JP2013102643A - 非接触充電器 - Google Patents

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Abstract

【課題】車載システムの通信に影響を及ぼし難くすることができる非接触充電器を提供する。
【解決手段】非接触充電器14は、ポーリング動作を行うことによって、自身に携帯電話13が置かれたか否かを監視する。非接触充電器14に携帯電話13が置かれた際、ホッピング処理部28は、充電電波Svcの周波数をスイープして、携帯電話13に最適な周波数を設定する。このとき、充電電波Svcの周波数スイープは、LFアンテナ25及びバンドパスフィルタ26から決まる帯域、つまりスマート信号の帯域(周波数帯域)を含まないように実施する。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯型電子機器を非接触により充電する非接触充電器に関する。
従来、低周波数の電波(磁界)を電子機器に送信して、電磁誘導により非接触で電子機器を充電する非接触充電器が普及し始めてきている(特許文献1等参照)。この種の非接触充電器では、今後の普及が予想されているWPC(Wireless Power Consortium)の規格が採用される可能性が高く、この規格品では使用周波数が例えば100〜200kHzの周波数が使用される。
特開2006−312821号公報
ところで、車両のキー操作フリーシステムでは、LF(Low Frequency)帯の電波として例えば約134kHzや約125kHzが使用されているので、前述の非接触充電器との間で、使用する周波数が重なる(オーバーラップする)可能性があった。よって、仮にWPC規格の非接触充電器を車内で使用すると、非接触充電器の電波がキー操作フリーシステムのノイズとなってしまう可能性があるので、何らかの対応策が要望されていた。
本発明の目的は、車載システムの通信に影響を及ぼし難くすることができる非接触充電器を提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明では、充電電波を無線により送信し、当該充電電波にて携帯型電子機器を充電する非接触充電器において、前記充電電波の周波数をスイープして前記携帯型電子機器に対する最適の周波数に設定する際、車載システムで使用される電波の帯域を少なくとも飛ばしてホッピングすることにより、前記充電電波の周波数を設定するホッピング処理手段を備えたことを要旨とする。
本発明の構成によれば、充電電波の周波数スイープを、車載システムで使用される電波の帯域(周波数帯域)を含まないように実施するので、この条件に沿って周波数スイープを行えば、充電電波の周波数を必然的に車載システムの電波の周波数に対してずらすことが可能となる。このため、充電電波の周波数と車載システムの電波の周波数とがオーバーラップしなくなるので、非接触充電器を車載システムの通信に影響を及ぼし難くすることが可能となる。
本発明では、前記ホッピング処理手段は、周波数スイープの際、前記ホッピングの間隔を、車載システムで使用される電波の帯域以上に設定し、かつ飛び飛びの値でホッピングしていくことにより、前記充電電波の周波数を設定することを要旨とする。この構成によれば、周波数スイープのホッピング間隔を、車載システムで使用される電波の帯域以上に設定し、この条件下において飛び飛びの値にホッピングして、周波数スイープを実行する。このため、予め決められた一定の間隔で繰り返しホッピングするという簡素な処理により、充電電波の周波数を設定することが可能となる。
本発明では、前記ホッピング処理手段は、周波数スイープの際、前記車載システムで使用される電波の帯域を、使用周波数に設定しない禁止帯域としてホッピングを行うことを要旨とする。この構成によれば、車載システムで使用される電波の帯域を周波数スイープの禁止帯域に設定したので、充電電波の周波数と車載システムで使用される電波の周波数とが、より確実にオーバーラップしなくなる。
本発明によれば、車載システムの通信に影響を及ぼし難くすることができる。
