JP2013088439A - 電子写真用キャリア、電子写真用二成分現像剤および画像形成方法 - Google Patents

電子写真用キャリア、電子写真用二成分現像剤および画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャリア芯材表面の被覆層が所望の抵抗値を得ると共に、長期にわたる攪拌によるストレスを原因とする被覆層の削れや剥離を防ぎ、抵抗低下や色汚れの発生を抑制し、更にトナーに対して優れた帯電付与能力を有するキャリアを提供すること。
【解決手段】磁性を有する芯材粒子の表面に、少なくとも結着樹脂及び導電性微粒子を含有する被覆層が設けられた電子写真用キャリアにおいて、前記導電性微粒子として、線径が50〜130nmのスプリング形状の材料を含むことを特徴とする電子写真用キャリア。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に好適に用いられる電子写真用キャリア(静電潜像現像用キャリア)、及び該キャリアを用いた現像剤、並びに該現像剤を用いた画像形成方法に関する。
電子写真に用いられている乾式現像方式は、帯電部材と摩擦させたトナーを静電潜像担持体上の静電潜像に静電的に付着させて可視像を形成する方式のものである。
このような乾式現像方式には、(i)キャリアを用いないでトナー単独で使用する、いわゆる一成分現像方式と、(ii)ガラスビーズ、磁性体キャリア、又は、それらの表面を樹脂などで被覆したキャリアと、トナーとを混合して使用する、いわゆる二成分現像方式とがある。
前記二成分現像方式では、通常、内部に複数の磁極を有する磁石体からなるマグネットローラを備え、回転可能に支持された円筒状の現像剤担持体である現像スリーブを有する構成の二成分現像装置が用いられる。この方式では前記した装置を用い、前記した現像スリーブ表面にトナーを付着させた静電潜像現像用キャリアを担持しながら像担持体との対向部である現像領域に搬送して、二成分現像剤からなる磁気ブラシによって現像を行なう。
このように、二成分現像方式においては、静電潜像現像用キャリアとトナーとを攪拌混合することによって帯電を行なうので、トナーの帯電性が安定し、比較的安定した良好な画像が得られる。
このように前記二成分現像剤は、現像によって消費されたトナーを補充しながら、反復使用される。このため、キャリアに関しては、キャリア表面へのトナー成分のスペント防止、キャリア均一表面の形成、表面酸化防止、感湿性低下による各種物性の低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体表面へのキャリア付着防止、感光体のキャリアによるキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御、あるいは帯電量の調節等の目的で、通常、キャリア芯材に対して適当な樹脂材料で被覆することにより、硬く高強度の被覆層を設けることが行なわれている(特許文献1〜16参照)。
一方、近年、キャリアの抵抗調整剤として、被覆層に導電性を有する微粒子が用いられてきた。しかしながら、従来のように導電性微粒子を個々の微粒子が離散した状態で含有させた場合、導電経路を確保しにくいため、所望の抵抗を得るために過剰量の導電性微粒子を含有させなければならず、被覆層の粘度が増大して均一に芯材をコーティングできなくなったり、所望の抵抗値が得られても被覆層の強度が低下したりするという問題があった。これに対して、特許文献17のように、抵抗調整剤として球状の微粒子ではなく、約1000以上の非常に大きなアスペクト比を有するカーボンナノチューブを含有する被覆層を特徴とするキャリアの発明などが開示されている。
このような発明によれば、絶縁性を有する被覆層によって芯材粒子が被覆されても、アスペクト比の大きなカーボンナノチューブにより、少ない添加量で効率よく導電回路を形成し、所望の抵抗を有するキャリアを得ることができる。しかしながら、外径が数nm〜数十nmと非常に小さく、アスペクト比が約1000以上と非常に大きなカーボンナノチューブを被覆層内に均一に分散させることは、非常に困難であり、且つ、カーボンナノチューブは被覆層を構成する結着樹脂との接着性に乏しい。このため、カーボンナノチューブの分散性が不充分な被覆層が形成されてしまい、長期使用に伴う攪拌ストレスによって、カーボンナノチューブの凝集体が被覆層から脱離し、画像汚れを生じるという問題を解決するに至っていない。
このように、キャリア粒子の抵抗調整、被覆層の膜削れの低減、色汚れの防止といった項目を同時に満たすことのできる手段は提示されておらず、更なる改善が必要とされているのが現状である。
本発明は、従来技術における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、キャリア芯材表面の被覆層が所望の抵抗値を得ると共に、長期にわたる攪拌によるストレスを原因とする被覆層の削れや剥離を防ぎ、抵抗低下や色汚れの発生を抑制し、更にトナーに対して優れた帯電付与能力を有するキャリアを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ちスプリング形状の微粒子抵抗調整材料を用い、キャリアの被覆層中に含有させることにより、キャリアの抵抗を効率よく下げて所望の抵抗値が得られるという効果がもたらされることの知見、及び、スプリング形状の微粒子材料を用いることにより被覆層中に均一に分散、且つ、構造形状からの特徴により被覆層からの脱離を起こしにくく、また樹脂層そのものの補強効果を得られるといった効果を得られることが分った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の(1)〜(10)項記載の「電子写真キャリア」、「電子写真用二成分現像剤」、「画像形成方法」を包含する。
(1)「磁性を有する芯材粒子の表面に、少なくとも結着樹脂及び導電性微粒子を含有する被覆層が設けられた電子写真用キャリアにおいて、前記導電性微粒子として、線径が50〜130nmのスプリング形状の材料を含むことを特徴とする電子写真用キャリア」。
(2)「前記スプリング形状材料がニ酸化ケイ素から合成されたことを特徴とする前記(1)項に記載の電子写真用キャリア。
(3)「前記スプリング形状材料の線径をdとし、線材から形成されたコイルの巻径をDとするとき、下記計算式(1)の関係を満たすことを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載の電子写真用キャリア;
0.2≦d/D≦0.9・・・計算式(1)」。
(4)「前記結着樹脂がシリコーン樹脂を含有することを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア」。
(5)「前記結着樹脂がアクリル樹脂を含有することを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア」。
(6)「前記被覆層がアミノシランカップリング剤を含有することを特徴とする前記(1)項乃至(5)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア」。
(7)「前記電子写真用キャリアに1000Vの直流電圧を印加したときの体積抵抗率が〔log(Ω・cm)〕の単位で、10以上16以下であることを特徴とする前記(1)項乃至(6)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア」。
(8)「前記電子写真用キャリアの体積平均粒径が20〜65μmであることを特徴とする前記(1)項乃至(7)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア」。
(9)「前記(1)項乃至(8)項のいずれかに記載の電子写真用キャリアと、トナーとからなることを特徴とする電子写真用二成分現像剤」。
