JP2013097876A - 光拡散部材、導光板、及び面光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度むらを軽減可能な光学部材を提供する。
【解決手段】互いに交差しない稜線を有する複数の溝間部からなる凹凸構造を、表面の一部又は全部に有する光学部材であって、稜線と直交する直交方向における凹凸構造の表面プロファイル曲線が、極小点と極大点とを交互に繰り返し、直交方向における、隣接する2つの極大点間の距離である第一のピッチが0.5〜200μmの範囲内で略一定の値であり、隣接する2つの極小点の示す高さの平均値と、隣接する2つの極小点の間の極大点の示す高さの値との差である溝間部の高さの、当該光学部材上における最大値と最小値との差を、最大値と最小値の和で除した値が0.05以上1以下であり、隣接する2つの溝間部の高さの差を、溝間部の高さの最大値と最小値の和で割った値が0.15を超えるものが全体の10%以下である、光学部材。
【選択図】図8

Description

本発明は、光学技術に関し、光拡散部材、導光板、及びエッジライト方式の面光源装置に関する。
液晶表示装置用の面光源装置には、大別して直下方式のものとエッジライト方式のものとがあるが、薄型化に適したエッジライト方式の面光源装置が多く用いられている。このようなエッジライト方式の面光源装置は、一般的には、光源からの光を液晶表示パネル側に出射させる導光板と、その側部に配置されたLED(発光ダイオード)やCCFL(冷陰極管)等の光源と、導光板から出射した光を液晶表示パネルの方向に向けるプリズムシート(入光面に対して平行な稜線を有するプリズム構造を表面に有する)等の光学シートから構成される。上記導光板は、一般に、出光面、出光面と対向する対向面、出光面と対向面に挟まれた少なくとも1つの側面である入光面を有し、その側面(入光面)から入射する光を板内部で繰り返し反射させて導光し、導光した光を対向面に設けた凹凸や光反射性インク等の光出射機構によって、出光面から液晶表示パネル側に出射させる。
ところで、このような導光板を複数の点光源と組み合わせて用いた場合、出光面の中心部(点光源からある程度離れた場所)では均一な輝度が得られるものの、点光源に近い入光面近傍においては、隣接する点光源の間に正対する部分は暗い一方、点光源に正対する部分は極端に明るくなるホットスポットと呼ばれる現象が発生し、出光面内に輝度ムラが生じてしまうという欠点がある(図24参照)。
そのため、光源として複数の点光源を用いた面光源装置においては、実質的に、導光板の入光面近傍の出光面は利用できないという問題がある。
そこで、このような輝度ムラを防止する導光板として、特許文献1には、入光面に、対称性を有した三角形状を貫欠した台形状の凹凸構造を設けた導光板が、特許文献2には、入光面に、開口部が略四角形で底部に円弧状の角部を有する窪みを設けた導光板がそれぞれ開示されている。
さらに、特許文献3には、点光源の中心より遠ざかるに従って深さが順次低減するように形成された溝を入光面に有する導光板が開示されている。また、特許文献4には、入光面に異方性拡散板を配置した導光板が開示されている。
なお、導光板ではないが、直下方式の面光源装置に使用される光拡散板として、特許文献5には、光源の中心より遠ざかるに従って大きさが徐々に小さくなる凹凸が入光面に形成された光拡散板の記載があり、特許文献6には、線状光源の中心より遠ざかるに従って入光面とプリズムの斜面とのなす角度が大きくなるプリズムが出光面に形成された光拡散板の記載がある。
特開2002−169034号公報 特開2003−215346号公報 特開平10−293202号公報 特開2010−86671号公報 特開平6−273763号公報 国際公開第2007/055115号パンフレット
前述した特許文献1〜4に記載されている先行技術は、点光源から入射した光を導光板の幅方向(入光面の長辺方向)に拡散させる異方性の凹凸構造を入光面に設けることによって、ホットスポットが出現する領域を狭くした導光板である。例えば、特許文献4の実施例に記載のルミニット社製のレンズ拡散板を入光面に設置した場合、ホットスポットが発生する領域は、図25に示すように、図24に示すレンズ拡散板を設けない例と比べて縮小すると考えられる。しかしながら、近年の省エネ及び低コスト化の観点から、LED光源を用いたエッジライト液晶表示装置においては、隣接する点光源間の間隔をさらに大きく設定することが求められており、前述の先行技術では対応できない場合があることを、本発明者らは見出した。
すなわち、光拡散性の高い規則的なレンチキュラーレンズ形状を入光面に有する導光板を使用した場合は、光拡散角度分布が高角度領域で高く、低角度領域で低いため、点光源間を広くすると点光源間に正対する部分は両側からの拡散光により明るい一方で、点光源に正対する部分が飛び飛びに暗くなる所謂フリップオーバーと呼ばれる現象が発生する(図26参照)。すなわち、レンチキュラーレンズにより、光直進性が不足する。
これに対して、アスペクト比の異なる凹凸形状を入光面の点光源に対向した位置に形成することで光拡散性と光直進性とを両立させた導光板(例えば特許文献3に記載のもの)も提案されている。しかしながら、点光源と導光板との相対位置のわずかなずれによって出光面の輝度均一性が大きく崩れるため、実際の使用には導光板と点光源との相対位置の精密な調整が必要になるという課題がある。
このような導光板と点光源との相対位置の精密な調整が不要、かつ光拡散性と光直進性とを両立させる手法として、ピッチの微細な異方性のスペックルパターン形状に代表される、ピッチと、アスペクト比と、が不規則な多数の微細凹凸形状を入光面に有する導光板(例えば特許文献4に記載のもの)を使用することも考えられる。しかしながら、本発明者らは、入光面に異方性のスペックルパターンを設けた場合、点光源間を広くしてもフリップオーバーは発生しにくいものの、ホットスポットを解消する能力が上記の光拡散性の高い規則的なレンチキュラーレンズ形状ほどは高くないことを見出した。すなわち、本発明者らは、点光源の間隔をさらに広くするためには、光拡散性が不足する場合があることを見出した。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、点光源と導光板との相対位置の変化による出光面の輝度均一性の変化がなく、かつ、光直進性と、光拡散性と、を両立させることで、隣接する点光源間の間隔が広い状態であっても輝度ムラを軽減することができる、光学部材、導光板、及び面光源ユニットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の光拡散性の高いレンチキュラーレンズ形状が示す光拡散角度分布(図26参照)と、光拡散性及び光直進性を併せ持つ異方性スペックルパターン形状が示す光拡散角度分布(図25参照)とから、光拡散性を低下させずに光直進性を持たせるための好ましい光拡散角度分布となる凹凸形状を考察した。