以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。
図1に示すパチンコ遊技機1の構成例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数は、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第2特図保留記憶数は、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。このように、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときには、可変表示の保留が発生する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
第1保留表示器25Aや第2保留表示器25Bとともに、あるいは、これらの保留表示器に代えて、画像表示装置5の表示領域に始動入賞記憶数表示エリアを設けてもよい。すなわち、始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
画像表示装置5の表示領域における所定縁部の近傍には、可動演出部材60が設けられている。一例として、表示領域が横長の方形状(横向きの長方形)である場合には、長辺(例えば上縁部となる上辺)における外周縁部の近傍にて表示領域の周囲を装飾する装飾部材の内部または外部に、可動演出部材60が収容されていればよい。このように、可動演出部材60は、画像表示装置5における表示領域の所定端部に近接して設けられたものであればよい。図1では、可動演出部材60が装飾部材の内部に収容されることを、破線により示している。
可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出用模型(演出用役物装置)を構成するものであればよい。すなわち、可動演出部材60は、表示領域の周囲を装飾する装飾部材の内部または外部に収容された退避位置と、表示領域の前面に進出した進出位置とのあいだで、移動可能なものであってもよい。このとき、退避位置から進出位置へと向かう方向は、画像表示装置5における表示領域の所定縁部(例えば上縁部となる上辺)から他の縁部(例えば下縁部となる下辺)へと向かう方向であればよい。なお、所定縁部から他の縁部に達するまで進出してもよいし、他の縁部に達するより前(例えば表示領域の中央部)に進出位置となるようにしてもよい。なお、可動演出部材60は、表示領域の前面に進出可能なものに限定されず、例えば回転装飾体を用いて構成され、表示領域の近傍にて回転する演出動作を行うものであってもよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、可動演出部材60を動作させる可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)する始動入賞(第1始動入賞)が発生したときに、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより、第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)する始動入賞(第2始動入賞)が発生したときに、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「14」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「14」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしていもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
このような短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、確変状態や時短状態が終了して通常状態になることがある。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる以前の遊技状態が確変状態や時短状態であって高開放制御を伴う時短制御が行われていたときには、大当り遊技状態の終了後も高開放制御を伴う時短制御が行われるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「14」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
この実施の形態では、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行される場合に、まずは飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて、ノーマルのリーチ演出が実行される。その後、スーパーAのリーチ演出が実行され、スーパーBのリーチ演出が実行されない場合には、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されて確定表示される。一方、スーパーBのリーチ演出が実行される場合には、スーパーAのリーチ演出に続いて、大当り信頼度がより高いスーパーBのリーチ演出が実行されることを認識可能に報知する発展報知演出が実行される。そして、スーパーAのリーチ演出よりも大当り信頼度が高いスーパーBのリーチ演出が実行されてから、確定飾り図柄が導出されて確定表示される。したがって、スーパーAのリーチ演出が実行されるもののスーパーBのリーチ演出が実行されない場合には、スーパーBのリーチ演出まで実行される場合よりも、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短くなる。また、スーパーAのリーチ演出が実行されてからスーパーBのリーチ演出が実行されずに可変表示結果が導出されるタイミングを第1のタイミングとすれば、スーパーBのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される第2のタイミングは、第1のタイミングよりも遅くなる。
スーパーAのリーチ演出に続いて、発展報知演出やスーパーBのリーチ演出が実行されることを、「リーチ演出が発展する」ともいう。スーパーAのリーチ演出は、発展前のリーチ演出となる。一方、スーパーBのリーチ演出は、発展後のリーチ演出となる。スーパーAのリーチ演出が実行された後に第1のタイミングとなったときには、スーパーBのリーチ演出に発展せずに可変表示結果が導出されることもあれば、発展報知演出が実行された後にスーパーBのリーチ演出が実行されることもある。スーパーBのリーチ演出が実行された後に第2のタイミングとなったときには、可変表示結果が導出される。
発展報知演出の一例として、可動演出部材60が退避位置から画像表示装置5における表示領域の前面(進出位置)に進出するとともに、効果音の出力や発光体の点灯といった所定の演出動作が実行されればよい。発展報知演出の他の一例として、画像表示装置5における表示領域に同一または類似したキャラクタを示す演出画像群が通過するように表示(群画像表示)させるといった所定の演出動作が実行されてもよい。スーパーAのリーチ演出が実行された後にリーチ演出が発展し、続けてスーパーBのリーチ演出が実行される場合には、常に発展報知演出が実行されればよい。なお、リーチ演出が発展してスーパーBのリーチ演出が実行される場合でも、発展報知演出が実行されない場合を設けてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、発展報知演出とは異なる演出として、発展示唆演出が実行されることがある。発展示唆演出を実行することにより、スーパーAのリーチ演出から大当り信頼度がより高いスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで可変表示結果が導出される可能性があることを示唆する。飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、例えばスーパーAのリーチ演出を実行している所定期間といった、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出される第1のタイミングとなる以前に、発展示唆演出が実行される。ただし、スーパーAのリーチ演出が実行された場合でも、発展示唆演出が実行されないこともある。
発展示唆演出の一例として、可動演出部材60を画像表示装置5の表示領域における所定端部の近傍にて揺動させることにより、可動演出部材60が表示領域の前面に進出する発展報知演出が実行される可能性があることを示唆すればよい。例えば可動演出部材60を収容位置から一部進出させ、上下に揺動させることにより、可動演出部材60が全部進出して発展報知演出が実行される可能性があることを示唆できればよい。発展示唆演出が実行されたときには、実行されないときよりも高い割合で、リーチ演出が発展してスーパーBのリーチ演出が実行され、第2のタイミングで可変表示結果が導出されればよい。こうして、第2のタイミングで可変表示結果が導出される可能性があることを、第1のタイミングとなる以前に示唆できればよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、変動パターン決定用の乱数値MR2とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR2は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第1特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第2特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。小当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。大当りフラグや小当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
大当り終了処理において、CPU103は、RAM102の所定領域から大当り種別バッファ値を読み出すことにより、大当り種別が「非確変」、「確変」または「突確」のいずれであったかを特定する。このとき特定された大当り種別が「確変」または「突確」である場合には、確変制御の開始により遊技状態を確変状態とするための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。また、特定された大当り種別が「非確変」または「確変」である場合には、時短制御を開始するための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた時短回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「100」)を設定すればよい。時短回数カウンタは、時短制御が終了するまでに実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントする。なお、大当り種別が「確変」であることに対応して、次に可変表示結果が「大当り」となるまで時短制御を継続させる場合には、時短回数カウンタのカウント初期値を設定せずに、確変フラグと時短フラグとをいずれもオン状態にセットすればよい。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に再び大入賞口を開放状態とするまで待機する処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図4は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。すなわち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図5(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図5(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図5(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」または「突確」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。また、図5(A)に示す決定例では、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で特図表示結果が「小当り」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、特図表示結果が「小当り」に決定されることがない。