JP2013105802A - 太陽電池用封止シート - Google Patents

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Abstract

【課題】薄いセルの破損を防止する太陽電池用封止シートを提供する。
【解決手段】下記(a1)、(a2)および(a3)の全てを充足するエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する太陽電池用封止シート。
(a1):酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率が25質量%以上32質量%以下であること(ただし、エチレン−酢酸ビニル共重合体に含まれるエチレンに由来する構造単位の含有率と、酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率との総和を100質量%とする)。
(a2):示差走査型熱量計により測定した融点が68℃以下であり、かつ融解曲線において融解熱量が70J/g以下であること。
(a3):80℃におけるゼロせん断粘度〔η〕が、10Pa・sec以上、10Pa・sec以下であること。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池のセルを封止するために用いられる太陽電池用封止シートに関するものである。
太陽電池は、ガラス板とバックシートの間に配置したエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する太陽電池用封止シートによって太陽電池のセル(太陽電池素子)を挟み、加熱加圧により、エチレン−酢酸ビニル共重合体を架橋硬化させ、セルを封止することにより製造されている。
太陽電池を製造する際の上記加熱加圧時に、セルが破損することがあり、これを防ぐ手段として、例えば、特許文献1、2には、表面が特定の凹凸形状にエンボス加工された太陽電池用封止シートを用いることが記載されている。
特開2000−183388号公報(公開日2000年06月30日) 特開2010−258123号公報(公開日2010年11月11日)
しかし、近年、太陽電池のセルには、より薄いものが使用されるようになり、そのため、上記特許文献に記載された封止シートを用いても、セルが破損することがあった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、薄いセルの破損を防止する太陽電池用封止シートを提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討をおこない、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記(a1)、(a2)および(a3)の全てを充足するエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する太陽電池用封止シートに係るものである。
(a1):酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率が25質量%以上32質量%以下であること(ただし、エチレン−酢酸ビニル共重合体に含まれるエチレンに由来する構造単位の含有率と、酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率との総和を100質量%とする)。
(a2):示差走査型熱量計により測定した融点が68℃以下であり、かつ融解曲線において融解熱量が70J/g以下であること。
(a3):80℃におけるゼロせん断粘度〔η〕が、10Pa・sec以上、10Pa・sec以下であること。
本発明に係る太陽電池用封止シートを用いれば、太陽電池を封止する際に、薄いセルの破損を防止することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
〔エチレン−酢酸ビニル共重合体〕
(基本構成)
本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンに由来する構造単位と、酢酸ビニルに由来する構造単位を有する共重合体である。
本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体は、下記(a1)、(a2)および(a3)の全てを充足するものである。
(a1):酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率が25質量%以上32質量%以下であること(ただし、エチレン−酢酸ビニル共重合体に含まれるエチレンに由来する構造単位の含有率と、酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率との総和を100質量%とする)。
(a2):示差走査型熱量計により測定した融点が68℃以下であり、かつ融解曲線において融解熱量が70J/g以下であること。
(a3):80℃におけるゼロせん断粘度〔η〕が、10Pa・sec以上、10Pa・sec以下であること。
(上記(a1)〜(a3)について)
上記(a1)に示す通り、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体に含まれる酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率は25質量%以上32質量%以下である(ただし、エチレン−酢酸ビニル共重合体に含まれるエチレンに由来する構造単位の含有率と、酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率との総和を100質量%とする)。好ましくは26質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは27質量%以上29質量%以下である。なお、酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率は、JIS K7192に従い測定される。
