JP2013096846A - 検出装置、電子機器及びロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】外力の方向を高い精度で検出することが可能な検出装置、電子機器及びロボットを提供する。
【解決手段】基準点Pの周りに複数配置された第1容量電極12を有する第1基板10と、第1容量電極を挟んで第1基板と対向配置された第2基板20と、第1基板と前記第2基板との間に配置された弾性体若しくは流体からなる誘電体と、第1基板と第2基板との間において誘電体を挟んで第1容量電極と対向配置された第2容量電極22と、基準点Pと重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が第2基板に当接した状態で弾性変形する円錐台または角錐台形状を有する弾性体突起32を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、検出装置、電子機器及びロボットに関するものである。
外力を検出する検出装置として、特許文献1から特許文献3に記載の検出装置が知られている。このような検出装置は、タッチパネルやロボットの触覚センサー等への応用が検討されている。特許文献1の検出装置は、裏面に錘状突起が略均一に配置された受圧シートを用い、その突起の変形量から圧力分布を検出する構成となっている。また、特許文献2の検出装置は、受圧シートの表面に複数の柱状突起を格子状に配置し、これら表面突起の周辺部を等分した個所の裏面に円錐状の突起を設けた構成となっている。また、特許文献3の検出装置は、静電容量を検出するセンシング領域を備えた素子基板と対向基板との間に誘電体層を設け、その変形による静電容量の変化から圧力の変化を検出する構成となっている。
特開昭60−135834号公報 特開平7−128163号公報 特開2009−176183号公報
しかしながら、特許文献1の検出装置では、測定面にかかる圧力の面内方向の力(すべり力)を測定することができない。また、特許文献2の検出装置では、外力を3次元の力ベクトルとして検出することは可能であるが、突起の変形の度合いで外力の検出限界が決まってしまう。また、特許文献3の検出装置では、測定面にかかる外圧の面内方向の力(すべり力)を測定することができない。以上のように、特許文献1から特許文献3に記載の検出装置では、いずれも外力の方向を高い精度で検出することができなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、外力の方向を高い精度で検出することが可能な検出装置、電子機器及びロボットを提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(適用例1)本適用例に係る検出装置は、基準点に加えられた外力の方向を検出する検出装置であって、基準点の周りに複数配置された第1容量電極を有する第1基板と、第1容量電極を挟んで第1基板と対向配置された第2基板と、第1基板と前記第2基板との間に配置された弾性体若しくは流体からなる誘電体と、第1基板と第2基板との間において誘電体を挟んで第1容量電極と対向配置された第2容量電極と、基準点と重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が第2基板に当接した状態で弾性変形する弾性体突起が形成された第3基板とを備え、弾性体突起の形状は、円錐台または角錐台であることを特徴とする。
この検出装置によれば、弾性体突起と誘電体との2段構成により、特許文献1や特許文献2の検出装置に比べて、外力の方向の検出精度を高めることができる。第3基板の表面に所定の方向の外力が加えられると、弾性体突起は外力に応じて圧縮変形する。加えられた外力が大きくなると、弾性体突起はこれ以上変形しない臨界点を迎える。弾性体突起に臨界点を越えた外力が加えられると、誘電体が柔軟に変形する。このため、弾性体突起が変形しうる臨界点以上の大きさの外力を検出することができる。また、弾性体突起は、所定方向の外力によって変形に偏りが生じる。すなわち、外力に面内の所定方向のすべり力成分がある場合、弾性体突起の重心は基準点からずれて所定方向(すべり方向)に移動する。すると、弾性体突起の重心が移動した部分の誘電体の厚みが相対的に薄くなる。つまり、各容量検出素子で異なる値の静電容量が検出される。具体的には、弾性体突起の重心と重なる位置の容量検出素子では相対的に大きい静電容量が検出され、弾性体突起の重心と重ならない位置の容量検出素子では相対的に小さい静電容量が検出されることとなる。よって、演算装置により、各容量検出素子で検出された静電容量の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向を求めることがでる。
また、弾性体突起の形状は、円錐台または角錐台を有し、第2基板と当接する頂部は平面であることで、外力の方向に関係無く一定の面積を第1基板に当接させることができる。このことによって、外力が加えられていない時に各容量検出素子で検出される静電容量値と、外力が加えられた時に各容量検出素子で検出される静電容量値との差分の比較し、演算することで外力が加えられた方向を求めることができる。
従って、外力の方向を高い精度で検出することが可能な検出装置を提供することができる。
(適用例2)上記適用例に係る検出装置において、外力によって弾性体突起が弾性変形することにより第1容量電極と第2容量電極と誘電体とで構成される複数の容量検出素子で検出され変化する静電容量値のうち、任意に組み合わせられた容量検出素子の静電容量の差分を演算し、当該差分に基づいて外力の方向を演算する演算装置を備えることが好ましい。
この様な検出装置によれば、外力が加えられる前に各容量検出素子で検出された静電容量値と、外力が加えられた時の各容量検出素子で検出された静電容量値とのうち、任意に組み合わせられた容量検出素子の差分を演算する演算装置を備えることで当該差分に基づいて外力の方向を検出することができる。
(適用例3)上記適用例に係る検出装置において、容量検出素子は、弾性体突起の弾性変形による静電容量値の変化と、誘電体の変形による静電容量値の変化とを別個独立して検出可能であることが好ましい。
この検出装置によれば、容量検出素子が弾性体突起の弾性変形の弾性変形による静電容量値の変化と、誘電体の変形による静電容量値の変化とを一括して検出する場合に比べて、外力を検出することが容易となる。例えば、弾性体突起が臨界点に達するまで誘電体が殆ど変形しないとすると、弾性体突起の弾性変形の弾性変形による静電容量値の変化のみを検出すれば外力が加えられた方向を求めることができる。従って、各容量検出素子の静電容量値の差分を演算することが容易となり、外力を効率よく検出することができる。
(適用例4)上記適用例に係る検出装置において、複数の第1容量電極は、基準点に対して点対称に配置されていることを特徴とする。
この検出装置によれば、基準点と第1容量電極との間の距離が等しくなるので、弾性体突起の変形量と第1容量電極と第2容量電極とを含んで構成される容量検出素子が検出する静電容量値との関係が互いに等しくなる。例えば、複数の第1容量電極が基準点から互いに異なる距離に配置される場合、弾性体突起の変形量が同じであっても、各容量検出素子が検出する静電容量値は互いに異なることとなる。このため、検出された静電容量値の差分を演算する際に、各第1容量電極の配置位置に応じた補正係数が必要となる。そこで、当該構成によれば、弾性体突起の変形量と各容量検出素子が検出する静電容量値が互いに等しくなるので、前述の補正係数は不要となる。従って、各容量検出素子の静電容量値の差分から外力の方向を演算することが容易となり、外力を効率よく検出することができる。
(適用例5)上記適用例に係る検出装置において、複数の第1容量電極は互いに直交する2方向にマトリックス状に配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、第1容量電極と第2容量電極とを含んで構成される容量検出素子が検出する静電容量値のうち、任意に組み合わされた各容量検出素子の静電容量値の差分から外力の方向を演算することが容易となる。
(適用例6)上記適用例に係る検出装置において第2容量電極は、第2基板に配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、第1容量電極及び第2容量電極が同一の基板に配置される場合に比べて、第1容量電極と第2容量電極との間に印加される電界のベクトル成分が誘電体の厚み方向と平行な方向の成分を多く含むこととなる。つまり、第1容量電極と第2容量電極との間に印加される電界のベクトル成分は、外力が加えられる方向とほぼ同じとなる。従って、外力の方向を高い精度で検出することができる。
(適用例7)上記適用例に係る検出装置において、第2容量電極は第1基板の基準点と重なる位置に配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、第1容量電極及び第2容量電極を同一の工程で形成することが可能となる。従って、製造工程を簡略化することができ、製造効率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。また、製造工程において加熱工程を低減することができるため、第2基板に反り等が生じることを抑制することができる。このことによって、外力の検出精度を向上させることができる。また、弾性体突起の変形の過程において電極間の距離を一定に保つことができるので、外力の方向を高い精度で検出することができる。
(適用例8)上記適用例に係る検出装置において、複数の第1容量電極は互いに直交する2方向に少なくとも4行4列に配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、配置される第1容量電極の数が多くなる。このため、多数の容量検出素子で検出される静電容量に基づいて各容量検出素子の検出結果を積算して外力の作用する方向を求めることができる。従って、外力の方向を高い精度で検出することができる。
(適用例9)上記適用例に係る検出装置において、弾性体突起は複数形成されており、弾性体突起は互いに離間して配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、弾性体突起が弾性変形したときの第3基板本体の面内に平行な方向の変形量を許容することができる。例えば、一方の弾性体突起が変形したときに他方の弾性体突起に変形の影響を及ぼすことを抑制することができる。このため、複数の弾性体突起が互いに接触して配置されている場合に比べて、外力を正確に誘電体に伝達することができる。従って、外力の方向を高い精度で検出することができる。
(適用例10)上記適用例に係る検出装置において、第1基板と第2基板との平面視における間には少なくとも隣り合う弾性体突起相互の間に第1基板と第2基板との間の距離を一定に保つスペーサーが配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、第3基板に加えられる外力は、スペーサーが配置された単位検出領域毎に作用することとなる。このため、スペーサーで囲まれた単位検出領域においては、他の単位検出領域との間で相互作用を及ぼすことなく、別個独立して外力を検出することができる。従って、外力の方向を高い精度で検出することができる。
(適用例11)上記適用例に係る検出装置において、第3基板の弾性体突起が形成された側と反対の側に第3基板よりも高い剛性を有する補強部材が配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、例えば、外力が2つの隣り合う弾性体突起の間の領域に作用する場合、補強部材が無いときに比べて2つの隣り合う弾性体突起が互いに反対の方向に圧縮変形してしまうことを抑制することができる。つまり、外力の加えられた方向と反対の方向を検出するといった誤検出を抑制することができる。従って、外力の方向を高い精度で検出することができる。
