JP2013085422A - モータ制御装置 - Google Patents

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繁一 奥村
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Abstract

【課題】起動時間の短縮化が図れるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】マイクロコンピュータ11は、速度比率指令値演算部21と、第1スイッチ22と、速度比率偏差演算部23と、速度制御部24と、電流比率指令値演算部25と、第2スイッチ26と、電流比率偏差演算部27と、q軸電流制御部28と、起動制御部43とを含んでいる。速度比率指令値演算部21は、予め設定されたロータの回転速度の最大値に対する速度指令値ωの比率を、速度比率指令値として演算する。起動時には、第1スイッチ22は、速度比率指令値を第2スイッチ26に入力させ、第2スイッチ26は、第1スイッチ22から入力する速度比率指令値を、q軸電流比率指令値として電流比率偏差演算部27に入力させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、モータ制御装置に関し、特にロータの回転角を検出するセンサを有しないセンサレス制御によるモータ制御装置に関する。
従来、ブラシレスモータの制御方式の1つとして、ベクトル制御方式がある。ベクトル制御方式では、三相固定座標系におけるU相、V相およびW相の電流値を、二相回転座標系における2相の電流に変換し、この2相の電流を用いてモータを制御する。二相回転座標系は、ロータの磁極方向に沿うd軸と、d軸に直交するq軸とによって規定される座標系である。二相回転座標系における2相の電流は、d軸電流成分とq軸電流成分とからなる。
また、ベクトル制御方式によってモータを制御するモータ制御装置として、ロータの回転角を検出するセンサを使用せずに、ロータの回転角および回転速度を推定するセンサレス制御方式のもの知られている。
図2は、従来のセンサレス制御によるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
この従来のモータ制御装置60は、ブラシレスモータ1(以下、「モータ1」という)を駆動する。このモータ制御装置60には、装置外部からシリアル信号などによってブラシレスモータ1のロータの回転速度の指令値(速度指令値ω)が入力される。
モータ制御装置60は、マイクロコンピュータ61と、マイクロコンピュータ61によって制御され、モータ1に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)12と、モータ1に流れるU相電流およびV相電流を検出するための電流センサ13,14とを備えている。
マイクロコンピュータ61は、機能処理部として、速度偏差演算部71と、速度制御部72と、q軸電流偏差演算部73と、q軸電流制御部74と、d軸電流指令値設定部75と、d軸電流偏差演算部76と、d軸電流制御部77と、座標変換部78と、PWM制御部79と、電流検出部80と、座標変換部81と、d軸電流指令値設定部82と、d軸電流偏差演算部83と、ロータ角度制御部84と、ロータ角度演算部85と、速度演算部86とを含んでいる。
電流検出部80は、所定の演算周期Ts毎に、電流センサ13,14の出力信号に基づいて、U相、V相およびW相の相電流を求める。座標変換部81は、ロータ角度演算部85によって演算されるロータの回転角(ロータ角度θ)を用いて、電流検出部80によって求められた3相の相電流を、二相回転座標系における2相の電流(d軸電流検出値Iおよびq軸電流検出値I)に変換する。
速度偏差演算部71は、速度指令値ωと速度演算部86によって演算されるロータの回転速度ωとの偏差(ω−ω)を演算する。速度制御部72は、速度偏差演算部71によって演算された偏差(ω−ω)に対して比例積分演算(PI演算)を行なうことにより、q軸電流指令値I を演算する。q軸電流偏差演算部73は、q軸電流指令値I と座標変換部81によって得られるq軸電流検出値Iとの偏差(I −I)を演算する。q軸電流制御部74は、q軸電流偏差演算部73によって得られた偏差(I −I)に対して比例積分演算(PI演算)を行なうことにより、q軸電圧指令値V を算出する。
d軸電流設定部75は、d軸電流指令値I を設定する。d軸電流指令値I は、たとえば零に設定される。d軸電流偏差演算部76は、d軸電流指令値I と座標変換部81によって得られるd軸電流検出値Iとの偏差(I −I)を演算する。d軸電流制御部77は、d軸電流偏差演算部76によって得られた偏差(I −I)に対して比例積分演算(PI演算)を行なうことにより、d軸電圧指令値V を算出する。座標変換部78は、ロータ角度演算部85によって演算されるロータ角度θを用いて、d軸電圧指令値V およびq軸電圧指令値V を、三相固定座標系におけるU相、V相およびW相の電圧指令値V ,V ,V に変換する。
