JP2013103780A - エレベータのインターロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で係合ローラに長尺物が引っ掛からないようにしたインターロック装置を提供する。
【解決手段】一実施形態のインターロック装置1は、一対の係合ベーン11と、係合レバー12と、ステム13と、係合ローラ14と、補助部材15とを備える。係合ベーン11は、籠ドア装置2のドアパネル21に取り付けられる。係合レバー12は、乗場ドア装置3のドアパネル31に設けられる。ステム13は、係合レバー12に固定され、ドアパネル31から離れる方向へ延びている。係合ローラ14は、ステム13の先端に取り付けられ、乗籠が着床した状態で係合ベーン11の間に配置される。補助部材15は、係合ローラ14の直径と少なくとも同じ直径に、係合ローラ14と係合レバー12の間のステム13の外周を覆う。
【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、エレベータの籠ドア装置と乗場ドア装置とを連結するインターロック装置に関する。
エレベータは、乗籠の籠ドア装置と各階に設置された乗場ドア装置とを連動させるインターロック装置を備えている。インターロック装置は、籠ドア装置に設けられる一対の係合ベーンと、各階の乗場ドア装置に2つずつ設けられる係合ローラとを含む。乗籠がある階に着床して籠ドア装置と乗場ドア装置とが対面する状態において、係合ローラは、係合ベーンの間に配置される。係合ベーンは、平行リンクに構成されている。一対の係合ベーンは、籠ドア装置が開き始めるときに互いの間隔を狭め、着床している階の係合ローラを挟む。
乗場ドア装置は、乗籠が着床していないときにドアパネルが不用意に開放されないようにするための係合機構を備える。係合装置は、乗場ドア装置の枠に固定された係合部とドアパネルに設置された係合レバーとを備える。係合レバーは、回動する先端に鉤を有しており、係合部に掛かっていることによってドアパネルを戸閉状態に保持する。
インターロック装置の係合ローラは、鉛直方向に対して少し傾いた配置で、係合状態の係合レバーに取り付けられている。係合レバーは、一方の係合ローラと同軸に設けられている。係合レバーは、籠ドア装置が開き始める際に係合ベーンの間隔が狭まる動作によって、係合ローラが鉛直方向に並ぶように、回動される。この結果、係合機構は、解除される。籠ドア装置と乗場ドア装置は、インターロック装置によって連結されているので、籠ドア装置が開くことによって、乗場ドア装置も開かれる。
特開2010−208727号公報 特開2006−290566号公報
インターロック装置の係合ローラは、係合ベーンの間に配置されるために、籠ドア装置側へ突出している。また乗籠と釣合錘を吊るすメインロープや乗籠と釣合錘の下に吊下げられるコンペンセイションロープなど、昇降路内に在るいわゆる長尺物は、地震によって建物が大きく揺れると昇降路内で揺れ動く。高層ビルのようにエレベータの昇降行程が長くなると、長尺物が昇降路の内壁に接触するくらい揺れることが予想される。このような場合に長尺物がインターロック装置の係合ローラのステムに引っ掛かるかもしれないことを想定し、対策を講じる必要がある。
そこで、本発明は、簡単な構造で係合ローラに長尺物が引っ掛からないようにしたインターロック装置を提供する。
一実施形態のインターロック装置は、一対の係合ベーンと、係合レバーと、ステムと、係合ローラと、補助部材とを備える。係合ベーンは、エレベータの乗籠に設置される籠ドア装置のドアパネルに取り付けられる。係合レバーは、エレベータの各階の乗場にそれぞれ設置される乗場ドア装置のドアパネルに設けられ、乗籠が着床していないときドアパネルを閉じた状態に保持する。ステムは、係合レバーに固定され、ドアパネルから離れる方向へ延びている。係合ローラは、ステムの先端に取り付けられ、乗籠が着床した状態で係合ベーンの間に配置される。補助部材は、係合ローラの直径と少なくとも同じ直径に、係合ローラと係合レバーの間のステムの外周を覆う。
