JP2013110844A - 発電装置及び一方向クラッチ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】風力発電装置1は、増速機3の出力軸35に一体回転可能に設けられた入力回転体5と、発電機4の駆動軸41に一体回転可能に設けられた出力回転体6と、入力回転体5と出力回転体6との間に配置された一方向クラッチ7とを備える。一方向クラッチ7は、入力回転体5の回転速度が出力回転体6の回転速度を上回る状態で、入力回転体5と出力回転体6とを一体回転可能に接続し、入力回転体5の回転速度が出力回転体6の回転速度を下回る状態で、入力回転体5と出力回転体6との接続を遮断する。一方向クラッチ7は、入力回転体5から出力回転体6への伝達トルクが上限を超えたときに入力回転体5と出力回転体6との接続を遮断するトルクリミッタ9を備える。
【選択図】図1
Description
また、高速段歯車機構204は、遊星歯車機構203から低速軸204aに回転が伝達されると、低速ギヤ204b及び第1中間ギヤ204cを介して中間軸204dを増速回転させ、さらに第2中間ギヤ204e及び高速ギヤ204fを介して出力軸205を増速回転させる。
また、発電機に焼き付き等が生じるとその駆動軸が回転し難くなり、出力軸から駆動軸への伝達トルクが過大になるとともに、増速機にも大きな負担がかかり、増速機が損傷してしまうおそれがあった。
収容凹部内にころが収容された状態で入力回転体が回転し、その遠心力によって収容凹部からころが飛び出すと、再度、ころが内輪外周面及び外輪内周面に噛み合ってしまうおそれがあるが、本発明のトルクリミッタは、収容凹部からころが離脱するのを防止する離脱防止手段を備えているので、このような問題を解消することができる。
このような構成によって、入力回転体の回転による遠心力でころが収容凹部から径方向外方へ向けて離脱しようとしても、規制部が障害となって当該離脱が防止される。したがって、ころが内輪外周面及び外輪内周面に再び噛み合ってしまうのを好適に防止することができる。
この構成によれば、保持器のポケットからころが離脱して収容凹部内に入り込むと、弾性部材が伸張することによってころの径方向外側に配置される。したがって、入力回転体の回転に伴う遠心力で収容凹部からころが径方向外方へ離脱しようとしても、弾性部材が障害となって当該離脱が防止される。
この構成によれば、上記のように収容凹部に入り込んだころの径方向外側に弾性部材が配置されたときに、この閉塞部材が収容凹部の少なくとも一部を塞ぎ、ころの離脱を確実に防止することができる。
このような構成によって、入力回転体の回転による遠心力で収容凹部からころが離脱しようとしても、規制部が障害となって当該離脱が防止される。したがって、ころが内輪外周面及び外輪内周面に再び噛み合ってしまうのを好適に防止することができる。
この構成によれば、保持器のポケットからころが離脱して収容凹部内に入り込むと、弾性部材が伸張することによってころの径方向外側に配置される。したがって、入力回転体の回転に伴う遠心力で収容凹部からころが径方向外方へ離脱しようとしても弾性部材が障害となり、当該離脱を防止することができる。
この構成によれば、上記のように収容凹部に入り込んだころの径方向外側に弾性部材が配置されたときに、この弾性部材に取り付けられた閉塞部材が収容凹部の少なくとも一部を塞ぎ、ころの離脱を確実に防止することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る発電装置を示す概略側面図である。本実施形態の発電装置は風力発電装置1であり、この風力発電装置1は、風力(外力)を受けて回転する主軸2と、この主軸2に連結された増速機3と、この増速機3に連結された発電機4とを備えており、主軸2の回転が増速機3によって増速され、この増速された回転動力で発電機4が駆動される。
