JP2013174717A - 導光板、及びハーフカットシート - Google Patents
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Abstract
【課題】点光源と組み合わせて使用した場合においても、入光面近傍における輝度ムラ(ホットスポット、及び格子状の輝度ムラ)発生抑止能力が高く、出光面のほぼ全域において均一な輝度分布を有する、ローカルディミング可能な導光板を提供する。
【解決手段】出光面と、該出光面と対向する反射面と、前記出光面と前記反射面との間に挟まれた少なくとも1つの入光面を有する導光板であって、
前記入光面の少なくとも一面は表面の一部または全部に凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、前記入光面と前記出光面の双方に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた光拡散構造を有する面とからなる単位構造を複数有する導光板。
【選択図】図1
【解決手段】出光面と、該出光面と対向する反射面と、前記出光面と前記反射面との間に挟まれた少なくとも1つの入光面を有する導光板であって、
前記入光面の少なくとも一面は表面の一部または全部に凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、前記入光面と前記出光面の双方に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた光拡散構造を有する面とからなる単位構造を複数有する導光板。
【選択図】図1
Description
本発明は導光板、及びハーフカットシートに関し、特に、エッジライト方式の面光源装置に用いるのに適した、導光板と光学フィルムを含むハーフカットシートに関する。
テレビ受信装置やモニター等に使用される液晶表示装置は、液晶材が自己発光しないため、液晶表示パネルと面光源装置とを組み合わせて使用されている。
面光源装置としては、直下型方式の面光源装置とエッジライト方式の面光源装置とがあり、薄型化に適したエッジライト方式の面光源装置が多く用いられている。このようなエッジライト方式の面光源装置は、一般的には、光源からの光を液晶表示パネル側に出射させる導光板と、その側部に配置されたLED(発光ダイオード)やCCFL(冷陰極管)等の光源と、導光板から出射した光を液晶表示パネル側の方向に向けるプリズムシート等の光学シートから構成される。
面光源装置としては、直下型方式の面光源装置とエッジライト方式の面光源装置とがあり、薄型化に適したエッジライト方式の面光源装置が多く用いられている。このようなエッジライト方式の面光源装置は、一般的には、光源からの光を液晶表示パネル側に出射させる導光板と、その側部に配置されたLED(発光ダイオード)やCCFL(冷陰極管)等の光源と、導光板から出射した光を液晶表示パネル側の方向に向けるプリズムシート等の光学シートから構成される。
導光板は、一般に、第一面(以下、「出光面」ともいう。)と、出光面と対向する第二面(以下、「対向面」ともいう。)と、出光面及び対向面を接続する少なくとも1つの側面である入光面と、を有し、入光面から入射する光を出光面と対向面との間で繰り返し反射させて板内部を導光し、導光した光を対向面に設けた光出射機構によって出光面から液晶表示パネル側に出射させる。
ところで、このような導光板を複数の点光源、例えばLEDと組み合わせて用いた場合、出光面の中心部(光源からある程度離れた場所)では均一な輝度が得られるものの、光源に近い入光面近傍においては、隣接する点光源と点光源との間に正対する部分領域は暗い一方、点光源に正対する部分領域は極端に明るくなる現象(「ホットスポット」という。図2(b)参照)が発生し、輝度ムラが生じてしまうという欠点がある。
そのため、光源として複数の点光源を用いた面光源装置においては、実質的に、導光板の出光面の中心部しか利用できないという問題がある。
このような輝度ムラを防止する導光板として、特許文献1には、出光面と対向する裏面に、入射した光の光線の進行方向に対して斜め方向で相互に交差する複数の溝を設けた導光板が開示されている。
また、特許文献2には、入光面に、対称性を有した三角形形状を貫欠した台形状の凹凸構造を設けた導光板が開示されている。
また、特許文献3には、入光面に、開口部が略四角形で底部に円弧状の角部を有する窪みを設けた導光板がそれぞれ開示されている。
また、特許文献4には、背面にローレットカットを施すと共に、入光面にレンチキュラー形状等の周期的な微細なカットを施した導光板が開示されている。
また、特許文献5には、入光面に2値の凹凸パターンからなる回折光学素子を有する導光板が開示されている。
また、特許文献6には、入光面に、粘着剤と針状フィラーとからなる異方性光拡散粘着層を設けた導光板が開示されている。
また、特許文献7には、出光面に多数の円弧断面出光溝を有する導光板の入光面に、導光板の厚み方向に軸を持つ多数の円弧断面入光溝を設けて輝度ムラを抑制することが開示されている。
ところで、蛍光体面を電子銃で走査して画像を表示するCRT表示装置では画像表示面の各画素は1フレームの間の一瞬しか発光しないのに対し、液晶表示装置では各画素は面光源装置が点灯している間はずっと発光している。そのため、液晶表示装置においては、人間の目の残光特性によるコントラストの低下や動画ボケが発生する。
その対策としては、導光板の出光面を複数に区分し、複数の点光源の一部のみを点灯させることで該導光板の出光面の一部の区分のみを発光させ、他の区分は発光させないようにエリア制御を行う技術、または各区分で光量を調節する技術(以下、「ローカルディミング」と言う)が知られている。ローカルディミングは、前述の表示画像のコントラスト向上や動画ボケの解消以外にも、省消費電力化や、3D画像を表示する際の右眼用画像と左眼用画像が同時に見えてしまう現象(クロストーク)の低減にも使用することができる有用な技術である。
エッジライト方式の面光源装置を使用した液晶表示装置において、上述のローカルディミングを行うためには、導光板の入光面近傍に配置された複数の点光源を2つ以上の区分(たとえば「上半分」「下半分」の2区分)に分けて、必要な区分のみを点灯させることになる。この時に、点光源から発する光が拡散性を有しているため、出光面の発光させたい区分以外の区分にも導光板の材質の臨界角に応じて出光面と対向面との間で全反射が続く範囲で光が広がってしまうために、点光源を点灯した区分に隣接する区分も薄く発光してしまうという問題がある。
そこで、ローカルディミングを実現するための一形態として、出光面の発光領域を複数の短冊状の領域に区分した照明装置が提案されている(例えば、特許文献8参照)。また、導光板の入光面に凸部を設けると共にその頂部に光源を配置すること、及び、導光板の入光面にレンチキュラーレンズを配置すると共にその焦点位置に光源を配置することが提案されている(特許文献9)
また、本発明者らは、ローカルディミングを行うために出光面及び/又は対向面に入光面の法線方向に伸びる略平行な溝構造を設けるとともに、ホットスポットを解消するために入光面に出光面から対向面方向に延びる溝形状を設けた導光板を、以前に提案している(特許文献10)。
また、特許文献7には、出光面に多数の円弧断面出光溝を有する導光板の入光面に、導光板の厚み方向に軸を持つ多数の円弧断面入光溝を設けて輝度ムラを抑制することが開示されている。
ところで、蛍光体面を電子銃で走査して画像を表示するCRT表示装置では画像表示面の各画素は1フレームの間の一瞬しか発光しないのに対し、液晶表示装置では各画素は面光源装置が点灯している間はずっと発光している。そのため、液晶表示装置においては、人間の目の残光特性によるコントラストの低下や動画ボケが発生する。
その対策としては、導光板の出光面を複数に区分し、複数の点光源の一部のみを点灯させることで該導光板の出光面の一部の区分のみを発光させ、他の区分は発光させないようにエリア制御を行う技術、または各区分で光量を調節する技術(以下、「ローカルディミング」と言う)が知られている。ローカルディミングは、前述の表示画像のコントラスト向上や動画ボケの解消以外にも、省消費電力化や、3D画像を表示する際の右眼用画像と左眼用画像が同時に見えてしまう現象(クロストーク)の低減にも使用することができる有用な技術である。
エッジライト方式の面光源装置を使用した液晶表示装置において、上述のローカルディミングを行うためには、導光板の入光面近傍に配置された複数の点光源を2つ以上の区分(たとえば「上半分」「下半分」の2区分)に分けて、必要な区分のみを点灯させることになる。この時に、点光源から発する光が拡散性を有しているため、出光面の発光させたい区分以外の区分にも導光板の材質の臨界角に応じて出光面と対向面との間で全反射が続く範囲で光が広がってしまうために、点光源を点灯した区分に隣接する区分も薄く発光してしまうという問題がある。
そこで、ローカルディミングを実現するための一形態として、出光面の発光領域を複数の短冊状の領域に区分した照明装置が提案されている(例えば、特許文献8参照)。また、導光板の入光面に凸部を設けると共にその頂部に光源を配置すること、及び、導光板の入光面にレンチキュラーレンズを配置すると共にその焦点位置に光源を配置することが提案されている(特許文献9)
また、本発明者らは、ローカルディミングを行うために出光面及び/又は対向面に入光面の法線方向に伸びる略平行な溝構造を設けるとともに、ホットスポットを解消するために入光面に出光面から対向面方向に延びる溝形状を設けた導光板を、以前に提案している(特許文献10)。
本発明者は、ホットスポットの抑制とローカルディミングとを両立させたエッジライト方式の面光源装置を得ようと考えた。前述したように、ホットスポット抑制には点光源から発する入射光の拡散、ローカルディミングには導光板内の光の直進という、相反する機能が求められるために、両立は容易ではない課題である。
また、ローカルディミングを行うために前述の特許文献8記載の技術を採用すると、導光板を分割する方法であるので組立工数増や強度低下が懸念される。また、分割部分に暗線が発生してしまう。一方、特許文献9記載の技術は、入光面に光を集光する光学構造を設けるものであり、ホットスポットの抑制のために入光面側に設ける光を拡散させる光学構造とは組み合わせることが困難である。
しかしながら、特許文献1〜6に開示されている導光板では、点光源と組み合わせて使用したときの輝度ムラの改善が十分でなく、特に点光源と点光源との間隔を広くした場合に、入光面近傍のホットスポットを消すことができない。
また、ローカルディミングを行うために前述の特許文献8記載の技術を採用すると、導光板を分割する方法であるので組立工数増や強度低下が懸念される。また、分割部分に暗線が発生してしまう。一方、特許文献9記載の技術は、入光面に光を集光する光学構造を設けるものであり、ホットスポットの抑制のために入光面側に設ける光を拡散させる光学構造とは組み合わせることが困難である。
しかしながら、特許文献1〜6に開示されている導光板では、点光源と組み合わせて使用したときの輝度ムラの改善が十分でなく、特に点光源と点光源との間隔を広くした場合に、入光面近傍のホットスポットを消すことができない。
さらに、特許文献2に開示されている技術は、入光面に形成する凹凸や窪みの構造が複雑であるので、近年使用されている発光面の幅が5mm以下の小型のLEDに対応させる(発光面に十分な数の凹凸や窪みを設ける)ことは困難である。
また、特許文献4に開示されている技術は、導光板背面にロートレットカットを施す必要があるため、大型の液晶テレビに使用する導光板に適用するのは困難であり、コストもかかる。
また、特許文献10記載の入光面に拡散性の高い構造を設けることでホットスポットを抑制する技術では、導光板の出光面及び/又は対向面に、入光面の法線方向に平行な溝が設けられた導光板(以下、「溝付き導光板」ともいう)に使用した場合、図27に示すように、格子状の輝度ムラ(ラティスムラ)が発生する場合があり、光源の数の削減や表示エリアの拡大の妨げとなることが判明した。
また、特許文献10記載の入光面に拡散性の高い構造を設けることでホットスポットを抑制する技術では、導光板の出光面及び/又は対向面に、入光面の法線方向に平行な溝が設けられた導光板(以下、「溝付き導光板」ともいう)に使用した場合、図27に示すように、格子状の輝度ムラ(ラティスムラ)が発生する場合があり、光源の数の削減や表示エリアの拡大の妨げとなることが判明した。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、出光面において入光面近傍のホットスポットや格子状の輝度ムラが少なく、ローカルディミング可能な導光板、及び該導光板を有する面光源装置、該面光源装置を有する表示装置、該表示装置を有するテレビ受信装置、および当該導光板を製造するために使用可能な光学フィルムを含むハーフカットシートを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、溝付導光板の入光面に特定の凹凸構造、すなわち入光面と出光面の双方に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた面とからなる単位構造を複数設けることにより、ホットスポットやラティスムラに由来する輝度ムラを解消できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の第一の態様は、
光源からの光を受ける少なくとも一つの入光面と、
前記入光面と略直交し、前記入光面から入射した光を出光させる第一面と、
前記入光面と略直交し、前記第一面と対向する第二面と、
を有する導光板であって、
前記第一面及び第二面の少なくとも一方には、前記入光面の法線方向と略平行な溝構造が設けられており、
少なくとも1つの前記入光面は、表面の一部または全体に凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、前記入光面に対して略垂直、且つ前記第一面及び第二面の少なくとも一方に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた面からなる単位構造を複数有する導光板であることを要旨とする。
また、本発明の第二の態様は、
セパレータフィルムと光学フィルムが粘着材層を介して積層され、前記光学フィルムは、略同じ幅に分離された複数の短冊状光学フィルムを含むハーフカットシートであって、
前記光学フィルムは、光透過性基材、または光透過性基材とUV硬化性ないしは熱硬化性樹脂を硬化させてなる光透過性樹脂層との積層体からなる略長方形の主面を持ち、
前記主面の一部または全体に凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、前記主面と前記短冊の長辺方向の双方に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた面とからなる単位構造を複数有するハーフカットシートであることを要旨とする。
