JP2007330644A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遊技者に指令を提示する指令演出を実行する構成において、遊技の興趣の低下を抑制することができる遊技機を提供する。
【解決手段】 チャンス演出において、1回の変動表示に対して指令実行演出態様を複数回表示制御する。これにより、1回の変動表示において一旦(1回目の指令実行演出態様で)指令が達成されずに変動表示(指令演出)が継続する場合でも、2回目以降の指令実行演出態様で指令が達成される可能性がある。このため、無意味な(大当りする期待感のない)リーチ演出を遊技者に延々と見せる等のような、指令演出中に遊技者を飽きさせることを回避でき、1回の変動表示における指令演出の開始時点から終了時点まで継続的に大当りの期待感を遊技者に持たせることができるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、遊技球が打ち込まれる遊技領域と、該遊技領域内に配置されて遊技球の入賞が可能な始動入賞口と、該始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて遊技者に所定の利益を付与するか否かを判定する当落判定手段と、該当落判定手段による判定結果に基づいて識別情報を変動表示する変動表示手段と、前記当落判定手段により遊技者に利益を付与すると判定したときに遊技者に利益を付与する利益付与状態に制御する利益付与状態制御手段と、を備え、前記利益付与状態制御手段により利益付与状態に制御するときに前記変動表示手段にて前記識別情報の変動表示を開始して特定表示結果を停止表示する遊技機に関するものである。
従来、一般に、遊技機としてのパチンコ機には、遊技球が始動入賞口に入賞したことに基づいて表示器(変動表示手段)にて図柄(識別情報)の変動表示を行って所定期間経過後に表示器に図柄を停止表示させ、表示器に停止表示される図柄が特定の表示態様(特定表示結果)となったときに大当り遊技状態(利益付与状態)に制御することにより遊技者に利益を付与するものがあった。また、この種のパチンコ機では、所定条件の成立に伴って、表示器による演出態様を通常時の演出態様とは異なる特別演出態様に切り替える(例えば、表示器の背景画面を通常時とは異なる背景画面に切り替える等)ことで、表示器での変動表示に変化を与え、演出表示に対する興趣を低下させないようにしたもの(例えば、特許文献1参照)が提案されている。具体的には、特別演出態様をミッション演出(指令演出)の態様として表示制御するものであり、通常時の演出態様から特別演出態様に切り替える時点で、遊技者に指令を提示し(例えば、特定のリーチを出せや所定の図柄でリーチを出せ等)、その指令が達成されると、特定表示結果の停止表示以前に大当りを確定させる構成となっていた。
特開2005−323763号公報(図6)
ところで、上記特許文献1のようなミッション演出を行う構成では、1回の変動表示において当該指令が達成されなかった時点でハズレが確定していた。例えば、「所定の図柄でリーチを出せ」の指令が提示された場合、所定の図柄でリーチにならなかった時点でハズレが確定してしまう。しかしながら、このようなミッション演出では、所定の図柄以外でリーチとなるような場合があり、このようなときでもリーチ態様の形成後にリーチ演出を行い、最終的にハズレ図柄を停止表示するようになっていた。このため、遊技者は、所定の図柄以外でリーチになった時点でハズレが分かってしまうにも拘わらず、その後、無意味な(大当りする期待感のない)リーチ演出を延々と見せられることになり、遊技の興趣が低下していた。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、遊技者に指令を提示する指令演出を実行する構成において、遊技の興趣の低下を抑制することができる遊技機を提供することにある。
(解決手段1)
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、遊技球が打ち込まれる遊技領域と、該遊技領域内に配置されて遊技球の入賞が可能な始動入賞口と、該始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて遊技者に所定の利益を付与するか否かを判定する当落判定手段と、該当落判定手段による判定結果に基づいて識別情報を変動表示する変動表示手段と、前記当落判定手段により遊技者に利益を付与すると判定したときに遊技者に利益を付与する利益付与状態に制御する利益付与状態制御手段と、を備え、前記利益付与状態制御手段により利益付与状態に制御するときに前記変動表示手段にて前記識別情報の変動表示を開始して特定表示結果を停止表示する遊技機において、指令開始条件の成立に基づいて指令を遊技者に提示する指令提示手段と、該指令提示手段により指令が提示されてから複数回の変動表示に亘る所定期間において各変動表示毎にほぼ同一の指令実行演出態様で前記変動表示手段に指令演出を表示制御する指令演出表示制御手段と、を備え、前記指令演出表示制御手段は、前記指令演出の実行期間中に前記当落判定手段により遊技者に利益を付与する判定がなされた場合、前記指令実行演出態様として前記指令が達成される演出態様で前記指令演出を表示制御する指令達成表示制御手段と、1回の変動表示に対して前記指令実行演出態様を複数回表示制御する複数回指令実行表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
