JP2013108503A - 燃料圧力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各種センサからエンジン運転状態としての負荷,回転速度,水温及び実燃圧(検出燃圧)を読み込み(S1)、負荷,回転速度及び水温に応じた目標燃圧を演算すると共に(S2)、燃料供給配管における燃圧を目標燃圧とするためのフィードフォワード操作量を演算する(S3)。また、目標燃圧に対して燃料ポンプを所定の特性で応答させるための規範燃圧を演算し(S4)、規範燃圧と検出燃圧との偏差をなくすフィードバック操作量を演算する(S5,6)。そして、検出燃圧及び回転速度に応じた平滑化係数を演算し(S7)、この平滑化係数を利用してフィードバック操作量を平滑化する(S8)。その後、フィードフォワード操作量と平滑化されたフィードバック操作量から燃料ポンプの操作量を演算し(S9)、この操作量に応じて燃料ポンプを制御する(S10)。
【選択図】図5
Description
そこで、本発明は、従来技術の問題点に鑑み、過渡期の制御性能を改善した燃料圧力制御装置を提供することを目的とする。
図1は、本実施形態を組み込んだ燃料供給システムの一例を示す。
燃料タンク10は、エンジン(内燃機関)12に供給されるガソリンなどの燃料を貯蔵するタンクであって、例えば、車両の後部座席の下などに配置される。燃料タンク10には、着脱可能な給油キャップ14により閉塞される給油口10Aが形成されており、給油キャップ14を取り外して給油口10Aから燃料が補給される。
燃料パイプ18の他端は、燃料ギャラリーパイプ20に接続されている。燃料パイプ18には、燃料ポンプ16から燃料ギャラリーパイプ20へと向かう燃料の流れを通過させる一方、燃料ギャラリーパイプ20から燃料ポンプ16へと向かう燃料の流れ(逆流)を阻止する逆止弁22が配設されている。燃料ギャラリーパイプ20には、その延設方向に沿って気筒数(図示する燃料供給システムでは4気筒)と同数の噴射弁接続部20Aが形成されており、各噴射弁接続部20Aに燃料噴射弁24の燃料取入口が接続されている。
ここで、燃料パイプ18及び燃料ギャラリーパイプ20は、燃料ポンプ16から燃料噴射弁24に燃料を供給する燃料供給配管の一例として挙げられる。
また、電子制御ユニット26は、負荷センサ28,回転速度センサ30,水温センサ32,空燃比センサ34及び燃圧センサ36からの各出力信号に基づいて、目標空燃比の混合気を形成する燃料に見合った噴射パルス幅を演算する。そして、電子制御ユニット26は、各燃料噴射弁24に対して個別に、噴射パルス幅に相当する開弁制御パルスを適宜出力することで、燃料噴射弁24による燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御する。このとき、電子制御ユニット26は、燃圧センサ36の検出燃圧において要求燃料量が噴射されるように、噴射パルス幅(噴射時間)を演算する。
電子制御ユニット26は、燃圧センサ36の検出燃圧を平滑化する代わりに、目標燃圧と検出燃圧との偏差に応じたフィードバック操作量を平滑化する。そして、電子制御ユニット26は、平滑化されたフィードバック操作量に基づいて、燃料ポンプ16の駆動をフィードバック制御する。
電子制御ユニット26は、ROM(Read Only Memory)などのフラッシュメモリに記録された制御プログラムを実行することで、図2に示すように、目標燃圧演算部A,フィードフォワード操作量演算部B,規範燃圧演算部C,偏差演算部D,フィードバック操作量演算部E,平滑化係数演算部F,平滑化部G,操作量演算部H及びポンプ制御部Iを夫々具現化する。
目標燃圧演算部Aは、エンジン運転状態としての負荷,回転速度及び水温などに基づいて、目標燃圧を演算する。
規範燃圧演算部Cは、目標燃圧に対してデジタルフィルタを適用することで、燃料ポンプ16を所定の特性で応答させるための規範燃圧を演算する。規範燃圧を演算する理由としては、規範燃圧によって燃圧速度変化を規定することが可能となり、燃圧変化による空燃比の変化が抑制されることから、排気エミッションの低下を抑制することができるためである。
フィードバック操作量演算部Eは、偏差に対して、図3に示すようなPI制御を施すことで、その偏差がなくなるようにするためのフィードバック操作量を演算する。ここで、図3において、「PG」は比例ゲイン、「z-1」は1サンプル時前の偏差、「ST」は制御周期、「IG」は積分ゲインを示す。
操作量演算部Hは、フィードフォワード操作量及び平滑化操作量に基づいて、燃料ポンプ16を制御するための操作量を演算する。具体的には、操作量演算部Hは、フィードフォワード操作量と平滑化操作量とを加算し、その加算値を操作量とする。
ここで、フィードバック操作量を平滑化するデジタルフィルタの平滑化係数及びその演算方法の一例について説明する。
平滑化係数である分母係数及び分子係数は、前述したように、検出燃圧(実燃圧)又は回転速度(噴射間隔)に応じて、次のように演算される。
[実燃圧に応じた平滑化係数]
実燃圧が所定圧力以上の高圧領域では、燃圧の脈動振幅が大きく、かつ、その後の燃圧変化が降圧である可能性が高いため、フィルタのゲイン特性を強めることで、過大な操作量によるフィードバック制御が行われることを抑制する。一方、実燃圧が所定圧力未満の低圧領域では、燃圧の脈動振幅が小さく、かつ、その後の燃圧変化が昇圧である可能性が高いため、フィルタのゲイン特性を弱めることで、過渡期の制御性能を改善する。要するに、実燃圧が高くなるほど、フィルタのゲイン特性を強くする。