上記(a2)に示す通り、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体の示差走査型熱量計により測定した融点は、セルの形状に合わせて封止シートが変形しやすいという観点から、68℃以下である。また、当該融点の下限は、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。なお、融点は、示差走査熱量計(DSC)にて測定される融解曲線の融解ピークのうち、ピーク高さが最も大きい融解ピークの頂点の温度である。融解曲線の測定条件としては、例えば、次の条件をあげることができる。約10mgの試料をアルミニウムパンに封入し、試料を封入したアルミニウムパンを、示差走査熱量計を用いて、(1)150℃で5分間保持し、(2)5℃/分で150℃から0℃まで降温し、(3)0℃で2分間保持し、(4)5℃/分で0℃から150℃まで昇温して、(4)における融解曲線を測定する。融点は、(4)における融解曲線より、5℃から融解終了温度(融解曲線が高温側のベースラインに戻る温度)までの間に観察される融解ピークのうち、ピーク高さが最も大きい融解ピークの頂点の温度を算出する方法で求められる。
また、示差走査型熱量計(DSC)により測定した融解曲線より求められる融解熱量ΔHは、セルの形状に合わせて封止シートが変形しやすいという観点から、70J/g以下であり、60J/g以下であることが好ましく、55J/g以下であることがより好ましい。融解熱量ΔHは、上記融点を測定する方法の(4)における融解曲線の5℃から融解終了温度(融解曲線が高温側のベースラインに戻る温度)までの面積から求められる。
上記(a3)に示す通り、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体の80℃におけるゼロせん断粘度〔η〕は、セルの形状に合わせて封止シートが変形しやすいという観点から、10Pa・sec以下であり、9×10Pa・sec以下が好ましい。なお、80℃におけるゼロせん断粘度〔η〕は以下のようにして求められる。測定温度80℃におけるせん断粘度(η*)の角速度〔ω(rad/秒)〕分散を、0.1≦ω≦100の範囲で測定する。測定にはレオメトリックス社製RMS800を用いた。サンプルホルダーは25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みは約2.0mmとした。測定点はω一桁当たり5点とした。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10%の範囲で適宜選択した。せん断粘度測定に用いたサンプルは、150℃の熱プレス機により2MPaの圧力で5分間プレスした後、30℃の冷却プレス機で5分間冷却して、厚さ 2mmにプレス成形することで調製した。
ゼロせん断粘度〔η〕は、下記(式1)のCarreauモデルを非線形最小二乗法により実測のレオロジー曲線[せん断粘度(η*)の角速度(ω)分散]にフィッティングさせることで算出した。
Figure 2013105802
本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート(MFR)は、セルの形状に合わせて封止シートが変形しやすいという観点から、好ましくは6.3g/10分以上8.0g/10分以下である。なお、メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定される。
(エチレン−酢酸ビニル共重合体の分子量分布)
本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、加工性を高める観点から、2以上8以下であることが好ましく、より好ましくは2.5以上で4以下である。なお、Mwは、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の重量平均分子量を指し、Mnは、上記エチレン−酢酸ビニルの数平均分子量を指す。
なお、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により測定される。Mw/Mnは、MwをMnで除した値である。また、GPC法での測定条件としては、例えば、次の条件をあげることができる。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折計
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
(エチレン−酢酸ビニル共重合体の熱変形:TMA)
本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体は、加熱加圧による変形が短時間に起きるものが好ましい。例えば、プレス成形法で得られた厚さ3mmで6mmφのシートの上下を試料面積より大きな石英ガラスではさみ、9.8N/cmの一定荷重をかけ、80℃における厚み変化をセイコー電子工業社製のTMA100を用いて測定し、シートの厚みが元の厚みの50%となる時間をTMA50とした場合に、TMA50が11分以下であることが好ましく、10.9分以下であることがより好ましい。
(エチレン−酢酸ビニル共重合体の製造方法)
本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体の製造方法は、例えば、モノマー成分としてのエチレンと酢酸ビニルを、ラジカル重合開始剤を用いて、ラジカル重合反応させることにより製造することができる。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシピパレート、t-ブチルパーオキシネオデカノエートなどの過酸化物が挙げられる。これらラジカル重合開始剤は単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
上記ラジカル重合反応を行う重合槽(重合反応器)としては、例えは、ベッセル型反応器又はチューブラー型反応器が用いられる。
