JP2013092051A - 気体圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】気体圧縮機において、2段階の圧縮空間を有し、ベーンが1段階目の空間に位置するときと2段階目の圧縮空間に位置するときとで、背圧を適切に調整する。
【解決手段】ロータ50とシリンダ40との間に形成された、容積の互いに異なる2つの圧縮用の空間S1,S2のうち相対的に容積の大きい第1空間S1で圧縮された冷媒ガスGを相対的に容積の小さい第2空間S2に供給するように、第1空間S1と第2空間S2とを通じさせる中間通路S3と、第2空間S2で圧縮された冷媒ガスGの圧力(高圧P2)に依存した中圧P4の冷凍機油Rをベーン58の背圧として供給する背圧通路の一部を構成するサライ溝25と、サライ溝25と中間通路S3とを通じさせる減圧通路27a,27b(減圧部)とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は気体圧縮機に関し、詳細には,ベーンロータリ形式の気体圧縮機に関する。
従来、空気調和システムには、冷媒ガスなどの気体を圧縮して、空気調和システムに気体を循環させるための気体圧縮機(コンプレッサ)が用いられている。
この気体圧縮機には種々の形式のものがあるが、そのうちの一つとして、ベーンロータリ形式のものが知られている。
ベーンロータリ形式の気体圧縮機は、概略楕円形状の輪郭の内周面を有するシリンダの内部の、その内周面で囲まれた内部空間内に、円の輪郭を有する円柱状のロータが配置され、ロータの外周には外方に突出可能とされた複数枚のベーンが埋め込まれ、それらのベーンの突出側の先端がシリンダの内周面に接することで、シリンダの内周面とロータの外周面とで囲まれた空間が、ベーンによって複数の空間(圧縮室)に区切られ、これらの区切って得られた各圧縮室の容積がロータの回転に伴って変化することで、各圧縮室に吸入された気体を圧縮するようになっている(特許文献1)。
ここで、ベーンロータリ形式の気体圧縮機には、シリンダの内周面の輪郭形状が楕円ではなく円のものもあるが、この輪郭形状が円形状の内周面のシリンダを有する気体圧縮機は、シリンダの中心に対してロータの中心を偏心させて回転させるものとなっている。
この偏心したロータの気体圧縮機は、ロータの外周面とシリンダの内周面とが1点で接するように形成されているため、ロータとシリンダとの間には圧縮用の空間が1つだけ形成され、気体の吸入、気体の圧縮、気体の吐出という1サイクルは、ロータが360度回転することで完了する(特許文献2)。
一方、輪郭形状が略楕円形状の内周面のシリンダを有する気体圧縮機は、シリンダの中心に対して対称となる2点で、ロータの外周面とシリンダの内周面とが接するように形成されているため、ロータとシリンダとの間には圧縮用の空間が2つ形成され、各圧縮用の空間の範囲で、すなわちロータが180度回転する間に、気体の吸入、気体の圧縮、気体の吐出という1サイクルが完了する。
なお、圧縮用の空間が2つ形成された気体圧縮機は、各空間で気体の吸入、圧縮、吐出の各行程が完結する。
ところで、気体圧縮機単体でのエネルギー消費効率(COP:coefficient of performance)を向上させようとするとき、圧縮行程と吐出行程とが占める期間(回転角度)を長く確保するのが有効である。
そして、輪郭形状が略楕円形状の内周面のシリンダを有する気体圧縮機においてこれを実現するものとして、上述した2箇所の圧縮用の空間のうち一方を1段階目の圧縮に使い、残りの一方を2段階目の圧縮に使うようにして、1段階目の空間と2段階目の空間とをパイプで繋いだものが提案されている(特許文献3)。
この特許文献3に記載された技術は、2段階目の空間(第2の空間)を1段階目の空間(第1の空間)よりも相対的に小さく形成し、第1の空間で圧縮された気体をパイプを介して第2の空間に供給し、第2の空間で気体をさらに圧縮することで、全体として圧縮行程の期間を長くしたものである。
特開2008−223526号公報 特開昭59−041691号公報 実開昭58−111392号公報
ここで、ベーンロータリ形式の気体圧縮機におけるベーンは、この気体圧縮機の内部に溜められて、圧縮用の空間から吐出した気体の圧力に依存した油圧(圧縮用の空間から吐出した気体の圧力と同等の油圧を絞って圧力を低下させた油圧)の冷凍機油を背圧として用いることで、ロータから突出するように構成されている。