第1の実施形態のインターロック装置を示す正面図。 図1に示したインターロック装置の係合レバーの斜視図。 第2の実施形態のインターロック装置の係合レバーを示す斜視図。 第3の実施形態のインターロック装置の係合レバーを示す斜視図。 第4の実施形態のインターロック装置の係合レバーを示す斜視図。 第5の実施形態のインターロック装置の係合レバーを示す斜視図。
第1の実施形態のインターロック装置1について、図1及び図2を参照して説明する。図1に示すエレベータのインターロック装置1は、乗籠の籠ドア装置2と乗籠が着床した階の乗場ドア装置3とを連動させる。インターロック装置1は、一対の係合ベーン11と、係合レバー12と、ステム13と、係合ローラ14と、補助部材15とを備える。
係合ベーン11は、エレベータの乗籠に設置される籠ドア装置2のドアパネル21に取り付けられる。係合ベーン11は、乗籠の移動方向に沿って平行な一対に構成され、平行リンク111によって平行な状態を保ったまま、互いの間隔が狭まるように変位する。本実施形態の場合、籠ドア装置2のドアパネル21は、両開き式に構成されている。一対の係合ベーン11は、片側のドアパネル21に取り付けられており、その内の戸当たり側の係合ベーン11がドアパネル21に固定されている。戸袋側の係合ベーン11は、平行リンク111によって変位する。
籠ドア装置2の枠22は、図1に示すように平行リンク111を動かすためのカムレール112を上部に有している。戸袋側の係合ベーン11は、このカムレール112に転接するカムローラ113を備えている。籠ドア装置2が開放され始める際に、カムローラ113がカムレール112のスロープ114を上ることによって、戸袋側の係合ベーン11が戸当たり側の係合ベーン11に接近するように変位する。
係合レバー12は、図1に示すようにエレベータの各階の乗場にそれぞれ設置される乗場ドア装置3のドアパネル31に設けられる。係合レバー12は、回動する先端に鉤121を有している。この鉤121は、乗場ドア装置3の枠32の上部に固定された受部122に係合し、乗籠が着床していないときドアパネル31を閉じた状態に保持する。
ステム13は、図2に示すように係合レバー12に固定され、ドアパネル31から離れる方向へ延びている。本実施形態において、ステム13は、2つ設けられている。1つのステム13は、係合レバー12の回動軸と同軸に配置される。もう1つのステム13は、係合レバー12が受部122に係合している状態において、係合レバー12の回動軸に対して鉛直な方向よりも戸当たり側にやや外れた位置に配置されている。
係合ローラ14は、図1及び図2に示すように2つ用意され、2つのステム13の先端にそれぞれ取り付けられている。係合ローラ14は、乗籠が着床した状態で係合ベーン11の間に配置される。ある階に対して乗籠が着床せずに通過する場合、係合ベーン11は、係合ローラ14の両側を通過する。
補助部材15は、図2に示すように、係合ローラ14の直径と少なくとも同じ直径に、係合ローラ14と係合レバー12の間のステム13の外周を覆う。第1の実施形態の場合、図2に示すように補助部材15は、ステム13に装着されたカラーであって、一部が切り開かれたC形に形成されている。補助部材15は、可撓性を有したゴムまたは合成樹脂で作られる。図2において、補助部材15は、端部が開いた状態に形成されているが、ステム13に装着された状態で端部が閉じるように構成されていてもよい。
以上のように構成されたインターロック装置1は、乗籠が着床した階において籠ドア装置2が開き始めると、係合ベーン11で係合ローラ14を挟み、籠ドア装置2と乗場ドア装置3とを連結した状態となる。この時、2つの係合ローラ14は、係合ベーン11に挟まれることによって、鉛直方向に並ぶように揃えられる。係合ローラ14が取り付けられている係合レバー12が回動し、鉤121が受部122から外れる。これによって、乗場ドア装置3のドアパネル31は、自由に移動することができるようになる。籠ドア装置2のドアパネル21が移動することに伴って、乗場ドア装置3のドアパネル31も移動する。
