JP2013112732A - タイヤベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐カット性を維持しながら低発熱性を改良する。
【解決手段】希土類元素系触媒(例えばネオジウム系触媒)を用いて合成されたブタジエンゴム20〜50質量%と他のジエン系ゴム50〜80質量%からなるゴム成分を含有し、かつシランカップリング剤を含有しないゴム組成物であって、フィラーとして、窒素吸着比表面積が20〜50m/gである大粒径カーボンブラック10〜15体積%と、窒素吸着比表面積が110 〜220m/gであるカーボンブラック及び/又はシリカからなる小粒径フィラー1〜5体積%を含有し、かつフィラーの総量が11〜16体積%であるタイヤベーストレッド用ゴム組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤのベーストレッド部に用いられるベーストレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
自動車の低燃費化の要求は近年ますます高まり、タイヤについても低燃費化が求められており、転がり抵抗を低減することが要求されている。一方、タイヤには安全性の面から湿潤路面におけるグリップ性に関するウェットスキッド性能も求められる。しかしながら、一般的に転がり抵抗性能とウェットスキッド性能は二律背反の関係にあるため、接地面を構成するキャップトレッド部の低燃費化にはおのずと限界がある。そのため、その他の部位、例えば、キャップトレッド部の内側に設けられるベーストレッド部の低発熱化が重要となり、ベーストレッド部の低発熱化を図るため様々な提案がなされている。
例えば、下記特許文献1,2には、ゴム成分として、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴムに対し、スズ変性ブタジエンゴムやアルコキシシラン変性ブタジエンゴムなどの末端変性ブタジエンゴムをブレンドしたものを用いることで、低発熱性を改良することが開示されている。
ゴム組成物の低発熱性を改良する手法としてポリマー末端を水酸基やアミノ基等の官能基で変性したブタジエンゴムやスチレンブタジエンゴムを用いる手法については、フィラーの分散性を改善して、低発熱性を改良することができるが、この手法では、引裂性能が低下し、そのため耐カット性が悪化するという問題がある。
一方、補強性のフィラーとして、大粒径のカーボンブラックを用いることにより、低発熱性を改良することもできるが、この場合も、引裂性能が低下し、耐カット性が損なわれてしまう。ベーストレッド部においては、例えば、トレッドに設けられた溝の底部において亀裂(クラック)が発生した場合に、該亀裂が成長しないように耐カット性が求められるが、上記のように従来、耐カット性を維持しながら低発熱性を改良することは困難であった。
なお、下記特許文献3には、タイヤサイドウォール用ゴム組成物において、ネオジウム系触媒を用いた重合されたブタジエンゴムをゴム成分に用いるとともに、フィラーとして、比較的大粒径のシリカと、カーボンブラックを組み合わせて配合する点が開示されている。また、下記特許文献4には、接地面を構成するタイヤトレッド用ゴム組成物において、ネオジウム系触媒を用いて重合されたブタジエンゴムをゴム成分に用いるとともに、フィラーとして小粒径のカーボンブラックを配合し、またシリカを少量併用してもよい点が開示されている。しかしながら、これらの技術はベーストレッド用ゴム組成物に関するものではなく、また、ネオジウム系触媒で重合したブタジエンゴムを用いるとともに、主たるフィラーとしての大粒径カーボンブラックに少量の小粒径フィラーを組み合わせたフィラーを用いることにより、ベーストレッド用ゴム組成物として優れた効果が得られることも開示されていない。
特開2006−124503号公報 特開2010−095705号公報 特開2006−124487号公報 特開2010−163544号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、耐カット性を維持しながら低発熱性を改良することができるタイヤベーストレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤベーストレッド用ゴム組成物は、希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴム20〜50質量%と他のジエン系ゴム50〜80質量%からなるゴム成分を含有し、かつシランカップリング剤を含有しないゴム組成物であって、フィラーとして、窒素吸着比表面積が20〜50m/gである大粒径カーボンブラック10〜15体積%と、窒素吸着比表面積が110 〜220m/gであるカーボンブラック及び/又はシリカからなる小粒径フィラー1〜5体積%を含有し、かつフィラーの総量が11〜16体積%であるものである。