この場合、1回の変動表示に対して指令実行演出態様を複数回表示制御するので、1回の変動表示において一旦(1回目の指令実行演出態様で)指令が達成されずに変動表示(指令演出)が継続する場合でも、2回目以降の指令実行演出態様で指令が達成される可能性がある。このため、無意味な(大当りする期待感のない)リーチ演出を遊技者に延々と見せる等のような、指令演出中に遊技者を飽きさせることを回避でき、1回の変動表示における指令演出の開始時点から終了時点まで継続的に大当りの期待感を遊技者に持たせることができるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段2)
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、遊技領域が区画形成された遊技盤と、操作ハンドルの操作に応じて前記遊技領域内に遊技球を発射する球発射手段と、前記遊技領域内に植設されて遊技球の流下方向を変化させる障害部材と、前記遊技領域内に配置されて遊技球の入賞が可能な始動入賞口と、該始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出する入賞検出手段と、少なくとも前記入賞検出手段による遊技球の検出に応じて所定数の遊技球を払い出す球払出手段と、前記入賞検出手段による遊技球の検出に基づいて遊技者に所定の利益を付与するか否かを判定する当落判定手段と、該当落判定手段による判定結果に基づいて識別情報を変動表示する変動表示手段と、前記当落判定手段により遊技者に利益を付与すると判定したときに遊技者に利益を付与する利益付与状態に制御する利益付与状態制御手段と、を備え、前記利益付与状態制御手段により利益付与状態に制御するときに前記変動表示手段にて前記識別情報の変動表示を開始して特定表示結果を停止表示する遊技機において、指令開始条件の成立に基づいて指令を遊技者に提示する指令提示手段と、該指令提示手段により指令が提示されてから複数回の変動表示に亘る所定期間において各変動表示毎にほぼ同一の指令実行演出態様で前記変動表示手段に指令演出を表示制御する指令演出表示制御手段と、を備え、前記指令演出表示制御手段は、前記指令演出の実行期間中に前記当落判定手段により遊技者に利益を付与する判定がなされた場合、前記指令実行演出態様として前記指令が達成される演出態様で前記指令演出を表示制御する指令達成表示制御手段と、1回の変動表示に対して前記指令実行演出態様を複数回表示制御する複数回指令実行表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
この場合、1回の変動表示に対して指令実行演出態様を複数回表示制御するので、1回の変動表示において一旦(1回目の指令実行演出態様で)指令が達成されずに変動表示(指令演出)が継続する場合でも、2回目以降の指令実行演出態様で指令が達成される可能性がある。このため、無意味な(大当りする期待感のない)リーチ演出を遊技者に延々と見せる等のような、指令演出中に遊技者を飽きさせることを回避でき、1回の変動表示における指令演出の開始時点から終了時点まで継続的に大当りの期待感を遊技者に持たせることができるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段3)
解決手段1又は解決手段2において、前記指令演出表示制御手段は、前記指令提示手段により提示された指令をキャラクタの動画表示によって実行する態様を前記指令実行演出態様として表示制御する。
この場合、分り易く且つ視覚的な興趣を高めて指令演出を実行することができるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段4)
解決手段1乃至解決手段3において、複数種類の変動表示時間を記憶する変動表示時間記憶手段と、前記当落判定手段の判定結果に基づいて前記変動表示時間記憶手段に記憶された複数種類の変動表示時間のうちいずれかの変動表示時間に決定する変動表示時間決定手段と、該変動表示時間決定手段により決定された変動表示時間で前記識別情報を変動表示する変動表示制御手段と、前記指令開始条件の成立に基づいて前記所定期間の終了を決定する終了決定値を設定する終了決定値設定手段と、カウンタ値を計数するカウンタ手段と、該カウンタ手段のカウンタ値を遊技者に認識可能に表示するカウンタ値表示手段と、を備え、前記指令演出表示制御手段は、指令終了条件の成立に基づいて前記指令実行演出態様による表示制御を終了する指令演出終了制御手段を備え、前記指令演出終了制御手段は、前記複数種類の変動表示時間毎に該変動表示時間と対応させて対応値を設定する対応値設定手段と、前記変動表示時間決定手段による変動表示時間の決定に応じて、当該変動表示時間と対応した前記対応値を加算又は減算のいずれか一方の演算のみで前記カウンタ手段に対してカウントするカウンタ演算手段と、を備え、前記カウンタ演算手段のカウントにより前記カウンタ手段のカウンタ値が前記終了決定値をカウントしたことを前記指令終了条件の成立として前記指令実行演出態様による表示制御を終了する。
