JP2013108754A - 力検出器、検出装置、電子機器及びロボット - Google Patents

力検出器、検出装置、電子機器及びロボット Download PDF

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Abstract

【課題】計測分解能が高く、計測感度が良い力検出器を提供する事。
【解決手段】検出面に加えられた力を検出する力検出器は、第一電極配線211と、第二電極配線212と、複数個の圧力センサー12とを備える。圧力センサー12は第一電極配線211と第二電極配線212との交点に設けられ、第二電極配線212は第一電極配線211よりも検出面側に配置される。第二電極配線212は圧力センサー12の外の領域で、屈曲又は湾曲する箇所を有している。こうする事で、一つの圧力センサー12に加えられた力が第二電極配線212を経由して隣の圧力センサー12に伝播する事を抑制でき、検出面に加えられた力を正確に測定する事ができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、力検出器、検出装置、電子機器及びロボットに関する。
上電極と下電極とを格子状に配置し、これらの上電極と下電極との間の抵抗或いは容量の変化を計測する事で、圧力を計測する圧力検出器が従来から提案されている。図21は従来の圧力検出器を示す図で、(a)は平面図、(b)は力Fが(a)の平面図の中央部に加えられた際のR−R’における断面図、(c)は力Fが(a)の平面図の中央部に加えられた際のC−C’における断面図である。例えば特許文献1では、図21に示す様に、上電極312と下電極311との間に感圧導電ゴム314を設け、更に上電極312の上に不図示の接触子を設け、接触子に作用する圧力を検出する圧力検出器が提案されている。
又、外力を検出する検出装置として、特許文献2及び3に記載の検出装置が知られている。このような検出装置は、タッチパネルやロボットの触覚センサー等への応用が検討されている。特許文献2の検出装置は、裏面に錘状突起が略均一に配置された受圧シートを用い、その突起の変形量から圧力分布を検出する構成となっている。特許文献3の検出装置は、受圧シートの表面に複数の柱状突起を格子状に配置し、これら表面突起の周辺部を等分した箇所の裏面に円錐状の突起を設けた構成となっている。
特開2008−164557号公報 特開昭60−135834号公報 特開平7−128163号公報
しかしながら、特許文献1の圧力検出器では接触子に加えられた圧力を正確に測定できないという課題があった。これは、図21(c)に示す様に、接触子に加えられた力Fが上電極312の配線方向に伝播して分散する為である。図21(b)に示す様に、上電極312の配線に直交する方向では、計測分解能は差程低下しないが、図21(c)に示す様に、上電極312の配線方向では計測分解能が低下し、又、検出感度も低下していた。即ち、従来の圧力検出器では、計測分解能が低く、計測感度も悪いという課題があった。
又、従来の検出装置では、特許文献1の圧力検出器と同じタイプの圧力検出器が使用されている。その為に、外力の検出装置も矢張り、計測分解能が低く、計測感度も悪いという課題があった。加えて、特許文献2の検出装置では、測定面にかかる外力の面内方向の力(滑り力)を測定できないという課題があった。又、特許文献3の検出装置では、外力を三次元の力ベクトルとして検出する事は可能であるが、突起の変形の度合いで外力の検出限界が制限されていた。以上の様に、特許文献2及び3の検出装置では、いずれも外力の大きさと方向とを高い精度で検出する事ができないという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決する為になされたものであり、以下の形態又は適用例として実現する事が可能である。
(適用例1) 本適用例に係わる力検出器は、検出面に加えられた力を検出する力検出器であって、第一電極配線と、第二電極配線と、圧力センサーとを備え、圧力センサーは第一電極配線と第二電極配線との交点に設けられ、第二電極配線は第一電極配線よりも検出面側に配置され、第二電極配線は圧力センサーの外の領域で、屈曲又は湾曲する箇所を有する事を特徴とする。
この構成によれば、一つの圧力センサーに加えられた力が第二電極配線を経由して隣の圧力センサーに伝播する事を抑制できる。従って、第二電極配線に沿った方向での計測分解能と検出感度との低下を抑制できる。即ち、検出面に加えられた力を正確に測定する事ができる。換言すると、計測分解能が高く、計測感度も良い力検出器を提供する事ができる。
(適用例2) 上記適用例に係わる力検出器において、第一電極配線は直線である事が好ましい。
この構成によれば、第一電極配線は真っ直ぐな帯状となるので、製造が容易で有る上に、複数個の圧力センサーを行列状に配置できる。
(適用例3) 上記適用例に係わる力検出器において、外の領域に屈曲又は湾曲する箇所を複数個有する事が好ましい。
この構成によれば、屈曲又は湾曲する箇所が多いので、一つの圧力センサーに加えられた力が第二電極配線を経由して隣の圧力センサーに伝播する事をより確実に抑制できる。即ち、第二電極配線に沿った方向での計測分解能と検出感度との低下をより確実に抑制できる。
(適用例4) 上記適用例に係わる力検出器において、交点において、第一電極配線と第二電極配線とが斜めに交差する事が好ましい。
屈曲又は湾曲する箇所では第二電極配線の幅が変動する恐れがある。この構成によれば、圧力センサーが設けられる交点近傍で第二電極配線は直線又は緩やかに湾曲した状態となるので、幅の変動を極めて小さくできる。即ち、圧力センサーの検出面積が変動する可能性を著しく低くする事ができ、複数個の圧力センサーの感度を均一に揃える事ができる。
(適用例5) 上記適用例に係わる力検出器において、第一電極配線と第二電極配線との間に感圧導電性弾性体を備える事が好ましい。
この構成によれば、計測分解能が高く、計測感度も良い感圧抵抗方式の力検出器を提供する事ができる。
(適用例6) 上記適用例に係わる力検出器において、第一電極配線と第二電極配線との間に誘電体物質を備える事が好ましい。
この構成によれば、計測分解能が高く、計測感度も良い静電容量方式の力検出器を提供する事ができる。
(適用例7) 本適用例に係わる検出装置は、外力の大きさと方向とを検出する検出装置であって、上述の適用例に記載の力検出器と弾性体突起とを含むと共に、第一基板と第二基板とを有し、第一基板の表面には、力検出器が設けられ、第二基板の裏面には、外力によって弾性変形する弾性体突起が設けられ、第一基板には基準点が定められると共に、圧力センサーは基準点の回りに複数個設けられ、弾性体突起は、基準点と重なる位置に重心が位置し、先端部が圧力センサーに当接する様に配置されている事を特徴とする。
この構成によれば、弾性体突起の先端部が第一基板(複数の圧力センサー)に当接した状態で滑り方向(圧力センサー表面に平行な方向)に変形する事が可能であるので、特許文献2や特許文献3の検出装置に比べて、外力の大きさと方向との検出精度を高める事ができる。第二基板の表面に外力が付加されると、弾性体突起は先端部が第一基板に当接した状態で圧縮変形する。この時、面内の所定の方向の滑り力成分がある場合、弾性体突起の変形には偏りが生じる。即ち、弾性体突起の重心は基準点からずれて所定方向(滑り方向)に移動する。すると、複数の圧力センサーのうち弾性体突起の重心が移動した部分と重なる割合が相対的に大きくなる。つまり、各圧力センサーで異なる値の圧力値が検出される。具体的には、弾性体突起の重心と重なる位置の圧力センサーでは相対的に大きい圧力値が検出され、弾性体突起の重心と重ならない位置の圧力センサーでは相対的に小さい圧力値が検出される事となる。よって、演算装置により、各圧力センサーで検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と大きさを求める事ができる。又、圧力センサーの感度と分解能とが優れているので、外力の大きさと方向とを高い精度で検出する検出装置を提供する事ができる。
(適用例8) 上記適用例に係わる検出装置において、外力によって弾性体突起が弾性変形する事により複数の圧力センサーで検出された圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサーで検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と外力の大きさを演算する演算装置を備える事が好ましい。
この構成によれば、大規模な演算装置を用いずとも、小規模の簡単な演算にて比較的正確に外力の大きさと方向とを計測する事ができる。
