JP2013099897A - 積層体およびレーザ溶着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】三層を一度に溶着することが可能なレーザ溶着方法および積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】この発明に従ったレーザ溶着方法は、樹脂を含むフレーム部1にCO2レーザを照射することでフレーム部の透過率を調整する工程と、フレーム部を、樹脂を含む天板および底板ではさんでフレーム部にレーザを照射することにより、これらを溶着する工程とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】この発明に従ったレーザ溶着方法は、樹脂を含むフレーム部1にCO2レーザを照射することでフレーム部の透過率を調整する工程と、フレーム部を、樹脂を含む天板および底板ではさんでフレーム部にレーザを照射することにより、これらを溶着する工程とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、積層体およびレーザ溶着方法に関し、より特定的には、レーザを用いた樹脂の溶着方法およびそれにより製造された積層体に関するものである。
従来、レーザを用いた溶着方法は、たとえば、ファインデバイスカタログ(非特許文献1)に開示されている。
ファインデバイスカタログ
上記の方法で溶着した場合には、三層を一度に溶着できないという問題があった。
そこで、この発明は上述の問題を解決するためになされたもので、三層を一度に溶着することが可能なレーザ溶着方法および積層体を提供することを目的とするものである。
そこで、この発明は上述の問題を解決するためになされたもので、三層を一度に溶着することが可能なレーザ溶着方法および積層体を提供することを目的とするものである。
この発明に従ったレーザ溶着方法は、樹脂を含む第一部材にCO2レーザを照射することで第一部材の透過率を調整する工程と、第一部材を、樹脂を含む第二および第三部材ではさんで第二部材側から第一部材にレーザを照射することにより、第一から第三部材を溶着する工程とを備える。
このように構成されたレーザ溶着方法においては、樹脂を含む第一部材にCO2レーザを照射することで第一部材の透過率を調整するため、容易に第一から第三部材を溶着することができる。
好ましくは、第一部材、第二部材および第三部材は塩化ビニルを含む。
好ましくは、樹脂を含む第一部材にCO2レーザを照射することで第一部材の透過率を調整する工程は、第一部材にCO2レーザを照射することで第一部材を炭化することを含む。
好ましくは、樹脂を含む第一部材にCO2レーザを照射することで第一部材の透過率を調整する工程は、第一部材にCO2レーザを照射することで第一部材を炭化することを含む。
好ましくは、樹脂を含む第一部材にUVランプ、X線およびガンマ線の少なくともいずれかを照射することで第一部材の透過率を調整する工程と、第一部材を、樹脂を含む第二および第三部材ではさんで第二部材側から第一部材にレーザを照射することにより、第一から第三部材を溶着する工程とを備えた、レーザ溶着方法。
好ましくは、樹脂を含む第一部材にUVランプ、X線およびガンマ線の少なくともいずれかを照射することで第一部材の透過率を調整する工程は、第一部材にUVランプ、X線およびガンマ線の少なくともいずれかを照射することで樹脂を分解することを含む。
この発明に従った積層体は、一部分が炭化した第一部材と、第一部材を挟むように配置された、樹脂を含む第二部材および第三部材とを備え、第一部材が溶融することで第二部材および第三部材が互いに溶着している。
以下、この発明を実施するための形態について説明する。
(実施例1)
図1は、CO2レーザが照射されて変色したフレーム部の平面図である。図1を参照して、フレーム部1(透明塩ビ)をレーザ溶着前にCO2レーザで照射することで補強シートを着色する。着色の濃淡は、パワー・走査速度、回数を制御して行う。レーザ照射の場合は、照射表面に炭化物が少しずつ現れて照射部分の色が透明から順にオレンジ色(塩ビの場合)、灰色、最後に黒と変化していく。底板(黒色塩ビ)と天板(透明塩ビ)間に上記CO2レーザ照射により透過率を制御したフレーム部を挟み上面から50W半導体レーザ(980nm)で照射することで天板、フレーム部、底板を同時にレーザ照射することができた。
(実施例1)
図1は、CO2レーザが照射されて変色したフレーム部の平面図である。図1を参照して、フレーム部1(透明塩ビ)をレーザ溶着前にCO2レーザで照射することで補強シートを着色する。着色の濃淡は、パワー・走査速度、回数を制御して行う。レーザ照射の場合は、照射表面に炭化物が少しずつ現れて照射部分の色が透明から順にオレンジ色(塩ビの場合)、灰色、最後に黒と変化していく。底板(黒色塩ビ)と天板(透明塩ビ)間に上記CO2レーザ照射により透過率を制御したフレーム部を挟み上面から50W半導体レーザ(980nm)で照射することで天板、フレーム部、底板を同時にレーザ照射することができた。
すなわち、レーザ溶着方法は、樹脂を含む第一部材としてのフレーム部にCO2レーザを照射することでフレーム部の透過率を調整する工程と、フレーム部を、樹脂を含む第二および第三部材としての天板および底板ではさんで天板側からフレーム部にレーザを照射することにより、フレーム部、天板および底板を溶着する工程とを備える。積層体は、一部分が炭化したフレーム部と、フレーム部を挟むように配置された、天板および底板とを備え、フレーム部が溶融することで天板および底板が互いに溶着している。
