JP2013107362A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ファンを設けること無く、かつ記録中の回復を実施すること無く、ミストによる混色を無くし良好な画質を保持するインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】上流側の記録ヘッドにおける単位時間吐出数の増加に応じて、下流側の記録ヘッドの予備吐出を増やす。
【選択図】図8

Description

本発明は記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関し、詳しくは、インク中の色材を不溶化又は凝集させる液体を吐出するインクジェット記録装置に関する。
複写機、ファクシミリなどの記録装置、あるいはコンピュータ、電子タイプライタ、やワークステーション、ワードプロセッサなどの出力機器として用いられるプリンタ、プロッタなどの画像形成装置が一般的に用いられている。これらの画像形成装置は、画像情報に基づいて用紙等の記録媒体に画像(文字や記号を含む)を記録するよう構成されている。このような画像形成装置(以下、記録装置ともいう)には、複数の記録方式があり、その方式はインクジェット式、ワイヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザービーム式等に分けられる。
その中で、インクジェット式の記録装置は、記録紙等の記録媒体にインクを吐出することによって画像(文字や記号を含む)を記録する。このような記録方式はインクを吐出可能な記録ヘッドを搭載したキャリッジが記録媒体の搬送方向と交差する方向に主走査するシリアルタイプや、複数のノズルを記録媒体の全幅に亘って配置した記録手段に対して記録媒体を移動させるラインタイプが知られている。
例えば、シリアルタイプの記録装置において、記録媒体に記録する際は、光学式センサ等で記録媒体サイズを検出した後、搬送装置で搬送中の記録媒体を一時的に停止させる。そして、キャリッジを所定方向に移動させながら、記録媒体のサイズにて規定された画像信号に基づいて記録ヘッドのノズルからインクを吐出し、記録媒体上の画像形成領域(バンド領域)に1バンド分の画像を形成する。次いで、記録媒体を1バンド分の幅だけ搬送して停止させ、再び、キャリッジを所定方向に往復運動させながら、画像信号に基づいてノズル群からインクを吐出し、記録媒体上の新たなバンド領域に画像全体を形成する。このような動作を繰り返すことにより、記録媒体上に1ページ分の画像を形成し、1ページ分の画像形成後、必要に応じて記録媒体後端をカットする。
また、ラインタイプの記録装置では、記録媒体を所定の記録位置にセットした後、ライン状に配置した記録手段によってライン状に記録を行い、所定量の紙送りを行った後にライン状の記録を行う動作を繰り返すことによって、記録媒体上に画像を記録する。
このようなインクジェット方式の記録装置(以下、インクジェット記録装置ともいう)にて記録を行う際、ノズルから吐出されたインクの中で、一部は記録媒体に付着せず空気中を浮遊するものがある。このように、インク吐出による記録中に、空中に浮遊するインク成分をミストと呼んでいる。
浮遊したミストを何の処置も施さずそのまま放置しておくと、インクジェット記録装置の装置内がミストによって汚染される。また、キャリッジの位置情報を知る手段であるリニアスケールに多量のミストが付着すると、そのリニアスケールを読み取るセンサが誤検知してキャリッジが誤動作する恐れがある。
このようなミストによる記録装置内の汚染やキャリッジの誤動作を防止するために、特許文献1では、記録装置内にミストを回収するファンを設けている。ファンが設けられている箇所は装置内の排紙側、あるいはノズル付近であり、記録を開始する前にファンの駆動をオン状態とし、記録終了後、例えば、1分等の所定時間が経過してから駆動をオフ状態にする。このようにファンによるミスト吸引制御を行うことによって、インクが吐出された時に発生するミストの吸引を行っている。
また特許文献2では、ミストによる記録装置内の汚染やキャリッジの誤作動防止のため、単色ミスト及び混合ミストを記録ヘッドの吐出口が設けられた面(フェイス面)に固着させないように、適切な間隔タイミングでワイピングや拭き等の回復処理を行っている。このような方法により、常に記録品位の高い記録を行うことが可能なインクジェット記録装置および記録ヘッドの吐出回復方法を実施している。
特開2007−276277号公報 特開平11−240165号公報