(適用例9) 上記適用例に係わる検出装置において、複数の圧力センサーは、基準点に対して点対称に配置されている事が好ましい。
この構成によれば、基準点と各圧力センサーとの間の距離が互いに等しくなるので、弾性体突起の変形量と各圧力センサーで検出される圧力値の関係が互いに等しくなる。例えば、複数の圧力センサーが基準点から互いに異なる距離に配置される場合、弾性体突起の変形量が同じであっても、各圧力センサーで検出される圧力値は互いに異なる事となる。この為、検出値の差分を演算する際に各圧力センサーの配置位置に応じた補正係数が必要となる。しかしながら、この構成によれば、弾性体突起の変形量と各圧力センサーが検出する圧力値との関係が互いに等しくなるので、補正係数は不要となる。従って、各圧力センサーで検出された圧力値から外力の方向と大きさを演算する事が容易となり、外力を効率よく検出する事ができる。
(適用例10) 上記適用例に係わる検出装置において、複数の圧力センサーは、互いに直交する二方向に行列状に配置されている事が好ましい。
この構成によれば、各圧力センサーの圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサーの圧力値の差分から外力の方向と大きさを演算する事が容易となる。
(適用例11) 上記適用例に係わる検出装置において、複数の圧力センサーは、互いに直交する二方向に少なくとも4行4列に配置されている事が好ましい。
この構成によれば、配置される圧力センサーの数が多くなる。この為、多数の圧力センサーで検出される圧力値に基づいて各圧力センサーの検出結果を積算して外力の作用する方向と大きさを求める事ができる。従って、外力の方向と大きさを高い精度で検出する事ができる。
(適用例12) 上記適用例に係わる検出装置において、弾性体突起は第二基板に複数形成されており、複数の弾性体突起は、互いに離間して配置されている事が好ましい。
この構成によれば、弾性体突起が弾性変形した時の第二基板本体の面内に平行な方向の変形量を許容する事ができる。例えば、一方の弾性体突起が変形した時に他方の弾性体突起に変形の影響を及ぼす事を抑制する事ができる。この為、複数の弾性体突起が互いに接触して配置されている場合に比べて、外力を正確に各圧力センサーに伝達する事ができる。従って、外力の方向と大きさを高い精度で検出する事ができる。
(適用例13) 上記適用例に係わる検出装置において、第二基板の弾性体突起が形成された側と反対の側には、第二基板よりも高い剛性を有する補強部材が配置されている事が好ましい。
この構成によれば、外力が2つの隣り合う弾性体突起の間の領域に作用する場合、補強部材が無い時に比べて2つの隣り合う弾性体突起が互いに反対の方向に圧縮変形してしまう事を抑制する事ができる。つまり、外力の加えられた方向と反対の方向を検出するといった誤検出を抑制する事ができる。従って、外力の方向と大きさを高い精度で検出する事ができる。
(適用例14) 本適用例に係わる電子機器は、上記適用例に係わる検出装置を備える事を特徴とする。
この構成によれば、上述した検出装置を備えているので、外力の方向と大きさを高い精度で検出する事が可能な電子機器を提供する事ができる。
(適用例15) 本適用例に係わるロボットは、上記適用例に係わる検出装置を備える事を特徴とする。
この構成によれば、上述した検出装置を備えているので、外力の方向と大きさを高い精度で検出する事が可能なロボットを提供する事ができる。
実施形態1に係る力検出器の概略構成を示す図。 実施形態1に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 実施形態1に係る圧力センサーによる圧力値の変化を示す断面図。 実施形態1に係る圧力センサーによる圧力値の変化を示す平面図。 実施形態1に係るセンシング領域の座標系を示す図。 実施形態1に係る圧力センサーによる垂直方向の圧力分布を示す図。 実施形態1に係る圧力センサーによる滑り方向の計算例を示す図。 実施形態2に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 実施形態2に係る圧力センサーによる圧力値の変化を示す断面図。 実施形態2に係る圧力センサーによる圧力値の変化を示す平面図。 実施形態2に係るセンシング領域の座標系を示す図。 実施形態3に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 実施形態3に係る圧力センサーによる圧力値の変化を示す断面図。 変形例1における第二電極配線の平面形状を説明した図。 変形例2における第二電極配線の平面形状を説明した図。 変形例3における第二電極配線の平面形状を説明した図。 変形例4における第二電極配線の平面形状を説明した図。 電子機器の一例携帯電話機の概略構成を示す模式図。 電子機器の一例携帯情報端末の概略構成を示す模式図。 ロボットの一例ロボットハンドの概略構成を示す模式図。 従来の圧力検出器を示す図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各構成を判り易くする為に、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。尚、以下の説明においては、図1中に示されたXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸が第一基板10に対して平行な方向に設定され、XY平面(z=0)を検出面(図1(b)の対向基板13の表面)と称す。又、Z軸が第一基板10に対して直交する方向(検出面の法線方向)に設定されている。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る力検出器の概略構成を示す図であり、(a)は平面図で、(b)は(a)のA−A’における断面図である。力検出器は第一基板10に形成され、図1(b)に示される様に、第一基板本体11と対向基板13と感圧材料14とを備える。即ち、第一基板10は、第一基板本体11と、第一基板本体11に配置された複数の圧力センサー12と、を具備して構成されている。本実施形態で、感圧材料14は感圧導電性弾性体である。感圧材料14は第一基板本体11の表面と対向基板13の裏面とで挟持され、対向基板13の表面が検出面である。力検出器はこの検出面に加えられた力を検出する。尚、第一基板本体11も対向基板13も一方の面を表面と称し、その反対の他方の面を裏面と称している。本明細書では、Z軸の正の方向(図1(b)の上向き)に面する方を表面と称し、Z軸の負の方向(図1(b)の下向き)に面する方を裏面と称する。
力検出器は更に第一電極配線211と第二電極配線212とを備え、第一電極配線211は第一基板本体11の表面に形成され、第二電極配線212は対向基板13の裏面に形成されている。従って、第一電極配線211と第二電極配線212との間に感圧材料14としての感圧導電性弾性体が備えられている。即ち、力検出器は感圧抵抗方式の圧力センサー12を用いて形成されている。力検出器の検出面が対向基板13の表面なので、断面視にて、第二電極配線212は第一電極配線211よりも検出面側に配置されている事になる。一方、平面視においては、図1(a)に示される様に、第一電極配線211と第二電極配線212とは、互いに交差される様に配置され、第一電極配線211と第二電極配線212との交点に圧力センサー12が設けられる。力検出器に第二電極配線212は1本以上設けられ、第一電極配線211は2本以上設けられる。従って圧力センサー12は力検出器に2個以上備えられる。この様に圧力センサー12は、一つの力検出器に2行1列以上の行列状に設けられる。
図1(a)に示される様に、i行目の行線(i−th RL)に沿ってi行目の第一電極配線211(i−th row)が設けられ、j列目の列線(j−th CL)に沿ってj列目の第二電極配線212(j−th column)が設けられ、これらの交点にi行j列目の圧力センサー12が形成される。行線も列線も数学的な概念で、これらはほぼ直線で、所定の角度(好適例としては90°)を以て互いに交差する。従って、圧力センサー12も行線や列線に沿った直線上に形成される。第一電極配線211は直線である事が好ましく、実際に、i行目の第一電極配線211(i−th row)はi行目の行線(i−th RL)と平行で、i行目の第一電極配線211(i−th row)の幅を二分する様にi行目の行線(i−th RL)が位置している。要するに、i行目の第一電極配線211(i−th row)の幅方向の真ん中にi行目の行線(i−th RL)が位置している。
