JP2013088274A - 検出装置、電子機器及びロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】外圧の方向と大きさを高い精度で検出することが可能な検出装置、電子機器及び
ロボットを提供する。
【解決手段】基準点Pの周りに複数配置された圧力センサー12を有する第1基板10と、基準点Pと重なる位置に重心が位置するとともに外圧によって先端部が第1基板10に当接した状態で弾性変形する円錐台もしくは角錐台形状である弾性体突起22が形成された第2基板20とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、検出装置、電子機器及びロボットに関するものである。
外力を検出する検出装置として、特許文献1及び2に記載の検出装置が知られている。このような検出装置は、タッチパネルやロボットの触覚センサー等への応用が検討されている。
特開昭60−135834号公報 特開平7−128163号公報
しかしながら、特許文献1の検出装置は、裏面に錘状突起が略均一に配置された受圧シートを用い、その突起の変形量から圧力分布を検出する構成となっている。しかしながら、特許文献1の検出装置では、測定面にかかる圧力の面内方向の力(すべり力)を測定することができない。
また、特許文献2の検出装置は、受圧シートの表面に複数の柱状突起を格子状に配置し、これら表面突起の周辺部を等分した個所の裏面に円錐状の突起を設けた構成となっている。特許文献2の検出装置では、外力を3次元の力ベクトルとして検出することは可能であるが、突起の変形の度合いで外力の検出限界が決まってしまう。
以上のように、特許文献1及び2の検出装置では、いずれも外力の方向と大きさとを高い精度で検出することができなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することが可能な検出装置、電子機器及びロボットを提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(適用例1)本適用例に係る検出装置は、基準点に加えられた外力の方向と大きさとを検出する検出装置であって、基準点の周りに複数配置された圧力センサーを有する第1基板と、基準点と重なる位置に重心が位置するとともに、頂部が圧力センサーに当接した状態で外力によって弾性変形する弾性体突起が配置された第2基板とを備え、弾性体突起の形状は、円錐台または角錐台であることを特徴とする。
このような検出装置によれば、弾性体突起が第1基板(複数の圧力センサー)に当接した状態ですべり方向(圧力センサー表面に平行な方向)に変形することが可能であるので、特許文献1や特許文献2の検出装置に比べて、外力の方向と大きさとの検出精度を高めることができる。第2基板の表面に外力が加えられると、弾性体突起は頂部が第1基板に当接した状態で圧縮変形する。このとき、面内の所定の方向のすべり力成分がある場合、弾性体突起の変形には偏りが生じる。すなわち、弾性体突起の重心は基準点からずれて所定方向(すべり方向)に移動する。すると、複数の圧力センサーのうち弾性体突起の重心が移動した部分と重なる割合が相対的に大きくなる。つまり、各圧力センサーで異なる値の圧力値が検出される。具体的には、弾性体突起の重心と重なる位置の圧力センサーでは相対的に大きい圧力値が検出され、弾性体突起の重心と重ならない位置の圧力センサーでは相対的に小さい圧力値が検出されることとなる。よって、演算装置により、各圧力センサーで検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と大きさを求めることができる。また、弾性体突起の形状は、円錐台または角錐台を有し、第1基板と当接する頂部は平面であることで、外力の方向と大きさとに関係無く一定の面積を第1基板に当接させることができる。このことによって、外力が加えられていない時に各圧力センサーで検出される圧力値と、外力が加えられた時に各圧力センサーで検出される圧力値との差分の比較し、演算することで外力が加えられた方向と大きさを求めることができる。
(適用例2)上記適用例に係る検出装置において、外力によって弾性体突起が弾性変形することにより複数の圧力センサーで検出された圧力値のうち任意に組み合わせられた圧力センサーで検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と大きさとを演算する演算装置を備えることが好ましい。
(適用例3)上記適用例に係る検出装置において、複数の圧力センサーは、基準点に対して点対称に配置されることが好ましい。
このような検出装置によれば、基準点と各圧力センサーとの間の距離が互いに等しくなるので、弾性体突起の弾性変形量と各圧力センサーで検出される圧力値の関係が互いに等しくなる。例えば、複数の圧力センサーが基準点から互いに異なる距離に配置される場合、弾性体突起の弾性変形量が同じであっても、各圧力センサーで検出される圧力値は互いに異なることとなる。このため、検出値の差分を演算する際に各圧力センサーの配置位置に応じた補正係数が必要となる。しかしながら、この構成によれば、弾性体突起の弾性変形量と各圧力センサーが検出する圧力値との関係が互いに等しくなるので、前記補正係数は不要となる。したがって、各圧力センサーで検出された圧力値から外力の方向と大きさとを演算することが容易となり、外力を効率よく検出することができる。
(適用例4)上記適用例に係る検出装置において、複数の圧力センサーは、互いに直交する2方向にマトリックス状に配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、各圧力センサーの圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサーの圧力値の差分から外力の方向と大きさとを演算することが容易となる。
(適用例5)上記適用例に係る検出装置において、複数の圧力センサーは、互いに直交する2方向に少なくとも4行4列に配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、多数の圧力センサーが配置される。このため、多数の圧力センサーで検出される圧力値に基づいて各圧力センサーの検出結果を積算して外力の作用する方向と大きさとを求めることができる。したがって、外力の方向と大きさを高い精度で検出することができる。
(適用例6)上記適用例に係る検出装置において、弾性体突起は、第2基板に複数配置されており、複数の弾性体突起は、互いに離間して配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、弾性体突起が弾性変形したときの第2基板本体の面内に平行な方向の弾性変形量を許容することができる。例えば、一方の弾性体突起が変形したときに他方の弾性体突起に弾性変形の影響を及ぼすことを抑制することができる。このため、複数の弾性体突起が互いに接触して配置されている場合に比べて、外力を正確に各圧力センサーに伝達することができる。したがって、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することができる。
(適用例7)上記適用例に係る検出装置において、第2基板に配置された弾性体突起の頂部と、第1基板の圧力センサーが配置された側との間に第3基板が配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、例えば、弾性体突起と比べて第3基板が柔軟性を有する場合、第3基板が配置されない場合と比べて外力によって弾性変形する弾性突起の頂部が滑ることを抑制することができる。つまり、基準点の周りに複数配置された圧力センサーの領域から頂部がはみ出すことを抑制し、圧力センサー以外に外力が伝達されることを抑制することができる。従って、外力の方向と大きさとを高い精度で圧力センサーに伝達することができる。
(適用例8)上記適用例に係る検出装置において、第2基板の弾性体突起が配置された側と反対側には、第2基板と比べて高い剛性を有する補強部材が配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、例えば、外力が2つの隣り合う弾性体突起の間の領域に作用する場合、補強部材が無いときに比べて2つの隣り合う弾性体突起が互いに反対の方向に圧縮変形してしまうことを抑制することができる。つまり、外力の加えられた方向と反対の方向とを検出するといった誤検出を抑制することができる。したがって、外力の方向と大きさを高い精度で検出することができる。
(適用例9)上記適用例に係る検出装置において、圧力センサーは感圧導電性材料からなる感圧素子が配置されることが好ましい。