PWM制御部79は、三相の電圧指令値V ,V ,V それぞれに対応するデューティのU相PWM制御信号、V相PWM制御信号およびW相PWM制御信号を生成し、駆動回路12に供給する。
座標変換部78,81において前記座標変換を行うためには、ロータの回転角(ロータ角度)が必要となる。ロータ角度は、d軸電流指令値設定部82、d軸電流偏差演算部83、ロータ角度制御部84、ロータ角度演算部85および速度演算部86によって構成されるロータ角度推定手段によって推定される。
d軸電流指令値設定部82は、d軸電流指令値I を設定する。d軸電流指令値I は、たとえば零に設定される。d軸電流偏差演算部83は、所定の演算周期Ts毎にd軸電流指令値I と座標変換部81によって得られるd軸電流検出値Iとの偏差(I −I)を演算する。ロータ角度制御部84は、d軸電流偏差演算部83によって演算される偏差(I −I)に基づいて、補正角度Δθを演算する。
ロータ角度演算部85は、所定の演算周期Ts毎に、ロータ回転角θを演算する。具体的には、ロータ角度演算部85は、前回の演算周期においてロータ角度演算部85によって演算されたロータ角度θk−1と、前回の演算周期において速度演算部86によって演算されたロータの回転速度ωk−1と、今回の演算周期においてロータ角度制御部84によって演算された補正角度Δθと、演算周期Tsとに基づいて、今回の演算周期でのロータ回転角θを演算する。
速度演算部86は、前回の演算周期においてロータ角度演算部85によって演算されたロータ回転角θk−1と、今回の演算周期においてロータ角度演算部85によって演算されたロータ回転角θと、演算周期Tsとに基づいて、今回の演算周期でのロータの回転速度ωを演算する。
このようなセンサレス制御によるモータ制御装置においては、ロータの回転速度が零であるときには、正確なロータ角を演算できないため、モータの起動方法が課題となっている。従来のモータの起動方法として、ロータ角度制御部84への指令値(d軸電流指令値設定部82によって設定されるd軸電流指令値I )を制御する方法が提案されている(たとえば下記特許文献1参照)。具体的には、起動時において、ロータ角度制御部84への指令値I の初期値を零とは異なる所定値に設定し、時間の経過とともに零に近づける。
特開2009-136161号公報
前述した従来のモータの起動方法では、ロータ角度制御部84への指令値I を徐々に変化させているので、起動に時間がかかるという問題があった。
この発明の目的は、起動時間の短縮化が図れるモータ制御装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、ステータとロータを有するブラシレスモータ(1)に対してセンサレス制御を行なうモータ制御装置(10)であって、前記ブラシレスモータに流れる電流を検出する電流検出手段(34)と、前記電流検出手段によって検出される電流検出値を、d軸電流検出値およびq軸電流検出値に変換する変換手段(35)と、前記d軸電流検出値に基づいて、前記ロータの回転角度を推定する角度推定手段(37〜41)と、前記ロータ角度推定手段によって推定されるロータ回転角度に基づいて、前記ロータの速度を演算する速度演算手段(41)と、所与の速度指令値に応じた第1指令値と、前記速度演算手段によって演算されるロータ速度演算値に応じた第1比較値との偏差に基づいて、q軸電流指令値を演算するq軸電流指令値演算手段(23,24)と、前記q軸電流指令値に応じた第2指令値と、前記q軸電流検出値に応じた第2比較値との偏差に基づいて、q軸電圧指令値を演算するq軸電圧指令値演算手段(27,28)と、所与のd軸電流指令値に応じた第3指令値と前記d軸電流検出値に応じた第3比較値との偏差に基づいてd軸電圧指令値を演算するd軸電圧指令値演算手段(29,30,31)と、前記q軸電圧指令値および前記d軸電圧指令値に基づいて、前記ブラシレスモータの駆動電圧を制御する手段(32,33)と、前記ブラシレスモータの起動時において、前記第1指令値を、前記q軸電流指令値演算手段を介することなく、前記第2指令値として、前記q軸電圧指令値演算手段に与える起動制御手段(22,26,43)とを含む、モータ制御装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
この発明では、ブラシレスモータの起動時において、第1指令値が、q軸電流指令値演算手段を介することなく、第2指令値として、q軸電圧指令値演算手段に与えられる。これにより、起動時においては、q軸電圧指令値演算手段による比例積分演算等の演算処理を省略できるので、起動時間を短縮化することができる。