そして、特定の凹凸形状によって上述の好ましい光拡散角度分布が実現できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の態様は、(a)互いに交差しない稜線を有する複数の溝間部からなる凹凸構造を、表面の一部又は全部に有する光学部材であって、(b)稜線と直交する直交方向における凹凸構造の表面プロファイル曲線が、極小値をとる極小点と、極大値をとる極大点と、を交互に繰り返し、直交方向における、隣接する2つの極大点間の距離である第一のピッチが0.5〜200μmの範囲内で略一定の値であり、(c)隣接する2つの極小点の示す高さの値の平均値と、隣接する2つの極小点の間に位置する極大点の示す高さの値と、の差である溝間部の高さの、当該光学部材上における最大値と最小値との差を、最大値と最小値の和で除した値が0.05以上1以下であり、(d)隣接する2つの溝間部の高さの差を、溝間部の高さの最大値と最小値の和で割った値が0.15を超えるものが全体の10%以下である、光学部材であることを要旨とする。
表面プロファイル曲面の例を示す図である。 表面プロファイル曲線を示す概念図である。 本実施形態に係る光学部材の概略斜視図である。 本実施形態に係る光学部材の有する凹凸形状の断面形状の一例である。 本実施形態に係る光学部材の概略断面図である。 本実施形態に係る光学部材の概略断面図である。 本実施形態に係る光学部材の概略斜視図である。 本実施形態に係る光学部材の概略斜視図である。 等ピッチで高さの等しいレンチキュラーレンズ構造、及びランダム構造の凸部に斜めから入射した光の経路を示す概念図である。 干渉露光により干渉縞を発生させる方法を示す概念図である。 本実施形態に係る導光板の斜視概略図である。 本実施形態に係る面光源装置の正面概略図である。 本実施形態に係る面光源装置に利用できる点光源(LED)の斜視概略図である。 本実施形態に係る面光源装置に用いる光学要素の構成例を示す図である。 本実施形態に係る面光源装置に用いる光学要素の構成例を示す図である。 本実施形態に係る面光源装置に用いる光学要素の構成例を示す図である。 本実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。 本実施形態に係る導光板を用いた液晶表示パネルの正面概略図である。 本実施形態に係る面光源装置を用いたテレビ受信装置の構成を示す図である。 実施例及び比較例の評価方向を示す図である。 実施例及び比較例の評価領域を示す図である。 実施例における光学部材1の直交方向における凹凸構造の断面形状の写真である。 実施例における光学部材2の直交方向における凹凸構造の断面形状の写真である。 従来技術に係る、光拡散性が低い場合に発生するホットスポット現象を示す概念図である。 従来技術に係る、入光面に設けた光拡散性を有する層によりホットスポット現象を抑制する原理を示す概念図である。 従来技術に係る、入光面に設けた光拡散性が高く光直進性が低い層により発生するフリップオーバー現象を示す図である。
最初に、光学部材が表面に有する凹凸構造の表面プロファイルについて、図1及び図2を用いて説明する。
XYZ直交座標において、XY平面に平行に光学部材の表面を配置したときに、点(x,y)に位置する凹凸構造の表面の高さをZ座標で表した曲面z=f(x,y)を、「表面プロファイル曲面」とよぶ。図1のAは等方性の光拡散性を示す凹凸構造の表面プロファイル曲面の一例であり、図1のBは異方性の光拡散性を示す凹凸構造の表面プロファイル曲面の一例である。
異方性の光拡散性を示す凹凸構造を構成する凸部は、特に凹凸構造が溝構造の場合には「溝間部」とよび、対応する凹部を「溝部」とよぶ。XY平面上で、当該凸部の底面を含む面積が最小の長方形における長辺方向、又は溝間部の稜線(プロファイル曲面の極大点が線状に連続したものをいう。)に平行な方向を「稜線方向」とよび、稜線方向と直交する方向を「直交方向」とよぶ。
上述の表面プロファイル曲面と、Z軸に平行な平面との交線を「表面プロファイル曲線」とよぶ。図2に概念図として示した直交方向の表面プロファイル曲線は、高さが極大値をとる極大点と、高さが極小値をとる極小点と、を繰り返し複数有する。異なる極大点に対する極大値は同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、異なる極小点に対する極小値は同じであってもよいし、異なっていてもよい。後に詳しく説明する図4のd,eに示すように、同じ値の極大値又は極小値が一定区間連続する場合は、当該区間の中心点がそれぞれ極大点又は極小点であるものとする。
表面プロファイル曲線において、隣接する2つの極大点の間の距離、又は隣接する2つの極小点の間の距離を「ピッチ」と呼ぶ。また、隣接する2つの極小点がとる高さの値の平均値と、当該2つの極小点の間に位置する極大点が取る高さの値との差を「溝間部の高さ」と呼ぶ。さらに、隣接する2つの極大点がとる高さの値の平均値と、当該2つの極大点の間に位置する極小点が取る高さの値との差を「溝部の深さ」と呼ぶ。
表面プロファイル曲線が有するピッチ、又は溝間部の高さ、もしくは溝部の深さが、光学部材から表面プロファイル曲線を切り出す方向によって異なる値をとる場合、凹凸構造は異方性を有するといい、同じ値をとる場合、凹凸構造は等方性を有するという。凹凸構造が異方性を有する場合、当該凹凸構造が与える光拡散性も異方性を有する。
以下、本実施形態(以下において、「本実施形態」という。)について、添付図面を参照して詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(光学部材の凹凸構造)
図3は本実施の形態に係る光学部材(「本実施形態の光学部材」という。)の一例の概略斜視図である。
本実施形態の光学部材は、互いに交差しない稜線を有する複数の溝間部からなる凹凸構造を、表面の一部又は全部に有している。複数の溝間部の稜線は、例えば、互いに平行に配列した直線であってもよく、略同一ピッチに配列した曲線であってもよい。あるいは、稜線は、平均ピッチの半分以下の振幅で隣接する稜線とのピッチを変動させていてもよい。
稜線方向と直交する方向における凹凸構造の表面プロファイル曲線は、極小値をとる極小点と、極大値をとる極大点と、を交互に繰り返す。稜線方向と直交する方向における隣接する2つの極大点間の距離で定義される第一のピッチは、0.5〜200μmの範囲内で略一定である。隣接する2つの極小点の示す高さの値の平均値と、隣接する2つの極小点の間に位置する極大点の示す高さの値と、の差で定義される溝間部の高さの、当該光学部材上における最大値と最小値との差を、最大値と最小値の和で除した値((最大値―最小値)/(最大値+最小値))は、0.05以上1以下である。また、隣接する2つの溝間部の高さの差を、溝間部の最大値と最小値の和で割った値は、0.15を超えるものが全体の10%以下である。
