JP2013093958A - 車上データベース装置、列車制御装置、及び、列車制御方法 - Google Patents

車上データベース装置、列車制御装置、及び、列車制御方法 Download PDF

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【課題】鉄道交通の安全性を確保しつつコストを低減し、且つ、列車制御の高効率化を実現しうる車上データベース装置、列車制御装置、及び、列車制御方法を提供する。
【解決手段】ある特定の位置P0を基準とした地点P1の位置情報と、地点P1から特定の位置P0までの距離情報及び速度制限情報(制限情報S3)とを記録した車上データベース装置であって、外部から入力される速度信号S1から自列車の現在位置を把握し、自列車が地点P1に到達したと判断したとき、制限情報S3を出力する、車上データベース装置。
【選択図】図1

Description

本発明は車上データベース装置、列車制御装置、及び、列車制御方法に関する。
従来、鉄道では、運行する複数の列車の間隔を保ち、列車同士が衝突しないようにするために、軌道上に閉そく区間を設定し、閉そく区間の境界(閉そく境界)に信号機を設置して列車に進行または停止を指示することにより、各閉そく区間には1列車しか進入を許可しないようにしている。さらに、運転士が前記信号機の指示に従わず、冒進した場合には列車同士が衝突する危険があるため、現在では列車制御装置によって、各列車の速度超過及び過走を自動的に規制している。
上述した列車制御装置の一つとして、例えば特許文献1乃至3には自動列車停止装置が開示されている。特許文献1乃至3の自動列車停止装置は、地上装置と、前記地上装置と電文の送受信を行なう車上装置とによって構成されている。地上装置は、典型的には、閉そく境界までの制動距離を確保して設置される地上子と、前記地上子に接続される信号制御器とを有している。そして、信号制御器は閉そく信号機の現示情報に基づく距離情報及び速度制限情報等を生成し、地上子は、生成された前記速度制限情報等を電文として車上装置に送信する。そして、車上装置は、受信した前記電文の内容に基づいて列車制御を行うこととなる。
ところで、この種の列車制御装置では、列車毎に加速性能および制動性能が異なることや、閉そく信号機の現示情報の更新タイミングなどを考慮し、複数の地上子が、閉そく区間の境界からの距離を段階的に異ならせて設置されることとなっている。更に言えば、地上子の設置数および設置位置は、情報の設計に係る効率を考慮し、基本となるパターンが予め決定されており、地上子は複数が前記基本パターンに則って設置されることとなっている。
しかし、実際の地上子の設置にあたっては、各設置場所における物理的制約および電気的制約等から、基本パターンに則って設置できない不都合が多々生じる。
しかも、地上子を設置できない場合、基本パターンから外れた位置に設置される地上子については、出力されるべき前記速度制限情報等を設計しなおす必要があり、情報の設計が非常に面倒になる。このような面倒を避けるには、地上子の設置に先立ち、地上子を基本パターンに則って設置することができるか否かの現地調査を、当該軌道の全長に渡って行う必要があり、莫大な費用負担を強いられる。
そもそも、従来の列車制御装置では、軌道の全長に渡って、その閉そく区間毎に地上子を設置する必要があり、莫大な費用負担を強いられる。特に、既存の地上子の位置を変更する必要が生じた場合や、地上子を新たに追加する必要が生じた場合、その工事は、列車の運行がない終電から始発までの夜間にしか行うことができないため、作業期間が長期化する傾向にあり、その分だけコスト高となる。
上述した問題点は、地上装置及び地上子を必要とする特許文献1乃至3では解消することはできない。
特許第3385295号公報 特許第3385296号公報 特許第3645199号公報
本発明の課題は、鉄道交通の安全性を確保しつつ、コストを低減しうる車上データベース装置、列車制御装置、及び、列車制御方法を提供することである。
本発明のもう1つの課題は、列車制御の高効率化を実現しうる車上データベース装置、列車制御装置、及び、列車制御方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車上データベース装置は、ある特定の位置を基準とした地点の位置情報と、前記地点から前記特定の位置までの距離情報及び速度制限情報とを記録しており、外部から入力される速度信号から自列車の現在位置を把握し、自列車が前記地点に到達したと判断したとき、前記距離情報及び前記速度制限情報を出力する。