(10)「少なくとも、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記(9)項に記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを経て、画像を得ることを特徴とする画像形成方法」。
本発明によれば、実質的に特定形状範囲内のコイル形状材料を導電性制御、並びに樹脂被服層の補強材として含み、所望の抵抗値を有し、長期にわたる攪拌によるストレスを原因とする被覆層の削れや剥離がなく、抵抗低下や色汚れを生ぜず、更にトナーに対して優れた帯電付与能力を示す現像剤用被覆キャリアが提供される。
本発明の電子写真用キャリアを構成する材料について説明する。
なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正して他の実施形態を成すことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明は本発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲をなんら限定するものではない。
[キャリア、キャリア芯材]
キャリアの芯材としては、磁性を有する粒子であれば特に限定されるものではなく、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、銅−亜鉛フェライト、リチウム系フェライト等の公知のフェライトを用いることができる。
また、コア材抵抗を制御する目的や製造安定性を高める目的等で、この他のコア材の組成成分として、例えば、Li、Na、K、Ca、Ba、Y、Ti、Zr、V、Ag、Ni、Cu、Zn、Al、Sn、Sb、Bi等の元素を一種以上配合させてもよい。これら元素の配合量としては、総金属元素量の5原子%以下であることが好ましく、3原子%以下であることがより好ましい。
「結着樹脂」
キャリアの被覆層を形成するための結着樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)やその変性品、スチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等による変性品);ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂;アイオノマー樹脂;ポリイミド樹脂、及びこれらの誘導体等が挙げられる。
中でも、アクリル樹脂は芯材及び被覆層に含有される微粒子との密着性が強く脆性が低いので、被覆層の剥離に対して非常に優れた性質を持ち、被覆層を安定的に維持することが可能であるとともに、更に導電性粒子等の被覆層中に含有する粒子を強固に保持することが可能である。特に、被覆層膜厚よりも大きな粒径を有する粒子の保持には強力な効果を発揮することができる。更に、該アクリル樹脂として、ガラス転移温度(Tg)が20〜100℃であるものが好ましく、25〜80℃であるものがより好ましい。樹脂のTgをこの範囲とすることによって、該結着樹脂は適度な弾性を持ち、現像剤の摩擦帯電時にキャリアが受ける衝撃を軽減させると考えられ、被覆層の破損が抑止される。
また、被覆層を形成する結着樹脂を、アクリル樹脂とアミノ樹脂の架橋物とすることにより、適度な弾性を維持したまま、アクリル樹脂単独使用の場合に発生しがちな樹脂同士の融着、いわゆるブロッキングを防止することができるため、より一層好ましい。
アミノ樹脂としては、従来知られているアミノ樹脂を用いることができるが、中でも、グアナミン、メラミンを用いることで、キャリアの帯電付与能力をも向上させることができるため、より好ましく用いられる。
また、適度にキャリアの帯電付与能力を制御する必要がある場合には、グアナミン及び/又はメラミンと、他のアミノ樹脂を併用しても差し支えない。このようなアミノ樹脂と架橋し得るアクリル樹脂としては、水酸基やカルボン酸基を有するものを用いることができ、特に芯材や導電性微粒子への密着性を向上させ、後述する導電性微粒子の分散性を向上させる点から、水酸基を有するものがより好ましく用いられる。このときの水酸基価は好ましくは10以上であり、更に好ましくは20以上である。
更に、前記結着樹脂が、シリコーン部位を構成単位として含むことにより、キャリア表面の表面エネルギー自体を低くすることができ、トナースペントの発生自体を抑制することができるため、キャリア特性をより長期にわたって維持することができる。
該シリコーン部位の構成単位としては、メチルトリシロキサン単位、ジメチルジシロキサン単位、トリメチルシロキサン単位の少なくとも一種を含むことが好ましく、該シリコーン部分は、他のコート層樹脂と化学的に結合していてもよく、ブレンド状態であってもよく、又は、多層状になっていてもよい。
ブレンドや多層状の構成とする場合には、シリコーン樹脂及び/又はその変性体を使用することが好ましく、他の樹脂の特異的な摩滅、磨耗、脱離といった不具合を抑制できる。
これらのシリコーン樹脂としては、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂、およびアルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂が挙げられる。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、商品名KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(以上、信越化学工業社製)、SR2400、SR2405、SR2406(以上、東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。
また、上記変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(以上、東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
なお、前記シリコーン樹脂は、単体で用いることも可能であるが、架橋反応性成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。該架橋反応性成分としては、シランカップリング剤等が挙げられる。該シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、アミノシランカップリング剤等が挙げられる。
前記アミノシランカップリング剤としては、下記一般式(2)で表わされるものが好適である。
Figure 2013088439
(式中、RはH、C1〜C4のアルキル基、又はフェニル基を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立してH、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ基、メチル基又はエチル基を表す。但しR1、R2、R3のうち、少なくとも2つの基はそれぞれ独立してメトキシ基、エトキシ基又はヒドロキシ基である。nは0〜12の整数、mは2〜12の整数であって但しn+mは2〜16の整数、lは0又は1の整数である)
具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン〔HNCHNH(CHSi(OMe)〕、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン[HN(CHNH(CHSi(OMe)]、N−アミノメチル−3−メアミノプロピル−メチルジメトキシシラン〔HN(CH)NH(CHSi(Me)(OMe)〕、6−アミノープロピルトリメトキシシラン〔HN(CHSi(OMe)〕、6−アミノープロピルトリメトキシシランHN(CHSi(OEt)等が挙げられる。
被覆層に占める該アミノシランカップリング剤の含有量は、0.001質量%〜30質量%が好ましく、0.001質量%〜15質量%がより好ましい。前記被覆層に該アミノシランカップリング剤を含有させることにより、キャリアの経時での安定性が良好となり、耐久性が向上する。これらからして、本発明の電子写真用キャリアに使用される被覆層はアミノシランカップリング剤を架橋反応性成分として用いて得られた層であるのが好ましい。
