JP2013095738A - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)下記一般式(I)により示されるポリアルキレングリコール誘導体、
Z−{O−(EO)a−(BO)k−H}m (I)
(式中、Zは、水酸基を3〜6個有する多価アルコールから水酸基を除いた残基、mは3〜6、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基であり、EOとBOはブロック状に結合している。aは1〜50、kは1〜50で、EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部)
(B)シリコーン又はシリコーン誘導体、及び
(C)分岐を有する炭化水素、を含有し、
毛髪化粧料全量に対し(A)成分の含有量が0.1〜10質量%、(B)成分の含有量が0.1〜10質量%、(C)成分の含有量が0.5〜50質量%である、毛髪化粧料。
【選択図】 なし
Description
しかし、シリコーンは毛髪の指通りを向上させる一方で、髪のボリュームを低下させる傾向にある。また、加齢に伴う老化や現代社会生活における日常的なストレスから、毛周期の乱れ、毛髪量の減少、毛髪径の縮小によって、髪にボリュームがなくなるという悩みを抱えている消費者は多い。そこで、特許文献1においては、不溶性粉体とシリコーンを組み合わせた毛髪化粧料が提案されている。しかしながら、上記の毛髪化粧料は、毛髪に十分に艶を与えるものではなかった。
そこで、各種のシリコーン誘導体を応用した毛髪化粧料組成物が提案されている。例えば、特許文献2においては、特定のシリコーン誘導体とα−ヒドロキシ酸及び特定の油剤を組み合わせた毛髪化粧料が、特許文献3においては、シリコーン誘導体と界面活性剤及びポリオール類を組み合わせた毛髪化粧料が提案されている。しかし、上記の毛髪化粧料組成物では切れ毛を防止する、又は、傷んだ毛髪を補修する効果はあるものの、乾燥時にも髪の指通りを保つものではなかった。
すなわち、本発明は以下に示されるものである。
Z−{O−(EO)a−(BO)k−H}m (I)
(式中、Zは、水酸基を3〜6個有する多価アルコールから水酸基を除いた残基、mは3〜6であり、EOはオキシエチレン基であり、BOはオキシブチレン基であり、EOとBOはブロック状に結合している。
aはEOの平均付加モル数、kはBOの平均付加モル数を示し、aは1〜50、kは1〜50である。また、EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部である。)
(B)シリコーン又はシリコーン誘導体、及び
(C)分岐を有する炭化水素、を含有し、
毛髪化粧料全量に対し(A)成分の含有量が0.1〜10質量%、(B)成分の含有量が0.1〜10質量%、(C)成分の含有量が0.5〜50質量%である、毛髪化粧料。
Z−{O−(EO)a−(BO)k−H}m (I)
式中、Zは、水酸基を3〜6個有する多価アルコールから水酸基を除いた残基を示し、多価アルコールとして、水酸基が3個のグリセリン、トリメチロールプロパン、水酸基が4個のジグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、メチルグルコシド、水酸基が5個のキシリトール、トリグリセリン、水酸基が6個のソルビトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールが例示される。使用感の問題から、好ましくは、水酸基を4個以上持つ多価アルコールであり、さらに好ましくは、水酸基が4個のジグリセリン、ペンタエリスリトールである。
mは、Zの水酸基の数と同数の3〜6であり、好ましくは4〜6、より好ましくは4である。
EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基を示し、EOとBOはブロック状に結合している。BOは1,2−オキシブチレン基であることが好ましい。
aはEOの平均付加モル数、kはBOの平均付加モル数を示し、aは1〜50、好ましくは5〜40であり、kは1〜50、好ましくは5〜40である。また、EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部、好ましくは15〜70質量部である。
(A)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
一般式(I)で示されるポリアルキレングリコール誘導体は、それ自体公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を3〜6個有する多価アルコールに、アルカリもしくは酸触媒下、エチレンオキシド、及びブチレンオキシドを付加重合させることによって得ることができる。
(B)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
0.1質量%未満では、毛髪への塗布時に良好な伸びが得られず、毛髪に十分なうるおいと適度なボリューム感を与えることができない。10質量%を超えると、乾燥時の指通り性が悪くなる。
(B)成分の含有量は、毛髪化粧料組成物全量中に、0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%である。0.1質量%未満では、乾燥時に良好な指通りを保つことができず、毛髪に艶を与え難くなる。10質量%を超えると、毛髪にボリュームを与え難くなる。
(C)成分の含有量は、毛髪化粧料組成物全量中に、0.5〜50質量%、好ましくは1〜30質量%である。0.5質量%未満では、毛髪への塗布時に良好な伸びが得られず、毛髪のうるおいが不十分になる。50質量%を超えると、毛髪にボリュームを与え難くなる。また、(A)成分と(B)成分の合計量に対する(C)成分の質量比率((A)+(B))/(C)は、1/5〜1/1であることが好ましい。1/5未満では、毛髪に適度なボリューム感を与えにくくなる。1を超えると、伸びが悪くなり毛髪への塗布が容易でなくなる。
<(A)成分(ポリアルキレングリコール誘導体)の合成>
水酸基価は、JISK1557 6.4に準じて測定した。
<合成例>
合成例1:ポリオキシブチレン(48モル)ポリオキシエチレン(88モル)ペンタエリスリトールエーテル (化合物1)
ペンタエリスリトール45g、トルエン50g、水酸化カリウム8.0gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら、110℃にて、滴下装置より、エチレンオキシド1292gを滴下して2時間撹拌した。引き続き、110℃にて1,2−ブチレンオキシド1208gを滴下し、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有するトルエン及び水分を除去するため、115℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去して、2345gの化合物1を得た。水酸基価は、エチレンオキシド反応後が56.0mgKOH/g、1,2−ブチレンオキシド反応後が30.0mgKOH/gであった。