また、本発明の好ましい態様に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物でベーストレッド部を作製してなるものである。
本発明によれば、希土類元素系触媒で重合されたブタジエンゴムと、大粒径カーボンブラックと小粒径フィラーの上記特有のブレンドからなるフィラーを組み合わせて用いることにより、耐カット性を維持しながら、低発熱性を改良してタイヤの転がり抵抗を低減することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物において、ゴム成分は、(A)希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴム20〜50質量%と、(B)その他のジエン系ゴム50〜80質量%とからなる。希土類元素系触媒で合成されたブタジエンゴムは、コバルト系触媒をはじめとする他の触媒で合成されたブタジエンゴムに比べて、加硫ゴムのヒステリシス損失を低減することができ、タイヤの転がり抵抗を低減することができる。
上記(A)成分のブタジエンゴムは、希土類元素系触媒を用いて重合されたブタジエンゴム(以下、希土類元素系触媒BRということがある)である。希土類元素系触媒としては、ネオジウム系触媒が好ましく、例えば、ネオジウム単体、ネオジウムと他の金属類との化合物、及び有機化合物が挙げられ、より詳細には、NdCl、Et−NdCl等が具体例として挙げられる。
希土類元素系触媒で合成したブタジエンゴムは、一般に、高シス含量で、かつ低ビニル含量のミクロ構造を有する。本実施形態において、希土類元素系触媒BRのミクロ構造は特に限定されないが、好ましくは、シス−1,4結合含有量が95%以上であり、かつビニル基(1,2−ビニル結合)含有量が1.8%以下のものを用いることである。シス−1,4結合含有量は96%以上であることがより好ましく、ビニル基含有量は1.0%以下であることがより好ましい。ここで、シス−1,4結合含有量及びビニル基含有量は、HNMRスペクトルの積分比により算出される値である。
上記(B)成分は、希土類元素系触媒BR以外のジエン系ゴムであり、特に限定されないが、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、希土類元素系触媒以外で重合したブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体などが挙げられ、これらはいずれか1種または2種以上の組み合わせて用いることができる。好ましくは、補強性の面から天然ゴムを用いることである。
上記のようにゴム成分は、(A)希土類元素系触媒BR:20〜50質量%と、(B)他のジエン系ゴム:50〜80質量%からなる。(A)希土類元素系触媒BRが20質量%未満では、低発熱性の改良効果が不十分となる。また、(A)希土類元素系触媒BRが50質量%を超えると、耐カット性を確保することが難しくなる。(A)希土類元素系触媒BRのゴム成分中に占める比率は、30〜50質量%であることがより好ましい。また、(B)他のジエン系ゴムのゴム成分中に占める比率は、50〜70質量%であることがより好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、フィラーとして、窒素吸着比表面積が20〜50m/gである大粒径カーボンブラックが10〜15体積%と、窒素吸着比表面積が110 〜220m/gである小粒径フィラーが1〜5体積%含まれる。このように大粒径カーボンブラックと小粒径フィラーをブレンドすることにより、発熱性の改良と補強性の改良をバランスよく行うことができる。ここで、小粒径フィラーとしてシリカを用いた場合、通常であればシランカップリング剤が配合されるが、本実施形態に係るゴム組成物では、かかる技術常識に反してシランカップリング剤を配合しないことを特徴とする。シランカップリング剤を配合すると、それを介してシリカとゴム成分とが結合されるため、引裂性能が低下する。そのため、技術常識に反してシランカップリング剤を配合しないことで引裂性能を改善し、大粒径カーボンブラックを用いることによる補強性及び引裂性能の悪化を、小粒径フィラーにより効果的に補うことができる。