このような検出装置によれば、外力を検出する圧力センサーの感圧材料として感圧導電性材料を用いることで、例えば、感圧導電材料として導電フィラーを分散させた多孔質シリコーンゴムを一対の電極基板に狭持した単純な構成で圧力センサーアレイを構成できる。このことによって、MEMS(Micro Electoro Mechanical System)技術によって形成される圧力センサーを用いた検出装置と比べて、安価かつ耐久性の良い検出装置を提供することができる。
(適用例10)本適用例に係る電子機器は、上記の検出装置を備えることを特徴とする。
このような電子機器は、上述した検出装置を備えているので、外力の方向と大きさを高い精度で検出することが可能な電子機器を提供することができる。
(適用例11)本適用例に係るロボットは、上記の検出装置を備えることを特徴とする。
このようなロボットは、上述した検出装置を備えているので、外力の方向と大きさを高い精度で検出することが可能なロボットを提供することができる。
第1実施形態に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 第1実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す断面図。 第1実施形態に係る弾性体突起外力による弾性変形を示す平面図。 第1実施形態に係るセンシング領域の座標系を示す図。 第1実施形態に係る垂直方向の外力による圧力分布を示す図。 第1実施形態に係る外力によるすべり方向の計算例を示す図。 第2実施形態に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 第2実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す断面図。 第2実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す平面図。 第2実施形態に係るセンシング領域の座標系を示す図。 第3実施形態に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 第3実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す断面図。 第4実施形態に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 第4実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す断面図。 第5実施形態に係る検出装置の概略構成を示す図。 第5実施形態に係る圧力センサーの概回路図。 第5実施形態に係る圧力センサーによる弾性体突起の弾性変形を示す断面図。 電子機器の一例である携帯電話機の概略構成を示す模式図。 電子機器の一例である携帯情報端末の概略構成を示す模式図。 ロボットの一例であるロボットハンドの概略構成を示す模式図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明をする。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載をしている。また、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各構成について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸が図1に示す第1基板10に対して平行な方向に設定され、Z軸が第1基板10に対して直交する方向に設定されている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る検出装置1の概略構成を示す分解斜視図である。図1において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起22に対応して配置された複数の圧力センサー12が検出する単位検出領域を示している。
検出装置1は、基準点Pに加えられた外力の方向と大きさとを検出する圧力センサー方式のタッチパッドであり、例えばノートパソコン等の電子機器においてマウスの代わりのポインティングデバイスとして用いられるものである。
なお、「外力」とは、基準点Pに外的に加えられた力で、例えばタッチパッドを操作ために加えられる力である。また、「基準点P」とは、すべり力が作用していない場合に弾性体突起22の中心が位置するポイントである。また、圧力センサーの方式については特に限定されることなく、例えば静電容量方式やフォトセンサー方式等を用いることができる。
図1に示すように、検出装置1は、基準点Pの周りに複数配置された圧力センサー12を有する第1基板10と、基準点Pに重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が第1基板10に当接した状態で弾性変形する弾性体突起22が配置された第2基板20とを備えている。
検出装置1は、外力によって弾性体突起22が弾性変形することにより複数の圧力センサー12で検出された圧力値のうち、任意に組み合わされた各圧力センサー12で検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と大きさとを演算する図示しない演算装置を備えている。
第1基板10は、例えばガラス、石英及びプラスチック等の材料で構成された矩形板状の第1基板本体11と、第1基板本体11に配置された複数の圧力センサー12とを具備して構成されている。例えば、第1基板本体11の大きさ(平面視のサイズ)は、縦28mm×横48mm程度になっている。
複数の圧力センサー12は、基準点Pに対して点対称に配置されている。例えば、複数の圧力センサー12は、互いに直交する2方向(X方向及びY方向)にマトリックス状に配置されている。これにより、基準点Pと各圧力センサー12との間の距離が互いに等しくなるので、弾性体突起22の変形と各圧力センサー12で検出される圧力値との関係が互いに等しくなる。
よって、各圧力センサー12の圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサー12で検出された圧力値の差分を演算することが容易となる。なお、圧力値の差分の演算方法については後述する。
隣り合う圧力センサー12の間隔は、0.1mm程度になっている。このため、静電気等の影響により隣り合う位置の圧力センサー12で検出された圧力信号にノイズが重畳されないようになっている。
複数の圧力センサー12は、単位検出領域S当たり縦2行横2列に計4つ配置されている。4つの圧力センサー12の中心(単位検出領域Sの中心)が基準点Pとなっている。例えば、単位検出領域Sの大きさ(平面視のサイズ)は、縦2.7mm×横2.7mm程度になっている。また、4つの圧力センサー12の各面積がほぼ等しくなっている。圧力センサー12としては、例えばダイアフラムゲージ等の感圧素子を用いることができる。圧力センサー12は、接触面に外力が作用したときにダイアフラムに加わる圧力を電気信号に変換する。
第2基板20は、矩形板状の第2基板本体21と、第2基板本体21に配置された複数の弾性体突起22とを具備して構成されている。第2基板本体21は、外力を直接受ける部分である。第2基板本体21は、例えばガラス、石英及びプラスチック等の材料で構成することもできるし、発泡ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂材料で構成することもできる。本実施形態では、第2基板本体21及び弾性体突起22の形成材料として樹脂材料を用い、第2基板本体21及び弾性体突起22を金型で一体形成してもよい。
複数の弾性体突起22は、第2基板本体21上においてX方向及びY方向にマトリックス状に配置されている。弾性体突起22の形状は、円錐台もしくは角錐台である。また、角錐台は正四角錐台が好ましく、三角や八角の多角錐台でも良い。円錐台もしくは角錐台は、面積の広い台面が第2基板本体21と接する基部であり、他方の面積の小さい台面を頂部とし、その頂部が第1基板10(第1基板本体11上の複数の圧力センサー12)に当接している。弾性体突起22の重心は、初期的に基準点Pと重なる位置に配置されている。また、複数の弾性体突起22は、互いに離間して配置されている。このため、弾性体突起22が弾性変形したときの第2基板本体21の面内に平行な方向の変形量を許容することができる。
弾性体突起22の大きさは任意に設定することができる。ここでは、円錐台形状を有する弾性体突起22の基部の径(弾性体突起22が第1基板10に接する部分の直径)、及び角錐台形状を有する弾性体突起122(図2及び図3参照。)の一辺の長さ(弾性体突起122が第1基板10に接する辺の長さ)は2.0mm程度になっている。弾性体突起22(弾性体突起122)の高さ(弾性体突起22のZ方向の距離)は2mm程度になっている。隣り合う弾性体突起22の離間間隔は0.8mm程度になっている。弾性体突起22のデュロメーター硬さ(タイプA、ISO7619準拠のデュロメーターによる堅さ測定値)は40程度になっている。
