して液体としてブレーキ液が充填されるブレーキ装置に適用することができる。この場合、サービスブレーキ(1)の作動に基づいて中空部(14a)内にブレーキ液圧が導入されることでピストン(19)が押圧されて制動力を発生させると共に、駐車ブレーキの作動に伴って回転軸(17)が回転させられることでピストン(19)が押されて移動するように構成される。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明の一実施形態にかかる液圧保持装置としてのブレーキ装置が適用された車両用ブレーキシステムを例に挙げて説明する。ここでは、車両用ブレーキシステムとして後輪系にディスクブレーキタイプのEPBを適用したものを例に挙げて説明するが、前輪系にEPBが適用されたものであっても良い。
本実施形態では、本発明の一実施形態にかかる液圧保持装置としてのブレーキ装置が適用された車両用ブレーキシステムを例に挙げて説明する。ここでは、車両用ブレーキシステムとして後輪系にディスクブレーキタイプのEPBを適用したものを例に挙げて説明するが、前輪系にEPBが適用されたものであっても良い。
図1は、本実施形態にかかるブレーキ装置が適用された車両用のブレーキシステムの全体概要を示した模式図である。また、図2は、ブレーキシステムに備えられる後輪系のブレーキ装置の断面模式図である。以下、これらの図を参照して説明する。
図1に示すように、ブレーキシステムには、ドライバの踏力に基づいて制動力を発生させるサービスブレーキ1と駐車時に車両の移動を規制するためのEPB2とが備えられている。
サービスブレーキ1は、ドライバによるブレーキペダル3の踏み込みに応じた踏力を倍力装置4にて倍力したのち、この倍力された踏力に応じたブレーキ液圧をマスタシリンダ(以下、M/Cという)5内に発生させ、このブレーキ液圧を各車輪のブレーキ機構に備えられた各W/C6に伝えることで制動力を発生させる。また、M/C5とW/C6との間にブレーキ液圧の調整を行うアクチュエータ7が備えられており、サービスブレーキ1により発生させる制動力を調整し、車両の安全性を向上させるための各種制御(例えば、アンチスキッド制御等)を行える構造とされている。
アクチュエータ7を用いた各種制御は、ESC(Electronic Stability Control)−ECU8にて実行される。例えば、ESC−ECU8からアクチュエータ7に備えられる各種制御弁やポンプ駆動用のモータを制御するための制御電流を出力することにより、アクチュエータ7に備えられる油圧回路を制御し、W/C6に伝えられるW/C圧を制御する。アクチュエータ7は、複数の制御弁やポンプおよびポンプ駆動用のモータなどを備えた公知のものであるため、ここでは説明を省略する。
一方、EPB2は、EPB制御装置(以下、EPB−ECUという)9によって制御され、EPB−ECU9によってモータ10を駆動し、ブレーキ装置を制御することで制動力を発生させる。
ブレーキ装置は、本実施形態の車両用ブレーキシステムにおいて制動力を発生させる機械的構造であり、前輪系のブレーキ装置はサービスブレーキ1の操作によって制動力を発生させる構造とされているが、後輪系のブレーキ装置は、サービスブレーキ1の操作とEPB2の操作の双方に対して制動力を発生させる共用の構造とされている。前輪系のブレーキ装置は、後輪系のブレーキ装置に対して、EPB2の操作に基づいて制動力を発生させる機構をなくした従来から一般的に用いられているブレーキ装置であるため、ここでは説明を省略し、以下の説明では後輪系のブレーキ装置について説明する。
後輪系のブレーキ装置では、サービスブレーキ1を作動させたときだけでなくEPB2を作動させたときにも、図2に示す摩擦材であるブレーキパッド11を押圧し、ブレーキパッド11によって被摩擦材であるブレーキディスク12を挟み込むことにより、ブレーキパッド11とブレーキディスク12との間に摩擦力を発生させ、制動力を発生させる。
具体的には、ブレーキ装置は、図1に示すキャリパ13内において、図2に示すようにブレーキパッド11を押圧するためのW/C6のボディ14に直接固定されているモータ10を回転させる。そして、モータ10の駆動軸10aに備えられた平歯車15を回転させ、平歯車15に噛合わされた平歯車16にモータ10の回転力を伝えることによりブレーキパッド11を移動させ、EPB2による制動力を発生させる。
キャリパ13内には、W/C6およびブレーキパッド11に加えて、ブレーキパッド11に挟み込まれるようにしてブレーキディスク12の端面の一部が収容されている。W/C6は、シリンダ状のボディ14の中空部14a内にブレーキ液が充填され、通路14bを通じてブレーキ液圧を導入することで、圧力室である中空部14a内にW/C圧を発生させられるようになっており、中空部14a内に回転軸17、推進軸18、ピストン19などを備えて構成されている。