本発明に係る車上データベース装置は、車上列車制御装置と組み合わされて、列車制御装置を構成する。車上列車制御装置は、速度照査機能部を有し、速度照査機能部は、車上データベース装置から入力される前記距離情報及び前記速度制限情報に基づいて列車速度制御信号を出力する。
まず、本発明に係る列車制御装置を構成する車上データベース装置は、3つの特徴的な構成を有している。第1の特徴は、ある特定の位置を基準とした地点の位置情報を記録していること、である。この構成によると、同地点に、いわばデータ上の仮想の地上子が設定されることとなる。
次に、車上データベース装置の第2の特徴は、前記地点から前記特定の位置までの距離情報及び速度制限情報を記録していること、である。この構成によると、仮想地上子として設定された地点において出力されるべき情報が、予め記録されていることとなる。
さらに、車上データベース装置の第3の特徴は、外部から入力される速度信号から自列車の現在位置を把握し、自列車が仮想地上子に到達したと判断したとき、前記距離情報及び前記速度制限情報を出力すること、である。本発明に係る車上データベース装置は、この第3の特徴と、既に説明した第1、第2の特徴とが有機的に機能することにより、列車制御に必要な情報を出力する。
すなわち、本発明に係る車上データベース装置を、車上列車制御装置に組み合わせて列車制御装置を構成した場合、車上データベース装置は、外部から入力される速度信号から自列車の現在位置を把握し、自列車が仮想地上子に到達したと判断したとき、前記距離情報及び速度制限情報を出力する。そして、車上列車制御装置の速度照査機能部は、入力された前記距離情報及び速度制限情報に基づいて列車速度制御信号を出力することにより、列車制御を行うこととなる。
上述したように、本発明に係る列車制御装置では、軌道内に実際の地上子を設置する替わりに、車上データベース装置上に仮想地上子を設定し、この仮想地上子に基づいて列車制御が行われるものである。従って、実際の地上子の設置工事、及び、同工事のための現地調査が必要なくなる分、コストを低減することができる。
また、本発明に係る列車制御装置では、車上データベース装置上に仮想地上子が設定されるから、その設定位置には物理的制約、電気的制約は存在しない。その結果、情報内容の設計が容易になり、列車制御の高効率化を実現することができる。
本発明において、車上データベース装置から出力される距離情報及び速度制限情報は、従来の地上子から出力される距離情報及び速度制限情報と一致させることができるから、既存の車上列車制御装置に、車上データベース装置を組み合わせることが可能である。従って、鉄道交通の安全性を確保しつつ、コストを低減することができる。
以上述べたように、本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)鉄道交通の安全性を確保しつつ、コストを低減しうる車上データベース装置、列車制御装置、及び、列車制御方法を提供することができる。
(2)列車制御の高効率化を実現しうる車上データベース装置、列車制御装置、及び、列車制御方法を提供することができる。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
本発明の実施形態に係る車上データベース装置のブロック図である。 本発明の実施形態に係る列車制御装置のブロック図である。 図2に示した列車制御装置による列車制御方法について模式的に示す図である。 本発明のもう一つの実施形態に係る列車制御装置のブロック図である。 本発明の更にもう一つの実施形態に係る列車制御装置のブロック図である。 図5に示した列車制御装置による列車制御方法について模式的に示す図である。 本発明の更にもう一つの実施形態に係る列車制御装置のブロック図である。
図1乃至7において同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。本発明の実施形態に係る車上データベース装置は、列車制御用であり、ある特定の位置を基準とした地点の位置情報と、前記地点から前記特定の位置までの距離情報及び速度制限情報(制限情報S3)とを記録しており、外部から入力される速度信号S1から自列車の現在位置を把握し、自列車が前記地点に到達(又は通過)したと判断したとき、制限情報S3を出力するものである。以下、図1乃至図7を参照して具体的に説明する。
図1の車上データベース装置は、データベース部11と、位置把握機能部12とを含む。データベース部11には、この種の列車制御に必要な基本情報が予め記録されている。ここで、「この種の列車制御に必要な基本情報」とは、自列車が走行する軌道の全長距離情報や勾配情報、自列車の加速性能及び制動性能の情報、信号現示の更新タイミング情報などであり、端的に言えば、従来の自動列車停止装置(いわゆATS装置)や、パターン制御式速度照査機能付き自動列車停止装置(いわゆるATS−P装置)などにおいて、地上子から出力されるべき情報がこれに該当する。