ここで、「第一のピッチが略一定である」とは、第一のピッチの局所的平均値(稜線方向に直交する方向における表面プロファイル曲線上の連続する10個の極大点間の9個のピッチの測定値を大きさの順に並べ、最大値と最小値を除いた7点の平均値で定義する。)を凹凸構造の任意の11箇所について測定したときに、11箇所のそれぞれの局所的平均値の総てが、11箇所の局所的平均値の平均値±5%の範囲に入ることと定義する。
なお、光学部材は複数の表面を有し、凹凸構造が形成されている面内において、凹凸構造を有する部分と、平坦な部分と、が混在していてもよい。具体的には、当該光学部材が後述する導光板であり、当該面が入光面である場合に、点光源の配置されない端部を平坦とする例があげられる。
この凹凸構造の表面プロファイル曲線において、各々の溝間部に対応する部分の形状は、上述した溝間部の高さに関する要件を満たす限りにおいて、例えば図4に示すように、レンチキュラーレンズ形状(図4b)であってもよく、プリズム形状(図4a,d)であってもよく、曲線を組み合わせた形状(図4c,h)でもよく、その他曲線と直線を組み合わせた形状(図4e,f,g)であってもよい。
凹凸構造の表面プロファイル曲線は、図5に示すように、溝間部の高さが直交方向に単調に減少又は増加してもよい。
また、凹凸構造の表面プロファイル曲線は、図6に示すように、溝間部の高さが、直交方向において、連続して第一の所定の値をとった後、連続して当該第一の所定の値と異なる第二の所定の値をとる部分を有してもよい。ここで、溝間部の高さが中央値±5%の範囲内で複数連続した場合を、溝間部の高さが所定の値で複数連続したといい、その中央値を所定の値とする「凹凸構造群」とよぶ。一つの凹凸構造群において、所定の高さで複数連続する溝間部の数としては、隣接する溝間部の高さが略一定であることが拡散性を向上させることから、10以上であることが好ましく、より好ましくは20以上である。また、稜線方向に直交する方向における一つの凹凸構造群の距離は、点光源の発光面積に依存しない光拡散性を発現するために5mm以下であることが好ましく、より好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。ここで、凹凸構造群が3以上連続した部分があってもよい。その場合は、隣り合う凹凸構造群同士が、互いに異なる値の溝間部の高さを有していればよく、隣接していない凹凸構造群同士は同一の値の溝間部の高さを有してもよい。
また、上述したピッチに関する要件を満たす限りにおいて、図7に示すように、略一定の第一のピッチよりもピッチの大きな部分が局所的に存在してもよい。このようなピッチの大きな部分を必要に応じて持たせることで、より光直進性を向上させることができる。ただし、光拡散性を維持するためにピッチの大きな部分のピッチは500μm以下であることが好ましい。より好ましくは200μm以下である。
また、凹凸構造の表面プロファイル曲線は、図8に示すように、稜線方向に直交する方向において、溝間部の高さが、第一のピッチ平均値より大きい第二のピッチで増加、及び減少を交互に繰り返す部分を有してもよい。ここで第二のピッチとは、直交方向において、ある極大値の高さを有する溝間部から、略同じ高さを有する溝間部までの距離を指す。
また、凹凸構造の表面プロファイル曲線は、図8に示すように、溝間部の高さが、第一のピッチの平均値より大きい第三のピッチで稜線と平行な稜線方向に増加、及び減少を交互に繰り返す部分を有してもよい。ここで第三のピッチとは、溝間部の高さの稜線方向における極大値を与える点から隣接する極大値を与える点、あるいは溝間部の高さの稜線方向における極小値を与える点から隣接する極小値を与える点までの距離を指す。
溝間部の高さは、少なくとも最大値と、最小値と、の2つの値を有する。最大値と最小値との差を、最大値と最小値の和で除した値((最大値―最小値)/(最大値+最小値))は、0.05以上1以下であり、好ましくは0.10以上1以下であり、さらに好ましくは0.25以上1以下である。これにより、第一のピッチが略一定である一方で、溝間部の高さが最小値と最大値とを有することになる。そのため、直交方向にアスペクト比(溝間部の高さを第一のピッチで割った値で定義する。)の異なる凸部を有することになり、直交方向を含む平面を通過する光に、光直進性と、光拡散性と、を付与することができる。
また、本実施の形態に係る光学部材において、隣接する2つの溝間部の高さの差を、溝間部の最大値と最小値の和で割った値は、0.15を超えるものが全体の10%以下であり、好ましくは0.10を超えるものが全体の10%以下であり、より好ましくは0.05を超えるものが全体の10%以下である。これにより、後述するように、空気層から凹凸構造に入射できる光の角度及び入射位置を限定することができる。
即ち、点光源がランバーシャンタイプのLEDである場合、発光面から発する光の角度分布の半値幅は例えば120°であり、凹凸構造に斜め方向から入射する光も含んでいる。凹凸構造が、図9(a)のようにレンチキュラーレンズ形状の場合は、ピッチと材料の屈折率に応じて形状を最適化することで、凸部内部での多重反射(凹凸構造の凸部に入射した光が入射した凸部の斜面の向かいの斜面で再度反射される現象)により高角度で入射した光が低角度で出射されることを防ぎ、高い光拡散性を持たせることができる。しかしながら、この場合には、光直進性を犠牲にすることになり、点光源の間隔を離した場合にはフリップオーバーを十分に抑制できない。
一方、凹凸構造が、図9(b)のようにランダム形状、例えばスペックルパターンの場合は、複数のアスペクト比を有するために、光直進性も有する。しかしながら、隣接する凸部の高さが低い場合に凸部内部での多重反射が発生し、一部の光が低角度に出射されてしまうため光拡散性が上記の最適化されたレンチキュラーレンズ形状には及ばず、点光源の間隔を離した場合にはホットスポットを十分に抑制できない。
これに対して、本実施形態に係る光拡散部材が有する凹凸構造は、凸部が複数のアスペクト比を有していながら、隣接する溝間部の形状がランダムではなく規定されていることにより多重反射を防ぐことができるので、点光源の間隔を離した場合においても、光拡散性と、光直進性と、を両立させることができる。
溝間部の高さは、光拡散効果を奏するために0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。また、溝間部の高さは、凹凸構造の破損を防ぐという観点から100μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。また、凹凸構造の群を有する場合の、隣り合う凹凸構造群間の高さの値の差は、拡散性の差を出すために10%以上であることが好ましい。隣り合う溝間部の高さが大きく異なる場合、構造が破損する可能性が高くなるため、当該所定の値の差は70%以下であることが好ましく、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。