上記大粒径カーボンブラックは、窒素吸着比表面積(NSA)が20〜50m/gであるカーボンブラックであり、窒素吸着比表面積が20m/g未満では、粒径が大きすぎて補強性に劣り、逆に50m/gを超えると、粒径が小さくなり低発熱性の改良効果が得られなくなる。大粒径カーボンブラックの窒素吸着比表面積は30〜50m/gであることがより好ましい。
大粒径カーボンブラックのゴム組成物中に占める含有率は、上記のように10〜15体積%であり、10体積%未満では、補強性を確保することが難しくなる。逆に、15体積%を超えると、低発熱性を改良することが難しくなる。大粒径カーボンブラックの含有率は、10〜14体積%であることが好ましい。
上記小粒径フィラーとしては、補強性フィラーとしてカーボンブラック及び/又はシリカを用いることが好ましい。
小粒径フィラーは、窒素吸着比表面積(NSA)が110〜220m/gであり、そのため上記大粒径カーボンブラックよりも小粒径のフィラーである。窒素吸着比表面積が110m/g未満では、粒径が大きくなって、上記大粒径カーボンブラックを主たるフィラーとして用いることによる補強性の低下を補うことが困難となる。逆に、220m/gを超えると、分散性に劣り、低発熱性を損なうおそれがある。小粒径フィラーの窒素吸着比表面積については、カーボンブラックの場合、110〜150m/gであることがより好ましく、より好ましくは110〜140m/gである。また、小粒径フィラーがシリカの場合、窒素吸着比表面積は、150〜220m/gであることが好ましく、より好ましくは160〜200m/gである。
小粒径フィラーのゴム組成物中に占める含有率は、上記のように1〜5体積%であり、1体積%未満では、補強性を改善することができず、逆に5体積%を超えると、低発熱性を損なうおそれがある。小粒径フィラーの含有率は、1.5〜4体積%であることが好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(NSA)は、JIS K6217−7(多点法窒素比表面積)に準拠して測定される値である。
本実施形態に係るゴム組成物において、上記フィラーは、総量で11〜16体積%含有される。フィラーの含有率が11体積%未満では、補強性を確保することが困難である。逆に、16体積%を超えると、低発熱性を確保することが困難となる。フィラーの総量はより好ましくは12〜16体積%である。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記成分の他に、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、軟化剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、タイヤのベーストレッド用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。上記加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
該ゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、第一混合段階で、ゴム成分に対し、上記フィラーとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合することによりゴム組成物を調製することができる。
なお、上記(B)成分としての天然ゴム等のジエン系ゴムに大粒径カーボンブラックを添加混合して予めマスターバッチを作製しておき、これに上記(A)成分の希土類元素系触媒BRとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製してもよい。このようにマスターバッチ化しておくことにより、低発熱性を更に改良することができる。
本実施形態に係るタイヤベーストレッド用ゴム組成物は、JIS K6255のリュプケ式反発弾性試験に準拠して温度60℃で測定した加硫物の反発弾性率が65〜85%であることが好ましい。60℃での反発弾性率は低発熱性の指標として一般に用いられており、これが65%未満では、ベーストレッド部としての低発熱化効果が不十分となり、空気入りタイヤの転がり抵抗性能の改善効果が十分に得られないおそれがある。逆に、85%を超えると、補強性が悪化するおそれがある。60℃での反発弾性率は、70〜80%であることがより好ましい。