光源からの光を受ける少なくとも一つの入光面と、
前記入光面と略直交し、前記入光面から入射した光を出光させる第一面と、
前記入光面と略直交し、前記第一面と対向する第二面と、
を有する導光板であって、
前記第一面及び第二面の少なくとも一方には、前記入光面の法線方向と略平行な溝構造が設けられており、
少なくとも1つの前記入光面は、表面の一部または全体に凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、前記入光面に対して略垂直、且つ前記第一面及び第二面の少なくとも一方に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた面からなる単位構造を複数有する導光板であることを要旨とする。
また、本発明の第二の態様は、
セパレータフィルムと光学フィルムが粘着材層を介して積層され、前記光学フィルムは、略同じ幅に分離された複数の短冊状光学フィルムを含むハーフカットシートであって、
前記光学フィルムは、光透過性基材、または光透過性基材とUV硬化性ないしは熱硬化性樹脂を硬化させてなる光透過性樹脂層との積層体からなる略長方形の主面を持ち、
前記主面の一部または全体に凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、前記主面と前記短冊の長辺方向の双方に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた面とからなる単位構造を複数有するハーフカットシートであることを要旨とする。
本発明の導光板を用いれば、出光面において入光面近傍のホットスポットや格子状の輝度ムラが少なく、ローカルディミング可能な導光板、及び該導光板を有する面光源装置、該面光源装置を有する表示装置、該表示装置を有するテレビ受信装置を提供できる。また、本発明のハーフカットシートを用いれば、当該導光板を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(1.導光板)
まず、本発明の導光板の実施態様について、その一例の概略図を示す図1を用いて以下に説明する。
本実施態様の導光板は、光源からの光を受ける少なくとも一つの入光面と、前記入光面と略直交し、前記入光面から入射した光を出光させる第一面(出光面)と、前記入光面と略直交し、前記第一面と対向する第二面(対向面)と、を有する導光板であって、前記第一面及び/又は前記第二面には、前記入光面の法線方向と略平行な溝構造が設けられている。
(1.導光板)
まず、本発明の導光板の実施態様について、その一例の概略図を示す図1を用いて以下に説明する。
本実施態様の導光板は、光源からの光を受ける少なくとも一つの入光面と、前記入光面と略直交し、前記入光面から入射した光を出光させる第一面(出光面)と、前記入光面と略直交し、前記第一面と対向する第二面(対向面)と、を有する導光板であって、前記第一面及び/又は前記第二面には、前記入光面の法線方向と略平行な溝構造が設けられている。
導光板の形状に限定はなく、表示装置の画面形状にあわせた発光エリア(通常長方形)を含み、周縁部には他の部材に固定するためのネジを通すための切欠きやその他の凹凸部分を有していてもよい。好ましい一実施態様においては、導光板は主面が略長方形である板状部材であって、その二主面がそれぞれ出光面と対向面であり、その一側面または対向する二側面が入光面となる。
導光板においては、入光面近傍に配置された光源の光を入光面から導光板内に入射させ、出光面と対向面とで繰り返し反射させて板内部を導光しつつ、導光した光の一部を対向面に設けた光出射機構によって出光面に向け、出光面から外部に出射させる。
二主面の片方もしくは両方には、入光面の法線方向と略平行な溝構造が設けられているが、出光面のみに該溝構造が設けられていることが、輝度の観点、及び光出射機構を設ける自由度の観点からより好ましい。また、該溝構造としては例えば異方性スペックル形状の構造やレンチキュラーレンズ形状の構造があげられるが、レンチキュラーレンズ形状の構造であることが、輝度とムラ抑制の観点から好ましい。
二主面の片方もしくは両方には、入光面の法線方向と略平行な溝構造が設けられているが、出光面のみに該溝構造が設けられていることが、輝度の観点、及び光出射機構を設ける自由度の観点からより好ましい。また、該溝構造としては例えば異方性スペックル形状の構造やレンチキュラーレンズ形状の構造があげられるが、レンチキュラーレンズ形状の構造であることが、輝度とムラ抑制の観点から好ましい。
(1.1.入光面の凹凸構造)
以下においては、出光面のみに溝構造を設けた導光板の実施態様について説明するが、対向面に設けた場合も同様である。
本実施態様の導光板は、入光面の少なくとも一面は、表面の一部または全部に凹凸構造を有し、該凹凸構造は、入光面と出光面の双方に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた面とからなる単位構造を複数有する。
ここで、入光面と出光面の双方に対して略垂直な平面とは、入光面と出光面の両方に対してなす角が70°〜110°の範囲に入る平面をいう。
入光面と出向面の双方に対して略垂直な二平面に挟まれた面は入光面に略平行な面であるか、光拡散構造を有する面であることが好ましい。ここで、入光面に略平行な面とは、入光面に対してなす角が10°未満の平面、または面上の任意の点における接平面が入光面に対してなす角が10°未満となる曲面をいう。
以下においては、出光面のみに溝構造を設けた導光板の実施態様について説明するが、対向面に設けた場合も同様である。
本実施態様の導光板は、入光面の少なくとも一面は、表面の一部または全部に凹凸構造を有し、該凹凸構造は、入光面と出光面の双方に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた面とからなる単位構造を複数有する。
ここで、入光面と出光面の双方に対して略垂直な平面とは、入光面と出光面の両方に対してなす角が70°〜110°の範囲に入る平面をいう。
入光面と出向面の双方に対して略垂直な二平面に挟まれた面は入光面に略平行な面であるか、光拡散構造を有する面であることが好ましい。ここで、入光面に略平行な面とは、入光面に対してなす角が10°未満の平面、または面上の任意の点における接平面が入光面に対してなす角が10°未満となる曲面をいう。
光拡散構造を有する面とは、例えば図7に示すように、入光面から入射した平行光を拡散させる働きをする面をいい、公知の拡散構造、例えば、表面に微細な凹凸形状を有する面、または内部に光拡散性の粒子を含む層を有する面があげられる。拡散角度の制御のしやすさから、曲面、入光面と出光面の両方に対してなす角が70°未満の平面、及びこれらの組み合わせからなる微細な凹凸形状を有する面であることがより好ましい。具体的な光拡散構造を有する面の凹凸形状としては、プリズム形状、フライアレイレンズ形状、球面レンズ形状、レンチキュラーレンズ形状、スペックル露光によるスペックルパターン形状などを好ましく用いることができ、規則的な形状であっても不規則な形状であってもよいが、モアレの発生を抑制する観点から不規則な形状がより好ましい。
本発明者らの検討によると、溝付き導光板の入光面に光拡散構造を設ける場合、図2aに示されるようにホットスポットをある程度抑制することができるが、図27に示されるラティスムラが発生するため輝度ムラを抑制することは困難であった。ここで、ラティスムラとは入光面の法線方向に対して40°〜50°程度の中角度領域にライン状に輝度が高い部分が生じるムラであり、相対的に入光面の法線方向に対して0°〜40°程度の低角度領域と50°〜90°の高角度領域の輝度が低いムラである。低角度および高角度領域の輝度の比は、導光板の出光面に設けられた溝構造の形状により異なるが、高角度領域の輝度がより低くなることが多い。
そこで、本発明者は、入光面と出光面の双方に対して略垂直な面を設けることを着想した。該略垂直な面を設けることで、図5のように、例えば平滑面では低角度側へ屈折してしまう高角度方向の光が、垂直面を有していると高角度領域へ屈折する成分があるため、高い輝度ムラ解消能力を発揮することが期待できる。そのため強い拡散能力を有するとともに強いラティスムラを発生させる光拡散構造を使用せずとも、弱い光拡散能力を有する光拡散構造または光拡散能力を有さない入光面と略平行な平面を使用することが可能となり、輝度ムラ解消とラティスムラ解消の両立ができることになる。
また、低角度領域の輝度が低い場合は、略垂直な二平面に挟まれた面及び/又は単位構造の間に設けられた面の一部または全部を、入光面と略平行な面とすることで、光源から出た光をそのまま導光板内に侵入させることが可能になり、低角度領域の輝度を補うことができる。また、略垂直な二平面に挟まれた面または/および単位構造の間に設けられた面を入光面と略平行な面とすることで、低角度領域の輝度が高くなりすぎる場合には、略垂直な二平面に挟まれた面または/および単位構造の間に設けられた面の一部または全部に光拡散構造を設けることで、輝度のバランスをとることが可能である。
また、低角度領域の輝度が低い場合は、略垂直な二平面に挟まれた面及び/又は単位構造の間に設けられた面の一部または全部を、入光面と略平行な面とすることで、光源から出た光をそのまま導光板内に侵入させることが可能になり、低角度領域の輝度を補うことができる。また、略垂直な二平面に挟まれた面または/および単位構造の間に設けられた面を入光面と略平行な面とすることで、低角度領域の輝度が高くなりすぎる場合には、略垂直な二平面に挟まれた面または/および単位構造の間に設けられた面の一部または全部に光拡散構造を設けることで、輝度のバランスをとることが可能である。
このような単位構造の例としては、図3記載の断面形状を有する構造があげられる。入光面近傍に設置された点光源の種類や隣接する点光源間の間隔、点光源から導光板までの距離によって、低角度・中角度・高角度領域のそれぞれへ、どの程度光を広げる必要があるかは異なるが、入光面に略平行な面の面積割合、光拡散構造による拡散分布、及び/又は略垂直な二平面の面積等を調整することで、対応することができる。
凹凸構造は、複数の単位構造の間が、入光面に略平行な面で接続されていてもよく、複数の単位構造の間が光拡散構造を有する面で接続されていてもよい。
凹凸構造は、複数の単位構造の間が、入光面に略平行な面で接続されていてもよく、複数の単位構造の間が光拡散構造を有する面で接続されていてもよい。
図7〜10は、本実施形態による導光板の入光面の断面の模式図である。図7〜10には、出光面に平行な断面が示されている。
各々の単位構造の間に、入光面に略平行な面が設けられた断面形状の例としては、図7(a),7(b),7(c),8(a),9(c)(一部)、図10(c)記載のものがあげられる。
また、各々の単位構造の間に、入光面に略垂直な面で接続された複数の略平行な面が設けられた断面形状の例としては、図9(c)(一部)、図10(a)、図10(b)、図10(d)記載のものがあげられる。
また、各々の単位構造の間に、光拡散構造を有する面が設けられた断面形状の例としては、図7(d),8(b),8(c),9(a),9(b),9(d),9(e)記載のものがあげられる。
各々の単位構造の間に、入光面に略平行な面が設けられた断面形状の例としては、図7(a),7(b),7(c),8(a),9(c)(一部)、図10(c)記載のものがあげられる。
また、各々の単位構造の間に、入光面に略垂直な面で接続された複数の略平行な面が設けられた断面形状の例としては、図9(c)(一部)、図10(a)、図10(b)、図10(d)記載のものがあげられる。
また、各々の単位構造の間に、光拡散構造を有する面が設けられた断面形状の例としては、図7(d),8(b),8(c),9(a),9(b),9(d),9(e)記載のものがあげられる。
単位構造における光の拡散性は、略垂直な二平面の面積、および光拡散構造を有する面が入光面に占める面積の割合によって定まる。前記略垂直な二平面の入光面法線方向の長さは、異なっていても、同一であってもよい。異なっている例としては、図9(c)の断面形状があげられる。製造の容易性の観点からは、単位構造における略垂直な二平面は、入光面法線方向の長さが略一定であることが好ましい。ここで入光面法線方向の長さが略一定とは、入光面法線方向の長さを10箇所測定した時に値がすべて、平均値±10%に入ることをいう。
凹凸構造を有する面が入光面に占める面積の割合が所望の範囲であれば輝度ムラを解消する能力を保ったまま自由に設計することが可能である。例えば、凹凸構造が入光面の全面に設けられていても良いし、図11に斜線部で示すように、入光面の一部に、例えばストライプ状、市松模様状、に設けられていても良い。
また、凹凸構造のどの部分に光拡散構造を有する面(単位構造の一部である場合と、複数の単位構造の間を接続する面である場合とを含む)を形成するかも、光拡散構造を有する面が凹凸構造に占める面積の割合が所望の範囲であれば輝度ムラを解消する能力を保ったまま自由に設計することが可能である。例えば、図9(d)と図9(e)との比較、及び図10(a)と図10(c)との比較(光拡散構造がある場合と、ない場合の2パターンを例示)においては、略垂直な面の面積は同一であるので、同じ輝度ムラ解消能力を持っていると考えられ、どちらの構造を選択してもかまわない。しかし、製造上の観点から図9(e)や図10(c)の構造は、前記略垂直な面の入光面の法線方向(図6の第二の方向)の長さが略一定であるので、製造方法がより簡単となるため好ましい。
また、入光面長辺方向(図6の第一の方向)において、複数の単位構造のピッチと各々の単位構造の間に設けられた面の幅は略一定であることが、光拡散の均一性により優れるために好ましい。また、複数の単位構造がすべて同一の形状・大きさを有する構造であることがより好ましい。ここで、入光面長辺方向の幅またはピッチが略一定とは、入光面長辺方向の幅またはピッチを10箇所測定した時に値がすべて、平均値±10%に入ることをいう。
光拡散構造を有していない面は光を拡散させることがなく、点光源からの光をそのまま点光源に正対する部分領域に通す効果がある。そのため、隣接する点光源間の距離が短く、隣接する点光源間に正対する部分領域が点光源に正対する部分領域よりも明るくなりやすい場合や、出光面に設けられた溝構造のために低角度領域よりも中角度領域の方が明るくなる場合には、光拡散構造を有していない面を設けることで点光源に正対する部分領域の輝度を高くすることで輝度ムラをより解消することが可能になる場合がある。その場合には、光拡散構造が形成されていない面を有することが好ましいが、一部分に光拡散構造を形成する必要がある場合は、前述の図7(b)、7(c)等のように、光拡散構造を有する面を単位構造のみに形成し、複数の単位構造を接続する面は光拡散構造を有さない面とすることが製造上好ましい。