グリセリン31g、水酸化カリウム5.0gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら、140℃にて滴下装置より、エチレンオキシド885gを滴下して2時間撹拌した。引き続き、140℃にて、1,2−ブチレンオキシド725gを滴下し、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃にて1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去して、1550gのポリオキシブチレン(30モル)ポリオキシエチレン(60モル)グリセリルエーテル(化合物3a)を得た。水酸基価は、エチレンオキシド反応後が62.1mgKOH/g、1,2−ブチレンオキシド反応後が35.0mgKOH/gであった。
本発明者らは、上記合成例1〜2に準じて、下記表1に示す組成のポリアルキレングリコール誘導体を合成した。
なお、表1において、化合物1〜4は、本発明の(A)成分である。化合物5は1,2−ブチレンオキシドの代わりに1,2−オキシプロピレンを使用している点、化合物6は1,2−ブチレンオキシドの代わりに1,2−オキシヘキシレンを使用している点で、本発明の(A)成分と異なる。
表3〜4に示す処方に従ってヘアリンスを調製し、5項目について下記評価基準による評価を行った。但し、共通添加成分として表2に示す6成分を使用し、クエン酸一水和物によりpHを4.0〜5.0に調整した。
実施例の評価結果を表3、比較例の評価結果を表4に示す。
20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた頭髪に各ヘアリンス5gを塗布した時の塗布し易さについて下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を伸びがよく毛髪に塗布し易いヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 伸びがとてもよく、非常に塗布し易いと感じる。
10点 : 伸びがよく、塗布し易いと感じる。
0点 : 伸びが悪く、塗布し難いと感じる。
(2)傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通り性
脱色処理溶液(4.5質量%過酸化水素水/2.5質量%アンモニア水)に向きを揃えた長さ20cmの毛束を30分間浸漬し1Lの溜め水ですすいだ。この操作を合計3回繰り返し、損傷毛とした。各ヘアリンスの10%水溶液に損傷毛を10分間浸漬し1Lの溜め水ですすいだ。タオルドライ後、23℃の各恒湿槽(相対湿度20%又は50%)に12時間静置し、それぞれ乾燥処理毛及び非乾燥処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、乾燥処理毛の指通り性について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を傷んだ毛髪に対して乾燥時にも指通り性を保つヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 非乾燥処理毛と同等に指通り性に優れる。
10点 : 非乾燥処理毛より、僅かに指通り性が劣る。
0点 : 非乾燥処理毛より、明らかに指通り性が劣る。
各ヘアリンスの10%水溶液に長さ10cmの毛束を30分間浸漬し1Lの溜め水ですすいだ。タオルドライ後、恒温恒湿室(23℃・50RH)に12時間静置して処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、目視により各処理毛の艶について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を毛髪に艶を与えるヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 処理毛にとても艶がある。
10点 : 処理毛にやや艶がある。
0点 : 処理毛に艶がない。
(4)毛髪のうるおい
各ヘアリンスの10%水溶液に長さ10cmの毛束を30分間浸漬し1Lの溜め水ですすいだ。タオルドライ後、恒温恒湿室(23℃・50RH)に12時間静置して処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、毛髪のうるおい感について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を髪にうるおいを与えるヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 処理毛にとてもうるおいがあり、しっとりしていると感じる。
10点 : 処理毛にややうるおいがあると感じる。
0点 : 処理毛にうるおいがないと感じる。
20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた頭髪に各ヘアリンス5gを塗布し洗い流して、タオルドライ後2時間乾燥した後の毛髪のボリューム感について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を髪に適度なボリューム感を与えるヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 毛髪に適度なボリューム感があると感じる。
10点 : 毛髪にややボリューム感があると感じる。
0点 : 毛髪にボリューム感がないと感じる。
これに対し、表4に示すとおり、比較例1〜7のヘアリンスは、良好な性能が得られなかった。すなわち、比較例1は、(A)成分が配合されていないため、伸びが悪くて毛髪に塗布し難く、毛髪にうるおいがなくボリューム感も十分ではなかった。比較例2は、(A)成分が本発明の範囲を超えて配合されているため、毛髪に塗布し難く、傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通りが悪かった。比較例3は、(B)成分が配合されていないため、傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通りが悪く、毛髪に艶がなかった。比較例4は、(C)成分が配合されていないため、毛髪に塗布し難く、毛髪にうるおいがなかった。比較例5〜6は、(A)成分と異なるポリアルキレングリコール誘導体が配合されているため、伸びが悪く毛髪に塗布し難く、毛髪に適度なボリュームを与えることができなかった。比較例7は、(C)成分の代わりに流動パラフィンが配合されているため、毛髪に塗布し難く、傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通りが悪かった。