また、これらの前記アクリル樹脂、及びシリコーン樹脂は互いに化学結合を有する形態で結着樹脂層に含有されていてもよい。この方法としてはシリコーン骨格の片末端にメタクリル基を有する化合物をマクロモノマーとして前記アクリル樹脂を構成するモノマーと共重合させる方法や、メルカプト基を有するシリコーンとアクリルモノマーを共重合させる方法、アルコキシシリル基を有するアクリル樹脂を該アルコキシシリル基と前記シリコーン樹脂の縮合反応基で反応させて得る方法、等が挙げられるがこの限りでない。また、このようなアクリルとシリコーンが共重合された結着樹脂としては、例えば、信越化学工業社製のX−22−8004、X22−8212、X22−8195X、X−24−798Aなどのシリコーングラフトアクリル樹脂等が挙げられる。
〔スプリング形状微粒子〕
本発明においては、被覆層を構成する成分として、結着樹脂のほかに、スプリング形状微粒子材料があり、該スプリング形状材料として少なくとも線材部分自体の線径が50〜150nm、線材が巻いて形成されたコイル部の巻径が150〜250nm程度に制御されたものを含むことを特徴とする。
前記スプリング形状材料のスプリング部を形成する線材自体の直径(線径)が50nm未満であると、スプリング体の構造強度が低下し被覆層中においての形状効果が発揮し難く、添加によるキャリアの補強効果が効果的に得られない。一方、130nmを越えると、被覆層中での極端な低抵抗部位となり、現像プロセスにおける画質低下、帯電の不安定化の原因となってしまう。
同様にナノスプリングのコイル直径(巻径)が250nm以上であるとキャリア被服層から突出、抵抗低下部位となり、現像プロセスにおける画質低下、帯電不安定化の要因となる。
このようなスプリング型構造のシリカ材料としては、GoNano社が上市しているような材料を挙げることができ、このニ酸化ケイ素スプリング材料表面は酸化物、金属ナノ粒子を胆持させることが可能であるため、電気抵抗値の調整も可能である。
スプリング材料を含むキャリア被覆層の厚さとしては、0.1〜5μmであることが好ましく、1〜3μmであることが更に好ましい。
前記スプリング材料の線径やスプリング径(巻径)については、例えば、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて、原材料そのものの観察、あるいはキャリア表面、もしくはキャリア割断面の被覆層における該スプリング材料分散部位を観察し、画像解析及び統計処理をすることにより得ることができる。なお、この値の算出は、100個以上の粒子の計測により行なわれる。
前記スプリング形状材料の電気抵抗としては、1×10E3Ω・cm(Eは、べき乗
Exponential(Power of times)を表す慣用記号=抵抗値の常用対数値〔log(Ω・cm)〕で3)以下であることが好ましく、1×10E1Ω・cm(抵抗値の常用対数値〔log(Ω・cm)〕で1)以下であると更に好ましい。
前記スプリング形状材料の電気抵抗が1×10E3Ω・cmよりも大きいと、少量の添加によりキャリアの抵抗を所望の値まで効率よく下げることができない。
前記スプリング形状材料の含有量としては、被覆層を構成する材料や、膜厚、所望する抵抗値によっても適宜選択されるが、好ましくは被覆層全体の1〜20質量%の範囲であり、更に好ましくは1〜10質量%の範囲である。1質量%未満では、キャリアの抵抗を充分に下げることができず、逆に、20質量%を超えると、長期使用での攪拌等のストレスにより被覆層の磨耗乃至剥離が起こった際に、色汚れの度合いが大きくなる。
〔他の微粒子〕
前記被覆層には、前記導電性微粒子以外にも、必要に応じて微粒子を添加することができる。該微粒子としては、特に制限はなく、電子写真二成分現像剤用キャリアに用いられる公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナをはじめとする金属酸化物粒子等の無機微粒子が好ましく用いられる。
これら微粒子は容易に均一な微細粒径のものが得られ、被覆層の機械的な強度の向上にも有効である。このような微粒子の粒径としては5〜1000nmが挙げられる。また、このような微粒子の含有量としては、被覆層全体の0〜70質量%の範囲が適当であり、被覆層全体の10〜50質量%の範囲がより好ましい。
また、前記微粒子(導電性微粒子以外の微粒子)の形状としては、特に制限はなく、例えば、球状、板状、針状といった形状を取り得る。
〔被覆層分散液〕
本発明においては、少なくとも、前記結着樹脂と前記導電性微粒子を溶剤に溶解乃至分散させた被覆層分散液を用いて、前記芯材粒子表面に被覆層を形成させることを特徴とする。このとき該結着樹脂の代わりに、該結着樹脂を構成するモノマー類、乃至そのマクロモノマー類、反応基を伴う結着樹脂等といった結着樹脂前駆体を用いてもよい。該結着樹脂前駆体は芯材粒子表面に付着後、加熱や架橋剤、重合開始剤等によってラジカル重合や縮重合反応を引き起こし、キャリア被覆層として所望の特性を有する該結着樹脂を与えることができる。
ここで、溶剤とは前記結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体、前記導電性微粒子を溶解乃至分散させるものであれば特に制限はなく、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロメチリデン等の含ハロゲン化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルセロソルブ(登録商標)、ブチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、エチルカルビトール等のエーテル類、アセトニトリル、ピリジン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物、水、等が挙げられるがこの限りでない。
〔キャリア被覆層の形成方法〕
前記被覆層の形成方法としては、従来公知の方法が使用でき、芯材粒子の表面に前記被覆層分散液を噴霧法あるいは浸漬法等の手段で塗布する方法が挙げられる。
更に、このようにして前記被覆層が塗布形成されたキャリア粒子を加熱処理することによって、該被覆層の重合反応を促進させることが好ましい。該加熱処理は、被覆層形成後、引き続きコート装置内で行なってもよく、あるいは、被覆層形成後、通常の電気炉や焼成キルン等、別の加熱手段によって行なってもよい。
また、加熱処理温度としては、使用する被覆層樹脂によって異なるため、一概に決められるものではないが、120〜350℃程度が好ましく、特に、被覆層樹脂の分解温度以下の温度であることが好ましい。なお、該被覆層樹脂の分解温度としては、220℃程度までの上限温度であることが好ましく、加熱処理時間としては、5〜120分間程度であることが好ましい。
本発明で用いられる前記キャリアの体積抵抗率は、体積抵抗率が〔log(Ω・cm)〕の単位で、10〔log(Ω・cm)〕以上16〔log(Ω・cm)〕以下であることが好ましい。この体積抵抗率が10〔log(Ω・cm)〕未満の場合には、非画像部でのキャリア付着が生じて好ましくなく、16〔log(Ω・cm)〕より大きい場合には、現像時、エッジ部における画像濃度が強調されるいわゆるエッジ効果が顕著になり好ましくない。
この体積抵抗率は必要に応じて、キャリアの被覆層の膜厚、前記導電性微粒子の含有量を調整することで、前記した範囲内での任意の調整が可能である。
