JP2013108396A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オイルセパレータ22で分離されたオイルを貯留する所定容積を有するオイルタンク61を設け、このオイルタンク61に貯留されたオイルを前記オイル戻し管28,28Aを通して圧縮機11のケース12内に戻すとともに、オイル戻し管28Aの開度を調整する電動弁30を設け、電動弁30の開度を、圧縮機11の運転周波数に応じて調整するようにした。
【選択図】図1
Description
オイルセパレータの容積を十分に確保できないと、オイルセパレータにおけるオイル分離効率(オイルセパレータ内で冷媒の流速を落として冷媒とオイルを分離する効率)が低下し、分離できなかったオイルが冷凍サイクルの低圧側にある蒸発器へと流れ、蒸発器内に滞留し、伝熱性能の低下や圧縮機の潤滑不良の原因となる。
また、二酸化炭素を冷媒として使用する冷凍装置では、フルオロカーボン系冷媒を使用する冷凍装置に比べて、冷媒回路の高圧側と低圧側(または中間圧)の圧力差が大きくなるので、圧縮機の吐出冷媒と圧縮機のケース内(中間圧もしくは低圧)との差圧が大きくなり、電磁開閉弁でオイル戻し量を適切に調整することが困難であり、これも圧縮機の潤滑不良を招く原因となる。
この構成によれば、オイルセパレータで分離されたオイルを貯留する所定容積を有するオイルタンクを設け、このオイルタンクに貯留されたオイルを前記オイル戻し管を通して前記ケース内に戻すとともに、前記オイル戻し管の開度を調整する電動弁を設け、前記電動弁の開度を、前記圧縮機の運転周波数に応じて調整するので、オイルセパレータの容積を大きくせずに、オイル分離効率及びオイル貯留量を確保し、圧縮機の潤滑不良を防止することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る冷凍装置の回路構成図である。
冷凍装置1は、冷凍機ユニット3と複数台(例えば2台)のショーケースユニット5A,5Bとを備え、これら冷凍機ユニット3と各ショーケースユニット5A,5Bとが、液冷媒配管7及びガス冷媒配管9により連結されて冷凍サイクル運転を行う冷媒回路10を構成している。
この冷媒回路10には、高圧側が超臨界圧力となる二酸化炭素(CO2)冷媒が使用されている。二酸化炭素冷媒は、オゾン破壊係数が0で、地球温暖化係数が1であるため、環境への負荷が小さく、毒性、可燃性がなく安全で安価である。また、二酸化炭素冷媒に加えて、冷媒回路10内の圧縮機11を潤滑するためのオイルも冷媒配管に入れられている。図1には、実線矢印で冷媒の流れを示し、破線矢印でオイルの流れを示している。
そこで、本実施形態では、オイルセパレータ22で分離されたオイルを貯留する所定容積を有する単一のオイルタンク61を設け、このオイルタンク61に貯留されたオイルをオイル戻し管28A,28Aを通して圧縮機11,11のケース12内に戻すようにしている。
オイルセパレータ22とオイルタンク61とを接続するオイル配管28Bは、一端がオイルセパレータ22内の底部近傍で開口し、底部近傍のオイルを上記差圧によってオイル配管28B内に引き込み、オイルタンク61内に引き込む。このオイルタンク61には、圧縮機11,11につながる単一のオイル戻し管28の一端が接続され、上記差圧によりオイルタンク61内のオイルがオイル戻し管28に吸い込まれ、圧縮機11,11のケース12内に戻される。
この構成によれば、オイルセパレータ22で分離されたオイルは圧縮機11,11のケース12内の負圧によりオイルタンク61内に流れて溜まり、その分、オイルセパレータ22内のオイル油面を低くすることができる。これにより、オイル分離空間(気相冷媒とオイルミストの混合流からオイルを分離させるための空間)を広く確保してオイル分離効率を高めるとともに、オイルタンク61内に十分なオイル量を確保できる。
オイルレベルセンサー31は、上限レベル及び下限レベルを検出できる2接点式のレベルセンサであり、図示は省略するが、ケース12に連通するセンサケースを備え、このセンサケース内のオイルレベルは、圧縮機11のケース12内のオイルレベルに応じて変動する。また、センサケース内には、オイルレベルの変動に応じて上下に浮遊するフロートと、このフロートの高さ位置が変動することによって開閉される上接点及び下接点とを備えるフロートスイッチが配置されている。このフロートスイッチでは、フロートに磁石が配置され、この磁石の磁力によって、異なる高さに配置された上接点及び下接点が開閉される。