光拡散構造の形状には前述のとおり特に限定はないが、光の利用効率の観点から、プリズム条列状、レンチキュラーレンズ状、異方的なスペックルパターン露光によるランダム形状のような縦長のくぼみ、または凸部(図24A、24B、24C、24E、24F、24G、24H参照)であることが好ましい。スペックルパターンとは、コヒーレントな光が拡散板を通過した後の空間に多重干渉により発生するランダムな光強度パターンをいう。該スペックルパターンにより基材に積層した感光材層を露光、現像することで、光拡散性を有するランダムな凹凸形状パターンを得ることができ、これもスペックルパターンという。
縦長のくぼみ、または凸部の場合は、該くぼみの開口部または凸部の底面の長径方向が導光板の出光面の法線方向(図6の第三の方向)と近いほど、導光板の入光面の長辺方向(図6の第一の方向)に光を広げ、図6の第三の方向には光が広がらず、光の利用効率が上がる。縦長のくぼみ、または凸部の長径方向と導光板の出光面の法線方向のなす角の平均値は−10°〜10°であることが好ましく、−8°〜8°となることがより好ましく、−6°〜6°であることがさらに好ましく、−4°〜4°であることが特に好ましく、最も好ましくは0°である。
また、縦長のくぼみ、または凸部の長径方向が導光板の出光面に垂直な方向となす角の平均が−10°〜10°の範囲内であれば、光を広げる能力も使用上問題ない程度に維持される。縦長のくぼみ、または凸部の長径と短径の比(長径/短径)は1より大きければよく、特に限定はないが、より好ましくは2以上であり、さらに好ましくは10以上である。なお、長径と短径の比(長径/短径)が100以上である場合には、縦長のくぼみは実質的に縦溝とみなすことができる。
前記略垂直な二平面の入光面の法線方向(第二の方向)の平均長さは、1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがさらに好ましく、1μm〜30μmであることが特に好ましく、1μm〜15μmであることが最も好ましい。平均長さが小さいと光源から導光板までの距離を短くすることができるために、光源から出射された光が広がる前に導光板に到達し、無駄な漏れ光を減らすことができる。その結果、光の利用効率を上げることができるため好ましい。略垂直な二平面の第二の方向の長さを小さくすることで高角度の光が不足する場合は、該略垂直な二平面の数を多くすることで補うことができる。
前記略垂直な二平面の入光面に平行で出光面に垂直な方向(第三の方向)の平均長さには制限はないが、導光板の第三の方向を縦断する(つまり端から端まで続く)長さであることが製法上好ましい。
前記単位構造における略垂直な二平面に挟まれた面の入光面に平行な方向の幅(図6の第一の方向の長さ)にも制限はないが、個々の点光源(図19参照)の発光面の同方向の幅よりも十分小さいことが好ましい。そうすることで、十分な数の前記略垂直な二平面、および該略垂直な二平面に挟まれた面を、それぞれの点光源の発光面に割り当てることができ、各点光源と導光板との位置を厳格にあわせる必要がなくなる。
入光面に平行な方向の幅(第一の方向の長さ)を小さくしていくと、一定の面積内に含まれる前記略垂直な二平面の数が増えるが、必要な前記略垂直な二平面の合計面積は系によって決まっているので、必然的に前記略垂直な二平面の入光面の法線方向の長さ(第三の方向の長さ)を小さくする必要が出てくる。この時、前記単位構造の光拡散構造を有する面の入光面に平行な方向の幅(第一の方向の長さ)を小さく設定しすぎると前記略垂直な二平面の入光面の法線方向の長さ(第三の方向の長さ)も小さく設定せざるを得ず、製造方法が難しくなることがある。一般に使用される点光源であるLEDの発光面の幅(第一の方向の長さ)は数mm程度であるので、単位構造の光拡散構造を有する面の入光面に平行な方向の幅の平均値(第一の方向の平均長さ)としては、20μm〜2mmであることが好ましく、30μm〜1mmであることがさらに好ましく、50μm〜500μmであることが特に好ましく、100μm〜300μmであることが最も好ましい。
光拡散構造を構成する個々の凹凸のサイズにも特に限定はない。光拡散構造を構成する個々の凹凸のピッチは、単位構造のピッチと同じか(図7(a)等)、それよりも十分小さいこと(図7(b)等)が好ましい。後者の場合は、個々の凹凸の第一の方向の平均長さは100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、25μm以下であることが特に好ましく、15μm以下であることが最も好ましい。
また、本発明の導光板によって拡散する光は可視光線(380nm〜780nmの電磁波)であるので光拡散構造の拡散効果を十分に発揮するためには、個々の凹凸の寸法が拡散したい光の波長よりも大きいことが好ましい。従って、個々の凹凸の寸法の第一の方向の平均長さは580nm(可視光の中心波長)以上であることが好ましく、780nm(可視光全域)以上であることがより好ましい。
また、光拡散構造を構成する個々の凹凸の平均アスペクト比(第二の方向の平均長さ/第一の方向の平均長さ)は、0.1〜3であることが好ましく、0.1〜1であることがより好ましく、0.1〜0.5であることがさらに好ましく、0.1〜0.3であることが特に好ましく、0.1〜0.2であることが特に好ましい。
また、光拡散構造を構成する個々の凹凸は、周期的に配置されていても良いし、ランダムに配置されていても良い。ただし、複数個の前記凹凸において、第一の方向のピッチ、および第二の方向の長さ(高さ、または深さ)のうち少なくとも1つが不規則に異なっていることが好ましい。ここで、異なっているとは、ランダムに10個の凹凸を選んで測定したときに平均値±10%以内に入らないものがあることをいう。
なお、略垂直な面、入光面に略平行な面を有する面、光拡散構造を有する面の第一および第二の方向の平均長さは、入光面の出光面に平行な任意の垂直断面から任意に抽出した5つの垂直面または入光面に略平行な面、または光拡散構造の平均長さとする。
(1.2入光面の凹凸加工方法)
本発明の導光板を作製する方法に限定はない。例えば、(1)垂直面を含む単位構造を内面に有する金型を用いて導光板を射出成型する方法、(2)垂直面を含む単位構造を外面に有する転写型を用いて導光板の入光面上に構造を転写する方法、及び、(3)垂直面を含む単位構造を表面に有するフィルムを透光性の粘着剤等を用いて導光板に貼り合せる方法等を用いることができる。
本発明の導光板を作製する方法に限定はない。例えば、(1)垂直面を含む単位構造を内面に有する金型を用いて導光板を射出成型する方法、(2)垂直面を含む単位構造を外面に有する転写型を用いて導光板の入光面上に構造を転写する方法、及び、(3)垂直面を含む単位構造を表面に有するフィルムを透光性の粘着剤等を用いて導光板に貼り合せる方法等を用いることができる。
(1)の方法として、例えば、導光板を成形する金型の入光面に相当する位置に前記単位構造を有するスタンパーを配置し、当初から前記単位構造を有する導光板を射出成形することができる。この方法は、比較的小型(32型以下程度)の導光板を製造するのに適している。
(2)の方法として、例えば、入光面が略平滑な導光板(導光板製造用原反シート)を押出成形やキャスト成形等により成形した後、入光面(入光面となる面)に前記単位構造を有する転写型を用いて前記単位構造を転写することができる。
図12にこの方法の具体例を示す。図12の方法においては、所定のサイズにカットした透明基板を複数枚重ね、表面に垂直面と光拡散構造を有する転写ローラーを加熱しながら透明基板の入光面となる面に押し付けて上記単位構造を転写する。この方法によれば、複数枚の導光板にまとめて転写ができるので、大量生産が可能であり、品質も向上する。
(3)の方法の具体例として、光透過性基材、または光透過性基材とUV硬化性ないしは熱硬化性樹脂を硬化させてなる光透過性樹脂からなる層との積層体からなる、略長方形の主面を有する光学フィルムであって、前記主面の一部または全体に凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、前記主面に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた面とからなる単位構造を複数有する光学フィルムを、平坦な入光面を有する導光板の該入光面に貼合することができる。具体的には、以下に説明するa.シール型、及び、b.テープ型の2種類の方法が挙げられる。
a.シール型
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等からなる透明な光透過性基材からなるフィルム(以下「ベースフィルム」ともいう。)の片方の主面上に、例えば、UV(紫外線)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる樹脂層を塗布し、後述するスペックルパターン露光を用いた方法により硬化後の樹脂層に垂直面を含む単位構造を形成するなどして、前記単位構造を有する樹脂層を形成する。この、硬化後の樹脂層の屈折率は、輝度ムラ解消の能力の観点から1.4〜1.7であることが好ましく、1.45〜1.65であることがより好ましく、1.48〜1.6であることがさらに好ましく、1.50〜1.58であることが特に好ましい。ベースフィルムの厚さに限定はないが、例えば、20〜250μm、好ましくは50〜125μmとすることができる。
a.シール型
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等からなる透明な光透過性基材からなるフィルム(以下「ベースフィルム」ともいう。)の片方の主面上に、例えば、UV(紫外線)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる樹脂層を塗布し、後述するスペックルパターン露光を用いた方法により硬化後の樹脂層に垂直面を含む単位構造を形成するなどして、前記単位構造を有する樹脂層を形成する。この、硬化後の樹脂層の屈折率は、輝度ムラ解消の能力の観点から1.4〜1.7であることが好ましく、1.45〜1.65であることがより好ましく、1.48〜1.6であることがさらに好ましく、1.50〜1.58であることが特に好ましい。ベースフィルムの厚さに限定はないが、例えば、20〜250μm、好ましくは50〜125μmとすることができる。
次いで、上記ベースフィルムの前記単位構造を形成した面とは反対側の面に、粘着剤を塗布して粘着材層を形成し、さらにその上にポリエチレンテレフタレート等からなる剥離フィルムを貼り合わせる。又は、上記ベースフィルムの前記単位構造を形成した面とは反対側の面に、剥離フィルム付きの粘着材フィルムの粘着材層を貼り合わせる等して、粘着材層側が剥離フィルムでカバーされた多層フィルムを製造する。このような多層フィルムの層構成の具体例を図13に示す。
図13において、多層フィルム13a、13bは、共に、剥離フィルム(セパレータフィルム)を片側に設けた多層フィルムである。多層フィルム13aにおいては、下から順に、剥離フィルム、粘着材層、ベースフィルム及び前記単位構造が形成された樹脂層が積層されている。また、多層フィルム13bにおいては、前記単位構造が形成された樹脂層の上にさらに、粘着材層及び台紙フィルム層が設けられ、下から順に、剥離フィルム、粘着材層、ベースフィルム、前記単位構造が形成された樹脂層、第二の粘着材層、及び台紙フィルムが積層されている。なお、剥離フィルム、及び台紙フィルムは、導光板の製造中、シール台紙又は保護フィルムの役割を果たすものであり、その厚みに限定はなく、例えば、20〜100μmとすることができる。ただし、ハーフカット処理の加工をより容易に行うためには、台紙フィルムの厚みは50μm以上が好ましく、75μm以上がさらに好ましい。また、第二の粘着材層の厚さは、例えば10〜100μmとすることができる。性能とコストのバランスを考慮した場合は、15〜50μm程度が好ましく、20〜25μm程度がさらに好ましい。
次に、この多層フィルムを所望の大きさに(例えば、導光板の入光面の長さ(幅)に合わせて)切断し、次いで、多層フィルム13aの場合は剥離フィルムのみを残して、多層フィルム13bの場合は台紙フィルムと第二の粘着材層を残して、残りの層を入光面の厚みと同じ幅に切断する(短冊状にハーフカットする)。このとき、主面に対して略垂直に設けられている面が、短冊の長辺方向に対しても略垂直になるようにハーフカットすることによって、導光板に貼りつける際に、主面に対して略垂直に設けられた面を、導光板の素出光面に対しても略垂直に貼りつけることができる。以上のようにして、所望のサイズ(導光板の入光面と同じサイズ)を有する前記単位構造が形成されたフィルム(シール)を剥離フィルム(多層フィルム13aの場合)又は台紙フィルム(多層フィルム13bの場合)上に複数枚形成したシールシート(ハーフカットシート)を製造する。なお、以上のように、多層フィルム13aの場合は、ハーフカット処理の際、切断手段の刃が前記単位構造が形成された層の側から入るので、単位構造が壊れる危険が少ないという利点があり、一方、多層フィルム13bの場合は、ハーフカット処理の際、切断手段の刃が粘着材層の側から入るので、粘着材層を確実に切断でき、粘着剤どうしが再度くっついてしまう所謂「糸引き」という不具合が発生しにくいという利点がある。
ハーフカットの方法としては、例えば、トムソン刃を切断方向に入れる方法、ロール刃を切断方向に転がす方法、及び、レーザーを用いて所望の深さまで焼き切る方法等が挙げられるがこれらに限定されない。レーザーを用いると切断屑が発生しないという利点がある。このようにして作製されたシールシートの正面概略図を図14に示す。図14において、各縦線は前記単位構造の境界線を示す。
そして、導光板の製造工程や導光板を有する面光源装置の組立工程において、多層フィルム13aのハーフカットシートの場合は上記単位構造が形成されたフィルム(シール)を剥離フィルムから1枚ずつ剥がして粘着材層を介して導光板の入光面に貼り合せる。多層フィルム13bのハーフカットシートの場合は、上記単位構造が形成されたフィルム(シール)を粘着材層から1枚ずつ剥がし、次いで剥離フィルムを剥がして粘着材層を介して入光面に貼り合わせる。最後に、必要に応じて多層フィルムと入光面との間の空気をローラー等により抜くことにより密着させてもよい。
なお、貼り合わせに先立ち、粘着材層及び/又は入光面にエキシマUV処理やコロナ処理等の表面処理を施すことによって表面の分子結合を切断した後、直ちに粘着材層と入光面とを密着させることによって、貼り合わせ強度を向上させることもできる。さらに、このような表面処理を利用すれば、粘着剤を使用せずに複数個の縦長のくぼみを有するフィルムのベースフィルムと導光板とを貼り合せることも可能であり、低コスト化、信頼性向上を図ることができる。
このシール型の方法によれば、入光面への貼り合わせ作業が容易になり、使用した(貼り合わせた)シールの枚数の管理も容易になるので、導光板の製造が容易になる。さらに導光板製造用材料の輸送も容易になる。