この場合、変動表示時間と対応させて対応値を設定し、指令演出時には、変動表示毎に該変動表示と対応する対応値をカウントしていく。そして、カウンタ手段のカウンタ値が演出表示の開始時点で設定される終了決定値をカウントすると、これに基づいて指令演出を終了する。このため、遊技者は、指令演出の終了時点が残りの変動表示回数や時間からストレートに分かることがないので、指令演出が終了することに対する緊張感を持続的に持たせることができ、ひいては遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、この構成によれば、ストレートには指令演出の終了時点が分からないものの、変動表示が行われる毎に徐々にカウンタ手段のカウンタ値が加算又は減算されていき、終了決定値がカウントされたときに、指令演出が終了する。このため、突然、指令演出を終了させるのではなく、徐々に指令演出が終了する旨を強調させて遊技者に認識させることができるので、指令演出に対する緊張感を効果的に演出することができる。
(解決手段5)
解決手段4において、前記変動表示時間決定手段は、前記当落判定手段の判定結果が当りとなる場合、前記複数種類の変動表示時間のうち長い変動表示時間を決定する割合を高く設定する一方、前記当落判定手段の判定結果がはずれとなる場合、前記複数種類の変動表示時間のうち短い変動表示時間を決定する割合を高く設定し、前記対応値設定手段は、前記変動表示時間が長い程、前記対応値を大きく設定する。
この場合、長い変動表示時間が選択された場合は、カウンタ演算手段によりカウントする値が大きく、短い変動表示時間が選択された場合は、カウンタ演算手段によりカウントする値が小さい。このため、結果的に指令演出中に大当りすることがない場合、変動表示時間が長く大当り期待度が高い演出態様が選択される割合が高い程、指令演出の終了時点が早くなり、変動表示時間が短く大当り期待度が低い演出態様が選択される割合が高い程、指令演出の終了時点が遅くなる。従って、選択される演出態様の大当り期待度に応じて指令演出の終了に変化を持たせることができ、ひいては指令演出に対する興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段6)
解決手段4又は解決手段5において、前記カウンタ演算手段は、前記カウンタ手段のカウンタ値を1ずつ演算し、前記指令演出表示制御手段は、前記カウンタ演算手段によるカウンタ値の演算毎に、特定の演出態様を表示制御する。
この場合、カウンタ値の演算毎に特定の演出態様での演出表示を実行することで、遊技者に分かり易い演出内容でカウンタ値の変化を認識させることができる。
(解決手段7)
解決手段6において、前記指令達成表示制御手段は、前記当落判定手段の判定結果が当りとなる場合、前記特定の演出態様での演出表示において前記指令が達成される演出態様を表示する。
この場合、指令演出中に、カウンタ値の演算毎に行われる特定の演出態様で指令が達成される演出態様が表示されたときには、これによって当りが確定した旨を遊技者に認識させることができる。
(解決手段8)
解決手段4乃至解決手段7において、変動表示毎に当該変動表示の変動表示時間と対応した対応値を遊技者に認識可能に表示すると共に、前記カウンタ演算手段によるカウンタ値の演算毎に前記変動表示時間と対応した対応値をカウント表示するカウント表示手段を備える。
この場合、変動表示毎の対応値を個々にカウント表示することで、変動表示毎のカウント値の演算を分り易く遊技者に認識させることができる。
(解決手段9)
解決手段4乃至解決手段8において、前記終了決定値を複数種類記憶する終了決定値記憶手段と、該終了決定値記憶手段に記憶された複数種類の終了決定値のうちいずれかの終了決定値に決定する終了決定値決定手段と、を備え、前記終了決定値設定手段は、前記終了決定値決定手段により決定された終了決定値を設定する。
この場合、終了決定値設定手段に設定される終了決定値、言い換えれば指令演出の終了を決定する値を複数種類に設定することで、指令演出を多様化することができ、より一層遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段10)
解決手段4乃至解決手段9において、前記終了決定値設定手段は、所定の上限数値を前記終了決定値として前記カウンタ手段にセットする上限数値セット手段から構成され、前記カウンタ演算手段は、前記変動表示時間と対応した前記対応値を前記カウンタ手段のカウンタ値から減算するカウンタ値減算手段から構成され、前記カウンタ値減算手段の減算により前記カウンタ手段にセットされた前記所定の上限数値が0以下の数値となったことを前記指令終了条件の成立として前記指令実行演出態様による表示制御を終了する。
この場合、変動表示時間と対応させて減算値を設定し、指令演出時には、当該演出表示の開始時点でカウンタ手段にセットされる上限数値から今回の変動表示と対応する減算値を減算していく。そして、カウンタ手段のカウンタ値が0以下の値になると、これに基づいて指令演出を終了する。このため、遊技者は、指令演出の終了時点が残りの変動表示回数や時間からストレートに分かることがないので、指令演出が終了することに対する緊張感を持続的に持たせることができ、ひいては遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段11)
解決手段1乃至解決手段10において、前記利益付与状態終了後の遊技状態を前記当落判定手段により遊技者に利益を付与すると判定する割合が高い高確率状態に制御するか否か判定する高確率状態判定手段と、該高確率状態判定手段により前記高確率状態に制御すると判定したときに、前記利益付与状態終了後に前記高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、を備える。