前記した体積抵抗率の測定方法としては、平行電極板を用いた粉体抵抗測定装置を用いて測定する方法が挙げられる。具体的には、電極間距離を0.2cmとし、表面積2.5cm×4cmの電極に二枚を収容したフッ素樹脂製容器からなるセルに、キャリアを充填し、落下高さ:1cm、タッピングスピード:30回/min、タッピング回数:10回のタッピングを行なう。次に、両電極間に1000Vの直流電圧を印加し、30秒後の抵抗値を、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード株式会社製:High Resistance Meter)により測定し、得られた抵抗値r(Ω)を、下の計算式(2)のようにして計算して体積抵抗率Rを算出することができる。
R=log[r×(2.5cm×4cm)÷0.2cm]〔log(Ω・cm)〕・・・計算式(2)
また、本発明で用いられる前記キャリアの体積平均粒径は、20〜65μmの範囲であることが好ましい。20μm未満では前記芯材粒子の均一性が低下することに起因するキャリア付着が発生し好ましくなく、65μmを超える場合には画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られなくなり好ましくない。
前記体積平均粒径の測定方法としては、粒度分布を測定できる機器であれば特に制限はなく、例えば、マイクロトラック粒度分布計(モデルHRA9320−X100)を用いて測定することができる。
[現像剤]
本発明の現像剤は、本発明の前記キャリアと、トナーとを含む二成分現像剤である。
前記現像剤におけるトナーとキャリアの混合割合は、キャリア100質量部に対しトナー1.0質量部〜10.0質量部が好ましい。
前記トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んでなり、離型剤、帯電制御剤、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
[トナー]
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、粉砕法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等がある。
[トナー用結着樹脂]
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
〔着色剤〕
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[離型剤]
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、等が好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましく、60℃〜90℃が更に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1,000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜40質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
〔帯電制御剤〕
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、感光体に帯電される電荷の正負に応じて正又は負の荷電制御剤を適宜選択して用いることができる。
前記負の帯電制御剤としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料、有機酸の金属錯体、などを用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(いずれも、日本化薬株式会社製);アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(いずれも保土谷化学工業株式会社製);FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ、(いずれも、藤倉化成株式会社製)、などが挙げられる。
前記正の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料等の塩基性化合物、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、高級脂肪酸の金属塩等を用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);TP−302、TP−415、TP−4040(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(いずれも、ヘキスト社製);FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(いずれも、藤倉化成株式会社製);PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(いずれも、四国化成工業株式会社製)、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤の添加量は、結着樹脂の種類、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるものであり、一義的に限定されるものではないが、前記結着樹脂100質量部に対し0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。
前記添加量が、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがあり、0.1質量部未満であると、帯電立ち上り性や帯電量が充分でなく、トナー画像に影響を及ぼしやすいことがある。
前記トナー材料には、結着樹脂、離型剤、着色剤、及び帯電制御剤の他に、必要に応じて無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等を添加することができる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等を用いることができ、シリコーンオイルやヘキサメチルジシラザンなどで疎水化処理されたシリカ微粒子や、特定の表面処理を施した酸化チタンを用いることがより好ましい。
前記シリカ微粒子としては、例えば、アエロジル(品番:130、200V、200CF、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、RX200、RY200、R972、R974、R976、R805、R811、R812、T805、R202、VT222、RX170、RXC、RA200、RA200H、RA200HS、RM50、RY200、REA200)(いずれも、日本アエロジル株式会社製);HDK(品番:H20、H2000、H3004、H2000/4、H2050EP、H2015EP、H3050EP、KHD50)、HVK2150(いずれも、ワッカーケミカル社製);カボジル(品番:L−90、LM−130、LM−150、M−5、PTG、MS−55、H−5、HS−5、EH−5、LM−150D、M−7D、MS−75D、TS−720、TS−610、TS−530)(いずれも、キャボット社製)等を用いることができる。
前記無機微粒子の添加量としては、トナー母体粒子100質量部に対し0.1質量部〜5.0質量部が好ましく、0.8質量部〜3.2質量部がより好ましい。
前記のトナーを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粉砕法、特定の結晶性高分子及び重合性単量体を含有する単量体組成物を水相中で直接的に重合する重合法(懸濁重合法、乳化重合法)、特定の結晶性高分子及びイソシアネート基含有プレポリマーを含有する組成物を水相中においてアミン類で直接的に伸長/架橋する重付加反応法、イソシアネート基含有プレポリマーを用いた重付加反応法、溶剤で溶解し脱溶剤して粉砕する方法、溶融スプレー法などが挙げられる。