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「小当り」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも低い割合で、特図表示結果が「小当り」に決定されることがあってもよい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図5(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で大当り種別が「突確」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」には決定されない。すなわち、大当り種別が「突確」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「突確」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも低い割合で、大当り種別が「突確」に決定されることがあってもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS244;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図6(A)は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図6(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」や「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図7(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図6(A)に示すステップS262の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、図7(A)に示すような決定割合で可変表示結果が「大当り」となる場合の変動パターンが決定されればよい。
図7(B)は、小当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図6(A)に示すステップS264の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、図7(B)に示すような決定割合で可変表示結果が「小当り」となる場合の変動パターンが決定されればよい。
図7(C)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。例えば図6(A)に示すステップS265の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、図7(C)に示すような決定割合で可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンが決定されればよい。
図7(A)に示す決定例では、大当り種別が「非確変」または「確変」の場合に、変動パターンPA3−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行されてスーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されない変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−2や変動パターンPA3−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。一方、図7(C)に示す決定例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行されてスーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されない変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2−2や変動パターンPA2−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図7(C)に示す決定例では、スーパーAのリーチ演出まで実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−2の決定割合が、スーパーAのリーチ演出が実行された後にスーパーBのリーチ演出まで実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−3の決定割合よりも高くなるように設定されている。これに対して、図7(A)に示す決定例では、大当り種別が「非確変」の場合に、変動パターンPA3−2の決定割合が変動パターンPA3−3の決定割合よりも高くなる一方、大当り種別が「確変」の場合に、変動パターンPA3−2の決定割合が変動パターンPA3−3の決定割合よりも低くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも十分に高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、スーパーBのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。
図6(B)に示すように、変動パターンPA2−1〜PA2−3と、変動パターンPA3−1〜PA3−3とでは、特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。図7(A)や図7(C)に示す決定割合の設定により、スーパーリーチのリーチ演出が実行されたときには、ノーマルのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。また、スーパーBのリーチ演出が実行されたときには、スーパーAのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。
図6(A)に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図6(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。この実施の形態では、変動パターンPA2−2や変動パターンPA3−2のように、スーパーAのリーチ演出が実行された後にスーパーBのリーチ演出に発展せずに可変表示結果が導出されるタイミングを、第1のタイミングとする。一方、変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3のように、スーパーAのリーチ演出に続いて、リーチ演出が発展し、スーパーBのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるタイミングを、第2のタイミングとする。
図6(B)に示すように、変動パターンPA2−2や変動パターンPA3−2に対応する特図変動時間(60000ms)は、変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応する特図変動時間(90000ms)よりも短くなるように設定されている。したがって、変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3により特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出される第2のタイミングは、変動パターンPA2−2や変動パターンPA3−2により特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出される第1のタイミングよりも、遅くなる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、可動演出部材60の所定動作(例えば揺動または移動)といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図8は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図9(A)は、可変表示開始設定処理として、図8のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS501)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS501;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS502)。
ステップS502にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS502;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS503)。一例として、ステップS503の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS502にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS502;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS504)。一例として、ステップS504の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS501にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS501;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS505)。特図表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別は、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドを読み取ることなどにより、演出制御用CPU120によって特定されればよい。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS505;Yes)、例えば短期開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS506)。
ステップS506における処理の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1が指定された場合に、複数種類の短期開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS506における処理の他の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC2−1が指定された場合に、例えばステップS504と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。あるいは、変動パターンPC2−1が指定された場合に、ステップS504と同様の処理を実行することにより「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される同一の飾り図柄を決定する一方で、ステップS504とは異なる処理を実行することにより、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(短期開放チャンス図柄)を停止表示することに決定してもよい。こうした短期開放チャンス図柄を含むリーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放チャンス目に含まれてもよい。
