JP2013105711A - 照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光モジュールの放熱性を高めることができ、光出力を十分に高めることができ、所望する配光特性を得ることができる照明器具を提供することを課題とする。
【解決手段】実施形態に係る照明器具は、放熱体と、この放熱体上に伝熱可能に形成された発光モジュールと、この発光モジュールを覆い、放熱体との間に標準気圧未満の密閉空間を形成する透光性のグローブと、密閉空間に封入された液体と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】実施形態に係る照明器具は、放熱体と、この放熱体上に伝熱可能に形成された発光モジュールと、この発光モジュールを覆い、放熱体との間に標準気圧未満の密閉空間を形成する透光性のグローブと、密閉空間に封入された液体と、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの半導体発光素子を基板に実装した発光モジュールを組み込んだ電球型LEDランプなどの照明器具に関する。
一般に、電球型のLEDランプは、LEDを基板に実装した発光モジュール、この発光モジュールを接触せしめて取り付けた放熱体、および発光モジュールの光の取り出し側を覆った透光性のグローブを有する。発光モジュールから放出された光は、グローブを透過して照明光として利用され、発光モジュールから発生した熱は、放熱体を介して放熱される。
上述した従来の電球型LEDランプの光出力を高めるためには、発光モジュールの放熱性を高める必要があり、放熱体のサイズ(表面積)をある程度大きくする必要がある。反面、電球のサイズは規格によりほぼ決められているため、放熱体のサイズを大きくすると、その分、グローブの大きさが小さくなり、配光特性に影響が出る。
よって、発光モジュールの放熱性を高めることができ、光出力を十分に高めることができ、所望する配光特性を得ることができる照明器具の開発が望まれている。
実施形態に係る照明器具は、放熱体と、この放熱体上に伝熱可能に形成された発光モジュールと、この発光モジュールを覆い、放熱体との間に標準気圧未満の密閉空間を形成する透光性のグローブと、密閉空間に封入された液体と、を備える。
本発明によれば、発光モジュールの放熱性を高めることができ、光出力を十分に高めることができ、所望する配光特性を得ることができる。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
図1には、実施形態に係る照明器具として、電球型のLEDランプ1の外観斜視図を示してある。また、図2には、このLEDランプ1を管軸に沿って切断した断面図を示してある。また、図3には、このLEDランプ1を複数の構成要素に分解した分解斜視図を示してあり、図4には、この分解したLEDランプ1の断面図を示してある。
図1には、実施形態に係る照明器具として、電球型のLEDランプ1の外観斜視図を示してある。また、図2には、このLEDランプ1を管軸に沿って切断した断面図を示してある。また、図3には、このLEDランプ1を複数の構成要素に分解した分解斜視図を示してあり、図4には、この分解したLEDランプ1の断面図を示してある。
LEDランプ1は、発光モジュール2、放熱ケース3、口金4、内側ドーム5、およびグローブ6を有する。このLEDランプ1は、図示しない器具本体のソケットに口金4を螺合することで、器具本体に電気的および機械的に接続される。
発光モジュール2は、図1および図2に示すように、円形の基板2aの表面に図示しない複数個のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)チップを実装し、これら複数個のLEDチップを囲む円環状の枠2bを設け、この枠2b内に封止樹脂2cを充填して構成されている。発光素子として、LEDの代りに有機EL素子などの固体発光素子を用いても良い。
基板2aは、例えば、金属ベースの表面に絶縁層を形成し、その上に配線パターンや反射層を形成して構成されている。LEDチップは、例えば、青色光を発光する青色LEDであり、基板2aの表面にある反射層の上に取り付けられて配線パターンにそれぞれ接線される。LEDチップは、基板にフリップチップ実装しても良い。
封止樹脂2cは、例えば、青色光によって青色と補色の関係にある黄色光を励起発光する蛍光体を含む。つまり、LEDチップから放出される青色光と蛍光体によって励起発光される黄色光が混ざって白色に近い光が発光モジュール2から放出されることになる。発光モジュール2の発光色は、LEDチップおよび/或いは封止樹脂2cを変更することで調節できる。