前記粉砕法は、例えば、トナー材料を溶融乃至混練し、粉砕、分級等することにより、前記トナーの母体粒子を得る方法である。なお、該粉砕法の場合、前記トナーの平均円形度を高くする目的で、得られたトナーの母体粒子に対し、機械的衝撃力を与えて形状を制御してもよい。この場合、前記機械的衝撃力は、例えば、ハイブリダイザー、メカノフュージョンなどの装置を用いて前記トナーの母体粒子に付与することができる。
以上のトナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸の連続混練機、二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械株式会社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、株式会社池貝製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行なうことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、バインダー樹脂の軟化点を参考にして行なわれ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行なうことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
前記懸濁重合法は、油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行ない粒子化した後に、本発明におけるトナー粒子表面に無機微粒子を付着させる湿式処理を行なえばよい。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄し、除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
前記重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基を有する(メタ)アクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことによって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記乳化重合法としては、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後、後述する無機微粒子の湿式処理を行なえばよい。
ラテックスとして懸濁重合法に使用される単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
これらの中でも、樹脂の選択性が高く、低温定着性が高く、また、造粒性に優れ、粒径、粒度分布、形状の制御が容易であるため、前記トナーとしては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られるものが好適である。
前記トナー材料としては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、結着樹脂と、帯電制御剤と、着色剤とを反応させて得られる接着性基材などを少なくとも含み、更に必要に応じて、樹脂微粒子、離型剤などのその他の成分を含んでなる。
また、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナー母体粒子に更に疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。
添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。又はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させて、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
前記トナーは、その形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、平均円形度、体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)などを有していることが好ましい。
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.900〜0.980が好ましく、0.950〜0.975がより好ましい。なお、前記平均円形度が0.94未満の粒子が15%以下であるものが好ましい。
前記平均円形度が、0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.980を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」、シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行なった。具体的には、ガラス製100mL(L:リットル)ビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.1〜0.5mL添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子株式会社製)で3分間分散処理した。前記分散液を前記FPIA−2100を用いて濃度を5,000〜15,000個/μLが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。
本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5,000〜15,000個/μLにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、即ち、添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを充分に濡らすことができないため、分散が不充分となる。またトナー添加量は粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3μm〜10μmの場合、トナー量を0.1g〜0.5g添加することにより分散液濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLに合わせることが可能となる。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3μm〜10μmが好ましく、3μm〜8μmがより好ましい。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、10μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行なわれた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)としては、1.00〜1.25が好ましく、1.10〜1.25がより好ましい。
前記体積平均粒径、及び前記体積平均粒子径と個数平均粒子径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行なった。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行なった。測定は装置が示す濃度が8±2質量%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2質量%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
[現像剤入り容器]
現像剤入り容器は、本発明の前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、現像剤容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像剤容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物である現像剤が排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記現像剤容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