図8で説明した第一のピッチは、0.5〜200μmの範囲である。第一のピッチが0.5μm以上であれば、可視光(波長が380nm〜780nmの電磁波)の光拡散効果にすぐれるので好ましい。より好ましくは0.78μm以上である。また、第一のピッチが200μm以下であれば、代表的な点光源であるLEDの幅より十分に小さく、点光源と凹凸構造とを精密に位置あわせする必要がない。より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
第二のピッチは、点光源の発光面積に依存しない光拡散性を発現するために、5mm以下であることが好ましく、2mm以下がより好ましく、1mm以下が最も好ましい。また、隣り合う溝間部の高さの差が小さい方が光拡散性を向上することができるため、第二のピッチは100μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましく、500μm以上が最も好ましい。また、第二のピッチは、第二のピッチに対して発光面積の大きな光源の光を均一に拡散させるという観点から、凹凸構造が形成されている領域において略一定であることが好ましい。
第三のピッチが小さいとき、稜線方向の凹凸構造のアスペクト比が高くなり、稜線方向に微小な拡散性を賦与することができる。この微小な拡散性を制御すること、すなわち第三のピッチの大きさを制御することにより、例えば面光源装置を構成する導光板の入光面に利用したときの入光面近傍における輝度分布などの、光学性能の微調整が可能となる。ただし、稜線方向に大きすぎる光拡散性を有さないために0.5mm以上であることが好ましい。
また、本実施形態の光学部材を、直交方向を長辺とし稜線方向を短辺とするに短冊状に切って利用する場合、長距離にわたって直交方向に拡散性の等しい凹凸形状が形成されないように、第二のピッチが第三のピッチよりも小さいことが好ましい。また、光学性能を均一にする観点から、第三のピッチは凹凸構造が形成されている領域において略一定であることが好ましい。
本実施形態の光学部材は、上述の凹凸構造であって、第一のピッチの平均値、第二のピッチの平均値、第三のピッチの平均値のうち、少なくとも1つの平均値が、他の平均値と異なる複数の凹凸構造を、表面の一部又は全部に有しているものであってもよい。このように1つの基材上に光学性能の異なる、すなわち第一、第二及び第三のピッチの平均値の少なくとも1つが異なる複数の凹凸構造を設けることで、位置によって光拡散特性の異なる光学部材を製造することが可能となる。
(光学部材)
光学部材は、上述の凹凸構造を少なくとも片方の主面の一部に有するフィルム状部材とすることができる。フィルム状部材は基材フィルムに凹凸構造が一体となって形成されてもよいし、光透過性の基材からなる基材フィルム層、及び凹凸構造を有する樹脂層の少なくとも2層から構成されてもよい。また、凹凸構造とは反対側の主面に粘着材からなる接着層を有していてもよい。加工性の観点から基材層と拡散層の少なくとも2層で構成されていることが好ましい。
また、光学部材は、上述の凹凸構造を少なくとも一面の一部に有する板状部材とすることができる。板状部材は、板状基材に凹凸構造が一体となって形成されてもよいし、光透過性の板状基材からなる透明基板と、凹凸構造を有する樹脂層と、の少なくとも2層から構成されてもよい。また、透明基板の一面に、上述のフィルム状部材を接着することで構成することもできる。
基材としては、光透過性を有するフィルム又は板等を用いることができる。基材及び/又は凹凸構造を有する樹脂層の材質としては有機材料、無機材料、又は有機材料と無機材料からなる複合材料を用いることができる。
ここで、有機高分子材料等の有機材料は、切断等の加工性に優れるため好ましい素材である。有機高分子としては、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスルホン、セルロース、トリアセチルセルロース、セルロースアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロロビニル、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリ(メタ)アクリレート、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、シクロオレフィンポリマー、及び硬化させた紫外線硬化樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
フィルム状基材の材料としては、特にポリエステルフィルムが好ましい。また、板状基材の材料としては、特にポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、及びメチルメタクリレート−スチレン系共重合体が、透明性の観点から好ましく、後述する導光板に好適に利用できる。凹凸構造を有する樹脂層の材料としては、凹凸構造の賦形が容易であることから、液状の紫外線硬化樹脂を光硬化させたものが好ましい。
また、これらの有機材料には、必要に応じて、有機や無機の染料や顔料、艶消し剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、整色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、不純物の捕捉剤、増粘剤、表面調整剤及び離型剤等の添加剤を本実施形態の目的を損なわない範囲で含有していてもよい。
(光学部材の製造方法)
上述の凹凸構造を表面に有する光学部材は、例えば次のようにして作製することができる。
まず、後述する干渉露光法により、凹凸構造を形成した感光性媒体からなるサブマスタ型を作製し、次に、上述のサブマスタ型に電鋳によって金属を被着することにより、この金属に凹凸構造を転写して剥離させ、マスタ型を作製する。さらに、光透過性フィルム又は板からなる基材に、上述のマスタ型を用いて紫外線硬化樹脂による賦形を行うことにより、光透過性基材の表面に凹凸構造を転写することで、目的とする光学部材を作製することができる。
第一のピッチが略一定の互いに交差しない稜線を有する複数の溝間部ならなる凹凸構造を有するサブマスタ型は、以下の手順で作製される。まず、距離d離れた波長λの2つのコヒーレントな光(例えばレーザー光)を、光源からの距離Lの位置で干渉させることで、隣り合う明部の間Pがλ・L/dで略一定の干渉縞が形成されることを利用して、この干渉縞により感光性媒体を露光する。干渉露光法に使用可能な光学系の一例を図10に示す。
さらに、感光性媒体に間隔P1の干渉縞を露光した後に、わずかに異なる間隔P2の干渉縞を重ねて二重露光させることで、干渉縞同士のモアレを発生させる。次に、感光性媒体を現像することによって、第一のピッチが略一定(=P1、P2)で、溝間部の高さが単調に増加又は減少する凹凸構造、溝間部の高さが第一のピッチより大きい第二のピッチで直交方向に増加・減少を交互に繰り返す凹凸構造、あるいは溝間部の高さが第一のピッチより大きい第三のピッチで稜線方向に増加・減少を交互に繰り返す凹凸構造を、上記サブマスタ型に形成することができる。第二のピッチは、(干渉縞の間隔P1)×(干渉縞の間隔P2)/(干渉縞の間隔の差P2−P1)で決定される。また、マスクを用いて、干渉縞のパラメータ(λ、d、L)を変更して複数回露光を行うことで、面内にピッチが異なる複数の凹凸構造を形成することもできる。