これに対して、第二電極配線212は圧力センサー12の外の領域で、屈曲又は湾曲する箇所を有している。即ち、列線に沿って隣り合う2つの圧力センサー12の間で、第二電極配線212は屈曲点又は湾曲する箇所を有している。j列目の第二電極配線212(j−th column)はj列目の列線(j−th CL)に沿って形成されるが、j列目の第二電極配線212(j−th column)とj列目の列線(j−th CL)とはいたる場所で平行と云う訳ではない。列線に沿って隣り合う2つの圧力センサー12の間では、j列目の第二電極配線212(j−th column)の接線とj列目の列線(j−th CL)とが0°でない角度を有している場所が存在する。尚、屈曲点とは第二電極配線212に2本の異なる接線が引ける箇所で、数学的には第二電極配線212の幅に関する中心線の微分不能点である。図1(a)では、i行目の第一電極配線211(i−th row)に設けられた圧力センサー12と、i+1行目の第一電極配線211(i+1−th row)に設けられた圧力センサー12との間で、第二電極配線212は3箇所の屈曲点を有している。その内の2箇所の屈曲点は、第二電極配線212が第一電極配線211とほぼ垂直に交差し、圧力センサー12の平面視における形状を直角四角形とするためである。
尚、第二電極配線212が湾曲する箇所とは、第二電極配線212の接線が列線と0°でない角度をなす箇所で、数学的には第二電極配線212の幅に関する中心線を列線に沿って微分した際に、微分値がゼロ以外の数値になる箇所である。第二電極配線212が湾曲する例に関しては後に変形例にて詳述する。
この様に、第二電極配線212は列線に沿ってはいるものの、圧力センサー12の外の領域で、屈曲又は湾曲する箇所を有している。但し、圧力センサー12が形成される第一電極配線211との交点付近では、第二電極配線212は列線と平行であり、第一電極配線211とはほぼ90°の角度を以て交差している。従って、圧力センサー12は、平面視にて直角四角形となる。尚、ほぼ90°とは常識に照らして直交する場合で、数°の誤差を含んでいても良い。
第一基板本体11は、例えばガラスや石英及びプラスチック等の材料で構成された矩形板であり、第一基板本体11の大きさ(平面視のサイズ)は、縦56mm×横56mm程度になっている。又、対向基板13は可撓性を有する基板で、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムが用いられる。尚、感圧材料14は、誘電体物質でも構わず、この場合、第一電極配線211と第二電極配線212との間に誘電体物質が備えられて、静電容量方式の圧力センサー12を以て力検出器が形成される事になる。
次に、上述の力検出器を用いた検出装置を説明する。図2は、実施形態1に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図である。図2において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起22に対応して配置された複数の圧力センサー12が検出する単位検出領域を示している。尚、図1(a)には、図2に対応させて、単位検出領域Sと基準点Pとを描いてある。
検出装置1は、基準点に加えられた外力の方向と大きさを検出する圧力センサー方式のタッチパッドであり、例えばノートパソコン等の電子機器においてマウスの代わりのポインティングデバイスとして用いられるものである。尚、「基準点」とは、滑り力が作用していない場合に弾性体突起の中心が位置するポイントである。
図2に示す様に、検出装置1は、基準点Pの回りに複数配置された圧力センサー12、を有する第一基板10と、基準点Pに重なる位置に重心が位置すると共に外力によって先端部が第一基板10に当接した状態で弾性変形する弾性体突起22が形成された第二基板20と、を備えている。
検出装置1は、外力によって弾性体突起22が弾性変形する事により複数の圧力センサー12で検出された圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサー12で検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と大きさを演算する演算装置(図示略)を備えている。
複数の圧力センサー12は、基準点Pに対して点対称に配置されている。例えば、複数の圧力センサー12は、互いに直交する二方向(X方向及びY方向)に行列状に配置されている。これにより、基準点Pと各圧力センサー12との間の距離が互いに等しくなるので、弾性体突起22の変形と各圧力センサー12で検出される圧力値との関係が互いに等しくなる。よって、各圧力センサー12の圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサー12で検出された圧力値の差分を演算する事が容易となる。尚、圧力値の差分の演算方法については後述する。
隣り合う圧力センサー12の間隔は、0.1mm程度になっている。この為、外乱や静電気等の影響により隣り合う位置の圧力センサー12で検出される圧力値にノイズがのらない様になっている。
複数の圧力センサー12は、単位検出領域S当たり縦2行横2列に計4つ配置されている。4つの圧力センサー12の中心(単位検出領域Sの中心)が基準点Pとなっている。例えば、単位検出領域Sの大きさ(平面視のサイズ)は、縦2.8mm×横2.8mm程度になっている。また、4つの圧力センサー12の各面積がほぼ等しくなっている。圧力センサー12としては、各種の感圧素子を用いる事ができる。感圧素子とは、検出面に外力が作用した時に素子に加わる圧力を電気信号に変換するもので、圧力センサー12としては、本実施形態の感圧抵抗方式の他に、ダイヤフレームゲージや、例えば、静電容量方式等を用いる事ができる。
第二基板20は、矩形板状の第二基板本体21と、第二基板本体21に配置された複数の弾性体突起22と、を具備して構成されている。第二基板本体21は、外力を受ける部分である。第二基板本体21は、例えばガラス、石英及びプラスチック等の材料で構成する事もできるし、発泡ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂材料で構成する事もできる。本実施形態では、第二基板本体21及び弾性体突起22の形成材料として樹脂材料を用い、第二基板本体21及び弾性体突起22を金型で一体形成している。
複数の弾性体突起22は、第二基板本体21上においてX方向及びY方向に行列状に配置されている。弾性体突起22の先端部は、球面の錘状となっており、第一基板10(第一基板本体11上の複数の圧力センサー12)に当接している。弾性体突起22の重心は、初期的に基準点Pと重なる位置に配置されている。また、複数の弾性体突起22は、互いに離間して配置されている。この為、弾性体突起22が弾性変形した時の第二基板本体21の面内に平行な方向の変形量を許容する事ができる。
弾性体突起22のサイズは任意に設定する事ができる。ここでは、弾性体突起22の基部の径(弾性体突起22が第二基板本体21に接する部分の直径)は1.8mm程度になっている。弾性体突起22の高さ(弾性体突起22のZ方向の距離)は2mm程度になっている。隣り合う弾性体突起22の離間間隔は1mm程度になっている。弾性体突起22のデュロメーター硬さ(タイプA、ISO7619準拠のデュロメーターによる硬さ測定値)は30程度になっている。
図3及び図4は、基準点Pに作用する外力の方向と大きさを検出する方法の説明図である。図3(a)〜(c)は、実施形態1に係る圧力センサーによる圧力値の変化を示す断面図である。図4(a)〜(c)は、図3(a)〜(c)に対応した、実施形態1に係る圧力センサーによる圧力値の変化を示す平面図である。尚、図3(a)及び図4(a)は第二基板20の表面に外力が付加される前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図3(b)及び図4(b)は第二基板20の表面に垂直方向(滑り力がない状態)の外力が付加された状態を示している。図3(c)及び図4(c)は第二基板20の表面に斜め方向(滑り力がある状態)の外力が付加された状態を示している。また、図4(a)〜(c)において、符号Gは弾性体突起22の重心(圧力中心)を示している。