前記現像剤入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けて現像剤の補給に好適に使用することができる。
[プロセスカートリッジ]
本発明で用いられるプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する
現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持し、かつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有して
なり、更に必要に応じて担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、特に後述する本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
[画像形成方法及び画像形成装置]
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明に用いられる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
〔静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段〕
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行なうことができ、前記静電潜像形成手段により行なうことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行なうことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行なうことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行なうことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行なう光背面方式を採用してもよい。
〔現像工程及び現像手段〕
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記現像剤を用いて現像することにより行なうことができ、前記現像手段により行なうことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、前記現像剤入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記現像剤である。
〔転写工程及び転写手段〕
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行なうことができ、前記転写手段により行なうことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
〔定着工程及び定着手段〕
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行なってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行なってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行なう工程であり、除電手段により好適に行なうことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行なうことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行なうことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記の各工程は制御手段により好適に行なうことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法では、本発明のキャリアを用いることにより、トナー飛散や地汚れの少ない画像を長期にわたって提供することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
[製造例1;トナー1の作製]
(有機微粒子エマルションの合成)
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン83質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを[微粒子分散液1]とする。
得られた[微粒子分散液1]に含まれる微粒子の体積平均粒径を、レーザー散乱法を用いた粒径分布測定装置(「LA−920」、堀場製作所製)により測定したところ、105nmであった。また、[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分のみを単離した。この樹脂分のガラス転移温度(Tg)は59℃であり、重量平均分子量(Mw)は15万であった。
(水相の調製)
水990質量部、[微粒子分散液1]83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。この液体を[水相1]とする。
(低分子ポリエステルの合成)
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧下に5時間反応した後、反応容器内に無水トリメリット酸44質量部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を合成した。
得られた[低分子ポリエステル1]のガラス転移温度(Tg)は45℃であり、重量平均分子量(Mw)は5,800であり、数平均分子量は2,600であり、酸価は24mgKOH/gであった。
(ポリエステルプレポリマーの合成)
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応し、[中間体ポリエステル1]を合成した。
得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、ガラス転移温度(Tg)55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、[中間体ポリエステル1]410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を入れ、100℃下5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。
得られた[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.74%であった。
(ケチミンの合成)
撹拌棒、及び温度計の付いた反応容器内に、イソホロンジアミン170質量部とメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行ない、[ケチミン化合物1]を合成した。得られた[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
(マスターバッチ(MB)の調製)
水1,200質量部、カーボンブラック(PBk−7:Printex60、デグサ社製、DBP吸油量=114mL/100mg、pH=10)540質量部、及びポリエステル樹脂(三洋化成工業株式会社製、RS801)1,200質量部を加えて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。得られた混合物を、2本ロールを用いて150℃にて30分間混練後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕してマスターバッチを得た。これを[マスターバッチ1]とする。