(適用例12)上記適用例に係る検出装置において、第3基板に配置された弾性体突起の頂部と、第1基板の容量検出素子が配置された側との間に弾性体突起と比べて柔軟性を有する第4基板が配置されていることが好ましい。
このような検出装置によれば、例えば、弾性体突起と比べて第4基板が柔軟性を有する場合、第4基板が配置されない場合と比べて外力によって弾性変形する弾性体突起の頂部が滑ることを抑制することができる。従って、弾性体突起の頂部が滑ることなく第1基板と第2基板との間に配置された誘電体に外力を伝達することができる。
(適用例13)本適用例に係る電子機器は、上記の検出装置を備えることを特徴とする。
このような電子機器は、上述した検出装置を備えているので、外力の方向を高い精度で検出することが可能な電子機器を提供することができる。
(適用例14)本適用例に係るロボットは、上記の検出装置を備えることを特徴とする。
このようなロボットは、上述した検出装置を備えているので、外力の方向を高い精度で検出することが可能なロボットを提供することができる。
第1実施形態に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 第1実施形態に係るセンシング回路の構成を示す回路図。 第1実施形態に係るセンシング回路の動作を示すタイミングチャート。 リセット時におけるセンシング回路の動作を示す説明図。 センシング時におけるセンシング回路の動作を示す説明図。 読出時におけるセンシング回路の動作を示す説明図。 第1実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す断面図。 第1実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す平面図。 第1実施形態に係るセンシング領域の座標系を示す図。 第1実施形態に係る垂直方向の外力による圧力分布を示す図。 第1実施形態に係る外力によるすべり方向の計算例を示す図。 第2実施形態に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 第2実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す断面図。 第2実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す平面図。 第2実施形態に係るセンシング領域の座標系を示す図。 第3実施形態に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 第3実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す断面図。 第4実施形態に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 第4実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す断面図。 第5実施形態に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 第5実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す断面図。 第5実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す平面図。 第5実施形態に係るセンシング領域の座標系を示す図。 第6実施形態に係る検出装置の概略構成を示す分解斜視図。 第6実施形態に係る弾性体突起の外力による弾性変形を示す断面図。 電子機器の一例である携帯電話機の概略構成を示す模式図。 電子機器の一例である携帯情報端末の概略構成を示す模式図。 ロボットの一例であるロボットハンドの概略構成を示す模式図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明をする。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載をしている。また、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各構成について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸が図1に示す第1基板10に対して平行な方向に設定され、Z軸が第1基板10に対して直交する方向に設定されている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る検出装置1の概略構成を示す分解斜視図である。図1においては、便宜上、誘電体40(図7参照)の図示を省略している。図1において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起32に対応して配置された複数の容量検出素子S1〜S4(第1容量電極12と第2容量電極22と誘電体40とで構成される容量検出素子)が検出する単位検出領域を示している。
検出装置1は、基準点Pに加えられた外力の方向と大きさとを検出するタッチパッドであり、例えばノートパソコン等の電子機器においてマウスの代わりのポインティングデバイスとして用いられるものである。
なお、「外力」とは、基準点Pに外的に加えられた力で、例えばタッチパッドを操作ために加えられる力である。また、「基準点P」とは、すべり力が作用していない場合に弾性体突起32の中心が位置するポイントである。
図1に示すように、検出装置1は、基準点Pの周りに複数配置された第1容量電極12を有する第1基板10と、第1容量電極12を挟んで第1基板10と対向配置された第2基板20とを備える。また、第1基板10と第2基板20との間に配置された誘電体40(図7参照)と、基準点Pに重なる位置に重心Gが位置するとともに外力によって頂部が第2基板20に当接した状態で弾性変形する弾性体突起32が形成された第3基板30と、を備えている。また、第1基板10に対向する第2基板20に第2容量電極22が配置されている。
検出装置1は、外力によって弾性体突起32が弾性変形することにより複数の容量検出素子S1〜S4の静電容量値のうち、任意に組み合わされた各容量検出素子S1〜S4の静電容量値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と外力の大きさとを演算する図示しない演算装置を備えている。
容量検出素子S1〜S4は、弾性体突起32の弾性変形による静電容量値の変化と、誘電体40の変形による静電容量値の変化とを分けて検出することが可能になっている。
なお、本実施形態では、第1基板10に第1容量電極12が配置され、第2基板20に第2容量電極22が配置されている。つまり、第1容量電極12と第2容量電極22との間の誘電体40に垂直方向(Z方向)の電界を印加させる縦電界方式を採用している。
第1基板10は、例えばガラス、石英及びプラスチック等の材料で構成された矩形板状の第1基板本体11と、第1基板本体11に配置された複数の第1容量電極12とを具備して構成されている。例えば、第1基板本体11の大きさ(平面視のサイズ)は、縦56mm×横56mm程度になっている。
複数の第1容量電極12は、基準点Pに対して点対称に配置されている。例えば、複数の第1容量電極12は、互いに直交する2方向(X方向及びY方向)にマトリクス状に配置されている。これにより、基準点Pと各第1容量電極12との間の距離が互いに等しくなるので、各第1容量電極12と第2容量電極22とを含んで構成される各容量検出素子S1〜S4が検出する静電容量値が互いに等しくなる。よって、各容量検出素子S1〜S4の静電容量値のうち、任意に組み合わされた容量検出素子S1〜S4の静電容量値の差分を演算することが容易となる。なお、静電容量値の差分の演算方法については後述する。
隣り合う第1容量電極12の間隔は、0.1mm程度になっている。このため、静電気等の外乱の影響によって隣り合う位置の容量検出素子S1〜S4で検出される静電容量の値にノイズ等が重畳しないようになっている。
複数の第1容量電極12は、単位検出領域S当たり縦2行横2列に計4つ配置されている。4つの第1容量電極12の中心(単位検出領域Sの中心)が基準点Pとなっている。例えば、単位検出領域Sの大きさ(平面視のサイズ)は、縦2.8mm×横2.8mm程度になっている。また、4つの第1容量電極12の各面積がほぼ等しくなっている。第1容量電極12を形成する材料としては、例えばアルミニウム等の金属材料を用いることができる。
第2基板20は、例えばプラスチック等の材料で構成された矩形板状の第2基板本体21と、第2基板本体21に配置された第2容量電極22とを具備して構成されている。第2基板本体21は、弾性体突起32が当接する面に外力が作用したときに可撓性を有する程度の厚さに形成されている。なお、第2基板本体21は平面視において第1基板本体11と同じサイズに形成されている。
複数の弾性体突起32は、第3基板本体31上においてX方向及びY方向にマトリックス状に配置されている。弾性体突起32の形状は、円錐台もしくは角錐台である。また、角錐台は正四角錐台が好ましく、三角や八角の多角錐台でも良い。円錐台もしくは角錐台は、面積の広い台面が第3基板本体31と接する基部であり、他方の面積の小さい台面(平面)を頂部とし、その頂部が第2基板20に当接している。弾性体突起32の重心Gは、初期的に基準点Pと重なる位置に配置されている。また、複数の弾性体突起32は、互いに離間して配置されている。このため、弾性体突起32が弾性変形したときの第2基板本体21の面内に平行な方向の変形量を許容することができる。
第2容量電極22は、複数形成されている第1容量電極12の全体と重なる位置に配置されている。具体的には、第2容量電極22は、第1基板本体11と対向する第2基板本体21の面に全体に形成されている。第2容量電極22の形成材料としては、第1容量電極12と同様に、例えばアルミニウム等の金属材料を用いることができる。
誘電体40(図7参照)は、第1基板10と第2基板20との間に配置された、弾性体若しくは流体からなるものである。誘電体40の形成材料としては、例えば、ゴム等の弾性体を用いることもできるし、シリコンオイルや液晶等の流体を用いることもできる。
第3基板30は、矩形板状の第3基板本体31と、第3基板本体31に配置された複数の弾性体突起32とを具備して構成されている。第3基板本体31は、外力を直接受ける部分である。第3基板本体31は、例えばガラス、石英及びプラスチック等の材料で構成することもできるし、発泡ウレタン樹脂等の樹脂材料で構成することもできる。本実施形態では、第3基板本体31及び弾性体突起32の形成材料として樹脂材料を用い、第3基板本体31及び弾性体突起32を金型で一体形成している。
複数の弾性体突起32は、第3基板本体31上においてX方向及びY方向にマトリクス状に配置されている。弾性体突起32の重心Gは、基準点Pと重なる位置に配置されている。また、複数の弾性体突起32は、互いに離間して配置されている。このため、弾性体突起32が弾性変形したときの第3基板本体31の面内に平行な方向の変形量を許容することができる。
弾性体突起32のサイズ(大きさ)は任意に設定することができる。ここでは、弾性体突起32の基部の径(長さ)(弾性体突起32が第3基板本体31に接する部分の直径もしくは長さ)は1.8mm程度、また頂部の径(長さ)は0.6mm程度になっている。弾性体突起32の高さ(弾性体突起32のZ方向の距離)は2mm程度になっている。隣り合う弾性体突起32の離間間隔は1mm程度になっている。弾性体突起32のデュロメータ硬さ(タイプA、ISO7619準拠のデュロメータによる硬さ測定値)は50程度になっている。