本発明の実施形態に係るデータベース部11は、上記基本情報に加え、ある特定の位置を基準とした地点の位置情報と、地点から特定の位置までの距離情報及び速度制限情報とが記録されている点に特徴の一つがある。ここで、「ある特定の位置」とは、自列車が走行する軌道上において速度超過や過走が規制されるべき位置であり、典型的には、閉そく区間の境界(閉そく境界)がこれに該当する。
また、閉そく境界を「ある特定の位置」とした場合、「ある特定の位置を基準とした地点の位置情報」とは、特定の閉そく境界を基準とし、同境界に対して自列車の制動性能から必要な制動距離を確保した地点の位置情報である。違う言葉で表現すれば、従来のATS装置やATS−P装置などにおいて、地上子が設置されるべき地点、及び、その位置情報がこれに該当する。以下、説明の都合上、「ある特定の位置」を閉そく境界に統一して説明する。
位置把握機能部12は、例えば車軸回転検出器(図示しない)などから供給される速度信号S1に基づいて自列車の走行距離情報S2を生成し、生成した走行距離情報S2をデータベース部11に出力する。
データベース部11は、入力された走行距離情報S2を、記録された基本情報と照合することにより、当該軌道における自列車の現在位置を把握し、自列車が所定の地点に到達したと判断したとき、同到達地点でみた閉そく信号機の現示情報S4に基づいて、閉そく境界を停止位置とする制限情報S3を出力する。
さらに言えば、列車制御においては、通常、信号現示系列上、列車の進行方向に設置された閉そく信号機群の信号現示を予測することが可能である。データベース部11は、前記到達地点でみた現示情報S4を、記録された基本情報と照合し、停止現示を示す閉そく信号機(停止現示信号機)を予測することにより、その停止現示信号機によって示される閉そく境界を停止位置とする制限情報S3を生成し、出力する。
図1の車上データベース装置は、既に述べたように、3つの特徴的な構成を有している。まず、第1の特徴は、データベース部11に、特定の位置を基準とした地点の位置情報が記録されていること、である。この構成によると、閉そく境界まで所定の制動距離を確保した地点の位置情報を、データベース部11に記録させることにより、同地点に、いわばデータ上の仮想地上子が設定されることとなる。
第2の特徴は、データベース部11に、前記地点から特定の位置までの距離情報及び速度制限情報(制限情報S3)が記録されていること、である。この構成によると、仮想地上子として設定された地点において出力されるべき、閉そく境界までの制限情報S3が、予め記録されていることとなる。
さらに、第3の特徴は、速度信号S1から自列車の現在位置を把握し、自列車が仮想地上子の地点に到達したと判断したとき、制限情報S3を出力すること、である。この構成によると、車上データベース装置は、実際に自列車が仮想地上子に到達したとき、制限情報S3を出力することができる。
次に、図1の車上データベース装置、及び、これを用いた列車制御方法について、図2及び図3を参照して説明する。図2及び図3の列車制御装置は、車上装置のみで構成されており、図1を参照して説明した車上データベース装置10と、車上列車制御装置20と、車軸回転検出器30と、制動機構40とを含む。
図2の車上データベース装置10は、車上列車制御装置20とは別体であり、車上列車制御装置20に情報伝送ケーブルを介して接続されている。車上データベース装置10は、図1を参照して説明した3つの特徴的な構成を有しているから、データベース部11に、閉そく境界P0から所定の制動距離L1を確保した地点P1の位置情報が記録されていることにより、地点P1に、いわばデータ上の仮想地上子13(破線表記)が設定されることとなる。
車軸回転検出器30は、列車の車輪又は車軸付近に取り付けられ、車輪又は車軸の回転に応じた周期性を持つ電圧信号から速度信号S1を生成するものであり、例えば速度発電機などがこれにあたる。速度信号S1は、情報伝送ケーブルを介して位置把握機能部12に出力される。また、制動機構40は、列車の車輪のいくつかに付設されている。
車上列車制御装置20は、速度照査機能部21と、メモリ領域22とを有し、速度照査機能部21は、データベース部11から入力される制限情報S3に基づいて列車速度制御信号S5を生成する。もっとも、車上列車制御装置20をハードウエア的観点からみれば、速度照査機能部21は、この種の車上列車制御装置20に備えられるCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、速度照査機能部21は、前記CPUにおける演算処理機能であって、ソフトウェア的な構成要素として、車上列車制御装置20を構成している。