(油相の調製)
撹拌棒、及び温度計の付いた反応容器内に、[低分子ポリエステル1]300質量部、カルナウバワックス90質量部、ライスワックス10質量部、及び酢酸エチル1000質量部を仕込み、撹拌しながら79℃で溶解させた後に一気に4℃まで急冷した。これをビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で分散を行ない、体積平均粒径0.6μmのワックス分散液を得た。
次いで、「マスターバッチ1」500質量部と、「低分子ポリエステル1」の70質量%酢酸エチル溶液640質量部を加え、10時間混合した後に前記ビーズミルで5パスし、酢酸エチルを加えて固形分濃度50質量%に調整した「油相1」を作製した。
(重合トナーの作製)
[油相1]73.2質量部、[プレポリマー1]6.8質量部、及び[ケチミン化合物1]0.48質量部を容器内に入れ、充分混合した[乳化油相1]に[水相1]120質量部を加え、ホモミキサーで1分間混合した後、パドルで1時間ゆっくり攪拌しながら収斂させて、[乳化スラリー1]を得た。
得られた[乳化スラリー1]を、30℃で1時間脱溶剤し、更に60℃で5時間熟成して水洗浄、濾過、乾燥を行なった後に、目開き75μmメッシュで篩い、体積平均粒径6.1μm、個数平均粒径5.4μm、平均円形度0.972のトナー母体粒子を作製した。
次に、得られたトナー母体粒子100質量部に疎水性シリカ0.7質量部と、疎水化酸化チタン0.3質量部をヘンシェルミキサーを用いて混合して、「トナー1」を作製した。
以下の実施例1〜5及び比較例1〜3において、キャリアの粒度分布、被覆層の厚み、及びキャリアの電気抵抗は、以下のようにして測定した。
[キャリアの粒度分布]
マイクロトラック粒度分布計(モデルHRA9320−X100)を用いて、キャリアの粒度分布を測定した。
[被覆層の厚みの測定]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察して、被覆層の厚みを測定して求めた。
[キャリアの電気抵抗の測定]
キャリアの電気抵抗は、2mmの間隔で平行に配置した電極を有する容器にキャリアを充填し、両極間の電位差50Vでの直流抵抗を横川ヒューレットパッカード株式会社製4329A High Resistance Meterによって測定した。
〔実施例1;キャリア1の作製〕
・アクリル樹脂溶液
(日立化成工業(株)ヒタロイド3012X 固形分50質量%) 30.0質量部
・グアナミン溶液
(三井サイテック(株)マイコート106 固形分77質量%) 10.0質量部
・シリコーン樹脂溶液
(東レ・ダウコーニング(株)SR2405 固形分50質量%) 60.0質量部
・アミノシランカップリング剤
(東レ・ダウコーニング(株) SH6020 固形分100%) 0.8質量部
・スプリング形状材料A
(平均線径50nm、巻径150nm、平均長さ500nm)
15.0質量部
・トルエン 600質量部
上記材料をホモミキサーで10分間分散し、被覆層分散液を調製した。
芯材としてフェライト粉(1kガウスでの飽和磁気モーメント 65emu/g)を用い、該被覆層分散液を芯材表面に乾燥後の膜厚が2μmになるように転動流動式コーティング装置を用いて塗布し、乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き90μmの篩を用いて解砕し、「キャリア1」とした。
得られたキャリア1は、重量平均粒子径Dwが38.5μm、個数平均粒子径Dnが33.8μm、Dw/Dnが1.14であった。また、キャリア1の体積抵抗率は3.2×10E11Ω・cmであり、膜厚は2.0μmであった。
〔実施例2;キャリア2の作製〕
実施例1において、スプリング形状材料Aをスプリング形状材料B(平均線径50nm、巻径250nm、平均長さ1100nm、ZnOコート)に変えた以外は、実施例1と同様にして、「キャリア2」を作製した。
得られたキャリア2は、重量平均粒子径Dwが38.8μm、個数平均粒子径Dnが34.1μm、Dw/Dnが1.14であった。また、キャリア2の体積抵抗率は1.32×10E11Ω・cmであり、膜厚は2.0μmであった。
〔実施例3;キャリア3の作製〕
実施例1において、スプリング形状材料Aをスプリング形状材料C(平均線径130nm、巻径150nm、平均長さ600nm)に変えた以外は、実施例1と同様にして、「キャリア3」を作製した。
得られたキャリア3は、重量平均粒子径Dwが38.7μm、個数平均粒子径Dnが33.8μm、Dw/Dnが1.14であった。また、キャリア3の体積抵抗率は4.90×10E12Ω・cmであり、膜厚は2.0μmであった。
〔実施例4;キャリア4の作製〕
実施例1において、スプリング形状材料Aをスプリング形状材料D(平均線径130nm、巻径250nm、平均長さ900nm、TiO2ナノ粒子コート)に変えた以外は、実施例1と同様にして、「キャリア4」を作製した。
得られたキャリア4は、重量平均粒子径Dwが37.9μm、個数平均粒子径Dnが33.4μm、Dw/Dnが1.13であった。また、キャリア4の体積抵抗率は5.98×10E10Ω・cmであり、膜厚は2.0μmであった。
〔実施例5;キャリア5の作製〕
実施例1において、スプリング形状材料Aをスプリング形状材料E(平均線径65nm、巻径200nm、平均長さ1000nm、TiO2コート)に変えて、膜厚が3μmとなるように調整した以外は、実施例1と同様にして、「キャリア5」を作製した。
得られた比較キャリア1は、重量平均粒子径Dwが37.9μm、個数平均粒子径Dnが33.8μm、Dw/Dnが1.12であった。また、キャリア5の体積抵抗率は8.33×10E11Ω・cmであり、膜厚は3.0μmであった。
〔比較例1;比較キャリア1の作製〕
実施例1において、スプリング形状材料Aをスプリング形状材料F(平均線径40nm、巻径210nm、平均長さ600nm、TiO2コート)に変えた以外は、実施例1と同様にして、「比較キャリア1」を作製した。
得られた比較キャリア1は、重量平均粒子径Dwが38.5μm、個数平均粒子径Dnが33.8μm、Dw/Dnが1.14であった。また、比較キャリア1の体積抵抗率は6.12×10E13Ω・cmであり、膜厚は2.0μmであった。
〔比較例2;比較キャリア2の作製〕
実施例1において、スプリング形状材料Aをスプリング形状材料G(平均線径158nm、巻径150nm、平均長さ800nm)に変えた以外は、実施例1と同様にして、「比較キャリア2」を作製した。
得られた比較キャリア2は、重量平均粒子径Dwが38.5μm、個数平均粒子径Dnが33.8μm、Dw/Dnが1.14であった。また、比較キャリア2の体積抵抗率は6.22×10E13Ω・cmであり、膜厚は2.0μmであった。
〔比較例3;比較キャリア3の作製〕
実施例1において、スプリング形状材料Aをスプリング形状材料H(平均線径150nm、巻径110nm、平均長さ970nm)に変えた以外は、実施例1と同様にして、「比較キャリア3」を作製した。
得られた比較キャリア2は、重量平均粒子径Dwが38.5μm、個数平均粒子径Dnが33.8μm、Dw/Dnが1.14であった。また、比較キャリア2の体積抵抗率は7.19×10E13Ω・cmであり、膜厚は2.0μmであった。
〔各現像剤の作製〕
作製した前記キャリア1〜5及び前記比較キャリア1〜3と、トナー1とをトナーによるキャリア被覆率が50%となるような割合で調節し、ターブラーミキサーで攪拌して、実施例1〜5及び比較例1〜3の現像剤を作製した。
作製した前記現像剤を用いて、以下のようにして、キャリア被覆層の削れ・剥離、画像濃度、トナー飛散性、地汚れ、色汚れ及び総合評価を行なった。その結果を表1に示す。
<キャリア被覆層の削れ・剥離評価>