また、インターロック装置1は、ステム13に補助部材15が装着されている。この補助部材15は、係合ローラ14の直径と少なくとも同じ直径に形成されている。つまり、係合ローラ14と係合レバー12の間のステム13の外周に作られる段差は、補助部材15によって塞がれている。したがって、地震によって建物が大きく揺れた場合に、メインロープやコンペンセイションロープなどの長尺物が昇降路の内壁に接触するくらいに振れても、係合ローラ14に引っ掛からない。したがって、地震の後でエレベータの運行を再開する場合、長尺物がインターロック装置1に引っ掛かっているかもしれないという懸念が排除される。
以下に、第2から第5の実施形態のインターロック装置1について説明する。各実施形態において、第1の実施形態のインターロック装置1と同じ機能を有する構成は、各実施形態の各図中において、第1の実施形態の構成と同じ符号を付し、その説明は、第1の実施形態の対応する記載を参酌する。また、第2から第5の実施形態のインターロック装置1の全体構成は、第1の実施形態のインターロック装置1と同じであるので、図1及びその説明を参酌する。
第2の実施形態のインターロック装置1について、図3を参照して説明する。図3は、第2の実施形態のインターロック装置1の係合レバー12及びこれに取り付けられたステム13、係合ローラ14、補助部材15を示す。この補助部材15は、第1の実施形態の場合と同様のC形のカラーであって、弾力性を有したリング16が外周に装着されている。
リング16が装着されていることによって、長尺物が補助部材15の切り開かれた端部に当たることがあっても、補助部材15が簡単に外れない。リング16が取り付けられる場合、リング16を装着した状態の外径が少なくとも係合ローラ14の直径以上になるように構成される。つまり、補助部材15の外径は、リング16の厚み分だけ係合ローラ14の直径よりも小さくてもよい。
第3の実施形態のインターロック装置1について、図4を参照して説明する。図4は、第3の実施形態のインターロック装置1の係合レバー12及びこれに取り付けられたステム13、係合ローラ14、補助部材15を示す。補助部材15は、ステム13に装着されるカラーであって、少なくとも二分割に構成されている。第3の実施形態における補助部材15は、直径に沿って二分割された点対称に構成され、互いに嵌合しあう凸部151および凹部152を分割面に備えている。凸部151と凹部152は、締り嵌めの関係に形成されていてもよいし、接着剤で接合されてもよい。
また、凸部151と凹部152は、一度嵌めたら取れないように、可撓性のフックを備えていてもよい。さらに、第2の実施形態のように、外周に装着されるリング16を備えていてもよい。リング16を装着する場合は、装着されたリング16の外径が係合ローラ14の直径よりも大きければよい。補助部材15が二分割に構成されているので、C形の補助部材15に比べて硬い材質のもの、例えば硬質ゴムや合成樹脂のほかに、アルミニウム合金や真鍮などの金属も採用できる。補助部材15を金属製にする場合、凸部151と凹部152を設ける代わりにネジで接合してもよい。
第4の実施形態のインターロック装置1について、図5を参照して説明する。図5は、第4の実施形態のインターロック装置1の係合レバー12及びこれに取り付けられたステム13、係合ローラ14、補助部材15を示す。補助部材15は、係合ローラ14に装着されるスリーブであって、係合ローラ14と係合レバー12の間のステム13の外周を覆う長さの円筒形状である。第4の実施形態における補助部材15は、係合ローラ14に外挿される。したがって、係合ローラ14の直径は、補助部材15の厚み分だけ小さい寸法に形成されるか、係合ベーン11の間隔を補助部材15の厚み分だけ広く設定する。補助部材15は、ゴムや合成樹脂などの可撓性に優れた部材のほかに、鋼管など金属製のスリーブでもよい。
第5の実施形態のインターロック装置1について、図6を参照して説明する。図6は、第5の実施形態のインターロック装置1の係合レバー12及びこれに取り付けられたステム13、係合ローラ14、補助部材15を示す。補助部材15は、係合ローラ14に装着されてステム13の外周を覆うスリーブであって、係合ローラ14から係合レバー12に向かって直径が徐々に大きくなるテーパ部153を有している。テーパ部153は、係合ベーン11によって挟まれる範囲から外れている。