なお、変動パターンPC2−1が指定されて飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合でも、例えば「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って仮停止表示されることによりリーチ態様となった後に、「右」の飾り図柄可変表示エリア5Rにて飾り図柄を再び変動させることにより仮停止表示した飾り図柄を変更させる「滑り」の可変表示演出を行うとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて所定の飾り図柄を停止表示させることで、短期開放チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄の組合せが導出表示されるようにしてもよい。この場合、ステップS506の処理では、変動パターンPC2−1が指定された場合でも、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS505にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS505;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS507)。一例として、ステップS507の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS503、S504、S506、S507の処理のいずれかを実行した後には、発展示唆演出の有無を決定する(ステップS508)。図9(B)は、発展示唆演出の決定例を示している。例えば、図9(A)に示すステップS508の処理では、発展示唆演出決定用の乱数値に基づいて、ROM121の所定領域に予め記憶されて用意された発展示唆演出決定テーブルを参照することにより、図9(B)に示すような決定割合で発展示唆演出の有無が決定されればよい。発展示唆演出決定用の乱数値は、例えば乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新され、ステップS508の処理が実行されるときに、演出制御用CPU120によって抽出されればよい。
この実施の形態では、スーパーAのリーチ演出を実行している所定期間にて、発展示唆演出が実行される。したがって、スーパーAのリーチ演出を実行した後に可変表示結果が導出される変動パターンPA2−2や変動パターンPA3−2が指定された場合、あるいは、スーパーAのリーチ演出からスーパーBのリーチ演出に発展してスーパーBのリーチ演出を実行した後に可変表示結果が導出される変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3が指定された場合に対応して、発展示唆演出を実行するか否かが決定されればよい。
図9(B)に示す決定例では、特図表示結果が「大当り」となる場合に対応して、スーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンPA3−2または変動パターンPA3−3を示す変動パターン指定コマンドが伝送されたときに、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じた所定割合で、発展示唆演出の有無が決定される。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合に対応して、スーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンPA2−2または変動パターンPA2−3を示す変動パターン指定コマンドが伝送されたときに、特図表示結果が「大当り」となる場合とは異なる所定割合で、発展示唆演出の有無が決定されればよい。なお、特図表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別は、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドを読み取ることなどにより、演出制御用CPU120によって特定されればよい。
図9(B)に示す決定例では、変動パターンPA3−2が指定された場合に、大当り種別が「非確変」であるときには、大当り種別が「確変」であるときよりも発展示唆演出を実行する「発展示唆演出あり」に決定される割合が低くなる。一方、変動パターンPA3−3が指定された場合に、大当り種別が「非確変」であるときには、大当り種別が「確変」であるときよりも「発展示唆演出あり」に決定される割合が高くなる。このような設定により、発展示唆演出が実行されない場合には、変動パターンPA3−2に応じてスーパーAのリーチ演出が実行されて第1のタイミングで可変表示結果が導出されるときに比べて、変動パターンPA3−3に応じてスーパーBのリーチ演出まで実行されて第2のタイミングで可変表示結果が導出されるときの方が、大当り種別が「確変」となる可能性が高くなるという、遊技者にとってより有利な遊技価値が付与される。これに対して、発展示唆演出が実行された場合には、変動パターンPA3−2に応じて第1のタイミングで可変表示結果が導出されるときの方が、変動パターンPA3−3に応じて第2のタイミングで可変表示結果が導出されるときに比べて、大当り種別が「確変」となる可能性が高くなるという、遊技者にとってより有利な遊技価値が付与される。こうして、発展示唆演出が実行されるか否かに応じて、可変表示結果が導出されるタイミングと、遊技者に付与される遊技価値の大小(高低)との対応関係を、変化させることができればよい。
ステップS508にて発展示唆演出の有無を決定した後には、使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS509)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、発展示唆演出の有無などに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。特に、ステップS508の処理により発展示唆演出を実行することに決定された場合には、発展示唆演出のために予め用意された演出制御パターンを使用パターンに設定する。これにより、発展示唆演出が実行される期間となる発展示唆演出実行期間や、発展示唆演出の演出態様が設定されればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS510)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS511)。このときには、例えばステップS510にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS512)、可変表示開始設定処理を終了する。
図10は、可変表示中演出処理として、図8のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS521)。一例として、ステップS521の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS521にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS521;No)、発展示唆演出を実行するための発展示唆演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS522)。発展示唆演出実行期間は、例えば発展示唆演出を実行することに対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS522にて発展示唆演出実行期間であるときには(ステップS522;Yes)、発展示唆演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS523)。
一例として、ステップS523の処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データまたは可動演出部材制御データなど)に応じて、所定の演出態様による発展示唆演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123やモータ駆動回路16などに対して伝送させればよい。より具体的には、可動演出部材60を揺動させるための駆動制御信号を作成して、モータ駆動回路16へと伝送させる。この駆動制御信号に応じて、モータ駆動回路16が可動演出部材用モータ61を回転駆動することにより、可動演出部材60を揺動させる発展示唆演出が実行される。
ステップS522にて発展示唆演出実行期間ではないときや(ステップS522;No)、ステップS523の処理を実行した後には、発展報知演出を実行するための発展報知演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS524)。発展報知演出実行期間は、変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3といった、スーパーAのリーチ演出からスーパーBのリーチ演出に発展する場合に対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS524にて発展報知演出実行期間であるときには(ステップS524;Yes)、発展報知演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS525)。
ステップS525の処理では、発展報知演出として可動演出部材60を画像表示装置5における表示領域の前面に進出させるための駆動制御信号を作成して、モータ駆動回路16へと伝送させればよい。この駆動制御信号に応じて、モータ駆動回路16が可動演出部材用モータ61を回転駆動することにより、可動演出部材60を表示領域における所定端部の近傍から表示領域の前面へと進出させる発展報知演出が実行される。
ステップS524にて発展報知演出実行期間ではないときや(ステップS524;No)、ステップS525の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS526)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。なお、発展示唆演出や発展報知演出がリーチ演出に含まれる場合もある。この場合には、ステップS526の処理にてリーチ演出実行期間であると判定されたときに、ステップS522〜S525の処理などが実行可能になればよい。ステップS526にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS526;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS527)。
ステップS526にてリーチ演出実行期間ではないときや(ステップS526;No)、ステップS527の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS528)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS521にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS521;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS529)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS529;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS529にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS529;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS530)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS531)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS532)、可変表示中演出処理を終了する。
図11は、スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合における各種演出の実行タイミングを示している。図11(A)は、変動パターンPA2−2または変動パターンPA3−2に対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となりスーパーAのリーチ演出が実行された後、可変表示結果が導出されるまでに実行される各種演出を示している。図11(B)は、変動パターンPA2−3または変動パターンPA3−3に対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となりスーパーAのリーチ演出に続いて発展報知演出やスーパーBのリーチ演出が実行された後、可変表示結果が導出されるまでに実行される各種演出を示している。
図11(A)に示す場合では、スーパーAのリーチ演出が実行されているときに発展示唆演出実行期間となり、図10に示すステップS523の演出動作制御により、発展示唆演出が実行可能になる。そして、スーパーAのリーチ演出が終了する第1のタイミングT01にて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出される。
図11(B)に示す場合では、可変表示の開始から第1のタイミングT01までは、図11(A)の場合と同様に飾り図柄の可変表示やリーチ演出などが行われ、発展示唆演出実行期間では発展示唆演出が実行可能となる。第1のタイミングT01に達したときには、発展報知演出が実行されて、スーパーAのリーチ演出から大当り信頼度がより高いスーパーBのリーチ演出に発展する。そして、スーパーBのリーチ演出が終了する第2のタイミングT02にて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出される。