この場合、利益付与状態の終了後に高確率状態に制御する当りと、利益付与状態の終了後に高確率状態に制御しない当りと、を設定することができるので、当りの種類を多様化することができ、ひいては遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段12)
解決手段11において、前記高確率状態判定手段により前記高確率状態に制御すると判定したことを条件に、前記利益付与状態制御手段により付与する利益付与状態を、第一の利益付与状態とするか又は該第一の利益付与状態に比べて利益価値が低い第二の利益付与状態とするかを判定する利益判定手段を備える。
この場合、利益付与状態の終了後に高確率状態に制御する当りを設定した構成において、第一の利益付与状態又は該第一の利益付与状態に比べて利益価値が低い第二の利益付与状態の2種類を設定することで、さらに当りの種類を多様化することができ、ひいては遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段13)
解決手段12において、前記当落判定手段により遊技者に利益を付与しないと判定したときに、該当落判定手段により利益を付与すると判定するよりも高い割合で、前記第二の利益付与状態と略同等の利益を付与するか否か判定する第二当落判定手段を備える。
この場合、当落判定手段により遊技者に利益を付与しないと判定したときでも、第二当落判定手段の判定結果によっては第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する構成にでき、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段14)
解決手段13において、前記第二の利益付与状態の終了後に、前記高確率状態に制御されているか否かを不明朗にする高確率状態不明朗手段を備える。
この場合、第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態であるか否か、言い換えれば、当落判定手段の判定結果が当りであり且つ利益判定手段により第二の利益付与状態とする判定がなされたのか、あるいは当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ第二当落判定手段により第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされたのかを分かり難くすることができる。即ち、当落判定手段又は第二の当落判定手段のいずれに基づく第二の利益付与状態かを判別できず、当該第二の利益付与状態終了後に高確率状態又は高確率状態以外の遊技状態となる通常状態に制御されるかも判別できなくなり、高確率状態に対する期待感を持続させることができる。従って、第二当落判定手段により第二の利益付与状態が頻繁に付与されると共に、通常状態であったとしても高確率状態に対する期待感を頻繁に高めることができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段15)
解決手段14において、前記指令提示手段は、前記当落判定手段の判定結果が当りであり且つ前記利益判定手段により前記第二の利益付与状態とする判定がなされたこと、又は前記当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ前記第二当落判定手段により前記第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされたことを前記指令開始条件の成立として遊技者に指令を提示する。
この場合、指令演出を第二の利益付与状態終了後の演出とすることができる。従って、第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態であるか否かの遊技者の関心を通常時とは異なる演出で高めることができ、ひいては遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段16)
解決手段11乃至解決手段15において、前記変動表示時間決定手段は、前記高確率状態判定手段により前記高確率状態に制御する判定がなされた場合、前記高確率状態判定手段により前記高確率状態に制御しない判定がなされた場合に比べて、前記複数種類の変動表示時間のうち長い変動表示時間に決定する割合が高い。
この場合、高確率状態判定手段により高確率状態に制御する判定がなされた場合、即ち、特別演出態様での演出表示中に当落判定手段により遊技者に利益を付与する判定がなされ且つ当該判定に基づく利益付与状態の終了後に高確率状態に制御する場合、高確率状態判定手段により高確率状態に制御しない判定がなされた場合、即ち、特別演出態様での演出表示中に当落判定手段により遊技者に利益を付与する判定がなされ且つ当該判定に基づく利益付与状態の終了後に高確率状態に制御しない場合に比べて、長い変動表示時間となる演出が実行され易くなる。このため、特別演出態様での演出表示において、変動表示時間の長い演出が実行されると、高確率状態の制御を伴う当りになり易い印象を遊技者に持たせることで遊技者の期待感を高めることができ、ひいては遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段17)