回転軸17は、一端がボディ14に形成された中空部14aよりも小さな寸法の挿入孔14cを通じて平歯車16に連結され、平歯車16が回動させられると、平歯車16の回動に伴って回動させられる。この回転軸17における平歯車16と連結された端部とは反対側の端部において、回転軸17の外周面には雄ネジ溝17aが形成されている。一方、回転軸17の他端は、挿入孔14cに挿入されることで軸支されている。この回転軸17のうち挿入孔14cに挿入される部位には、環状のシール部材20が嵌め込まれている。本実施形態では、シール部材20としてOリングを採用しており、このOリングによって回転軸17と挿入孔14cの内壁面との間を通じてブレーキ液が洩れ出さないようにされている。このシール部材20の収容構造が本願の特徴部分であるが、この収容構造については後で詳細に説明する。
さらに、回転軸17は、雄ネジ溝17aとシール部材20の間において外径が拡大されたストッパ部17bを備えている。このストッパ部17bと挿入孔14cを構成する壁面との間には、円形板状のワッシャ21に挟まれてベアリング22が配置されている。このため、W/C圧やブレーキパッド11からの反力に基づいて回転軸17に紙面右方向への力が加わっても、ストッパ部17bがワッシャ21に当接し、ワッシャ21およびベアリング22にて移動が規制されるため、ボディ14からの回転軸17の抜けが防止される。
推進軸18は、中空状の筒部材にて構成され、内壁面に回転軸17の雄ネジ溝17aと螺合する雌ネジ溝18aが形成されている。この推進軸18は、例えば回転防止用のキーを備えた円柱状もしくは多角柱状に構成されることで、回転軸17が回動しても回転軸17の回動中心を中心として回動させられない構造になっている。このため、回転軸17が回動させられると、雄ネジ溝17aと雌ネジ溝18aとの噛合いにより、回転軸17の回転力を回転軸17の軸方向に推進軸18を移動させる力に変換する。推進軸18は、モータ10の駆動が停止されると、雄ネジ溝17aと雌ネジ溝18aとの噛合いによる摩擦力により同じ位置で止まるようになっており、目標制動力になったときにモータ10の駆動を停止すれば、その位置に推進軸18を保持することができる。
ピストン19は、推進軸18の外周を囲むように配置されるもので、有底の円筒部材もしくは多角筒部材にて構成され、外周面がボディ14に形成された中空部14aの内壁面と接するように配置されている。ピストン19の外周面とボディ14の内壁面との間のブレーキ液洩れが生じないように、ボディ14の内壁面にシール部材22が備えられ、ピストン19の端面にW/C圧を付与できる構造とされている。このシール部材22は、EPB2による駐車ブレーキを解除する際には、ピストン19を引き戻すための反力を発生させる役割も果たしている。
また、ピストン19も、回転軸17が回転しても回転軸17の回動中心を中心として回動させられないように構成されている。ピストン19の内壁は、推進軸18に回転防止用のキーが備えられる場合にはそのキーが摺動するキー溝が形成され、推進軸18が多角柱状とされる場合にはそれと対応する形状の多角筒状とされる。
このピストン19の先端にブレーキパッド11が配置され、ピストン19の移動に伴ってブレーキパッド11を紙面左右方向に移動させるようになっている。具体的には、ピストン19は、推進軸18の移動に伴って紙面左方向に移動可能で、かつ、ピストン19の端部(ブレーキパッド11が配置された端部と反対側の端部)にW/C圧が付与されることで推進軸18から独立して紙面左方向に移動可能な構成とされている。そして、推進軸18が初期位置(モータ10が回転させられる前の状態)のときには、中空部14a内のブレーキ液圧が付与されていない状態(W/C圧=0)であれば、ブレーキパッド11をブレーキディスク12から離間させられるようになっている。また、モータ10が回転させられて推進軸18が初期位置から紙面左方向に移動させられているときには、W/C圧が0になっても、移動した推進軸18によってピストン19の紙面右方向への移動が規制され、ブレーキパッド11がその場所で保持される。
このように構成されたブレーキ装置では、サービスブレーキ1が操作されると、それにより発生させられたW/C圧に基づいてピストン19が紙面左方向に移動させられることでブレーキパッド11がブレーキディスク12に押圧され、制動力を発生させる。また、EPB2が操作されると、モータ10が駆動されることで平歯車15が回転させられ、それに伴って平歯車16および回転軸17が回転させられるため、雄ネジ溝17aおよび雌ネジ溝18aの噛合いに基づいて推進軸18がブレーキディスク12側(紙面左方向)に移動させられる。そして、それに伴ってピストン19も同方向に移動させられることでブレーキパッド11がブレーキディスク12に押圧され、制動力を発生させる。このため、サービスブレーキ1の操作とEPB2の操作の双方に対して制動力を発生させる共用のブレーキ装置とすることが可能となる。