放熱ケース3は、内部が空洞の略円筒形状を有するセラミックスにより構成されている。この他に、放熱ケース3の材質としてアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属を用いても良い。
放熱ケース3の空洞にされた内部には、発光モジュール2の複数個のLEDチップに直流電流を給電するための電源回路や点灯回路を構成する図示しない複数の電子部品を実装した図示しない回路基板が収容配置されている。この回路基板は、放熱ケース3に接触して取り付けられており、発光モジュール2の基板2aに電気的に接続される。つまり、回路基板の熱は、放熱ケース3に伝えられる。
放熱ケース3の図示上端にある円形の開口3aは、発光モジュール2の基板2aによって塞がれる。言い換えると、放熱ケース3の図示上端には、発光モジュール2の基板2aの背面側の周縁に接触する円環状の基板載置面3bが形成されている。この基板載置面3bの径は、発光モジュール2の基板2aの径と程同じである。この円環状の基板載置面3bを介して発光モジュール2の熱が放熱ケース3へ伝えられる。
基板載置面3bの外側には、内側ドーム5を取り付けるための円環状の内側肩部3cが形成されている。この内側肩部3cは、基板載置面3bより図示下側に位置している。また、この内側肩部3cより図示下側に離間した位置で放熱ケース3の外面には、グローブ6を取り付けるための円環状の外側肩部3dが形成されている。
つまり、内側肩部3cの外径は基板載置面3bの外径より大きく、外側肩部3dの外径は内側肩部3cの外径より大きい。このため、後述する内側ドーム5の外側にグローブ6が配置される2重管構造となる。
さらに、外側肩部3dより図示下側の放熱ケース3は、口金4を取り付けるため小径にされている。また、この部分は、口金4のねじ4aに合わせて螺旋状の凸凹形状にされている。口金4は、その外周に、図示しない器具側のソケットに螺合するためのねじ山4aを有する。この口金4は、上述した回路基板に電気的に接続される。
内側ドーム5は、図示下端に、放熱ケース3の内側肩部3cに密着して当接する円環状の開口縁部5aを有する。この内側ドーム5は、その開口縁部5aを放熱ケース3の内側肩部3cに気密に接着固定することで放熱ケース3に固定される。この状態で、放熱ケース3の基板載置面3b上に載置した発光モジュール2は、内側ドーム5によって囲むように覆われて密閉される。
内側ドーム5は、例えば、ガラスにより形成されており、発光モジュール2から放出された光を拡散させるための拡散剤を含んでいる。或いは、この内側ドーム5は、すりガラスにより形成される。つまり、内側ドーム5は、それ自体が発光する発光部として機能する。このため、内側ドーム5の図示上端近くは、少なくとも後述するグローブ6の中心まで延びている。なお、内側ドーム5が発光モジュール2を覆った空間は大気圧にされている。
グローブ6は、例えば、ガラスにより形成されており、略球体に近い外形を有し、図示下端に円環状の開口縁部6aを有する。グローブ6の図示下端近くは、開口縁部6aに向かって緩やかに収束する形状を有する。開口縁部6aの開口径は内側ドーム5の外径より僅かに大きい。
そして、グローブ6は、上述した内側ドーム5を囲うように内側ドーム5の外側に互いに離間して被せられ、その開口縁部6aを放熱ケース3の外側肩部3dに気密に接着せしめることで、放熱ケース3に固定される。或いは、内側ドーム5とグローブ6は、一体に形成されても良い。
いずれにしても、内側ドーム5の外側でグローブ6の内側の空間は気密にされた密閉空間Sを構成する。この密閉空間Sは、放熱ケース3の一部、すなわち内側肩部3cと外側肩部3dとの間の外周面に接している。言い換えると、本実施形態のLEDランプ1は、放熱ケース3の一部が上記密閉空間Sに露出する構造に設計されている。
そして、この密閉空間Sは、真空引きされて減圧され、少量の水が封入される。例えば、この密閉空間Sは、水が約60℃で気化する程度の圧力まで減圧される。水以外に、密閉空間Sに封入する液体の条件として、透光性を有し、減圧を伴って60度程度の温度で気化する液体であれば代替可能であるが、液体から気体或いは気体から液体への状態変化を制御し易く且つ取り扱いが容易な透光性を有する最適な液体は水である。
本実施形態では、容積12.5mlの密閉空間S内に、0.1mlの水を封入し、密閉空間Sを150トルまで減圧させた。この圧力は、後述するように、密閉空間S内で水蒸気が発生した状態で、水が60℃で沸騰する圧力である。この場合、例えば、グローブ6の図示上端にガラス管(図示せず)を接続しておき、このガラス管を介して密閉空間Sを真空引きし、同時に適量の水を密閉空間S内に流し込む。そして、ガラス管を切断してその接続箇所を封止する。
