JP2013087189A - 紫外線硬化性コーティングニス組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾンを発生させないオゾンレスUVランプにおいて硬化性に優れ、黄変性が低く、低臭気である紫外線硬化性コーティングニス組成物を提供する。
【解決手段】紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤及び紫顔料又は紫染料を含有することを特徴とし、オゾンレスUVランプを使用した紫外線照射装置で硬化するコーティングニス。紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分を50〜90質量%、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤を5〜15質量%、及び紫顔料又は紫染料を0.001〜0.05質量%含有するオゾンレスUVランプを使用した紫外線照射装置で硬化するコーティングニス。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線光源としてオゾンレスUVランプによるUV硬化システムにおいて好適に硬化する紫外線硬化性コーティングニス組成物に関する。
紫外線硬化型印刷物の製造には、光源として低圧、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等の紫外線ランプ(UVランプ)が硬化システムとして広く用いられてきた。
近年、紫外線発光ダイオード(UV−LED)を光源とした照射モジュールが開発され、UV印刷分野への実用化が検討されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
UV−LEDを搭載したUV印刷機はオゾンを発生しない、省電力という2つの特徴から大きな注目を浴びている。
また、このオゾンを発生しない、省電力という2つの特徴を兼ね備える光源として、UV−LEDの他に、オゾンレス石英を使用したオゾンレスUVランプが上げられ、このオゾンレスUVランプを搭載した印刷機の発明も成されている(例えば、特許文献4〜5)。
一方で、オゾンレスUVランプの短所として、従来のUVランプ光源と比較してUV組成物の硬化性が大きく劣り、オゾンレスUVランプ専用のUV硬化型インキを用意する必要がある。
その原因としては、オゾンレスUVランプでは、オゾン発生域の短波長UVが発生しないために、従来一般的に使用されていた光重合開始剤の反応効率が著しく悪いことが挙げられる。
そして、オゾンレスUVランプ専用のUV硬化型インキでは、長波長側のUV光での反応効率、硬化性の高い光重合開始剤を使用するが一般的であるが、このような光重合開始剤は黄変性や臭気性が劣るために、コーティングニスの分野で、従来のニスと同等の低黄変性、低臭気を維持する事が困難となっている。
具体的には、従来の低黄変コーティングニスでは、黄変性の強いアミン系化合物や光重合開始剤を極力使用せず、例えば光重合開始剤として低黄変開始剤の代表であるBASF社製IRGACURE184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)のみを使用するが一般的である。
また、IRGACURE184では、オゾンレスUVランプの発光波長では
殆ど硬化反応は進行しない。
オゾンレスUVランプで好適に硬化乾燥させるべく、硬化性の高い光重合開始剤であるBASF社製IRGACURE907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)を使用するとすると、良好な硬化性を得ることができるが、IRGACURE907は臭気が強いため、膜厚の厚いクリヤーコーティングでは、臭気の面からIRGACURE907の使用は敬遠される。
特開2006−511684号公報 特開2006−176734号公報 特開2006−206875号公報 特開2011−156790号公報 特開2011−156791号公報
本発明の課題は、オゾンを発生させないオゾンレスUVランプにおいて硬化性に優れ、黄変性が低く、低臭気である紫外線硬化性コーティングニス組成物を提供することにある。
本発明者らは、紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤に更に紫顔料又は紫染料を配合することで、短波長の発光の無いオゾンレスUVランプの発光波長において、好適に硬化し、且つ黄変性、臭気性を低く維持することが可能な紫外線硬化性コーティングニス組成物を見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤及び紫顔料又は紫染料を含有することを特徴とする紫外線硬化性コーティングニス組成物を提供する。
本発明により、紫外線光源としてオゾンレスUVランプを用いて、硬化性に優れ、黄変性が低く、低臭気である紫外線硬化性コーティングニス組成物及び該ニス組成物による印刷物を得ることができる。
次に、本発明で使用する紫外線硬化性コーティングニス組成に関して説明する。
本発明の紫外線発光硬化性コーティングニス組成物に用いる紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分としては、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、重合性オリゴマー等、公知慣用であるもの、ランプ方式で実績のあるものが、本発明で述べるオゾンレスUVランプ方式においてもそのまま使用することが可能である。
本発明の紫外線硬化性コーティングニス組成物に用いる、他の紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分は、後述の例に示されるが、紫外線硬化性コーティングニス中に好ましくは50〜90質量%含有し、より好ましくは70〜85質量を含有する。