なお、シールシートを製造する際、多層フィルム(図13a、13b)を導光板の入光面の長さ(第一の方向の長さ)より短く切断し、面光源装置の組立の際、2枚以上の多層フィルム(シール)を入光面に貼り合わせてもよい。このとき、入光面の光源の発光面に対向する領域より(上下左右)2mm以上外側までが各多層フィルム(シール)によって覆われるよう(フィルム同士の隙間や継ぎ目が発光面に対向する領域にかからないよう)、位置決めして貼り合わせることが好ましい。また、フィルム同士の隙間や継ぎ目が点光源の発光面に対向する領域にかかる場合にはその隙間や継ぎ目が500μm以下であることが好ましい。
b.テープ型
テープ型の方法について、図15を用いて説明する。
シール型の場合と同様にして、前記単位構造が形成された樹脂層を有する多層フィルムを製造する。次いで、これを入光面の厚み(図6の第三の方向の長さ)と同じ幅に切断することによって複数本のテープ状にし、それぞれリールに捲回してロールに加工する。この場合も、主面に対して略垂直に設けられている面が、テープの長辺方向に対しても略垂直になるようにハーフカットすることによって、導光板に貼りつける際に、主面に対して略垂直に設けられた面を、導光板の素出光面に対しても略垂直に貼りつけることができる。リールの具体例を図16に示す。このとき図16のように、巻き取ったテープが軸ズレを起こさないように、二枚の円盤に挟まれるような構造のリールで巻き取ることが好ましい。また巻き取られたテープの最大径は前記円盤の外径より小さいことが好ましい。
そして、導光板の製造工程や導光板を有する面光源装置の組立工程において、ロールから、前記単位構造が形成された樹脂層を有するテープ(テープ状フィルム)を繰り出して、導光板の入光面の長さに切断した後、入光面に貼り合せるか、入光面に貼り合わせた後、入光面の長さに切断する。貼り合わせには、前記シール型の方法において述べたのと同様の方法が採用できる。
テープ型の方法について、図15を用いて説明する。
シール型の場合と同様にして、前記単位構造が形成された樹脂層を有する多層フィルムを製造する。次いで、これを入光面の厚み(図6の第三の方向の長さ)と同じ幅に切断することによって複数本のテープ状にし、それぞれリールに捲回してロールに加工する。この場合も、主面に対して略垂直に設けられている面が、テープの長辺方向に対しても略垂直になるようにハーフカットすることによって、導光板に貼りつける際に、主面に対して略垂直に設けられた面を、導光板の素出光面に対しても略垂直に貼りつけることができる。リールの具体例を図16に示す。このとき図16のように、巻き取ったテープが軸ズレを起こさないように、二枚の円盤に挟まれるような構造のリールで巻き取ることが好ましい。また巻き取られたテープの最大径は前記円盤の外径より小さいことが好ましい。
そして、導光板の製造工程や導光板を有する面光源装置の組立工程において、ロールから、前記単位構造が形成された樹脂層を有するテープ(テープ状フィルム)を繰り出して、導光板の入光面の長さに切断した後、入光面に貼り合せるか、入光面に貼り合わせた後、入光面の長さに切断する。貼り合わせには、前記シール型の方法において述べたのと同様の方法が採用できる。
この方法によれば、テープを切断する長さは導光板に貼り合わせる際に決定すればよいので、1種類のロール(前記単位構造が形成された樹脂層を有するテープ状フィルムのロール)を様々な大きさを有する導光板の製造に兼用することができ、ロールの汎用性が高い。また多層フィルムを導光板に貼り合せる工程の自動化・高速化が容易となる。
(3)の方法で使用する粘着剤としては、光学用途に対応した粘着剤を用いることが好ましい。具体的には、粘着層の全光線透過率が90%以上であり、ヘーズが1.0以下となるように粘着剤の種類と厚さを選定することが好ましい。
市販の粘着剤では、CS9621、HJ9150W(日東電工製)、DH425A(サンエー化研製)、ZACROS TR−1801A(藤森工業製)、PD−S1(パナック製)、MO−3006C,MO−3012C(リンテック製)等を用いることができる。
また、前記単位構造が形成されたフィルムは、導光板に貼り付けられ、面光源装置に組み込まれた際には、光源近傍に配置されることになるので、光源による熱の影響に耐えうる粘着剤を使用して貼り付けることが好ましい。このような条件を満たす粘着剤は、ベースフィルムの材質によって異なる。例えば、フィルム基材がポリエチレンテレフタレート、導光板の材料がポリメタクリル酸メチル樹脂で、85℃の環境下で使用する場合には、上述した粘着剤のうち、ZACROS TR−1801A、PD−S1、MO−3006Cが好ましい。また、100℃の高温環境化でも耐える粘着剤は、PD−S1、ZACROS TR−1801Aである。
尚、前記単位構造が形成されたフィルムは、粘着剤等で入光面に貼り付けられ導光板と一体化していなければ、本発明の効果は発揮されない。すなわち、導光板入光面と光源との間に上記単位構造が形成されたフィルムを単に配置しただけでは、ホットスポットやラティスムラなどの点光源に由来する輝度ムラを解消することはできない。
また、(3)の方法における紫外線硬化樹脂としては、光学性能を上げるため、例えば平均粒径2μm程度のシリコン微粒子を混入し、内部拡散性能を付与することも有用である。尚、実施例においては、このような内部拡散性能を有していない紫外線硬化樹脂を用いている。
上述の(1)、(2)の方法で使用する金型(スタンパー)、転写型(転写ローラー)や(3)の方法で使用するフィルム等に、前記単位構造を形成する方法に限定はなく、例えば、切削、サンドブラスト等の機械加工によって形成してもよいし、フォトリソグラフィによって形成することもできる。とくに光拡散構造は、レーザーのスペックルパターン露光を含む工程により形成することもできる。スペックルパターン露光を利用する方法は、機械加工では困難な10μm程度以下の微細な3次元構造の形成に適しており、また適度な不規則性を得ることも容易である。
スペックルパターン露光を利用する場合には、具体的には図17のようにして略垂直な面と該略垂直な面に挟まれた面とからなる単位構造を形成することができる。
初めに、ガラスなどの基材上に塗布によってフォトレジスト等の感光性材料からなる層を設ける(図17(a):積層工程)。前記感光性材料からなる層の上に作製したい単位構造に対応するフォトマスクを積層し、平行光を照射して感光させる(図17(b):第一の露光工程)。
次いで、感光した感光性材料を公知の方法によって現像する(図17(c):第一の現像工程)。これにより、基材面に対して、略垂直な二平面が略水平な面で結合された構造を有する感光性材料層が得られる。この工程で得られる図17(c)に示す構造は、入光面に略平行な面および垂直面のみからなる構造の元型とすることができる。その後、レーザー光を用いたスペックル露光により楕円形状のスペックルパターンを発生させ、感光性材料に照射する(図17(d):第二の露光工程)。さらにこの感光性材料を公知の方法によって現像する(図17(e):第二の現像工程)。
なお、第一の露光工程において、第一の現像工程で基材面まで現像が進むように感光性材料の厚みや露光量を調節しておくことにより、第一の現像工程で図17(f)に示す構造が得られる。基材面まで現像が進んだ部分に関しては、後の工程でスペックルパターンが形成されないようにすることができる。したがって、この場合には、第二の現像工程で図17(g)に示すような入光面に略平行な面と光拡散構造を有する面の双方を持つ構造が得られる。
一方、基材面まで現像が進まないように感光性材料の厚みや露光量を調節しておくと、第一の現像工程で図17(c)に示す構造が得られ、後の工程で全面にスペックルパターンを形成することができる。したがって、この場合には、第二の現像工程で図17(e)に示すような入光面に略平行な面を持たない構造が得られ、前記略平行な面に上記スペックルパターンに対応した複数の縦長のくぼみが形成される。
なお、第二の露光工程時に位置あわせを行ってマスクを使用することによって、図7(b)や図7(c)のように一部のみスペックルパターンに対応した複数の縦長のくぼみを形成することもできる。また、第一の露光工程を二段階に分け、それぞれマスクをずらして、適宜露光量を調整することで、図9(d)、図10(a)、及び10(b)のように階段状の形状を形成することもできる。
なお、楕円形状のスペックルパターンは、例えば、レーザー光を異方性の強い拡散層等で拡散させることによって発生させることができる。通常、レーザー光を拡散層で拡散させて露光面に照射すると、スペックルは円形ムラとして発生するが、拡散層を異方性の強いものとすると、スペックルを楕円形状にすることができる。さらに、レーザー光の波長やレーザー光を拡散させる条件等を適宜変更することにより、所望の楕円形状を得ることが可能となる。具体的には、特表2004−508585号公報の段落0047〜0057に開示される方法等によって発生させることができる。
前記単位構造を有した金型や転写型は、さらに、上記のようにして作製した構造をサブマスタ型とし、このサブマスタ型に電鋳等の方法で金属を被着してこの金属に上記複数個の縦長のくぼみに対応する凹凸パターンを転写すること等によって作製することができる。
なお、干渉露光によるスペックルパターンを用いた微細な凹凸パターンの作製方法は周知であり、例えば、特許第3413519号、特表2003−525472号公報及び特表2004−508585号公報等に開示されている。
(1.3出光面及び/又は対向面の溝構造)
本発明の導光板は、出光面及び/又は対向面に入光面の法線方向に略平行な溝構造を有する。前記溝構造としては、レンチキュラーレンズ形状又はランダムな複数本の溝であることが好ましい。前記溝構造を出光面、対向面どちらに設けるかは、製造のしやすさ、取り扱いのしやすさ等を考慮して適宜決定すればよい。出光面及び対向面の両方に設けてもよいが、例えば、対向面に後述する光散乱パターンを設ける場合には、出光面の方のみに設けることが好ましい。
さらに、入光部付近のホットスポットを軽減できるという観点から、溝構造は、出光面及び/又は対向面の入光面側端部から1〜50mm内側の位置から開始し、入光面と反対方向に延びるように設けることが好ましい。
レンチキュラーレンズ形状は、入光面の法線方向に略平行な方向に延び、複数並列して設けられることが好ましい。レンチキュラーレンズ形状のピッチは20〜500μmが好ましく、深さは20〜500μmが好ましい(図28参照)。ピッチが小さすぎるとレンチキュラーレンズの精度の良い加工が困難となり、ピッチが大きすぎると液晶パネルの画素とのモアレが発生しやすくなる。深さが浅すぎると光の直進性が低下し、深さが深すぎると精度の良い加工が困難となったり傷付きやすくなったりする。
次に、ランダムな複数本の溝について説明する。
複数本の溝がランダムであるとは、複数本の溝の断面形状、ピッチ及び深さのうち少なくとも1つがランダム(不規則)に異なっていることをいう。
図1に、入光面の法線方向に略平行なランダムな複数本の溝を出光面に設けた例を示す。
各溝の断面形状に限定はなく、例えば、V字形状やU字形状とすることができる。
溝のピッチとは、隣り合う溝の谷底の間の水平距離(ランダムな複数本の溝を有する面に平行な方向の水平距離)をいう。なお、谷底が平坦である場合には、その中心を谷底としてピッチを決定する。溝の断面形状や幅は溝の延在方向に沿って変化していても良い。
また、溝の深さは、各溝を構成する両側の山のうち高い方の山の山頂と溝の谷底の間の垂直距離(ランダムな複数本の溝を有する面に垂直な方向の距離)(山頂と谷底の標高差)をいう。
溝の深さは延在方向に沿ってなだらかに又は急勾配で変化していてもよく、また、その結果、途中に溝が途切れる箇所があってもよいが、できれば変化しない方が好ましい。
本発明において好ましく利用できるランダムな複数本の溝の具体例を図30A及び30Bに示す。図30Aは溝に垂直な方向への拡散角度(後述)が30度、溝に水平な方向への拡散角度が1度の異方性の光拡散特性を有するランダムな複数本の溝の具体例を示す表面プロファイル図である。図30Bは溝に垂直な方向への拡散角度が60度、溝に水平な方向への拡散角度が1度の異方性の光拡散特性を有するランダムな複数本の溝の具体例を示す表面プロファイル図である。
ランダムな複数本の溝の平均ピッチに限定はないが、30μm以下であることが好ましく、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。また、ランダムな複数本の溝の平均ピッチは580nm(可視光の中心波長)以上であることが好ましく、より好ましくは780nm(可視光全域)以上である。
導光板と組み合せて使用される表示パネルの画素ピッチや光学シートの構造ピッチは、それぞれ、概ね100〜600μm、50〜150μmであるので、ランダムな複数本の溝の平均ピッチをこのような値に設定すれば、導光板と組み合せて使用する表示パネルや光学シートとの空間干渉によるモアレの発生を防ぐことができる。さらに、平均ピッチをこのような値に設定すれば、取り扱い時に溝に爪などが引掛かることも少なく、ハンドリング性が向上する。さらに、本発明の導光板によって導光する光は可視光線(380nm〜780nmの電磁波)であるので、ランダムな複数本の溝による光の直進化の効果を十分に発揮するためには平均ピッチの下限値は上記のような値であることが好ましい。
ランダムな複数本の溝の平均深さにも限定はないが、1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは5〜10μmである。
溝の斜面角度は光の直進性へ大きな影響を与える。すなわち、出光面又は対向面に溝構造を設けた場合、導光板中では、外側に広がろうとする光を溝の斜面で反射し、導光板中へ戻すことで光の直進性を上げると考えられる。したがって、各溝の斜面角度は、40度〜60度であることが好ましい。そこで、出光面又は対向面に設けたランダムな複数本の溝は、溝の斜面角度の、40度〜60度の範囲内にあるものの占める割合が5%以上であることが好ましい。さらに好ましくは10%以上である。また、その中でも45±5度であるものの占める割合が多いほうがより直進性向上に貢献する。
ここで、「斜面角度」とは、ランダムな複数本の溝を有する面の溝に垂直な断面における各溝を構成する表面の接線と溝構造を有する面とがなす角の総称をいう。
そして、斜面角度が40度〜60度の範囲内にあるものの占める割合については、顕微鏡観察(走査型電子顕微鏡やレーザー共焦点顕微鏡等)により、ランダムな複数本の溝を有する面の任意の垂直断面(溝構造に垂直な断面)から任意に300μmの距離の範囲を抽出し、さらに、その範囲の端から0.5μm毎の点を接点とする接線を抽出して、これらとランダムな複数本の溝を有する面とがなす角(鋭角)を測定することによって決定することとする。
(1.4導光板のその他の特徴)