発電機4は、増速機3により増速された回転動力が入力されて回転する駆動軸41と、発電機4に内蔵されたロータ42と、図示しないステータ等とを有する。ロータ42は駆動軸41に一体回転可能に連結されており、駆動軸41が回転してロータ42が駆動することに伴って発電するようになっている。
遊星歯車機構31は、内歯車(リングギヤ)31aと、主軸2に一体回転可能に連結された遊星キャリア(図示省略)に保持された複数の遊星歯車31bと、遊星歯車31bに噛み合う太陽歯車31cとを有している。これにより、前記主軸2とともに遊星キャリアが回転すると、遊星歯車31bを介して太陽歯車31cが回転し、その回転が高速段歯車機構32の低速軸33に伝達される。
低速軸33は、その直径が例えば約1mの大型の回転軸からなり、主軸2と同心上に配置されている。低速軸33の軸方向両端部はころ軸受36a,36bにより回転自在に支持されている。
出力軸35は、中間軸34の上方に配置されており、回転トルクを出力するようになっている。出力軸35の軸方向の一端部35b及び他端部(出力端部)35c側は、それぞれころ軸受38,39により回転自在に支持されている。
保持器38dは、軸方向に離反して配置された一対の円環部38d1と、この円環部38d1の周方向に沿って等間隔おきに配置されて両円環部38d1同士を連結する複数の柱部38d2とを有している。一対の円環部38d1と隣接する柱部38d2との間には、それぞれポケット38d3が形成されており、このポケット38d3内に円筒ころ38cが配置されている。
フランジ部62は、円筒部61の外周面よりも径方向外側に延びて形成されており、駆動軸41の一端部(図3の左端部)に着脱可能に固定されている。具体的には、フランジ部62は、駆動軸41の一端部に形成されたフランジ部41aに当接した状態で、図示しないボルト・ナットにより当該フランジ部41aに締結固定されている。
内輪71は、入力回転体5の小径部52cの左側部に外嵌して固定されており、この小径部52cとともに図4の矢印A方向に一体回転するようになっている。出力回転体6における円筒部61の軸方向中央部の領域Bは、一方向クラッチ7の外輪72とされている。したがって、円筒部61の領域Bの内周面に、前記内周面72aが形成されている。ころ73は、円柱形状であり、本実施形態では周方向に6個配置されている。
保持器74は、軸方向に対向する一対の円環部74aと、両円環部74aの間で軸方向に延びかつ周方向等間隔に配列されて当該両円環部74aを連結する複数の柱部74bとを有している。両円環部74aと隣接する柱部74bとの間には複数のポケット74cが形成されており、各ポケット74cに各ころ73が個別に収容されている。
弾性部材75は、圧縮コイルバネからなり、保持器74の各ポケット74cに個別に収容されて柱部74bに取り付けられている。
前述したように、一方向クラッチ7は、入力回転体5が矢印A方向に増速回転することによって、ころ73がカム面71a1と外輪72の内周面72aとの間に噛み合い、出力回転体6を矢印A方向に一体回転させる。しかし、発電機4に焼き付き等が生じて駆動軸41が回転し難くなると、この駆動軸41に連結された出力回転体6も回転し難くなり、入力回転体5から出力回転体6に伝達される回転トルクが過大となる。そのため、入力回転体5に連結された出力軸35と主軸2との間の増速機3にも大きな負担がかかり、増速機3内の歯車や軸受等を損傷させてしまう可能性がある。
弾性部材75にはカバー部材93が設けられている。このカバー部材93は、図5に示されるように、弾性部材75の周方向一端面(ころ73側の端面)、径方向外側面、径方向内側面、及び軸方向両側面を取り囲むように有底角筒形状に形成されており、周方向一端面を覆う部分93aがころ73に当接している。また、弾性部材75の径方向外側面を覆う部分93bは、外輪72の内周面72aに沿って円弧状に形成されており、この部分93bは、外輪72の内周面72aに接触しても円滑に滑ることができるように、フッ素樹脂や二硫化モリブデン等によるコーティングが施され、摩擦抵抗が低減されている。