上記ラジカル重合反応を行う反応温度は、例えば、150℃以上300℃以下が挙げられ、ラジカル重合反応を行う反応圧力は、例えば、100MPa以上300MPa以下が挙げられる。
(添加剤)
本発明に係る上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、必要に応じて、シランカップリング剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等の添加剤が添加されたものであってもよい。これらの添加剤は、例えば、上記重合反応によりエチレン−酢酸ビニル共重合体を製造した後に、当該エチレン−酢酸ビニル共重合体に添加すればよい。
上記シランカップリング剤は、例えば、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する封止シートと、太陽電池モデュールを構成する受光面保護材、下部保護材およびセルとの接着力を向上させる。シランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
上記シランカップリング剤の配合量は、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して好ましくは5質量部以下とされ、より好ましくは0.8質量部以下とされる。また、より安定した接着力と、高い体積固有抵抗とをもたらすことができるという観点では、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対するシランカップリング剤の配合量を0.01質量部以上0.6質量部以下とすることがさらに好ましい。
また、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体は、太陽電池モジュールとした後の太陽電池用封止シートの耐久性を向上させる等の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体(分子)内およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(分子)間で架橋構造を有することが好ましい。このため、架橋剤として、例えば有機過酸化物を当該エチレン−酢酸ビニル共重合体に予め加え、これを熱分解し、ラジカルを発生させることで、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体に架橋構造を持たせることができる。架橋の程度を表す指標としては、ゲル分率が用いられる。ゲル分率としては、70%以上であることが好ましく、74%以上であることがより好ましい。ゲル分率が高いほど、耐久性が高いといえる。
上記有機過酸化物としては、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体の融点を超える温度でラジカルを発生するものであればいずれも使用可能である。エチレン−酢酸ビニル共重合体への配合時における安定性という観点では、10時間半減期温度が70℃以上であることが好ましく、例えばt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンズエート、ベンゾイルパーオキサイド等を用いることができる。本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体と架橋剤とを含む封止シートを押出シート成形するときには、有機過酸化物の分解が進行しにくく、後述の太陽電池モデュールの組み立て時の加熱により有機過酸化物が分解し、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体同士の架橋が行われるという観点から、1時間半減期温度が100℃以上、135℃以下であるものがより好ましい。
これらの有機過酸化物の配合量は、例えば、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましい。
また、太陽電池用封止シートが架橋剤を含有する場合、太陽電池モデュールの組み立て時に分解せずに残存した架橋剤が、太陽電池モデュールの使用時に徐々に分解して封止材の変色などの劣化を引き起こす場合がある。このような残存した架橋剤による封止材の劣化を防ぐために、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体に配合する架橋剤の配合量は少ない方が好ましい。架橋剤の配合量が少なくても、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体に高いゲル分率の架橋構造を持たせることができるという観点から、当該エチレン−酢酸ビニル共重合体に、上記架橋剤とともに下記架橋助剤を添加することが好ましい。架橋助剤としては、例えば、単官能性架橋助剤、2官能性架橋助剤、3官能性架橋助剤、6官能性架橋助剤等を挙げることができる。単官能性架橋助剤としては、アクリレート、メタクリレート等を挙げることができる。2官能性架橋助剤としては、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド等を挙げることができる。3官能性架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等を挙げることができる。6官能性架橋助剤としては、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができる。これらの架橋助剤の配合量は、例えば、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して10質量部以下が好ましい。