低エネルギーで紫外線硬化性組成物を好適に硬化させるという点では、より反応性の高い3官能以上の紫外線硬化性モノマーを用いたほうが好ましいが、用途に応じて印刷基材への接着性、皮膜の柔軟性等の必要物性を得る為に、適宜単官能、2官能のモノマーを単独もしくは併用することが可能である。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート、グリセリン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性オリゴマーとしては、アミン変性アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオレフィン(メタ)アクリレート、ポリスチレン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、特に、4官能以上のモノマーは硬化性や強度の向上に大きく寄与するが、使用量が過剰となると皮膜の柔軟性が損なわれ、割れが発生する場合がある。4官能以上のモノマーの使用量は、10〜30質量%が好ましい。
本発明の紫外線硬化性コーティングニス組成物は、紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分とともに、光重合開始剤として、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤を5〜15質量%含有することを主要な特徴としている。
アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル等のモノアシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類が好ましく用いられ、特に、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドは、オゾンレスUVランプの発光波長領域に合致するUV吸収波長を有することで、好適な硬化性が得られ、且つ、硬化皮膜の黄変が少ない点でより好ましい。
黄色の補色である紫顔料又は紫染料を配合することで、黄変性を低減することができる。本発明で使用する紫顔料としては、例えば、CI.ピグメントバイオレット2、CI.ピグメントバイオレット2:2、CI.ピグメントバイオレット3、CI.ピグメントバイオレット3:1、CI.ピグメントバイオレット3:3、CI.ピグメントバイオレット5、CI.ピグメントバイオレット5:1、CI.ピグメントバイオレット19、CI.ピグメントバイオレット23、CI.ピグメントバイオレット25、CI.ピグメントバイオレット27、CI.ピグメントバイオレット32、CI.ピグメントバイオレット37、CI.ピグメントバイオレット39、CI.ピグメントバイオレット50等が挙げられ、紫染料としては、例えば、アシッドバイオレット6b、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット19、ベーシックバイオレット2、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット4、ベーシックバイオレット14、クロムバイオレットCg、クリスタルバイオレット、エチルバイオレット、ゲンチアンバイオレット、ホフマンズバイオレット、メチルバイオレット、メチルバイオレット2b、メチルバイオレット10b、モンダントバイオレット39等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いることもできる。紫顔料又は紫染料はオゾンレスUVランプ硬化性コーティングニス中に、0.001〜0.05質量%含有し、好ましくは0.005〜0.02質量%である。
更に紫顔料又は紫染料の補色として、藍顔料を併用することもできる。本発明で使用する藍顔料としては、例えばCI.ピグメントブルー1、CI.ピグメントブルー2、CI.ピグメントブルー3、CI.ピグメントブルー8、CI.ビグメントブルー9、CI.ピグメントブルー12、CI.ピグメントブルー62等があげられる。これらは、どの紫顔料又は紫染料と組み合わせても良い。藍顔料は紫外線発光ダイオード硬化性コーティングニス中に、0.001〜0.05質量%含有し、好ましくは0.005〜0.02質量%である。
また上述の光重合開始剤に加えて、光増感剤を併用することで、より好適な硬化性を得ることが可能である。オゾンレスUVランプに反応し得る光増感剤としては、例えば、チオキサントン系化合物のうち、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられ、黄変の発現性を考慮すると使用量は少量に限定されるが、併用することで皮膜硬化性を好適に向上させることが可能である。紫外線硬化性コーティングニス中のチオキサントン系化合物の含有量は0.01〜0.5質量%であり、好ましくは0.1〜0.5質量%である。
またオゾンレスUVランプ発光波長領域に合致するUV吸収特性を有していないものであっても、3級アミン化合物を水素供与体として併用することでも、好適なUV硬化を得ることが可能である。例えば、脂肪族アミン誘導体としてトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジブチルエタノールアミン等が、安息香酸誘導体のアミンとして2−ジメチルアミノエチル安息香酸、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等が、アニリン誘導体のアミンとしてN,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等が挙げられる。
これら光増感剤の使用量は黄変への影響を考慮すると、チオキサントン系化合物の場合、コーティングニス中の含有量は0.5質量%以下であり、アミン変性アクリレート以外の3級アミン化合物の場合、1質量%以下であることが好ましいが、本発明の紫顔料又は染料を添加することにより黄変性を低減できるため、光増感剤の使用量を増やすことが可能である。