(センシング回路の構成)
図2は、容量検出素子(図1に示す符号S1〜S4)を用いて外力を検出するセンシング回路の等価回路図である。なお、図2において、符号Clは容量検出素子を示している。センシング回路60は、リセットトランジスタ61と、増幅トランジスタ62と、選択トランジスタ63と、基準容量素子Crと、容量検出素子Clとを備えている。容量検出素子Clは、第1容量電極12と第2容量電極22とを含み、第2容量電極22には共通電位Vcomが供給される。
リセットトランジスタ61のドレインは、電源線70に接続されている。リセットトランジスタ61のソースは、増幅トランジスタ62のゲートに接続されている。電源線70には電源電位VRHが供給される。リセットトランジスタ61のゲートは、第1制御線72に接続されている。第1制御線72には、リセット信号RESが供給される。
増幅トランジスタ62のドレインは、電源線70に接続されている。増幅トランジスタ62のソースは、選択トランジスタ63のドレインに接続されている。増幅トランジスタ62のゲートと第1制御線72との間には、基準容量素子Crが設けられている。また、増幅トランジスタ62のゲートは容量検出素子Ciの第1容量電極12と接続されている。
選択トランジスタ63のソースは検出線74に接続されている。選択トランジスタ63のゲートは第2制御線76に接続されている。第2制御線76には選択信号SELが供給される。
(回路動作)
次に、センシング回路60の動作を図3〜図6を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態に係るセンシング回路60(図4〜6参照)の動作を示すタイミングチャートである。図4は、リセット時におけるセンシング回路60の動作を示す説明図である。図5は、センシング時におけるセンシング回路60の動作を示す説明図である。図6は、読出時におけるセンシング回路60の動作を示す説明図である。図3に示すように、センシング回路60は、リセット時(期間)Tres、センシング時(期間)Tsen、及び読出時(期間)Toutを一単位(1サイクル)として動作する。
(リセット時)
先ず、リセット時Tresにおいて、第1制御線72に供給されるリセット信号RESのレベルは電位VDに設定される。すなわち、リセット時Tresにおいては、リセット信号RESのレベルはハイレベルに設定され、リセットトランジスタ61はON(オン)状態となる。一方、第2制御線76に供給される選択信号SELはローレベルに設定され、選択トランジスタ63はOFF(オフ)状態となる。すると、図4に示すように、増幅トランジスタ62のゲート電位VAは電源電位VRHに設定(リセット)される。また、容量検出素子Clの第1容量電極12にも電源電位VRHが供給され、容量検出素子Clの第1容量電極12と第2容量電極22との間の電圧は、VRH−(マイナス)Vcomの電位に設定される。
(センシング時)
次に、リセット時(期間)Tres経過後の次の時(期間)であるセンシング時(期間)Tsenにおいては、リセット信号RESのレベルが電位VDからGND(ゼロ電位)に変化する。すると、図5に示すように、リセットトランジスタ61はOFF状態となる。また、センシング時Tsenにおいては、選択信号SELはローレベルに設定され、選択トランジスタ63はOFF状態となる。増幅トランジスタ62のゲートのインピーダンスは十分に高いため、センシング期間Tsenにおいては、増幅トランジスタ62のゲートは電気的にフローティング状態となる。基準容量素子Crの一方の電極は第1制御線72に接続されているため、第1制御線72に供給されるリセット信号RESのレベル(電位)が電位VDからGNDに変化する。すると、それに応じて増幅トランジスタ62のゲートの電位VAも変化する。このときのゲートの電位VAの変化量は、基準容量素子Crと容量検出素子Clとの容量比に応じた値となる。
(読出時)
センシング時(期間)Tsenの次の時(期間)である読出時(期間)Toutにおいては、選択信号SELがローレベルからハイレベルに変化する。すると、図6に示すように、選択トランジスタ63がON状態となる。これにより、増幅トランジスタ62のゲートの電位VAに応じた大きさの検出電流Itが検出線74を流れる。この検出電流Itは、対象物(例えば指)と検出装置1との接触を検出する検出回路(図示略)へ供給される。
センシング時(期間)Tsenにおいて容量検出素子Clの容量値が変化すると、それに応じて増幅トランジスタ62のゲートの電位VAも変化する。したがって、対象物が検出装置1に接触していない状態のときに読出時(期間)Tsenで出力される検出電流Itの値と、対象物が検出装置1に接触したときに読出時Tsenで出力される検出電流Itの値とは異なる。
ここで、対象物が検出装置1に接触していない状態における容量検出素子Clの容量値をClc、対象物が検出装置1に接触したときの容量検出素子Clの容量値の変化量をΔClc、基準容量素子Crの容量値をCref、第1制御線72の電位変化をΔV(=VD)とすると、対象物が検出装置1に接触したときの増幅トランジスタ62のゲートの電位VAの変化量ΔVAは、以下に示す式(1)で表される。ただし、式(1)においてセンシング回路60で生じる寄生容量(浮遊容量)は無視している。
Figure 2013096846
検出回路(図示略)は、検出電流It(検出信号に相当)の値に基づいて対象物と検出装置1との接触を検出する。対象物が検出装置1に接触したときの増幅トランジスタ62のゲート電位VAの変化量ΔVAが大きいほど、非接触時における検出電流Itの値と接触時における検出電流Itの値との差が大きくなり、検出感度も高くなる。
図7及び図8は、基準点Pに作用する外力の方向と大きさを検出する方法の説明図である。図7(a)〜(c)は、第1実施形態に係る弾性体突起32の外力による弾性変形を示す断面図である。図8(a)〜(c)は、図7(a)〜(c)に対応した、第1実施形態に係る弾性体突起32の外力による弾性変形を示す平面図である。なお、図7(a)及び図8(a)は第3基板30の表面に外力が付加される前の状態(外力の作用がないとき)を示している。なお、図7(a1)〜(c1)及び図8(a1)〜(c1)は円錐台形状である弾性体突起32の場合を示し、図7(a2)〜(c2)および図8(a2)〜(c2)は多角錐台形状である弾性体突起132の場合を示す。特に記載しない限り、例えば図7おいて、図(a1)及び図(a2)は、総称して図7(a)と称し、図7(b)〜図7(c)及び図8(a)〜(c)も同様とする。また、特に記載しない限り、円錐台である弾性体突起32の説明には角錐台形状である弾性体突起132の説明が含まれるものとする。
図7(a)及び図8(a)は、第3基板30,130(第3基板本体31,131)の表面に外力が加えられる前の状態(外力の作用がないとき。)を示している。図7(b)及び図8(b)は、第3基板30,130(第3基板本体31,131)の表面に垂直方向(すべり力がない状態)の外力が加えられた状態を示している。図7(c)及び図8(c)は、第3基板30,130(第3基板本体31,131)の表面に斜め方向(すべり力がある状態)の外力が加えられた状態を示している。さらに、図8(a)〜(c)において、符号Gは弾性体突起32の重心G(圧力中心)を示している。
図7(a)及び図8(a)に示すように、第3基板30の表面に外力が加えられる前においては、弾性体突起32は頂部が第2基板20に当接し、変形しない。これにより、第1容量電極12と第2容量電極22(第2基板20)との間の距離は一定に保たれる。このとき、弾性体突起32(弾性体突起132)の重心Gは基準点Pと重なる位置に配置されている。この時の各容量検出素子S1〜S4の静電容量値は図示しないメモリー部に記憶されている。メモリー部に記憶された各容量検出素子S1〜S4の静電容量値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。なお、多角錐台である弾性体突起132は、その多角錐台の頂部の辺が各容量検出素子S1〜S4に当接するように、第1基板10のX方向及びY方向を基準として基準点Pを中心に45°回転させて配置されている。
図7(b)及び図8(b)に示すように、第3基板30の表面に垂直方向の外力が加えられたときには、弾性体突起32は頂部が第2基板20の表面に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1容量電極12と第2容量電極22との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。このときの容量検出素子S1〜S4の静電容量値は、外力の作用がないときに比べて大きくなる。
弾性体突起32は、外力の大きさに応じて圧縮変形する。外力が大きくなると、弾性体突起32はこれ以上変形しない臨界点に到達する。弾性体突起32に臨界点を越えた外力が作用すると、誘電体40がZ方向に柔軟に変形する。このため、弾性体突起32が変形しうる臨界点以上の大きさの外力を検出することができる。
図7(c)及び図8(c)に示すように、第3基板30の表面に斜め方向の外力が加えられたときには、弾性体突起32は頂部が第2基板20の表面に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1容量電極12と第2容量電極22との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。このとき、弾性体突起32の重心Gは、基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。この場合、弾性体突起32の頂部と4つの第1容量電極12との重なる面積は互いに異なる。具体的には、弾性体突起32の頂部と4つの第1容量電極との重なる面積は、4つの第1容量電極12のうち−X方向及び−Y方向に配置された部分と重なる面積よりも+X方向及び+Y方向に配置された部分と重なる面積の方が大きくなる。
弾性体突起32は、外力の大きさに応じて斜めに圧縮変形し、外力が大きくなるとこれ以上変形しない臨界点に到達する。また、弾性体突起32は、斜め方向の外力により弾性変形に偏りが生じる。すなわち、弾性体突起32の重心Gは基準点Pからずれてすべり方向(X方向及びY方向)に移動する。すると、弾性体突起32の重心G移動した部分の誘電体40の厚みが相対的に薄くなる。つまり、各容量検出素子(S1〜S4)で異なる値の静電容量が検出される。具体的には、弾性体突起32の重心Gと重なる位置の容量検出素子では相対的に大きい静電容量が検出され、弾性体突起32の重心Gと重ならない位置の容量検出素子では相対的に小さい静電容量が検出されることとなる。そして、後述する差分の演算方法に基づいて外力が加えられた方向と大きさとが求められる。
図9は、第1実施形態に係るセンシング領域の座標系を示す図である。図10は、第1実施形態に係る垂直方向の外力による圧力分布を示す図である。図11は、第1実施形態に係る外力によるすべり方向の計算例を示す図である。
図9に示すように、複数の容量検出素子S1〜S4は、単位検出領域S当たり縦2行横2列に計4つ配置されている。ここで、各容量検出素子(S1〜S4)が検出する静電容量値(検出値)をそれぞれPs1,Ps2,Ps3,Ps4とすると、外力のX方向成分Fx(外力の面内方向成分のうちX方向に作用する分力の割合)は以下の式(2)で表される。
Figure 2013096846
また、外力のY方向成分Fy(外力の面内方向成分のうちY方向に作用する分力の割合)は以下の式(3)で表される。
Figure 2013096846
また、外力のZ方向成分Fz(外力の垂直方向成分)は以下の式(4)で表される。
Figure 2013096846