図3(a)及び図4(a)に示す様に、第二基板20の表面に外力が付加される前においては、弾性体突起22は変形しない。これにより、第一基板10と第二基板20との間の距離は一定に保たれる。この時、弾性体突起22の重心Gは基準点Pと重なる位置に配置されている。この時の各圧力センサー12の圧力値は図示略のメモリーに記憶されている。メモリーに記憶された各圧力センサー12の圧力値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図3(b)及び図4(b)に示す様に、第二基板20の表面に垂直方向の外力が付加された時には、弾性体突起22は先端部が第一基板10の表面に配置された複数の圧力センサー12に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第二基板20が−Z方向に撓み、第一基板10と第二基板20との間の距離が外力の作用がない時に比べて小さくなる。この時の圧力センサーの圧力値は、外力の作用がない時に比べて大きくなる。また、その変化量は各圧力センサーとも略同じ値となる。
図3(c)及び図4(c)に示す様に、第二基板20の表面に斜め方向の外力が付加された時には、弾性体突起22は先端部が第一基板10の表面に配置された複数の圧力センサー12に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第二基板20が−Z方向に撓み、第一基板10と第二基板20との間の距離が外力の作用がない時に比べて小さくなる。この時、弾性体突起22の重心Gは基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。この場合、弾性体突起22の先端部と4つの圧力センサー12との重なる面積は互いに異なる。具体的には、弾性体突起22の先端部と4つの圧力センサー12との重なる面積は、4つの圧力センサー12のうち−X方向及び−Y方向に配置された部分と重なる面積よりも+X方向及び+Y方向に配置された部分と重なる面積のほうが大きくなる。
弾性体突起22は、斜め方向の外力により変形に偏りが生じる。即ち、弾性体突起22の重心は基準点Pからずれて滑り方向(X方向及びY方向)に移動する。すると、各圧力センサーで異なる値の圧力値が検出される。具体的には、弾性体突起22の重心と重なる位置の圧力センサーでは相対的に大きい圧力値が検出され、弾性体突起22の重心と重ならない位置の圧力センサーでは相対的に小さい圧力値が検出される事となる。そして、後述する差分の演算方法に基づいて外力が加えられた方向と大きさが求められる。
図5は、実施形態1に係るセンシング領域の座標系を示す図である。図6は、実施形態1に係る圧力センサーによる垂直方向の圧力分布を示す図である。図7は、実施形態1に係る圧力センサーによる滑り方向の計算例を示す図である。
図5に示す様に、複数の圧力センサーS1(12)〜S4(12)は、単位検出領域S当たり縦2行横2列に計4つ配置されている。ここで、各圧力センサーS1(12)〜S4(12)が検出する圧力値(検出値)をそれぞれPS1、PS2、PS3、PS4とし、各圧力センサー12の面積をAとすると、外力のX方向成分Fx(外力の面内方向成分のうちX方向に作用する分力)は以下の式(1)で表される。
Figure 2013108754
また、外力のY方向成分Fy(外力の面内方向成分のうちY方向に作用する分力)は以下の式(2)で表される。
Figure 2013108754
尚、式(1)及び式(2)のfは検出装置1に固有な比例定数で力の単位を有する。また、外力のZ方向成分Fz(外力の垂直方向成分)は以下の式(3)で表される。
Figure 2013108754
本実施形態では、外力の成分を検出する際に法線成分Fzに関しては式(3)を用い、滑り力に関しては式(1)及び式(2)を用いる。滑り力に関しては、次の手順を踏む。まず、検出面上で第一軸(例えばX軸)と第二軸(例えばY軸)とを定める。第一軸に沿った滑り力の成分を検出するには、基準点より第一軸の正の方向に位置する圧力センサー12(例えばS2(12)とS4(12))で検出された圧力値の和から、第一軸の負の方向に位置する圧力センサー12(例えばS1(12)とS3(12))で検出された圧力値の和を差し引き(一軸差分と称する)、この数値(一軸差分)を用いて所定の演算する事で求める。同様に、第二軸に沿った滑り力の成分を検出するには、基準点より第二軸の正の方向に位置する圧力センサー12(例えばS1(12)とS2(12))で検出された圧力値の和から、第二軸の負の方向に位置する圧力センサー12(例えばS3(12)とS4(12))で検出された圧力値の和を差し引き(二軸差分と称する)、この数値(二軸差分)を用いて所定の演算する事で求める。所定の演算の一例としては、先の数値(一軸差分や二軸差分)を、総ての圧力センサー12(例えばS1(12)〜S4(12))で検出された圧力値の総和にて除し、検出装置1に固有な比例定数fを乗ずる。
式(1)に示す様に、外力のX方向成分Fxにおいては、4つの圧力センサーS1(12)〜S4(12)で検出された圧力値のうち+X方向に配置された圧力センサーS2(12)及びS4(12)で検出された値が組み合わされると共に、−X方向に配置された圧力センサーS1(12)及びS3(12)で検出された値が組み合わされる。この様に、+X方向に配置された圧力センサーS2(12)及びS4(12)の組み合わせによる圧力値と−X方向に配置された圧力センサーS1(12)及びS3(12)の組み合わせによる圧力値との差分に基づいて外力のX方向成分が求められる。
式(2)に示す様に、外力のY方向成分Fyにおいては、4つの圧力センサーS1(12)〜S4(12)で検出された圧力値のうち+Y方向に配置された圧力センサーS1(12)及びS2(12)で検出された値が組み合わされると共に、−Y方向に配置された圧力センサーS3(12)及びS4(12)で検出された値が組み合わされる。この様に、+Y方向に配置された圧力センサーS1(12)及びS2(12)の組み合わせによる圧力値と−Y方向に配置された圧力センサーS3(12)及びS4(12)の組み合わせによる圧力値との差分に基づいて外力のY方向成分が求められる。
式(3)に示す様に、外力のZ方向成分Fzにおいては、4つの圧力センサーS1(12)〜S4(12)の圧力値を足し合わせた合力で求められる。但し、外力のZ方向成分Fzは、外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fy(分力)に比べて検出値が大きく検出される傾向がある。例えば、弾性体突起22の材質として硬いものを用いたり、先端部の形状を先鋭にしたりすると、外力のZ方向成分Fzの検出感度が高くなる。しかしながら、弾性体突起22の材質として硬いものを用いると弾性体突起22が変形しにくくなり外力の面内方向の検出値が小さくなってしまう。また、弾性体突起22の先端部の形状を先鋭にすると接触面を指で触った時のタッチ感に強い感度(違和感)を与える場合がある。この為、外力のZ方向成分Fzの検出値を、外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyの検出値と揃えるには、弾性体突起22の材質や形状によって決定される補正係数で検出値を適宜補正する必要がある。
図6は、検出装置1を15行15列の行列状(合計225個)に並べて、タッチバッドとした例で、各検出装置1は、単位検出領域Sに圧力センサーS1(12)〜S4(12)を縦2行横2列の合計4個配置している。図6では、タッチパッドの検出面の中央部より左上寄りの位置を指で斜めに押している。この時、外力の垂直方向の圧力は、外力が作用した部分の中心部が最も大きくなっている(圧力センサーの出力電圧90〜120mV程度)。また、外力の垂直方向の圧力は、中心部に次いでその周辺部(60〜90mV程度)、最外周部(30〜60mV程度)の順に小さくなっている。また、指で押されていない領域は、圧力センサーの出力電圧が0〜30mV程度となっている。
図6に示すタッチパッドの検出面の中央部より左上寄りの位置を指で斜めに押した場合に外力の面内方向成分(滑り方向)の算出方法を考える。図7は、外力を算出する一例を示している。図7の例では、指の押圧力(外力)は、縦15行×横15列に配置された検出装置1の内の縦3行×横3列に配置された部分に作用している。外力の垂直方向の圧力は、図6と同様に、外力が作用した3行3列の中心部がもっとも大きくなっている(110mV)。各検出装置1は、それぞれ4つの圧力センサーS1(12)〜S4(12)を有しており、4つの圧力センサーS1(12)〜S4(12)からの出力の和が外力の法線成分となる(上述の式(3))。例えば、先の中央部の検出装置1では各圧力センサー12からの和は54mV+28mV+18mV+10mV=110mVとなっている。