解決手段13乃至解決手段16において、前記変動表示時間決定手段は、前記当落判定手段の判定結果が当りであり且つ前記利益判定手段により前記第二の利益付与状態とする判定がなされた場合と、前記当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ前記第二当落判定手段により前記第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされた場合とで、前記複数種類の変動表示時間の決定割合をほぼ同一に設定した。
この場合、当落判定手段の判定結果が当りであり且つ利益判定手段により第二の利益付与状態とする判定がなされた場合、言い換えれば第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態となる場合と、当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ第二当落判定手段により第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされた場合、言い換えれば第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態以外の通常状態となる場合とで、複数種類の変動表示時間の決定割合をほぼ同一に設定している。このため、遊技状態中の演出内容によっても第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態であるか又は通常状態であるかが判別できなくなり、高確率状態に対する期待感を持続させることができる。
(解決手段18)
解決手段13乃至解決手段17において、前記終了決定値設定手段は、前記終了決定値決定手段により決定された終了決定値を設定し、前記終了決定値決定手段は、前記当落判定手段の判定結果が当りであり且つ前記利益判定手段により前記第二の利益付与状態とする判定がなされた場合、前記当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ前記第二当落判定手段により前記第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされた場合に比べて、前記複数種類の終了決定値のうち大きい値の終了決定値に決定する割合が高い。
この場合、当落判定手段の判定結果が当りであり且つ利益判定手段により第二の利益付与状態とする判定がなされた場合、言い換えれば第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態となる場合は、当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ第二当落判定手段により第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされた場合、言い換えれば第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態以外の通常状態となる場合に比べて、特別演出態様での演出表示期間(所定期間)が長く設定され易くなる。従って、第二の利益付与状態終了後の遊技状態毎で期待感に変化を持たせることができ、ひいては遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段19)
解決手段13乃至解決手段18において、乱数の抽出に基づいて前記指令開始条件を成立させるか否かを判定する指令開始判定手段を備え、前記指令開始判定手段は、前記当落判定手段の判定結果が当りであり且つ前記利益判定手段により前記第二の利益付与状態とする判定がなされたとき、又は前記当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ前記第二当落判定手段により前記第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされたときに、前記乱数の抽出を行って前記指令開始条件を成立させるか否かを判定すると共に、前記当落判定手段の判定結果が当りであり且つ前記利益判定手段により前記第二の利益付与状態とする判定がなされたときは、前記当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ前記第二当落判定手段により前記第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされたときに比べて、前記指令開始条件の成立を判定する割合を高く設定した。
この場合、指令演出の実行契機となる当落判定手段の判定結果が当りであり且つ利益判定手段により第二の利益付与状態とする判定がなされたとき、即ち第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態となる場合では、当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ第二当落判定手段により第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされたとき、即ち第二の利益付与状態終了後の遊技状態が通常状態となる場合に比べて、指令演出の突入率が高く設定されている。このため、指令演出の実行中は高確率状態中となる確率が高くなるので、指令演出の実行によって当りになり易い印象を遊技者に持たせることができ、指令演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。