次に、本実施形態のブレーキ装置におけるシール部材20の収容構造の詳細について説明する。図3は、図2におけるシール部材20の収容構造部分の拡大断面図である。
図2および図3に示すように、本実施形態では、回転軸17は、シール部材20の配置場所において外径が変えられており、回転軸17における中空部14aと反対の端部側の部分と比較してシール部材20の配置場所の方が外径が小さくなった収容部17cとされている。そして、回転軸17は、シール部材20の配置場所となる収容部17cよりも中空部14aと反対の端部側の部位において、その外径がシール部材20の内径よりも大きくかつシール部材20の外径よりも小さくされている。
また、ボディ14は、挿入孔14とされた部分において内径が変えてあり、挿入孔14cのうちシール部材20の配置場所の方がそれよりも中空部14aと反対側の部分と比較して内径が大きくなった収容部14dとされている。そして、ボディ14は、シール部材20の配置場所となる収容部14dよりも中空部14aと回転軸17の軸方向の反対側の部位において、その内径がシール部材20の内径よりも大きくかつシール部材20の外径よりも小さくされている。
このため、図3に示されるように、シール部材20は、回転軸17の外壁面17dfのうち収容部17cを形成する部分とボディ14の内壁面14dfのうち収容部14dを形成する部分との間に挟まれる。そして、これら収容部14d、17cを形成する内壁面17dfおよび外壁面14dfをシール部材20と当接するシール面としてボディ14と回転軸17との間をシールしている。
このように、本実施形態のブレーキ装置では、ボディ14および回転軸17に収容部14d、17cを設け、この収容部14d、17cにシール部材20が配置されるようにしている。そして、収容部14d、17cよりも中空部14aと反対の端部側の部位において、回転軸17の外径がシール部材20の内径よりも大きくされた外周面17dfとされていると共に、ボディ14の内径がシール部材20の外径よりも小さくされた内周面14fgとされている。このため、収容部14d、17cよりも中空部14aと回転軸17の軸方向の反対側の部位において、ボディ14と回転軸17との間の隙間Gがシール部材20に対向して設けられた状態となるようにできる。すなわち、隙間Gは、内壁面14dfの延長面と外壁面17dfの延長面の両方から離れて設けられた状態となる。
したがって、図4のシール部材20の収容構造部分のイメージ図に示すように、シール部材20は、回転軸17の収容部17cを形成する外壁面17dfとボディ14のうち収容部14dを形成する内壁面14dfをシール面とし、これらシール面とは離れた位置においてボディ14と回転軸17との間の隙間Gにはみ出すことになる。このため、シール部材20のうちシール面とボディ14と回転軸17との間の隙間Gからはみ出す部分とを分離でき、はみ出した部分が回転軸17の回転等によって抉れて損傷したとしても、シール面とは異なる部分が損傷するだけであり、シール機能は低下することがない。したがって、シール性能を維持することが可能となり、シール部材20の寿命を向上することが可能となる。
よって、バックアップリングを必要としなくても、W/C6のボディ14と回転軸17との間のシールを行うシール部材20の寿命を向上することが可能なブレーキ装置にできる。
特に、本実施形態のように、W/C圧に基づいてピストン19を移動させるような構成では、大きな圧力がシール部材20に加えられることになり、シール部材20が回転軸17とボディ14との間の隙間Gにはみ出すことになる。このような構成において、シール部材20のうちシール面とボディ14と回転軸17との間の隙間Gからはみ出す部分とを分離できることから、特に有効である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、回転軸17の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、回転軸17の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図5は、本実施形態にかかるブレーキシステムに備えられる後輪系のブレーキ装置の断面模式図である。また、図6は、図5におけるシール部材20の収容構造部分の拡大断面図である。
図5および図6に示すように、回転軸17のうちシール部材20が配置される収容部17cよりも中空部14a側の外径を収容部17cと同じ径としている。このような構成としても、シール部材20の配置場所となる収容部17cよりも中空部14aと反対の端部側の部位において、ボディ14と回転軸17との間の隙間Gがシール部材20に対向して設けられた状態となるようにできる。