図2及び図3の列車制御装置による列車制御方法では、まず、車上データベース装置10において、位置把握機能部12は、速度信号S1に基づいて走行中の自列車の走行距離情報S2を生成し、生成した走行距離情報S2をデータベース部11に出力する。
その後、データベース部11は、入力された走行距離情報S2を、記録された基本情報と照合して、走行中の自列車の現在位置を把握する。そして現在位置を把握した結果、自列車が仮想地上子13に到達したと判断したとき、さらに地点P1でみた現示情報S4を基本情報と照合し、停止現示信号機によって示される閉そく境界P0を停止位置とする制限情報S3を生成し、速度照査機能部21に出力する。
速度照査機能部21は、入力された制限情報S3に基づいて列車速度制御信号S5を生成し、制動機構40に出力することにより、制動機構40が列車の制動を行うこととなる。例えば、現示情報S4がR現示である場合に、列車速度制御信号S5は、当該閉そく区間内に設定される停止位置で停止するための停止パターンである。
上述したように、図1の車上データベース装置10、及び、これを用いた図2及び図3の列車制御装置は、軌道内に実際の地上子を設置する替わりに、データベース部11に仮想地上子13を設定し、この仮想地上子13に基づいて列車制御が行われるものである。すなわち、列車制御装置は、車上データベース装置10を有することにより、実際の地上子が不要となるから、その設置工事、及び、設置工事に先立つ現地調査も不要になる分、コストが低減される。
また、仮想地上子13は、データベース部11に設定される位置情報であるから、その設定位置には物理的制約、電気的制約は存在しない。その結果、制限情報S3の設計が容易になり、列車制御の高効率化を実現することができる。
車上データベース装置10から出力される制限情報S3は、従来のATS装置やATS−P装置などの地上子から出力されるべき制限情報と一致するように設計することが可能である。この構成によると、従来の情報作成ツールやノウハウをそのまま踏襲することが可能となり、コストが低減される。
さらに、制限情報S3を、従来の地上子の制限情報と一致するように設計した場合、例えば現に運用されている車上列車制御装置20を改修して、車上データベース装置10を外部接続することにより、仮想地上子13のみで列車制御をおこなうことも、地上子と仮想地上子13とを重畳利用して列車制御をおこなうこともできる。いずれにしても、車上データベース装置10を、車上列車制御装置20に外部接続する構成では、車上側の改修が最低限で済むこととなるから、鉄道交通の安全性を確保しつつ、コストを低減することができる。
制限情報S3の設計において、ATS−P装置のような距離情報ではなく、周波数信号を出力する方式を取ることにより、変周式ATSにおいても制限情報S3を出力することが可能となる。
図4の列車制御装置は、図1乃至図3の車上データベース装置10が、車上列車制御装置20と一体化されている以外は、図1乃至3を参照して説明した列車制御装置と実質的に同一の構成を有している。以下、相違点を中心に説明する。
図4の車上列車制御装置20をハードウエア的観点から見れば、図1乃至図3を参照して説明した車上データベース装置(一点鎖線表記)と、これを構成するデータベース部11及び位置把握機能部12は、車上列車制御装置20に備えられるCPUの演算処理機能の一つとなっている。すなわち、データベース部11及び位置把握機能部12は、速度照査機能部21と同様に、ソフトウェア的な構成要素として、車上列車制御装置20を構成している。図4の実施形態によっても、図1乃至3を参照して説明した車上データベース装置10、及び、これを用いた列車制御装置の利点を全て有することができる。
図5及び図6は、図1乃至図3を参照して説明した車上データベース装置10を、ATS装置やATS−P装置などと組み合わせた列車制御装置の実施形態である。図5及び図6の列車制御装置は、列車側に設置される車上装置1と、地上側に設置される地上装置7とを含む。地上装置7は、当該技術分野において、周知の構成部分であるから、簡単に説明する。
地上装置7は、通常、通過する列車毎に加速性能および制動性能が異なることや、現示情報S4の更新タイミングなどを考慮し、1つの閉そく区間に、複数の地上子(71〜74)が配置される。図6を参照すると、地上子71〜74は、閉そく境界P0からの距離L1〜L4を段階的に異ならせて設置され、更に言えば、その設置数および設置位置は、情報の設計に係る効率を考慮し、通常、基本となるパターンが予め決定されている。一例として、図6の地上子71〜74のそれぞれは、閉そく境界P0に遠い側から、到達距離が異なる地点P1〜P4ごとに、距離L1で600m、距離L2で180m、距離L3で85m、距離L4で30mとなるパターンで設置されることとなる。