本実施形態に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、また、空気入りタイヤの操縦安定性や乗り心地性を考慮して、JIS K6253に準拠してタイプAデュロメータにより温度23℃で測定した加硫物の硬さが50以上であることが好ましい。加硫物の硬さは、より好ましくは50〜65であり、更に好ましくは50〜60である。
60℃での反発弾性率と23℃での硬さは、大粒径カーボンブラックの窒素吸着比表面積及び配合量、小粒径フィラーの窒素吸着比表面積及び配合量等によって変化するので、上記数値範囲を満足するようにこれらを適宜設定すればよい。例えば、大粒径カーボンブラックの窒素吸着比表面積が小さく、また配合量が少ないほど、反発弾性率は高くなる傾向があり、また配合量が少ないと硬さが低下する傾向がある。また、小粒径フィラーの配合量が多いほど、反発弾性率は小さく、硬さは高くなる傾向がある。本実施形態によれば、上記のように従来のコバルト触媒を用いたブタジエンゴムに代えて希土類元素系触媒BRを用い、かつ、フィラーとして大粒径カーボンブラックと小粒径フィラーのブレンドを用いることにより、低発熱性と補強性を従来よりも高度に両立することができ、60℃での反発弾性率と23℃での硬さを上記数値範囲内に容易に設定することができる。
以上よりなる本実施形態に係るゴム組成物は、キャップトレッド部とベーストレッド部とからなる2層構造のトレッドゴム部を備える空気入りタイヤにおいて、ベーストレッド部を形成するゴムとして用いられる。より詳細には、カーカスのクラウン部外周に配されたベルトのタイヤ半径方向外側に、トレッドゴム部を備え、該トレッドゴム部が、接地面となるキャップトレッド部と、その半径方向内側においてベルトとの間に配されたベーストレッド部とで構成された空気入りタイヤにおいて、該ベーストレッド部を形成するゴム組成物として用いられる。
該タイヤの製造は、常法に従い行うことができる。例えば、上記ゴム組成物は、ロールやミキサー等の混合機で混合され、シート状にしたものを、キャップトレッド部を形成する未加硫のシート状ゴムとともに積層し、常法に従い加硫成形することにより、ベーストレッド部として形成され、空気入りタイヤが得られる。該空気入りタイヤとしては、特に限定されず、各種のタイヤが挙げられるが、乗用車用ラジアルタイヤが特に好適である。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、まず、第一混合段階で、硫黄と加硫促進剤を除く成分を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で硫黄と加硫促進剤を添加混合して、タイヤベーストレッド用ゴム組成物を調製した。なお、フィラーの体積%は、ゴム組成物全体の体積に対する、フィラー体積の割合であり、各配合において質量比率から各成分の比重に基づいて体積を計算することで算出した。表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
・NR:天然ゴム(RSS#3)
・Co−BR:宇部興産株式会社製「BR150B」(コバルト系触媒により重合されたブタジエンゴム)
・Nd−BR:ランクセス社製「Buna CB22」(ネオジウム系触媒で重合されたブタジエンゴム、シス−1,4結合含有量=96.5%、ビニル基含有量=0.4%)
・カーボンブラック1:東海カーボン株式会社製「シーストSO」(窒素吸着比表面積=42m/g)
・カーボンブラック2:東海カーボン株式会社製「シーストV」(窒素吸着比表面積=27m/g)
・カーボンブラック3:東海カーボン株式会社製「シースト7HM」(窒素吸着比表面積=126m/g)
・シリカ:デグサ社製「Ultrasil VN3」(窒素吸着比表面積=175m/g)
・オイル:JOMO製「プロセスNC140」
・シランカップリング剤:デグサ社製「Si75」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS20」
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:住友化学工業株式会社製「アンチゲン6C」
・ワックス:大内新興化学工業(株)製「サンノックN」
・加硫促進剤:住友化学工業株式会社製「ソクシールCZ」
・硫黄:鶴見化学工業株式会社製「粉末硫黄」
各ゴム組成物について、150℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、硬さ、反発弾性率、破断強度、及び引裂強さを測定した。更に、各ゴム組成物をベーストレッド部を形成するゴムとして用いて、215/45ZR17の空気入りラジアルタイヤを作製し、転がり抵抗性能を評価した。各評価・測定方法は以下の通りである。