内輪81は、外周に形成された内輪軌道面81aと、この内輪軌道面81aの軸方向両側において径方向外側に向かって突出して形成された内輪鍔部81bとを有している。各内輪鍔部81bの内側面には、円筒ころ83の両端面がそれぞれ摺接するようになっている。また、一方向クラッチ7に隣接する内輪鍔部81bの外側面81b1は、一方向クラッチ7の保持器74の軸方向端面である円環部74aの外側面が当接する当接面とされている。
より具体的には、転がり軸受8の内輪鍔部81bに、一方向クラッチ7の保持器74の軸方向両端面(円環部74aの外側面)を当接させているので、転がり軸受8の内輪鍔部81bを、前記保持器74の軸方向移動を規制する部材として兼用することができる。これにより、転がり軸受8の構造を簡略化することができる。
また、出力回転体6は、発電機4の駆動軸41に着脱可能に固定されるとともに、入力回転体5に対して軸方向に移動可能に配置されているため、出力回転体6を駆動軸41から取り外して入力回転体5に対して軸方向へ移動させれば、入力回転体5から出力回転体6を取り外すことができる。これにより、一方向クラッチ7の外輪72及び転がり軸受8の外輪82を同時に取り外すことができるため、一方向クラッチ7及び転がり軸受8のメンテナンス作業を容易に行うことができる。この際、発電機4を移動させる必要がないため、前記メンテナンス作業をさらに容易に行うことができる。
また、出力回転体は、入力回転体の径方向外側に配置されているが、入力回転体の径方向内側に配置されていてもよい。この場合、一方向クラッチは外輪内周面にカム面を形成し、内輪外周面を円筒面とすればよい。さらにこの場合には、出力回転体の外周面に内輪外周面を形成し、出力回転体を内輪として兼用してもよい。
また、入力回転体と出力回転体との間に配置される転がり軸受は、出力回転体を軸方向へ移動させるために円筒ころ軸受としているが、出力回転体を軸方向へ移動させない場合には玉軸受としてもよい。
一方向クラッチの保持器は、転がり軸受の内輪に当接させているが、転がり軸受の外輪を出力回転体に対して別部材として設け、この外輪に一方向クラッチの保持器を当接させてもよい。
また、上記実施形態においては、外力として風力を用いる風力発電装置を例示したが、本発明は、水力や火力等の他の外力を用いて発電する発電装置にも適用することができる。また、本発明の一方向クラッチは、発電装置以外の用途にも適用可能である。
Claims (10)
- 外力により回転する主軸と、前記主軸の回転を入力して増速する回転伝達機構と、前記回転伝達機構の回転トルクを出力する出力軸を回転自在に支持するころ軸受とを有する増速機と、前記出力軸の回転を入力として回転する駆動軸を有するとともに、当該駆動軸と一体回転するロータの回転に伴って発電する発電機と、を備えた発電装置であって、
前記出力軸に一体回転可能に設けられた入力回転体と、
前記駆動軸に一体回転可能に設けられ、前記入力回転体の径方向内側又は径方向外側に同心上に配置された出力回転体と、
前記入力回転体と出力回転体との間に配置され、前記入力回転体の回転速度が前記出力回転体の回転速度を上回る状態で、前記入力回転体と出力回転体とを一体回転可能に接続し、前記入力回転体の回転速度が前記出力回転体の回転速度を下回る状態で、前記入力回転体と出力回転体との接続を遮断する一方向クラッチとを備え、
前記一方向クラッチには、前記入力回転体から前記出力回転体への伝達トルクが上限を超えたときに前記入力回転体と前記出力回転体との接続を遮断するトルクリミッタが設けられていることを特徴とする発電装置。 - 前記一方向クラッチは、前記入力回転体及び前記出力回転体の一方側に設けられた外輪内周面と、同他方側に設けられるとともに、前記外輪内周面との間に周方向に複数のくさび状空間を形成する内輪外周面と、前記複数のくさび状空間のそれぞれに配置されたころと、を有し、前記ころが前記内輪外周面及び前記外輪内周面に噛み合うことにより前記入力回転体と前記出力回転体とを一体回転可能に接続し、その噛み合いが解除されることにより前記接続を遮断するものであり、