干渉露光法によれば、機械加工では困難なピッチが10μm以下の微細な3次元構造を有するサブマスタ型をも作製することができる。また、10μmより大きいピッチであれば、機械加工により樹脂又は金属からなる同様のサブマスタ型を作製することができる。例えば、溝間部の高さが、直交方向に第一の所定の値で複数連続した後、第一の所定の値と異なる第二の所定の値で複数連続する凹凸構造は、機械加工により作製することが好ましい。
(導光板)
次に、図11に一例を示す、本実施形態に係る導光板2について説明する。本実施形態に係る導光板2は、本実施形態に係る凹凸構造を少なくとも一面の一部に有する板状部材からなる。本実施形態に係る導光板の形状(外形)は、出光面21、これに対向する対向面23及びこれらに挟まれた側面である入光面22を有していれば特に限定はない。また、入光面22は少なくとも1つあればよく、2つ又はそれ以上あってもよい。導光板2の厚さ(入光面における、出光面と対向面との間の距離)に限定はないが、例えば、2.0〜5.0mm程度とすることができる。出光面21と対向面23とは平行であってもよく、入光面22から遠ざかるにつれて出光面21と対向面23との間隔が狭くなる楔形状であってもよい。
導光板2が入光面を2つ有する場合、導光板2の形状は出光面21と、出光面21と対向する反射面23と、を主面とする平板状の直方体(他の部材への取り付けのために切り欠き部や耳部を有する場合を含む)であることが好ましく、さらに、2つの入光面が対向していることが好ましい。この場合、対向する二つの入光面は長さが同じであるため、点光源の数や種類を同一にし、部品の共通化を図ることができるというメリットがある。
前述した凹凸構造は、導光板2の少なくとも1面に形成されていればよいが、出光面21における輝度均一性の観点から入光面22に形成され、入光面22の長辺方向を稜線の直交方向とすることが好ましい。この場合、導光板2の入光面22以外の面においては、導光板2の技術分野における公知の構造が設けられていてもよい。そのような構造としては、対向面23に設けられる凹凸や光反射性インクドット等の光出射機構、出光面21に設けられるレンチキュラーレンズ構造等の光直進性アシスト機構があげられる。
(面光源装置)
次に、図12に示す本実施形態に係る面光源装置11の一例について説明する。本実施形態に係る面光源装置11は、本実施形態に係る導光板111と、導光板111の出光面に対向して配置され面光源装置11が外部に発光する発光エリア114を画定するフレームと、導光板111の少なくとも1つの入光面113の近傍に配置された複数の点光源112と、を有する。
点光源112に限定はないが、LED(発光ダイオード)を用いることが好ましい。LEDの種類に限定はなく、例えば、青色LEDにより緑色、赤色蛍光体を励起するワンチップタイプの擬似白色LED、赤色/緑色/青色LEDを組み合わせて白色光を作るマルチチップタイプ、更には近紫外LEDと赤色/緑色/青色蛍光体を組み合わせたワンチップタイプの擬似白色LED等が挙げられる。
図13に、本実施形態で使用可能な、横幅122を有する発光面121を備える、箱型のLEDの一例の概略図を示す。なお、LEDの外形や発光面のサイズに限定はないが、外形が5.6mm(幅)×3.0mm(高さ)×1.0mm(厚み)程度で、発光面の横幅が5mm以下のものが一般的に使用されている。
図12に示す点光源112の配置方法に限定はないが、導光板111の入光面113に沿って(出光面に平行に)一直線上に等間隔(「等間隔」には±10%の誤差を含むものとする)に配置することが好ましい。この場合、点光源112の配列ピッチPは、輝度ムラ防止の観点から狭くして、点光源112がなるべく密に配置されている方がよく、基板上への実装制約の観点ではある程度距離が開いている方がよい。点光源112の配列ピッチは、好ましくは5mm〜200mm、より好ましくは10〜100mmである。
点光源112の発光面と、導光板111の入光面113と、の距離は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.3mm以上5mm以下である。点光源112の発光面と、導光板111の入光面113と、の距離を離すと、導光板111に入射する光の量は、逆2乗の法則により減少し、結果的に出光面から出る光の総量も減少してしまう。したがって、点光源112の発光面と、本実施形態に係る導光板111の入光面113と、の距離は近いことが好ましい。一方、点光源112の周辺では熱が発生し、導光板111が膨張するため、膨張に耐えうる隙間を残しておく必要もあり得る。
本実施形態に係る面光源装置においては、導光板及び点光源に加え、拡散シートや反射シート等の、所謂エッジライト方式の面光源装置において一般に採用される光学要素をさらに含むことができる。具体的には、拡散シートを導光板の出光面上方に配置したり、反射シートを導光板の反射面下方に配置したりすることができる。さらに、導光板の出光面上方には、拡散シート以外にも、プリズムシートや、レンチキュラーレンズシート、マイクロレンズシートなどの集光シートや、液晶パネルの偏光板での光学損失を回避するための偏光反射シートなどを配置することもできる。具体的な光学要素の構成としては、例えば図14(a)に示すように、導光板上に導光板側から、第1のプリズムシート(稜線が点光源に対向する入光面と直交)、第2のプリズムシート(稜線が点光源に対向する入光面と平行)、及び拡散シートを配置する構成がある。あるいは、図14(b)に示すように、第1及び第2のプリズムシートの順番を上記と入れ替えた構成もある。また、図15(a)、(b)に示すように、これらの構成の導光板側に拡散シートを追加した構成もある。さらに、図16(a)に示すように、拡散シート、プリズムシート(稜線が点光源に対向する入光面と平行)、及び偏光反射シートを配置する構成や、図16(b)に示すように、拡散シート、第1のプリズムシート(稜線が点光源に対向する入光面と直交)、第2のプリズムシート(稜線が点光源に対向する入光面と平行)、及び偏光反射シートを配置する構成などもあるが、これらに限定されるものではない。なお、図14乃至図16においては、光源を線光源状に記載しているが、これは複数の点光源からなる光源を表している。
反射シートとしては、光を反射させることのできるものであれば、様々なものを用いることができる。例えば、ポリエステル、ポリカーボネートなどの樹脂を発泡させて内部に微細な空気の粒を入れシート状としたもの、2成分以上の樹脂を混合してシート状としたもの、及び屈折率の異なる樹脂層を積層したシートなどを用いることができる。また、反射シートは、表面に凹凸形状が形成されていてもよい。これらには、必要に応じて、表面に無機微粒子などを添加したものを用いることができる。反射シートは光を高効率で反射させるものであり、面光源装置として光の利用効率を高める場合に好ましく使用できる。また、導光板の側面に配置することで、光の利用効率を向上させることも可能である。