第1実施形態の非接触充電器の構成図。 負荷変調通信のイメージを示す信号波形図。 非接触充電器のポーリング動作のイメージを示すタイミングチャート。 (a)は受信信号に含まれる複数の周波数成分を示すスペクトル図、(b)はLFアンテナのスペクトル図。 ホッピングの具体的内容を示す充電電波のスペクトル図。 第2実施形態のホッピングの具体的内容を示す充電電波のスペクトル図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した非接触充電器の第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、車両1からの通信を契機に狭域無線通信(スマート通信:通信距離数m)により電子キー2とID照合(スマート照合)を行うキー操作フリーシステム3が搭載されている。キー操作フリーシステム3には、車外に位置する電子キー2とスマート照合が成立すると、乗降車する一連の操作過程の中で車両ドアが自動で施解錠されるエントリ機能がある。また、キー操作フリーシステム3には、車内に位置する電子キー2とスマート照合が成立すると、車内のプッシュモーメンタリ式のエンジンスイッチ4を単に押し操作するのみでエンジン5を始動することが可能なエンジン始動機能がある。なお、キー操作フリーシステム3が車載システムに相当する。
この場合、車両1には、電子キー2とのID照合を行う照合ECU6と、車載電装品の動作を管理するボディECU7と、エンジン5を制御するエンジンECU8とが設けられ、これらが車内バス9を通じて接続されている。照合ECU6のメモリ(図示略)には、車両1に登録された電子キー2のIDコードが記憶されている。照合ECU6には、車外にLF(Low Frequency)帯の電波(約134.2kHz)を送信可能な車外送信機10と、車内にLF電波を送信可能な車内送信機11と、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信可能な車両受信機12とが接続されている。
電子キー2が車外にあるとき、車外送信機10は、車外に数mの範囲でリクエスト信号Srqの車外通信エリアを断続的に形成して、車外スマート通信を実行する。電子キー2は、車外においてリクエスト信号Srqを受信すると、このリクエスト信号Srqにより起動して、ID照合(車外スマート照合)を行うべくID信号SidをUHF電波で送信する。ID信号Sidには、電子キー2のメモリ(図示略)に登録されたIDコードが含まれている。照合ECU6は、ID信号Sidを車両受信機12で受信すると、自身に登録されたIDコードで車外スマート照合を実行する。そして、車外スマート照合が成立すると、ボディECU7によるドアロック施解錠が許可又は実行される。
また、運転者が乗車したことが例えばカーテシスイッチ(図示略)により検出されると、車外送信機10に代えて今度は車内送信機11が車内全体にリクエスト信号Srqの車内通信エリアを形成し、車内スマート通信を開始する。このとき、電子キー2が車内においてリクエスト信号Srqを受信すると、車内スマート照合が実行される。そして、車内スマート照合が成立すると、エンジンスイッチ4による電源遷移操作及びエンジン始動操作が許可される。
車両1には、車内において携帯電話13を非接触により充電する非接触充電器14が搭載されている。非接触充電器14には、非接触充電器14を統括制御するコントローラ15が設けられている。コントローラ15には、非接触充電器14の電源16が接続されている。また、コントローラ15には、LF電波を送受信可能な充電用のアンテナ17が接続されている。この充電アンテナ17は、送電用コイル18と共振用のコンデンサ19とのLC回路からなる。送電用コイル18には、例えばスパイラルアンテナが使用されている。非接触充電器14は、無線通信によって携帯電話13に充電電波Svcを送信し、この充電電波Svcにて携帯電話13を非接触で充電する。非接触充電器14の通信規格には、WPC(Wireless Power Consortium)の規格が使用されている。なお、携帯電話13が携帯型電子機器に相当する。
非接触充電器14には、充電電波Svcの送信時において充電アンテナ17に流れる電流を検出する電流センサ20が設けられている。電流センサ20は、非接触充電器14が充電電波Svcを送信する際、検出した電流値をコントローラ15に出力する。コントローラ15は、電流センサ20から入力する電流検出信号を基に充電電波Svcの実出力を把握し、実出力が決められた目標値をとるように、充電アンテナ17に流れる電流、つまり充電電波Svcの出力をフィードバック制御する。