本発明の紫外線硬化性コーティングニス組成物の対象とする印刷基材としては、特に限定は無く、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ乳酸、ポリカーボネート等のフィルム又はシート、セロファン、アルミニウムフォイル、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を挙げることが出来る。
本発明の紫外線硬化性コーティングニス組成物の対象とする印刷物の製造に用いられる印刷インキとしては、オゾンレスUVランプより発せられる紫外線に対して好適に硬化する組成物であれば特に限定は無く、例えば印刷方式に応じて、オフセット、水無し、グラビア、フレキソ、シルクスクリーン、インクジェット、その他従来から印刷用途に使用されているUV硬化性インキを採用することが可能である。
本発明の紫外線硬化性コーティングニス組成物の対象とする印刷物を製造するために使用するオゾンレスUVランプ光源とは、閃光放電ランプの発光管材料としては220nm 以下の紫外領域の光をランプ外へ放出しないオゾンレス石英ガラスが使用されている。
オゾンレス石英ガラスは、石英ガラスにTiを任意量(数10〜数100wt.ppm)ドープして、紫外線領域の吸収端を約220nmに設定して、それ以下の光の透過を抑えたものである。これら紫外線を大幅にカットするために、Ti化合物をドープした石英ガラスを発光管に用いることを提案しているものとして、例えば特開平8−96751号公報が上げられる。
オゾンレスUVランプ光源よりUV硬化性組成物へ照射される紫外線の積算光量値に関しては、印刷基材上のUV硬化性組成物の種別や印刷層の厚み等により異なる為、厳密には特定出来ず、適宜好ましい条件を選択するものであるが、例えば、積算光量の総和が5〜200mJ/cm程度であり、より好ましくは、10〜100mJ/cm程度である。
積算光量値5mJ/cmを下回る条件では十分な硬化性を得ることが困難となり、一方、積算光量値200mJ/cmを超える条件は、本発明で述べる印刷方式においては不必要であり、オゾンレスUVランプ光源の特徴である省エネルギー性を維持する目的においても過剰量のエネルギー照射は行わない。
オゾンレスUVランプ光源より印刷基材上のUV硬化性組成物へ照射される紫外線の照射強度(mW/cm)に関しては、印刷方向に並べるオゾンレスUVランプ光源から組成物までの照射距離等の諸条件によっても適切な照射強度範囲が変動することから特に規定はしないが、本発明で述べる印刷方式における印刷基材の移動速度は60〜400m/min.程度であるから、該印刷速度で移動する印刷基材上のUV硬化性組成物に対して、積算光量値が先に述べた程度となる照射強度であることが好ましい。
次に実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは無い。
(オゾンレスUVランプ硬化性コーティングニス(実施例ニス−1)の調製)
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(DAROCURE TPO)13.0部、ビスフェノールA変性ジアクリレート(MIRAMER240)35.0部、ポリエチレンオキサイド#300ジアクリレート(MIRAMER M284)36.3部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとペンタアクリレートの混合物(アロニックスM−402)15.0部、ポリエチレンワックスパウダー(サゾールワックスSPRAY40)0.2部、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(SH28PA)0.5部、ピグメントバイオレット23を0.001部、基材および下地インキ層との親和性を高めるレベリング剤としてジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(SH28PA)を0.5部の配合で混合し、ミキサーを使用して撹拌分散し、光重合開始剤及び光増感剤を完全に溶解させることで、実施例ニス−1を調製した。
((実施例ニス−2〜5)及び(比較例ニス−1〜5)の調製)
原材料を表1〜2に示す配合で混合し、ミキサーを使用して撹拌分散し、光重合開始剤及び光増感剤を完全に溶解させることで、実施例ニス-1と同様の方法で調製した。
(印刷物の製造方法)
前記のように調製されたオゾンレスUVランプ硬化性コーティングニス(実施例ニス−1〜5及び比較例ニス−1〜5)を、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を用い、0.45mlを使用して、PETフィルム(DIC社製、ダイタックUVPET透明25FL)上、約220cmの面積範囲に、オゾンレスUVランプ硬化性コーティング膜厚が約5μmとなるよう印刷した。
(オゾンレスUVランプ光源による乾燥方法)
オゾンレスUVランプ光源として、MO45−L32(アイグラフィックス社製)を使用し、オゾンレスUVランプ硬化性コーティングニスを印刷したPETフィルムに対して、オゾンレスUVランプ光源の直下を通過させるよう、ラインスピードを振って紫外線照射を施した。積算光量測定にはUNIMETER UIT−150−A(ウシオ電機社製)を使用し、紫外線受光機としてはUVD−C405を用い、ラインスピード120m/min.における積算光量の値を測定したところ、22mJ/cmであった。
(印刷物の評価方法1:硬化性)
紫外線照射後における印刷物の硬化性の評価方法としては、上質紙によるラビングテストにより硬化皮膜の強度を確認し、皮膜に傷が発生し始めるコンベアスピード(m/min.)を記載した。スピードが速い程、硬化性が高い。
(印刷物の評価方法2:黄変)
紫外線照射後における硬化皮膜の黄変に起因する色変化を目視で確認し、次の5段階で評価した。
5・・・色変化が全く無い、もしくは殆ど無い
4・・・5と3の中間程度の色変化が確認できる
3・・・若干の色変化が確認できる
2・・・3と1の中間程度の色変化が確認できる