拡散シートとしては、光を拡散させることのできるものであれば、様々なものを用いることができる。例えばポリスチレン、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどに、光を拡散させる効果がある有機ポリマーや無機微粒子を添加したものを用いることができる。これらの拡散シートは、光を拡散させ、下部光源の光を均一化させる効果がある。また、拡散シートは、表面に凹凸形状が形成されていてもよい。これらには、必要に応じて、有機ポリマーや無機微粒子を添加したものを用いることができる。また、2成分以上の樹脂を混合し、延伸してシート状とした拡散板も用いることができる。拡散シートは光をよく拡散させるものであり、面光源装置として出射光の輝度の面内均一性を高める場合に好ましく使用され、本実施形態に係る面光源装置にも好ましく使用できる。
マイクロレンズシートとしては、例えばアクリル系樹脂の球状ビーズがポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、或いはポリカーボネート等のシート上に塗布されたシートを用いることができる。また、他には紫外線硬化樹脂による微細な凹凸構造がポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、或いはポリカーボネート等のシート上に転写されたシートを用いることもできる。このようなレンズシートは、光を拡散させ均一化させる効果とともに、拡散された光を集光する機能を有する。
プリズムシートとしては、例えばアレイ状のプリズム配列構造を有する光学シートを用いることができる。プリズムシートは導光板の出光面から出射した光の向きを垂直に変換するため、強い正面輝度向上効果を持つと共に、光源ユニット中での光のリサイクル効果を高め出射光の輝度の面内均一性を高める効果を持ち、本実施形態に係る面光源装置にも好ましく使用できる。レンチキュラーレンズシートも同等の効果を有するが、拡散された光を一方向に集光する機能を有する。
偏光反射シートとしては、たとえば3M社のDBEFなどを用いることができる。偏光反射シートは、併せて配置される液晶パネルにおいて使用される偏光成分のみを液晶パネルに供給し、不要な偏光成分は面光源装置側に反射させて、再度液晶パネルにおいて利用可能な偏光成分を生み出す効果を持ち、面光源装置の光の利用効率を高めるために使用されるもので、本実施形態に係る面光源ユニットにも好ましく使用できる。
本実施形態に係る面光源装置は出光面に対向して出向面の外縁部を遮光するフレームを有する。当該フレームにより導光板の固定部分や輝度ムラが残存している部分を、外部に発光する発光エリアから排除することができる。フレームは金属又は硬質プラスチックを必要な形状に加工して作製される。
(表示装置)
次に、図17に示す本実施形態に係る表示装置の一例について説明する。本実施形態に係る表示装置は、面光源装置の光の透過を調整することによって表示を行う表示エリアを有する表示パネル13と、表示パネルの背面に配置された前述の面光源装置11と、を有する。
導光板の入光面近傍では輝度ムラが発生し十分な表示品質を保証できないので、表示パネルの表示エリア(アクティブエリア)は、導光板の入光面よりも内側から始まるように設計されることが好ましい。
すなわち、図12に示す点光源112の発光面と、表示エリア114と、の間の水平距離L(導光板111上に表示エリアに相当する領域114を投影したときのその領域114と光源の発光面との距離)を一定以上確保するように設計されることが好ましい。
具体的には、本実施形態に係る表示装置においては、点光源112の発光面と、表示エリア114と、の間の水平距離Lを、点光源の配列ピッチPに対して、L<P/1.5(P/L>1.5)としても輝度ムラを抑制することができる。さらに、L<P/2.5(P/L>2.5)としてもよく、L<P/3.0(P/L>3.0)、L<P/4.0(P/L>4.0)とすることもできる。
PとLの関係を上記のように設計することができると、額縁と呼ばれる表示パネルに形成される表示エリアの外枠部が薄い、スタイリッシュな表示装置を実現することができ、また、使用する点光源の数を減らすこともできるので省電力化も図れる。なお、従来の表示装置におけるPとLの関係は、せいぜいP/L≦1.4程度である。なお、Lの大きさは、上述のとおりPとの兼ね合いで決まるが、例えば、0.1〜30mm、0.1〜20mm又は0.1〜10mmとすることができる。
本実施形態に係る導光板が入光面を2つ有する場合、第一の入光面の近傍に配置された点光源の配列ピッチをP1、第二の入光面の近傍に配置された点光源の配列ピッチをP2、第一の入光面に配置された点光源の発光面と表示エリアとの間の水平距離をL1、第二の入光面に配置された点光源の発光面と表示エリアとの間の水平距離をL2としたときに、P1/L1:P2/L2=100:90〜100:110の範囲内であることが好ましく、P1/L1:P2/L2=100:95〜100:105の範囲内であることがより好ましい。
また、L1とL2は必ずしも同一にする必要はない。例えば、表示装置の下辺部にはスピーカー等を設ける場合もあるので、スペース確保のために下辺部の方のみLを小さくするなどということも可能である。
表示パネルは、液晶表示パネルであることが好ましい。液晶表示パネルとしては従来使用されているものを使用することができるが、その構成の一例の概略を図18に示すと共に、以下に説明する。
図18は液晶表示パネル13の一例の正面概略図である。点線131の内側が表示エリア132であり、表示エリア132の外側には、光漏れ防止のブラックマトリックス133が設けられ、その裏側にパネル配線(図示せず)等が存在する。図18において、134、135は、それぞれ、ソースライン(後述、図示せず)に電圧を印加するためのドライバICであるソースチップ、ゲートライン(後述、図示せず)に電圧を印加するためのドライバICであるゲートチップである。
透過型の液晶表示パネルでは、一般に、透明基板上にマトリクス状に配置された多数の画素電極が、透明基板上に配置されたアクティブマトリクス素子によって駆動される。透明基板上にアクティブマトリクス素子及び画素電極が設けられたアクティブマトリクス基板には、液晶層が積層状態で設けられており、この液晶層を挟んでアクティブマトリクス基板と対向するように対向基板が配置されている。対向基板は、対向電極が設けられた透明基板であり、この対向電極が液晶層における表示領域に対向している。