従来、ノズルもしくはフェイス面の周辺における単色ミスト/混合ミストの発生を有効に防止し、または発生した単色ミスト/混合ミストを有効に除去して、高い記録品位を長期間維持するための吐出回復方法は知られていない。さらには、従来の技術である単色ミスト/混合ミストによる影響を防止するためのファンを用いても、インクのミストは完全に抑制出来ていない。そのため、記録媒体搬送方向における上流側の記録ヘッドの吐出されたインクミストが下流側の記録ヘッドのフェイス面へと付着し、記録ヘッドのフェイス面上で異なる色が混ざり、混色といった問題点が発生する。
また上記の問題に対し、従来技術では、それぞれの記録ヘッドにおける記録吐出回数をカウントし、ある閾値を越えた状態で記録中にフェイス面のワイピング等の混色回復手段により、インクミストによる影響を抑制している。しかし、この手段によると連続記録中にも関わらずフェイス面のワイピングが行われることから、記録が中断して生産性がダウンするといった懸念があった。
よって本発明は、上記課題・懸念点を解決するためになされたものであり、その目的は、ファンを設けること無く、かつ記録中の回復を実施すること無く、ミストによる混色を無くし良好な画質を保持するインクジェット記録装置を提供することにある。
そのため本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録媒体の搬送方向に配列された複数の記録ヘッドから、インクを吐出して記録を行う記録部と、前記記録媒体の搬送方向における、上流側の前記記録ヘッドが吐出する前記インクの色と、下流側の前記記録ヘッドが吐出する前記インクの色と、の混色を防止するべく前記記録媒体上に、記録に寄与しない前記インクを吐出する予備吐出の制御を行う予備吐出制御部と、を備えたインクジェット記録装置において、前記予備吐出制御部は、前記上流側の記録ヘッドの単位時間吐出数が多くなるのに伴って、前記下流側の記録ヘッドにおける前記予備吐出の発数を増加することを特徴とする。
本発明によればインクジェット記録装置の予備吐出制御部は、記録媒体の搬送方向における上流側の記録ヘッドの単位時間吐出数が多くなるのに伴って、下流側の記録ヘッドにおける予備吐出の発数を増加する。これによって、ファンを設けること無く、かつ記録中の回復を実施すること無く、ミストによる混色を無くし良好な画質を保持するインクジェット記録装置を実現することができる。
インクジェット記録装置の全体構成を示した図である。 インクジェット記録装置の電気的な構成を示したブロック図である。 色毎の記録ヘッドと記録媒体との位置関係を示した図である。 検証用の記録チャートを示した図である。 単位時間吐出数と予備吐出数との関係を示した表である。 予備吐出増発制御の流れを示したフローチャートである。 単位時間吐出数と予備吐出数との関係を示した表である。 予備吐出増発制御の流れを示したフローチャートである。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)の全体構成を示した図であり、図2は、インクジェット記録装置の電気的な構成を示したブロック図である。また図3は、色毎の記録ヘッドと記録媒体との位置関係を示した図である。本実施形態のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッド1(記録部)を備えている。記録ヘッド1には図3のように、記録媒体Pの搬送方向上流側から順に、ブラックインク(Bk)用の記録ヘッド11、シアンインク(C)用の記録ヘッド12、マゼンタインク(M)用の記録ヘッド13、イエローインク(Y)用の記録ヘッド14が配列されている。この4つの記録ヘッド11〜14隣接した状態で配列されており、記録ヘッド同士の間のギャップは無い構成となっている。この4つの記録ヘッド11〜14には、各インクの色に対応したインクタンクからインクが供給されている。ブラック記録ヘッド11にはブラックインクタンク41、シアン記録ヘッド12にはシアンインクタンク42、マゼンタ記録ヘッド13にはマゼンタインクタンク43、イエロー記録ヘッド14には、イエローのインクタンク44から夫々インクが供給される。