図2及び図3は、基準点Pに作用する外力の方向と大きさとを検出する方法の説明図である。図2(a)〜(c)は、第1実施形態に係る弾性体突起22の外力による弾性変形を示す断面図である。図3(a)〜(c)は、図2(a)〜(c)に対応した、第1実施形態に係る弾性体突起22の外力による弾性変形を示す平面図である。
なお、図2(a1)〜(c1)及び図3(a1)〜(c1)は円錐台形状である弾性体突起22の場合を示し、図2(a2)〜(c2)および図3(a2)〜(c2)は多角錐台形状である弾性体突起122の場合を示す。特に記載しない限り、例えば図2おいて、図(a1)および図(a2)は、総称して図2(a)と称し、図2(b)〜図2(c)及び図3(a)〜(c)も同様とする。また、特に記載しない限り、円錐台である弾性体突起22には角錐台形状である弾性体突起122が含まれるものとする。
図2(a)及び図3(a)は、第2基板20の表面に外力が加えられる前の状態(外力の作用がないとき。)を示している。図2(b)及び図3(b)は、第2基板20の表面に垂直方向(すべり力がない状態)の外力が加えられた状態を示している。図2(c)及び図3(c)は、第2基板20の表面に斜め方向(すべり力がある状態)の外力が加えられた状態を示している。さらに、図3(a)〜(c)において、符号Gは弾性体突起22の重心(圧力中心)を示している。
図2(a)及び図3(a)に示すように、第2基板20の表面に外力が加えられる前においては、弾性体突起22は頂部が第1基板10に当接し、変形しない。これにより、第1基板10と第2基板20(第2基板120)との間の距離は一定に保たれる。このとき、弾性体突起22(弾性体突起122)の重心Gは基準点Pと重なる位置に配置されている。このときの各圧力センサー12の圧力値は図示しないメモリー部に記憶されている。メモリー部に記憶された各圧力センサー12の圧力値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。なお、多角錐台である弾性体突起122は、その多角錐台の頂部の辺が各圧力センサー12に当接するように、第1基板10のX方向及びY方向を基準として基準点Pを中心に45°回転させて配置されている。
図2(b)及び図3(b)に示すように、第2基板20の表面に垂直方向の外力が加えられたときには、弾性体突起22は頂部が第1基板10の表面に配置された複数の圧力センサー12に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1基板10と第2基板20との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。このときの圧力センサー12の圧力値は、外力の作用がないときに比べて大きくなる。また、その変化量は各圧力センサー12とも略同じ値となる。弾性体突起22の頂部が各圧力センサー12に当接する面積が等しいためである。
図2(c)及び図3(c)に示すように、第2基板20の表面に斜め方向の外力が加えられたときには、弾性体突起22は頂部が第1基板10の表面に配置された複数の圧力センサー12に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1基板10と第2基板20との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。このとき、弾性体突起22の重心Gは基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。この場合、弾性体突起22の頂部と4つの圧力センサー12との重なる面積は互いに異なる。具体的には、弾性体突起22の頂部と4つの圧力センサー12との重なる面積は、4つの圧力センサー12のうち−X方向及び−Y方向に配置された部分と重なる面積よりも+X方向及び+Y方向に配置された部分と重なる面積の方が大きくなる。
弾性体突起22は、斜め方向の外力により弾性変形に偏りが生じる。すなわち、弾性体突起22の重心は基準点Pからずれてすべり方向(X方向及びY方向)に移動する。すると、各圧力センサー12で異なる値の圧力値が検出される。具体的には、弾性体突起22の重心と重なる位置の圧力センサー12では相対的に大きい圧力値が検出され、弾性体突起22の重心と重ならない位置の圧力センサー12では相対的に小さい圧力値が検出されることとなる。そして、後述する差分の演算方法に基づいて外力が加えられた方向と大きさが求められる。なお、頂部は常に第1基板10に当接し、その当接する面積は外力の方向と、大きさとに係わらず一定である。このことによって、外力が加えられる前の各圧力センサー12で検出される圧力値と、外力が加えられた際の各圧力センサー12で検出される圧力値と比較演算することで、外力の方向と大きさとを検出することができる。
図4は、第1実施形態に係るセンシング領域の座標系を示す図である。図5は、第1実施形態に係る垂直方向の外力による圧力分布を示す図である。図6は、第1実施形態に係る外力によるすべり方向の計算例を示す図である。
図4に示すように、複数の圧力センサー12(S1〜S4)は、単位検出領域S当たり縦2行横2列に計4つ配置されている。ここで、各圧力センサーS1〜S4が検出する圧力値(検出値)をそれぞれPs1,Ps2,Ps3,Ps4とすると、外力のX方向成分Fx(外力の面内方向成分のうちX方向に作用する分力の割合)は以下の式(1)で表される。
Figure 2013088274
また、外力のY方向成分Fy(外力の面内方向成分のうちY方向に作用する分力の割合)は以下の式(2)で表される。
Figure 2013088274
また、外力のZ方向成分Fz(外力の垂直方向成分)は以下の式(3)で表される。
Figure 2013088274
本実施形態では、外力によって弾性体突起22が弾性変形することにより4つ(複数)の圧力センサーS1〜S4で検出された圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサーS1〜S4で検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向が演算される。
式(1)に示すように、外力のX方向成分Fxにおいては、4つの圧力センサーS1〜S4で検出された圧力値のうち+X方向に配置された圧力センサーS2及びS4で検出された値が組み合わされるとともに、−X方向に配置された圧力センサーS1及びS3で検出された値が組み合わされる。このように、+X方向に配置された圧力センサーS2及びS4の組み合わせによる圧力値と−X方向に配置された圧力センサーS1及びS3の組み合わせによる圧力値との差分に基づいて外力のX方向成分が求められる。
式(2)に示すように、外力のY方向成分Fyにおいては、4つの圧力センサーS1〜S4で検出された圧力値のうち+Y方向に配置された圧力センサーS1及びS2で検出された値が組み合わされるとともに、−Y方向に配置された圧力センサーS3及びS4で検出された値が組み合わされる。このように、+Y方向に配置された圧力センサーS1及びS2の組み合わせによる圧力値と−Y方向に配置された圧力センサーS3及びS4の組み合わせによる圧力値との差分に基づいて外力のY方向成分が求められる。
式(3)に示すように、外力のZ方向成分Fzにおいては、4つの圧力センサーS1〜S4の圧力値を足し合わせた合力で求められる。ただし、外力のZ方向成分Fzは、外力のX方向成分Fx(分力)及び外力のY方向成分Fy(分力)に比べて検出値が大きく検出される傾向がある。例えば、弾性体突起22の材質として硬いものを用いたり、頂部の形状を先鋭にしたりすると、外力のZ方向成分Fzの検出感度が高くなる。しかしながら、弾性体突起22の材質として硬いものを用いると弾性体突起22が変形しにくくなり外力の面内方向の検出値が小さくなってしまう。また、弾性体突起22の頂部の形状を先鋭にすると接触面を指で触ったときのタッチ感に強い感度(違和感)を与える場合がある。このため、外力のZ方向成分Fzの検出値を、外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyの検出値と揃えるには、弾性体突起22の材質や形状によって決定される補正係数で検出値を適宜補正する必要がある。
図5に示すように、タッチパッド(検出装置1)の検出面の中央部より左上寄りの位置を指で斜めに押した場合を考える。このとき、外力の垂直方向の圧力は、外力が作用した部分の中心部が最も大きくなっている(圧力センサー12の出力電圧90〜120mV程度)。また、外力の垂直方向の圧力は、中心部に次いでその周辺部(60〜90mV程度)、最外周部(30〜60mV程度)の順に小さくなっている。また、指で押されていない領域は、圧力センサーの出力電圧が0〜30mV程度となっている。なお、タッチパッドには単位検出領域S(圧力センサーS1〜S4が縦2行横2列に計4つ配置された領域)がマトリックス状(例えば縦15行×横15列に計225個)に配置されているとする。