しかし、特許文献3に記載の技術によると、第1の空間において形成された圧縮室は、第2の空間において形成された圧縮室よりも内部の圧力が低いため、第2の空間における圧縮室から吐出した気体の圧力に依存した油圧の冷凍機油を、第2の空間における圧縮室のベーンと同様に第1の空間における圧縮室のベーンに作用させたのでは、第1の空間においてはベーンの突出側先端とシリンダの内周面との接触圧力が高過ぎて摩擦抵抗の損失が大きく、動力の無駄を生じるなどの問題がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、圧縮圧力が互いに異なる2段階の圧縮空間(第1の空間および第2の空間)を有し、圧縮圧力が相対的に低い(容積が相対的に大きい)第1の空間に位置するベーンに作用する背圧を適切に調整した気体圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係る気体圧縮機は、突出するベーンを有するロータとシリンダとの間に形成された、容積の互いに異なる2つの圧縮用の空間と、前記2つの圧縮用の空間のうち相対的に容積の大きい第1の空間で圧縮された気体を前記2つの圧縮用の空間のうち相対的に容積の小さい第2の空間に供給するように、前記第1の空間と前記第2の空間とを通じさせる中間通路と、前記第2の空間で圧縮された前記気体の圧力に依存した圧力の冷凍機油を前記ベーンの背圧として供給する背圧通路と、前記背圧通路のうち前記第1の空間に位置するベーンに通じた第1空間用背圧通路における前記冷凍機油の油圧を低下させる減圧部とを備えたものである。
本発明に係る気体圧縮機によれば、2段階の圧縮空間を有し、ベーンが1段階目の空間に位置するときと2段階目の圧縮空間に位置するときとで、背圧を適切に調整することができる。
本発明の一実施形態としてのベーンロータリ形式のコンプレッサを示す縦断面図である。 図1におけるA−A線に沿った断面を示す図である。 図1における要部をかくだいした図である。 (a)はリヤサイドブロックの、ロータおよびシリンダの端面に対向する面を示す図、(b)は(a)におけるB−B線に沿った断面を示す図である。
以下、本発明の気体圧縮機に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態としてのベーンロータリ形式の電動コンプレッサ100(気体圧縮機)を示す縦断面図、図2は図1におけるA−A線に沿った断面を示す図である。
図示の電動コンプレッサ100は、例えば、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう空気調和システム(以下、単に空調システムという。)の一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等(いずれも図示を省略する。)とともに冷却媒体の循環経路上に設けられている。
そして、コンプレッサ100は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体としての冷媒ガスGを圧縮し、この圧縮された冷媒ガスGを空調システムの凝縮器に供給する。凝縮器は、圧縮された冷媒ガスGを液化させ、高圧で液状の冷媒として膨張弁に送出する。
高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この気化熱との熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
コンプレッサ100は、ハウジング10の内部に収容された圧縮機本体60と、圧縮機本体60から吐出された冷媒ガスGに混入した冷凍機油Rを遠心分離するサイクロンブロック70と、圧縮機本体60を回転駆動するモータ80と、モータ80の回転を制御するインバータ90とを備えている。
ハウジング10には、蒸発器から低圧P1(例えば、3[kgf/cm2 G])の冷媒ガスGが吸入される吸入ポート(図示を略す。)と、圧縮機本体60で圧縮され、冷凍機油Rが分離された高圧P2(例えば、20[kgf/cm2 G])の冷媒ガスGを凝縮器に吐出する吐出ポート(図示を略す。)とが形成されている。
ハウジング10の内部には、ハウジング10の内面と圧縮機本体60の外面とによって、吸入ポートに通じる空間である吸入室31(内部圧力は低圧P1)と吐出ポートに通じる空間である吐出室21(内部圧力は高圧P2)とが区画して形成されている。なお、吸入室31にモータ80が配置されている。