本発明の導光板の形状(外形)は、出光面、これに対向する反射面及びこれらに挟まれた入光面を有していれば特に限定はない。また、入光面は少なくとも1つあればよく、2つまたはそれ以上あってもよい。導光板の厚さ(図6の第三の方向の長さ)に限定はないが、例えば、1.0〜5.0mm程度とすることができる。
本発明の導光板は、出光面及び/又は対向面に入光面の法線方向に略平行な溝構造を有する。前記溝構造としては、レンチキュラーレンズ形状又はランダムな複数本の溝であることが好ましい。前記溝構造を出光面、対向面どちらに設けるかは、製造のしやすさ、取り扱いのしやすさ等を考慮して適宜決定すればよい。出光面及び対向面の両方に設けてもよいが、例えば、対向面に後述する光散乱パターンを設ける場合には、出光面の方のみに設けることが好ましい。
さらに、入光部付近のホットスポットを軽減できるという観点から、溝構造は、出光面及び/又は対向面の入光面側端部から1〜50mm内側の位置から開始し、入光面と反対方向に延びるように設けることが好ましい。
レンチキュラーレンズ形状は、入光面の法線方向に略平行な方向に延び、複数並列して設けられることが好ましい。レンチキュラーレンズ形状のピッチは20〜500μmが好ましく、深さは20〜500μmが好ましい(図28参照)。ピッチが小さすぎるとレンチキュラーレンズの精度の良い加工が困難となり、ピッチが大きすぎると液晶パネルの画素とのモアレが発生しやすくなる。深さが浅すぎると光の直進性が低下し、深さが深すぎると精度の良い加工が困難となったり傷付きやすくなったりする。
次に、ランダムな複数本の溝について説明する。
複数本の溝がランダムであるとは、複数本の溝の断面形状、ピッチ及び深さのうち少なくとも1つがランダム(不規則)に異なっていることをいう。
図1に、入光面の法線方向に略平行なランダムな複数本の溝を出光面に設けた例を示す。
各溝の断面形状に限定はなく、例えば、V字形状やU字形状とすることができる。
溝のピッチとは、隣り合う溝の谷底の間の水平距離(ランダムな複数本の溝を有する面に平行な方向の水平距離)をいう。なお、谷底が平坦である場合には、その中心を谷底としてピッチを決定する。溝の断面形状や幅は溝の延在方向に沿って変化していても良い。
また、溝の深さは、各溝を構成する両側の山のうち高い方の山の山頂と溝の谷底の間の垂直距離(ランダムな複数本の溝を有する面に垂直な方向の距離)(山頂と谷底の標高差)をいう。
溝の深さは延在方向に沿ってなだらかに又は急勾配で変化していてもよく、また、その結果、途中に溝が途切れる箇所があってもよいが、できれば変化しない方が好ましい。
本発明において好ましく利用できるランダムな複数本の溝の具体例を図30A及び30Bに示す。図30Aは溝に垂直な方向への拡散角度(後述)が30度、溝に水平な方向への拡散角度が1度の異方性の光拡散特性を有するランダムな複数本の溝の具体例を示す表面プロファイル図である。図30Bは溝に垂直な方向への拡散角度が60度、溝に水平な方向への拡散角度が1度の異方性の光拡散特性を有するランダムな複数本の溝の具体例を示す表面プロファイル図である。
ランダムな複数本の溝の平均ピッチに限定はないが、30μm以下であることが好ましく、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。また、ランダムな複数本の溝の平均ピッチは580nm(可視光の中心波長)以上であることが好ましく、より好ましくは780nm(可視光全域)以上である。
導光板と組み合せて使用される表示パネルの画素ピッチや光学シートの構造ピッチは、それぞれ、概ね100〜600μm、50〜150μmであるので、ランダムな複数本の溝の平均ピッチをこのような値に設定すれば、導光板と組み合せて使用する表示パネルや光学シートとの空間干渉によるモアレの発生を防ぐことができる。さらに、平均ピッチをこのような値に設定すれば、取り扱い時に溝に爪などが引掛かることも少なく、ハンドリング性が向上する。さらに、本発明の導光板によって導光する光は可視光線(380nm〜780nmの電磁波)であるので、ランダムな複数本の溝による光の直進化の効果を十分に発揮するためには平均ピッチの下限値は上記のような値であることが好ましい。
ランダムな複数本の溝の平均深さにも限定はないが、1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは5〜10μmである。
溝の斜面角度は光の直進性へ大きな影響を与える。すなわち、出光面又は対向面に溝構造を設けた場合、導光板中では、外側に広がろうとする光を溝の斜面で反射し、導光板中へ戻すことで光の直進性を上げると考えられる。したがって、各溝の斜面角度は、40度〜60度であることが好ましい。そこで、出光面又は対向面に設けたランダムな複数本の溝は、溝の斜面角度の、40度〜60度の範囲内にあるものの占める割合が5%以上であることが好ましい。さらに好ましくは10%以上である。また、その中でも45±5度であるものの占める割合が多いほうがより直進性向上に貢献する。
ここで、「斜面角度」とは、ランダムな複数本の溝を有する面の溝に垂直な断面における各溝を構成する表面の接線と溝構造を有する面とがなす角の総称をいう。
そして、斜面角度が40度〜60度の範囲内にあるものの占める割合については、顕微鏡観察(走査型電子顕微鏡やレーザー共焦点顕微鏡等)により、ランダムな複数本の溝を有する面の任意の垂直断面(溝構造に垂直な断面)から任意に300μmの距離の範囲を抽出し、さらに、その範囲の端から0.5μm毎の点を接点とする接線を抽出して、これらとランダムな複数本の溝を有する面とがなす角(鋭角)を測定することによって決定することとする。
(1.4導光板のその他の特徴)
本発明の導光板の形状(外形)は、出光面、これに対向する反射面及びこれらに挟まれた入光面を有していれば特に限定はない。また、入光面は少なくとも1つあればよく、2つまたはそれ以上あってもよい。導光板の厚さ(図6の第三の方向の長さ)に限定はないが、例えば、1.0〜5.0mm程度とすることができる。
導光板が入光面を2つ有する場合、導光板の形状は出光面と反射面を主面とする平板状の直方体であることが好ましく、さらに、2つの入光面が対向していることが好ましい。この場合、対向する二つの入光面は長さが同じであるため、点光源の数や種類を同一にし、部品の共通化を図ることができるというメリットがある。なお、入光面、出光面、及び反射面以外の端面においては、入射光を有効に活用するために、反射シートを貼り付けてもよい。
本発明の導光板の材質は、透光性のものであれば特に限定はなく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン系共重合体等の光学部品の材料として一般に使用されている透明性の高い高分子材料やガラス等の無機材料を用いることができる。
また、本発明の導光板は、必要に応じて有機や無機の染料や顔料、艶消し剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、整色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、不純物の捕捉剤、増粘剤、表面調整剤及び離型剤等の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で含有していてもよい。
本発明の導光板の対向面には、出光面における出光分布を均一にするために、入光面から遠ざかる方向に向かってグラデーションを有する光散乱パターンからなる光出射機構を形成することができる。また表示装置においては、出光分布の均一性を高めつつも、画面中央の輝度が最も高い一様な山型の出光分布とすることが視認しやすく好ましいとされているので、そのような出光分布とするように光散乱パターンを形成することもできる。
光散乱パターンとしては、例えば、光拡散性のドットや凹凸形状を、入光面から離れるに従って徐々に面積が広くなるようなグラデーションパターンにしたものや、同一大のドットや凹凸形状を入光面から離れるに従ってピッチが狭くなるようにしたグラデーションパターンが挙げられる。この場合のドットや凹凸の形状には円形、四角形などが挙げられ、その大きさは例えば、0.1〜2.0mm程度とすることができる。このようなドットは例えば光拡散性の白色インクを印刷することで形成することができる。
また、光源近傍の領域においては、点光源に正対する部分領域においては前記ドットの密度を低くし、隣接する点光源間に正対する部分領域においては前記ドットの密度を高くすることも、ホットスポットを抑制する効果がある(図25)。
また、光源近傍の領域においては、点光源に正対する部分領域においては前記ドットの密度を低くし、隣接する点光源間に正対する部分領域においては前記ドットの密度を高くすることも、ホットスポットを抑制する効果がある(図25)。
本発明のような入光面に凹凸構造を持つ導光板は、入光面と垂直な方向(図6の第二の方向)への光の到達度が、入光面が平滑であるものと若干異なる。すなわち、入光面に近い部分の出光面からの出光量は、入光面が平滑面である導光板に比べて多くなり、一方、入光面から遠い部分の出光面からの出光量は入光面が平滑面である導光板に比べて少なくなる傾向にある。従って、入光面が平滑面である導光板に比べて、対向面の入光面に近い部分における光散乱パターンを、従来よりもさらに散乱しにくい形状(例えばドットや凹凸形状の面積をさらに小さくしたもの)或いは密度を疎にすることが好ましい。
もっとも、出光面からの出光量の光の伝播方向の変化が大きすぎる場合は、グラデーションを有するパターンによる対応では限界がある(例えば、面積を変更する場合は、面積が0%以上100%以下の範囲までしか変化させることができない)。
本発明の導光板においては、出光面上の各位置の輝度が、入光面が平滑である場合の値と比較して、50%以上150%以下の範囲内あることが好ましい。より好ましくは60%以上140%以下、さらに好ましくは70%以上130%以下である。
入光面が平滑である場合の値と比較して、この範囲であれば、対向面の光散乱パターンを容易に設計変更できる。
(2.面光源装置)
次に、本発明の面光源装置について説明する。
図18に本発明の面光源装置の一例の概略図を示す。
本発明の面光源装置は、本発明の導光板と、導光板の少なくとも1つの入光面の近傍に配置された複数の点光源とを有する。
次に、本発明の面光源装置について説明する。
図18に本発明の面光源装置の一例の概略図を示す。
本発明の面光源装置は、本発明の導光板と、導光板の少なくとも1つの入光面の近傍に配置された複数の点光源とを有する。
点光源に限定はないが、LED(発光ダイオード)を用いることが好ましい。LEDの種類に限定はなく、例えば、青色LEDにより緑色、赤色蛍光体(或いはYAG等の黄色蛍光体)を励起するワンチップタイプの擬似白色LED、一つのLEDパッケージに二つ以上の青色LEDチップが実装され、緑色、赤色蛍光体(或いはYAG等の黄色蛍光体)を励起する2in1擬似白色LED、赤色/緑色/青色LEDを組み合わせて白色光を作るマルチカラーチップタイプ、更には近紫外LEDと赤色/緑色/青色蛍光体を組み合わせたワンチップタイプの擬似白色LED等が挙げられる。
図19に本発明の面光源装置で使用できる箱型のLEDの一例の概略図を示す。なお、LEDの外形や発光面のサイズに限定はないが、外形が5.6mm(幅)×3.0mm(高さ)×1.0mm(厚み)程度で、発光面の横幅が5mm以下のものが一般的に使用されている。
点光源の発光面と本発明の導光板の入光面との間の距離は、0mm以上1.5mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.05mm以上1.0mm以下である。
これは、導光板の入光面と点光源の発光面との距離を離すと、導光板に入射する光の量は、逆2乗の法則により減少し、結果的に出光面からでる光の総量も減少してしまうからである。従って、点光源の発光面と導光板の入光面の距離は近いことが好ましい。また、点光源の周辺では熱が発生して導光板が膨張するので、熱によって導光板が点光源へ近づくように膨張する設計の面光源装置である場合は、膨張に耐えうる隙間を残しておく必要がある。
点光源の配置方法に限定はないが、導光板の入光面に沿って(出光面に平行に)一直線上に等間隔(「等間隔」には±10%の誤差を含むものとする)に配置することが好ましい。この場合、点光源の配列ピッチPは、例えば、0.2mm〜50mm程度にするのが一般的である。輝度ムラ防止の観点からは、点光源はなるべく密に配置されている方がよく、基板上への実装制約の観点ではある程度距離が開いている方が良い。点光源の配列ピッチは、好ましくは0.5mm〜30mm、より好ましくは1〜15mmである。もっとも、本発明の面光源装置においては、導光板として、入光面近傍の輝度ムラが低減された本発明の導光板を使用するので、点光源の配列ピッチが多少大きくても、具体的には10mm〜50mm、20mm〜50mm、又は30mm〜50mm程度であっても、ホットスポットのない出光面を実現することができる。
本発明の面光源装置においては、導光板及び点光源に加え、拡散シートや反射シート等の、所謂エッジライト方式の面光源装置において一般に採用される光学シートをさらに含むことができる。具体的には、拡散シート(図26の「DS」)を導光板の出光面上方に配置したり、反射シートを導光板の反射面下方に配置することができる。さらに、導光板の出光面上方には、拡散シート以外にも、出射光の方向を出光面に対して鉛直方向にするためのプリズムシート(図26の「プリズム」)や、レンチキュラーレンズシート、マイクロレンズシートなどの集光シートや、液晶パネルの偏光板での光学損失を回避するための偏光反射シート(図26の「DBEF」)などを配置することもできる。
本発明の面光源装置においては、導光板及び点光源に加え、拡散シートや反射シート等の、所謂エッジライト方式の面光源装置において一般に採用される光学シートをさらに含むことができる。具体的には、拡散シート(図26の「DS」)を導光板の出光面上方に配置したり、反射シートを導光板の反射面下方に配置することができる。さらに、導光板の出光面上方には、拡散シート以外にも、出射光の方向を出光面に対して鉛直方向にするためのプリズムシート(図26の「プリズム」)や、レンチキュラーレンズシート、マイクロレンズシートなどの集光シートや、液晶パネルの偏光板での光学損失を回避するための偏光反射シート(図26の「DBEF」)などを配置することもできる。
(3.表示装置)
次に、本発明の表示装置について説明する。
本発明の表示装置は、本発明の面光源装置と、表示パネルとを有する。より詳細には、面光源装置の光の透過を調整することによって表示をする表示エリアを有する表示パネルと、表示パネルの背面に配置された前述の面光源装置とを有する。
次に、本発明の表示装置について説明する。
本発明の表示装置は、本発明の面光源装置と、表示パネルとを有する。より詳細には、面光源装置の光の透過を調整することによって表示をする表示エリアを有する表示パネルと、表示パネルの背面に配置された前述の面光源装置とを有する。