一方、各圧力センサーS1(12)〜S4(12)で検出された圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサーで検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向(滑り力の方向)が演算される。つまり、各検出装置1にて、上述した式(1)及び式(2)に基づいて外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyが算出される。例えば、中心部の検出装置1ではFx=(28+10−54−18)/110f=−0.31f、Fy=(54+28−18−10)/110f=0.49fとなっている。従ってtanθ=−0.49/0.31=−1.58となり、滑り力の方向はθ=122°である。この様に9個の検出装置1にて検出された滑り力の方向の平均を取ると、+X方向を基準として反時計回りに約123°の方向に外力が作用している事が分かる。尚、外力の作用する方向の算出にあっては、ここで行われた様に複数の検出装置1から算出された結果の平均値で求める方法の他に、例えば、複数の検出装置1から算出された結果の最大値を採用する方法や、所定の閾値よりも大きい検出値を採用する方法等を用いる事ができる。
本実施形態の圧力センサー12によれば、一つの圧力センサー12に加えられた力が第二電極配線212を経由して隣の圧力センサー12に伝播する事を抑制できる。従って、第二電極配線212に沿った方向での計測分解能と検出感度との低下を抑制できる。即ち、検出面に加えられた力を正確に測定する事ができる。換言すると、計測分解能が高く、計測感度も良い力検出器を提供する事ができる。又、第一電極配線211が真っ直ぐな帯状となるので、製造が容易で有る上に、複数個の圧力センサー12を行列状に配置できる。
本実施形態の検出装置1によれば、弾性体突起22の先端部が第一基板10(複数の圧力センサー12)に当接した状態で滑り方向(圧力センサー12表面に平行な方向)に変形する事が可能であるので、特許文献2や特許文献3の検出装置に比べて、外力の方向と大きさの検出精度を高める事ができる。第二基板20の表面に外力が付加されると、弾性体突起22は先端部が第一基板10に配置された複数の圧力センサー12に当接した状態で圧縮変形する。この時、面内の所定の方向の滑り力成分がある場合、弾性体突起22の変形には偏りが生じる。即ち、弾性体突起22の重心は基準点Pからずれて所定方向(滑り方向)に移動する。すると、複数の圧力センサー12のうち弾性体突起22の重心が移動した部分と重なる割合が相対的に大きくなる。つまり、各圧力センサーS1(12)〜S4(12)で異なる値の圧力値が検出される。具体的には、弾性体突起22の重心と重なる位置の圧力センサー12では相対的に大きい圧力値が検出され、弾性体突起22の重心と重ならない位置の圧力センサー12では相対的に小さい圧力値が検出される事となる。よって、演算装置により、各圧力センサーS1(12)〜S4(12)で検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と大きさを求める事ができる。従って、外力の方向と大きさを高い精度で検出する事が可能な検出装置1を提供する事ができる。
この構成によれば、複数の圧力センサー12が基準点Pに対して点対称に配置されているので、基準点Pと各圧力センサー12との間の距離が互いに等しくなる。この為、弾性体突起22の変形量と各圧力センサーS1(12)〜S4(12)で検出される圧力値の関係が互いに等しくなる。例えば、複数の圧力センサーが基準点から互いに異なる距離に配置される場合、弾性体突起22の変形量が同じであっても、各圧力センサーで検出された圧力値は互いに異なる事となる。この為、検出値の差分を演算する際に各圧力センサーS1(12)〜S4(12)の配置位置に応じた補正係数が必要となる。しかしながら、この構成によれば、弾性体突起22の変形量と各圧力センサーS1(12)〜S4(12)が検出する圧力値との関係が互いに等しくなるので、前記補正係数は不要となる。従って、各圧力センサーS1(12)〜S4(12)の圧力値の差分から外力の方向と大きさを演算する事が容易となり、外力を効率よく検出する事ができる。
この構成によれば、複数の圧力センサー12が互いに直交する二方向に行列状に配置されているので、各圧力センサーS1(12)〜S4(12)で検出された圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサー12で検出された圧力値の差分から外力の方向と大きさを演算する事が容易となる。例えば、面内方向成分のうちX方向成分を演算する場合、複数の圧力センサー12が複数の方向にランダムに配置されている場合に比べて、相対的に+X方向に配置された圧力センサーS2(12)及びS4(12)の組み合わせと相対的に−X方向に配置された圧力センサーS1(12)及びS3(12)の組み合わせとを区分けして選出しやすくなる。従って、外力を効率よく検出する事ができる。
この構成によれば、複数の弾性体突起22が互いに離間して配置されているので、弾性体突起22が弾性変形した時の第二基板本体21の面内に平行な方向の変形量を許容する事ができる。例えば、一方の弾性体突起22が変形した時に他方の弾性体突起22に変形の影響を及ぼす事を抑制する事ができる。この為、複数の弾性体突起22が互いに接触して配置されている場合に比べて、外力を正確に各圧力センサーS1(12)〜S4(12)に伝達する事ができる。従って、外力の方向と大きさを高い精度で検出する事ができる。
尚、本実施形態においては、圧力センサー12が単位検出領域S当たり縦2行横2列に計4つ配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。圧力センサー12は、単位検出領域S当たり3つ以上配置されていればよい。
(実施形態2)
図8は、図2に対応した、本発明の実施形態2に係る検出装置2の概略構成を示す分解斜視図である。図8において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起22に対応して配置された複数の圧力センサー112が検出する単位検出領域を示している。本実施形態の検出装置2は、複数の圧力センサー112が互いに直交する二方向に少なくとも縦4行横4列に配置されている点で、上述の実施形態1で説明した検出装置1と異なる。図8において、図2と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。尚、図8においては、便宜上、複数の圧力センサー112が単位検出領域S当たり縦4行横4列に配置されているが、実際には図9及び図10に示す様に複数の圧力センサー112が単位検出領域S当たり縦4行横4列以上に配置されていても良い。
図8に示す様に、検出装置2は、基準点Pの回りに複数配置された圧力センサー112、を有する第一基板110と、基準点Pに重なる位置に重心が位置すると共に外力によって先端部が第一基板110に当接した状態で弾性変形する弾性体突起22、が形成された第二基板20と、を備えている。
複数の圧力センサー112は、互いに直交する二方向(X方向及びY方向)に少なくとも縦4行横4列に計16個配置されている。具体的には、複数の圧力センサー112は、単位検出領域S当たり少なくとも縦4行横4列に計16個配置されている。これら16個の圧力センサー112の中心(単位検出領域Sの中心)が基準点Pとなっている。
図9(a)〜(c)は、図3(a)〜(c)に対応した、実施形態2に係る圧力センサーによる圧力値の変化を示す断面図である。図10(a)〜(c)は、図9(a)〜(c)に対応した、実施形態2に係る圧力センサーによる圧力値の変化を示す平面図である。尚、図9(a)及び図10(a)は第二基板20の表面に外力が付加される前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図9(b)及び図10(b)は第二基板20の表面に垂直方向の外力が付加された状態を示している。図9(c)及び図10(c)は第二基板20の表面に斜め方向の外力が付加された状態を示している。また、図10(a)〜(c)において、符号Gは弾性体突起22の重心を示している。図9及び図10において、図3及び図4と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9(a)及び図10(a)に示す様に、第二基板20の表面に外力が付加される前においては、弾性体突起22は変形しない。これにより、第一基板110と第二基板20との間の距離は一定に保たれる。この時、弾性体突起22の重心Gは基準点Pと重なる位置に配置されている。この時の各圧力センサー112の圧力値は図示略のメモリーに記憶されている。メモリーに記憶された各圧力センサー112の圧力値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図9(b)及び図10(b)に示す様に、第二基板20の表面に垂直方向の外力が付加された時には、弾性体突起22は先端部が第一基板110の表面に配置された複数の圧力センサー112に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第二基板20が−Z方向に撓み、第一基板110と第二基板20との間の距離が外力の作用がない時に比べて小さくなる。この時の圧力センサー112で検出された圧力値は、外力の作用がない時に比べて大きくなる。