したがって、第1実施形態のように回転軸17を部分的に凹ませて収容部17cを構成しなくても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、シール部材20としてOリングを例に挙げて説明したが、Oリング以外の環状のシール部材を採用しても良い。例えば、図7(a)、(b)に示すように、シール部材20として、断面が四角形となる角シールや断面がX字状となるXリングをしても構わない。
上記実施形態では、シール部材20としてOリングを例に挙げて説明したが、Oリング以外の環状のシール部材を採用しても良い。例えば、図7(a)、(b)に示すように、シール部材20として、断面が四角形となる角シールや断面がX字状となるXリングをしても構わない。
また、上記各実施形態では、図2に示されるようにモータ10を駆動することによって駐車ブレーキによる制動力を発生させることができるEPB2とサービスブレーキ1とが組み合わされた形態のブレーキ装置について説明した。しかしながら、これは単なる一例を示したに過ぎず、他の構造であっても構わない。例えば、ドライバがパーキングレバーを引張ることによってワイヤーが引張られ、推進軸18を駆動するための回転軸17を回転させるような形態のブレーキ装置であっても良い。
また、上記実施形態では、ディスクブレーキタイプのEPB2を例に挙げたが、他のタイプ、例えばドラムブレーキタイプのものであっても構わない。その場合、摩擦材と被摩擦材は、それぞれブレーキシューとドラムとなる。
さらに、上記実施形態では、特にシール部材の寿命低下が顕著になるブレーキ装置を例に挙げて説明したが、ボディに形成された挿入孔内に回転軸が挿入され、シール部材にて液圧保持を行っている液圧保持装置に対して、本発明を適用することができる。
1…サービスブレーキ、2…EPB、5…M/C、6…W/C、7…アクチュエータ、8…ESC−ECU、9…EPB−ECU、10…モータ、11…ブレーキパッド、12…ブレーキディスク、13…キャリパ、14…ボディ、14a…中空部、14d…収容部、17…回転軸、17a…雄ネジ溝、17c…収容部、18…推進軸、18a…雌ネジ溝、19…ピストン、20…シール部材
Claims (4)
- 液体が充填されると共に該液体の圧力室を構成する中空部(14a)と該中空部(14a)よりも径寸法が小さくされた挿入孔(14c)とを有するシリンダ状のボディ(14)と、
前記ボディ(14)内に配置されると共に前記挿入孔(14c)内に挿入され、回転運動する回転軸(17)と、
前記回転軸(17)の外周面と前記ボディ(14)において前記挿入孔(14c)を形成する内壁面(14df)との間に配置され、前記中空部(14a)内の液体のシールを行う環状のシール部材(20)とを備え、
前記シール部材(20)が配置される部分を収容部(14d、17c)として、前記収容部(14d)を形成する内壁面(14df)および前記収容部(17c)を形成する外壁面(17df)を前記シール部材(20)と当接するシール面として前記液体のシールを行い、
前記ボディ(14)は、前記収容部(14d)よりも前記中空部(14a)と前記回転軸(17)の軸方向の反対側において、前記シール部材(20)の内径よりも大きくかつ前記シール部材(20)の外径よりも小さくされた内壁面(14df)を有し、
前記回転軸(17)は、前記収容部(17c)よりも前記中空部(14a)と前記回転軸(17)の軸方向の反対側において、該回転軸(17)の外径が前記シール部材(20)の内径よりも大きくかつ前記シール部材(20)の外径よりも小さくされた外壁面(17df)を有し、
前記内壁面(14df)と前記外壁面(17df)で形成される隙間(G)が前記シール部材(20)に対向して設けられていることを特徴とする液圧保持装置。 - 前記隙間(G)は、前記内壁面(14df)の延長面と前記外壁面(17df)の延長面の両方から離れて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液圧保持装置。
- 前記中空部(14a)内には、前記液体の圧力に基づいて前記回転軸(17)の軸方向に移動させられるピストン(19)を備え、
前記ピストン(19)は、前記回転軸(17)の回転に伴って該回転軸(17)の軸方向に押されて移動することを特徴とする請求項1または2に記載の液圧保持装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の液圧保持装置は、前記ボディ(14)がホイールシリンダ(6)のボディとされ、前記中空部(14a)に対して前記液体としてブレーキ液が充填されるブレーキ装置であり、
サービスブレーキ(1)の作動に基づいて前記中空部(14a)内にブレーキ液圧が導入されることで前記ピストン(19)が押圧されて制動力を発生させると共に、駐車ブレーキの作動に伴って前記回転軸(17)が回転させられることで前記ピストン(19)が押されて移動するように構成されていることを特徴とするブレーキ装置。
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