アクティブマトリクス基板に設けられたアクティブマトリクス素子には、各画素電極にそれぞれ接続されたアクティブ素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)が設けられている。また、アクティブマトリクス素子には、行方向に沿って相互に平行に配置された複数のゲートラインと、各ゲートラインと直交する列方向に沿って相互に平行に配置された複数のソースラインと、が設けられており、各ゲートラインと各ソースラインとの交差部近傍に各TFTのそれぞれが配置されている。そして、各TFTは、近接する交差部をそれぞれ形成するゲートライン及びソースラインのそれぞれに接続されている。
各TFTは、それぞれが接続されたゲートラインから供給されるゲート信号によってオンして、それぞれが接続されたソースラインから供給されるソース信号を、それぞれに接続された画素電極に供給するように構成されている。
このような液晶表示パネルにおいては、通常、1フレーム毎に、アクティブマトリクス基板において行方向に沿って配置された各ゲートラインに対して、列方向に沿った順番に線順次にゲート信号(水平同期信号)が供給されるようになっており、列方向に隣接するゲートラインに対して連続してゲート信号が供給される。
(テレビ受信装置)
図19に示すように、本実施形態に係る表示装置141を、スピーカー1421の設けられた前キャビネット142;テレビチューナー回路基板143、電源回路基板144、制御回路基板145等の各種回路基板;裏キャビネット146及びスタンド147等と組み合せることにより、例えばテレビ受信装置を製造することができる。
次に、本実施形態の実施例について説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。まず、実施例及び比較例の評価方法について説明する。
1.評価系
評価系
導光板の入光面にそって5個のランバーシャンタイプのLEDを、LEDの発光面が該入光面と平行になり、かつ配列ピッチPが24mmとなるように略均等に配置し(LEDの発光面と、導光板の入光面と、の距離0.5mm)、導光板の出光面側に光学シート(後述)を積層して面光源装置を作製した。LEDの外形は幅5.0mm×高さ3.0mmである。
(輝度ムラ評価)
LEDを点灯し、導光板の出光面上に積層した光学シートを出光面の法線方向から30度斜め方向から目視にて観察し(図20参照)、入光面近傍の輝度ムラを判定した。
なお、輝度ムラは、図21に示すように、LEDの発光面と、表示エリアと、の間の水平距離Lが6.0mm以上の領域で、LED正面を領域1、2つのLEDからの距離が等しい点を含む領域を領域3、領域1と領域3の間を領域2として3つの領域に分け、これら3領域の相対的な明るさを3段階で評価し、明るいものから3、2、1とポイントをつけた。最高輝度と最低輝度との差が0ポイントのものはムラが視認できないとして○、1ポイントのものはムラの視認が困難として△、2ポイントのものはムラが容易に視認できるとして×とした。なお、輝度のポイントは各サンプル内での相対値であり、サンプル間の輝度の相対値を示すものではない。
2.実施例及び比較例の導光板の作製方法
実施例及び比較例の導光板は、導光板の入光面に、接着層を介して、フィルム状部材からなる光学部材を貼りあわせることで作成した。
具体的には樹脂フィルムからなる基材層上に凹凸構造を有する樹脂層を設けた光学部材に、凹凸構造とは反対側の面に、剥離紙の上に積層されたアクリル系粘着剤フィルム(パナック株式会社製PD−S1、粘着剤フィルム厚さ:25μm)をラミネートして、接着層付多層フィルムを作製した。次いで、接着層付多層フィルムを3mmの幅で直交方向にスリットしたのち、剥離紙を剥離して接着層側を導光板の入光面中央部に積層してローラーを用いて貼りあわせることで、表面に凹凸構造を有する実施例及び比較例の導光板を作製した。
<光学部材>
以下の凹凸構造を有する光学部材は、次のように作製した。
まず、樹脂フィルムからなる基材層(以下「ベースフィルム」ともいう。)上に、紫外線硬化性樹脂層を積層し、これに干渉露光又は機械加工によって形成した凹凸構造を有するマスタ型を用いて賦型を施し、その後紫外線照射により紫外線硬化樹脂層を硬化させて、光学部材を作製した。
第一のピッチと溝間部の高さは、キーエンス社製形状測定レーザーマイクロスコープVK−9510を用いて測定した。また、第二のピッチ及び第三のピッチは一般的なノギスによって測定した。
・光学部材1
図22に、光学部材1が有する凹凸構造の高アスペクト比部分と、低アスペクト比部分と、の断面形状を示す。光学部材1は、ポリエチレンテレフタレートからなる厚み125μmの透明ベースフィルム(東洋紡株式会社製 A4300)上に、第一のピッチ5.6μmで設けられた複数の溝間部を有していた。また、直交方向において、複数の溝間部は、第二のピッチ3mmで、2.4μmから5.2μmの範囲で高さの単調増加と単調減少とを繰り返していた。隣接する2つの溝間部の高さの差を、溝間部の高さの最大値と最小値との平均値で割った値が0.3を超えるものは、全体の0%であった。稜線方向において、稜線は、第三のピッチ10cmで、2.4μmから5.2μmの範囲で高さが変化していた。
第二のピッチ1周期分において、溝間部の高さの極大値と極小値の中央の領域で最も隣接する溝間部の高さの変化が大きいため、この領域にある連続した凹凸構造を101個抽出し、端と端の溝間部の高さの差を100で割った値を、隣接する2つの溝間部の高さの差の最大値としたとき、この値は0.060μmであった。そのため、隣接する2つの溝間部の高さの差を、溝間部の高さの最大値と最小値の和で割った値が0.15を超えるものは、全体の0%あると判定した。
・光学部材2
図23に、光学部材2が有する凹凸構造の高アスペクト比部分と、低アスペクト比部分と、の断面形状を示す。光学部材2は、ポリエチレンテレフタレートからなる厚み125μmの透明ベースフィルム(東洋紡株式会社製 A4300)上に、第一のピッチ5.6μmで設けられた複数の溝間部を有していた。また、直交方向において、複数の溝間部は、第二のピッチ1mmで、0.8μmから2.4μmの範囲で高さの単調増加と単調減少とを繰り返していた。隣接する2つの溝間部の高さの差を、溝間部の高さの最大値と最小値との平均値で割った値が0.3を超えるものは、全体の0%であった。稜線方向において、稜線は、第三のピッチ4mmで、0.8μmから2.4μmの範囲で高さが変化していた。
第二のピッチ1周期分において、溝間部の高さの極大値と極小値の中央の領域で最も隣接する溝間部の高さの変化が大きいため、この領域にある連続した凹凸構造を101個抽出し、端と端の溝間部の高さの差を100で割った値を、隣接する2つの溝間部の高さの差の最大値としたとき、この値は0.022μmであった。そのため、隣接する2つの溝間部の高さの差を、溝間部の高さの最大値と最小値の和で割った値が0.15を超えるものは、全体の0%あると判定した。
・光学部材3