図9(c)及び図10(c)に示す様に、第二基板20の表面に斜め方向の外力が付加された時には、弾性体突起22は先端部が第一基板110の表面に配置された複数の圧力センサー112に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第二基板20が−Z方向に撓み、第一基板110と第二基板20との間の距離が外力の作用がない時に比べて小さくなる。また、第二基板20の撓み量は−X方向成分よりも+X方向成分の方が大きくなる。この時、弾性体突起22の重心Gは基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。この場合、弾性体突起22の先端部と複数の圧力センサー112との重なる面積の割合は、−X方向及び−Y方向に配置された部分と重なる面積よりも+X方向及び+Y方向に配置された部分と重なる面積のほうが重なる面積の割合が大きくなる。
図11は、図5に対応した、実施形態2に係るセンシング領域の座標系を示す図である。尚、図11において、複数の圧力センサーSi(112)(100個)が行列状に配置されており、このうちの25の圧力センサーSi(112)がそれぞれ−X方向及び+Y方向に区画された領域、+X方向及び+Y方向に区画された領域、−X方向及び−Y方向に区画された領域、+X方向及び−Y方向に区画された領域に配置されている。また、図11においては、便宜上、100個の圧力センサーSi(112)を図示しているが、圧力センサーSi(112)の配置数はこれに限らず任意に変更する事ができる。
図11に示す様に、複数の圧力センサーSi(112)は、単位検出領域S当たり縦10行横10列に計100個配置されている。ここで、各圧力センサーSi(112)が検出する圧力値(検出値)をそれぞれPi(i=1〜100)、基準点Pと各圧力センサーSi(112)との間の距離の面内方向成分をri(i=1〜100)とする。また、面内方向成分のうちX方向成分をrxi(i=1〜100)、面内方向成分のうちY方向成分をryi(i=1〜100)とすると、外力のX方向成分Fx(外力の面内方向成分のうちX方向に作用する分力)は以下の式(4)で表される。
Figure 2013108754
また、外力のY方向成分Fy(外力の面内方向成分のうちY方向に作用する分力)は以下の式(5)で表される。
Figure 2013108754
尚、式(4)及び式(5)のgは検出装置2に固有な比例定数で力/長さの単位を有する。また、外力のZ方向成分Fz(外力の垂直方向成分)は以下の式(6)で表される。式(6)のAは、一つの圧力センサー112の面積である。
Figure 2013108754
本実施形態では、外力の成分を検出する際に法線成分Fzに関しては式(6)を用い、滑り力に関しては式(4)及び式(5)を用いる。滑り力の検出に関しては、次の手順を踏む。まず、検出面上で第一軸(例えばX軸)と第二軸(例えばY軸)とを定める。第一軸に沿った滑り力の成分を検出するには、各圧力センサー112で検出された圧力値を距離の第一軸成分で重み付けし、これら重み付けされた圧力値(第一モーメントと称する)の総和を用いて所定の演算する事で求める。同様に、第二軸に沿った滑り力の成分を検出するには、各圧力センサー112で検出された圧力値を距離の第二軸成分で重み付けし、これら重み付けされた圧力値(第二モーメントと称する)の総和を用いて所定の演算する事で求める。所定の演算の一例としては、重み付けされた圧力値の総和を、総ての圧力センサー112で検出された圧力値の総和にて除し、検出装置2に固有な比例定数gを乗ずる。
式(4)に示す様に、第一軸をX軸とし、外力のX方向成分Fxを求めるには、100個の圧力センサーSi(112)で検出された圧力値を用いて100個の第一モーメントを求め、これを総ての圧力センサー112で検出された圧力値の総和にて除し、検出装置2に固有な比例定数gを乗ずる。
同様に、式(5)に示す様に、第二軸をY軸とし、外力のY方向成分Fyを求めるには、100個の圧力センサーSi(112)の圧力値を用いて100個の第二モーメントを求め、これを総ての圧力センサー112で検出された圧力値の総和にて除し、検出装置2に固有な比例定数gを乗ずる。
式(6)に示す様に、外力のZ方向成分Fzを求めるには、100個の圧力センサーSi(112)で検出された圧力値を足し合わせ、これに一つの圧力センサー112の面積Aを乗ずる。但し、外力のZ方向成分Fzは、外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyに比べて検出値が大きく検出される傾向がある。この為、外力のZ方向成分Fzの検出値を、外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyの検出値と揃えるには、弾性体突起22の材質や形状によって決定される補正係数で検出値を適宜補正する必要がある。
本実施形態の検出装置2によれば、複数の圧力センサー112が互いに直交する二方向に少なくとも縦4行横4列に配置されているので、配置される圧力センサー112の数が多くなる。この為、多数の圧力センサー112で検出された圧力値に基づいて、外力の作用する方向と大きさとをより正確に求める事ができる。
(実施形態3)
図12は、図8に対応した、本発明の実施形態3に係る検出装置3の概略構成を示す分解斜視図である。尚、図12において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起22に対応して配置された複数の圧力センサー112が検出する単位検出領域を示している。本実施形態の検出装置3は、第二基板20の表面に第二基板本体21よりも高い剛性を有する補強部材51が配置されている点で、上述の実施形態2で説明した検出装置2と異なる。図12において、図8と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図12に示す様に、検出装置3は、基準点Pの回りに複数配置された圧力センサー112、を有する第一基板110と、基準点Pに重なる位置に重心が位置すると共に外力によって先端部が第一基板110に当接した状態で弾性変形する弾性体突起22、が形成された第二基板20と、第二基板20の弾性体突起22が配置された側と反対の側に配置された補強部材51と、を備えている。
補強部材51は、矩形板状となっており、平面視において第二基板本体21と同じサイズに形成されている。この補強部材51は、第二基板本体21よりも高い剛性を有している。例えば、第二基板本体21の材質が弾性体突起22の材質と同様に発泡ウレタン樹脂(デュロメーター硬さ30程度)の場合、補強部材51の形成材料としては、エポキシ樹脂を用いたりウレタン樹脂(デュロメーター硬さ60程度)を用いたりする事ができる。この為、接触面に弾性体突起22の配置間隔よりも小さい対象物(例えば先鋭なスタイラスペン)によって外力が加えられた場合であっても、外力を正確に検出する事ができる。
図13(a)〜(c)は、図9(a)〜(c)に対応した、実施形態3に係る圧力センサーによる圧力値の変化を示す断面図である。尚、図13(a)は第二基板20の表面(補強部材51の表面)に外力が付加される前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図13(b)は第二基板20の表面に垂直方向の外力が付加された状態を示している。図13(c)は第二基板20の表面に斜め方向の外力が付加された状態を示している。図13において、図9と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図13(a)に示す様に、第二基板20の表面に外力が付加される前においては、弾性体突起22は変形しない。これにより、第一基板110と第二基板20との間の距離は一定に保たれる。この時の各圧力センサー112で検出された圧力値は図示略のメモリーに記憶されている。メモリーに記憶された各圧力センサー112で検出された圧力値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図13(b)に示す様に、第二基板20の表面に垂直方向の外力が付加された時には、弾性体突起22は先端部が第一基板110の表面に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第二基板20が−Z方向に撓み、第一基板110と第二基板20との間の距離が外力の作用がない時に比べて小さくなる。この時の圧力センサー112で検出された圧力値は、外力の作用がない時に比べて大きくなる。