表6〜7に示すヘアミルクを調製し、5項目について下記評価基準により評価を行った。但し、共通添加成分として表5に示す7成分を使用し、クエン酸一水和物によりpHを4.5〜5.5に調整した。
実施例の評価結果を表5、比較例の評価結果を表6に示す。
20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、頭髪に各ヘアミルク5gを塗布した時の塗布し易さについて下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を伸びがよく毛髪に塗布し易いヘアミルクであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 伸びがとてもよく、非常に塗布し易いと感じる。
10点 : 伸びがよく、塗布し易いと感じる。
0点 : 伸びが悪く、塗布し難いと感じる。
(2)傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通り性
脱色処理溶液(4.5質量%過酸化水素水/2.5質量%アンモニア水)に向きを揃えた長さ20cmの毛束を30分間浸漬し1Lの溜め水ですすいだ。この操作を合計3回繰り返し、損傷毛とした。各ヘアミルク2gを損傷毛に塗布した後、23℃の各恒湿槽(相対湿度20%又は50%)に12時間静置し、それぞれ乾燥処理毛及び非乾燥処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、乾燥処理毛の指通り性について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を傷んだ毛髪に対して乾燥時にも指通り性を保つヘアミルクであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 非乾燥処理毛と同等に指通り性に優れる。
10点 : 非乾燥処理毛より、僅かに指通り性が劣る。
0点 : 非乾燥処理毛より、明らかに指通り性が劣る。
各ヘアミルク2gを長さ10cmの毛束に塗布した後、恒温恒湿室(23℃・50RH)に12時間静置して処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、目視により各処理毛の艶について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を毛髪に艶を与えるヘアミルクであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 処理毛にとても艶がある。
10点 : 処理毛にやや艶がある。
0点 : 処理毛に艶がない。
(4)毛髪のうるおい
各ヘアミルク2gを長さ10cmの毛束に塗布した後、恒温恒湿室(23℃・50RH)に12時間静置して処理毛とした。20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、毛髪のうるおい感について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を髪にうるおいを与えるヘアミルクであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 処理毛にとてもうるおいがあり、しっとりしていると感じる。
10点 : 処理毛にややうるおいがあると感じる。
0点 : 処理毛にうるおいがないと感じる。
20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、頭髪に各ヘアミルク5gを塗布し、乾燥した時の毛髪のハリ・コシについて下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を髪にハリ・コシを与えるヘアリンスであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 毛髪にハリ・コシがあると感じる。
10点 : 毛髪にややハリ・コシがあると感じる。
0点 : 毛髪にハリ・コシがなく、ボリューム感がないと感じる。
(6)毛髪のボリューム感
20名の男女(20〜40才)をパネラーとし、頭髪に各ヘアミルク2gを塗布し乾燥した後の毛髪のボリューム感について下記の基準で評価した。20名の平均値を求めて、15点以上を髪に適度なボリューム感を与えるヘアミルクであると評価した。
(評点) : (評価)
20点 : 毛髪に適度なボリューム感があると感じる。
10点 : 毛髪にややボリューム感があると感じる。
0点 : 毛髪にボリューム感がないと感じる。
これに対し、表7に示すとおり、比較例8〜12のヘアミルクは、充分な性能が得られなかった。比較例8は(A)成分が配合されていないため、伸びが悪く毛髪に塗布し難く、毛髪にうるおいがなく、ボリューム感も十分ではなかった。比較例9は(A)成分が本発明の範囲を超えて配合されているため、毛髪に塗布し難く、傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通りが悪かった。比較例10は(B)成分が配合されていないため、傷んだ毛髪に対する乾燥時の指通りが悪く、毛髪に艶がなかった。比較例11は(C)が配合されていないため、毛髪に塗布し難く、毛髪にうるおいがなかった。比較例12は(A)成分と異なるポリアルキレングリコール誘導体が配合されているため、伸びが悪く毛髪に塗布し難く、毛髪に適度なボリュームを与えることができなかった。
Claims (1)
- (A)下記一般式(I)により示されるポリアルキレングリコール誘導体、
Z−{O−(EO)a−(BO)k−H}m (I)
(式中、Zは、水酸基を3〜6個有する多価アルコールから水酸基を除いた残基、mは3〜6であり、EOはオキシエチレン基であり、BOはオキシブチレン基であり、EOとBOはブロック状に結合している。
aはEOの平均付加モル数、kはBOの平均付加モル数を示し、aは1〜50、kは1〜50である。また、EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部である。)
(B)シリコーン又はシリコーン誘導体、及び
(C)分岐を有する炭化水素、を含有し、
毛髪化粧料全量に対し(A)成分の含有量が0.1〜10質量%、(B)成分の含有量が0.1〜10質量%、(C)成分の含有量が0.5〜50質量%である、毛髪化粧料。
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