図6に示すように、タッチパッドの検出面の中央部より左上寄りの位置を指で斜めに押した場合の外力の面内方向成分(すべり方向)の算出方法を説明する。このとき、指の押圧力(外力)は、縦15行×横15列に配置されたものうち縦3行×横3列に配置された部分に作用しているとする。ここで、外力の垂直方向の圧力は、図5に示す様に外力が作用した部分の中心部がもっとも大きくなっている(110mV)。
縦3行×横3列に配置された各単位検出領域は、それぞれ4つの圧力センサーS1〜S4を有しており、各圧力センサーS1〜S4で検出された圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサーで検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向が演算される。つまり、各単位検出領域では、上述した式(1)及び式(2)に基づいて外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyが算出される。ここでは、+X方向を基準として左周りに約123°の方向に外力が作用していることが分かる。なお、外力の作用する方向の算出にあっては、9つの算出結果の平均値で求める方法、あるいは9つの算出結果のうちの最大値(例えば所定のしきい値よりも大きい検出値)により求める方法を用いることができる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の検出装置1によれば、弾性体突起22の頂部が第1基板10(複数の圧力センサー12)に当接した状態ですべり方向(圧力センサー12表面に平行な方向)に弾性変形することが可能であるので、特許文献1や特許文献2の検出装置に比べて、外力の方向と大きさの検出精度を高めることができる。
第2基板20の表面に外力が加えられると、弾性体突起22は頂部が第1基板10に配置された複数の圧力センサー12に当接した状態で圧縮変形する。このとき、面内の所定の方向のすべり力成分がある場合、弾性体突起22の弾性変形には偏りが生じる。すなわち、弾性体突起22の重心は基準点Pからずれて所定方向(すべり方向)に移動する。すると、複数の圧力センサー12のうち弾性体突起22の重心が移動した部分と重なる割合が相対的に大きくなる。つまり、各圧力センサーS1〜S4で異なる値の圧力値が検出される。具体的には、弾性体突起22の重心と重なる位置の圧力センサー12では相対的に大きい圧力値が検出され、弾性体突起22の重心と重ならない位置の圧力センサー12では相対的に小さい圧力値が検出されることとなる。
よって、演算装置により、各圧力センサーS1〜S4で検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と大きさとを求めることができる。したがって、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することが可能な検出装置1を提供することができる。
この構成によれば、複数の圧力センサー12が基準点Pに対して点対称に配置されているので、基準点Pと各圧力センサー12との間の距離が互いに等しくなる。このため、弾性体突起22の変形量と各圧力センサーS1〜S4で検出される圧力値の関係が互いに等しくなる。例えば、複数の圧力センサー12が基準点から互いに異なる距離に配置される場合、弾性体突起22の弾性変形量が同じであっても、各圧力センサーS1〜S4で検出された圧力値は互いに異なることとなる。このため、検出値の差分を演算する際に各圧力センサーS1〜S4の配置位置に応じた補正係数が必要となる。
しかしながら、この構成によれば、弾性体突起22の変形量と各圧力センサーS1〜S4が検出する圧力値との関係が互いに等しくなるので、前記補正係数は不要となる。したがって、各圧力センサーS1〜S4の圧力値の差分から外力の方向と大きさとを演算することが容易となり、外力を効率よく検出することができる。
この構成によれば、複数の圧力センサー12が互いに直交する2方向にマトリックス状に配置されているので、各圧力センサーS1〜S4で検出された圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサー12で検出された圧力値の差分から外力の方向と大きさとを演算することが容易となる。例えば、面内方向成分のうちX方向成分を演算する場合、複数の圧力センサー12が複数の方向にランダムに配置されている場合に比べて、相対的に+X方向に配置された圧力センサーS2及びS4の組み合わせと相対的に−X方向に配置された圧力センサーS1及びS3の組み合わせとを区分けして選出しやすくなる。したがって、外力を効率よく検出することができる。
この構成によれば、複数の弾性体突起22が互いに離間して配置されているので、弾性体突起22が弾性変形したときの第2基板本体21の面内に平行な方向の変形量を許容することができる。例えば、一方の弾性体突起22が弾性変形したときに他方の弾性体突起22に弾性変形の影響を及ぼすことを抑制することができる。このため、複数の弾性体突起22が互いに接触して配置されている場合に比べて、外力を正確に各圧力センサーS1〜S4に伝達することができる。したがって、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することができる。
この構成によれば、弾性体突起22の形状は、円錐台または角錐台を有し、第1基板10と当接する頂部は平面を有しているので、外力の方向と大きさとに関係無く一定の面積を第1基板に当接させることができる。このことによって、外力が加えられていない時に各圧力センサーS1〜S4で検出される圧力値と、外力が加えられた時に各圧力センサーで検出される圧力値との差分の比較し、演算することを容易にすることができる。従って、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することが可能な検出装置を提供することができる。
なお、本実施形態においては、圧力センサー12が単位検出領域S当たり縦2行横2列に計4つ配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。圧力センサー12は、単位検出領域S当たり3つ以上配置されていればよい。
(第2実施形態)
図7は、図1に対応した、本発明の第2実施形態に係る検出装置2の概略構成を示す分解斜視図である。図7において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起22に対して配置された複数の圧力センサー112が検出する単位検出領域Sを示している。本実施形態の検出装置2は、複数の圧力センサー112が互いに直交する2方向に少なくとも縦4行横4列に配置されている点で、上述の第1実施形態で説明した検出装置1と異なる。図7において、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
なお、図7においては、便宜上、複数の圧力センサー112が単位検出領域S当たり縦4行横4列に配置されているが、実際には図8から図10に示すように複数の圧力センサー112が単位検出領域S当たり縦4行横4列以上に配置されていてもよいものとする。
図7に示すように、検出装置2は、基準点Pの周りに複数配置された圧力センサー112を有する第1基板本体111と、基準点Pに重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が第1基板110に当接した状態で弾性変形する弾性体突起22が形成された第2基板20とを備えている。
複数の圧力センサー112は、互いに直交する2方向(X方向及びY方向)に少なくとも縦4行横4列に計16個配置されている。具体的には、複数の圧力センサー112は、単位検出領域S当たり少なくとも縦4行横4列に計16個配置されている。これら16個の圧力センサー112の中心(単位検出領域Sの中心)が基準点Pとなっている。