導光板の入光面近傍では輝度ムラが発生し十分な表示品質を保証できないので、表示パネルの表示エリア(アクティブエリア)は、導光板の入光面よりも内側から始まるように設計されることが好ましい。
すなわち、点光源の発光面と表示エリアとの間の水平距離L(導光板上に表示エリアに相当する領域を投影したときのその領域と点光源の発光面との距離(図18参照))を一定以上確保するように設計されることが好ましい。
もっとも、本発明の表示装置において使用する本発明の導光板は、入光面近傍の輝度ムラが低減されているので、従来の導光板を用いた場合ほど表示エリアを内側に形成する必要はない(Lを大きくする必要はない)。
具体的には、本発明の表示装置においては、点光源の発光面と表示エリアとの間の水平距離Lを、点光源の配列ピッチPに対して、L<P(P/L>1)とすることができ、さらにはL<P/2(P/L>2)とすることもできる。
PとLの関係を上記のように設計することができると、額縁と呼ばれる表示パネルに形成される表示エリアの外枠部が薄い、スタイリッシュな表示装置を実現することができ、また、使用する点光源の数を減らすこともできるので省電力化も図れる。なお、導光板の入光面に入射光を拡散させるための構造を設けない表示装置におけるPとLの関係は、せいぜいP/L≦0.7程度である。
なお、Lの大きさは、上述のとおりPとの兼ね合いで決まるが、例えば、0.1〜30mm、0.1〜20mm又は0.1〜10mmとすることができる。なお、一般的に、点光源の配列ピッチPを変化させても、点光源の発光面と表示エリアとの間の水平距離Lを変化させても、L/Gが同じ値ならば、同じ性能を示す。
本発明の導光板が入光面を2つ有する場合、第一の入光面の近傍に配置された第一の点光源の配列ピッチをP1、第二の入光面の近傍に配置された第二の点光源の配列ピッチをP2、前記第一の点光源の発光面と表示エリアとの間の水平距離をL1、前記第二の点光源の発光面と表示エリアとの間の水平距離をL2としたときに、P1/L1:P2/L2=100:90〜100:110の範囲内であることが好ましく、P1/L1:P2/L2=100:95〜100:105の範囲内であることがより好ましい。
また、L1とL2は必ずしも同一にする必要はない。例えば、表示装置の下辺部にはスピーカー等を設ける場合もあるので、スペース確保のために下辺部の方のみLを小さくするなどということも可能である。
表示パネルは、液晶表示パネルであることが好ましい。液晶表示パネルとしては従来使用されているものを使用することができるが、その構成の一例の概略を図20に示すと共に、以下に説明する。
図20は液晶表示パネルの一例の正面概略図である。点線の内側が表示エリアであり、表示エリアの外側には、光漏れ防止のブラックマトリックスが設けられ、その裏側にパネル配線(図示せず)等が存在する。図20において、ソースチップはソースライン(後述、図示せず)に電圧を印加するためのドライバICであり、ゲートチップはゲートライン(後述、図示せず)に電圧を印加するためのドライバICである。
透過型の液晶表示パネルでは、一般に、透明基板上にマトリクス状に配置された多数の画素電極が、透明基板上に配置されたアクティブマトリクス素子によって駆動される。透明基板上にアクティブマトリクス素子および画素電極が設けられたアクティブマトリクス基板には、液晶層が積層状態で設けられており、この液晶層を挟んでアクティブマトリクス基板と対向するように対向基板が配置されている。対向基板は、対向電極が設けられた透明基板であり、この対向電極が液晶層における表示領域に対向している。
アクティブマトリクス基板に設けられたアクティブマトリクス素子には、各画素電極にそれぞれ接続されたアクティブ素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)が設けられている。また、アクティブマトリクス素子には、行方向に沿って相互に平行に配置された複数のゲートラインと、各ゲートラインと直交する列方向に沿って相互に平行に配置された複数のソースラインとが設けられており、各ゲートラインと各ソースラインとの交差部近傍に各TFTがそれぞれが配置されている。そして、各TFTは、近接する交差部をそれぞれ形成するゲートラインおよびソースラインのそれぞれに接続されている。
各TFTは、それぞれが接続されたゲートラインから供給されるゲート信号によってオンして、それぞれが接続されたソースラインから供給されるソース信号を、それぞれに接続された画素電極に供給するように構成されている。
このような液晶表示パネルにおいては、通常、1フレーム毎に、アクティブマトリクス基板において行方向に沿って配置された各ゲートラインに対して、列方向に沿った順番に線順次にゲート信号(水平同期信号)が供給されるようになっており、列方向に隣接するゲートラインに対して連続してゲート信号が供給される。
本発明の表示装置の構造の一例を断面模式図として図26に示す。
本発明の表示装置の構造の一例を断面模式図として図26に示す。
(4.テレビ受信装置)
また、本発明の表示装置を、スピーカーの設けられた前キャビネット;テレビチューナー回路基板、電源回路基板、制御回路基板等の各種回路基板;裏キャビネット及びスタンド等と組み合せることにより、テレビ受信装置を製造することができる。図21にこのようなテレビ受信装置の構成の一例を示す。
また、本発明の表示装置を、スピーカーの設けられた前キャビネット;テレビチューナー回路基板、電源回路基板、制御回路基板等の各種回路基板;裏キャビネット及びスタンド等と組み合せることにより、テレビ受信装置を製造することができる。図21にこのようなテレビ受信装置の構成の一例を示す。
以下、本発明を具体的なシミュレーションと実施例とで説明する。
「拡散角度」
本実施例では光の拡散性を示す指標として拡散角度を測定している。「拡散角度」とは
、透過光強度がピーク強度の半分に減衰する角(半値角)の2倍の角度(FWHM:Fu
ll Width Half Maximum)をいう(図22参照)。この拡散角度は
、例えば、Photon Inc.製のGoniometric Radiometer
s Real−Time Far−Field Angular Profiles M
odel LD8900や日本電色工業株式会社製のGC5000L等の変角色差計を用
いて、凹凸構造が形成された面(入光面)の法線方向から、該面に入射した光の透過光強
度の角度分布(透過光の強度の出射角度に対する分布)を測定することによって求めるこ
とができる。ここで、凹凸構造が形成された面(入光面)の法線方向とは、図6の第二の
方向を指す。
(シミュレーション1)
光線追跡シュミレーションを行うために、ポリメチルメタクリレート樹脂からなる導光板(厚み:3.0mm、幅:500mm、長さ:100mm)と、該導光板の入光面に沿って配列ピッチPが18.4mmとなるように配置された10個のLED光源(発光面サイズ4.5mm(幅方向)×2.5mm(厚み方向))と、該導光板の出光面側に積層した拡散シート(東レセーハン株式会社製、TDF127)、プリズムシート(Specterのライブラリー内のBEFIIIの形状データを使用、基材層の屈折率を1.59、賦型層の屈折率を1.667に設定)、マイクロレンズシート(シンファインターテック社製、PTR733)(出光面に近い順)からなる面光源装置モデルを作製した。ここでLED光源の発光面から導光板の入光面までの距離は0.25mmに設定した。
導光板の入光面は鏡面とし、導光板の出光面には図31で示す出光特性を有する、ピッチ309μm、深さ63.2μmの入光面の法線方向に平行な溝構造を設けた。また、導光板の対向面には、拡散ビーズとバインダーからなる直径0.8mm〜1.3mmの円形の光拡散性のドットがピッチ2.55mm×1.5mmの千鳥配置で(三角格子状に)、入光面側端部からの距離が同じ位置においては、LEDに正対する部分領域のドットとLED間に正対する部分領域のドットの直径が同一となるように(ドット密度が均一になるように)設けた。
コニカミノルタ製CA2000Aに代表される二次元色彩輝度計の測定検出モデルと同様の測定モデルを作成し、LED点灯時の上記面光源装置モデルの出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って1mmごとに、Specter(Integra)バージョン6.44を利用した光線追跡シミュレーションにより計算した。
(シミュレーション2)
面光源装置モデルを、導光板の入光面に凹凸構造を有する平均厚さが125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを透明両面接着シートを用いて貼り付けたものとした以外はシミュレーション1と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
上記凹凸構造は、図33に示す断面構造を有し、導光板の入光面に対して垂直な2平面と該2平面に挟まれた面からなる単位構造を、該入光面に対して平行な平面で接続した繰り返し構造を有する。ここで、前記垂直な2平面に挟まれた面はスペックルパターンに由来するくぼみを有し、図32に示す出光特性を有する(図6の第一の方向の拡散角度25°x図6の第三の方向の拡散角度1°)。ここで、すべての垂直な平面の高さ(入光面法線方向)は10μm、単位構造における垂直な2平面に挟まれた光拡散構造を有する面の幅(図6の第一の方向の長さ)は280μm、単位構造間を接続する入光面に平行な平面の幅(図6の第一の方向の長さ)は280μmとした。
(シミュレーション3)
面光源装置モデルを、凹凸構造の垂直な平面の高さを20μmとした以外はシミュレーション2と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
(シミュレーション4)
面光源装置モデルを、凹凸構造の垂直な平面の高さを40μmとした以外はシミュレーション2と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
(シミュレーション5)
面光源装置モデルを、単位構造における垂直な2平面に挟まれた光拡散構造を有する面の幅(図6の第一の方向の長さ)を140μm、単位構造間を接続する入光面に平行な平面の幅(図6の第一の方向の長さ)を140μmとした以外はシミュレーション2と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
(シミュレーション6)
面光源装置モデルを、単位構造における垂直な2平面に挟まれた光拡散構造を有する面の幅(図6の第一の方向の長さ)を70μm、単位構造間を接続する入光面に平行な平面の幅(図6の第一の方向の長さ)を70μmとした以外はシミュレーション2と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
(シミュレーション7)
面光源装置モデルを、LED(発光面サイズ4.5mm(幅方向)×2.5mm(厚み方向)、LED数10個)を入光面に沿って配列ピッチPが27.6mmとなるように配置した以外はシミュレーション3と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
(シミュレーション8)
面光源装置モデルを、凹凸構造を、図34に示す断面構造(傾斜角80°の傾斜を有する略垂直な二平面と、該二平面に挟まれた拡散角度25°×1°の光拡散構造を有する面とからなる単位構造)を有するものとした以外はシミュレーション2と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。このとき、光拡散構造を有する面の幅は280μmに設定した。
(シミュレーション9)
面光源装置モデルを、凹凸構造をシミュレーション8の単位構造における略垂直な二平面を入光面に対して傾斜角70°の傾斜を有する二平面に変更した以外はシミュレーション7と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。このとき、光拡散構造を有する面の幅は280μmに設定した。
(シミュレーション10)
面光源装置モデルを、凹凸構造をシミュレーション8の単位構造における略垂直な二平面を入光面に対して傾斜角60°の傾斜を有する二平面に変更した以外はシミュレーション7と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。このとき、光拡散構造を有する面の幅は280μmに設定した。
(シミュレーション11)
面光源装置モデルを、凹凸構造をシミュレーション8の単位構造における略垂直な二平面を入光面に対して傾斜角45°の傾斜を有する二平面に変更した以外はシミュレーション7と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。このとき、光拡散構造を有する面の幅は280μmに設定した。
(シミュレーション12)
シミュレーション1で用いた導光板の入光面において、図6の第三の方向に入光面を横断する溝構造であって該溝構造の傾斜角がランダムな分布を有する溝構造を発生させ、出光面の入光面側端部から5mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算する作業を10万回繰り返し、該領域のS.D.値の平均をプロットし、入光面における凹凸構造がどのような傾斜角の分布(斜面分布)を持てば高いムラ消し能力が得られるのかを検討した。ここでは、導光板の出光面と平行な方向の断面は、どの点でも同じになるように設定した。(つまり、導光板厚み方向には筋状の形状で、入光面の長軸方向にはランダムな斜面分布が発生するようにした。)また、導光板の出光面側にマイクロレンズフィルム(シンファインターテック社製、PTR733)二枚を配置したモデルを用いた。
すべてのシミュレーションにおいて、出光面の入光面側端部から8mm以上のS.D.値が0.022以下のときをムラが解消できた状態であると判断した。(実際のTVセットにおいて出光面の入光面側端部から8mmの位置から表示エリアが始まるモデルが一般的であり、かつ、目視の判定においてS.D.値が0.022以下となると、ムラが認識できなくなるため。)
シミュレーション1においては面内の輝度が均一にならずに強いホットスポットと弱いラティスムラが出現し(図35)、出光面の入光面側端部から8mmよりも遠い位置にある領域の断面においてS.D.値が0.022より大きくなる部分があり(図36)、輝度ムラは解消できなかった。
これに対しシミュレーション2〜4においては、出光面の入光面側端部から8mm以上の領域全域にわたってS.D.値が0.022以下となっており、非常に高いムラ抑制能力があることが分かった。とくにシミュレーション2、3においては出光面の入光面側端部から5mmの領域からムラが消えており、TVセットの狭額縁化も可能になるという点で、より好ましい結果となった。(図37)