また、外力は2つの隣り合う弾性体突起22の間の領域に作用している。本実施形態では第二基板20の表面に第二基板本体21よりも高い剛性を有する補強部材51を備えているので、例えば、指で検出装置3を垂直方向に押した場合、2つの隣り合う弾性体突起22は互いに垂直方向に圧縮変形する事となる。この様に、補強部材51が無い場合に比べて外力により2つの隣り合う弾性体突起22が互いに反対方向に圧縮変形してしまう事を抑制する事ができる。
図13(c)に示す様に、第二基板20の表面に斜め方向の外力が付加された時には、弾性体突起22は先端部が第一基板110の表面に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第二基板20が−Z方向に撓み、第一基板110と第二基板20との間の距離が外力の作用がない時に比べて小さくなる。また、第二基板20の撓み量は−X方向成分よりも+X方向成分の方が大きくなる。この時、弾性体突起22の重心Gは基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。
また、外力は2つの隣り合う弾性体突起22の間の領域に作用している。本実施形態では第二基板20の表面に第二基板本体21よりも高い剛性を有する補強部材51を備えているので、例えば、指で検出装置3を斜め方向に押した場合、2つの隣り合う弾性体突起22は互いに斜め方向に圧縮変形する事となる。この様に、補強部材51が無い場合に比べて外力により2つの隣り合う弾性体突起22が互いに反対方向に圧縮変形してしまう事を抑制する事ができる。
本実施形態の検出装置3によれば、第二基板20の弾性体突起22が形成された側と反対の側に第二基板本体21よりも高い剛性を有する補強部材51が配置されているので、外力の方向を高い精度で検出する事ができる。例えば、外力が2つの隣り合う弾性体突起22の間の領域に作用する場合、補強部材が無い時に比べて2つの隣り合う弾性体突起22が互いに反対の方向に圧縮変形してしまう事を抑制する事ができる。つまり、外力の加えられた方向と反対の方向を検出するといった誤検出を抑制する事ができる。従って、外力の方向と大きさを高い精度で検出する事ができる。
尚、本実施形態においては、補強部材51が第二基板20の表面に配置されているが、これに限らない。例えば、補強部材51を設けずに、第二基板本体21自体を弾性体突起22よりも高い剛性を有する材質で形成しても良い。これにより、補強部材51を設ける構成に比べて装置の薄型化を図る事ができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加える事が可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
図14は変形例1における第二電極配線の平面形状を説明した図である。以下、図14を用いて変形例1を説明する。実施形態1では、列線に沿って隣り合う圧力センサー12の間で、第二電極配線212は3箇所の屈曲点を有していたが、屈曲点又は湾曲する箇所の個数はこれに限られず、1つ以上あれば良い。図14では、i行目の第一電極配線211(i−th row)とi+1行目の第一電極配線211(i+1−th row)とに、j列目の列線(j−th CL)に沿ってj列目の第二電極配線212(j−th column)が設けられている部位が示されている。第二電極配線212は隣り合う二本の行線の間で、7箇所の屈曲点を有している。その内の2箇所の屈曲点は、第二電極配線212が第一電極配線211とほぼ垂直に交差し、圧力センサー12の平面視における形状を直角四角形とするためである。
本変形例に示す様に、圧力センサー12の外の領域に屈曲又は湾曲する箇所を複数個有すると、屈曲又は湾曲する箇所が多くなるので、一つの圧力センサー12に加えられた力が第二電極配線212を経由して隣の圧力センサー12に伝播する事をより確実に抑制できる。即ち、第二電極配線212に沿った方向での計測分解能と検出感度との低下をより確実に抑制できる。
(変形例2)
図15は変形例2における第二電極配線の平面形状を説明した図である。以下、図15を用いて変形例2を説明する。実施形態1では、列線に沿って隣り合う圧力センサー12の間で、第二電極配線212は3箇所の屈曲点を有していたが、屈曲点又は湾曲する箇所の個数はこれに限られず、1つ以上あれば良い。図15では、i行目の第一電極配線211(i−th row)とi+1行目の第一電極配線211(i+1−th row)とに、j列目の列線(j−th CL)に沿ってj列目の第二電極配線212(j−th column)が設けられている部位が示されている。図15(a)では、第二電極配線212は隣り合う二本の行線の間で、2箇所の屈曲点と1箇所の湾曲する箇所とを有している。2箇所の屈曲点は、第二電極配線212が第一電極配線211とほぼ垂直に交差し、圧力センサー12の平面視における形状を直角四角形とするためである。又、図15(b)では、第二電極配線212は隣り合う二本の行線の間で、2箇所の屈曲点と2箇所の湾曲する箇所とを有している。湾曲する箇所の数は、1箇所以上有れば、何カ所設けられても良い。
本変形例に示す様に、圧力センサー12の外の領域に屈曲又は湾曲する箇所を複数個有すると、屈曲又は湾曲する箇所が多くなるので、一つの圧力センサー12に加えられた力が第二電極配線212を経由して隣の圧力センサー12に伝播する事をより確実に抑制できる。即ち、第二電極配線212に沿った方向での計測分解能と検出感度との低下をより確実に抑制できる。
(変形例3)
図16は変形例3における第二電極配線の平面形状を説明した図である。以下、図16を用いて変形例3を説明する。実施形態1では、列線に沿って隣り合う圧力センサー12の間で、第二電極配線212は3箇所の屈曲点を有していたが、屈曲点又は湾曲する箇所の個数はこれに限られず、1つ以上あれば良い。図16では、i行目の第一電極配線211(i−th row)とi+1行目の第一電極配線211(i+1−th row)とに、j列目の列線(j−th CL)に沿ってj列目の第二電極配線212(j−th column)が設けられている部位が示されている。図16(a)では、第二電極配線212は隣り合う二本の行線の間で、4箇所の屈曲点を有している。その内の2箇所の屈曲点は、第二電極配線212が第一電極配線211とほぼ垂直に交差し、圧力センサー12の平面視における形状を直角四角形とするためである。各屈曲点にて第二電極配線212はほぼ直角に曲がっている。又、図16(b)では、第二電極配線212は隣り合う二本の行線の間で、12箇所の屈曲点を有しており、矢張り各屈曲点にてほぼ直角に曲がっている。屈曲する箇所の数は、1箇所以上有れば、何カ所設けられても良い。
本変形例に示す様に、圧力センサー12の外の領域に屈曲又は湾曲する箇所を複数個有すると、屈曲又は湾曲する箇所が多くなるので、一つの圧力センサー12に加えられた力が第二電極配線212を経由して隣の圧力センサー12に伝播する事をより確実に抑制できる。即ち、第二電極配線212に沿った方向での計測分解能と検出感度との低下をより確実に抑制できる。
(変形例4)