作製した前記現像剤をタンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo450、(株)リコー製)を用いて、20万枚のランニング評価を行ない、ランニングを終えたキャリアの抵抗低下量の比率として以下のように評価した。
〔評価基準〕
◎:20万枚ラン後の抵抗/ラン初期の抵抗の比が1〜1/10以内
○:20万枚ラン後の抵抗/ラン初期の抵抗の比が1/10〜1/100以内
△:20万枚ラン後の抵抗/ラン初期の抵抗の比が1/100〜1/1000以内
×:20万枚ラン後の抵抗/ラン初期の抵抗の比が1/1000より小さい
ここでいう抵抗低下量とは、初期のキャリアを抵抗計測平行電極:ギャップ2mmの電極間に投入し、DC200Vを印加して、30sec後の抵抗値をハイレジスト計で計測した値を体積抵抗率に変換した値(R1)から、ランニング後の現像剤中のトナーをブローオフ装置にて除去して得たキャリアを、該抵抗測定方法と同様の方法で測定した値(R2)を差し引いた量のことをいい、目標値は2.0〔log(Ω・cm)〕以下である。また、抵抗低下の原因は、キャリアの被覆層の芯材からの脱離であるため、この膜削れを減らすことで、抵抗低下量を抑えることができる。
<画像濃度>
次に、作製した前記現像剤を、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、(株)リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>、(株)リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cmのベタ画像を形成した。該ベタ画像の形成は、該複写紙100万枚に対して、繰り返し行なった。
得られたベタ画像の画像濃度を、初期及び100万枚耐久後について、目視で観察し、下記基準に基づいて4段階で評価した。なお、得られた画像濃度が高い程、高濃度の画像が形成できる。該評価は本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法の実施例に相当する。
〔評価基準〕
◎:初期及び100万枚耐久後において、画像濃度に変化がなく、高画質が得られた。
○:100万枚耐久後において、画像濃度がやや低下したが、高画質が得られた。
△:100万枚耐久後において、画像濃度が低下し、画質が低下した。
×:100万枚耐久後において、画像濃度が著しく低下し、画質が大きく低下した。
<トナー飛散>
画像面積率5%のチャートを、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、(株)リコー製)を用いて100万枚連続出力した際の機内のトナー汚染の程度を目視により、下記基準に基づいて4段階で評価した。
〔評価基準〕
◎:機内のトナー汚染がまったくなく、優良な状態である。
○:機内のトナー汚染がなく、良好な状態である。
△:機内のトナー汚染があるが、実使用可能なレベルである。
×:機内のトナー汚染がひどく、実使用不可能なレベルである。
<地汚れ>
画像面積率5%のチャートを、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、(株)リコー製)を用いて100万枚連続出力した際の、画像背景部の地汚れの程度を目視により、下記基準に基づいて3段階で評価した。
〔評価基準〕
○:画像背景部に地汚れの発生がない。
△:画像背景部に地汚れがやや発生している。
×:画像背景部に地汚れが発生している。
<色汚れ>
画像面積率0.5%のチャートを、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、(株)リコー製)を用いて3万枚連続出力した後、イエロー単色画像を出力し、初期及び3万枚出力後のイエロー単色画像について、画像濃度をX−RITE938(x−rite社製)により測定した。イエロー画像濃度が1.4±0.5のポイントでのCIE L*、CIE a*、CIE b*を3点測定して平均値を求め、下記式に代入して△E値を算出し、下記基準に基づいて3段階で評価した。
△E=√((初期L*)2+(初期a*)2+(初期b*)2)−√((ラン後L*)2+(ラン後a*)2+(ラン後b*)2)
〔評価基準〕
○:△Eが2以下で色汚れがない。
△:△Eが2乃至4で色汚れが目立たず、色調変化は指摘されない。
×:△Eが4以上で明らかに色汚れが目立ち、色調変化を指摘される。
<総合評価>
以上の評価結果から、総合的に判断して、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:非常に良好
○:良好
×:不良
Figure 2013088439
表1の結果から、キャリア1〜5を用いた実施例1〜5の現像剤は、比較例1〜3の現像剤に比べて、被覆層の削れや剥離を抑制し、トナー飛散や地汚れ、色汚れの発生がなく、高画像濃度が得られることが確認できた。
このような本発明の効果は、本発明の電子写真用キャリアが、実質的に特定形状範囲内のコイル形状材料を導電性制御、並びに樹脂被服層の補強材として用いることによるものと考えることができる。
特開昭58−108548号公報 特開昭54−155048号公報 特開昭57−40267号公報 特開昭58−108549号公報 特開昭59−166968号公報 特公平1−19584号公報 特公平3−628号公報 特開平6−202381号公報 特開平5−273789号公報 特開平9−160304号公報 特開平8−6307号公報 特許第2683624号公報 特許第3600219号公報 特許第3737060号公報 特開2004−226784号公報 特開2002−287431号公報 特開2007−94402号公報

Claims (10)

  1. 磁性を有する芯材粒子の表面に、少なくとも結着樹脂及び導電性微粒子を含有する被覆層が設けられた電子写真用キャリアにおいて、前記導電性微粒子として、線径が50〜130nmのスプリング形状の材料を含むことを特徴とする電子写真用キャリア。
  2. 前記スプリング形状材料がニ酸化ケイ素から合成されたことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用キャリア。
  3. 前記スプリング形状材料の線径をdとし、線材から形成されたコイルの巻径をDとするとき、下記計算式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用キャリア。
    0.2≦d/D≦0.9・・・計算式(1)」。
  4. 前記結着樹脂がシリコーン樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  5. 前記結着樹脂がアクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  6. 前記被覆層がアミノシランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  7. 前記電子写真用キャリアに1000Vの直流電圧を印加したときの体積抵抗率が〔log(Ω・cm)〕の単位で、10以上16以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  8. 前記電子写真用キャリアの体積平均粒径が20〜65μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真用キャリアと、トナーとからなることを特徴とする電子写真用二成分現像剤。
  10. 少なくとも、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項9に記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを経て、画像を得ることを特徴とする画像形成方法。
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