また、シミュレーション5、6においても、出光面の入光面側端部から8mm以上の領域全域にわたってS.D.値が0.022以下となっており、非常に高いムラ抑制能力があることが分かった。とくにシミュレーション5においては出光面の入光面側端部から5mmの領域からムラが消えており、TVセットの狭額縁化も可能になるという点で、より好ましい結果となった。(図38)
また、シミュレーション3と5、シミュレーション4と6は、構造は異なるが、垂直面の面積、光拡散構造を有する面の面積、入光面に平行な鏡面の面積は互いに同一である。両者の計算結果がほぼ一致することから、垂直面の面積、光拡散構造を有する面の面積、入光面に平行な鏡面の面積が同一であれば、ほぼ同一の性能を発揮することができることが示されている。
シミュレーション7においては、出光面の入光面側端部から8mm以上の領域全域にわたってS.D.値が0.022以下となっており、より広いLEDピッチにおいても高いムラ抑制能を発揮することが示された。(図39)
シミュレーション8、9においては、出光面の入光面側端部から8mm以上の領域全域にわたってS.D.値が0.022以下となっており、非常に高いムラ抑制能力があることが分かった(図40)。また、シミュレーション10、11においては出光面の入光面側端部から8mmの断面でのS.D.値が0.022より大きくなっており、ムラを解消できなかった(図41)。シミュレーション8〜11において、斜面の傾斜が垂直に近いほどS.D.値が小さく、また、S.D.値の変化率も小さくなることが示された。このことから傾斜は70°以上であれば十分な性能があるが、80°以上であるとより好ましく、90°であることがさらに好ましいと言える。
シミュレーション12において10万回繰り返した計算のうち最後の3000回分について図42に示す。この結果、S.D.値の平均は0.01付近を最小値とすることが明らかになった。
このなかでS.D.値の平均が0.01に近い点のみを抽出し、その斜面分布をプロットした結果の例を図43、図44(拡大図)に示す。入光面に平行な面(斜面角度0°付近)の量が支配的であり、かつ垂直面(90°付近)がわずかに存在する斜面分布が含まれており(図43F、44F)、あらゆる斜面分布の中でも、本願発明の実施態様である凹凸形状が最高レベルのムラ消し能力を有することが示された。また、低いS.D.値を示すと計算された斜面分布のうち入光面に平行な面と、垂直面を有する斜面分布(凹凸構造)は製法上最も好ましいと考えられる。
「拡散角度」
本実施例では光の拡散性を示す指標として拡散角度を測定している。「拡散角度」とは
、透過光強度がピーク強度の半分に減衰する角(半値角)の2倍の角度(FWHM:Fu
ll Width Half Maximum)をいう(図22参照)。この拡散角度は
、例えば、Photon Inc.製のGoniometric Radiometer
s Real−Time Far−Field Angular Profiles M
odel LD8900や日本電色工業株式会社製のGC5000L等の変角色差計を用
いて、凹凸構造が形成された面(入光面)の法線方向から、該面に入射した光の透過光強
度の角度分布(透過光の強度の出射角度に対する分布)を測定することによって求めるこ
とができる。ここで、凹凸構造が形成された面(入光面)の法線方向とは、図6の第二の
方向を指す。
(シミュレーション1)
光線追跡シュミレーションを行うために、ポリメチルメタクリレート樹脂からなる導光板(厚み:3.0mm、幅:500mm、長さ:100mm)と、該導光板の入光面に沿って配列ピッチPが18.4mmとなるように配置された10個のLED光源(発光面サイズ4.5mm(幅方向)×2.5mm(厚み方向))と、該導光板の出光面側に積層した拡散シート(東レセーハン株式会社製、TDF127)、プリズムシート(Specterのライブラリー内のBEFIIIの形状データを使用、基材層の屈折率を1.59、賦型層の屈折率を1.667に設定)、マイクロレンズシート(シンファインターテック社製、PTR733)(出光面に近い順)からなる面光源装置モデルを作製した。ここでLED光源の発光面から導光板の入光面までの距離は0.25mmに設定した。
導光板の入光面は鏡面とし、導光板の出光面には図31で示す出光特性を有する、ピッチ309μm、深さ63.2μmの入光面の法線方向に平行な溝構造を設けた。また、導光板の対向面には、拡散ビーズとバインダーからなる直径0.8mm〜1.3mmの円形の光拡散性のドットがピッチ2.55mm×1.5mmの千鳥配置で(三角格子状に)、入光面側端部からの距離が同じ位置においては、LEDに正対する部分領域のドットとLED間に正対する部分領域のドットの直径が同一となるように(ドット密度が均一になるように)設けた。
コニカミノルタ製CA2000Aに代表される二次元色彩輝度計の測定検出モデルと同様の測定モデルを作成し、LED点灯時の上記面光源装置モデルの出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って1mmごとに、Specter(Integra)バージョン6.44を利用した光線追跡シミュレーションにより計算した。
(シミュレーション2)
面光源装置モデルを、導光板の入光面に凹凸構造を有する平均厚さが125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを透明両面接着シートを用いて貼り付けたものとした以外はシミュレーション1と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
上記凹凸構造は、図33に示す断面構造を有し、導光板の入光面に対して垂直な2平面と該2平面に挟まれた面からなる単位構造を、該入光面に対して平行な平面で接続した繰り返し構造を有する。ここで、前記垂直な2平面に挟まれた面はスペックルパターンに由来するくぼみを有し、図32に示す出光特性を有する(図6の第一の方向の拡散角度25°x図6の第三の方向の拡散角度1°)。ここで、すべての垂直な平面の高さ(入光面法線方向)は10μm、単位構造における垂直な2平面に挟まれた光拡散構造を有する面の幅(図6の第一の方向の長さ)は280μm、単位構造間を接続する入光面に平行な平面の幅(図6の第一の方向の長さ)は280μmとした。
(シミュレーション3)
面光源装置モデルを、凹凸構造の垂直な平面の高さを20μmとした以外はシミュレーション2と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
(シミュレーション4)
面光源装置モデルを、凹凸構造の垂直な平面の高さを40μmとした以外はシミュレーション2と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
(シミュレーション5)
面光源装置モデルを、単位構造における垂直な2平面に挟まれた光拡散構造を有する面の幅(図6の第一の方向の長さ)を140μm、単位構造間を接続する入光面に平行な平面の幅(図6の第一の方向の長さ)を140μmとした以外はシミュレーション2と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
(シミュレーション6)
面光源装置モデルを、単位構造における垂直な2平面に挟まれた光拡散構造を有する面の幅(図6の第一の方向の長さ)を70μm、単位構造間を接続する入光面に平行な平面の幅(図6の第一の方向の長さ)を70μmとした以外はシミュレーション2と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
(シミュレーション7)
面光源装置モデルを、LED(発光面サイズ4.5mm(幅方向)×2.5mm(厚み方向)、LED数10個)を入光面に沿って配列ピッチPが27.6mmとなるように配置した以外はシミュレーション3と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。
(シミュレーション8)
面光源装置モデルを、凹凸構造を、図34に示す断面構造(傾斜角80°の傾斜を有する略垂直な二平面と、該二平面に挟まれた拡散角度25°×1°の光拡散構造を有する面とからなる単位構造)を有するものとした以外はシミュレーション2と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。このとき、光拡散構造を有する面の幅は280μmに設定した。
(シミュレーション9)
面光源装置モデルを、凹凸構造をシミュレーション8の単位構造における略垂直な二平面を入光面に対して傾斜角70°の傾斜を有する二平面に変更した以外はシミュレーション7と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。このとき、光拡散構造を有する面の幅は280μmに設定した。
(シミュレーション10)
面光源装置モデルを、凹凸構造をシミュレーション8の単位構造における略垂直な二平面を入光面に対して傾斜角60°の傾斜を有する二平面に変更した以外はシミュレーション7と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。このとき、光拡散構造を有する面の幅は280μmに設定した。
(シミュレーション11)
面光源装置モデルを、凹凸構造をシミュレーション8の単位構造における略垂直な二平面を入光面に対して傾斜角45°の傾斜を有する二平面に変更した以外はシミュレーション7と同様にして、出光面の入光面側端部から0mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算した。このとき、光拡散構造を有する面の幅は280μmに設定した。
(シミュレーション12)
シミュレーション1で用いた導光板の入光面において、図6の第三の方向に入光面を横断する溝構造であって該溝構造の傾斜角がランダムな分布を有する溝構造を発生させ、出光面の入光面側端部から5mm〜20mmの領域における輝度分布を、入光面に平行な方向に亘って計算する作業を10万回繰り返し、該領域のS.D.値の平均をプロットし、入光面における凹凸構造がどのような傾斜角の分布(斜面分布)を持てば高いムラ消し能力が得られるのかを検討した。ここでは、導光板の出光面と平行な方向の断面は、どの点でも同じになるように設定した。(つまり、導光板厚み方向には筋状の形状で、入光面の長軸方向にはランダムな斜面分布が発生するようにした。)また、導光板の出光面側にマイクロレンズフィルム(シンファインターテック社製、PTR733)二枚を配置したモデルを用いた。
すべてのシミュレーションにおいて、出光面の入光面側端部から8mm以上のS.D.値が0.022以下のときをムラが解消できた状態であると判断した。(実際のTVセットにおいて出光面の入光面側端部から8mmの位置から表示エリアが始まるモデルが一般的であり、かつ、目視の判定においてS.D.値が0.022以下となると、ムラが認識できなくなるため。)
シミュレーション1においては面内の輝度が均一にならずに強いホットスポットと弱いラティスムラが出現し(図35)、出光面の入光面側端部から8mmよりも遠い位置にある領域の断面においてS.D.値が0.022より大きくなる部分があり(図36)、輝度ムラは解消できなかった。
これに対しシミュレーション2〜4においては、出光面の入光面側端部から8mm以上の領域全域にわたってS.D.値が0.022以下となっており、非常に高いムラ抑制能力があることが分かった。とくにシミュレーション2、3においては出光面の入光面側端部から5mmの領域からムラが消えており、TVセットの狭額縁化も可能になるという点で、より好ましい結果となった。(図37)
また、シミュレーション5、6においても、出光面の入光面側端部から8mm以上の領域全域にわたってS.D.値が0.022以下となっており、非常に高いムラ抑制能力があることが分かった。とくにシミュレーション5においては出光面の入光面側端部から5mmの領域からムラが消えており、TVセットの狭額縁化も可能になるという点で、より好ましい結果となった。(図38)
また、シミュレーション3と5、シミュレーション4と6は、構造は異なるが、垂直面の面積、光拡散構造を有する面の面積、入光面に平行な鏡面の面積は互いに同一である。両者の計算結果がほぼ一致することから、垂直面の面積、光拡散構造を有する面の面積、入光面に平行な鏡面の面積が同一であれば、ほぼ同一の性能を発揮することができることが示されている。
シミュレーション7においては、出光面の入光面側端部から8mm以上の領域全域にわたってS.D.値が0.022以下となっており、より広いLEDピッチにおいても高いムラ抑制能を発揮することが示された。(図39)
シミュレーション8、9においては、出光面の入光面側端部から8mm以上の領域全域にわたってS.D.値が0.022以下となっており、非常に高いムラ抑制能力があることが分かった(図40)。また、シミュレーション10、11においては出光面の入光面側端部から8mmの断面でのS.D.値が0.022より大きくなっており、ムラを解消できなかった(図41)。シミュレーション8〜11において、斜面の傾斜が垂直に近いほどS.D.値が小さく、また、S.D.値の変化率も小さくなることが示された。このことから傾斜は70°以上であれば十分な性能があるが、80°以上であるとより好ましく、90°であることがさらに好ましいと言える。
シミュレーション12において10万回繰り返した計算のうち最後の3000回分について図42に示す。この結果、S.D.値の平均は0.01付近を最小値とすることが明らかになった。
このなかでS.D.値の平均が0.01に近い点のみを抽出し、その斜面分布をプロットした結果の例を図43、図44(拡大図)に示す。入光面に平行な面(斜面角度0°付近)の量が支配的であり、かつ垂直面(90°付近)がわずかに存在する斜面分布が含まれており(図43F、44F)、あらゆる斜面分布の中でも、本願発明の実施態様である凹凸形状が最高レベルのムラ消し能力を有することが示された。また、低いS.D.値を示すと計算された斜面分布のうち入光面に平行な面と、垂直面を有する斜面分布(凹凸構造)は製法上最も好ましいと考えられる。
続いて、本発明の実施例を示す。
[輝度ムラ抑制能の評価]
二次元色彩輝度計(CA−2000)によって測定した出光面の輝度データの中から、出光面の入光面側端部からの距離が11、14、18mmのところ(入光面側端部から11、14、18mm内側のところ)の入光面と平行な方向の輝度プロファイルを抽出した。
上記各輝度プロファイルL(X)(X軸:入光面と平行な方向の距離、Y軸:輝度L)から、ホットスポットと無関係の輝度勾配をキャンセルするために、LEDのピッチP(以下の場合では約18.4mm)に相当する範囲の平均値を取ることでスムージングした値(移動平均値)
を求め、
の標準偏差値(S.D.値)を求め、LEDによる輝度ムラすなわちホットスポットの指標とした。(値が大きいほどムラの度合いが強い)
[輝度ムラ抑制能の評価]
二次元色彩輝度計(CA−2000)によって測定した出光面の輝度データの中から、出光面の入光面側端部からの距離が11、14、18mmのところ(入光面側端部から11、14、18mm内側のところ)の入光面と平行な方向の輝度プロファイルを抽出した。