図9(A)に示すステップS508の処理では、図9(B)に示すように、特図表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンPA3−2または変動パターンPA3−3が指定されたときに、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて異なる割合で、発展示唆演出を実行するか否かが決定される。例えば、変動パターンPA3−2が指定された場合には、大当り種別が「確変」であるときに、大当り種別が「非確変」であるときよりも十分に高い割合で、発展示唆演出を実行する旨の決定が行われる。一方、変動パターンPA3−3が指定された場合には、大当り種別が「非確変」であるときに、大当り種別が「確変」であるときよりも十分に高い割合で、発展示唆演出を実行する旨の決定が行われる。したがって、発展示唆演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された後に第1のタイミングT01にて可変表示結果が導出されるときに、スーパーAのリーチ演出に続いてスーパーBのリーチ演出が実行された後に第2のタイミングT02にて可変表示結果が導出されるときよりも、大当り種別が「確変」となって大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態になる可能性が高くなるという、遊技者にとってより有利な遊技価値が付与される。
こうして、発展示唆演出が実行された後に第1のタイミングT01にて可変表示結果が導出されたときに、発展示唆演出が実行された後に第2のタイミングT02にて可変表示結果が導出されたときとは異なる価値を付与することができる。ここで、第1のタイミングT01は、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったことに基づいてスーパーAのリーチ演出が実行された後のタイミングである。一方、第2のタイミングT02は、スーパーAのリーチ演出を実行した後にリーチ演出が発展して、スーパーBのリーチ演出が実行された後のタイミングである。そして、異なる価値の付与として、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態に制御される割合を異ならせている。
図12は、変動パターンPA2−2または変動パターンPA3−2といった、スーパーAのリーチ演出を実行した後に可変表示結果が導出される変動パターンにおける演出動作例を示している。この演出動作例では、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったことに基づいて、ノーマルのリーチ演出が実行されてから、図12(A)に示すように、スーパーAのリーチ演出が実行される。スーパーAのリーチ演出が開始されてから、図10(A)に示すステップS522の処理により発展示唆演出実行期間であると判定されたときには、ステップS523の演出動作制御により、発展示唆演出が実行される。図12(A)に示す演出動作例では、画像表示装置5の表示領域の所定縁部(例えば上辺)に対応する演出位置にて、可動演出部材60が揺動することで、発展示唆演出が実行される。このとき、可動演出部材60は、例えば画像表示装置5における表示領域の上縁部となる上辺が形成する表示領域の内部と外部との境界部分の付近にて、揺動するように動作すればよい。表示領域の境界部分の付近としては、可動演出部材60が境界部分の前面に掛かった状態であってもよいし、境界部分の前面には掛からないように表示領域の内部まで進出した状態(発展報知演出の場合までは進出していない状態)であってもよい。可動演出部材60の揺動に伴い、可動演出部材60に内蔵された装飾用LEDといった発光体を点灯または点滅させてもよい。発光体の点灯または点滅に代えて、あるいは発光体の点灯または点滅とともに、画像表示装置5の表示領域に発展示唆演出の実行に伴う所定の演出画像を表示させてもよい。
スーパーAのリーチ演出は、例えば味方のキャラクタCA1およびキャラクタCA2が、敵方のキャラクタCB1と対戦する(バトルを行う)ような演出(バトル演出)であればよい。そして、バトル演出で味方のキャラクタCA1やキャラクタCA2が敵方のキャラクタCB1との対戦に勝ったときには、大当り図柄となる確定特別図柄と大当り組合せを構成する確定飾り図柄とが導出されて、可変表示結果が「大当り」となったことを遊技者が認識可能に報知する。一方、バトル演出で味方のキャラクタCA1やキャラクタCA2が敵方のキャラクタCB1との対戦に負けたときには、ハズレ図柄となる確定特別図柄とリーチハズレ組合せを構成する確定飾り図柄とが導出されて、可変表示結果が「ハズレ」となったことを遊技者が認識可能に報知することがある。
すなわち、特図表示結果が「ハズレ」に決定されたことに基づいて変動パターンPA2−2が指定された場合には、例えば図12(B1)に示すような対戦に負けたことを示す演出画像が表示されて、図12(C1)に示すようなリーチハズレ組合せの確定飾り図柄が導出される。一方、特図表示結果が「大当り」に決定されたことに基づいて変動パターンPA3−2が指定された場合には、例えば図12(B2)に示すような対戦に勝ったことを示す演出画像が表示されて、図12(C2)に示すような大当り組合せの確定飾り図柄が導出される。
図13は、変動パターンPA2−3または変動パターンPA3−3といった、スーパーAのリーチ演出に続いて発展報知演出やスーパーBのリーチ演出を実行した後に可変表示結果が導出される変動パターンにおける演出動作例を示している。この演出動作例でも、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったことに基づいて、ノーマルのリーチ演出が実行されてから、図13(A)に示すように、スーパーAのリーチ演出が実行される。そして、図10(A)に示すステップS522の処理により発展示唆演出実行期間であると判定されたときに、ステップS523の演出動作制御により、発展示唆演出が実行される。
変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応するスーパーAのリーチ演出では、特図表示結果が「ハズレ」と「大当り」のいずれであるかにかかわらず、図13(B)に示すような演出画像を表示することなどにより、味方のキャラクタCA1やキャラクタCA2が、敵方のキャラクタCB1との対戦に負けたことを遊技者が認識可能に報知する。その後、図13(C)に示すように可動演出部材60が画像表示装置5における表示領域の前面に進出する発展報知演出が実行される。このとき、可動演出部材60は、初期位置となる表示領域の上縁部(上辺)の近傍における退避位置から、表示領域の前面にて「中」の飾り図柄表示エリア5Cを覆うような進出位置へと向かう可動演出方向に、移動して進出するように動作すればよい。可動演出部材60の進出に伴い、可動演出部材60に内蔵された装飾用LEDといった発光体を点灯(例えばフラッシュ点灯など)させてもよい。発光体の点灯に代えて、あるいは発光体の点灯とともに、画像表示装置5の表示領域に発展報知演出の実行に伴う所定の演出画像を表示させてもよい。こうした発展報知演出に続いて、スーパーBのリーチ演出が実行される。
スーパーBのリーチ演出は、例えば図13(D)に示すような演出画像が表示されるといった、スーパーAのリーチ演出とは演出態様が異なるリーチ演出であればよい。これにより、遊技者は、スーパーAのリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーBのリーチ演出が実行されることを認識できる。このようなスーパーBのリーチ演出が実行された後に、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出される。すなわち、特図表示結果が「ハズレ」に決定されたことに基づいて変動パターンPA2−3が指定された場合には、例えば図13(E1)に示すようなリーチハズレ組合せの確定飾り図柄が導出される。一方、特図表示結果が「大当り」に決定されたことに基づいて変動パターンPA3−3が指定された場合には、例えば図13(E2)に示すような大当り組合せの確定飾り図柄が導出される。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、図9(A)に示すステップS508の処理にて、図9(B)に示すような割合で発展示唆演出を実行するか否かが決定されることにより、発展示唆演出が実行されるか否かに応じて、可変表示結果が導出されるタイミングと、遊技者に付与される遊技価値の大小(高低)との対応関係を、変化させるものとして説明した。これに対して、発展示唆演出が実行されるか否かによっては、こうした対応関係は変化しないものの、発展示唆演出が実行された後に第1のタイミングにて可変表示結果が導出されたときに、発展示唆演出が実行されずに第1のタイミングにて可変表示結果が導出されたときとは大きさ(高さ)の異なる価値が付与されるものであってもよい。
上記実施の形態では、発展示唆演出の一例として、可動演出部材60を画像表示装置5の表示領域における所定端部の近傍にて揺動させ、発展報知演出の一例として、可動演出部材60を退避位置から画像表示装置5における表示領域の前面に進出させるものとして説明した。一方、こうした可動演出部材60を用いた発展示唆演出や発展報知演出に代えて、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像(キャラクタ画像、文字画像、背景画像など)の表示や、スピーカ8L、8Rによる効果音の出力、装飾用LEDといった発光体の点灯(点滅を含む)といった、各種の演出装置となる電気部品の一部または全部を用いて、発展示唆演出や発展報知演出が実行されるものであってもよい。より具体的には、発展報知演出として、画像表示装置5における表示領域に同一または類似した多数のキャラクタを示す演出画像群が通過するように表示(群画像表示)させてもよい。また、発展示唆演出として、発展報知演出で表示される多数のキャラクタを示す演出画像群の一部または全部を、画像表示装置5の表示領域における所定端部の近傍にて揺動するように表示させることにより、演出画像群が通過するように表示される発展報知演出が実行される可能性があることを示唆してもよい。
上記実施の形態では、発展示唆演出の演出態様にかかわらず、発展示唆演出の有無と可変表示結果が導出されるタイミングとに応じて、異なる価値が付与されるものとして説明した。これに対して、発展示唆演出の有無に代えて、あるいは発展示唆演出の有無に加えて、発展示唆演出の演出態様と可変表示結果が導出されるタイミングとに応じて、異なる価値が付与されてもよい。一例として、パチンコ遊技機1では、互いに演出態様が異なる複数の発展示唆演出HA〜発展示唆演出HCのうち、いずれかの発展示唆演出を選択して実行可能とする。
発展示唆演出HA〜発展示唆演出HCでは、例えば可動演出部材60の動作態様(動作速度、動作距離、動作方向などの一部または全部)や、スピーカ8L、8Rから出力される効果音の出力態様、可動演出部材60に内蔵された装飾用LEDといった発光体の点灯態様(点灯色、点灯強度、点灯時間、点滅回数などの一部または全部)、可動演出部材60の動作に伴い画像表示装置5の表示領域に表示される演出画像(キャラクタ画像、文字画像、背景画像などの種類、表示色、大きさ、表示時間といった表示内容の一部または全部)を相違させることにより、それぞれの演出態様を異ならせればよい。あるいは、例えば発展示唆演出HAでは可動演出部材60が揺動する一方で、発展示唆演出HBや発展示唆演出HCでは可動演出部材60が揺動せずに、画像表示装置5の表示領域に所定のキャラクタ画像が表示されたり、遊技効果ランプ9に含まれる所定の発光体が点灯されたりするといったように、異なる演出装置を用いた演出が実行されることにより、発展示唆演出HA〜発展示唆演出HCにおける演出態様を異ならせてもよい。
図9(A)に示すステップS508の処理により発展示唆演出を実行することに決定された場合に、演出制御用CPU120は、発展示唆演出の演出態様を決定する処理を実行すればよい。このとき、例えば乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される発展示唆演出パターン決定用の乱数値が演出制御用CPU120によって抽出され、ROM121の所定領域に予め記憶されて用意された発展示唆演出パターン決定テーブルを参照することにより、例えば図14に示すような決定割合で、発展示唆演出の有無と、発展示唆演出を実行する場合における演出態様とを、決定することができればよい。