第5の実施形態における補助部材15は、第4の実施形態における補助部材15と同様に、係合ローラ14に外挿される。したがって、係合ローラ14の直径は、補助部材15の厚み分だけ小さい寸法に形成されるか、係合ベーン11の間隔を補助部材15の厚み分だけ広く設定する。補助部材15は、ゴムや合成ゴムなどの可撓性の部材のほかに、鋼管など金属製の部材でもよい。テーパ部153は、円錐面であってもよいし、係合ローラの外径部分になだらかにつながる曲面であってもよい。
以上のように、第1から第5の実施形態のいずれのインターロック装置1であっても、地震が発生して長尺物が振れても、係合ローラ14に引っ掛かることはない。また、このインターロック装置1の補助部材15は、構造が簡単であり、既設のエレベータのインターロック装置1にも追加で採用できる。
なお、第1及び第2の実施形態における補助部材15であるカラーの外周面は、係合ローラ14側から係合レバー12側に向かうにしたがって拡大するテーパ面であってもよい。また、2つの係合ローラ14及びそれぞれのステム13は、互いに距離が変わるものではない。したがって、2つのステム13に跨って、1つの補助部材15が装着されていてもよい。この時の補助部材15の外形は、係合ローラ14どうしの間に相当する部分がくびれていてもよいし、平行な側面で連結された長円形、いわゆる「小判型」、であってもよい。補助部材15は、あとから装着できるように構成されていなくてもよい。係合ローラ14を取り付ける前にステム13に装着されるリングであってもよい。係合ローラ14と係合レバー12との間のステム13の外径を係合ローラ14と同じ直径に形成してもよい。ただしその場合、係合レバー12を軽くするために、ステム13を中空にする。また、係合ローラ14の外輪そのものを係合レバー12の近傍まで形成してもよい。係合ローラ14と係合レバー12との間にできる隙間は、地震の時に振れると想定される長尺物の外径寸法の二分の一以下にする。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…インターロック装置、2…籠ドア装置、3…乗場ドア装置、11…係合ベーン、12…係合レバー、13…ステム、14…係合ローラ、15…補助部材、16…リング、21…(籠ドア装置の)ドアパネル、31…(乗場ドア装置の)ドアパネル、153…テーパ部。

Claims (7)

  1. エレベータの乗籠に設置される籠ドア装置のドアパネルに取り付けられる一対の係合ベーンと、
    前記エレベータの各階の乗場にそれぞれ設置される乗場ドア装置のドアパネルに設けられ前記乗籠が着床していないとき前記ドアパネルを閉じた状態に保持する係合レバーと、
    前記係合レバーに固定され前記ドアパネルから離れる方向へ延びたステムと、
    前記ステムの先端に取り付けられ前記乗籠が着床した状態で前記係合ベーンの間に配置される係合ローラと、
    前記係合ローラの直径と少なくとも同じ直径に前記係合ローラと前記係合レバーの間の前記ステムの外周を覆う補助部材と
    を備えることを特徴とするインターロック装置。
  2. 前記補助部材は、前記ステムに装着されたカラーである
    ことを特徴とする請求項1に記載されたインターロック装置。
  3. 前記カラーは、一部が切り開かれたC形に形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載されたインターロック装置。
  4. 前記カラーは、少なくとも二分割に構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載されたインターロック装置。
  5. 前記補助部材は、前記カラーの外周に装着される弾力性を有したリングを含む
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載されたインターロック装置。
  6. 前記補助部材は、前記係合ローラに装着されたスリーブである
    ことを特徴とする請求項1に記載されたインターロック装置。
  7. 前記スリーブは、前記係合ローラから前記係合レバーに向かって直径が徐々に大きくなるテーパ部を有している
    ことを特徴とする請求項6に記載されたインターロック装置。
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