図17は変形例4における第二電極配線の平面形状を説明した図である。以下、図17を用いて変形例4を説明する。実施形態1では、列線に沿って隣り合う圧力センサー12の間で、第二電極配線212は3箇所の屈曲点を有しており、第一電極配線211と第二電極配線212とはほぼ直交していた。屈曲点又は湾曲する箇所の個数はこれに限られず、1つ以上あれば良く、又、交点において、第一電極配線211と第二電極配線212とが斜めに交差しても良い。図17では、i行目の第一電極配線211(i−th row)とi+1行目の第一電極配線211(i+1−th row)とi+2行目の第一電極配線211(i+2−th row)とに、j列目の列線(j−th CL)に沿ってj列目の第二電極配線212(j−th column)が設けられている部位が示されている。図17(a)では、第二電極配線212は隣り合う二本の行線の間で、1箇所の屈曲点を有し、第一電極配線211と第二電極配線212とが斜めに交差している。又、図17(b)では、第二電極配線212は隣り合う二本の行線の間で、1箇所の湾曲する箇所を有し、第一電極配線211と第二電極配線212とが斜めに交差している。更に、図17(c)では、第二電極配線212は隣り合う二本の行線の間で、1箇所の湾曲する箇所を有し、第一電極配線211と第二電極配線212と交点で屈曲点をなしている。又、図17(d)では、第二電極配線212は隣り合う二本の行線の間で、1箇所の湾曲する箇所を有し、第一電極配線211と第二電極配線212とが斜めに交差しており、交差の角度が90°に近くなっている。これらの例が示す様に、屈曲点や湾曲点の形状や、それらの位置は任意に設定する事ができる。
一般に屈曲又は湾曲する箇所では第二電極配線212の幅が変動する恐れがある。本変形例に示す様に、圧力センサーが設けられる交点近傍で第二電極配線212を直線又は緩やかに湾曲した状態とすると、交点近傍における第二電極配線212の幅の変動を極めて小さくできる。即ち、圧力センサーの検出面積がセンサー間で変動する可能性を著しく低くする事ができ、複数個の圧力センサーの感度を均一に揃える事ができる。
(電子機器)
図18は、上記実施形態に係る検出装置1〜3又は、上記変形例に係わる力検出器を用いた検出装置1〜3を適用した携帯電話機1000の概略構成を示す模式図である。携帯電話機1000は、複数の操作ボタン1003及びスクロールボタン1002、並びに表示部としての検出装置を適用した液晶パネル1001を備えている。スクロールボタン1002を操作する事によって、液晶パネル1001に表示される画面がスクロールされる。液晶パネル1001にはメニューボタン(図示略)が表示される。例えば、メニューボタンを指で触れると電話帳が表示されたり、携帯電話機の電話番号が表示されたりする。
図19は、上記実施形態に係る検出装置1〜3又は、上記変形例に係わる力検出器を用いた検出装置1〜3を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)2000の概略構成を示す模式図である。携帯情報端末2000は、複数の操作ボタン2002及び電源スイッチ2003、並びに表示部としての検出装置を適用した液晶パネル2001を備えている。電源スイッチ2003を操作すると、液晶パネル2001にはメニューボタンが表示される。例えば、メニューボタン(図示略)を指で触れると住所録が表示されたり、スケジュール帳が表示されたりする。
このような電子機器によれば、上述した検出装置を備えているので、外力の方向と大きさを高い精度で検出する事が可能な電子機器を提供する事ができる。
尚、電子機器としては、この他にも、例えばパーソナルコンピューター、ビデオカメラのモニター、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、デジタルスチルカメラ、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。これらの電子機器に対しても、本発明に係る検出装置を適用させる事ができる。
(ロボット)
図20は、上記実施形態に係る検出装置1〜3又は、上記変形例に係わる力検出器を用いた検出装置1〜3を適用したロボットハンド3000の概略構成を示す模式図である。図20(a)に示す様に、ロボットハンド3000は、本体部3003及び一対のアーム部3002、並びに検出装置を適用した把持部3001を備えている。例えば、リモコン等の制御装置によりアーム部3002に駆動信号を送信すると、一対のアーム部3002が開閉動作する。
図20(b)に示す様に、ロボットハンド3000でコップ等の対象物3010を把持する場合を考える。この時、対象物3010に作用する力は把持部3001で圧力として検出される。ロボットハンド3000は、把持部3001として上述した検出装置を備えているので、対象物3010の表面(接触面)に垂直な方向の力と併せて重力Mgですべる方向の力(滑り力の成分)を検出する事が可能である。例えば、柔らかい物体を変形させたり滑りやすい物体を落としたりしないよう、対象物3010の質感に応じて力を加減しながら持つ事ができる。
このロボットによれば、上述した検出装置を備えているので、外力の方向と大きさを高い精度で検出する事が可能なロボットを提供する事ができる。
1…検出装置、2…検出装置、3…検出装置、10…第一基板、11…第一基板本体、12…圧力センサー、13…対向基板、14…感圧材料、20…第二基板、21…第二基板本体、22…弾性体突起、51…補強部材、110…第一基板、112…圧力センサー、211…第一電極配線、212…第二電極配線、1000…携帯電話機、2000…携帯情報端末、3000…ロボットハンド、3001…把持部、3010…対象物。

Claims (15)

  1. 検出面に加えられた力を検出する力検出器であって、
    第一電極配線と、第二電極配線と、圧力センサーとを備え、
    前記圧力センサーは前記第一電極配線と前記第二電極配線との交点に設けられ、
    前記第二電極配線は前記第一電極配線よりも前記検出面側に配置され、
    前記第二電極配線は前記圧力センサーの外の領域で、屈曲又は湾曲する箇所を有する事を特徴とする力検出器。
  2. 前記第一電極配線は直線である事を特徴とする請求項1に記載の力検出器。
  3. 前記外の領域に前記屈曲又は湾曲する箇所を複数個有する事を特徴とする請求項1又は2に記載の力検出器。
  4. 前記交点において、前記第一電極配線と前記第二電極配線とが斜めに交差する事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の力検出器。
  5. 前記第一電極配線と前記第二電極配線との間に感圧導電性弾性体を備える事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の力検出器。
  6. 前記第一電極配線と前記第二電極配線との間に誘電体物質を備える事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の力検出器。
  7. 外力の大きさと方向とを検出する検出装置であって、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の力検出器と弾性体突起とを含むと共に、第一基板と第二基板とを有し、
    前記第一基板の表面には、前記力検出器が設けられ、
    前記第二基板の裏面には、前記外力によって弾性変形する前記弾性体突起が設けられ、
    前記第一基板には基準点が定められると共に、前記圧力センサーは前記基準点の回りに複数個設けられ、
    前記弾性体突起は、前記基準点と重なる位置に重心が位置し、先端部が前記圧力センサーに当接する様に配置されている事を特徴とする検出装置。
  8. 外力によって前記弾性体突起が弾性変形する事により複数の前記圧力センサーで検出された圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサーで検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と外力の大きさを演算する演算装置を備える事を特徴とする請求項7に記載の検出装置。
  9. 前記複数の圧力センサーは、前記基準点に対して点対称に配置されている事を特徴とする請求項7又は8に記載の検出装置。
  10. 前記複数の圧力センサーは、互いに直交する二方向に行列状に配置されている事を特徴とする請求項9に記載の検出装置。
  11. 前記複数の圧力センサーは、互いに直交する二方向に少なくとも4行4列に配置されている事を特徴とする請求項10に記載の検出装置。
  12. 前記弾性体突起は前記第二基板に複数形成されており、
    前記複数の弾性体突起は、互いに離間して配置されている事を特徴とする請求項7乃至11のいずれか一項に記載の検出装置。
  13. 前記第二基板の前記弾性体突起が形成された側と反対の側には、前記第二基板よりも高い剛性を有する補強部材が配置されている事を特徴とする請求項12に記載の検出装置。
  14. 請求項7乃至13のいずれか一項に記載の検出装置を備える事を特徴とする電子機器。
  15. 請求項7乃至13のいずれか一項に記載の検出装置を備える事を特徴とするロボット。
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