図14に示す決定例では、変動パターンPA3−2が指定された場合に、大当り種別が「非確変」であれば、発展示唆演出を実行しない「発展示唆演出なし」に決定される割合が高く、大当り種別が「確変」であれば、「発展示唆演出なし」に決定される割合が低い。これにより、発展示唆演出が実行されずにスーパーAのリーチ演出が実行された後に第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合に、大当り種別が「確変」に対応して大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態となる可能性は低くなる。一方、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合に、大当り種別が「確変」に対応して大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態となる可能性は高くなる。
また、変動パターンPA3−2が指定された場合に、大当り種別が「非確変」であれば、発展示唆演出HAに決定されることがなく、大当り種別が「確変」であれば、所定割合で発展示唆演出HAに決定される。これにより、発展示唆演出HAが実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合に、大当り種別が「確変」に対応して大当り遊技状態の終了後における遊技状態は確変状態となることが確定する。
さらに、変動パターンPA3−2が指定された場合に、大当り種別が「非確変」であれば、発展示唆演出HBに決定される割合よりも発展示唆演出HCに決定される割合が高く、大当り種別が「確変」であれば、発展示唆演出HBに決定される割合は発展示唆演出HCに決定される割合よりも高い。これにより、発展示唆演出HBが実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合には、発展示唆演出HCが実行された後に第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合よりも、大当り種別が「確変」に対応して大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態となる可能性が高くなる。
図14に示す決定例では、変動パターンPA3−3が指定された場合に、大当り種別が「非確変」であれば、発展示唆演出を実行しない「発展示唆演出なし」に決定される割合が低く、大当り種別が「確変」であれば、「発展示唆演出なし」に決定される割合が高い。これにより、発展示唆演出が実行されずにスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合に、大当り種別が「確変」に対応して大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態となる可能性は高くなる。一方、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合に、大当り種別が「確変」に対応して大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態となる可能性は低くなる。
また、変動パターンPA3−3が指定された場合に、大当り種別が「非確変」であれば、発展示唆演出HAに決定される割合が高く、発展示唆演出HB、発展示唆演出HCの順に、決定割合が低下する。一方、大当り種別が「確変」であれば、発展示唆演出HAに決定される割合が低く、発展示唆演出HB、発展示唆演出HCの順に、決定割合が上昇する。これにより、発展示唆演出HCが実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合には、発展示唆演出HBが実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合よりも、大当り種別が「確変」に対応して大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態となる可能性が高くなる。さらに、発展示唆演出HBが実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合には、発展示唆演出HAが実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合よりも、大当り種別が「確変」に対応して大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態となる可能性が高くなる。
図14に示す決定例では、変動パターンPA3−2が指定された場合に、大当り種別が「非確変」と「確変」の場合をあわせた観点からすると、発展示唆演出HAに決定される割合が高く、発展示唆演出HB、発展示唆演出HCの順に、決定割合が低下する。これに対して、変動パターンPA3−3が指定された場合に、大当り種別が「非確変」と「確変」の場合をあわせた観点からすると、発展示唆演出HA、発展示唆演出HB、発展示唆演出HCのそれぞれに決定される割合の変化は小さい。したがって、発展示唆演出HAが実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出される可能性が高く、発展示唆演出HB、発展示唆演出HCの順に、スーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出される可能性が上昇する。
こうして、発展示唆演出の演出態様と、可変表示結果が導出されるタイミングとの組合せに応じて、遊技状態が確変状態となる可能性といった、遊技者に付与される価値を異ならせることができる。なお、例えば確変状態となる可能性といった、遊技者に付与される可能性は、発展示唆演出の演出態様と、可変表示結果が導出されるタイミングとの組合せに応じて任意に異ならせることができればよく、例えば発展示唆演出HCが実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合には、発展示唆演出HBが実行された後に第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合よりも、大当り種別が「確変」に対応して大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態となる可能性が高くなるように設定されてもよい。
ここで、発展示唆演出HA〜発展示唆演出HCは、いずれも図11(A)や図11(B)に示す共通の発展示唆演出実行期間にて実行されてもよい。一方、複数の発展示唆演出実行期間を設けて、いずれかの発展示唆演出実行期間を選択して発展示唆演出が実行されてもよい。一例として、図15に示すように、スーパーAのリーチ演出が開始されてから終了するまでに、発展示唆演出HA〜発展示唆演出HCのそれぞれを実行するための実行期間を設ける。図9(A)に示すステップS509の処理では、発展示唆演出HA〜発展示唆演出HCのいずれを実行するかの決定結果に応じて、予め用意された複数の演出制御パターンのうちから、いずれかを選択して使用パターンに設定する。これにより、発展示唆演出HA〜発展示唆演出HCごとに異なる発展示唆演出実行期間や演出態様が設定されればよい。
この場合にも、例えば図14に示すような決定割合で、発展示唆演出の有無と、発展示唆演出を実行する場合における演出態様とを、決定することができればよい。これにより、発展示唆演出が実行される期間と、可変表示結果が導出されるタイミングとの組合せに応じて、遊技状態が確変状態となる可能性といった、遊技者に付与される価値を異ならせることができる。
複数の発展示唆演出実行期間を設けた場合に、いずれの発展示唆演出実行期間が選択されたかにかかわらず、演出態様が同一の発展示唆演出を実行してもよい。例えば、図15に示す発展示唆演出HAの実行期間を第1発展示唆演出期間とし、発展示唆演出HBの実行期間を第2発展示唆演出期間とし、発展示唆演出HCの実行期間を第3発展示唆演出期間とする。また、図14に示す発展示唆演出HA〜発展示唆演出HCの決定割合を、それぞれ第1発展示唆演出期間〜第3発展示唆演出期間の決定割合とすればよい。こうして、発展示唆演出の演出態様が同一の場合でも、発展示唆演出が実行される期間と、可変表示結果が導出されるタイミングとの組合せに応じて、遊技状態が確変状態となる可能性といった、遊技者に付与される価値を異ならせることができる。
例えば第1発展示唆演出期間〜第3発展示唆演出期間について、図14に示す発展示唆演出HA〜発展示唆演出HCのそれぞれと同様の割合で、いずれかの発展示唆演出期間に決定されるものとする。この場合、第1発展示唆演出期間にて発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合に、大当り遊技状態の終了後における遊技状態は確変状態となることが確定する。また、第2発展示唆演出期間にて発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合には、第3発展示唆演出期間にて発展示唆演出が実行された後に第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合よりも、大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態となる可能性は高くなる。一方、第3発展示唆演出期間にて発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合には、第2発展示唆演出期間にて発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合よりも、大当り遊技状態の終了後に遊技状態となる可能性は高くなる。
加えて、第1発展示唆演出期間にて発展示唆演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出される可能性が高く、第2発展示唆演出期間、第3発展示唆演出期間の順に、スーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出される可能性が上昇する。「ハズレ」の可変表示結果が導出される場合にも、同様の設定としてもよいし、「大当り」の可変表示結果が導出される場合とは異なる設定としてもよい。図14に示す割合とは異なる決定割合の設定により、第1発展示唆演出期間にて発展示唆演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展する可能性が最も高く、第2発展示唆演出期間、第3発展示唆演出期間の順に、スーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展する可能性が低下するようにしてもよい。このように、発展示唆演出が実行される期間に応じて異なる割合で、スーパーAのリーチ演出に続いてリーチ演出が発展し、スーパーBのリーチ演出が実行された後に可変表示結果が導出されてもよい。
上記実施の形態における発展示唆演出や発展報知演出に加え、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでの複数のタイミングにて、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる可能性を予告する複数の予告演出が実行可能となるように、演出制御パターン(予告演出制御パターン)の決定や演出動作制御が行われてもよい。例えば演出制御用CPU120は、図8に示すステップS171の可変表示開始設定処理にて、可変表示結果が「ハズレ」と「大当り」のいずれになるかに応じて異なる所定割合で、変動開始時予告、全図柄変動中予告、図柄減速時予告、リーチ成立後予告、リーチ発展時予告の一部または全部といった、複数の予告演出について、それぞれ実行するか否かの決定と、実行する場合における演出態様を示す予告パターンの決定との一方または双方を行えばよい。
変動開始時予告は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるタイミング(変動開始タイミング)にて、大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。全図柄変動中予告は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄が変動(高速変動)しているタイミング(全図柄変動タイミング)にて、大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。図柄減速時予告は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部または全部にて飾り図柄が減速して停止(仮停止)に至るタイミング(図柄減速タイミング)にて、大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。