また記録動作では、図1中の矢印αの方向に記録媒体Pが搬送される構成となっている。このため、インクはブラックインク(Bk)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)の順序で記録媒体Pに対して吐出される。各色の記録ヘッドは記録データを受信した後、その記録データに合わせて記録ヘッドのフェイス面に設けられた吐出口からインクを吐出する。その際、記録媒体Pは、搬送ベルト2によって排紙側へと搬送され、排紙口に設けられた排紙ガイド3により、正常に排紙され且つ綺麗に折りたたまれる構成となっている。記録におけるこれら一連の動作は、インクジェット記録装置に設けられるメインコントローラであるCPU20とドライバーコントローラ21とによって命令される(図2のブロック図参照)。CPU20は、インクジェット記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。ROM22は、データ処理の手順等のプログラムが格納され、またRAM23は、データ処理を実行するためのワークエリアなどとして用いられる。記録ヘッドからのインクの吐出はCPU20が電気熱変換素子などの駆動データおよび駆動制御信号をドライバーコントローラ21に供給することにより行なわれる。また、CPU20は記録媒体Pを搬送するための搬送部および給紙部を制御する。
このような構成の記録装置では、記録ヘッドと記録ヘッドとの間が無い(記録ヘッド同士が隣接している)ため、何の対策も施さなければ上流側の記録ヘッドの吐出口から吐出されたインクから飛び散る微小なインク(ミスト)が下流側のフェイス面に付着する。その状態で下流側の記録ヘッドがインクを吐出すると、フェイス面で吐出するインクと付着したミストとが混ざりインクの混色が発生する。
また4つの記録ヘッドが一体となっているため、例えばブラックの記録ヘッドのみが記録している際も、他の3色の記録ヘッドも一緒に記録位置にいるので、他の3色の記録ヘッドのフェイス面も外気に触れて吐出口内のインクが乾燥してしまう。その結果、インクの粘度が高くなり吐出性能が低下し不吐出になることもある。その対策として、従来のインクジェット記録装置では、記録中は常に記録ヘッドにおける吐出口のインクの乾燥を防止するべく、4色の記録ヘッドに対し記録媒体上に記録に寄与しないインクを吐出する、いわゆる予備吐出をする構成がとられていた。その予備吐出は、通常1秒に1発(1発/s)記録媒体上に吐出を行うことで乾燥を防ぎ、吐出性能を維持していた。
また予備吐出を行うことで、吐出口周辺に混色が認識出来るほどの多量のミストが付着する前に、ミストと共にインクを吐出するため、混色の発生を低減させることができる。
そこで本実施形態のインクジェット記録装置では、予備吐出制御部によって、実際に記録した際に上流側の記録ヘッドの単位時間吐出数を検知させ、下流側の記録ヘッド且つ記録していない記録ヘッドに紙面予備吐出を行なう。そして、その紙面予備吐出の発数を上流側記録ヘッドの単位時間吐出数に合わせて可変させる方式を実施した。そして、最適な紙面予備吐出の条件を得るために以下のような検討を行なった。
図4は、検証用の記録チャートを示した図である。検証の際の記録スピードは12inch/secで行なった。まず、青色(100%Duty=単位時間吐出数9600発/s)を連続で100枚記録し、直後に黄色の100%Dutyチャートを5枚記録した。なお、途中で回復等の動作は一切行なっていない。この時の紙面予備吐出数は1(発/秒)で実施した。青色を記録する際には、イエローインク(Y)の記録ヘッドの上流にあるシアンインク(C)とマゼンタインク(M)の記録ヘッドを用いて記録が行われる。このように2色の色を混ぜて作る色を2次色という。このような記録によって検証を行なうことによって、最下流に有って最もミストの影響による混色が発生し易いイエローインク(Y)の記録ヘッドで混色の発生状況を確認することができる。
上記のような検証を行なった結果、イエローインク(Y)の記録ヘッドでミストによるインクの混色が発生し、紙面予備吐出数:1(発/秒)で打つだけではインクの混色は改善されないことが分かった。そのため、青色で100枚記録する際の単位時間吐出数を可変させ、さらに黄色の記録ヘッドにおける紙面予備吐出数を可変させた。
図5は、青色を記録する際の単位時間吐出数と下流側記録ヘッドにおける予備吐出数との関係を示した表である。結果として、青色(100%Duty=9600発/s)を連続で100枚記録させた後のイエロー記録を行った時の混色を無くすためには、イエロー記録ヘッドの紙面予備吐数を1(発/秒)から384(発/秒)まで上げることが必要であることがわかった。
この検証と同時に、記録速度を可変させ、青色を記録時の単位時間吐出数を8000(発/秒)、6400(発/秒)、4800(発/秒)、3200(発/秒)と変化させて混色の発生状況を確認した。その結果、表のようにイエロー記録ヘッドの紙上への吐出数を320(発/秒)、256(発/秒)、192(発/秒)、128(発/秒)に抑えることで、イエローインクの消費量も抑制しつつ、且つ混色も無くす良質画質を得ることが出来た。