1・・・明確に黄変による色変化が確認できる
(印刷物の評価方法3:臭気)
紫外線照射後における硬化皮膜の臭気を複数人による官能評価により次の5段階で評価した。
5・・・臭気が全く無い
4・・・5と3の中間程度のわずかな臭気が確認できる
3・・・若干の臭気が確認できる
2・・・3と1の中間程度の臭気が確認できる
1・・・極度な臭気が確認できる
表1に実施例1〜5に記載のコーティングニスの組成、および評価結果を示す。
Figure 2013087189
・CHIVACURE 115 アミン変性ポリエーテルアクリレート(Chitec社製)、
・DAROCUR TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)、
・MIRAMER M240:ビスフェノールA変性ジアクリレート(MIWON社製)
・MIRAMER M284:ポリエチレンオキサイド#300ジアクリレート(MIWON社製)、
・アロニックス M−402:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとペンタアクリレートの混合物(東亜合成社製)、
・Speedcure DETX:2,4−ジエチルチオキサントン(ランブソン社製)、
・SPRAY40:サゾールワックスSPRAY40、ポリエチレンワックスパウダー(サゾールワックス社製、皮膜表面滑り性の調整剤として添加)、
・SH28PA:ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、
・紫顔料ピグメントバイオレット23及び/又は藍顔料フタロシアニンブルーを添加。
表2に比較例1〜5に記載のコーティングニスの組成、および評価結果を示す。
Figure 2013087189
実施例の結果において、適量の紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分と、適量のアシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤、及び紫顔料又は紫染料を0.001〜0.05質量%含有する事で、本発明で述べるオゾンレスUVランプ硬化性コーティングニス組成物の硬化性は良好であり、本発明で述べる紫外線照射条件において硬化皮膜の黄変が発生せず、臭気もほとんどない事を確認した。
比較例では、紫顔料又は紫染料を添加しない場合、硬化皮膜の黄変は防げない。比較例1では、0.05質量%を超える0.1質量%を添加した場合、紫に着色してしまう。 比較例2として、UV光重合開始剤として極一般的で低黄変開始剤の代表であるBASF社製IRGACURE184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)を採用したとしても、オゾンレスUVランプを光源とした発行波長では殆ど硬化反応は進まないことを示す。
比較例3として、硬化能の高い光重合開始剤として代表的なBASF社製IRGACURE907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)を使用することで、良好な硬化性を得ることができるが、中程度の臭気が避けられない。
本発明のオゾンレスUVランプ硬化性コーティングニス組成物およびそれを用いた印刷物は、UV硬化による印刷が求められるグラフィックイメージの印刷、印字図形、プラスチック電子材料などにおいて、高光沢、エンボスパターン、ホログラムパターン転写といった高意匠性を発揮する分野に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤及び紫顔料又は紫染料を含有することを特徴とし、オゾンレスUVランプを使用した紫外線照射装置で硬化するコーティングニス。
  2. 紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分を50〜90質量%、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤を5〜15質量%、及び紫顔料又は紫染料を0.001〜0.05質量%含有する請求項1に記載のオゾンレスUVランプを使用した紫外線照射装置で硬化するコーティングニス。
  3. 前記した紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分が、1分子中に4官能以上の重合基を有する紫外線硬化性モノマーを含有する請求項1又は2に記載のオゾンレスUVランプを使用した紫外線照射装置で硬化するコーティングニス。
  4. 前記したアシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤が、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドである請求項1〜3の何れかに記載のオゾンレスUVランプを使用した紫外線照射装置で硬化するコーティングニス。
  5. アミン化合物を0.5〜10質量%含有する請求項1〜4の何れかに記載のオゾンレスUVランプを使用した紫外線照射装置で硬化するコーティングニス。
  6. 藍顔料を0.001〜0.05質量%含有する請求項1〜5の何れかに記載のオゾンレスUVランプを使用した紫外線照射装置で硬化するコーティングニス。
  7. チオキサントン系化合物を0.01〜0.5質量%含有する請求項1〜6の何れかに記載のオゾンレスUVランプを使用した紫外線照射装置で硬化するコーティングニス。
  8. 基材上、又は、基材上に印刷された印刷インキ層の上に、紫外線硬化性モノマー及び又はオリゴマー成分、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤、及び紫顔料又は紫染料を含有するオゾンレスUV硬化性コーティングニスの層を形成し、オゾンレスUVランプで紫外線を照射することにより得られることを特徴とする印刷物。
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