携帯電話13には、携帯電話13を統括制御する電話機能部21の他に、携帯電話13の電源となる着脱式のバッテリパック22が設けられている。バッテリパック22には、充電式のバッテリ23と、バッテリ23への充電動作を管理する充電モジュール24とが設けられている。充電モジュール24は、非接触充電器14との間のWPC規格の無線通信によってバッテリ23を充電する。充電モジュール24は、充電電波Svcから交流電圧を生成し、これを直流電圧に変換してバッテリ23を充電する。
図2に、WPC規格の無線通信の通信概念を示す。同図に示すように、まず非接触充電器14から充電モジュール24に送信信号Scrが出力される。送信信号Scrは、いわゆる無変調の搬送波(キャリア)である。充電モジュール24は、送信信号Scrを電源に起動すると、送信信号Scrに対する応答を返信する。このとき、充電モジュール24は、内部の負荷をオン/オフすることによって非接触充電器14から見たインピーダンスを変化させ、送信信号Scrに電圧変化を生じさせる。即ち、図2の波形振幅が小さくなった部分で示すように、この変化部分が負荷変調となり、これが非接触充電器14において負荷変調信号Sfhとして現れる。そして、非接触充電器14は、この負荷変調信号Sfhを読み取ることにより、充電モジュール24からの応答信号を受信する。
図3に示すように、非接触充電器14は、充電開始前、ポーリング動作を行い、携帯電話13が自身の上に置かれたか否かを監視するために、無変調の搬送波Swkを間欠的に送信する。このとき、携帯電話13が非接触充電器14の上に置かれると、非接触充電器14側において無変調の搬送波Swkの信号強度が変化する。よって、非接触充電器14は、無変調の搬送波Swkの信号強度が変化することを確認すると、非接触充電器14に携帯電話13が置かれたと判断する。
非接触充電器14は、自身の上に携帯電話13が置かれたことを認識すると、充電モジュール24との無線による認証通信を開始する。WPC規格の通信の場合、非接触充電器14は、認証通信中、無変調の搬送波を出力しているので、この搬送波に充電モジュール24が負荷変調によって乗せてきた各種データを読み取ることにより、データ通信を実行する。例えば、非接触充電器14は、認証通信において充電モジュール24から受電電力を入力し、この値と搬送波の伝送電力との差を算出する。そして、非接触充電器14は、その差が大きければ周波数を切り換えて、好適な周波数、つまり共振条件を見出して、バッテリ23を充電する。また、認証通信には、例えば充電モジュール24(携帯電話13)の認証や、現在のバッテリ23の充電状況(充電残量)の確認などもある。
非接触充電器14は、認証通信においてWPC規格への適合や受電電力などの特性を確認できると、充電通信を開始する。このとき、非接触充電器14は、充電モジュール24に無変調の充電電波Svcを共振周波数で送信することにより、バッテリ23を充電する。なお、充電中、定期的に充電モジュール24側から非接触充電器14に電力調整用のコマンドが出力され、その都度、好適な電力でバッテリ23が充電される。
図1に示す本例の非接触充電器14は、1つのみ設けられたマグネット(図示略)の吸着力によって充電相手を引き寄せて充電するマグネット吸引型となっている。マグネット吸引型の非接触充電器14は、自身の電源電圧を調整することができないので、充電電波Svcの周波数を調整することにより受電効率を制御して、携帯電話13のバッテリ23を充電する。
例えば、マグネット吸引型の非接触充電器14は、携帯電話13のバッテリ23が満充電に近づいてくると、充電電波Svcの周波数を、充電モジュール24の共振周波数からずらすことにより、受電効率を落とす。これにより、携帯電話13のバッテリ23に供給される電流を低く抑え、ゆっくり充電する。ちなみに、充電初期は、バッテリ23の充電量が少ないので、充電モジュール24の共振周波数に合わせて充電される。このため、受電効率が高く、早く充電される。
図1に示すように、非接触充電器14には、充電電波Svcがキー操作フリーシステム3の通信に影響を及ぼさないように充電電波Svcの出力を制御する充電電波出力制御機能が設けられている。これは、キー操作フリーシステム3及び非接触充電器14の両方ともLF電波を使用しているため、状況によっては、非接触充電器14の充電電波Svcが、キー操作フリーシステム3のLF電波であるスマート信号(リクエスト信号Srq等)に干渉するおそれも想定されるからである。よって、本例の充電電波出力制御機能は、非接触充電器14の充電電波Svcがキー操作フリーシステム3のスマート信号に影響を及ぼさないように、充電電波Svcの出力を制御する。