本実施形態では、外力によって弾性体突起32が弾性変形することにより複数(4つ)の容量検出素子S1〜S4で検出された静電容量値のうち任意に組み合わされた各容量検出素子S1〜S4の静電容量値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向が演算される。
式(2)に示すように、外力のX方向成分Fxにおいては、4つの容量検出素子S1〜S4で検出された静電容量のうち+X方向に配置された容量検出素子S2及びS4で検出された値が組み合わせられるとともに、−X方向に配置された容量検出素子S1及びS3で検出された値が組み合わされる。このように、+X方向に配置された容量検出素子S2及びS4の組み合わせによる静電容量値と−X方向に配置された圧力センサーS1及びS3の組み合わせによる静電容量値との差分に基づいて外力のX方向成分が求められる。
式(3)に示すように、外力のY方向成分Fyにおいては、4つの容量検出素子S1〜S4で検出された静電容量値のうち+Y方向に配置された容量検出素子S1及びS2で検出された値が組み合わされるとともに、−Y方向に配置された容量検出素子S3及びS4で検出された値が組み合わされる。このように、+Y方向に配置された容量検出素子S1及びS2の組み合わせによる静電容量値と−Y方向に配置された容量検出素子S3及びS4の組み合わせによる静電容量値との差分に基づいて外力のY方向成分が求められる。
式(4)に示すように、外力のZ方向成分Fzにおいては、4つの容量検出素子S1〜S4の静電容量値を足し合わせた合力で求められる。ただし、外力のZ方向成分Fzは、外力のX方向成分Fx(分力)及び外力のY方向成分Fy(分力)に比べて静電容量(検出値)が大きく検出される傾向がある。例えば、弾性体突起32の材質として硬いものを用いたり、頂部の形状を先鋭にしたりすると、外力のZ方向成分Fzの検出感度が高くなる。しかしながら、弾性体突起32の材質として硬いものを用いると弾性体突起32が変形しにくくなり外力の面内方向の静電容量(検出値)が小さくなってしまう。また、弾性体突起32の頂部の形状を先鋭にすると接触面を指で触ったときのタッチ感に強い感度(違和感)を与える場合がある。このため、外力のZ方向成分Fzの検出値を、外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyの検出値と揃えるには、弾性体突起32の材質や形状によって決定される補正係数で検出値を適宜補正する必要がある。
図10に示すように、タッチパッド(検出装置1)の検出面(第3基板30)の中央部より左上寄りの位置を指で斜めに押した場合を考える。このとき、外力の垂直方向の圧力は、外力が作用した部分の中心部が最も大きくなっている(容量検出素子S1〜S4の出力電圧90〜120mV程度)。また、外力の垂直方向の圧力は、中心部に次いでその周辺部(60〜90mV程度)、最外周部(30〜60mV程度)の順に小さくなっている。また、指で押されていない領域は、容量検出素子S1〜S4の出力電圧が0〜30mV程度となっている。なお、タッチパッドには単位検出領域S(容量検出素子S1〜S4が縦2行横2列に計4つ配置された領域)がマトリックス状(例えば縦15行×横15列に計225個)に配置されているとする。
図11に示すように、タッチパッドの検出面(第3基板30)の中央部より左上寄りの位置を指で斜めに押した場合の外力の面内方向成分(すべり方向)の算出方法を説明する。このとき、指の押圧力(外力)は、縦15行×横15列に配置されたものうち縦3行×横3列に配置された部分に作用しているとする。ここで、外力の垂直方向の圧力は、図10に示す様に外力が作用した部分の中心部がもっとも大きくなっている(110mV)。
縦3行×横3列に配置された各単位検出領域は、それぞれ4つの容量検出素子S1〜S4を有しており、各容量検出素子(S1〜S4)で検出された静電容量値のうち任意に組み合わされた各容量検出装置の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向が演算される。つまり、各単位検出領域では、上述した式(2)及び式(3)に基づいて外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyが算出される。ここでは、+X方向を基準として左周りに約123°の方向に外力が作用していることが分かる。なお、外力の作用する方向の算出にあっては、9つの算出結果の平均値で求める方法、あるいは9つの算出結果のうちの最大値(例えば所定のしきい値よりも大きい検出値)により求める方法を用いることができる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の検出装置1によれば、弾性体突起32と誘電体40との2段構成により、特許文献1や特許文献2の検出装置に比べて、外力の方向の検出精度を高めることができる。第3基板30の表面に外力が加えられると、弾性体突起32は外力に応じてある程度の厚みまで圧縮変形する。加えられる外力が大きくなると、弾性体突起32はこれ以上変形しない臨界点に到達する。弾性体突起32に臨界点を越えた外力が作用すると、誘電体40が柔軟に変形する。このため、弾性体突起32が変形しうる臨界点以上の大きさの外力を検出することができる。
また、弾性体突起32は、所定方向の外力により弾性変形に偏りが生じる。すなわち、外力に面内の所定方向のすべり力成分がある場合、弾性体突起32の重心Gは基準点Pからずれて所定方向(すべり方向)移動する。すると、弾性体突起32の重心Gが移動した部分の誘電体40の厚みが相対的に薄くなる。つまり、各容量検出素子S1〜S4で異なる値の静電容量が検出される。具体的には、弾性体突起32の重心Gと重なる位置の容量検出素子S1〜S4では相対的に大きい静電容量が検出され、弾性体突起32の重心Gと重ならない位置の容量検出素子S1〜S4では相対的に小さい静電容量が検出されることとなる。よって、演算装置により、各容量検出素子S1〜S4で検出された静電容量の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と外力の大きさとを求めることができる。従って、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することが可能な検出装置1を提供することができる。
本実施形態の検出装置1によれば、各容量検出素子S1〜S4が弾性体突起32の弾性変形の弾性変形による静電容量値の変化と誘電体40の変形による静電容量値の変化とを別個独立に検出するので、それらを一括して検出する場合に比べて、外力を検出することが容易となる。例えば、弾性体突起32が臨界点に到達するまで誘電体40がほとんど変形しないとすると、その間は弾性体突起32の弾性変形による静電容量値の変化のみを検出すれば外力が加えられた方向と外力の大きさとを求めることができる。従って、各容量検出素子S1〜S4の静電容量値の差分を演算することが容易となり、外力を効率よく検出することができる。
本実施形態の検出装置1によれば、複数の第1容量電極12が基準点Pに対して点対称に配置されているため、弾性体突起32の変形量と、基準点Pと各第1容量電極12との間の距離との関係が互いに等しくなる。このため、各第1容量電極12と第2容量電極22とを含んで構成される各容量検出素子S1〜S4が検出する静電容量値が互いに等しくなる。例えば、複数の第1容量電極が基準点から互いに異なる距離に配置される場合、弾性体突起32の変形量が同じであっても、各容量検出素子S1〜S4が検出する静電容量値は互いに異なることとなる。このため、検出容量の差分を演算する際に各第1容量電極の配置位置に応じた補正係数が必要となる。しかしながら、この構成によれば、弾性体突起32の変形量と各容量検出素子S1〜S4が検出する静電容量値が互いに等しくなるので、前記補正係数は不要となる。従って、各容量検出素子S1〜S4で検出された静電容量値の差分から外力の方向と大きさを演算することが容易となり、外力を効率よく検出することができる。
本実施形態の検出装置1によれば、複数の第1容量電極12が互いに直交する2方向にマトリクス状に配置されているので、各第1容量電極12と第2容量電極22とを含んで構成される各容量検出素子S1〜S4の静電容量値のうち、任意に組み合わされた各容量検出素子S1〜S4の静電容量値の差分から外力の方向と大きさとを演算することが容易となる。例えば、面内方向成分のうちX方向成分を演算する場合、複数の第1容量電極12が複数の方向にランダムに配置されている場合に比べて、相対的に+X方向に配置された容量検出素子S2及びS4の組み合わせと相対的に−X方向に配置された容量検出素子S1及びS3の組み合わせとを区分けして選出しやすくなる。従って、外力を効率よく検出することができる。
本実施形態の検出装置1によれば、第2容量電極22が第2基板20に配置されているため、第1容量電極12及び第2容量電極22が同一の基板に配置される場合に比べて、第1容量電極12と第2容量電極22との間に印加される電界は、誘電体40の厚み方向と平行な方向に作用することとなる。つまり、第1容量電極12と第2容量電極22との間に印加される電界のベクトル成分は、外力が加えられる方向とほぼ同じとなる。従って、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することができる。
本実施形態の検出装置1によれば、複数の弾性体突起32が互いに離間して配置されているので、弾性体突起32が弾性変形したときの第3基板本体31の面内に平行な方向の弾性変形を許容することができる。例えば、一方の弾性体突起32が変形したときに他方の弾性体突起32に変形の影響を及ぼすことを抑制することができる。このため、複数の弾性体突起32が互いに接触して配置されている場合に比べて、外力を正確に誘電体40に伝達することができる。従って、外圧の方向と大きさを高い精度で検出することができる。
本実施形態の検出装置1によれば、弾性体突起32の形状は、円錐台または角錐台を有し、第2基板20と当接する頂部は平面を有しているので、外力の方向と大きさとに関係無く一定の面積を第2基板20に当接させることができる。このことによって、外力が加えられていない時に誘電体40及び各容量検出素子S1〜S4で検出される外力の大きさと、外力が加えられた時に誘電体40及び各容量検出素子で検出される外力の大きさと方向との差分の比較し、演算することを容易にすることができる。従って、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することが可能な検出装置1を提供することができる。
なお、本実施形態においては、第1容量電極12が単位検出領域S当たり縦2行横2列に計4つ配置されている例を挙げて説明したが、これに限らず、第1容量電極12は、単位検出領域S当たり3つ以上配置されていればよい。
(第2実施形態)
図12は、図1に対応した、本発明の第2実施形態に係る検出装置2の概略構成を示す分解斜視図である。図12においては、便宜上、誘電体40(図13参照)の図示を省略している。また、図12において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起32に対して配置された複数の容量検出素子Si(第1容量電極112と第2容量電極22と誘電体40とで構成される素子)が検出する単位検出領域を示している。
本実施形態の検出装置2は、複数の第1容量電極112が単位検出領域S当たり縦4行横4列に配置されている点で、上述の第1実施形態で説明した検出装置1と異なる。図12において、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。なお、図12においては、便宜上、複数の第1容量電極112が単位検出領域S当たり縦4行横4列に配置された記載であるが、実際には図13及び図14に示すように複数の第1容量電極112が単位検出領域S当たり縦4行横4列以上に配置されていてもよいものとする。