前記トルクリミッタは、前記内輪外周面に形成されると共に、前記伝達トルクが上限を超えたときに前記くさび状空間から離脱した前記ころを収容し、当該ころと前記内輪外周面及び前記外輪内周面との噛み合いを解除させる収容凹部を備えている、請求項1に記載の発電装置。 - 前記内輪外周面が前記入力回転体側に設けられており、
前記トルクリミッタは、前記入力回転体の回転に伴う遠心力で前記収容凹部内のころが当該収容凹部から離脱するのを防止する離脱防止手段をさらに備えている、請求項2に記載の発電装置。 - 前記離脱防止手段は、前記収容凹部の周方向の端縁に当該収容凹部内に収容された前記ころの径方向外方への移動を規制する規制部を突設することによって構成されている、請求項3に記載の発電装置。
- 前記内輪外周面と前記外輪内周面との間には、前記ころを収容可能なポケットを有すると共に複数の前記ころの周方向間隔を保持する保持器と、前記ポケット内の前記ころを前記くさび状空間の狭小方向へ付勢する圧縮バネからなる弾性部材とを備えており、
前記離脱防止手段は、前記弾性部材よりも径方向内側に前記ころを位置づけることができる深さに前記収容凹部を形成することによって構成されている、請求項3又は4に記載の発電装置。 - 前記弾性部材には、前記ころが収容された前記収容凹部の少なくとも一部を塞ぐ閉塞部材が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の発電装置。
- 入力回転体とこの入力回転体の径方向外側に同心上に配置された出力回転体との間に配置され、前記入力回転体の回転速度が前記出力回転体の回転速度を上回る状態で、前記入力回転体と前記出力回転体とを一体回転可能に接続し、前記入力回転体の回転速度が前記出力回転体の回転速度を下回る状態で、前記入力回転体と出力回転体との接続を遮断する一方向クラッチであって、
前記出力回転体側に設けられた外輪内周面と、
前記入力回転体側に設けられるとともに、前記外輪内周面との間に周方向に複数のくさび状空間を形成する内輪外周面と、
前記複数のくさび状空間のそれぞれに配置されるとともに、前記内輪外周面及び前記外輪内周面に噛み合うことにより前記入力回転体と前記出力回転体とを一体回転可能に接続し、その噛み合いが解除されることにより前記接続を遮断するころと、
前記内輪外周面に形成されると共に、前記入力回転体から前記出力回転体への伝達トルクが上限を超えたときに前記くさび状空間から離脱した前記ころを収容し、当該ころと前記内輪外周面及び前記外輪内周面との噛み合いを解除させる収容凹部を備えたトルクリミッタと、を備え、
前記トルクリミッタは、前記入力回転体の回転に伴う遠心力で前記収容凹部内のころが当該収容凹部から離脱するのを防止する離脱防止手段を備えていることを特徴とする一方向クラッチ。 - 前記離脱防止手段は、前記収容凹部の周方向の端縁に当該収容凹部内に収容された前記ころの径方向外方への移動を規制する規制部を突設することによって構成されている、請求項7に記載の一方向クラッチ。
- 前記内輪外周面と前記外輪内周面との間には、前記ころを収容可能なポケットを有すると共に複数の前記ころの周方向間隔を保持する保持器と、前記ポケット内の前記ころを前記くさび状空間の狭小方向へ付勢する圧縮バネからなる弾性部材とを備えており、
前記離脱防止手段は、前記弾性部材よりも径方向内側に前記ころを位置づけることができる深さに前記収容凹部を形成することによって構成されている、請求項7又は8に記載の一方向クラッチ。 - 前記弾性部材には、前記ころが収容された前記収容凹部の少なくとも一部を塞ぐ閉塞部材が設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の一方向クラッチ。
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