リーチ成立後予告は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後のタイミング(リーチ成立後タイミング)にて、大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。リーチ成立後タイミングは、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった直後のタイミングであってもよい。あるいは、リーチ成立後タイミングは、例えばノーマルリーチのリーチ態様で飾り図柄が可変表示されている期間中の所定タイミングであってもよい。飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後には、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおける飾り図柄の変動速度が低下して、まずはノーマルリーチのリーチ態様で可変表示が行われる。そして、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて飾り図柄の変動速度がさらに低下して飾り図柄が停止し、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出される場合(ノーマルリーチの場合)と、再び変動速度が上昇してスーパーリーチのリーチ態様に移行する場合(スーパーリーチの場合)とがある。リーチ発展時予告は、スーパーリーチのリーチ演出における演出態様(リーチ態様)が第1段階(例えばスーパーAのリーチ演出)から第2段階(例えばスーパーBのリーチ演出)へと発展するタイミング(リーチ発展タイミング)にて、大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。
こうした複数のタイミングで実行可能な予告演出のそれぞれにおける演出態様(演出内容)は、例えば大当り遊技状態となる可能性である大当り信頼度に応じて、異なるものとなる。なお、予告演出における演出態様(演出内容)の相違は、予告演出が実行される場合の演出動作を異ならせることによって生じるだけでなく、各タイミングで予告演出を実行するか否かによって生じてもよい。複数のタイミングのうち1のタイミングで実行される予告演出における演出態様を大当り信頼度に応じて異ならせる場合には、例えば同一の演出装置を用いた演出動作であるものの、その動作態様を異ならせることにより、異なる演出態様となるようにすればよい。
例えば、変動開始時予告では、低信頼度と中信頼度のそれぞれに対応して、異なる演出態様となる。全図柄変動中予告では、低信頼度と中信頼度と高信頼度のそれぞれに対応して、異なる演出態様となる。図柄減速時予告では、低信頼度と中信頼度のそれぞれに対応して、異なる演出態様となる。リーチ成立後予告では、低信頼度と中信頼度と高信頼度のそれぞれに対応して、異なる演出態様となる。リーチ発展時予告では、対応する演出動作の有無によって、異なる演出態様となる。このように、予告演出における演出態様は、各予告演出の実行タイミングとともに、大当り遊技状態となる可能性(大当り信頼度)に応じて、異なるものとなる。なお、低信頼度に対応した演出態様で予告演出を実行するものに限定されず、所定の予告演出が実行されないことで、低信頼度であることを遊技者が認識できるようにしてもよい。
低信頼度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「10%未満」であることを予告する。中信頼度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「10%以上30%未満」であることを予告する。高信頼度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「30%以上」であることを予告する。こうした予告演出により予告される大当り遊技状態となる可能性(大当り信頼度)は、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて各予告パターンの決定割合を異ならせることで、予め設定できればよい。例えば、低信頼度の予告演出は、中信頼度や高信頼度の予告演出に比べて、大当りとなるときに実行される割合が低く、ハズレとなるときに実行される割合が高くなればよい。また、高信頼度の予告演出は、低信頼度や中信頼度の予告演出に比べて、大当りとなるときに実行される割合が高く、ハズレとなるときに実行される割合が低くなればよい。ここで、大当り遊技状態となる可能性が0%の場合には、常に可変表示結果が「ハズレ」となり、大当り遊技状態にはならないことを意味している。また、大当り遊技状態となる可能性が100%の場合には、常に可変表示結果が「大当り」となり、必ず大当り遊技状態となることを意味している。
なお、各信頼度の予告演出により予告される大当り遊技状態となる可能性(大当り信頼度)は、上記の例に限定されず、所定の段階数に応じて0%〜100%の範囲を区分したものであればよい。すなわち、高信頼度の予告演出は、大当り遊技状態となる可能性が所定の第1基準値以上であることを予告できればよく、低信頼度の予告演出は、大当り遊技状態となる可能性が第1基準値よりも低い所定の第2基準値未満であることを予告できればよい。この場合、中信頼度の予告演出は、大当り遊技状態となる可能性が第1基準値未満で第2基準値以上であることを予告できればよい。
例えば変動開始時予告の場合は低信頼度と中信頼度のそれぞれに対応して異なる演出態様となる一方で、全図柄変動中予告の場合は低信頼度と中信頼度さらには高信頼度のそれぞれに対応して異なる演出態様となる。そして、中信頼度の予告演出は大当り信頼度が第1基準値未満である一方で、高信頼度の予告演出は大当り信頼度が第1基準値以上である。すなわち、複数のタイミングのうち第1タイミングにて実行される予告演出により予告できる大当り信頼度の上限値に比べて、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行される予告演出により予告できる大当り信頼度の上限値が高く(大きく)なることがあるように設定されている。
複数のタイミングのうち1のタイミングにて実行される予告演出は、演出態様を異ならせることにより、異なる大当り信頼度を遊技者が認識可能に予告するようにしている。したがって、各予告演出における演出態様の種類数は、その予告演出により予告可能な大当り信頼度の段階数と等しくなってもよい。あるいは、各予告演出における複数種類の予告演出のうちには、互いに異なる演出態様によって同一の大当り信頼度を予告するものがあってもよい。この場合のように、各予告演出における演出態様の種類数は、その予告演出により予告可能な大当り信頼度の段階数よりも多くなってもよい。
例えば全図柄変動中予告とリーチ成立後予告のように、大当り信頼度の段階数が同一となる予告演出であっても、それぞれの予告演出に対応して、大当り信頼度の第1基準値や第2基準値を異ならせてもよい。より具体的な一例として、全図柄変動中予告の大当り信頼度は低信頼度が「5%未満」で中信頼度が「5%以上20%未満」で高信頼度が「20%以上」となる一方で、リーチ成立後予告の大当り信頼度は低信頼度が「10%未満」で中信頼度が「10%以上30%未満」で高信頼度が「30%以上」となるようにしてもよい。このように、予告演出が低信頼度と中信頼度と高信頼度のいずれになるかは、予告演出の実行タイミングごとに、異なる基準で分類(段階分け)されてもよい。また、例えばリーチ発展時予告が実行されたときには大当り信頼度が「80%以上」になるといったように、特定の予告演出が実行されたときには、大当り遊技状態となる可能性が飛躍的に向上することが予告されるようにしてもよい。
予告演出の有無や予告パターンを決定するときには、1のタイミングで実行される予告演出により予告される大当り信頼度と、他のタイミングで実行される予告演出により予告される大当り信頼度とが、予め禁止された関係になることがないように設定されている。例えば高信頼度の全図柄変動中予告が実行された後に、低信頼度の図柄減速時予告やリーチ成立後予告が実行されるような予告演出の組合せとなる予告パターンは用意されていない。ここで、高信頼度の予告演出は大当り信頼度が第1基準値以上であることを予告し、低信頼度の予告演出は大当り信頼度が第1基準値よりも低い第2基準値未満であることを予告する。したがって、複数のタイミングのうち第1タイミングにて大当り遊技状態となる可能性が第1基準値以上であることを予告する高信頼度の予告演出が実行される場合に、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて大当り遊技状態となる可能性が第1基準値よりも低い第2基準値未満であることを予告する低信頼度の予告演出が実行されることはない。
予告演出が低信頼度と中信頼度と高信頼度のいずれになるかは、予告演出の実行タイミングごとに、異なる基準で分類(段階分け)されてもよい。すなわち、予告演出の実行タイミングが異なれば、低信頼度と中信頼度と高信頼度とに段階分けするための第1基準値や第2基準値を異ならせてもよい。したがって、実行タイミングが異なる複数の予告演出のあいだでは、第1基準値と第2基準値とが一致しないことがあり、例えば1のタイミングで実行される予告演出を高信頼度と中信頼度とに段階分けするための第1基準値が、他のタイミングで実行される予告演出を中信頼度と低信頼度とに段階分けするための第2基準値よりも低くなることがあってもよい。こうした設定においても、複数のタイミングのうち第1タイミングにて大当り遊技状態となる可能性が第1基準値(第1タイミングに対応した基準値)以上であることを予告する高信頼度の予告演出が実行される場合に、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて大当り遊技状態となる可能性が第2基準値(第2タイミングに対応した基準値)未満であることを予告する低信頼度の予告演出が実行されることはないようにすればよい。
さらに、例えば中信頼度の変動開始時予告と中信頼度や高信頼度の全図柄変動中予告が実行された後に、低信頼度の図柄減速時予告やリーチ成立後予告が実行されるような予告演出の組合せとなる予告パターンも用意されていない。このように、複数のタイミングのうち所定タイミング(例えば全図柄変動中のタイミング)となる以前のタイミングにて大当り遊技状態となる可能性が所定値未満であることを予告する低信頼度の予告演出が実行されない場合には、所定タイミングより後のタイミングにて大当り遊技状態となる可能性が所定値未満であることを予告する低信頼度の予告演出が実行されないようにしてもよい。あるいは、複数のタイミングのうち所定タイミングとなる以前のタイミングにて大当り遊技状態となる可能性が所定値以上であることを予告する中信頼度や高信頼度の予告演出のみが実行された場合には、所定タイミングより後のタイミングにて、大当り遊技状態となる可能性が所定値未満であることを予告する低信頼度の予告演出は実行されず、所定値以上であることを予告する中信頼度や高信頼度の予告演出が実行されるようにしてもよい。
なお、1のタイミングで実行される予告演出により予告される大当り信頼度と、他のタイミングで実行される予告演出により予告される大当り信頼度とが、所定関係になることを禁止するものに限定されず、例えば所定関係以外の関係になる場合よりも決定割合が極めて低くなるように制限するなどしてもよい。例えば、複数のタイミングのうち第1タイミングにて大当り遊技状態となる可能性が第1基準値以上であることを予告する高信頼度の予告演出が実行される場合に、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて大当り遊技状態となる可能性が第2基準値未満であることを予告する低信頼度の予告演出が実行されにくいように制限してもよい。
こうして、複数のタイミングのうち1のタイミングで実行される第1予告演出として、大当り遊技状態となる可能性が第1通常段階よりも高い第1特定段階に対応した特定演出態様の予告演出が実行される場合に、第1予告演出よりも遅いタイミングで実行される第2予告演出として、大当り遊技状態となる可能性が第2特定段階よりも低い第2通常段階に対応した通常演出態様の予告演出が実行されないまたは実行されにくいように、複数のタイミングにて実行される予告演出が決定されればよい。