(1)フィルタを有効又は無効に切り換える
実燃圧が高圧領域にあるときには、デジタルフィルタが有効になるように、その分母係数a1及びa2、並びに、分子係数b1及びb2に所定値を夫々設定する。一方、実燃圧が低圧領域にあるときには、デジタルフィルタが無効になるように、その分母係数a1及びa2、並びに、分子係数b1及びb2に0(ゼロ)を夫々設定する。
(2)フィルタの次数を変化させる
実燃圧が高圧領域にあるときには、デジタルフィルタの次数が2次になるように、その分母係数a1及びa2、並びに、分子係数b1及びb2に所定値を夫々設定する。一方、実燃圧が低圧領域にあるときには、デジタルフィルタの次数が1次になるように、その分母係数a1及びa2、並びに、分子係数b2に0(ゼロ)を夫々設定する。
(3)フィルタの減衰係数を変化させる
実燃圧が高圧領域にあるときには、デジタルフィルタの減衰係数が大きくなるように、その分母係数a1及びa2、並びに、分子係数b1及びb2に所定値を夫々設定する。一方、実燃圧が低圧領域にあるときには、デジタルフィルタの減衰係数が小さくなるように、その分母係数a1及びa2、並びに、分子係数b1及びb2に所定値を夫々設定する。
[噴射間隔に応じた平滑化係数]
噴射間隔が所定間隔より短いときには、燃圧の脈動周波数が大きいため、フィルタのカットオフ周波数特性を高くすることで、過大なフィードバック制御が行われることを抑制する。一方、噴射間隔が所定間隔より長いときには、燃圧の脈動周波数が小さいため、フィルタのカットオフ周波数特性を低くすることで、過渡期の制御性能を改善する。要するに、噴射間隔が短くなるほど、フィルタのカットオフ周波数特性を高くする。
ステップ3では、フィードフォワード演算部Bが、目標燃圧に対して、例えば、所定特性を有するデジタルフィルタを適用することで、燃料ギャラリーパイプ20における燃圧を目標燃圧とするためのフィードフォワード操作量を演算する。
ステップ5では、偏差演算部Dが、規範燃圧から検出燃圧を減算することで、規範燃圧と検出燃圧との偏差を演算する。
ステップ7では、平滑化係数演算部Fが、前述した方法で、検出燃圧又は回転速度(噴射間隔)に基づいて、フィルタのゲイン特性又はカットオフ周波数特性を変化させるための平滑化係数、要するに、デジタルフィルタの分母係数及び分子係数を演算する。
ステップ9では、操作量演算部Hが、フィードフォーワード操作量と平滑化操作量とを加算した、燃料ポンプ16の操作量を演算する。
ステップ10では、ポンプ制御部Iが、燃料ポンプ16の操作量に基づいて、燃料ポンプ16を制御する。
ここで、前記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
この発明によれば、フィルタを有効又は無効に切り換えることで、フィルタのゲイン特性を変化させることができる。
(ロ)前記平滑化手段は、前記フィルタの次数を変化させることで、前記フィルタのゲイン特性を変化させることを特徴とする請求項2に記載の燃料圧力制御装置。
この発明によれば、フィルタの次数を変化させることで、フィルタのゲイン特性を変化させることができる。
(ハ)前記平滑化手段は、前記フィルタの減衰係数を変化させることで、前記フィルタのゲイン特性を変化させることを特徴とする請求項2に記載の燃料圧力制御装置。
この発明によれば、フィルタの減衰係数を変化させることで、フィルタのゲイン特性を変化させることができる。
(ニ)前記目標燃料圧力に対して、前記燃料ポンプを所定の特性で応答させるための規範燃料圧力を演算する規範燃料圧力演算手段を更に有し、前記操作量演算手段は、前記燃料配管における実際の燃料圧力が前記規範燃料圧力に近づくようにするフィードバック操作量を演算することを特徴とする請求項1〜請求項3、(イ)〜(ハ)のいずれか1つに記載の燃料圧力制御装置。
16 燃料ポンプ
18 燃料パイプ
20 燃料ギャラリーパイプ
24 燃料噴射弁
26 電子制御ユニット
30 回転速度センサ
36 燃圧センサ
A 目標燃圧演算部
B フィードフォワード操作量演算部
C 規範燃圧演算部
D 偏差演算部
E フィードバック操作量演算部
F 平滑化係数演算部
G 平滑化部
H 操作量演算部
I ポンプ制御部
Claims (3)
- 燃料供給配管を介して燃料ポンプから燃料噴射弁に供給される燃料の圧力が機関運転状態に応じた目標燃料圧力となるように、前記燃料ポンプの駆動を制御する燃料圧力制御装置において、
前記燃料供給配管における実際の燃料圧力が前記目標燃料圧力に近づくようにするフィードバック操作量を演算する操作量演算手段と、
前記フィードバック操作量をフィルタで平滑化する平滑化手段と、
前記平滑化されたフィードバック操作量に基づいて、前記燃料ポンプの駆動をフィードバック制御する制御手段と、
を有することを特徴とする燃料圧力制御装置。 - 前記平滑化手段は、前記燃料供給配管における実際の燃料圧力が高くなるほど、前記フィルタのゲイン特性を強くすることを特徴とする請求項1に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記平滑化手段は、前記燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射間隔が短くなるほど、前記フィルタのカットオフ周波数特性を高くすることを特徴とする請求項1に記載の燃料圧力制御装置。
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