図8(a)〜(c)は、図2(a)〜(c)に対応した、第2実施形態に係る弾性体突起22の外力による弾性変形を示す断面図である。図9(a)〜(c)は、図8(a)〜(c)に対応した、第2実施形態に係る弾性体突起22の外力による弾性変形を示す平面図である。なお、図8(a)及び図9(a)は第2基板20の表面に外力が加えられる前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図8(b)及び図9(b)は第2基板20の表面に垂直方向の外力が加えられた状態を示している。図8(c)及び図9(c)は第2基板20の表面に斜め方向の外力が加えられた状態を示している。また、図9(a)〜(c)において、符号Gは弾性体突起22の重心を示している。図8及び図9において、図2及び図3と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図8(a)及び図9(a)に示すように、第2基板20の表面に外力が加えられる前においては、弾性体突起22は変形しない。これにより、第1基板110と第2基板20との間の距離は一定に保たれる。このとき、弾性体突起22の重心Gは基準点Pと重なる位置に配置されている。このときの各圧力センサー112の圧力値は図示しないメモリー部に記憶されている。メモリー部に記憶された各圧力センサー112の圧力値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図8(b)及び図9(b)に示すように、第2基板20の表面に垂直方向の外力が加えられたときには、弾性体突起22は頂部が第1基板110の表面に配置された複数の圧力センサー112に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1基板110と第2基板20との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。このときの圧力センサー112で検出された圧力値は、外力の作用がないときに比べて大きくなる。また、その変化量は各圧力センサー112とも略同じ値となる。
図8(c)及び図9(c)に示すように、第2基板20の表面に斜め方向の外力が加えられたときには、弾性体突起22は頂部が第1基板110の表面に配置された複数の圧力センサー112に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1基板110と第2基板20との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。また、第2基板20の撓み量は−X方向成分よりも+X方向成分の方が大きくなる。このとき、弾性体突起22の重心Gは基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。この場合、弾性体突起22の頂部と複数の圧力センサー112との重なる面積の割合は、−X方向及び−Y方向に配置された部分と重なる面積よりも+X方向及び+Y方向に配置された部分と重なる面積のほうが重なる面積の割合が大きくなる。
図10は、図4に対応した、第2実施形態に係るセンシング領域の座標系を示す図である。なお、図10において、複数の圧力センサーSi(100個)がマトリックス状に配置されており、このうちの25の圧力センサーSiがそれぞれ−X方向及び+Y方向に区画された領域、+X方向及び+Y方向に区画された領域、−X方向及び−Y方向に区画された領域、+X方向及び−Y方向に区画された領域に配置されている。また、図10においては、便宜上、100個の圧力センサーSiを図示しているが、圧力センサーSiの配置数はこれに限らず任意に変更することができる。
図10に示すように、複数の圧力センサーSiは、単位検出領域S当たり縦10行横10列に計100個配置されている。ここで、各圧力センサーSiが検出する圧力値(検出値)をそれぞれPi(i=1〜100)、基準点Pと各圧力センサーSiとの間の距離の面内方向成分をri(i=1〜100)とする。また、面内方向成分のうちX方向成分をrxi(i=1〜100)、面内方向成分のうちY方向成分をryi(i=1〜100)とすると、外力のX方向成分Fx(外力の面内方向成分のうちX方向に作用する分力の割合)は以下の式(4)で表される。
Figure 2013088274
また、外力のY方向成分Fy(外力の面内方向成分のうちY方向に作用する分力の割合)は以下の式(5)で表される。
Figure 2013088274
また、外力のZ方向成分Fz(外力の垂直方向成分)は以下の式(6)で表される。
Figure 2013088274
本実施形態では、外力によって弾性体突起22(図7〜図9参照)が弾性変形することにより変化する100個の圧力センサーSiの圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサーSiの圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向が演算される。
式(4)に示すように、外力のX方向成分Fxにおいては、100個の圧力センサーSiで検出された圧力値のうち相対的に+X方向に配置された圧力センサーSiで検出された値が組み合わされるとともに、相対的に−X方向に配置された圧力センサーSiで検出された値が組み合わされる。このように、相対的に+X方向に配置された圧力センサーSiの組み合わせによる圧力値と相対的に−X方向に配置された圧力センサーSiの組み合わせによる圧力値との差分に基づいて外力のX方向成分が求められる。
式(5)に示すように、外力のY方向成分Fyにおいては、100個の圧力センサーSiの圧力値のうち相対的に+Y方向に配置された圧力センサーSiで検出された値が組み合わされるとともに、相対的に−Y方向に配置された圧力センサーSiで検出された値が組み合わされる。このように、相対的に+Y方向に配置された圧力センサーSiの組み合わせによる圧力値と相対的に−Y方向に配置された圧力センサーSiの組み合わせによる圧力値との差分に基づいて外力のY方向成分が求められる。
式(6)に示すように、外力のZ方向成分Fzにおいては、100個の圧力センサーSiで検出された圧力値を足し合わせた合力で求められる。ただし、外力のZ方向成分Fzは、外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyに比べて検出値が大きく検出される傾向がある。このため、外力のZ方向成分Fzの検出値を、外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyの検出値と揃えるには、弾性体突起22の材質や形状によって決定される補正係数で検出値を適宜補正する必要がある。
なお、外力の作用する方向の算出にあっては、100個の圧力センサーSiで検出された圧力値の算出結果の平均値で求める方法、あるいは100個の圧力センサーSiで検出された圧力値の算出結果のうちの最大値(例えば所定のしきい値よりも大きい検出値)により求める方法を用いることができる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の検出装置2によれば、複数の圧力センサー112(Si)が互いに直交する2方向に少なくとも縦4行横4列に配置されているので、配置される圧力センサー112(Si)の数が多くなる。このため、多数の圧力センサー112(Si)で検出された圧力値に基づいて各圧力センサー112(Si)の検出結果を積算して外力の作用する方向と大きさとを求めることができる。したがって、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することができる。
(第3実施形態)
図11は、図7に対応した、本発明の第3実施形態に係る検出装置3の概略構成を示す分解斜視図である。なお、図11において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起22に対応して配置された複数の圧力センサー112が検出する単位検出領域を示している。本実施形態の検出装置3は、第1基板110の圧力センサー112が配置された側の面に、弾性体突起22と同等、または、弾性体突起22より柔軟性を有する材料からなる第3基板51が配置されている点で、上述の第2実施形態で説明した検出装置2と異なる。図11において、図7と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図11に示すように、検出装置3は、基準点Pの周りに複数配置された圧力センサー112を有する第1基板110と、第1基板110の圧力センサー112の表面に配置された第3基板51と、基準点Pに重なる位置に重心が位置するとともに、外力によって頂部が第3基板51に当接した状態で弾性変形する弾性体突起22が形成された第2基板20とを備えている。
第3基板51は、矩形板状となっており、平面視において第1基板本体111と略同じ大きさに形成されている。この第3基板51は、弾性体突起22と比べて柔軟性を有している。例えば、弾性体突起22の形成材料がシリコーン樹脂(デュロメーター硬さ50程度)の場合、第3基板51は、弾性体突起22と同様にシリコーン樹脂(デュロメーター硬さ30程度)を用いて形成する。このことで、弾性変形する弾性体突起22の頂部は、第3基板51が変形(陥没)することで滑ることなく密接し、第2基板20の表面に加えられた外力を圧力センサー112に伝えることができる。