なお、このような大当り信頼度に応じた演出を実行するための決定は、予告演出の決定に限定されるものではなく、例えば発展示唆演出や発展報知演出、リーチ演出といった、任意の演出に適用されてもよい。より具体的には、発展示唆演出や発展報知演出、リーチ演出の演出態様に応じて大当り信頼度を異ならせた場合に、大当り信頼度が第1通常段階よりも高い第1特定段階に対応した特定演出態様の発展示唆演出が実行される場合に、発展示唆演出よりも遅いタイミングで実行される発展報知演出やリーチ演出として、大当り信頼度が第2特定段階よりも低い第2通常段階に対応した通常演出態様の発展報知演出やリーチ演出が実行されないまたは実行されにくいように、発展示唆演出や発展報知演出、リーチ演出などの演出態様が決定されればよい。
上記実施の形態において、スーパーAのリーチ演出と、スーパーBのリーチ演出は、互いに異なる演出態様で実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばスーパーBのリーチ演出は、一部または全部の演出態様が、スーパーAのリーチ演出と共通の演出態様となるものであってもよい。一例として、スーパーBのリーチ演出は、スーパーAのリーチ演出を最初まで巻き戻し、途中まではスーパーAのリーチ演出と同様の演出態様で繰返し実行された後に、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて演出結果を異ならせる巻戻し演出となるものであってもよい。この場合、上記実施の形態における発展示唆演出は、スーパーBのリーチ演出による巻戻し演出が実行される可能性があることを示唆する巻戻し示唆演出となり、上記実施の形態における発展報知演出は、スーパーBのリーチ演出による巻戻し演出が実行されることを報知する巻戻し報知演出となればよい。
巻戻し示唆演出は、巻戻し演出が実行されない場合に可変表示結果が導出される第1のタイミングとなる以前に実行されることで、巻戻し演出が実行される可能性があることを示唆できればよい。このような巻戻し示唆演出を実行可能なものにおいて、巻戻し示唆演出が実行された後に巻戻し演出が実行されずに第1のタイミングで可変表示結果が導出されたときに、巻戻し示唆演出が実行された後に巻戻し演出が実行されて第2のタイミングで可変表示結果が導出されたときよりも、例えば大当り種別が「確変」となって大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態になる可能性が高くなるといった、異なる価値が付与されればよい。
その他にも、発展示唆演出に代えて、「擬似連」の可変表示演出が実行される可能性があることを示唆する擬似連示唆演出が実行されるものであってもよい。「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームを開始するための条件(開始条件)が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。
一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に表示されている飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、一旦表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
擬似連示唆演出は、「擬似連」の可変表示演出において所定回の擬似連変動が実行されない場合に可変表示結果が導出される第1のタイミングとなる以前に実行されることで、擬似連変動が実行される可能性があることを示唆できればよい。このような擬似連示唆演出を実行可能なものにおいて、擬似連示唆演出が実行された後に擬似連変動が実行されずに第1のタイミングで可変表示結果が導出されたときに、擬似連示唆演出が実行された後に擬似連変動が実行されて第2のタイミングで可変表示結果が導出されたときよりも、例えば大当り種別が「確変」となって大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態になる可能性が高くなるといった、異なる価値が付与されればよい。
上記実施の形態では、発展示唆演出が実行された後に「大当り」の可変表示結果が導出されることで付与される価値として、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる可能性を、可変表示結果が第1のタイミングで導出されたか第2のタイミングで導出されたかに応じて、異ならせるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、パチンコ遊技機1において付与可能な任意の価値を、発展示唆演出が実行された後に可変表示結果が導出されるタイミングなどに応じて異ならせることができればよい。例えば、大当り遊技状態として、ラウンド遊技の実行回数(上限回数)が「10」の第1大当り遊技状態と、ラウンド遊技の実行回数(上限回数)が第1大当り遊技状態よりも多い「15」の第2大当り遊技状態とを設ける。この場合、遊技状態が第2大当り遊技状態となったときには、第1大当り遊技状態となったときよりも多くの遊技球を大入賞口に進入(入賞)させて、遊技者がより多くの賞球(これに対応する得点でもよい)を獲得することができるという遊技価値を有している。
このような第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とに制御可能なものにおいて、例えば発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合には、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出された場合よりも、大当り遊技状態として第2大当り遊技状態に制御される可能性が高くなるといった、異なる価値が付与されればよい。発展示唆演出に代えて、巻戻し示唆演出や擬似連示唆演出といった任意の示唆演出を実行可能なものでも同様である。
また、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が多くなる可能性、確変状態における大当り確率が高くなる可能性、連チャン回数が多くなる可能性といった、パチンコ遊技機1による遊技の進行に影響する遊技価値を、発展示唆演出が実行された後に可変表示結果が導出されるタイミングなどに応じて異ならせてもよい。こうしたパチンコ遊技機1による遊技の進行に影響する遊技価値に代えて、あるいは遊技の進行に影響する遊技価値とともに、遊技の進行に影響しない所定の価値を、発展示唆演出が実行された後に可変表示結果が導出されるタイミングなどに応じて異ならせてもよい。
一例として、可変表示結果が「大当り」となった場合に、出現する可能性が低くなるように設定された特別な演出画像(プレミア画像など)を表示可能なものとする。なお、演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、特別な音声(プレミア楽曲など)を出力可能なものとしてもよい。この場合、例えば発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出されたときには、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出されたときよりも、特別な演出画像が表示される可能性が高くなるといった、異なる価値が付与されればよい。
プレミア画像などの特別な演出画像の表示や特別な音声の出力といった特別な演出(プレミア演出)に代えて、あるいはプレミア演出とともに、所定の2次元バーコードを含む演出画像を表示可能なものであってもよい。この2次元バーコードを遊技者が携帯端末機を用いて撮影することなどにより、特典画像や特典楽曲などを取得(例えば携帯端末機にダウンロード)できればよい。この場合、例えば発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出されたときには、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで「大当り」の可変表示結果が導出されたときよりも、2次元バーコードを含む演出画像が表示される可能性が高くなるといった、異なる価値が付与されればよい。
なお、プレミア演出や2次元バーコードを含む演出画像の表示は、可変表示結果が「大当り」となった場合に行われるものに限定されず、例えば可変表示結果が「ハズレ」となった場合に行われることがあってもよい。一例として、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで可変表示結果(例えばリーチハズレ組合せの確定飾り図柄など)が導出されたときには、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで可変表示結果が導出されたときよりも、特別な演出画像が表示される可能性が高くなる、あるいは2次元バーコードを含む演出画像が表示される可能性が高くなるといった、異なる価値が付与されればよい。
パチンコ遊技機1は、各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9および装飾用LED、可動演出部材60など)となる電気部品による演出態様が異なる複数の演出モードを備えてもよい。具体的な一例として、ノーマル演出モードの他に、スペシャル演出モードとなる演出モードが設けられてもよい。スペシャル演出モードは、大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了したとき、飾り図柄の可変表示が実行されるとき、または時短制御が終了したときといった、予め定められたモード移行条件のいずれかが成立したときに、現在の演出モードや遊技状態などに応じて切り替わる。
例えば、スペシャル演出モードのうちには、遊技状態が確変状態であり確変制御が行われている可能性が低い第1スペシャル演出モードと、第1スペシャル演出モードよりも確変制御が行われている可能性が高い第2スペシャル演出モードと、確変制御が行われていることを確定的に報知する第3スペシャル演出モードとが含まれている。そして、可変表示結果が「小当り」となる場合や、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合にも、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」や「確変」となる場合と同様に、スーパーAのリーチ演出が実行された後にリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで可変表示結果が導出される変動パターンと、スーパーAのリーチ演出が実行された後にリーチ演出が発展してスーパーBのリーチ演出が実行され第2のタイミングで可変表示結果が導出される変動パターンとを用意する。すなわち、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合だけでなく、可変表示結果が「小当り」となる場合にも、短期開放チャンス図柄を含む短期開放チャンス目となるリーチ組合せの確定飾り図柄が導出されることがある。
このような場合に、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで短期開放チャンス目が導出されたときには、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで短期開放チャンス目が導出されたときよりも、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に対応して大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる場合に、演出モードが第3スペシャル演出モードとなる可能性が高くなるといった、異なる価値が付与されてもよい。あるいは、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで短期開放チャンス目が導出されたときには、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで短期開放チャンス目が導出されたときよりも、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に対応して大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる場合に、演出モードが第2スペシャル演出モードとなる可能性が高くなるといった、異なる価値が付与されてもよい。
可変表示結果が「小当り」となる場合や、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合だけでなく、例えば演出モードが第1スペシャル演出モード〜第3スペシャル演出モードのいずれかであるときに、飾り図柄の可変表示に対応して演出モードを移行させる割合を、発展示唆演出の有無と可変表示結果が導出されるタイミングとに応じて異ならせてもよい。例えば遊技状態が確変状態であることに基づいて演出モードが第1スペシャル演出モードである場合に、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに第1のタイミングで可変表示結果(例えばリーチハズレ組合せの確定飾り図柄など)が導出されたときには、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展して第2のタイミングで可変表示結果が導出されたときよりも、演出モードが第3スペシャル演出モードまたは第2スペシャル演出モードとなる可能性が高くなるといった、異なる価値が付与されてもよい。