請求項2記載の発明は、前記第1指令値は、予め設定されたロータ速度最大値に対する前記速度指令値の比率であり、前記第1比較値は、前記ロータ速度最大値に対する前記ロータ速度演算値の比率であり、前記第2指令値は、予め設定されたq軸電流最大値に対する前記q軸電流指令値の比率であり、前記第2比較値は、前記q軸電流最大値に対する前記q軸電流検出値の比率である、請求項1に記載のモータ制御装置である。
この構成では、ブラシレスモータの起動時において、ロータ速度最大値に対する速度指令値の比率(第1指令値)が、q軸電流最大値に対するq軸電流指令値の比率(第2指令値)として、q軸電圧指令値演算手段に与えられる。このため、起動時に、ロータ速度最大値に対する速度指令値の比率(第1指令値)が、q軸電流指令値演算手段を介することなく、q軸電圧指令値演算手段に与えられたとしても、速度指令値に対応したq軸電圧指令値が得られるようになる。
なお、前記第3指令値は、例えばd軸電流指令値であり、前記第3比較値は、例えばd軸電流検出値である。前記第3指令値は、予め設定されたd軸電流最大値に対するd軸電流指令値の比率であってもよい。この場合には、前記第3比較値としては、d軸電流最大値に対するd軸電流検出値の比率が用いられる。
図1は、本発明の一実施形態に係るセンサレス制御によるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、従来のセンサレス制御によるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るセンサレス制御によるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。この実施形態では、電動トランスミッションポンプに用いられるブラシレスモータを制御するためのモータ制御装置について説明する。
モータ制御装置10は、ブラシレスモータ1(以下、「モータ1」という)を駆動する。モータ1は、界磁としてのロータ(図示せず)と、ロータに対向するステータ(図示せず)に配置されたU相、V相、W相のステータ巻線(図示せず)とを備えている。モータ制御装置10には、装置外部からシリアル信号などによってロータの回転速度の指令値(速度指令値ω)が入力される。モータ制御装置10は、ロータが速度指令値ωに応じた速度で回転するように、モータ1を駆動する。
モータ制御装置10は、マイクロコンピュータ11と、マイクロコンピュータ11によって制御され、モータ1に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)12と、モータ1に流れるU相電流およびV相電流を検出するための電流センサ13,14とを備えている。
マイクロコンピュータ11は、CPUおよびメモリ(ROM,RAMなど)を備えており、所定のプログラムを実行することにより、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、速度比率指令値演算部21と、第1スイッチ22と、速度比率偏差演算部23と、速度制御部24と、電流比率指令値演算部25と、第2スイッチ26と、電流比率偏差演算部27と、q軸電流制御部28と、d軸電流指令値設定部29と、d軸電流偏差演算部30と、d軸電流制御部31と、座標変換部32と、PWM制御部33と、電流検出部34と、座標変換部35と、電流比率演算部36と、d軸電流指令値設定部37と、d軸電流偏差演算部38と、ロータ角度制御部(位相制御部)39と、ロータ角度演算部40と、速度演算部41と、速度比率演算部42と、起動制御部43とを含んでいる。
電流検出部34は、所定の演算周期Ts毎に、電流センサ13,14の出力信号に基づいて、U相、V相およびW相の相電流を求める。座標変換部35は、ロータ角度演算部40によって演算されるロータの回転角度(以下、「ロータ角度θ」という)を用いて、電流検出部34によって求められた3相の相電流を、二相回転座標系における2相の電流(d軸電流検出値Iおよびq軸電流検出値I)に変換する。電流比率演算部36は、予め設定されたq軸電流の最大値(以下、「q軸電流最大値Iqmax」という)に対するq軸電流検出値Iの比率((I/Iqmax)×100)を、q軸電流比率RIq[%](第2比較値)として求める。
速度比率指令値演算部21は、予め設定されたロータの回転速度の最大値(以下、「速度最大値ωmax」という)に対する速度指令値ωの比率((ω/ωmax)×100)を、速度比率指令値Rω [%](第1指令値)として演算する。速度比率偏差演算部23は、速度比率指令値Rω と速度比率演算部42によって演算される速度比率Rω(第1比較値)との偏差(Rω −Rω)を演算する。速度制御部24は、速度比率偏差演算部23によって演算された偏差(Rω −Rω)に対して比例積分演算(PI演算)を行なうことにより、モータ1に供給すべきq軸電流(以下、「q軸電流指令値I 」という)を演算する。速度比率偏差演算部23と速度制御部24とによって、q軸電流指令値演算手段が構成されている。