図12(a)〜(c)は、図8(a)〜(c)に対応した、第3実施形態に係る外力による弾性体突起22の弾性変形を示す断面図である。なお、図12(a)は第2基板20の表面に外力が加えられる前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図12(b)は第2基板20の表面に垂直方向の外力が加えられた状態を示している。図12(c)は第2基板20の表面に斜め方向の外力が加えられた状態を示している。図12において、図8と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図12(a)に示すように、第2基板20の表面に外力が加えられ前においては、弾性体突起22は変形しない。これにより、第1基板110と第2基板20との間の距離は一定に保たれる。このときの各圧力センサー112で検出された圧力値は図示しないメモリー部に記憶されている。メモリー部に記憶された各圧力センサー112で検出された圧力値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図12(b)に示すように、第2基板20の表面に垂直方向の外力が加えられたときには、弾性体突起22は頂部が第3基板51に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1基板110と第2基板20との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。また、弾性体突起22の圧縮変形に応じて第3基板51は、頂部と当接する部分が変形する。外力は、第3基板51を介して第1基板110の表面に配置された複数の圧力センサー112に伝えられ、圧力センサー112で検出された圧力値は、外力の作用がないときに比べて大きくなる。
図12(c)に示すように、第2基板20の表面に斜め方向の外力が加えられたときには、弾性体突起22は頂部が第3基板51に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1基板110(第3基板51)と第2基板20との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。また、第2基板20の撓み量は−X方向成分よりも+X方向成分の方が大きくなる。また、弾性体突起22の圧縮変形に応じて第3基板51は、頂部と当接する部分が変形する。このとき、弾性体突起22の重心Gは基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の検出装置3によれば、弾性体突起22の頂部と圧力センサー112との間に弾性体突起22と比べて柔軟性を有する第3基板51が配置されているので、弾性体突起22が配置されている第2基板20へ加えられた外力の方向を高い精度で検出することができる。例えば、第2基板20の表面に斜め方向の外力が加えられたときには、弾性体突起22の頂部が第3基板51に変形(陥没)する様に当接し、弾性体突起22の中心が単位検出領域Sの基準点Pから滑って(ずれて)しまうことを抑制することができる。つまり、弾性体突起22の頂部が単位検出領域Sの基準点Pから外力の加えられた方向に滑って(ずれて)外力の加えられた方向を誤検出することを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、第3基板51は独立して形成し配置されているが、弾性体突起22と一体となるように接合されていてもよい。これにより第2基板20に加えられた外力によって弾性変形する弾性体突起22の頂部が単位検出領域Sからずれることをさらに抑制することができる。
(第4実施形態)
図13は、図11に対応した、本発明の第4実施形態に係る検出装置4の概略構成を示す分解斜視図である。なお、図13において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起22に対応して配置された複数の圧力センサー112が検出する単位検出領域を示している。本実施形態の検出装置4は、第2基板20の弾性体突起22が配置された面とは反対の面に第2基板本体21と比べて高い剛性を有する補強部材52が配置されている点で、上述の第3実施形態で説明した検出装置3と異なる。図13において、図11と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図13に示すように、検出装置4は、基準点Pの周りに複数配置された圧力センサー112を有する第1基板110と、第1基板110に配置された圧力センサー112の表面に配置された第3基板51とを備えている。また、基準点Pに重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が第3基板51に当接した状態で弾性変形する弾性体突起22が形成された第2基板20と、第2基板20の弾性体突起22が配置された側と反対の側に配置された補強部材52とを備えている。
補強部材52は、矩形板状となっており、平面視において第2基板本体21と同じ大きさに形成されている。この補強部材52は、第2基板本体21よりも高い剛性を有している。例えば、第2基板本体21の材質が弾性体突起22の材質と同様にシリコーン樹脂(デュロメーター硬さ50程度)の場合、補強部材52の形成材料としては、エポキシ樹脂(デュロメーター硬さ60程度)を用いることができる。このため、外力の接触面となる第2基板20(補強部材52)に配置された隣り合う弾性体突起22の間隔と比べて小さい対象物(例えば先鋭なスタイラスペン)によって外力が加えられた場合であっても、外力を正確に検出することができる。
図14(a)〜(c)は、図12(a)〜(c)に対応した、第4実施形態に係る弾性体突起22の外力による弾性変形を示す断面図である。なお、図14(a)は第2基板20の表面(補強部材52の表面)に外力が加えられる前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図14(b)は補強部材52に垂直方向の外力が加えられた状態を示している。図14(c)は第2基板20の表面に斜め方向の外力が加えられた状態を示している。図14において、図12と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図14(a)に示すように、第2基板20の表面に外力が加えられる前においては、弾性体突起22は変形しない。これにより、第1基板110と第2基板20との間の距離は一定に保たれる。このときの各圧力センサー112で検出された圧力値は図示しないメモリー部に記憶されている。メモリー部に記憶された各圧力センサー112で検出された圧力値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図14(b)に示すように、第2基板20の表面に垂直方向の外力が加えられたときには、弾性体突起22は頂部が第3基板51に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1基板110と第2基板20との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。外力は、第3基板51を介して第1基板110の表面に配置された各圧力センサー112に伝えられ、各圧力センサー112で検出された圧力値は、外力の作用がないときに比べて大きくなる。
また、外力は2つの隣り合う弾性体突起22の間の領域に加えられる場合もある。本実施形態では第2基板20の表面に第2基板本体21よりも高い剛性を有する補強部材52を備えているので、例えば、指で検出装置4を垂直方向に押した場合、2つの隣り合う弾性体突起22は互いに垂直方向に圧縮変形することとなる。このように、補強部材52が無い場合に比べて外力により2つの隣り合う弾性体突起22が互いに反対方向に圧縮変形してしまうことを抑制することができる。
図14(c)に示すように、第2基板20の表面に斜め方向の外力が加えられたときには、弾性体突起22は頂部が第3基板51に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1基板110と第2基板20との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。また、第2基板20の撓み量は−X方向成分よりも+X方向成分の方が大きくなる。このとき、弾性体突起22の重心Gは基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。