図5及び図6からは必ずしも明らかではないが、地上子71〜74には、情報伝送ケ−ブルを介して信号制御器が接続されており、例えば車上装置1を搭載する列車が地上子71に到達したとき、信号制御器によって生成された当該列車の位置情報、信号機の信号現示情報(S4)に基づく距離情報、及び、速度制限情報等が制御電文として、地上子40から車上子50に送信される。
速度照査機能部21は、車上子50を介して供給された前記制御電文の内容に基づいて、列車速度制限信号S5を生成する。例えば、現示情報S4がR現示である場合、速度照査機能部21は、当該閉そく区間内に設定される停止位置で停止するための列車速度制御信号S5(停止パターン)を生成して制動機構40に出力し、この列車速度制御信号S5に従って制動機構40が列車を制御する。
上述したように、従来、この種の自動列車停止装置では、地上子71〜74は基本パターンL1〜L4に則って設置されることとなっている。しかし、実際の地上子71〜74の設置にあたっては、各設置場所における物理的制約および電気的制約等から、基本パターンL1〜L4に則って設置できない不都合が多々生じる。例えば、地点P2に設置されるべき地上子72について、地点P2が踏切内に当たるなど物理的制約がある場合、地点P2から、距離L20の分だけ閉そく境界P0の側に近づく地点P20に設置せざるをえない不都合が生じる。
このように基本パターンL1〜L4に沿った位置に地上子71〜74を設置できない場合、例えば、地上子72から発信されるべき速度制限情報等を、差分距離L20に基づいて個別に補正する必要があり、情報の設計が非常に面倒になる。このような面倒を避けるには、地上子71〜74の設置に先立ち、地上子71〜74を基本パターンL1〜L4に則って設置することができるか否かの現地調査を、当該軌道の全長に渡って行う必要があり、莫大な費用負担を強いられる。
また、速度制限情報等の出力を地上子のみに依存する従来のATS装置やATS−P装置では、地上子71〜74の位置を変更する必要が生じた場合や、新たな地上子(75)を追加する必要が生じた場合、当該工事が完了するまで列車制御を行うことができず、鉄道交通の安全性が不完全なものとなる。しかも、地上子の位置変更及び追加設置工事は、列車の運行がない終電から始発までの夜間にしか行うことができないため、作業期間が長期化する傾向にあり、その分だけコスト高となる。
これに対し、図5及び図6の車上データベース装置10は、図1乃至図4を参照して説明した利点を全て含み、第1乃至第3の特徴的な構成を有するから、例えば、基本パターンL2に沿った地点P2の位置情報を、データベース部11に記録させることにより、同地点(P2)に仮想地上子13を設定し、この仮想地上子13に基づいて列車制御を行うことができる。
すなわち、車上装置1を、地上装置(7)と組み合わせて列車制御装置を構成した場合、速度照査機能部21は、地点P1、P20、P3、及び、P4においては、各地上子71〜74から送信される制御電文の内容に基づいて列車速度制御信号S5を出力する一方、地点P2においては、仮想地上子13への到達をトリガーとしてデータベース部11から出力される制限情報S3に基づいて列車速度制御信号S5を出力する。この構成によると、地点P1〜P4、及び、地点P20の全てにおいて列車速度制御信号S5に基づく列車制御が可能となる。従って、鉄道交通の安全性が確保される。
図5及び図6の列車制御装置では、物理的制約および電気的制約等から地上子72を設置できない地点P2に仮想地上子13を設置し、補完することにより、仮想地上子13と、地上子71〜74と重畳利用して列車制御をおこなうことができる。従って、列車制御の高効率化を実現しうる。また、既存の地上子71〜74の位置を変更する必要が生じた場合や、新たな地上子を追加する必要が生じた場合、前記変更又は追加地点に仮想地上子13を設定することにより、即時に対応することが可能であり、準備期間も短期間ですむから、その分だけコストを低減することができる。
本発明に係る車上データベース装置10によると、仮想地上子13のみでも列車制御を行うことは可能であるが、図5及び図6を参照して説明したように、例えば現行のATS装置やATS−P装置を構成する地上子71〜74と組み合わせて運用することにより、鉄道交通の信頼性及び安全性を向上することができる。
更に言えば、ATS装置と、ATS−P装置とは、周知のように異なる機能を有しており、それに対応して、地上子及び車上子の構成が互いに異なる。例えば、ATS装置用地上子は、LC回路を主な構成要素とし、車上子と結合したときに、車上装置側の共振周波数が変化することを、列車停止制御に利用する。これに対して、ATS−P装置用地上子は、基本的には無電源であって、車上子からの電力波を受信して電源を生成し、この電源を利用して、地上装置に含まれる送受信装置を動作させ、地上装置と車上装置との間で、列車制御のための信号の送受信を行う。