光学部材3は、ポリエチレンテレフタレートからなる厚み125μmの透明ベースフィルム(東洋紡株式会社製 A4300)上に、スペックルパターン露光により作製した平均ピッチが約5.4μm、溝間部の高さが1.9μmから10.48μmの範囲であり、その平均値は約3.6μmで、溝形状の凹凸構造がランダムに配置された異方拡散フィルムであった。なお、任意の領域にある連続した101個分の凹凸構造の、隣接する2つの溝間部の高さの差を求めたところ、隣接する2つの溝間部の高さの差を、溝間部の高さの最大値と最小値の和で割った値が0.15を超えるものは、全体の38.5%あった。
・光学部材4
光学部材4は、ポリエチレンテレフタレートからなる厚み125μmの透明ベースフィルム(東洋紡株式会社製 A4300)上に、ピッチが61.5μmで略一定であり、高さが30.8μmで略一定であるレンチキュラー形状の凹凸構造を有するフィルムであった。なお、任意の領域にある連続した101個分の凹凸構造の、隣接する2つの溝間部の高さの差を求めたところ、隣接する2つの溝間部の高さの差を、溝間部の高さの最大値と最小値の和で割った値が0.15を超えるものは、全体の0%あった。
3.使用した部材の説明
次に、実施例及び比較例に使用した各種部材について説明する。
A.光学シート
以下の光学シートを導光板と併用した。
(ア)拡散シート・・・三菱REAL LCD32ML10内蔵品
(イ)プリズムシート・・・三菱REAL LCD32ML10内蔵品
(ウ)プリズムシート・・・三菱REAL LCD32ML10内蔵品
これらの光学シートを測定時に導光板の出光面上に積層して用いた。
実施例及び比較例では、導光板の出光面上に導光板側から上記プリズムシート(LEDの配列方向に対してプリズム列が直交)、プリズムシート(LEDの配列方向に対してプリズム列が平行)、拡散シートの順に1枚ずつ積層した(図14(a)の構成)。
B.導光板基材
実施例及び比較例においては、導光板基材として、PMMAからなる厚さ3mmの平板であり、対向面には、入光面からある程度以上はなれた領域においては出光面上の光強度が均一になるように、白色インクの印刷によるドットパターンを施したものを使用した。
結果を以下の表に示す。光学部材1,2、3、4においては、導光板の入光面に、接着層付き多層フィルムを、稜線と直交する方向が入光面の長軸方向と一致するように貼り付けた。なお比較例3は導光板の入光面に光学部材を用いない、すなわち入光面が平坦な場合の評価結果である。
本発明は、液晶表示装置のような表示デバイスの光拡散シート、導光板、及び面光源装置に有効である。
2 導光板
11 面光源装置
13 液晶表示パネル
14 テレビ受信装置
21 出光面
22 入光面
23 対向面
111 導光板
112 点光源
113 入光面
114 表示エリアに相当する領域
121 発光面
122 発光面の横幅
132 表示エリア
133 ブラックマトリックス
134 ソースチップ
135 ゲートチップ
141 表示装置
142 前キャビネット
143 テレビチューナー回路基板
144 電源回路基板
145 制御回路基板
146 裏キャビネット
147 スタンド
1421 スピーカー
L 光源の発光面と表示エリアとの間の水平距離
P 点光源の配列ピッチ

Claims (15)

  1. 互いに交差しない稜線を有する複数の溝間部からなる凹凸構造を、表面の一部又は全部に有する光学部材であって、
    前記稜線と直交する直交方向における前記凹凸構造の表面プロファイル曲線が、極小値をとる極小点と、極大値をとる極大点と、を交互に繰り返し、前記直交方向における、隣接する2つの前記極大点間の距離である第一のピッチが0.5〜200μmの範囲内で略一定の値であり、
    隣接する2つの前記極小点の示す高さの値の平均値と、前記隣接する2つの極小点の間に位置する前記極大点の示す高さの値と、の差である溝間部の高さの、当該光学部材上における最大値と最小値との差を、前記最大値と前記最小値の和で除した値が0.05以上1以下であり、
    隣接する2つの前記溝間部の高さの差を、前記溝間部の高さの前記最大値と前記最小値の和で割った値が0.15を超えるものが全体の10%以下である、
    光学部材。
  2. 前記溝間部の高さが、前記直交方向に単調に増加、又は減少する請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記複数の溝間部の高さが、前記直交方向において、連続して第一の所定の値をとり、さらに連続して前記第一の所定の値と異なる第二の所定の値をとる部分を有する請求項1に記載の光学部材。
  4. 前記溝間部の高さが0.5〜100μmの範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部材。
  5. 前記溝間部の高さが、前記第一のピッチの平均値より大きい第二のピッチで前記直交方向に増加、及び減少を交互に繰り返す部分を有する請求項1に記載の光学部材。
  6. 前記溝間部の高さが0.5〜100μmの範囲内であり、前記第二のピッチが100μm〜5mmの範囲内である請求項5に記載の光学部材。
  7. 前記第二のピッチが前記凹凸構造において略一定である請求項5又は6記載の光学部材。
  8. 前記溝間部の高さが、前記第一のピッチの平均値より大きい第三のピッチで前記稜線と平行な稜線方向に増加、及び減少を交互に繰り返す部分を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学部材。
  9. 前記第二のピッチが前記第三のピッチよりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の光学部材。
  10. 前記第一のピッチの平均値、前記第二のピッチの平均値、前記第三のピッチの平均値のうち、少なくとも一つの平均値が、他の平均値と異なる複数の前記凹凸構造を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学部材。
  11. 前記凹凸構造を少なくとも片方の主面の一部に有するフィルム状部材である請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学部材。
  12. 前記凹凸構造を少なくとも一面の一部に有する板状部材である請求項1〜10のいずれかに記載の光学部材。
  13. 請求項12に記載の光学部材からなる導光板。
  14. 出光面、前記出光面と対向する対向面、及び前記出光面と前記対向面との間に挟まれた少なくとも1つの入光面を有し、前記入光面に、前記入光面の長辺方向を前記直交方向とする前記凹凸構造を有する請求項13記載の導光板。
  15. 面光源装置であって、請求項13又は14に記載の導光板、前記出光面に対向して配置され当該面光源装置が外部に発光する発光エリアを画定するフレーム、及び前記少なくとも1つの入光面の近傍に配置された複数の点光源を備える面光源装置。
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