また、外力は2つの隣り合う弾性体突起22の間の領域に加えられる場合もある。本実施形態では第2基板20の表面に第2基板本体21よりも高い剛性を有する補強部材52を備えているので、例えば、指で検出装置4を斜め方向に押した場合、2つの隣り合う弾性体突起22は互いに斜め方向に圧縮変形することとなる。このように、補強部材52が無い場合に比べて外力により2つの隣り合う弾性体突起22が互いに反対方向に圧縮変形してしまうことを抑制することができる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の検出装置4によれば、第2基板20の弾性体突起22が形成された側と反対の側に第2基板本体21と比べて高い剛性を有する補強部材52が配置されているので、外力の方向を高い精度で検出することができる。例えば、外力が2つの隣り合う弾性体突起22の間の領域に加えられた場合、補強部材が無いときに比べて2つの隣り合う弾性体突起22が互いに反対の方向に圧縮変形してしまうことを抑制することができる。つまり、外力の加えられた方向と反対の方向を検出するといった誤検出を抑制することができる。したがって、外力の方向と大きさを高い精度で検出することができる。
なお、本実施形態においては、補強部材52が第2基板20の表面に配置されているが、これに限らない。例えば、補強部材52を設けずに、第2基板本体21自体を弾性体突起22よりも高い剛性を有する材質で形成してもよい。これにより、補強部材52を設ける構成に比べて検出装置4の薄型化を図ることができる。
(第5実施形態)
図15は、図1に対応した、本発明の第5実施形態に係る検出装置5の概略構成を示す図である。図15(a)は、検出装置5の分解斜視図である。また、図15(b)は、図15(a)に示す線分A−A線における第1基板210の断面概略構成を示す模式図である。なお、図15において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起22に対応して配置された複数の圧力センサー212が検出する単位検出領域を示している。本実施形態の検出装置5は、上述した第1実施形態の検出装置1の圧力センサー12に相当する圧力センサー212として、感圧導電性ゴムなどからなる圧力センサー212が配置されている。図15において、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
なお、図15においては、便宜上、複数の圧力センサー212が単位検出領域S当たり縦2行横2列に配置されているが、実際には第2実施形態から第4実施形態で説明をしたように圧力センサー212が単位検出領域S当たり縦4行横4列以上に配置されていてもよいものとする。
図15(a)に示すように、検出装置5は、基準点Pの周りに複数配置された圧力センサー212を有する第1基板210と、基準点Pに重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が第1基板210に当接した状態で弾性変形する弾性体突起22が配置された第2基板20とを備えている。
複数の圧力センサー212は、基準点Pに対して点対称に配置されている。例えば、複数の圧力センサー212は、互いに直交する2方向(X方向及びY方向)にマトリックス状に配置されている。これにより、基準点Pと各圧力センサー212との間の距離が互いに等しくなるので、弾性体突起22の変形と各圧力センサー212で検出される圧力値との関係が互いに等しくなる。
よって、各圧力センサー212の圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサー212で検出された圧力値の差分を演算することが容易となる。
複数の圧力センサー212は、一対の電極基板213,214に配線された行電極213aと列電極214aの間に感圧導電材料を配置することにより形成した感圧導電素子PRである。
図15(b)に示す第1基板210は、感圧素子PRをポリイミド樹脂で構成される電極基板213,214の間に配置し、電極基板213に配線されている行電極213aと、電極基板214に配線されている列電極214aとに接続した圧力センサー212が複数配置されたアレイ基板である。感圧素子PRは、感圧導電材料に外力が加えられることで行電極213a,列電極214a間における電気的な抵抗変化を電流値として検出可能にしたものである。感圧素子PRは、感圧導電材料からなり導電フィラーを分散させた多孔質シリコーンゴムで構成されている。
図16は、本実施形態の検出装置5における第1基板210に配置された複数の圧力センサー212の概略回路図である。感圧素子PRは、その感圧素子PRに外力が加わることで電気的な抵抗変化が生じる。感圧素子PRの電気的な抵抗変化は、行電極213aと列電極214aとに電源PWを接続し、感圧素子PRに電圧を印加することで、外力に応じた電気的な抵抗変化を測定部215(電流計)で電流信号として取り出すことができる。
第1基板210に配置された複数の圧力センサー212は、各感圧素子PRに対応する。各感圧素子PRは、マトリックス状に配置され走査部SWを切り替えることで個々の感圧素子PRに加えられた外力の大きさを電流信号として取り出すことができる。例えば、図15に示す領域S1に配置された圧力センサー212は、図16に示す感圧素子PR11に対応する。また、領域S2に配置された圧力センサー212は、感圧素子PR12に対応し、領域S3に配置された圧力センサー212は、感圧素子PR21に対応し、領域S4に配置された圧力センサー212は、感圧素子PR22に対応する。
また、検出装置5は、マトリックス状に配置された感圧素子PRの抵抗変化を検出するために電源PWと測定部215と走査部SWとを備える。例えば、S1に配置された圧力センサー212に対応する感圧素子PR11の抵抗変化を検出する場合は、走査部SW11、SW21のスイッチを閉じることで、行電極213a及び列電極214aを通じて電源PWと、感圧素子PR11と、測定部215との閉回路が構成される。
これにより領域S1に配置された感圧素子PR(圧力センサー212)に加えられた外力によって生じた抵抗変化を測定部215で電流として測定できる。各圧力センサー212(感圧素子PR)での圧力計測は、走査部SWを順番に切り替えて電源PWと、測定部215とを感圧素子PRに接続しておこなう。測定部215で測定した電流(圧力信号)を図示しないメモリー部に圧力値として記録する。
なお、感圧素子PRの抵抗変化は、電源PWと感圧素子PRと図示しない基準抵抗を直列に接続し、感圧抵抗PRの抵抗変化によって基準抵抗の両端に生じる電圧変化を測定する方法としても良い。これにより、各感圧素子PRの配線長さ(距離)による誤差を抑制することができる。
検出装置5は、外力によって弾性体突起22が弾性変形することにより複数の圧力センサー212(感圧素子PR)で測定されメモリー部に記録された圧力値のうち、任意に組み合わされた各圧力センサー212で検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と大きさを演算する図示しない演算装置を備えている。
なお、圧力値の差分の演算方法については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図17(a)〜(c)は、図1(a)〜(c)に対応した、第5実施形態に係る弾性体突起22の外力による弾性変形を示す断面図である。なお、図17(a)は第2基板20の表面に外力が加えられる前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図17(b)は第2基板20の表面に垂直方向の外力が加えられた状態を示している。図17(c)は第2基板20の表面に斜め方向の外力が加えられた状態を示している。図17において、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図17(a)に示すように、第2基板20の表面に外力が加えられる前においては、弾性体突起22は変形しない。これにより、第1基板110と第2基板20との間の距離は一定に保たれる。このときの各圧力センサー212(感圧素子PR)で検出された圧力値は図示しないメモリー部に記憶されている。メモリー部に記憶された各圧力センサー212で検出された圧力値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図17(b)に示すように、第2基板20の表面に垂直方向の外力が加えられたときには、弾性体突起22は頂部が第1基板10に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1基板110と第2基板20との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。このときの圧力センサーの圧力値は、外力の作用がないときに比べて大きくなる。また、その変化量は各圧力センサーとも略同じ値となる。弾性体突起22の頂部が各圧力センサー12に当接する面積が等しいためである。