ところで、ATS装置用地上子を有する線路においても、また、ATS−P装置用地上子を有する線路においても、列車制御ができるようにするためには、車上装置としては、両方式に対応できる構成をとることが好ましい。
しかし、既に説明したように、ATS装置とATS−P装置とでは、地上子及び車上子の構成が互いに異なる結果、両方式に対応できるようにするためには、例えば車上子を、ATS装置用と、ATS−P装置用とで電気磁気的に分離しなければならず、構成が複雑になり、その分だけ、コスト高を招く。しかも、ATS−P装置の車上子には、電力波を送信する車上情報波送受信用アンテナを含んでいるから、各車上子の電気的磁気的分離が不十分であると、ATS装置用車上子や地上子が干渉を受け、正常なATS装置動作ができなくなる。
上述した問題に対し、本発明の実施形態に係る車上データベース装置10を用いた列車制御装置では、例えば、ATS装置用地上子を有する線路において、車上データベース装置上にATS−P装置用に仮想地上子13を適宜設定することにより、ATS装置とATS−P装置との両方式に対応することができる。
図7の車上装置1は、車上データベース装置10が、車上列車制御装置20と一体化されている以外は、基本的に図5及び図6と実質的に同一の構成を有するものであるから、図1乃至図6を参照して説明した利点を全て奏することができる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。例えば、車上データベース装置10を構成する位置把握機能部12は、GPS電波(S1)に基づいて自列車の位置情報(S2)を生成し、生成した把握位置情報(S2)をデータベース部11に出力する構成とすることもできる。この構成においても、データベース部11は、入力された位置情報(S2)を、記録された基本情報と照合して、自列車の現在位置を把握することが可能である。
1 車上装置
10 車上データベース装置
11 データベース部
12 位置把握機能部
20 車上列車制御装置
21 速度照査機能部
7 地上装置
P0 ある特定の位置
P1〜P5 地点
S1 速度信号
S3 制限情報
S5 列車速度制御信号

Claims (5)

  1. ある特定の位置を基準とした地点の位置情報と、前記地点から前記特定の位置までの距離情報及び速度制限情報とを記録した車上データベース装置であって、外部から入力される速度信号から自列車の現在位置を把握し、自列車が前記地点に到達したと判断したとき、前記距離情報及び前記速度制限情報を出力する、車上データベース装置。
  2. 車上データベース装置と、車上列車制御装置とを含む列車制御装置であって、
    前記車上データベース装置は、請求項1に記載されたものでなり、前記車上列車制御装置とは別体であり、
    前記車上列車制御装置は、前記速度照査機能部を有し、
    前記速度照査機能部は、前記車上データベース装置から入力される前記距離情報及び前記速度制限情報に基づいて列車速度制御信号を出力する、
    列車制御装置。
  3. 車上データベース装置と、車上列車制御装置とを含む列車制御装置であって、
    前記車上データベース装置は、請求項1に記載されたものでなり、前記車上列車制御装置と一体化されており、
    前記車上列車制御装置は、前記速度照査機能部を有し、
    前記速度照査機能部は、前記車上データベース装置から入力される前記距離情報及び前記速度制限情報に基づいて列車速度制御信号を出力する、
    列車制御装置。
  4. 請求項2又は3に記載された列車制御装置であって、さらに地上装置を含み、
    前記地上装置は、軌道内において、ある特定の位置を基準とした地点に設置され、自列車が設置地点に到達したとき、前記設置地点から前記特定の位置までの距離情報及び速度制限情報を前記車上列車制御装置に出力する、
    列車制御装置。
  5. 車上データベース装置において、特定の位置を基準とした地点の位置情報と、外部から入力される速度信号とから自列車の現在位置を把握し、自列車が前記地点に到達したと判断したとき、前記特定の位置までの距離情報及び速度制限情報を出力し、
    前記車上列車制御装置において、前記車上データベース部から入力された前記距離情報及び前記速度制限情報に基づいて列車速度制御信号を出力する、
    列車制御方法。
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