電流比率指令値演算部25は、q軸電流最大値Iqmaxに対するq軸電流指令値I の比率((I /Iqmax)×100)をq軸電流比率指令値RIq [%] (第2指令値)として求める。
第1スイッチ22および第2スイッチ26は、起動制御部43によって切換えられる。起動時以外の定常時には、第1スイッチ22および第2スイッチ26は、図1に実線で示すように接点aを選択するように切換えられる。したがって、定常時には、第1スイッチ22は、速度比率指令値Rω を速度比率偏差演算部23に入力させ、第2スイッチ26は、電流比率指令値演算部25によって演算されたq軸電流比率指令値RIq を選択して、電流比率偏差演算部27に入力させる。
一方、起動時には、第1スイッチ22および第2スイッチ26は、図1に破線で示すように接点bを選択するように切換えられる。したがって、起動時には、第1スイッチ22は、速度比率指令値Rω を第2スイッチ26に入力させ、第2スイッチ26は、第1スイッチ22から入力する速度比率指令値Rを、q軸電流比率指令値RIq として電流比率偏差演算部27に入力させる。
電流比率偏差演算部27は、q軸電流比率指令値RIq と電流比率演算部36によって演算されるq軸電流比率RIqとの偏差(RIq −RIq)を演算する。q軸電流制御部28は、電流比率偏差演算部27によって得られた偏差(RIq −RIq)に対して比例積分演算(PI演算)を行なうことにより、モータ1に供給すべきq軸電圧(以下、「q軸電圧指令値V 」という)を演算する。電流比率偏差演算部27とq軸電流制御部28とによって、q軸電圧指令値演算手段が構成されている。
d軸電流指令値設定部29は、d軸電流指令値I (第3指令値)を設定する。d軸電流指令値I は、たとえば零に設定される。d軸電流偏差演算部30は、d軸電流指令値I と座標変換部35によって得られるd軸電流検出値I(第3比較値)との偏差(I −I)を演算する。d軸電流制御部31は、d軸電流偏差演算部30によって得られた偏差(I −I)に対して比例積分演算(PI演算)を行なうことにより、モータ1に供給すべきd軸電圧(以下、「d軸電圧指令値V 」という)を演算する。d軸電流指令値設定部29、d軸電流偏差演算部30およびd軸電流制御部31によって、d軸電圧指令値演算手段が構成されている。
座標変換部32は、ロータ角度演算部40によって演算されるロータ角度θを用いて、d軸電圧指令値V およびq軸電圧指令値V を、三相固定座標系におけるU相、V相およびW相の電圧指令値V ,V ,V に変換する。
PWM制御部33は、U相、V相およびW相の電圧指令値V ,V ,V それぞれに対応するデューティのU相PWM制御信号、V相PWM制御信号およびW相PWM制御信号を生成し、駆動回路12に供給する。
駆動回路12は、U相、V相およびW相に対応した三相インバータ回路からなる。このインバータ回路を構成するパワー素子がPWM制御部33から与えられるPWM制御信号によって制御されることにより、三相電圧指令値V ,V ,V に相当する電圧がモータ1の各相のステータ巻線に印加されることになる。
座標変換部32,35において前記座標変換を行うためには、ロータの回転角(ロータ角度θ)が必要となる。そこで、マイクロコンピュータ11は、ロータ角度θを回転角センサを用いることなく推定するロータ角度推定手段を備えている。ロータ角度推定手段は、d軸電流指令値設定部37、d軸電流偏差演算部38、ロータ角度制御部39、ロータ角度演算部40および速度演算部41から構成される。
d軸電流指令値設定部37は、d軸電流指令値I を設定する。d軸電流指令値I は、たとえば零に設定される。d軸電流偏差演算部38は、所定の演算周期Ts毎にd軸電流指令値I と座標変換部35によって得られるd軸電流検出値Iとの偏差(I −I)を演算する。ロータ角度制御部39は、d軸電流偏差演算部38によって演算される偏差(I −I)に対して比例積分演算(PI演算)を行なうことにより、補正角度Δθを演算する。具体的には、ロータ角度制御部39は、例えば次式(1)に基づいて、補正角度Δθを演算する。なお、ロータ角度制御部39は、前記偏差(I −I)に対して、比例積分微分演算または比例演算を行なうことにより、補正角度Δθを演算するものであってもよい。
Δθ=K×A+K×B …(1)
A :d軸電流指令値I とd軸電流Iとの偏差(I −I
:比例ゲイン
B :Aの累積値
:積分ゲイン