具体的には、ケース12内のオイルレベルが上限レベルを上回ると上接点がオンし、この上限レベルを下回ると上接点がオフする。また、ケース12内のオイルレベルが下限レベルを上回ると下接点がオフし、この下限レベルを下回ると下接点がオンする。
過冷却熱交換器24は、ガスクーラー23で冷却され、ガスクーラー23から高圧吐出管21A及び液冷媒配管7を通じて、ショーケースユニット5A,5Bが備える第一膨張弁(第一絞り手段)42A,42Bへ向かう冷媒を、このガスクーラー23の出口側で分岐された分岐冷媒を用いて過冷却するものである。この過冷却熱交換器24の分岐冷媒流路入口には、ガスクーラー23の出口側で高圧吐出管21から分岐された分岐配管33が、第二膨張弁34を介して接続され、分岐冷媒流路出口は、中間冷却器18の出口側の中間圧吸入管19に接続されている。また、高圧吐出管21には、過冷却熱交換器24の入口側及び出口側に、それぞれ高圧吐出管21を流れる冷媒温度を検出する入口温度センサー35及び出口温度センサー36が設けられている。
また、主制御装置50は、オイルセパレータ22から各圧縮機11,11へのオイル戻し制御を実行し、このオイル戻し制御時に、各圧縮機11,11の運転周波数に基づいて、各電動弁30,30の弁開度を調整する。さらに、オイル戻し制御をする際に、各オイルレベルセンサー31で検出したオイルレベルに基づいて、弁開度を補正する。この実施形態では、主制御装置50は、圧縮機11,11の運転周波数に応じて、電動弁30,30の弁開度を調整する弁開度調整手段として機能するとともに、オイルレベルに応じて弁開度を補正する弁開度補正手段として機能する。
また、ショーケースユニット5A,5Bは、これらショーケースユニット5A,5Bの各部の動作を制御するケース制御装置45A,45Bを備え、このケース制御装置45A,45Bは、主制御装置50と通信可能に構成される。ケース制御装置45A,45Bは、ケース熱交換器43A,43Bの出入口温度差(過熱度)に基づいて、第一膨張弁42A,42Bの開度をそれぞれ調整する。
主制御装置50は、冷凍装置1の運転が開始されると、電動弁30の初期開度を取得する(ステップS1)。この初期開度は、冷凍装置1(すなわち圧縮機11,11)の運転起動時に設定される弁開度であり、本実施形態では、電動弁30を略閉じた状態とする弁開度(例えば30パルス)に設定されている。
続いて、主制御装置50は、電動弁30の弁開度を、それぞれ圧縮機11の運転周波数に応じて調整する(ステップS2)。この弁開度は、圧縮機11の運転周波数と、オイルレベルによって適宜変更される補正係数Aとから算出される。具体的には、運転周波数を変数xとする相関式f(x)により求められた値と、補正係数Aとを乗算することにより弁開度を求めており、運転周波数が高いときは弁開度を大きく、低いときは弁開度を小さくする。
ここで、補正係数Aの初期値は、圧縮機11から吐出されるオイル量に相当するオイル戻し量を得るための弁開度にする値に設定され、例えば、圧縮機11の仕様に基づいて設定される。これにより、各圧縮機11から吐出されるオイル量と、各圧縮機11のケース12,12内に戻されるオイル量とのバランスを向上させることができ、各圧縮機11へのオイル戻し量を適正にすることができる。
この判別において、フロートスイッチの下接点がオフでない場合(ステップS5;No)、すなわちオイルレベルが下限レベルを下回っている場合には、予め定めた第1の待ち時間(本実施形態では30秒)が経過したか否かを判別し(ステップS6)、この待ち時間が経過していなければ(ステップS6;No)、ステップS5の処理へ戻る。
この待ち時間が経過したか否かを判断する処理を行うことにより、圧縮機運転時に生じるオイル面の変動によるオイルレベルの誤検知を回避することができる。そして、待ち時間が経過した場合(ステップS6;Yes)、つまり、オイルレベルが下限レベルを継続して下回っている場合に、ケース12内のオイル量が過少と判断されるため、主制御装置50は、処理をステップS12に移行して電動弁30の弁開度を補正する。