また、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体は、紫外線耐性を向上させるため、必要に応じて紫外線吸収剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、およびヒンダードアミン系の紫外線吸収剤が挙げられる。上記ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等が挙げられる。上記ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。上記ヒンダードアミン系の紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサルシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート等が挙げられる。
また、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体は、酸化に対する安定性を向上させるため、必要に応じて酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤としては、例えば、アミン系、フェノール系、ビスフェニル系、およびヒンダードアミン系の酸化防止剤が挙げられ、より具体的には例えば、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ビス(2,2,6.6−テトラメチル−4−ピペラジル)セバケート等が挙げられる。
(成形)
本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む太陽電池用封止シートは、例えば、T−ダイ押出機、カレンダー成形機などのシート成形が可能な成形機を用いて成形される。低温で成形することが可能であるため、カレンダー成形機による成形が好ましい。
シート成形のより具体的な一例では、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体に、有機過酸化物(架橋剤)および必要に応じて添加される紫外線吸収剤等の添加剤を予めドライブレンドして押出機のホッパーから供給し、有機過酸化物が実質的に分解しない成形温度でシート状に押出成形する。押出成形の際、エンボス模様入り引取ロールを通して成形すれば、任意のエンボス模様の太陽電池用封止シートが得られ、このようなエンボスシートは、ブロッキング防止および太陽電池のモデュール化過程での脱気に対して有効であるので好ましい。
太陽電池用封止シートの厚みは、例えば、約0.1mm以上で1mm程度以下である。
(太陽電池モデュールの組み立て)
太陽電池モデュールにおける受光面保護材としては、ガラス、プラスチックス等の透光性部材から適宜選択することができる。下部保護材としては、プラスチックス、セラミック、ステンレス、アルミニウムなど種々の保護材から適宜選択することができる。
太陽電池モデュールの組み立ての一例では、まず、平板状の太陽電池のセル(太陽電池用シリコン基板等)の両面を上記の太陽電池用封止シート2枚以上で挟み込む。次いで、その一方側に上記受光面保護材を、他方側に上記下部保護材を接触させ、真空状態にした後、太陽電池用封止シートが溶融する温度に加熱する。太陽電池用封止シートをある程度溶融させた後、加熱状態のまま真空状態を解除し、加圧を行う。真空状態および加圧状態における上記加熱により、同一の太陽電池用封止シートに含まれる本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体同士が架橋し、また、セルを挟み込む異なる2枚以上の太陽電池用封止シートに含まれるエチレン−酢酸ビニル共重合体同士が架橋する。また、上記加熱により、太陽電池用封止シートに含まれるシランカップリング剤と、上記受光面保護材、上記下部保護材、および上記セルとが反応し、太陽電池用封止シートと上記受光面保護材または上記下部保護材、および太陽電池用封止シートと上記セルが接着される。
太陽電池モデュールの組み立ての他の例では、まず、上記の太陽電池用封止シートを中間層として、上記受光面保護材と上記下部保護材とで当該太陽電池用封止シートを挟み込む。ここで、上記受光面保護材と太陽電池用封止シートとの間、又は上記下部保護材と太陽電池用封止シートとの間の一方に、平板状のセルを挟み込むようにする。次いで、真空状態にした後、太陽電池用封止シートが溶融する温度に加熱する。太陽電池用封止シートをある程度溶融させた後、加熱状態のまま真空状態を解除し、加圧を行う。真空状態および加圧状態における上記加熱により、太陽電池用封止シートに含まれる本発明に係るエチレン−酢酸ビニル共重合体同士が架橋する。また、上記加熱により、太陽電池用封止シートに含まれるシランカップリング剤と、上記受光面保護材、上記下部保護材、および上記セルとが反応し、太陽電池用封止シートと、上記受光面保護材、上記下部保護材、および上記セルが接着される。
なお、上記何れの組み立ての例においても、太陽電池用封止シートと、上記受光面保護材または上記下部保護材との接着性の向上のため、上記太陽電池用封止シートの接着表面、受光面保護材の接着表面、および上記下部保護材の接着表面の少なくとも一つに対し、シランカップリング剤等を用いたプライマー処理が施されていることが好ましい。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(物性の測定方法)
実施例および比較例に示す物性は、次の方法により測定した。
(1) メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
(2) 酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率(単位:質量%)
実施例および比較例に用いたエチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率は、JIS K7192に従い測定した。
(3) 融点(単位:℃)および融解熱量(単位:J/g)