ロータ角度演算部40は、所定の演算周期Ts毎に、ロータ角度θを演算する。ロータ角度演算部40は、前回の演算周期においてロータ角度演算部40によって演算されたロータ回転角θk−1と、前回の演算周期において速度演算部41によって演算されたロータの回転速度ωk−1と、今回の演算周期においてロータ角度制御部39によって演算された補正角度Δθと、演算周期Tsとに基づいて、今回の演算周期でのロータ角度θを演算する。具体的には、ロータ角度演算部40は、例えば次式(2)に基づいて、ロータ角度θを演算する。
θ=θk−1+ωk−1・Ts+Δθ …(2)
このように、ロータ角度演算部40は、補正角度Δθを用いてロータ角度θを求めているので、ロータ角度θをロータの実際の回転角度に収束させることができる。
速度演算部41は、前回の演算周期においてロータ角度演算部40によって演算されたロータ角度θk−1と、今回の演算周期においてロータ角度演算部40によって演算されたロータ角度θと、演算周期Tsとに基づいて、今回の演算周期でのロータの回転速度ωを演算する。具体的には、速度演算部41は、例えば次式(3)に基づいて、ロータの回転速度ωを演算する。
ω=(θ−θk−1)/Ts …(3)
速度比率演算部42は、速度演算部41によって演算されたロータの回転速度ωの、速度最大値ωmaxに対する比率((ω/ωmax)×100)を、速度比率Rω[%]として演算する。
起動制御部43は、起動時には、第1スイッチ22および第2スイッチ26を、図1の破線で示すように、それらが接点bを選択するように制御する。そして、一定時間が経過すると、起動制御部43は、第1スイッチ22および第2スイッチ26を、図1の実線で示すように、それらが接点aを選択するように切り替える。つまり、定常時においては、図1に実線で示すように、起動制御部43によって、第1スイッチ22および第2スイッチ26は、それぞれ接点aを選択するように制御される。
定常時のモータ制御装置10の動作について説明する。速度比率指令値演算部21によって演算された速度比率指令値Rω は、第1スイッチ22を介して速度比率偏差演算部23に入力する。速度比率偏差演算部23では、速度比率指令値Rω と、速度比率演算部42によって演算された速度比率Rωとの偏差(Rω −Rω)が演算される。速度制御部24では、前記偏差(Rω −Rω)に基づいてq軸電流指令値I が演算される。電流比率指令値演算部25では、q軸電流最大値Iqmaxに対するq軸電流指令値I の比率が、電流比率指令値RIq として求められる。この電流比率指令値RIq は、第2スイッチ26を介して、電流比率偏差演算部27に入力する。
電流比率偏差演算部27では、q軸電流比率指令値RIq と電流比率演算部36によって得られるq軸電流比率RIqとの偏差(RIq −RIq)が演算される。q軸電流制御部28では、前記偏差(RIq −RIq)に基づいて、q軸電圧指令値V が演算される。
一方、d軸電流偏差演算部30では、d軸電流指令値I と座標変換部35によって得られるd軸電流Iとの偏差(I −I)が演算される。d軸電流制御部31では、前記偏差(I −I)に基づいて、d軸電圧指令値V が演算される。座標変換部32では、d軸電圧指令値V およびq軸電圧指令値V が、三相固定座標系におけるU相、V相およびW相の電圧指令値V ,V ,V に変換される。PWM制御部33では、U相、V相およびW相の電圧指令値V ,V ,V それぞれに対応するデューティのU相PWM制御信号、V相PWM制御信号およびW相PWM制御信号が生成される。これらのPWM制御信号によって駆動回路12が制御される。このようにして、ロータの回転速度が速度指令値ωに等しくなるように、モータ1が駆動される。
起動時のモータ制御装置10の動作について説明する。
起動時においては、図1に破線で示すように、起動制御部43によって、第1スイッチ22および第2スイッチ26は、それぞれ接点bを選択するように制御される。したがって、速度比率指令値演算部21によって演算された速度比率指令値Rω は、第1スイッチ22および第2スイッチ26を介して電流比率偏差演算部27に、q軸電流比率指令値RIq として入力される。つまり、速度比率指令値演算部21によって演算される速度比率指令値Rω が、速度比率偏差演算部23、速度制御部24および電流比率指令値演算部25を介することなく、q軸電流比率指令値RIq として、電流比率偏差演算部27に与えられる。
このように、起動時においては、速度制御部24による比例積分演算等の演算処理を省略できるので、起動時間を短縮化することができる。また、起動時に速度制御部24を介することなく、速度比率指令値Rω を電流比率偏差演算部27に与えたとしても、速度比率指令値Rω は速度最大値ωmaxに対する速度指令値ωの比率であるため、q軸電流制御部28において速度指令値ωに対応したq軸電圧指令値V が演算されるようになる。また、起動時のモータトルクを最大トルクに設定する場合に比べて起動時の駆動電流を低減させることができる。