(実施例2)
フレーム部(透明塩ビ)をレーザ溶着前に紫外線ランプ(アズワン製紫外線ランプ16W,254nm)を照射して着色(一部樹脂分子が分解され“カラーセンター”ができる)しておく。着色の濃淡は、パワー・照射時間、回数を制御して行う。(X線やガンマー線でも着色可能。)紫外線ランプの場合は、樹脂分子が切断されることで光の吸収が生じてくる(光の波長と分子の長さの関係)底板(黒色塩ビ)と天板(透明塩ビ)間に上記紫外線ランプ照射により透過率を制御したフレーム部を挟み上面から50W半導体レーザ(980nm)で照射することで天板、フレーム部、底板を同時にレーザ照射することができた。
フレーム部(透明塩ビ)をレーザ溶着前に紫外線ランプ(アズワン製紫外線ランプ16W,254nm)を照射して着色(一部樹脂分子が分解され“カラーセンター”ができる)しておく。着色の濃淡は、パワー・照射時間、回数を制御して行う。(X線やガンマー線でも着色可能。)紫外線ランプの場合は、樹脂分子が切断されることで光の吸収が生じてくる(光の波長と分子の長さの関係)底板(黒色塩ビ)と天板(透明塩ビ)間に上記紫外線ランプ照射により透過率を制御したフレーム部を挟み上面から50W半導体レーザ(980nm)で照射することで天板、フレーム部、底板を同時にレーザ照射することができた。
図2は、CO2レーザが照射されて変色したフレーム部、何も照射されていないフレーム部および紫外線ランプを照射されて変色したフレーム部の平面図である。図2を参照して、何も照射されていないフレーム部11は無色透明であるのに対して、CO2レーザが照射されて変色したフレーム部12、紫外線ランプを1時間照射されて変色したフレーム部13、および紫外線ランプを5時間照射されて変色したフレーム部14は、それぞれ、光の透過率が低下している。
なお、フレーム部、天板および底板を構成する材料として、塩化ビニルに変えて、他の樹脂材料(PET、アクリル樹脂等)を用いることができる。
また、溶着のためのレーザとして、YAGレーザ、YVO4レーザ、ファイバレーザ等を用いることができる。
また、変色のためのレーザとして、THG−YAGレーザ、エキシマレーザ等の紫外線レーザがあり、変色のためのランプとしてエキシマランプ等を用いることができる。
上記の実施形態においては、フレーム部1もレーザ光に対して吸収を持たせることでフレーム部1が溶けて天板と溶着できる。
しかし有色のフレーム部は、特注となるため価格が高価となる。また樹脂にレーザ吸収を良くさせる塗装剤(クリアウェルド)を塗布し強固溶着できることは確認できたが、塗装剤が高価(数十万/数百g)であるという問題がある。
実施の形態では、安価にフレーム部1に着色し、且つレーザ透過率を制御(50%)とすることで、天板/フレーム部/底板の三層構造となるように組み付け、天板(透明)側からレーザ照射すると、フレーム部1、および底板が同時に加熱溶着できる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、レーザ溶着の分野において用いられる。
1,11,12,13,14 フレーム部。
Claims (6)
- 樹脂を含む第一部材にCO2レーザを照射することで前記第一部材の光の透過率を調整する工程と、
前記透過率が調整された第一部材を、樹脂を含む第二部材および第三部材で挟んで第二部材側から前記第一部材にレーザを照射することにより、前記第一部材、前記第二部材および第三部材を溶着する工程とを備えた、レーザ溶着方法。 - 前記第一部材、前記第二部材および前記第三部材は塩化ビニルを含む、請求項1に記載のレーザ溶着方法。
- 樹脂を含む第一部材にCO2レーザを照射することで第一部材の透過率を調整する工程は、前記第一部材にCO2レーザを照射することで前記第一部材を炭化することを含む、請求項1または2に記載のレーザ溶着方法。
- 樹脂を含む第一部材にUVランプ、X線およびガンマ線の少なくともいずれかを照射することで前記第一部材の透過率を調整する工程と、
前記透過率が調整された第一部材を、樹脂を含む第二および第三部材ではさんで前記第二部材側から前記第一部材にレーザを照射することにより、前記第一から第三部材を溶着する工程とを備えた、レーザ溶着方法。 - 樹脂を含む前記第一部材にUVランプ、X線およびガンマ線の少なくともいずれかを照射することで前記第一部材の透過率を調整する工程は、前記第一部材にUVランプ、X線およびガンマ線の少なくともいずれかを照射することで樹脂を分解することを含む、請求項4に記載のレーザ溶着方法。
- 一部分が炭化した第一部材と、
前記第一部材を挟むように配置された、樹脂を含む第二部材および第三部材とを備え
前記第一部材が溶融することで前記第二部材および第三部材が互いに溶着している、積層体。
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JP2011245367A JP2013099897A (ja) | 2011-11-09 | 2011-11-09 | 積層体およびレーザ溶着方法 |
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JP2017063159A (ja) * | 2015-09-25 | 2017-03-30 | ウシオ電機株式会社 | 配線基板の製造方法、配線基板及び配線基板製造装置 |
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