・硬さ:JIS K6253に準拠してタイプAデュロメータを用いて、23℃での硬さを測定した(試験片の厚み=20mm)。値が大きいほど、操縦安定性に優れる。
・反発弾性率:JIS K6255に従い、60℃におけるリュプケ式反発弾性試験を実施して、反発弾性率を測定した。値が大きいほど、発熱しにくく、即ち低発熱性に優れることを意味する。
・破断強度:JIS K6251に準拠した引張試験(ダンベル状3号形)により破断時の引張強さを測定し、比較例1の値を100とした指数で示した。指数が大きいほど、引張強さが高く、補強性に優れることを意味する。
・引裂強さ:JIS K6252に準拠(クレセント形試験片)して引裂強さを測定し、比較例1の値を100とした指数で示した。指数が大きいほど、引裂強さが高いことを意味する。
・転がり抵抗性能:空気圧230kPa、荷重4.4kNとして、転がり抵抗測定用の1軸ドラム試験機にて、室温を23℃に設定し、80Km/hで走行させたときの転がり抵抗を測定した。結果は、比較例1の値を100とした指数で示した。指数が小さいほど、転がり抵抗が小さく、従って低燃費性に優れることを示す。
Figure 2013112732
結果は、表1に示す通りであり、Co−BRを用いた比較例1では、反発弾性が低く転がり抵抗性能に劣るものであった。比較例2では、Co−BRからNd−BRに置換することにより、反発弾性率が向上し、転がり抵抗性能に改善傾向が認められたが、不十分であり、また破断強度も低下しており耐カット性に劣っていた。比較例3では、大粒径カーボンブラックの配合量を減らすことで転がり抵抗性能の向上効果が認められたが、補強性が損なわれ、破断強度と引裂強さの更なる低下が認められた。比較例4及び7では、大粒径カーボンブラックの含有率を規定値内に設定したが、小粒径フィラーを添加していないため、補強性に劣っていた。比較例5では、フィラーとして小粒径フィラーのみを用いており、補強性を確保することはできたが、転がり抵抗性能の改良効果は得られなかった。比較例6では、大粒径カーボンブラックと小粒径シリカを所定の含有率にてブレンドしたが、シランカップリング剤を配合したため、破断強度と引裂強さに劣っており、耐カット性に劣るものであった。
これに対し、Nd−BRと、大粒径カーボンブラック/小粒径フィラーのブレンドからなるフィラーを組み合わせて用い、かつシランカップリング剤を配合しない実施例1〜8であると、硬さが50以上かつ反発弾性率が65〜85%の範囲内に設定されており、そのため、操縦安定性を確保しつつ低発熱性が改良されていた。また、破断強度及び引張強さが維持されており、そのため耐カット性を確保できるものでありながら、転がり抵抗性能が明らかに改善されていた。

Claims (5)

  1. 希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴム20〜50質量%と他のジエン系ゴム50〜80質量%からなるゴム成分を含有し、かつシランカップリング剤を含有しないゴム組成物であって、
    フィラーとして、窒素吸着比表面積が20〜50m/gである大粒径カーボンブラック10〜15体積%と、窒素吸着比表面積が110 〜220m/gであるカーボンブラック及び/又はシリカからなる小粒径フィラー1〜5体積%を含有し、かつフィラーの総量が11〜16体積%である
    ことを特徴とするタイヤベーストレッド用ゴム組成物。
  2. 前記小粒径フィラーがカーボンブラックであることを特徴とする請求項1記載のタイヤベーストレッド用ゴム組成物。
  3. 前記小粒径フィラーがシリカであることを特徴とする請求項1記載のタイヤベーストレッド用ゴム組成物。
  4. JIS K6255のリュプケ式反発弾性試験に準拠して温度60℃で測定した加硫物の反発弾性率が65〜85%であり、JIS K6253に準拠してタイプAデュロメータにより温度23℃で測定した加硫物の硬さが50以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤベーストレッド用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物でベーストレッド部を作製してなる空気入りタイヤ。
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