図12に示すように、検出装置2は、基準点Pの周りに複数配置された第1容量電極112を有する第1基板110と、第1容量電極112を挟んで第1基板110と対向配置された第2基板20とを備えている。また、第1基板110と第2基板20との間に配置された誘電体40(図13参照)と、基準点Pに重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が第2基板20に当接した状態で弾性変形する弾性体突起32が形成された第3基板30とを備えている。
複数の第1容量電極112は、互いに直交する2方向(X方向及びY方向)に少なくとも縦4行横4列に計16個配置されている。具体的には、複数の第1容量電極112は、単位検出領域S当たり少なくとも縦4行横4列に計16個配置されている。これら16個の第1容量電極112の中心(単位検出領域Sの中心)が基準点Pとなっている。
図13(a)〜(c)は、図7(a)〜(c)に対応した、第2実施形態に係る弾性体突起32の外力による弾性変形を示す断面図である。図14(a)〜(c)は、図13(a)〜(c)に対応した、第2実施形態に係る弾性体突起32の外力による弾性変形を示す平面図である。なお、図13(a)及び図14(a)は第3基板30の表面に外力が加えられる前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図13(b)及び図14(b)は第3基板30の表面に垂直方向の外力が加えられた状態を示している。図13(c)及び図14(c)は第3基板30の表面に斜め方向の外力が加えられた状態を示している。また、図14(a)〜(c)において、符号Gは弾性体突起32の重心を示している。図13及び図14において、図7及び図8と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図13(a)及び図14(a)に示すように、第3基板30の表面に外力が付加される前においては、弾性体突起32は変形しない。これにより、第1容量電極112と第2容量電極22との間の距離は一定に保たれる。このとき、弾性体突起32の重心Gは基準点Pと重なる位置に配置されている。この時の各容量検出素子Siの静電容量値は図示略のメモリー部に記憶されている。メモリー部に記憶された各容量検出素子Siの静電容量値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図13(b)及び図14(b)に示すように、第3基板30の表面に垂直方向の外力が加えられたときには、弾性体突起32は頂部が第2基板20の表面に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1容量電極112と第2容量電極22との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。つまり、このときの容量検出素子S1〜S4の静電容量値は、外力の作用がないときに比べて大きくなっている。
図13(c)及び図14(c)に示すように、第3基板30の表面に斜め方向の外力が付加されたときには、弾性体突起32は頂部が第2基板20の表面に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1容量電極121と第2容量電極22との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。また、第2基板20の撓み量は−X方向成分よりも+X方向成分の方が大きくなる。このとき、弾性体突起32の重心Gは基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。この場合、弾性体突起32の頂部と複数の第1容量電極112との重なる面積の割合は、−X方向及び−Y方向に配置された部分と重なる面積よりも+X方向及び+Y方向に配置された部分と重なる面積の方が重なる面積の割合が大きくなる。
図15は、図9に対応した、第2実施形態に係るセンシング領域の座標系を示す図である。なお、図15において、複数の容量検出素子Si(100個)がマトリクス状に配置されており、このうちの25個の容量検出素子Siがそれぞれ−X方向及び+Y方向に区画された領域、+X方向及び+Y方向に区画された領域、−X方向及び−Y方向に区画された領域、+X方向及び−Y方向に区画された領域に配置されている。また、図15においては、便宜上、100個の容量検出素子Siを図示しているが、容量検出素子Siの配置数はこれに限らず任意に変更することができる。
図15に示すように、複数の容量検出素子Siは、単位検出領域S当たり縦10行横10列に計100個配置されている。ここで、各容量検出素子Siが検出する静電容量値(検出値)をそれぞれPi(i=1〜100)、基準点Pと各第1容量電極112との間の距離の面内方向成分をri(i=1〜100)とする。また、面内方向成分のうちX方向成分をrxi(i=1〜100)、面内方向成分のうちY方向成分をryi(i=1〜100)とすると、外力のX方向成分Fx(外力の面内方向成分のうちX方向に作用する分力の割合)は以下の式(5)で表される。
Figure 2013096846
また、外力のY方向成分Fy(外力の面内方向成分のうちY方向に作用する分力の割合)は以下の式(6)で表される。
Figure 2013096846
また、外力のZ方向成分Fz(外力の垂直方向成分)は以下の式(7)で表される。
Figure 2013096846
本実施形態では、外力によって弾性体突起32(図12〜図14参照)が弾性変形することにより変化する100個の容量検出素子Siの静電容量値のうち任意に組み合わされた各容量検出素子Siの静電容量値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向が演算される。
式(5)に示すように、外力のX方向成分Fxにおいては、100個の容量検出素子Siの静電容量値のうち相対的に+X方向に配置された容量検出素子Siが組み合わされるとともに、相対的に−X方向に配置された容量検出素子Siが組み合わされる。このように、相対的に+X方向に配置された容量検出素子Siの組み合わせによる静電容量値と相対的に−X方向に配置された容量検出素子Siの組み合わせによる静電容量値との差分に基づいて外力のX方向成分が求められる。
式(6)に示すように、外力のY方向成分Fyにおいては、100個の容量検出素子Siの静電容量値のうち相対的に+Y方向に配置された容量検出素子Siが組み合わされるとともに、相対的に−Y方向に配置された容量検出素子Siが組み合わされる。このように、相対的に+Y方向に配置された容量検出素子Siの組み合わせによる静電容量値と相対的に−Y方向に配置された容量検出素子Siの組み合わせによる静電容量値との差分に基づいて外力のY方向成分が求められる。
式(7)に示すように、外力のZ方向成分Fzにおいては、100個の容量検出素子Siの静電容量値を足し合わせた合力で求められる。ただし、外力のZ方向成分Fzは、外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyに比べて検出値が大きく検出される傾向がある。このため、外力のZ方向成分Fzの検出値を、外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyの検出値と揃えるには、弾性体突起32の材質や形状によって決定される補正係数で検出された静電容量(検出値)を適宜補正する必要がある。
なお、外力の作用する方向の算出にあっては、100個の容量検出素子Siによる静電容量値の算出結果の平均値で求める方法、あるいは100個の容量検出素子Siによる静電容量値の算出結果のうちの最大値(例えば所定のしきい値よりも大きい検出値)により求める方法を用いることができる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の検出装置2によれば、複数の第1容量電極112が互いに直交する2方向に少なくとも縦4行横4列に配置されているので、配置される第1容量電極112の数が多くなる。このため、多数の容量検出素子Siで検出される静電容量に基づいて各容量検出素子Siの検出結果を積算して外力の作用する方向と大きさとを求めることができる。従って、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することができる。
(第3実施形態)
図16は、図12に対応した、本発明の第3実施形態に係る検出装置3の概略構成を示す分解斜視図である。なお、図16においては、便宜上、誘電体40(図17参照)の図示を省略している。また、図16において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起32に対応して配置された複数の容量検出素子Si(第1容量電極112と第2容量電極22と誘電体40とで構成される素子)が検出する単位検出領域を示している。本実施形態の検出装置3は、第1基板110と第2基板20の間において少なくとも隣接する弾性体突起32の境界にスペーサー50が配置されている点で、上述の第2実施形態で説明した検出装置2と異なる。図16において、図12と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図16に示すように、検出装置3は、基準点Pの回りに複数配置された第1容量電極112、を有する第1基板110と、第1容量電極112を挟んで第1基板110と対向配置された第2基板20と、第1基板110と第2基板20との間に配置された誘電体40(図13参照)とを備えている。基準点Pに重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が第2基板20に当接した状態で弾性変形する弾性体突起32が形成された第3基板30と、平面視する第1基板本体111と第2基板20との平面視する間において少なくと も隣り合う弾性体突起32相互の間に配置されたスペーサー50とを備えている。
スペーサー50は、円柱形状となっており、隣接する弾性体突起32の境界に配置されている。スペーサー50の配置構成は、前記境界の交差する領域に配置されていてもよいし、前記境界に沿って周回する例えば枠状形状するなど、単位検出領域Sの周囲全体に亘って配置されていてもよい。ここでは、スペーサー50は前記境界の交差する領域に配置されている。つまり、スペーサー50は単位検出領域Sの四隅に配置されている。
図17(a)〜(c)は、図13(a)〜(c)に対応した、第3実施形態に係る容量検出素子Siによる静電容量の変化を示す断面図である。なお、図17(a)は第3基板30の表面に外力が加えられる前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図17(b)は第3基板30の表面に垂直方向の外力が付加された状態を示している。図17(c)は第3基板30の表面に斜め方向の外力が付加された状態を示している。図17において、図13と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図17(a)に示すように、第3基板30の表面に外力が付加される前においては、弾性体突起32はその頂部が第2基板20と当接し、変形はしていない。これにより、第1容量電極112と第2容量電極22との間の距離は一定に保たれる。このときの各容量検出素子Siの静電容量値は図示しないメモリー部に記憶されている。メモリー部に記憶された各容量検出素子Siの静電容量値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図17(b)に示すように、第3基板30の表面に垂直方向の外力が付加されたときには、弾性体突起32は頂部が第2基板20の表面に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1容量電極112と第2容量電極22との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。つまり、このときの容量検出素子Siの静電容量値は、外力の作用がないときに比べて大きくなる。