実施例および比較例のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、150℃の熱プレス機により10MPaの圧力で5分間プレスした後、30℃の冷却プレス機で5分間冷却して、厚さ約100μmのシートに成形した。次いで、該シートから約10mgの試料を切り出し、アルミニウムパンに封入した。次に、試料を封入したアルミニウムパンを、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製の示差走査型熱量計DSC−7型)にて、(1)150℃で5分間保持し、(2)5℃/分で150℃から0℃まで降温し、(3)0℃で2分間保持し、(4)5℃/分で0℃から150℃まで昇温して、(4)における融解曲線を測定した。得られた(4)における融解曲線より、0℃から融解終了温度(融解曲線が高温側のベースラインに戻る温度)までの間に観察される融解ピークのうち、ピーク高さが最も大きい融解ピークの頂点の温度を求め、これを融点とした。また、融解熱量ΔHは、上記(4)における融解曲線の5℃から融解終了温度(融解曲線が高温側のベースラインに戻る温度)までの面積から求めた。
(4) 分子量分布(Mw/Mn)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(7)により、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(1)装置:Water製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)試料濃度:5mg/5ml オルトジクロロベンゼン
(8)検出器:示差屈折
(5) ゼロせん断粘度〔η〕(単位:Pa・sec)
80℃におけるゼロせん断粘度〔η〕は以下のようにして求めた。測定温度80℃におけるせん断粘度(η*)の角速度〔ω(rad/秒)〕分散を、0.1≦ω≦100の範囲で測定する。測定にはレオメトリックス社製RMS800を用いた。サンプルホルダーは25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みは約2.0mmとした。測定点はω一桁当たり5点とした。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10 %の範囲で適宜選択した。せん断粘度測定に用いたサンプルは、150℃の熱プレス機により2MPaの圧力で5分間プレスした後、30℃の冷却プレス機で5分間冷却して、厚さ 2mmにプレス成形することで調製した。
ゼロせん断粘度〔η〕は、上記(式1)のCarreauモデルを非線形最小二乗法により実測のレオロジー曲線[せん断粘度(η*)の角速度(ω)分散]にフィッティングさせることで算出した。
(6) TMA50(単位:分)
セイコー電子工業社製のTMA100を用いて、プレス成形法で得られた厚さ3mmで6mmφのシートの熱変形挙動を測定した。シートの上下を試料面積より大きな石英ガラスではさみ、9.8N/cmの一定荷重をかけ、80℃における厚み変化を測定した。シートの厚みが、元の厚みの50%となる時間をTMA50とした。TMA50の値が小さいほど、加熱加圧時に、セルの形状に合わせて封止シートが変形しやすいため、セルが破損しにくいと考えられる。
〔実施例1:EVA−1〕
オートクレーブ式反応器にて、反応温度170〜182℃、反応圧力178〜196MPa、フィードガス組成(エチレン:69〜72質量%、酢酸ビニル:28〜31質量%、ただし、エチレンと酢酸ビニルとの総和を100質量%とした)の条件で、開始剤として、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートを用いてエチレン−酢酸ビニル共重合体を合成し、これを押出機を用いてペレットに造粒し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ペレットを得た(酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率 28質量%、MFR 7.1g/10分、以下、EVA−1と称する)。EVA−1の測定結果を表1に示す。
〔比較例1:EVA−2〕
エチレン−酢酸ビニル共重合体として、EV260R(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。測定結果を表1に示す。
〔比較例2:EVA−3〕
エチレン−酢酸ビニル共重合体として、ウルトラセン751R(東ソー株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。測定結果を表1に示す。
Figure 2013105802

Claims (1)

  1. 下記(a1)、(a2)および(a3)の全てを充足するエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する太陽電池用封止シート。
    (a1):酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率が25質量%以上32質量%以下であること(ただし、エチレン−酢酸ビニル共重合体に含まれるエチレンに由来する構造単位の含有率と、酢酸ビニルに由来する構造単位の含有率との総和を100質量%とする)。
    (a2):示差走査型熱量計により測定した融点が68℃以下であり、かつ融解曲線において融解熱量が70J/g以下であること。
    (a3):80℃におけるゼロせん断粘度〔η〕が、10Pa・sec以上、10Pa・sec以下であること。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016108537A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 ハンファ トータル ペトロケミカル カンパニー リミテッド 太陽電池封止材シート用エチレンビニルアセテート共重合体樹脂およびその製造方法
WO2016194606A1 (ja) * 2015-06-04 2016-12-08 株式会社ブリヂストン 太陽電池用封止膜及び太陽電池モジュール

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