密閉空間内の気圧は、封入した液体が約60−70℃で気化する圧力が望ましい。例えば、液体に水を用いる場合は、60℃で気化させるには約150Torr、70℃で気化させるには約235Torrである。
以下、上述した構造のLEDランプ1の放熱機能について説明する。
口金4を介して器具本体(図示せず)からLEDランプ1へ給電し、発光モジュール2を点灯させると、基板2aを介して発光モジュール2の熱が放熱ケース3へ伝えられる。同時に、放熱ケース3内部に収容した回路基板(図示せず)の熱も放熱ケース3に伝えられる。すなわち、LEDランプ1を点灯させると、経時的に、放熱ケース3が徐々に加熱される。
口金4を介して器具本体(図示せず)からLEDランプ1へ給電し、発光モジュール2を点灯させると、基板2aを介して発光モジュール2の熱が放熱ケース3へ伝えられる。同時に、放熱ケース3内部に収容した回路基板(図示せず)の熱も放熱ケース3に伝えられる。すなわち、LEDランプ1を点灯させると、経時的に、放熱ケース3が徐々に加熱される。
このように、放熱ケース3に伝えられた熱は、放熱ケース3自体を介して大気中に放熱されるとともに、放熱ケース3の一部が露出した密閉空間S内にある水を加熱する。本実施形態では、放熱ケース3のサイズが比較的小さいため、その分、水を加熱する熱量の割合が大きくなっている。これにより、発光モジュール2の熱が奪われて冷却されるとともに、回路基板に実装された電子部品の熱が奪われて冷却される。
密閉空間S内で加熱された水は、密閉空間S内の圧力に基づく温度で気化される。つまり、密閉空間Sが大気圧である場合には水は約100℃で沸騰して気化するが、密閉空間Sが減圧されている場合には、水の沸点が低くなる。本実施形態では、密閉空間S内の圧力を、水が約60℃で沸騰する程度の圧力まで減圧させているため、密閉空間S内では、水は約60℃で気化される。なお、この場合、密閉空間Sの圧力は、密閉空間S内で水蒸気が発生した状態で、水が約60℃の温度で沸騰する圧力に設定されている。
密閉空間S内で気化された水、すなわち水蒸気は、密閉空間S内で広がってグローブ6内面に達するとともに内側ドーム5の外面に達する。内側ドーム5の内側、すなわち発光モジュール2が取り付けられた空間は、発光モジュール2の発熱により比較的高温になっているため、水蒸気の熱が内側ドーム5に伝えられることは殆ど無い。
一方、グローブ6の外側は大気に開放されており雰囲気温度であるため、少なくとも60℃より相当低い温度であることが予想される。すなわち、グローブ6の内面に達した水蒸気は、外気温との間の温度差によって液化する。このとき、グローブ6に水蒸気から熱が伝えられてグローブ6が加熱される。つまり、この場合、グローブ6が放熱体として機能することになる。
このようにしてグローブ6に伝えられた熱は、その外面から大気中に放熱され、グローブ6の内面で液化された水は、放熱ケース3から伝えられる熱によって再び加熱され、60℃に達した時点で再び気化される。つまり、密閉空間S内の水は、その状態を気体と液体との間でめまぐるしく変化させながら循環され、発光モジュール2および電子部品の熱をグローブ6へ伝える。
図5には、本実施形態のLEDランプ1を点灯させてからしばらく経って熱が飽和した状態におけるLEDランプ1の熱分布を示してある。比較のため、図6には、密閉空間S内に封入した水を取り除いた場合におけるLEDランプ1の熱分布を示してある。
図5に示す本実施形態のLEDランプ1によると、発光モジュール2が僅かに高温(約80℃)になっている以外、全体的に70℃程度まで冷却されているのが分かる。特に、本実施形態では、グローブ6が放熱体として良好に機能しているのが分かる。これに対し、図6の比較例では、放熱ケース3だけが100℃を大幅に超える高温になっており、発光モジュール2が殆ど冷却されていないのが分かる。つまり、図6の例(水を封入しない場合)では、放熱ケース3のサイズが不十分であり、発光モジュール2の使用寿命も短くなることが予想される。
以上のように、本実施形態によると、内側ドーム5とグローブ6との間の密閉空間S内に少量の水を封入して減圧したため、水の潜熱効果を利用してグローブ6に熱を良好に伝えることができ、比較的表面積の大きなグローブ6を放熱体として機能させることができる。このため、例えば、図5に示すように、LEDランプ1全体を効果的に冷却することができ、発光モジュール2の放熱性を高めることができる。特に、本実施形態によると、発光モジュール2の温度が飽和した状態で80℃程度に抑えられており、使用寿命に悪影響を及ぼす心配がない。