この場合、非接触充電器14には、LF電波を受信可能なLFアンテナ25が設けられている。LFアンテナ25は、フェライトに巻線を巻いたバーアンテナからなり、LF電波のスマート信号を受信可能な受電用コイルである。LFアンテナ25は、フィルタ26及びアンプ26aを介してコントローラ15に接続されている。フィルタ26は、例えばバンドパスフィルタが使用されている。アンプ26aは、フィルタ26から入力した受信信号を増幅してコントローラ15に出力する。
ここで、例えばスマート通信がAM(Amplitude Modulation)通信の場合、LFアンテナ25の端子電圧Vatは、次式(1)により求まる。なお、式(1)に記載のAは、時間関数である。
Vat=A(t)sin(ωct+θ) … (1)
ところで、図4(a)に示すように、スマート通信がAM(Amplitude Modulation)通信の場合、受信信号は、スマート信号の周波数fcの他に、A(t)の周波数成分との和/差、つまりfc+fa,fc−faなどの成分を持つ。このとき、仮に受信信号を正しく復調しようとするならば、これら周波数成分が受信帯域内に収まる必要がるので、受信帯域を広くとる必要がある。しかし、本例のLFアンテナ25において受信帯域を広くとってしまうと、充電電波Svcをスマート信号として受信してしまうことになるので、LFアンテナ25で充電電波Svcのみ受信するようにするには、図4(b)に示すように受信帯域を狭くするのが好ましい。
よって、本例の場合は、LFアンテナ25のQ値を高く設定するとともに、LFアンテナ25の下段にバンドパスフィルタ26を接続して受信帯域を絞ることにより、LFアンテナ25にかかる電波受信の帯域を狭くして、図4(b)に示す基本波成分、つまりスマート信号の周波数fcのみを受信可能とする。即ち、LFアンテナ25及びフィルタ26でスマート信号の周波数fcのみを、ピンポイントで受信することを可能にする。
図1に示すように、コントローラ15には、LFアンテナ25に発生する誘起電圧Vxを監視する誘起電圧監視部27が設けられている。誘起電圧監視部27は、アンプ26aで増幅された後の誘起電圧Vxを監視する。誘起電圧監視部27は、誘起電圧Vxが閾値以上になったことを確認すると、非接触充電器14の周囲にスマート信号が存在すると認識する。なお、誘起電圧監視部27がホッピング処理手段を構成する。
コントローラ15には、充電電波Svcの送信時、充電電波Svcの周波数(充電周波数)をスイープにより所定間隔でホッピングさせて、充電周波数を最適値に設定するホッピング処理部28が設けられている。ホッピング処理部28は、この周波数スイープによる充電周波数の設定を、充電開始時の他、定期的に実行したり、或いは充電モジュール24から取得する充電調整用のコマンドをトリガにして実行したりする。なお、ホッピング処理部28がホッピング処理手段を構成する。
ホッピング処理部28は、充電電波Svcにて携帯電話13のバッテリ23を充電する際、充電周波数をスイープにより所定間隔で動かし、どの充電周波数のときに携帯電話13から最も高い受信レベル(ピーク)の応答があるか否かを探索する。そして、ホッピング処理部28は、最も高いピークがあった周波数を、携帯電話13にとっての最適な周波数として設定し、この周波数にて充電電波Svcを送信する。即ち、非接触充電器14で携帯電話13を充電するとき、充電周波数は基本的に携帯電話13が決定する。
また、本例のホッピング処理部28は、充電電波Svcの周波数をスイープする際、ホッピングの間隔Lsを、LFアンテナ25及びバンドパスフィルタ26の両者で決まる帯域W以上の間隔で、かつデジタル的に飛び飛びの値でスイープする。これにより、スイープ処理において、ホッピングの間隔Ls内に必然的にスマート信号のピークが入ることになるので、充電電波Svcとスマート信号とは各々周波数が重ならない値に設定される。
コントローラ15には、LFアンテナ25に高い誘起電圧Vxが発生した際、充電電波Svcの出力を制御する出力制御部29が設けられている。ところで、本例の場合、ホッピング処理部28によって充電電波Svcとスマート信号とが厳密にオーバーラップすることがないように設定されるので、充電中でもLFアンテナ25はスマート信号を受信可能である。出力制御部29は、LFアンテナ25で高い誘起電圧Vxを検出した際、例えば充電電波Svcの出力を停止/低減することにより、充電電波Svcがスマート信号に影響を及ぼさないようにする。充電電波Svcの出力制御は、例えば充電アンテナ17に流れる電流をオン/オフしたり、電源16を直接オン/オフしたりすることで行われる。