プレミア演出や2次元バーコードの表示、演出モードの切替えなどにより遊技者に異なる価値を付与する場合には、可変表示結果が導出されるタイミングに基づいて発展示唆演出の有無が決定されてから、遊技者に所定の価値を付与するか否かが決定されてもよい。一例として、図9(A)に示すステップS508の処理では、変動パターンにより可変表示結果が導出されるタイミングに応じた所定割合で、発展示唆演出の有無が決定される。その後、発展示唆演出の有無と可変表示結果が導出されるタイミングとに応じて異なる割合で、例えばプレミア演出の有無といった、遊技者に所定の価値を付与するか否かが決定されてもよい。
上記実施の形態では、スーパーAのリーチ演出が実行されているときに発展示唆演出実行期間となり、発展示唆演出が実行可能になるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばノーマルのリーチ演出が実行されているときに発展示唆演出実行期間となるようにしてもよい。この場合にも、発展示唆演出の有無に代えて、あるいは発展示唆演出の有無に加えて、発展示唆演出の演出態様と可変表示結果が導出されるタイミングとに応じて、異なる価値が付与されてもよい。また、複数の発展示唆演出実行期間を設けた場合に、発展示唆演出が実行される期間と可変表示結果が導出されるタイミングとに応じて、異なる価値が付与されてもよい。さらに、発展示唆演出が実行される期間に応じて異なる割合で、ノーマルのリーチ演出に続いてスーパーAまたはスーパーBのリーチ演出が実行された後に可変表示結果が導出されてもよい。
こうして、所定の示唆演出が実行された後に第1のタイミングで可変表示結果が導出されたときに、所定の示唆演出が実行された後に第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングで可変表示結果が導出されたときとは異なる価値を、付与することができればよい。第1のタイミングで可変表示結果が導出されたときには、第2のタイミングで可変表示結果が導出されたときよりも付与される価値が高くなるようにしてもよいし、付与される価値が低くなるようにしてもよい。
上記実施の形態では、大当り種別が「非確変」となる場合に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよく、一方、大当り種別が「確変」となる場合に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよいものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば複数の飾り図柄には非確変図柄と確変図柄との区別がなく、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出された後に、遊技状態が大当り遊技状態であるときに実行される所定の演出などにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となるか否かを、遊技者が認識可能に報知してもよい。
上記実施の形態では、発展示唆演出が1回だけ実行された後に可変表示結果が導出されるタイミングに応じて、異なる価値が付与されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、所定回数(例えば2回)よりも多い複数回の発展示唆演出が実行された後に可変表示結果が導出されるタイミングに応じて、異なる価値が付与されてもよい。この場合には、発展示唆演出の実行回数が所定回数以下であるか所定回数よりも多いかに応じて、可変表示結果が導出されるタイミングと、遊技者に付与される価値との対応関係を、変化させるようにしてもよい。あるいは、発展示唆演出の実行回数によっては、こうした対応関係は変化しないものの、所定回数より多くの発展示唆演出が実行された後に第1のタイミングにて可変表示結果が導出されたときに、所定回数以下の発展示唆演出が実行された後(または発展示唆演出が実行されず)に第1のタイミングにて可変表示結果が導出されたときとは異なる価値が付与されてもよい。発展示唆演出に代えて、巻戻し示唆演出や擬似連示唆演出といった任意の示唆演出を実行可能なものでも同様である。
上記実施の形態では、演出制御用CPU120が図9(A)に示すステップS508の処理を実行することにより、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドに示された変動パターンや可変表示結果通知コマンドから特定された大当り種別に応じた割合で、発展示唆演出の有無を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば発展示唆演出の有無は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103によって決定されてもよい。
一例として、スーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されるか否かだけでなく、発展示唆演出が実行されるか否かにも応じて、異なる変動パターンを用意する。より具体的には、図6(B)に示す変動パターンPA3−2に代えて、発展示唆演出が実行されずにスーパーAのリーチ演出が発展せずに可変表示結果が導出される変動パターンPA3−2−1と、発展示唆演出が実行された後にスーパーAのリーチ演出が発展せずに可変表示結果が導出される変動パターンPA3−2−2とを、予め用意する。スーパーAのリーチ演出がスーパーBのリーチ演出に発展してから可変表示結果が導出される変動パターンPA3−3についても、同様にして変動パターンPA3−3−1と変動パターンPA3−3−2とに置換する。そして、例えば図6(A)に示すステップS262の処理では、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかに応じて異なる割合で、これらの変動パターンを含む複数の変動パターンのうち、いずれかの変動パターンを使用パターンに決定すればよい。このときには、例えば図9(B)に示すような大当り種別に応じた割合で発展示唆演出の有無が決定されるように、大当り変動パターン決定テーブルにて変動パターン決定用の乱数値MR2と比較される決定値が、変動パターンPA3−2−1や変動パターンPA3−2−2、変動パターンPA3−3−1、変動パターンPA3−3−2を含む複数の変動パターンに、割り当てられていればよい。
これらの他にも、パチンコ遊技機1といった遊技機の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、所定の入賞装置に進入した遊技球の個数に対応して異なる遊技価値を付与するための遊技制御または演出制御を含めた各種の制御内容などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
パチンコ遊技機1は、遊技者に賞球となる遊技球が払い出され、払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であってもよいし、遊技に使用するための得点が付与されて、この得点を使用してパチンコ遊技機1の内部に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われる遊技機であってもよい。すなわち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機において、所定の遊技に用いられる得点が0でないときに、この得点を使用して遊技機内に封入された遊技媒体を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技媒体の打ち込みに応じて得点が減算され、遊技領域に設けられた入賞領域を遊技媒体が通過(進入)することに応じて得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。こうした遊技機は、得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体の記録情報を読み出す遊技用記録媒体処理手段を備えてもよい。
また、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に発射して所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となるパチンコ遊技機に限定されず、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機に適用することができる。より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされたスロットマシンにも本発明を適用できる。このようなスロットマシンにおいて、発展示唆演出などの示唆演出を実行する構成(例えば可動演出部材や画像表示装置といった各種の演出装置となる電気部品など)を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うためのソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の一部または全部を備えるように構成されればよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1といった遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、パチンコ遊技機1では、例えば発展示唆演出といった所定の示唆演出が実行された後に第1のタイミングで特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されたときに、所定の示唆演出が実行された後に第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングで可変表示結果が導出されたときとは異なる価値が付与される。こうして、示唆演出が実行された場合の遊技が多様なものになることや、例えば示唆演出が実行された後に可変表示結果が導出されるタイミングに対する遊技者の興味を高めることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
スーパーAのリーチ演出が実行されたときには、リーチ演出が発展せずにスーパーBのリーチ演出が実行されることなく第1のタイミングで可変表示結果が導出されることもあれば、リーチ演出が発展してスーパーBのリーチ演出が実行された後に第2のタイミングで可変表示結果が導出されることもある。したがって、発展示唆演出などの示唆演出が実行された後には、例えばスーパーAのリーチ演出に続いてスーパーBのリーチ演出が実行されるか否かに応じて、付与される価値が異なることになる。これにより、示唆演出が実行された場合のリーチ演出に対する遊技者の興味を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
パチンコ遊技機1では、発展示唆演出が実行された場合に可変表示結果が導出されるタイミングに応じて付与される価値として、例えば大当り種別が「確変」に対応して大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態となる可能性を異ならせる。これにより、示唆演出が実行された場合に可変表示結果が導出されるタイミングに応じて確変状態となる期待感を異ならせて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、例えば図14に示すような決定割合で発展示唆演出の演出態様を決定することにより、示唆演出の演出態様と可変表示結果が導出されるタイミングとに応じて、異なる価値が付与される。こうして、より変化に富んだ遊技を実行可能にして遊技の興趣を向上させることができる。
あるいは、図15に示すような発展示唆演出HA〜発展示唆演出HCの実行期間が定められている場合に、図14に示すような決定割合で発展示唆演出を決定することにより、示唆演出が実行される期間に応じて異なる割合で、第2のタイミングにて可変表示結果が導出される。これにより、示唆演出が実行されるか否かに加えて、示唆演出が実行される期間に対する遊技者の興味を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。