また、一方で、本実施形態によると、グローブ6を放熱体として機能させることができるため、従来のように放熱ケース3を必要以上に大きくする必要がなく、設計の自由度を高めることができる。このため、本実施形態によると、グローブ6の大きさや形状も自由に設計可能となり、所望する配光特性を容易に得ることができ、良質な照明光を提供できる。
また、本実施形態では、グローブ6の内側に発光モジュール2を覆う内側ドーム5を配置した2重管構造を採用したため、内側ドーム5を通過する光を拡散させることができ、より斑のない良好な光を放出できる。また、内側ドーム5を設けることで、グローブ6の中心に光源を配置することができ、全方向に均一な光を放出させることができ、広配光が可能となる。
なお、本実施形態では、グローブ6の中に内側ドーム5を取り付けてこれらグローブ6と内側ドーム5との間の密閉空間Sに水を封入して減圧したが、内側ドーム5は必須の構成ではなく、条件によっては省略することもできる。つまり、内側ドーム5を省略して、グローブ6内を密閉空間Sとすることもできる。
この場合、密閉空間S内に封入した水が発光モジュール2に直接作用するため、発光モジュール2を完全に防水する必要がある。このように、内側ドーム5を省略すると、発光モジュール2から発生した熱を直接的にグローブに伝えることができ、放熱性をより高めることができる。また、当然のことながら、内側ドーム5を省略した分、装置構成を簡略化でき、製造コストを低減できる。
さらに、上述した実施形態では、LEDランプ1の向きについて言及していないが、本実施形態のLEDランプ1はあらゆる方向に取り付けて使用することができる。例えば、図示の向き(口金4が下)で使用する場合、密閉空間S内の水は放熱ケース3の露出部位に接触して溜まり易いため、水を加熱し易く気化し易い。
これに対し、LEDランプ1を転地逆転した向き(口金4が上)で使用すると、密閉空間S内の水が重力によりグローブ6の頂部に溜まることが想定される。しかし、本実施形態のLEDランプ1は、図5を用いて説明したように、ランプ全体を均一な温度に制御できるため、水がランプのどの部位に接触していても同じように気化させることができ、ランプの向きに係らず同じ条件で放熱機能を働かせることができる。
以上述べた実施形態の照明器具によれば、グローブ6で密閉した空間Sに液体を封入して減圧したため、発光モジュール2の放熱性を高めることができ、LEDランプ1の光出力を十分に高めることができ、所望する配光特性を得ることができた。
上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、LEDランプ1を図示の姿勢から転地逆転させた状態で使用することを想定して、グローブ6の内面に水が濡れ拡がり易くなるような毛細管状の加工を施しても良い。つまり、グローブ6の頂部の近くに溜まった水を毛細管現象を利用してグローブ6の内面に濡れ拡げて、放熱ケース3が露出した部位まで水を吸い上げるように、グローブ6の内面に細長い溝を形成しても良い。
1…LEDランプ、2…発光モジュール、3…放熱ケース、3b…基板載置面、4…口金、5…内側ドーム、6…グローブ。
Claims (9)
- 放熱体と、
この放熱体上に伝熱可能に形成された発光モジュールと、
この発光モジュールを覆い、上記放熱体との間に標準気圧未満の密閉空間を形成する透光性のグローブと、
上記密閉空間に封入された液体と、
を備える照明器具。 - 上記発光モジュールは、発光ダイオードを用いたものであり、
上記密閉空間内の圧力は、当該密閉空間内に封入した液体が60℃以上70℃以下で気化する圧力に設定されている請求項1の照明器具。 - 上記液体は透光性を有する請求項1または請求項2の照明器具。
- 上記発光モジュールを点灯させる点灯回路をさらに有し、
この点灯回路は、上記放熱体に接触して設けられている請求項1の照明器具。 - 上記グローブの内面には、液体が濡れ拡がり易い毛細管状の加工がなされている請求項1の照明器具。
- 上記グローブの内側で上記発光モジュールを囲んで密閉した透光性のドームをさらに有し、上記グローブと上記ドームの間に上記密閉空間を備える請求項1の照明器具。
- 上記ドームが上記発光モジュールを密閉した空間の気圧はほぼ標準気圧である請求項6の照明器具。
- 上記ドームに光拡散部材を用い、このドームの頂部が上記グローブの内部に位置する請求項6または請求項7の照明器具。
- 上記液体は水である請求項1乃至8のいずれかに記載の照明器具。
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