圧縮機本体60は、回転軸51と、ロータ50と、シリンダ40と、5つのベーン58と、フロントサイドブロック30と、リヤサイドブロック20と、サイクロンブロック70(油分離器)とからなる。
回転軸51は、インバータ90で制御されたモータ80の駆動力により、その軸回りに回転駆動される。
ロータ50は、回転軸51と同軸の円柱状を呈し、回転軸51と一体的に回転する。
シリンダ40は、図2に示すように、円柱状のロータ50の外周面53の外方を取り囲む断面輪郭が概略楕円形状の内周面49を有するとともに、両端が開放された形状を呈している。
なお、シリンダ40の内周面49に短径部では、シリンダ40の内周面49とロータ50の外周面53とが略接するように形成されている。すなわち、回転軸51を挟んで互いに略対称の位置にある2点E1,E2において、シリンダ40の内周面49とロータ50の外周面53とが略接する。
ベーン58は、ロータ50の両端面まで延びたベーン溝59に埋設され、ベーン溝59のうちロータ50の両端面に開口した部分を介して供給された冷凍機油Rによるベーン背圧を受けて、ロータ50の外周面53から外方に向けて(シリンダ40の内周面49に向けて)突出可能とされ、その突出側の先端がシリンダ40の内周面49の輪郭形状に追従するように突出量が可変とされ、回転軸51回りに等角度間隔で5つ備えられている。
フロントサイドブロック30は、シリンダ40の両側端面のうち吸入室31側の端面を覆うように固定され、リヤサイドブロック20は、シリンダ40の両側端面のうち吐出室21側の端面を覆うように固定されている。
また、これら2つのサイドブロック20、30の略中央部には、ロータ50の両端面から突出した回転軸51の部分をそれぞれ回転自在に支持する貫通孔である軸受け28,38が形成されている。
圧縮機本体60のうち、ロータ50とシリンダ40との間には、図2に示したように、ロータ50の回転中心である回転軸51回りの、2つの接点E1,E2の間に容積の互いに異なる2つの圧縮用の空間S1,S2が形成される。
なお、厳密には、これらの空間S1,S2は、2つのサイドブロック20,30によって、ロータ50およびシリンダ40の両端面側が覆われることによって閉じた空間として区画される。
ここで、2つの空間S1,S2のうち容積が相対的に大きい第1空間S1(第1の空間)は、ロータ50とシリンダ40との間の、ロータ50の半径方向に沿った距離がH1、容積が相対的に小さい第2空間S2(第2の空間)は、ロータ50とシリンダ40との間の、ロータ50の半径方向に沿った距離がH2(<H1)にそれぞれ形成されている。
ロータ50は図2の矢印方向(図示において時計回り方向)に回転するが、上述した各空間S1,S2はロータ50の回転方向に沿って相前後する2つのベーン58,58によってそれぞれ小さい空間に仕切られ、このベーン58,58により仕切って得られた小さい空間はロータ50の回転にしたがってその容積が変化する圧縮室52となる。
また、第1空間S1のうちロータ50の回転方向下流側の端の部分に臨むシリンダ40の部分には、この第1空間S1に通じた吐出孔41が形成されている。
一方、第2空間S2のうちロータ50の回転方向上流側の端の部分に臨むシリンダ40の部分には、この第2空間S2に通じた吸入孔42が形成されている。
そして、シリンダ40には、この吐出孔41と吸入孔42とを繋ぐ中間通路S3が形成されている。つまり、第1空間S1で圧縮された冷媒ガスGが第2空間S2に供給されるように、第1空間S1と第2空間S2とが中間通路S3によって通じている。
なお、中間通路S3は、シリンダ40の両端面まで延びて形成されていて、これらの両端面にそれぞれ密着して設けられる各サイドブロック20,30にも、その中間通路S3に対応する部分に、中間通路S3と同じ輪郭形状の凹部が形成されており、これらのサイドブロック20,30にそれぞれ形成された凹部まで含めて中間通路S3を形成している(例えば、図4(a)に示したリヤサイドブロック20を参照)。
吐出孔41には開閉弁43が設けられている。この開閉弁43は、第1空間S1における複数の圧縮室52のうち吐出孔41を通過している圧縮室52の内部の圧力が所定の中間圧力P3(P1<P3<P2)以上になったとき開き、所定の中間圧力P3未満のときは閉じるように形成されているとともに、冷媒ガスGの流れの向きを、第1空間S1から中間通路S3に向けた向きに制限し、これとは反対向きには流れないようにする逆止弁としても機能する。