ところで、弾性体突起32が圧縮変形したときの面積よりも狭い距離でスペーサー50を配置すると、基板(第2基板20)の撓みやすいところと撓みにくいところで(変形の度合い)で検出値のむらが生じやすくなることが知られている。本実施形態では、弾性体突起32が圧縮変形したときの面積よりも広い距離でスペーサー50を配置している。このため、第2基板20の撓みはスペーサー50で囲まれた領域内で生じる。つまり、外力はスペーサー50で区画された単位検出領域S毎に作用することとなる。例えば、指で検出装置3を垂直方向に押した場合、押圧された箇所以外の単位検出領域Sで垂直方向の外力が検出されることを抑制することができる。
図17(c)に示すように、第3基板30の表面に斜め方向の外力が付加されたときには、弾性体突起32は頂部が第2基板20の表面に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1容量電極112と第2容量電極22との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。また、第2基板20の撓み量は−X方向成分よりも+X方向成分の方が大きくなる。このとき、弾性体突起32の重心は基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。
また、第2基板20の撓みはスペーサー50で囲まれた領域内で生じる。つまり、外力はスペーサー50で区画された単位検出領域毎Sに作用することとなる。例えば、指で検出装置3を斜め方向に押した場合、押圧された箇所以外のところで斜め方向の外力が検出されることを抑制することができる。また、第2基板20がスペーサー50で固定されているため、外力が作用したときに第2基板20がつられて移動してしまうことを抑制することもできる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の検出装置3によれば、第1基板110と第2基板20の間に少なくとも隣接する弾性体突起32の境界にスペーサー50が配置されているので、外力はスペーサー50で囲まれた単位検出領域S毎に作用することとなる。このため、スペーサー50で囲まれた単位検出領域Sにおいては、他の単位検出領域Sとの間で相互作用を及ぼし合うことなく、別個独立して外力を検出することができる。したがって、外力の方向と大きさを高い精度で検出することができる。
(第4実施形態)
図18は、図12に対応した、本発明の第4実施形態に係る検出装置4の概略構成を示す分解斜視図である。なお、図18においては、便宜上、誘電体40(図19参照)の図示を省略している。また、図18において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起32に対応して配置された複数の容量検出素子Si(第1容量電極112と第2容量電極22と誘電体40とで構成される素子)が検出する単位検出領域を示している。本実施形態の検出装置4は、第3基板30の表面に第3基板本体31と比べて高い剛性を有する補強部材51が配置されている点で、上述の第2実施形態で説明した検出装置2と異なる。図18において、図12と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図18に示すように、検出装置4は、基準点Pの周りに複数配置された第1容量電極112、を有する第1基板110と、第1容量電極112を挟んで第1基板110と対向配置された第2基板20と、第1基板110と第2基板20との間に配置された誘電体40(図19参照)とを備えている。また、基準点Pに重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が第2基板20に当接した状態で弾性変形する弾性体突起32が形成された第3基板30と、第3基板30の弾性体突起32が配置された面と反対の面に配置された補強部材51とを備えている。
補強部材51は、矩形板状となっており、平面視において第3基板本体31と同じサイズに形成されている。この補強部材51は、第3基板本体31と比べて高い剛性を有している。例えば、第3基板本体31の材質が弾性体突起32の材質と同様に発泡ウレタン樹脂(デュロメータ硬さ30程度)の場合、補強部材51の形成材料としては、エポキシ樹脂を用いたりウレタン樹脂(デュロメータ硬さ60程度)を用いたりすることができる。このため、接触面(補強部材51面)に弾性体突起32の配置間隔よりも小さい対象物(例えば先鋭なスタイラスペン)によって外力が加えられた場合であっても、外力の力と方向とを正確に検出することができる。
図19(a)〜(c)は、図13(a)〜(c)に対応した、第4実施形態に係る弾性体突起32の外力による弾性変形を示す断面図である。なお、図19(a)は第3基板30の表面(補強部材51の表面)に外力が加えられる前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図19(b)は第3基板30の表面に垂直方向の外力が加えられた状態を示している。図19(c)は第3基板30の表面に斜め方向の外力が加えられた状態を示している。図19において、図13と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図19(a)に示すように、第3基板30の表面に外力が加えられる前においては、弾性体突起32は変形しない。これにより、第1容量電極112と第2容量電極22との間の距離は一定に保たれる。このときの各容量検出素子Siの静電容量値は図示略のメモリー部に記憶されている。メモリー部に記憶された各容量検出素子Siの静電容量値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図19(b)に示すように、第3基板30の表面に垂直方向の外力が加えられたときには、弾性体突起32は頂部が第2基板20の表面に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1容量電極112と第2容量電極22との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。つまり、このときの容量検出素子Siの静電容量値は、外力の作用がないときに比べて大きくなる。
また、外力は2つの隣り合う弾性体突起32の間の領域に加えられる場合もある。本実施形態では第3基板30の表面に第3基板本体31よりも高い剛性を有する補強部材51を備えているので、例えば、指で検出装置4を垂直方向に押した場合、2つの隣り合う弾性体突起32は互いに垂直方向に圧縮変形することとなる。このように、補強部材51が無い場合に比べて外力により2つの隣り合う弾性体突起32が互いに外力が加えられた部分を中心に、反対方向へ圧縮変形してしまうことを抑制することができる。
図19(c)に示すように、第3基板30の表面に斜め方向の外力が付加されたときには、弾性体突起32は頂部が第2基板20の表面に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第2基板20が−Z方向に撓み、第1容量電極112と第2容量電極22との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。また、第2基板20の撓み量は−X方向成分よりも+X方向成分の方が大きくなる。このとき、弾性体突起32の重心は基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。
また、外力は2つの隣り合う弾性体突起32の間の領域に加えられる場合もある。本実施形態では第3基板30の表面に第3基板本体31と比べて高い剛性を有する補強部材51を備えているので、例えば、指で検出装置4を斜め方向に押した場合、2つの隣り合う弾性体突起32は互いに斜め方向に圧縮変形することとなる。従って、補強部材51が無い場合に比べて外力により2つの隣り合う弾性体突起32が互いに反対方向に圧縮変形してしまうことを抑制することができる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の検出装置4によれば、第3基板30の弾性体突起32が形成された面と反対の面に第3基板本体31と比べて高い剛性を有する補強部材51が配置されているので、外力の方向を高い精度で検出することができる。例えば、外力が2つの隣り合う弾性体突起32の間の単位検出領域Sに加えられた場合、補強部材51が無いときに比べて2つの隣り合う弾性体突起32が互いに反対の方向に圧縮変形してしまうことを抑制することができる。つまり、外力の加えられた方向と反対の方向を検出するといった誤検出を抑制することができる。したがって、外力の方向と大きさを高い精度で検出することができる。
なお、本実施形態においては、補強部材51が第3基板30の表面に配置されているが、これに限らない。例えば、補強部材51を設けずに、第3基板本体31自体を弾性体突起32よりも高い剛性を有する材質で形成してもよい。これにより、補強部材51を設ける構成に比べて検出装置4の薄型化を図ることができる。
(第5実施形態)
図20は、図1に対応した、本発明の第5実施形態に係る検出装置5の概略構成を示す分解斜視図である。なお、図20においては、便宜上、誘電体40(図21参照)の図示を省略している。また、図20において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起32に対応して配置された容量検出素子S1〜S4(第1容量電極212と第2容量電極222と誘電体40とで構成される素子)が検出する単位検出領域Sを示している。本実施形態の検出装置5は、第2容量電極222が第1基板210(第1基板本体211)の基準点Pと重なる位置に配置されている点で、上述の第1実施形態で説明した検出装置1と異なる。図20において、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図20に示すように、検出装置5は、基準点Pの回りに複数配置された第1容量電極212及び基準点Pと重なる位置に配置された第2容量電極222を有する第1基板210と、第1容量電極212を挟んで第1基板210と対向配置された第2基板120とを備えている。また、第1基板210と第2基板120との間に配置された誘電体40(図21参照)と、基準点Pに重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が第2基板120に当接した状態で弾性変形する弾性体突起32が形成された第3基板30とを備えている。
なお、本実施形態では、第1基板210に第1容量電極212及び第2容量電極222が配置されている。つまり、第1容量電極212と第2容量電極222との間の誘電体40に横方向(XY方向)の電界を印加させる横電界方式を採用している。
また、第2基板120は一枚板であり、縦電界方式を採用した第1実施形態の構成のように電極(第2容量電極22)が形成されていない。例えば、第2基板120の形成材料としてプラスチック等の樹脂材料を用いて電極を蒸着やスパッタ等の方法で形成すると、製造プロセス中の加熱工程において第2基板120に反り等が生じる場合がある。しかしながら、本実施形態の構成によれば第2基板120に電極を形成する必要がないので、製造工程中において第2基板120に反り等が生じることを抑制することができる。
また、第2容量電極222は、複数の第1容量電極212と等間隔に配置されている。具体的には、複数の第1容量電極212は、単位検出領域S当たり縦2行横2列に計4つ配置されている。これら4つの第1容量電極212の中心(単位検出領域Sの中心)が基準点Pとなっており、この基準点Pに第2容量電極222が配置されている。