図6は、本実施形態のインクジェット記録装置における予備吐出増発制御の流れを示したフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って本実施形態の予備吐出増発制御を説明する。ステップS600でインクジェット記録装置に電源が投入され、ステップS601で記録データを受信する。その後ステップS602で、ステップS601で受信した記録データの1回の記録において、青色、イエローの順で記録する箇所があるかどうかを確認(判断)する。ステップS602でNoの場合は、ステップS613に移行し、Yesの場合は、ステップS603に移行する。ステップS603では、青色の記録に用いる記録ヘッドであるシアンインク(C)とマゼンタインク(M)の記録ヘッドの同時単位時間吐出数が8000意以上9600未満であるか確認する。ステップS603でNoの場合は、ステップS605に移行して、Yesの場合は、ステップS604に移行する。ステップS604ではイエローの記録ヘッドによる予備吐出の数を384(発/秒)に設定し、ステップS614で記録を行なう。ステップS603からステップS605に移行した場合は、ステップS605で、シアンインク(C)とマゼンタインク(M)の記録ヘッドの同時単位時間吐出数が6400以上8000未満であるか確認する。ステップS605でNoの場合は、ステップS607に移行して、Yesの場合は、ステップS606に移行する。ステップS606ではイエローの記録ヘッドによる紙面予備吐出の数を320(発/秒)に設定し、ステップS614で記録を行なう。ステップS605からステップS607に移行した場合は、ステップS607で、シアンインク(C)とマゼンタインク(M)の記録ヘッドの同時単位時間吐出数が4800以上6400未満であるか確認する。ステップS607でNoの場合は、ステップS609に移行して、Yesの場合は、ステップS608に移行する。ステップS608ではイエローの記録ヘッドによる紙面予備吐出の数を256(発/秒)に設定し、ステップS614で記録を行なう。ステップS607からステップS609に移行した場合は、ステップS609で、シアンインク(C)とマゼンタインク(M)の記録ヘッドの同時単位時間吐出数が4800以上6400未満であるか確認する。ステップS609でNoの場合は、ステップS611に移行して、Yesの場合は、ステップS610に移行する。ステップS610ではイエローの記録ヘッドによる紙面予備吐出の数を192(発/秒)に設定し、ステップS614で記録を行なう。ステップS609からステップS611に移行した場合は、ステップS611で、シアンインク(C)とマゼンタインク(M)の記録ヘッドの同時単位時間吐出数が3200未満であるか確認する。ステップS611でNoの場合は、ステップS613に移行して、Yesの場合は、ステップS612に移行する。ステップS612ではイエローの記録ヘッドによる紙面予備吐出の数を128(発/秒)に設定し、ステップS614で記録を行なう。ステップS611からステップS613に移行した場合は、ステップS613で全ての記録ヘッドの紙面予備吐出の数を1(発/秒)に設定し、ステップS614で記録を行なう。このように上流側の記録ヘッドにおける単位時間吐出数の増加に応じて、下流側の記録ヘッド(イエローの記録ヘッド)の予備吐出を増やすことにより、混色は改善され良質な画像を得ることが可能となった。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では基本的な構成についてのみ説明する。
第1の実施形態では、イエローの記録ヘッドへのミストの付着が最も多くなると考えられる構成として、シアンインク(C)とマゼンタインク(M)の記録ヘッド用いて記録する青色100%の記録を行い、イエローの紙面予備吐数を可変させた。これによって、イエロー(Y)の記録ヘッドにおける混色による画像弊害を無くすことが出来た。本実施形態では、単色100%の記録を行う時や、他の(青色以外の)2次色といったあらゆるシチュエーションを想定し、良質な画像を得ることができるよう更なる検証を行なった。
図7は、検証によって得られた、記録における上流側記録ヘッドの単位時間吐出数と下流側記録ヘッドにおける予備吐出数との関係を示した表である。また図8は、本実施形態のインクジェット記録装置における予備吐出増発制御の流れを示したフローチャートである。
単色100%の記録の時は、図7の表に合わせるように図8のフローチャートに沿って記録することにより、あらゆる単位時間同時吐出数においても混色を無くすことができる。以下、図8のフローチャートに沿って本実施形態の予備吐出増発制御を説明する。