次に、本例の非接触充電器14の動作を、図3及び図5を用いて説明する。
図3に示すように、非接触充電器14は、ポーリング動作によって周囲に無変調の搬送波Swkを断続的に送信することにより、自身の上に携帯電話13が置かれたか否かを探索する。非接触充電器14は、携帯電話13からポーリングに対する応答を負荷変調によって受信すると、携帯電話13との認証通信を実行する。非接触充電器14は、この認証通信により、充電モジュール24の共振周波数やバッテリ23の充電状況(電池残量)を把握する。
このとき、ホッピング処理部28は、ホッピングの間隔LsをLFアンテナ25及びバンドパスフィルタ26から決まる帯域W以上の間隔で、かつデジタル的に飛び飛びの値でスイープして充電電波Svcの周波数を設定し、この周波数で充電電波Svcを送信させる。図5では、例えば周波数をf1→f2→f3…の順で充電周波数をスイープさせ、ピークが出現した周波数が充電電波Svcの周波数として設定される。よって、非接触充電器14は、この周波数スイープで決まる充電周波数で充電電波Svcを送信し、携帯電話13のバッテリ23を充電する。ちなみに、図5の一点鎖線で示すように、バッテリ23の充電量が少ない充電初期は、充電周波数が充電モジュール24の共振周波数に合わせられるので、受電効率がよく、早く充電される。
ところで、本例のホッピング間隔Lsは、前述したように、LFアンテナ25及びバンドパスフィルタ26から決まる帯域W以上の間隔に設定されている。よって、この条件に沿って周波数スイープを実施すれば、必然的に充電電波Svcの周波数がスマート信号の周波数から外れ、充電電波Svcの周波数とスマート信号の周波数とがオーバーラップしないことになる。即ち、充電アンテナ17から充電電波Svcを送信する充電中であっても、LFアンテナ25でスマート信号を受信すること可能である。
また、図5の実線で示すように、充電末期は、バッテリ23が充分に充電されているはずであるので、受電効率を落として充電する。このとき、周波数スイープによって新たな充電周波数が再設定されることになるが、受電効率低下を狙った周波数変更であるので、結果、充電周波数がスマート信号の周波数に近づく可能性が高い。しかし、本例の周波数スイープを用いれば、充電周波数はスマート信号の周波数にオーバーラップしないように設定されるので、この点でも効果が高いと言える。
ここで、非接触充電器14から送信された充電電波Svcで携帯電話13が充電されている最中、非接触充電器14の周囲にスマート信号が発生したとする。誘起電圧監視部27は、LFアンテナ25の誘起電圧Vxが閾値以上になったことを確認すると、出力切換要求を出力制御部29に出力する。
出力制御部29は、誘起電圧監視部27から出力切換要求を入力すると、充電電波Svcの出力を停止/低減する。これにより、充電電波Svcの出力強度が弱まるので、充電電波Svcがスマート信号に影響を与え難くなる。即ち、充電電波Svcによってキー操作フリーシステム3の通信が妨害され難くなるので、車内に非接触充電器14を搭載する場合であっても、非接触充電器14がキー操作フリーシステム3の通信に影響を及ぼし難くなる。
誘起電圧監視部27は、LFアンテナ25の誘起電圧Vxが閾値未満になったことを確認すると、出力切換要求を出力制御部29に出力しなくなる。出力制御部29は、誘起電圧監視部27から出力切換要求を入力しなくなると、充電電波Svcの出力を元の値に戻す。即ち、出力制御部29は、LFアンテナ25がスマート信号を検出しない状態になると、充電電波Svcの出力に制限を加えず、通常の出力強度にて充電電波Svcを送信させる。そして、出力制御部29は、LFアンテナ25の誘起電圧Vxが閾値以上となる度に充電電波Svcの出力を停止/低減し、充電電波Svcがスマート通信に影響を及ぼさないようにする。
以上により、本例の場合、非接触充電器14にLFアンテナ25を搭載し、このLFアンテナ25でスマート信号を検出すると、充電電波Svcを出力制御(停止/低減)することにより、スマート信号に充電電波Svcの影響を及ぼし難くすることを前提としている。そして、充電電波Svcを送信する際、充電電波Svcを周波数スイープさせ、ピークが出現する周波数を、このときの充電対象となっている携帯電話13にとって最も適した周波数として設定し、この周波数の充電電波Svcにて携帯電話13を非接触により充電する。