図21(a)〜(c)は、図7(a)〜(c)に対応した、第5実施形態に係る弾性体突起32の外力による弾性変形を示す断面図である。図22(a)〜(c)は、図21(a)〜(c)に対応した、第5実施形態に係る弾性体突起32の外力による弾性変形を示す平面図である。なお、図21(a)及び図22(a)は第3基板30の表面に外力が加えられる前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図21(b)及び図22(b)は第3基板30の表面に垂直方向の外力が加えられた状態を示している。図21(c)及び図22(c)は第3基板30の表面に斜め方向の外力が加えられた状態を示している。また、図22(a)〜(c)において、符号Gは弾性体突起32の重心Gを示している。図21及び図22において、図7及び図8と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。なお、第1容量電極212と第2容量電極222との間の距離は外力が加えられている過程において一定に保たれる。
図21(a)及び図22(a)に示すように、第3基板30の表面に外力が加えられる前においては、弾性体突起32の頂部が第2基板120に当接し弾性変形していない。このとき、弾性体突起32の重心Gは基準点Pと重なる位置に配置されている。また、弾性体突起32の頂部は第2容量電極222に重なっている。具体的には、弾性体突起32の頂部は第2容量電極222と重なった状態で平面視円形となっている。なお、このときの容量検出素子S1〜S4が検出する静電容量値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図21(b)及び図22(b)に示すように、第3基板30の表面に垂直方向の外力が加えられた時には、弾性体突起32は頂部が第2基板120の表面に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第2基板120が−Z方向に撓み、第1基板210と第2基板120との間の距離(誘電体40の厚み)が外力の作用がないときに比べて小さくなる。つまり、このときの容量検出素子S1〜S4の静電容量値は、外力の作用がないときに比べて大きくなっている。また、弾性体突起32の頂部は外力の作用がないときよりも大きいサイズの平面視円形となっている。
図21(c)及び図22(c)に示すように、第3基板30の表面に斜め方向の外力が加えられた時には、弾性体突起32は頂部が第2基板120の表面に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第2基板120が−Z方向に撓み、第1基板210と第2基板120との間の距離(誘電体40の厚み)が外力の作用がないときに比べて小さくなる。また、第2基板120の撓み量は−X方向成分よりも+X方向成分の方が大きくなる。このとき、弾性体突起32の重心Gは基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。この弾性体突起32の重心Gのずれ(変位量)から外力の面内方向成分(上述したFx及びFy)を算出することができる。また、弾性体突起32の頂部は平面視楕円形となっている。具体的には、弾性体突起32の頂部と複数の第1容量電極212との重なる面積は、−X方向及び−Y方向に配置された部分よりも+X方向及び+Y方向に配置された部分の方が重なる割合が大きくなっている。
図23は、図9に対応した、第5実施形態に係るセンシング領域の座標系を示す図である。図23に示すように、容量検出素子S1〜S4は、単位検出領域S当たり縦2行横2列に計4つ配置されている。
ここで、各容量検出素子S1〜S4が検出する静電容量値(検出値)をそれぞれPS1〜PS4とすると、外力のX方向成分Fx(外力の面内方向成分のうちX方向に作用する分力の割合)は上述した式(2)で表される。また、外力のY方向成分Fy(外力の面内方向成分のうちY方向に作用する分力の割合)は上述した式(3)で表される。また、外力のZ方向成分Fz(外力の垂直方向成分)は上述した式(4)で表される。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、外力によって弾性体突起32が弾性変形することにより変化する4つの容量検出素子S1〜S4の静電容量値のうち任意に組み合わされた各容量検出素子の静電容量値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と大きさが演算される。
式(2)に示すように、外力のX方向成分Fxにおいては、4つの容量検出素子S1〜S4の静電容量値のうち+X方向に配置された容量検出素子S2及びS4が組み合わされるとともに、−X方向に配置された容量検出素子S1及びS3が組み合わされる。このように、+X方向に配置された容量検出素子S2及びS4の組み合わせによる静電容量値と−X方向に配置された容量検出素子S1及びS3の組み合わせによる静電容量値との差分に基づいて外力のX方向成分が求められる。
式(3)に示すように、外力のY方向成分Fyにおいては、4つの容量検出素子S1〜S4の静電容量値のうち+Y方向に配置された容量検出素子S1及びS2が組み合わされるとともに、−Y方向に配置された容量検出素子S3及びS4が組み合わされる。このように、+Y方向に配置された容量検出素子S1及びS2の組み合わせによる静電容量値と−Y方向に配置された容量検出素子S3及びS4の組み合わせによる静電容量値との差分に基づいて外力のY方向成分が求められる。
式(4)に示すように外力のZ方向成分Fzにおいては、4つの容量検出素子S1〜S4の静電容量値を足し合わせた合力で求められる。外力のZ方向成分Fzの検出値を、外力のX方向成分Fx及び外力のY方向成分Fyの検出値と揃えるには、弾性体突起32の材質や形状によって決定される補正係数で検出値を適宜補正する必要がある。
本実施形態の検出装置5によれば、第1容量電極212及び第2容量電極222を第1基板210に配置しているため、第1容量電極212及び第2容量電極222を同一の工程で形成することが可能となる。従って、製造工程を簡略化することができ、製造効率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。また、製造工程中の加熱工程において第2基板120に反り等が生じることを抑制することができるため、外力の検出精度を向上させることができる。また、弾性体突起32の変形の過程において電極間の距離を一定に保つことができるので、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することができる。
(第6実施形態)
図24は、図1に対応した、本発明の第6実施形態に係る検出装置6の概略構成を示す分解斜視図である。図24においては、便宜上、誘電体40(図25参照)の図示を省略している。図24において、符号Pは基準点、符号Sは1つの弾性体突起32に対応して配置された複数の容量検出素子S1〜S4(第1容量電極12と第2容量電極22と誘電体40とで構成される素子)が検出する単位検出領域Sを示している。
本実施形態の検出装置6は、第2基板20の第2容量電極22が配置された反対側の面に、弾性体突起32と比べて柔軟性を有する第4基板52が配置されている点で、上述の第1実施形態で説明した検出装置1と異なる。図24において、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図24に示すように、検出装置6は、基準点Pの周りに複数配置された第1容量電極12を有する第1基板10と、第1容量電極12を挟んで第1基板10と対向配置された第2基板20と、第1基板10と第2基板20との間に配置された誘電体40(図25参照)と、第1基板10に対向する第2基板20面に第2容量電極22が配置されている。また、第2基板20の第2容量電極22が配置された反対側の面に第4基板52が配置されている。さらに、第2基板20の基準点Pに重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が第4基板52に当接した状態で弾性変形する弾性体突起32が形成された第3基板30と、を備えている。
検出装置6は第1実施形態と同様に、外力によって弾性体突起32が弾性変形することにより複数の容量検出素子S1〜S4の静電容量値のうち、任意に組み合わされた各容量検出素子S1〜S4の静電容量値の差分を演算し、その差分に基づいて外力が加えられた方向と外力の大きさを演算する図示しない演算装置を備えている。
容量検出素子S1〜S4は、弾性体突起32の弾性変形による静電容量値の変化と、誘電体40の変形による静電容量値の変化とを分けて検出することが可能になっている。
なお、本実施形態では第1実施形態と同様に、第1基板10に第1容量電極12が配置され、第2基板20に第2容量電極22が配置されている。つまり、第1容量電極12と第2容量電極22との間の誘電体40に縦方向(Z方向)の電界を印加させる縦電界方式を採用している。
第4基板52は、矩形板状となっており、平面視において第1基板本体11と略同じ大きさに形成されている。この第4基板52は、弾性体突起32と比べて柔軟性を有している。例えば、弾性体突起32の形成材料がシリコーン樹脂(デュロメーター硬さ50程度)の場合、第4基板52は、弾性体突起32と同様にシリコーン樹脂(デュロメーター硬さ30程度)を用いて形成する。このことで、第4基板52が変形(陥没)することで滑ることなく弾性変形する弾性体突起32の頂部が第4基板52に密接し、第3基板30の表面に加えられた外力を誘電体40に伝えることができる。
図25(a)〜(c)は、図7(a)〜(c)に対応した、第6実施形態に係る外力による弾性体突起32の弾性変形を示す断面図である。なお、図25(a)は第3基板30の表面に外力が加えられる前の状態(外力の作用がないとき)を示している。図25(b)は第3基板30の表面に垂直方向の外力が加えられた状態を示している。図25(c)は第3基板30の表面に斜め方向の外力が加えられた状態を示している。図25において、図7と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図25(a)に示すように、第3基板30の表面に外力が加えられる前においては、弾性体突起32は頂部が第4基板52に当接し、変形しない。これにより、第1容量電極12と第2容量電極22(第2基板20)との間の距離は一定に保たれる。このとき、弾性体突起32の重心は基準点Pと重なる位置に配置されている。この時の各容量検出素子S1〜S4の静電容量値は図示しないメモリー部に記憶されている。メモリー部に記憶された各容量検出素子S1〜S4の静電容量値を基準として外力の作用する方向や大きさが求められる。
図25(b)に示すように、第3基板30の表面に垂直方向の外力が加えられたときには、弾性体突起32は頂部が第4基板52の表面に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第2基板20及び第4基板52が−Z方向に撓み、第1容量電極12と第2容量電極22との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。このときの容量検出素子S1〜S4の静電容量値は、外力の作用がないときに比べて大きくなる。
弾性体突起32は、外力の大きさに応じて圧縮変形する。外力が大きくなると、弾性体突起32はこれ以上変形しない臨界点に到達する。弾性体突起32に臨界点を越えた外力が作用すると、誘電体40がZ方向に柔軟に変形する。このため、弾性体突起32が変形しうる臨界点以上の大きさの外力を検出することができる。