まずステップS800でインクジェット記録装置に電源が投入され、ステップS801で記録データを受信する。その後ステップS802で、受信した記録データの1回の記録において、搬送方向で複数ヘッドの記録があるか無いかを確認する。ステップS802でNoの場合は、ステップS812に移行し、Yesの場合は、ステップS803に移行する。複数の記録ヘッド記録が行われる場合、ステップS802で、ブラック、シアンの順で記録する箇所があるかどうかを確認する。Yesの場合は、ステップS804で図7の表に従ってシアンの記録ヘッドにおける紙面予備吐出数を決める。ステップS803からステップS805に移行した場合は、ステップS805で、シアン、マゼンタの順で記録する箇所があるかどうかを確認する。Yesの場合は、ステップS806で図7の表に従ってマゼンタの記録ヘッドにおける紙面予備吐出数を決める。Noの場合は、ステップS807に移行する。ステップS805からステップS807に移行した場合は、ステップS807で、マゼンタ、イエローの順で記録する箇所があるかどうかを確認する。Yesの場合は、ステップS808で図7の表に従ってイエローの記録ヘッドにおける紙面予備吐出数を決める。Noの場合は、ステップS809に移行する。ステップS807からステップS809に移行した場合は、ステップS809で、2次色の記録があるかどうかを確認する。Yesの場合は、ステップS808で記録している記録ヘッドに対して、次の記録に用いる記録していない下流側の記録ヘッドの紙面予備吐出数を図5の表に従って決める。Noの場合は、ステップS811に移行する。ステップS811では、全ての記録ヘッドにおける紙面予備吐出数を1(発/秒)に設定し、ステップS812で記録を行なう。
このように、図7の表で混色の発生しない予備吐出数を選択的に採用しながら、単位時間吐出量を可変させることにより、1回の記録内での色が切り換わる時の混色を防止させることが可能となる。また、2次色記録の場合には、記録していない且つ下流側の記録ヘッドは、単色の倍の数だけ記録前予備吐数を増やすことにより、混色を防止させ、良質な画像を得ることが可能である。
このような予備吐出増発制御を行うことで、混色を除去することが出来た。今回の検証では単色記録の後の単色記録による混色や、2次色を記録後の単色記録の混色によるパターンで行なったが、チャートによってはこれらの記録パターンが無数にあると考えられる。しかし、本発明のように事前に同時吐出数を検知させ、予備吐出増発制御を行なえば、どのパターンで記録されても混色を除去することができ、良質な画像を築くことが可能となる。
1 記録ヘッド
2 搬送ベルト
11 ブラックインク(Bk)用の記録ヘッド
12 シアンインク(C)用の記録ヘッド
13 マゼンタインク(M)用の記録ヘッド
14 イエローインク(Y)用の記録ヘッド
21 ドライバーコントローラ
P 記録媒体

Claims (3)

  1. 記録媒体を搬送する搬送部と、
    前記記録媒体の搬送方向に配列された複数の記録ヘッドから、インクを吐出して記録を行う記録部と、
    前記記録媒体の搬送方向における、上流側の前記記録ヘッドが吐出する前記インクの色と、下流側の前記記録ヘッドが吐出する前記インクの色と、の混色を防止するべく前記記録媒体上に、記録に寄与しない前記インクを吐出する予備吐出の制御を行う予備吐出制御部と、
    を備えたインクジェット記録装置において、
    前記予備吐出制御部は、前記上流側の記録ヘッドの単位時間吐出数が多くなるのに伴って、前記下流側の記録ヘッドにおける前記予備吐出の発数を増加することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記予備吐出制御部は、記録前に、1回の記録において、前記記録媒体の搬送方向における前記上流側の記録ヘッドでの記録の後に、前記下流側の記録ヘッドでの記録があるかどうかの判断を行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記判断の結果、1回の記録において、前記記録媒体の搬送方向における前記上流側の記録ヘッドでの記録の後に、前記下流側の記録ヘッドでの記録が無いと判断された場合には、全ての前記記録ヘッドにおける前記予備吐出を1(発/秒)に設定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
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