ステップS8の判別において、フロートスイッチの上接点がオフでない場合(ステップS8;No)、すなわちオイルレベルが上限レベルを上回っている場合には、予め定めた第2の待ち時間(本実施形態では30秒)が経過したか否かを判別し(ステップS9)、この待ち時間が経過していなければ(ステップS9;No)、ステップS8の処理へ戻る。これにより、上記と同様に、オイルレベルの誤検知を回避することができ、待ち時間が経過した場合、つまり、オイルレベルが上限レベルを継続して上回っている場合に、ケース12内のオイル量が過多と判断されるため、主制御装置50は、処理をステップS15に移行して電動弁30の弁開度を補正する。
また、圧縮機11が停止している場合には(ステップS10;Yes)、電動弁30の弁開度を初期開度に設定して処理を終了する(ステップS11)。
また、主制御装置50は、補正係数Aが所定の上限値(本実施形態では6.0)よりも大きいか否かを判別する(ステップS13)。この上限値は、補正係数Aを増加する際の上限値であり、補正係数Aが上限値より小さい場合(ステップS13;No)には、処理をステップS4に戻す。
一方、補正係数Aが上限値を超える場合(ステップS13;Yes)には、補正係数Aを上限値に設定し(ステップS14)、処理をステップS4に戻す。
続いて、主制御装置50は、補正係数Aが所定の下限値(本実施形態では0.3)よりも小さいか否かを判別する(ステップS16)。この下限値は、補正係数Aを減少する際の下限値であり、補正係数Aが下限値以上の場合(ステップS16;No)には、処理をステップS4に戻す。
一方、補正係数Aが下限値を下回る場合(ステップS16;Yes)には、補正係数Aを下限値に設定し(ステップS17)、処理をステップS4に戻す。
しかしながら、この冷凍装置1であっても、設置した直後に行われる試運転時、特に配管距離が長い場合の試運転時には、配管内にオイルが適正に循環するまでに時間がかかる場合があり、かかる場合には、電動弁30、30を大きく開けても、圧縮機11,11のケース12,12内にオイルが戻らず、ケース12,12内のオイル量が少なくなる事態が生じる。更に、冷凍装置1内のオイル総量が少ない場合にも、電動弁30、30の開度によらず、圧縮機11,11のケース12,12内のオイル量が少なくなる事態が生じる。
上記オイル戻し制御では、オイル量が少ない場合でも圧縮機11の運転が継続するため、試運転時やオイル総量が少ない場合等に圧縮機11の運転を継続してしまい、潤滑不良を招くおそれが生じる。そこで、本実施形態では、上記のオイル戻し制御に加えて、圧縮機11内のオイル量が少ない状態での圧縮機11の運転を回避する運転停止制御を行うようにしている。
まず、主制御装置50は、内蔵する別のタイマーをリセットした後(ステップS21)、圧縮機11のフロートスイッチの下接点がオフであるか否かを判別する(ステップS22)。
この判別において、フロートスイッチの下接点がオフでない場合(ステップS22;No)、すなわちオイルレベルが下限レベルを下回っている場合には、上記オイル戻し制御ではオイル量が増えない状態、つまり、オイル不足を回避不能な状態と判断できる待ち時間(運転停止判断用の待ち時間)が経過したか否かを判別する(ステップS23)。この待ち時間は、オイル戻し制御用の上記第1及び第2の待ち時間(本実施形態では30秒)よりも長い時間であって、圧縮機11に大きな悪影響を与えない時間内に設定され、本実施形態では10分に設定される。
一方、フロートスイッチの下接点がオフである場合(ステップS22;Yes)、すなわち、オイルレベルが下限レベルを上回っている場合には、主制御装置50は、そのフロートスイッチが設けられている圧縮機11が停止中か否かを判別し(ステップS25)、停止中でなければ(ステップS25;No)、ステップS21の処理へ戻る。
一方、運転指示がなければ(ステップS26;No)、主制御装置50は、当該処理を終了し、圧縮機11を停止させたままにする。これにより、オイル量が少ない状態での圧縮機11の運転を継続して回避する。