上記各輝度プロファイルL(X)(X軸:入光面と平行な方向の距離、Y軸:輝度L)から、ホットスポットと無関係の輝度勾配をキャンセルするために、LEDのピッチP(以下の場合では約18.4mm)に相当する範囲の平均値を取ることでスムージングした値(移動平均値)
[リファレンス]
LEDの配列ピッチPが9.2mm、導光板(材質:ポリメチルメタクリレート、厚み:3mm、出光面にレンチ状の溝が設けられている)の表示エリアとLEDの発光面との間の水平距離Lが8.0mmである市販のLEDテレビ(東芝製REGZA 37Z2)から、面光源装置部のみを取り出し、LEDの配列ピッチPが18.4mmとなるようにLEDを再配置した。
導光板の出光面側にマイクロレンズシート(SKC株式会社製、ML14XK)を二枚配置した。
この面光源装置を、ほぼ垂直になるように縦に設置して光源を点灯した状態で、出光面から2mの全方位から、目視にてムラを観察した。
また、この面光源装置を地面に対して水平に設置して出光面の法線方向から1mの位置に、コニカミノルタ製 二次元色彩輝度計(CA−2000)を設置し、出光面の輝度を測定し、前述の方法によりS.D.値を求めた。LEDの発光面から導光板の入光面までの距離(=C)が0.25mmのときと0.75mmの二条件について評価した。
[比較例1]
リファレンスの導光板において、導光板の入光面に図45に示すような出光特性を示す、拡散角度72°×2°、平均ピッチ1.9μmのスペックルパターンによる凹凸構造(図46)を形成した平均厚さが250μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを透明両面粘着シート(パナック株式会社製PD−S1)を用いて貼り付けた以外は、リファレンスと同様にして評価を行った。
[実施例1]
リファレンスの面光源装置において、導光板の入光面に下記の凹凸構造を形成した平均厚さが250μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを透明両面粘着シート(パナック株式会社製PD−S1)を用いて貼り付けた以外は、リファレンスと同様にして評価を行った。
実施例1で用いたフィルムの凹凸構造の単位構造は、スペックルパターン露光を含む工程により製造した図47の表面形状を有するものである。単位構造における略垂直な2平面は、導光板の入光面を縦断しており図6の第二の方向の長さの平均が約20μm、入光面に対する角度の平均が88°である。前記略垂直な二平面に挟まれた面は入光面に略平行な面であり、図6の第一の方向の長さの平均が230μmである。単位構造間を接続する面は、入光面に略平行な面であり、図6の第一の方向の長さの平均が270μmである。
[実施例2]
リファレンスの面光源装置において、導光板の入光面に下記の凹凸構造を形成した平均厚さが250μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを透明両面粘着シート(パナック株式会社製PD−S1)を用いて貼り付けた以外は、リファレンスと同様にして評価を行った。
実施例2で用いたフィルムの凹凸構造の単位構造は、スペックルパターン露光を含む工程により製造した図48の表面形状を有するものである。単位構造における略垂直な2平面は、導光板の入光面を縦断しており図6の第二の方向の長さの平均が約13μm、入光面に対する角度の平均が84°である。前記略垂直な二平面に挟まれた面は光拡散構造を有する面であり、図6の第一の方向の長さの平均が230μmである。光拡散構造は導光板厚み方向(図6の第三の方向)を長軸とする縦長のくぼみであり、図6の第一の方向の平均ピッチが2.75μmである。単位構造間を接続する面は、入光面に略平行な面であり、図6の第一の方向の長さの平均が270μmである。
リファレンス、比較例1、実施例1〜2の結果は表1、表2に示す通りであった。
LEDの配列ピッチPが9.2mm、導光板(材質:ポリメチルメタクリレート、厚み:3mm、出光面にレンチ状の溝が設けられている)の表示エリアとLEDの発光面との間の水平距離Lが8.0mmである市販のLEDテレビ(東芝製REGZA 37Z2)から、面光源装置部のみを取り出し、LEDの配列ピッチPが18.4mmとなるようにLEDを再配置した。
導光板の出光面側にマイクロレンズシート(SKC株式会社製、ML14XK)を二枚配置した。
この面光源装置を、ほぼ垂直になるように縦に設置して光源を点灯した状態で、出光面から2mの全方位から、目視にてムラを観察した。
また、この面光源装置を地面に対して水平に設置して出光面の法線方向から1mの位置に、コニカミノルタ製 二次元色彩輝度計(CA−2000)を設置し、出光面の輝度を測定し、前述の方法によりS.D.値を求めた。LEDの発光面から導光板の入光面までの距離(=C)が0.25mmのときと0.75mmの二条件について評価した。
[比較例1]
リファレンスの導光板において、導光板の入光面に図45に示すような出光特性を示す、拡散角度72°×2°、平均ピッチ1.9μmのスペックルパターンによる凹凸構造(図46)を形成した平均厚さが250μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを透明両面粘着シート(パナック株式会社製PD−S1)を用いて貼り付けた以外は、リファレンスと同様にして評価を行った。
[実施例1]
リファレンスの面光源装置において、導光板の入光面に下記の凹凸構造を形成した平均厚さが250μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを透明両面粘着シート(パナック株式会社製PD−S1)を用いて貼り付けた以外は、リファレンスと同様にして評価を行った。
実施例1で用いたフィルムの凹凸構造の単位構造は、スペックルパターン露光を含む工程により製造した図47の表面形状を有するものである。単位構造における略垂直な2平面は、導光板の入光面を縦断しており図6の第二の方向の長さの平均が約20μm、入光面に対する角度の平均が88°である。前記略垂直な二平面に挟まれた面は入光面に略平行な面であり、図6の第一の方向の長さの平均が230μmである。単位構造間を接続する面は、入光面に略平行な面であり、図6の第一の方向の長さの平均が270μmである。
[実施例2]
リファレンスの面光源装置において、導光板の入光面に下記の凹凸構造を形成した平均厚さが250μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを透明両面粘着シート(パナック株式会社製PD−S1)を用いて貼り付けた以外は、リファレンスと同様にして評価を行った。
実施例2で用いたフィルムの凹凸構造の単位構造は、スペックルパターン露光を含む工程により製造した図48の表面形状を有するものである。単位構造における略垂直な2平面は、導光板の入光面を縦断しており図6の第二の方向の長さの平均が約13μm、入光面に対する角度の平均が84°である。前記略垂直な二平面に挟まれた面は光拡散構造を有する面であり、図6の第一の方向の長さの平均が230μmである。光拡散構造は導光板厚み方向(図6の第三の方向)を長軸とする縦長のくぼみであり、図6の第一の方向の平均ピッチが2.75μmである。単位構造間を接続する面は、入光面に略平行な面であり、図6の第一の方向の長さの平均が270μmである。
リファレンス、比較例1、実施例1〜2の結果は表1、表2に示す通りであった。
本発明の導光板、及び面光源装置は、ノートPC、携帯情報端末、デスクトップPCモ
ニタ、デジタルカメラ等の各種表示装置に使用することができる。
ニタ、デジタルカメラ等の各種表示装置に使用することができる。
Claims (38)
- 光源からの光を受ける少なくとも一つの入光面と、
前記入光面と略直交し、前記入光面から入射した光を出光させる第一面と、
前記入光面と略直交し、前記第一面と対向する第二面と、
を有する導光板であって、
前記第一面及び第二面の少なくとも一方には、前記入光面の法線方向と略平行な溝構造が設けられており、
少なくとも1つの前記入光面は、表面の一部または全体に凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、前記入光面に対して略垂直、且つ前記第一面及び第二面の少なくとも一方に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた面からなる単位構造を複数有する導光板。 - 前記二平面に挟まれた面は、前記入光面に略平行な面である請求項1記載の導光板。
- 前記二平面に挟まれた面は、光拡散構造を有する面である請求項1記載の導光板。
- 前記凹凸構造は、各々の前記単位構造の間に前記入光面に略平行な面が設けられた凹凸構造である請求項1〜3のいずれかに記載の導光板。
- 前記凹凸構造は、各々の前記単位構造の間に光拡散構造を有する面が設けられた凹凸構造である請求項1〜3のいずれかに記載の導光板。
- 前記複数の単位構造に含まれる各々の前記二平面は、前記入光面の法線方向の長さが略一定である請求項1〜5のいずれかに記載の導光板。
- 前記入光面の長辺方向において、前記複数の単位構造のピッチと、各々の前記単位構造の間に設けられた面の幅とが、それぞれ略一定である請求項4〜6に記載の導光板。
- 前記の複数の単位構造はすべて同一の形状と大きさとを有する請求項7に記載の導光板。
- 前記光拡散構造が、複数の縦長のくぼみ、または凸部を含む請求項3〜8のいずれかに記載の導光板。
- 前記複数の縦長のくぼみ、または前記凸部のピッチ、高さ、及び深さのうちの少なくとも1つが不規則に異なる請求項9に記載の導光板。
- 前記第一面の法線方向と、前記複数個の縦長のくぼみ、または前記凸部の長径方向のなす角が、−10°〜10°である、請求項9または10に記載の導光板。
- 前記複数個の縦長のくぼみ、または前記凸部の、前記入光面と前記第一面の双方に平行な方向の平均長さが20μm以下である、請求項9〜11のいずれかに記載の導光板。
- 前記複数個の縦長のくぼみ、または前記凸部の平均深さが1〜50μmである、請求項9〜12のいずれかに記載の導光板。
- 前記複数個の縦長のくぼみ、または前記凸部がスペックルパターンを構成する請求項9〜13に記載の導光板。
- 前記凹凸構造は、平坦な前記入光面の一部又は全部に積層された光学部材により構成されたものである請求項1〜14に記載の導光板。
- 前記光学部材が、基材の少なくとも一面に粘着材層が積層されている光学フィルムであって、前記粘着材層を介して前記入光面と前記光学フィルムが一体化している請求項15に記載の導光板。
- 前記光学部材は、前記基材の前記粘着材層が積層された面の反対面に、UV硬化性または熱硬化性樹脂を硬化させてなる樹脂からなる層が積層されている請求項16記載の導光板。
- 前記UV硬化性または前記熱硬化性樹脂を硬化させてなる樹脂の屈折率が1.50〜1.58である請求項17に記載の導光板。
- 請求項1〜18のいずれか1項に記載の導光板と、該導光板の前記少なくとも一つの入光面の近傍に配置された複数の点光源と、を有する面光源装置。
- 請求項19に記載の面光源装置と、表示パネルとを有する表示装置。
- 前記表示パネルが液晶表示パネルである請求項20に記載の表示装置。
- 請求項20または21に記載の表示装置とチューナーとを有するテレビ受信装置。
- セパレータフィルムと光学フィルムが粘着材層を介して積層され、前記光学フィルムは、略同じ幅に分離された複数の短冊状光学フィルムを含むハーフカットシートであって、
前記光学フィルムは、光透過性基材、または光透過性基材とUV硬化性ないしは熱硬化性樹脂を硬化させてなる光透過性樹脂層との積層体からなる略長方形の主面を持ち、
前記主面の一部または全体に凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、前記主面と前記短冊の長辺方向の双方に対して略垂直な二平面と該二平面に挟まれた面とからなる単位構造を複数有するハーフカットシート。 - 前記二平面に挟まれた面は、前記主面に略平行な面である請求項23記載のハーフカットシート。
- 前記二平面に挟まれた面は、光拡散構造を有する面である請求項23記載のハーフカットシート。
- 前記凹凸構造は、各々の前記単位構造の間に前記主面に略平行な面が設けられた凹凸構造である請求項23〜25のいずれかに記載のハーフカットシート。
- 前記凹凸構造は、各々の前記単位構造の間に光拡散構造を有する面が設けられた凹凸構造である請求項23〜25のいずれかに記載のハーフカットシート。
- 前記複数の単位構造に含まれる各々の前記二平面は、前記主面の法線方向の長さが略一定である請求項23〜27のいずれかに記載のハーフカットシート。
- 前記短冊の長辺方向において、前記複数の単位構造のピッチと、各々の前記単位構造の間に設けられた面の幅とが、それぞれ略一定である請求項26〜28に記載のハーフカットシート。
- 前記複数の単位構造はすべて同一の形状と大きさとを有する構造である請求項29に記載のハーフカットシート。
- 前記光拡散構造が、複数の縦長のくぼみ、または凸部を含む請求項25〜30のいずれかに記載のハーフカットシート。
- 前記複数の縦長のくぼみ、または前記凸部のピッチ、高さ、及び深さのうちの少なくとも1つが不規則に異なる請求項31に記載のハーフカットシート。
- 前記短冊の長辺方向と、前記複数の縦長のくぼみ、または前記凸部の長径方向のなす角が、−10°〜10°である、請求項31または32に記載のハーフカットシート。
- 前記複数の縦長のくぼみ、または前記凸部の、前記短冊の長辺方向の長さが20μm以下である、請求項31〜33のいずれかに記載のハーフカットシート。
- 前記複数の縦長のくぼみ、または前記凸部の平均深さが1〜50μmである、請求項31〜34のいずれかに記載のハーフカットシート。
- 前記複数の縦長のくぼみ、または前記凸部がスペックルパターンを構成する請求項31〜35に記載のハーフカットシート。
- 前記UV硬化性または前記熱硬化性樹脂を硬化させてなる樹脂の屈折率が1.50〜1.58である請求項23〜36のいずれかに記載のハーフカットシート。
- 基材上に感光性材料からなる層を積層する積層工程と、
前記感光性材料からなる層の上に単位構造に対応するフォトマスクを積層し、平行光を照射して感光させる第一の露光工程と、
前記感光性材料層を現像する第一の現像工程と、
前記第一の現像工程で残った感光性材料層をスペックルパターン露光する第二の露光工程と、
前記第一の現像工程で残った感光性材料層を現像する第二の現像工程と、
を含む、導光板用光学フィルムの製造方法。
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-
2012
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