また、本例の場合、充電電波Svcを周波数スイープする際、ホッピングの間隔LsをLFアンテナ25及びバンドパスフィルタ26から決まる帯域W以上の間隔で、かつデジタル的に飛び飛びの値でスイープするので、充電電波Svcとスマート信号の周波数が厳密にオーバーラップしなくなる。よって、非接触充電器14が充電電波Svcを送信する充電中であっても、LFアンテナ25でスマート信号を受信し易くなる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)充電電波Svcで携帯電話13を充電する際、充電電波Svcを周波数スイープすることにより、そのときの充電対象となった携帯電話13に最適の充電周波数が探索され、その周波数にてバッテリ23が充電される。よって、そのとき充電対象となった携帯電話13に即した充電周波数で充電することが可能となるので、携帯電話13のバッテリ23を効率よく充電することができる。また、充電電波Svcの周波数スイープは、LFアンテナ25及びバンドパスフィルタ26から決まる帯域W、つまりスマート信号の帯域(周波数帯域)を含まないように実施される。これにより、充電電波Svcの周波数とスマート信号の周波数とがオーバーラップしなくなるので、充電電波Svcがスマート信号に影響を及ぼし難くなる。従って、非接触充電器14の充電電波Svcを、キー操作フリーシステム3の通信に影響を及ぼし難くすることができる。
(2)充電電波Svcの周波数スイープのホッピング間隔Lsを、LFアンテナ25及びバンドパスフィルタ26から決まる帯域W以上に設定し、この条件下において飛び飛びの値にホッピングして、充電周波数を調整する。このため、予め決められた一定のホッピング間隔Lsにて繰り返しホッピングするという簡素な処理によって、充電電波Svcの周波数を設定することができる。
(3)充電電波Svcの周波数スイープを、LFアンテナ25及びバンドパスフィルタ26から決まる帯域Wを含まないように行うので、充電電波Svcの周波数とスマート信号の周波数とがオーバーラップしなくなる。このため、非接触充電器14が充電電波Svcを送信中であっても、スマート信号をLFアンテナ25で受信し易くなる。よって、非接触充電器14が充電を実行中であっても、LFアンテナ25での電波検出に準ずる充電電波Svcの出力制御(停止/低減)が実行可能となるので、スマート信号の妨害防止に一層効果が高くなる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図6に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態のホッピング処理の一部を変更したのみの構成であり、他の基本的な部分は同じである。よって、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
図6に示すように、本例のホッピング領域には、ホッピングを禁止する禁止帯域Wnが設けられている。本例の禁止帯域Wnは、スマート信号の帯域Wを少なくとも含む領域に設定されている。よって、本例のホッピング処理部28は、充電電波Svcを周波数スイープする際、禁止帯域Wnに到達するまでは第1実施形態と同様の形式でスイープを行い、禁止帯域Wnに到達すると、この禁止帯域Wnを飛ばし、続きの領域においてスイープを継続実行する。
以上により、本例の場合、周波数スイープの領域において、LFアンテナ25及びバンドパスフィルタ26から決まる帯域Wを、スイープを実施しない禁止帯域Wnとして設定し、それ以外の領域で周波数スイープを行って、充電電波Svcの周波数設定を実施する。よって、充電電波Svcの周波数がスマート信号周波数fcにオーバーラップすることが実質的に生じなくなるので、充電電波Svcの周波数を、より確実にfc以外の値に設定することが可能となる。
本実施形態の構成によれば、第1実施形態に記載の(1)〜(5)に加え、以下に記載の効果を得ることができる。
(6)LFアンテナ25及びバンドパスフィルタ26から決まる帯域Wを周波数スイープの禁止帯域Wnに設定したので、充電電波Svcの周波数とLFアンテナ25の周波数とを、確実にオーバーラップしないように設定することができる。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・各実施形態において、充電電波Svcの出力制御は、停止/低減に限定されない。例えば、充電電波Svcの出力を一旦大きく下げ、一定時間経過後、出力を徐々に上げていく方式をとってもよい。