また、第2空間S2のうちロータ50の回転方向下流側の端の部分に臨むシリンダ40の部分には、この第2空間S2に通じた吐出孔44が形成されている。
そして、この吐出孔44はリヤサイドブロック20に形成された連通孔22に通じ、連通孔22はサイクロンブロック70に通じている。
吐出孔44にも開閉弁45が設けられている。この開閉弁45は、第2空間S2における複数の圧縮室52のうち吐出孔44を通過している圧縮室52の内部の圧力が所定の高圧P2以上になったとき開き、所定の高圧P2未満のときは閉じるように形成されているとともに、冷媒ガスGの流れの向きを、第2空間S2からサイクロンブロック70に向けた向きに制限し、これとは反対向きには流れないようにする逆止弁としても機能する。
複数の圧縮室52のうち第1空間S1の回転方向上流側に位置した圧縮室52は、ロータ50の回転にしたがって容積が増大するが、吸入室31に連なる吸入通路S4が圧縮室52を仕切っている2つのベーン58,58の間にあるときは、圧縮室52の容積増大の過程で、吸入室31の冷媒ガスGが吸入通路S4を通って圧縮室52の内部に吸入される吸入行程となる。
圧縮室52を仕切っている2つのベーン58,58のうち回転方向上流側のベーン58が吸入通路S4を通過したとき、その圧縮室52は完全に閉じた空間として区切られるとともに、その容積は最大となっている。
そして、その圧縮室52は、その後、ロータ50の回転にしたがって容積が徐々に小さくなり、圧縮室52内部の冷媒ガスGが圧縮される圧縮行程となっている。
ロータ50の回転がさらに進み圧縮室52を仕切っている2つのベーン58,58のうち回転方向下流側(前側)のベーン58が吐出孔41を通過し、圧縮室52の内部の圧力が中間圧力P3以上まで圧縮されると、吐出孔41に設けられた開閉弁43が開き、圧縮室52の内部に閉じこめられて圧縮された冷媒ガスGが中間通路S3に流れ込む。
そして、この中間通路S3に流れ込んだ中間圧力P3の冷媒ガスGは、第2空間S2に臨む吸入孔42を通って第2空間S2において形成された圧縮室52の内部に流れ込む。
複数の圧縮室52のうち第2空間S2の回転方向上流側に位置した圧縮室52は、ロータ50の回転にしたがって容積が増大するが、中間通路S3に連なる吸入孔42が圧縮室52を仕切っている2つのベーン58,58の間にあるときは、圧縮室52の容積増大の過程で、吸入室31の冷媒ガスGが吸入通路S4を通って圧縮室52の内部に吸入される吸入行程となる。
圧縮室52を仕切っている2つのベーン58,58のうち回転方向上流側のベーン58が吸入孔42を通過したとき、その圧縮室52は完全に閉じた空間として区切られるとともに、その容積は最大となっている。
そして、その圧縮室52は、その後、ロータ50の回転にしたがって容積が徐々に小さくなり、圧縮室52内部の冷媒ガスGが中間圧力P3よりもさらに高圧に圧縮される圧縮行程となっている。
ロータ50の回転がさらに進み圧縮室52を仕切っている2つのベーン58,58のうち回転方向下流側(前側)のベーン58が吐出孔44を通過し、圧縮室52の内部の圧力が高圧P2以上まで圧縮されると、吐出孔44に設けられた開閉弁45が開き、圧縮室52の内部に閉じこめられて圧縮された冷媒ガスGがリヤサイドブロック20の連通孔22を通ってサイクロンブロック70の内部に流れ込む。
このように、本実施形態のコンプレッサ100における圧縮機本体60は、低圧P1の冷媒ガスGを第1空間S1で中間圧力P3まで、第1段階として圧縮し、その後、中間圧力P3の冷媒ガスGを第2空間S2で高圧P2まで、第2段階として圧縮するように形成されている。
サイクロンブロック70は、リヤサイドブロック20の外面に密着して取り付けられていて、遠心分離により、冷媒ガスGに混入している冷凍機油Rを冷媒ガスGから分離するものである。
サイクロンブロック70によって冷凍機油Rが分離された冷媒ガスGは吐出室21に放出され、吐出ポートを通って凝縮器に吐出される。
一方、冷媒ガスGから分離された冷凍機油Rは吐出室21の底部に貯められて、ベーン58を突出させる作動油等として利用される。
具体的には、吐出室21を仕切っているリヤサイドブロック20の下部のうち吐出室21に溜まっている冷凍機油Rに浸かる部分には、図3に示すように、リヤサイドブロック20の軸受け28まで延びた導油路23が開口している。