しかも、本実施形態では、オイル戻し管28Aに設けられた電動弁30の弁開度を圧縮機11の運転周波数に応じて調整する制御を行うので、試運転時やオイル総量が少ない等の特別な状態でない限りは、オイル戻し量を適正化でき、圧縮機11内のオイルが少ない状態が継続する事態を避けることができる。
このようにして、本実施形態では、二酸化炭素冷媒を使用する構成で、オイル戻し量の適正化を図って圧縮機11の運転を継続可能にしつつ、上記の特別な状態を原因として圧縮機11内のオイルが少なくなった際の圧縮機11の潤滑不良を防止することが可能になる。
従って、オイルセパレータ22の容積を大きくせずに、オイル分離効率及びオイル貯留量を確保することができ、これによっても、二酸化炭素冷媒を使用する構成で、安定したオイル戻し制御が可能になり、圧縮機11へ戻るオイルに冷媒が混入することも防止することができ、圧縮機11の潤滑不良をより確実に防止することが可能になる。
さらに、オイルセパレータ22は、複数の圧縮機11,11の高圧吐出管21,21を合流した単一の高圧吐出管21Aに設けられるので、複数の圧縮機11,11でオイルセパレータ22を共用でき、部品点数の削減ができる。また、オイルタンク61は、オイルセパレータ22よりも高さが低い耐熱容器で形成されるので、十分な耐圧強度を確保し易く、また、冷凍装置1内へのレイアウトも容易である。
また、オイル戻し管21Aには、オイルタンク61の下流にオイルクーラー27が設けられるので、オイルを効率よく冷却することができる。
また、本実施形態では、熱源側機器となる冷凍機ユニット3と、利用側機器となるショーケースユニット5A,5Bとからなる冷凍装置1に本発明を適用する場合を説明したが、公知の冷凍装置の構成を適用しても良い。
また、本実施形態では、オイルレベルセンサー31を上限レベル及び下限レベルを検出できる2接点式のレベルセンサで構成する場合を説明したが、これに限らず、例えば、上限レベルと下限レベルとの間の中間レベルも検出できるレベルセンサで構成しても良い。
3 冷凍機ユニット(熱源側機器)
5A,5B ショーケースユニット(利用側機器)
10 冷媒回路
11 圧縮機
12 ケース
21 高圧吐出管
22 オイルセパレータ
23 ガスクーラー
27 オイルクーラー
28,28A,28B オイル戻し管
30 電動弁
31 オイルレベルセンサー(オイルレベル検出手段)
38 キャピラリチューブ(固定絞り)
50 主制御装置(弁開度調整手段、弁開度補正手段、運転制御手段)
61 オイルタンク
A 補正係数
Claims (4)
- 二酸化炭素を冷媒として冷凍サイクル運転を行う冷媒回路を備え、この冷媒回路は、ケース内にオイルを貯留し、このオイルと共に冷媒を高圧吐出管に吐出する圧縮機と、前記高圧吐出管に設けられたオイルセパレータと、前記オイルセパレータで分離されたオイルを前記ケース内に戻すオイル戻し管とを有する冷凍装置において、
前記オイルセパレータで分離されたオイルを貯留する所定容積を有するオイルタンクを設け、このオイルタンクに貯留されたオイルを前記オイル戻し管を通して前記ケース内に戻すとともに、前記オイル戻し管に電動弁を設け、前記電動弁の開度を、前記圧縮機の運転周波数に応じて調整する弁開度調整手段を設けたことを特徴とする冷凍装置。 - 前記圧縮機は、並列に接続される複数の圧縮機を有し、
前記オイルセパレータは、前記複数の圧縮機の高圧吐出管を合流した単一の高圧吐出管に設けられ、前記オイルタンクは、前記オイルオイルセパレータよりも高さが低い耐熱容器で形成されることを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。 - 前記オイル戻し管には、前記オイルタンクの下流にオイルクーラーが設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍装置。
- 前記弁開度調整手段は、前記圧縮機の運転周波数が大きくなった際に前記電動弁の弁開度を大きくし、前記圧縮機の運転周波数が小さくなった際に前記電動弁の弁開度を小さくすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の冷凍装置。
Priority Applications (7)
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