図25(c)に示すように、第3基板30の表面に斜め方向の外力が加えられたときには、弾性体突起32は頂部が第4基板52の表面に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第2基板20および第4基板52が−Z方向に撓み、第1容量電極12と第2容量電極22との間の距離が外力の作用がないときに比べて小さくなる。このとき、弾性体突起32の重心は基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。この場合、弾性体突起32の頂部と4つの第1容量電極12との重なる面積は互いに異なる。具体的には、弾性体突起32の頂部と4つの第1容量電極との重なる面積は、4つの第1容量電極12のうち−X方向及び−Y方向に配置された部分と重なる面積よりも+X方向及び+Y方向に配置された部分と重なる面積の方が大きくなる。
弾性体突起32は、外力の大きさに応じて斜めに圧縮変形し、外力が大きくなるとこれ以上変形しない臨界点に到達する。また、弾性体突起32は、斜め方向の外力により弾性変形に偏りが生じる。すなわち、弾性体突起32の重心は基準点Pからずれてすべり方向(X方向及びY方向)に移動する。すると、弾性体突起32の重心が移動した部分の誘電体40の厚みが相対的に薄くなる。つまり、各容量検出素子S1〜S4で異なる値の静電容量が検出される。具体的には、弾性体突起32の重心と重なる位置の容量検出素子S1〜S4では相対的に大きい静電容量が検出され、弾性体突起32の重心と重ならない位置の容量検出素子S1〜S4では相対的に小さい静電容量が検出されることとなる。そして、第1実施形態で前述した差分の演算方法に基づいて外力が加えられた方向と大きさとが求められる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の検出装置6によれば、弾性体突起32の頂部と第2基板20との間に弾性体突起32と比べて柔軟性を有する第4基板52が配置されているため、弾性体突起32が配置されている第3基板30へ加えられた外力の方向を高い精度で検出することができる。例えば、第3基板30の表面に斜め方向の外力が加えられたときには、弾性体突起32の頂部が第4基板52に変形(陥没)する様に当接し、弾性体突起32の中心が単位検出領域Sの基準点Pから滑って(ずれて)しまうことを抑制することができる。つまり、弾性体突起32の頂部が単位検出領域Sの基準点Pから外力の加えられた方向に滑って(ずれて)外力の加えられた方向を誤検出することを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、第4基板52は独立して形成し配置されているが、弾性体突起32と一体形成してもよい。これにより第3基板30に加えられた外力によって弾性変形する弾性体突起32の頂部が単位検出領域Sからずれることをさらに抑制することができる。
(電子機器)
図26は、上述した各実施形態に係る検出装置1〜6のいずれかを適用した携帯電話機1000の概略構成を示す模式図である。携帯電話機1000は、複数の操作ボタン1003及びスクロールボタン1002、並びに表示部としての検出装置1〜6のいずれかを適用した液晶パネル1001を備えている。スクロールボタン1002を操作することによって、液晶パネル1001に表示される画面がスクロールされる。液晶パネル1001にはメニューボタン(図示省略)が表示される。例えば、メニューボタンを指で触れると電話帳が表示されたり、携帯電話機の電話番号が表示されたりする。
図27は、上述した各実施形態に係る検出装置1〜6のいずれかを適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)2000の概略構成を示す模式図である。携帯情報端末2000は、複数の操作ボタン2002及び電源スイッチ2003、並びに表示部としての検出装置1〜6のいずれかを適用した液晶パネル2001を備えている。電源スイッチ2003を操作すると、液晶パネル2001にはメニューボタンが表示される。例えば、メニューボタン(図示省略)を指で触れると住所録が表示されたり、スケジュール帳が表示されたりする。
このような電子機器によれば、上述した検出装置1〜6のいずれかを備えているため、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することが可能な電子機器を提供することができる。
なお、電子機器としては、この他にも、例えばパーソナルコンピューター、ビデオカメラのモニター、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、デジタルスチールカメラ、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。これらの電子機器に対しても、上述の各実施形態に係る検出装置を適用させることができる。
(ロボット)
図28は、上記各実施形態に係る検出装置1〜6のいずれかを適用したロボットハンド3000の概略構成を示す模式図である。図28(a)に示すように、ロボットハンド3000は、本体部3003及び一対のアーム部3002、並びに検出装置1〜6のいずれかを適用した把持部3001を備えている。例えば、リモコン等の制御装置によりアーム部3002に駆動信号を送信すると、一対のアーム部3002が開閉動作する。
図28(b)に示すように、ロボットハンド3000でコップ等の対象物3010を把持する場合を考える。このとき、対象物3010に作用する力は把持部3001で圧力として検出される。ロボットハンド3000は、把持部3001として上述した検出装置1〜6のいずれかを備えているので、対象物3010の表面(接触面)に垂直な方向の力と併せて重力Mgですべる方向の力(すべり力の成分)を検出することが可能である。例えば、柔らかい物体を変形させたりすべりやすい物体を落としたりしないよう、対象物3010の質感に応じて力を加減しながら持つことができる。
このロボットによれば、上述した検出装置1〜6のいずれかを備えているので、外力の方向と大きさとを高い精度で検出することが可能なロボットを提供することができる。
1〜6…検出装置、10,110,210…第1基板、11,111…第1基板本体、12,112,212…第1容量電極、20,120…第2基板、21,211…第2基板本体、22,222…第2容量電極、30…第3基板、31…第3基板本体、32,132…弾性体突起、40…誘電体、50…スペーサー、51…補強部材、52…第4基板、60…センシング回路、61…リセットトランジスタ、62…増幅トランジスタ、63…選択トランジスタ、70…電源線、72…第1制御線、74…検出線、76…第2制御線、S1〜S4…容量検出素子、S…単位検出領域、1000…携帯電話機、1001…液晶パネル、1002…スクロールボタン、1002…及びスクロールボタン、1003…複数の操作ボタン、2000…携帯情報端末、2001…液晶パネル、2002…複数の操作ボタン、2003…電源スイッチ、3000…ロボットハンド、3001…把持部、3002…アーム部、3003…本体部、3010…対象物。

Claims (14)

  1. 基準点に加えられた外力の方向を検出する検出装置であって、
    前記基準点の周りに複数配置された第1容量電極を有する第1基板と、
    前記第1容量電極を挟んで前記第1基板と対向配置された第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に配置された、弾性体若しくは流体からなる誘電体と、
    前記第1基板と前記第2基板との間において前記誘電体を挟んで前記第1容量電極と対向配置された第2容量電極と、
    前記基準点と重なる位置に重心が位置するとともに外力によって頂部が前記第2基板に当接した状態で弾性変形する弾性体突起が形成された第3基板とを備え、
    前記弾性体突起の形状は、円錐台または角錐台であることを特徴とする検出装置。
  2. 請求項1に記載の検出装置であって、
    前記外力によって前記弾性体突起が弾性変形することにより前記第1容量電極と前記第2容量電極と前記誘電体とで構成される複数の容量検出素子で検出され変化する静電容量値のうち、任意に組み合わせられた前記容量検出素子の静電容量の差分を演算し、当該差分に基づいて前記外力の方向を演算する演算装置を備えること、を特徴とする検出装置。
  3. 請求項2に記載の検出装置であって、
    前記容量検出素子は、前記弾性体突起の弾性変形による静電容量値の変化と、前記誘電体の変形による静電容量値の変化とを別個独立して検出可能であること、を特徴とする検出装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の検出装置であって、
    複数の前記第1容量電極は、前記基準点に対して点対称に配置されていること、を特徴とする検出装置。
  5. 請求項4に記載の検出装置であって、
    前記複数の第1容量電極は互いに直交する2方向にマトリックス状に配置されていること、特徴とする検出装置。
  6. 請求項5に記載の検出装置であって、
    前記第2容量電極は、前記第2基板に配置されていること、を特徴とする検出装置。
  7. 請求項5に記載の検出装置であって、
    前記第2容量電極は、前記第1基板の前記基準点と重なる位置に配置されていること、を特徴とする検出装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の検出装置であって、
    複数の前記第1容量電極は互いに直交する2方向に少なくとも4行4列に配置されていることを特徴とする検出装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の検出装置であって、
    前記弾性体突起は複数形成されており、前記弾性体突起は互いに離間して配置されていることを特徴とする検出装置。
  10. 請求項9に記載の検出装置であって、
    前記第1基板と前記第2基板との平面視における間には少なくとも隣り合う前記弾性体突起相互の間に前記第1基板と前記第2基板との間の距離を一定に保つスペーサーが配置されていることを特徴とする検出装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載の検出装置であって、
    前記第3基板の前記弾性体突起が形成された側と反対の側に前記第3基板よりも高い剛性を有する補強部材が配置されていること、を特徴とする検出装置。
  12. 請求項1から請求項11に記載の検出装置であって、
    前記第3基板に配置された前記弾性体突起の頂部と、前記第1基板の前記容量検出素子が配置された側との間に前記弾性体突起と比べて柔軟性を有する第4基板が配置されていることを特徴とする検出装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の検出装置を備えることを特徴とする電子機器。
  14. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の検出装置を備えることを特徴とするロボット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104535227A (zh) * 2014-12-22 2015-04-22 浙江大学 压入式介电高弹体压力传感器
CN104764481A (zh) * 2015-04-08 2015-07-08 合肥工业大学 一种全柔性电容-电阻双模式接近觉传感器
KR101726516B1 (ko) * 2015-09-24 2017-04-27 고려대학교 산학협력단 촉각 센서

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