この導油路23は、吐出室21の内部の圧力(高圧P2)により、吐出室21の底部に貯められた冷凍機油Rを吐出室21から軸受け28まで導くためにリヤサイドブロック20に形成された通路である。
上述したように、吐出室21の内部の圧力により軸受け28まで導かれた冷凍機油Rは、軸受け28と回転軸51の外周面51aとの間の僅かな隙間を通って、図4(a)に示すように、リヤサイドブロックに形成された油圧供給溝(以下、サライ溝という。)25,26に供給される。このとき、冷凍機油Rは軸受け28と回転軸51の外周面51aとの間の僅かな隙間によって絞られるため、圧力損失が生じ、サライ溝25,26に到達した冷凍機油Rの圧力は、高圧P2よりも低く、かつ中間圧力P3よりも高い中圧P4(P3<P4<P2;例えば、16[kgf/cm2 G])となっている。
この中圧P4は、絞られる前の高圧P2に依存した圧力となっていて、通常は、高圧P2の70〜80[%]程度である。
サライ溝25,26は、ロータ50の端面に対向しているが、このロータ50の端面にはベーン溝59が開口しているため、ロータ50の回転によって何れかのベーン溝59がサライ溝25,26に対向し、このサライ溝25,26にベーン溝59が対向している期間(サライ溝26,26の形成されている角度範囲に対応した期間)中だけ、その対向しているベーン溝59にサライ溝25,26から中圧P4の冷凍機油Rが供給され、その供給された冷凍機油Rがベーン58を突出させるための背圧として作用する。
このように、導油路23(高圧P2)、軸受け28と回転軸51の外周面51aとの間の僅かな隙間(高圧P2→中圧P4)、サライ溝25,26(中圧P4)、およびベーン溝59(中圧P4)は、冷凍機油Rをベーン58の背圧として供給する背圧通路として機能している。
ここで、2つのサライ溝25,26のうち一方のサライ溝25は、第1空間S1に位置するベーン溝59のベーン58に通じる第1空間S1用の背圧通路(第1空間用背圧通路)に相当し、他方のサライ溝26は、第2空間S2に位置するベーン溝59のベーン58に通じる第2空間S2用の背圧通路に相当する。
また、第1空間S1用の背圧通路を構成している、第1空間S1側のサライ溝25には、図4(a),(b)に示すように、リヤサイドブロック20における中間通路S3(シリンダ40に形成された中間通路S3と同じ輪郭形状の凹部)に繋がる減圧通路27a,27bが形成されている。
なお、減圧通路を、図4に示すように2つの減圧通路27a,27bを繋いだ構造としている理由は、サライ溝25と中間通路S3とを繋ぐための経路を単一の加工によって形成することが難しいためであり、手間をかけての加工が許容される場合は、単一の減圧通路によって構成されてもよい。
このように、本実施形態のコンプレッサ100は、第1空間S1側のサライ溝25が減圧通路27a,27bにより中間圧力P3の中間通路S3に繋がっているため、このサライ溝25の冷凍機油Rの油圧は、元の中圧P4よりも低い中間圧力P3まで低減される。
この結果、第1空間S1に位置するベーン溝59には、中圧P4よりも低い中間圧力P3の冷凍機油Rがベーン58の背圧として作用する。
一方、第2空間S2に位置するベーン溝59には、中圧P4の冷凍機油Rがベーン58の背圧として作用する。
ここで、第1空間S1において形成されている圧縮室52の内部の圧力は、最大でも中間通路S3における圧力(中間圧力P3)であり、第2空間S2において形成されている圧縮室52の内部の圧力は、最小で中間通路S3の圧力(中間圧力P3)であり、最大で吐出室21における圧力(高圧P2)である。
すなわち、第1空間S1で形成された圧縮室52の内部圧力は第2空間S2で形成された圧縮室52の内部圧力よりも小さいため、第1空間S1で圧縮室52を形成するベーン58の背圧は、第2空間S2で圧縮室52を形成するベーン58の背圧よりも低くてよい。
本実施形態のコンプレッサ100は、第1空間S1で圧縮室52を形成するベーン58の背圧が、前述した減圧通路27a,27bによって第2空間S2で圧縮室52を形成するベーン58の背圧よりも低く設定されている。
この結果、第1空間S1で圧縮室52を形成するベーン58の先端とシリンダ40の内周面49との間で、過度の強い接触を防止することができ、コンプレッサ100を駆動するための動力の無駄を防止することができる。