図17(c)に示すように、第2基板20の表面に斜め方向の外力が付加されたときには、弾性体突起22は頂部が第1基板10の表面に配置された複数の圧力センサー12に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1基板10と第2基板20との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。このとき、弾性体突起22の重心Gは基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。この場合、弾性体突起22の頂部と4つの圧力センサー12との重なる面積は互いに異なる。具体的には、弾性体突起22の頂部と4つの圧力センサー12との重なる面積は、4つの圧力センサー12のうち−X方向及び−Y方向に配置された部分と重なる面積よりも+X方向及び+Y方向に配置された部分と重なる面積のほうが大きくなる。
弾性体突起22は、斜め方向の外力により変形に偏りが生じる。すなわち、弾性体突起22の重心は基準点Pからずれてすべり方向(X方向及びY方向)に移動する。すると、各圧力センサー12で異なる値の圧力値が検出される。具体的には、弾性体突起22の重心と重なる位置の圧力センサー12では相対的に大きい圧力値が検出され、弾性体突起22の重心と重ならない位置の圧力センサー12では相対的に小さい圧力値が検出されることとなる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の検出装置5によれば、外力を検出する圧力センサー212の感圧素子PRとして感圧導電性材料を用いることで、例えば、感圧導電材料として導電フィラーを分散させた多孔質シリコーンゴムを一対の電極基板に狭持した単純な構成で圧力センサー212が配置された第1基板210(圧力センサーアレイ)を形成することができる。このことによって、MEMS(Micro Electoro Mechanical System)技術によって形成される圧力センサーを用いた検出装置と比べて、安価かつ耐久性の良い検出装置を提供することができる。
(電子機器)
図18は、上述した実施形態に係る検出装置1から検出装置5を適用した携帯電話機1000の概略構成を示す模式図である。携帯電話機1000は、複数の操作ボタン1003及びスクロールボタン1002、並びに表示部としての検出装置を適用した液晶パネル1001を備えている。スクロールボタン1002を操作することによって、液晶パネル1001に表示される画面がスクロールされる。液晶パネル1001にはメニューボタン(図示省略)が表示される。例えば、メニューボタンを指で触れると電話帳が表示されたり、携帯電話機の電話番号が表示されたりする。
図19は、上述した実施形態に係る検出装置1から検出装置5を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)2000の概略構成を示す模式図である。携帯情報端末2000は、複数の操作ボタン2002及び電源スイッチ2003、並びに表示部としての検出装置を適用した液晶パネル2001を備えている。電源スイッチ2003を操作すると、液晶パネル2001にはメニューボタンが表示される。例えば、メニューボタン(図示省略)を指で触れると住所録が表示されたり、スケジュール帳が表示されたりする。
このような電子機器によれば、上述した検出装置1から5を備えているので、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することが可能な電子機器を提供することができる。
なお、電子機器としては、この他にも、例えばパーソナルコンピューター、ビデオカメラのモニター、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、デジタルスチールカメラ、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。これらの電子機器に対しても、上述の各実施形態に係る検出装置を適用させることができる。
(ロボット)
図20は、上記各実施形態に係る検出装置1から検出装置5を適用したロボットハンド3000の概略構成を示す模式図である。図20(a)に示すように、ロボットハンド3000は、本体部3003及び一対のアーム部3002、並びに検出装置を適用した把持部3001を備えている。例えば、リモコン等の制御装置によりアーム部3002に駆動信号を送信すると、一対のアーム部3002が開閉動作する。
図20(b)に示すように、ロボットハンド3000でコップ等の対象物3010を把持する場合を考える。このとき、対象物3010に作用する力は把持部3001で圧力として検出される。ロボットハンド3000は、把持部3001として上述した検出装置を備えているので、対象物3010の表面(接触面)に垂直な方向の力と併せて重力Mgですべる方向の力(すべり力の成分)を検出することが可能である。例えば、柔らかい物体を変形させたりすべりやすい物体を落としたりしないよう、対象物3010の質感に応じて力を加減しながら持つことができる。
このロボットによれば、上述した検出装置を備えているので、外圧の方向と大きさとを高い精度で検出することが可能なロボットを提供することができる。
1〜5…検出装置、10,110,210…第1基板、11,111…第1基板本体、12,112,212…圧力センサー、20,120…第2基板、21…第2基板本体、22,122…弾性体突起、51…第3基板、52…補強部材、213,214…電極基板、213a…行電極、214a…列電極、215…測定部、1000…携帯電話機、1001…液晶パネル、1002…スクロールボタン、1003…操作ボタン、2000…携帯情報端末、2001…液晶パネル、2002…操作ボタン、2003…電源スイッチ、3000…ロボットハンド、3001…把持部、3002…アーム部、3003…本体部、3010…対象物、PR…感圧素子、SW…走査部。

Claims (11)

  1. 基準点に加えられた外力の方向と大きさとを検出する検出装置であって、
    前記基準点の周りに複数配置された圧力センサーを有する第1基板と、
    前記基準点と重なる位置に重心が位置するとともに前記外力によって頂部が前記圧力センサーに当接した状態で弾性変形する弾性体突起が配置された第2基板と、を備え、
    前記弾性体突起の形状は、円錐台または角錐台であること、
    を特徴とする検出装置。
  2. 請求項1に記載の検出装置であって、
    前記外力によって前記弾性体突起が弾性変形することにより複数の前記圧力センサーで検出された圧力値のうち任意に組み合わせられた前記圧力センサーで検出された圧力値の差分を演算し、当該差分に基づいて前記外力が加えられた方向と大きさとを演算する演算装置を備えること、
    を特徴とする検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の検出装置であって、
    複数の前記圧力センサーは、前記基準点に対して点対称に配置されていること、
    を特徴とする検出装置。
  4. 請求項3に記載の検出装置であって、
    複数の前記圧力センサーは、互いに直交する2方向にマトリックス状に配置されていること、
    を特徴とする検出装置。
  5. 請求項4に記載の検出装置であって、
    複数の前記圧力センサーは、互いに直交する2方向に少なくとも4行4列に配置されていること、
    を特徴とする検出装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の検出装置であって、
    前記弾性体突起は、前記第2基板に複数配置されており、
    複数の前記弾性体突起は、互いに離間して配置されていること、
    を特徴とする検出装置。
  7. 請求項6に記載の検出装置であって、
    前記第2基板に配置された前記弾性体突起の頂部と、前記第1基板の前記圧力センサーが配置された側との間に第3基板が配置されていること、
    を特徴とする検出装置。
  8. 請求項7に記載の検出装置であって、
    前記第2基板の前記弾性体突起が配置された側と反対側には、前記第2基板と比べて高い剛性を有する補強部材が配置されていること、
    を特徴とする検出装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の検出装置であって、
    前記圧力センサーは感圧導電性材料からなる感圧素子が配置されること、
    を特徴とする検出装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の検出装置を備えること、を特徴とする電子機器。
  11. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の検出装置を備えること、を特徴とするロボット。
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