・各実施形態において、車載システムは、キー操作フリーシステム3に限定されず、無線通信を行うシステムであれば、他のシステムでもよい。
・各実施形態において、充電電波Svc及びスマート信号の周波数は、LF帯に限定されず、他の周波数に変更してもよい。
・各実施形態において、周波数スイープのホッピング間隔Lsは、例えば低い周波数のときに間隔が小さく、LFアンテナ25の帯域W周辺のときに間隔が大きくなるように可変としてもよい。
・各実施形態において、ホッピング処理は、実施形態に述べた例に限定されず、他の方式に適宜変更可能である。
・各実施形態において、携帯型電子機器は、携帯電話13に限定されず、例えばICカード、高機能携帯電話(スマートフォン)、タブレット端末、携帯音楽プレーヤー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどでもよい。
・各実施形態において、携帯型電子機器は、電子キー2の機能を有する端末でもよい。
・第2実施形態において、ホッピング間隔Lsは、帯域W以上に設定されることに限定されず、第2実施形態ではスイープの禁止帯域Wnを設けているので、間隔を帯域W未満としてもよい。
・各実施形態において、充電に使用する通信は、WPC規格に則った通信に限定されず、他の規格を用いた通信でもよい。
・各実施形態において、フィルタは、バンドパスフィルタ26に限定されず、他の種類のフィルタを使用可能である。また、受信帯域を絞る方法は、フィルタを用いる方法に限定されず、他の方法を適宜使用可能である。
・各実施形態において、LFアンテナ25でスマート信号を検出した際、周波数スイープを実行するようにしてもよい。
・各実施形態において、本例の非接触充電器14は、LFアンテナ25でスマート信号を検出したときに充電電波Svcの出力を調整する構成を省略してもよい。即ち、本例の非接触充電器14は、周波数スイープによるホッピング処理のみ実施する構成でもよい。この場合、ホッピング処理で設定した充電周波数は、通信が終了するまでその周波数にて維持される。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)請求項1〜3のいずれかにおいて、前記携帯型電子機器の存在有無をポーリングにて確認するポーリング手段を備え、前記ポーリング手段が前記携帯型電子機器の存在を認識した際、前記ホッピング処理手段が周波数設定の動作を開始する。この構成によれば、非接触充電器は携帯型電子機器の存在有無を常時監視するので、例えば携帯型電子機器が置かれたら直ぐに充電を実施することが可能となる。
(ロ)請求項1〜3、前記技術的思想(イ)のいずれかにおいて、前記携帯型電子機器は、電子キーの機能を備えた端末である。この構成によれば、携帯型電子機器にキー機能を持たせるので、利便性確保に効果が高くなる。
3…車載システムとしてのキー操作フリーシステム、13…携帯型電子機器としての携帯電話、14…非接触充電器、28…ホッピング処理手段に相当するホッピング処理部、Svc…充電電波、W…帯域、Wn…禁止帯域、fc…スマート信号の周波数、Ls…ホッピング間隔。

Claims (3)

  1. 充電電波を無線により送信し、当該充電電波にて携帯型電子機器を充電する非接触充電器において、
    前記充電電波の周波数をスイープして前記携帯型電子機器に対する最適の周波数に設定する際、車載システムで使用される電波の帯域を少なくとも飛ばしてホッピングすることにより、前記充電電波の周波数を設定するホッピング処理手段を備えた
    ことを特徴とする非接触充電器。
  2. 前記ホッピング処理手段は、周波数スイープの際、前記ホッピングの間隔を、車載システムで使用される電波の帯域以上に設定し、かつ飛び飛びの値でホッピングしていくことにより、前記充電電波の周波数を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触充電器。
  3. 前記ホッピング処理手段は、周波数スイープの際、前記車載システムで使用される電波の帯域を、使用周波数に設定しない禁止帯域としてホッピングを行う
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触充電器。
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