なお、第1空間S1で圧縮室52を形成するベーン58の背圧は、第1空間S1での圧縮室52の内部圧力の最大値である中間圧力P3であるため、この圧縮室52の内部圧力との均衡で定められるベーン58の背圧として低いということはなく、したがって、第1空間S1で圧縮室52を形成する上で、適正なものということができる。
一方、第2空間S2で圧縮室52を形成するベーン58の背圧は、従来の一般的な略楕円形状の内周面のシリンダを有するコンプレッサにおけるものと同等の中圧P4であるため、第2空間S2で圧縮室52を形成する上で、適正なものということができる。
以上の通り、本実施形態に係るコンプレッサ100によれば、2段階の圧縮空間(第1空間S1、第2空間S2)を有し、ベーン58が1段階目の圧縮空間である第1空間S1に位置するときと2段階目の圧縮空間である第2空間S2に位置するときとで、ベーン58の背圧を適切に調整することができる。
なお、本実施形態のコンプレッサ100は、第1空間S1用の背圧通路における冷凍機油Rの油圧を低下させる機能を発揮する部分が、第1空間S1用の用背圧通路と中間通路S3とを通じさせるように形成された減圧通路27a,27bという形態で適用されたものあるが、本発明の気体圧縮機は、第1空間S1用の背圧通路における冷凍機油Rの油圧を低下させる機能を発揮する部分は通路という形態ではなく、例えば容積を急激に膨張させることで減圧させる減圧空間のような形態であってもよく、第1空間S1用の用背圧通路の圧力を減圧させる機能を発揮する部分(減圧部)であれば、いかなる形態を採用してもよい。
また、減圧部は、第1空間S1用の背圧通路における冷凍機油Rの油圧を、中間圧力P3まで減圧させるものに限定されるものでもなく、少なくとも、既存の第1空間S1用の背圧通路における冷凍機油Rの油圧よりも低減させるものであればよい。
ただし、その場合であっても、第1空間S1において形成された圧縮室52を維持しうる程度のベーン背圧は必要であるため、第1空間S1において形成された圧縮室52から中間通路S3に吐出される冷媒ガスGの圧力、すなわち中間圧力P3程度の油圧は確保させることが好ましい。
本実施形態のコンプレッサ100は、回転軸51回りに等角度間隔で5つのベーン58を備えた形態であるが、本発明に係る気体圧縮機は、ベーンの数によって限定されるものではなく、複数のベーンを備えたものであれば、5つ以上のベーンを備えたものであってもよいし、4つ以下(2つ以上)のベーンを備えたものであってもよい。
20 リヤサイドブロック(圧縮機本体の一部)
25 サライ溝(第1空間用背圧通路)
27a,27b 減圧通路(減圧通路、減圧部)
40 シリンダ
50 ロータ
S1 第1空間(第1の空間)
S2 第2空間(第2の空間)
S3 中間通路
G 冷媒ガス(気体)
R 冷凍機油

Claims (4)

  1. 突出するベーンを有するロータとシリンダとの間に形成された、容積の互いに異なる2つの圧縮用の空間と、
    前記2つの圧縮用の空間のうち相対的に容積の大きい第1の空間で圧縮された気体を前記2つの圧縮用の空間のうち相対的に容積の小さい第2の空間に供給するように、前記第1の空間と前記第2の空間とを通じさせる中間通路と、
    前記第2の空間で圧縮された前記気体の圧力に依存した圧力の冷凍機油を前記ベーンの背圧として供給する背圧通路と、
    前記背圧通路のうち前記第1の空間に位置するベーンに通じた第1空間用背圧通路における前記冷凍機油の油圧を低下させる減圧部とを備えたことを特徴とする気体圧縮機。
  2. 前記減圧部は、前記第1空間用背圧通路の圧力を前記中間通路の圧力まで前記冷凍機油の油圧を低下させることとを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
  3. 前記減圧部は、前記第1空間用背圧通路と前記中間通路とを通じさせるように形成された減圧通路であることを特徴とする請求項1または2に記載の気体圧縮機。
  4. 前記中間通路に、前記気体が前記第1の空間から前記第2の空間に向けて流れるのを許容し、かつ前記気体が前記第2の空間から前記第1の空間に向けて流れるのを阻止する逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の気体圧縮機。
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