また、起動時においては不正確な速度演算値ω(速度比率Rω)を用いたPI制御を行なうことなく、正確な電流検出値を用いたPI制御のみが行なわれるので、起動時に安定性の高い制御が可能となる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、速度演算部41は、所定の演算周期Ts毎に、前記式(3)を用いてロータの速度ωを演算しているが、ロータが所定角度α(たとえばα=360°)回転する毎に、ロータが前記所定角度回転するのに要した時間Tαを求めて、ω=α/Tαにより、ロータの回転速度ωを演算するようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、d軸電流偏差演算部30は、d軸電流指令値I と座標変換部35によって得られるd軸電流検出値Iとの偏差(I −I)を演算しているが、予め設定されたd軸電流最大値に対するd軸電流指令値I の比率と、d軸電流最大値に対するd軸電流検出値Iの比率との偏差を演算するようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、起動制御部43は、起動時に第1スイッチ22および第2スイッチ26をそれらが接点bを選択するように制御し、その後、一定時間が経過すると、第1スイッチ22および第2スイッチ26を、それらが接点aを選択するように切り替えている。しかし、起動制御部43は、起動時に第1スイッチ22および第2スイッチ26をそれらが接点bを選択するように制御し、その後、速度演算部41によって演算されるロータの回転速度ωが所定値(例えば200rpm)以上になったときに、第1スイッチ22および第2スイッチ26を、それらが接点aを選択するように切り替えるようにしてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…ブラシレスモータ、10…モータ制御装置、21…速度比率指令値演算部、22…第1スイッチ、23…速度比率偏差演算部、24…速度制御部、25…電流比率指令値演算部、26…第2スイッチ、27…電流比率偏差演算部、28…q軸電流制御部、29,37…d軸電流指令値設定部、30…d軸電流偏差演算部、31…d軸電流制御部、32,35…座標変換部、33…PWM制御部、34…電流検出部、36…電流比率演算部、38…d軸電流偏差演算部、39…ロータ角度制御部、40…ロータ角度演算部、41…速度演算部、42…速度比率演算部、43…起動制御部

Claims (2)

  1. ステータとロータを有するブラシレスモータに対してセンサレス制御を行なうモータ制御装置であって、
    前記ブラシレスモータに流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段によって検出される電流検出値を、d軸電流検出値およびq軸電流検出値に変換する変換手段と、
    前記d軸電流検出値に基づいて、前記ロータの回転角度を推定する角度推定手段と、
    前記ロータ角度推定手段によって推定されるロータ回転角度に基づいて、前記ロータの速度を演算する速度演算手段と、
    所与の速度指令値に応じた第1指令値と、前記速度演算手段によって演算されるロータ速度演算値に応じた第1比較値との偏差に基づいて、q軸電流指令値を演算するq軸電流指令値演算手段と、
    前記q軸電流指令値に応じた第2指令値と、前記q軸電流検出値に応じた第2比較値との偏差に基づいて、q軸電圧指令値を演算するq軸電圧指令値演算手段と、
    所与のd軸電流指令値に応じた第3指令値と前記d軸電流検出値に応じた第3比較値との偏差に基づいてd軸電圧指令値を演算するd軸電圧指令値演算手段と、
    前記q軸電圧指令値および前記d軸電圧指令値に基づいて、前記ブラシレスモータの駆動電圧を制御する手段と、
    前記ブラシレスモータの起動時において、前記第1指令値を、前記第2指令値として、前記q軸電圧指令値演算手段に与える起動制御手段とを含む、モータ制御装置。
  2. 前記第1指令値は、予め設定されたロータ速度最大値に対する前記速度指令値の比率であり、
    前記第1比較値は、前記ロータ速度最大値に対する前記ロータ速度演算値の比率であり、
    前記第2指令値は、予め設定されたq軸電流最大値に対する前記q軸電流指令値の比率であり、
    前記第2比較値は、前記q軸電流最大値に対する前記q軸電流検出値の比率である、請求項1に記載のモータ制御装置。
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