(解決手段20)
解決手段4乃至解決手段19において、前記当落判定手段、前記利益付与状態制御手段、前記変動表示時間記憶手段、及び前記変動表示時間決定手段を含み、遊技機の主要な遊技制御を行うマイクロコンピュータを搭載した主基板と、該主基板とは別に構成されると共に前記指令演出表示制御手段、前記変動表示制御手段、及び前記カウンタ手段を含み、前記主基板から受信するコマンド信号に基づいた制御を行うマイクロコンピュータを搭載した周辺基板と、を備え、前記指令演出表示制御手段は、前記周辺基板が前記主基板から受信する前記変動表示時間に関わるコマンド信号に基づいて前記指令実行演出態様による表示制御を実行する。
この場合、周辺基板が主基板から変動表示時間に関わるコマンド信号を受信すると、当該コマンド信号に基づいて、周辺基板が指令演出を実行する構成にできるので、主基板側の制御負担を軽減して指令演出を実行することができる。
(解決手段21)
解決手段1乃至解決手段20において、前記利益付与状態制御手段により利益付与状態に制御されたときに、閉鎖状態から開放状態に移行して大量の遊技球が入賞し得る大入賞口を有する大入賞口装置と、該大入賞口装置に遊技球が入賞したことを検出する大入賞検出手段と、を備え、前記球払出手段は、前記大入賞検出手段による遊技球の検出に応じて所定数の遊技球を払い出す。
この場合、大入賞口への入賞に伴って大量の賞球を遊技者に払い出すことを利益付与状態として遊技者に付与することができる。
(解決手段22)
解決手段1乃至解決手段21において、前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする。
なお、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作手段の操作に応じて遊技球を遊技領域に打ち込み、該打ち込んだ遊技球が遊技領域内に設けられた始動口に入賞することを条件として図柄表示手段で図柄情報の変動表示を行い、図柄情報の表示結果を停止表示するものである。また、利益付与状態(例えば、大当り遊技状態)の発生時には、遊技領域内に設けられた大入賞口を所定態様で開放して遊技球の入賞を可能にし、その入賞に基づいて遊技者に遊技特典(例えば、賞球の付与や磁気カードへのポイントの書き込み等)を付与するものである。
(解決手段23)
解決手段1乃至解決手段21において、前記遊技機は、回胴式遊技機であることを特徴とする。
なお、回胴式遊技機の基本構成としては、複数の図柄情報からなる図柄情報列(例えば、複数の図柄情報を付した複数のリール列)を変動表示した後に、図柄情報の表示結果を停止表示する変動表示手段を備えると共に、始動用操作手段(例えば、操作レバー)の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、停止用操作手段(例えば、ストップボタン)の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止する。そして、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(例えば、大当り遊技状態)を発生させる利益付与状態発生手段を備えたものである。
(解決手段24)
解決手段1乃至解決手段21において、前記遊技機は、パチンコ遊技機と回胴式遊技機とを融合させた遊技機であることを特徴とする。
なお、パチンコ遊技機と回胴式遊技機とを融合させた遊技機の基本構成としては、複数の図柄情報からなる図柄情報列(例えば、複数の図柄を付した複数のリール列)を変動表示した後に、図柄情報の表示結果を停止表示する変動表示手段を備えると共に、始動用操作手段(例えば、操作レバー)の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、停止用操作手段(例えば、ストップボタン)の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止する。そして、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(例えば、大当り遊技状態)を発生させる利益付与状態発生手段を備えると共に、遊技媒体として遊技球を使用することで、図柄情報の変動開始時には、所定数の遊技球を必要とし、利益付与状態の発生時には、多量の遊技球が払い出されるように構成されたものである。
本発明の構成によれば、1回の変動表示に対して指令実行演出態様を複数回表示制御するので、1回の変動表示において一旦(1回目の指令実行演出態様で)指令が達成されずに変動表示(指令演出)が継続する場合でも、2回目以降の指令実行演出態様で指令が達成される可能性がある。このため、無意味な(大当りする期待感のない)リーチ演出を遊技者に延々と見せる等のような、指令演出中に遊技者を飽きさせることを回避でき、1回の変動表示における指令演出の開始時点から終了時点まで継続的に大当りの期待感を遊技者に持たせることができるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
図1及び図2は、一実施形態となるパチンコ機1の構成を具体的に示している。パチンコ機1は枠体及び遊技盤4から構成され、枠体には外枠2をはじめ本体枠3、前面枠5等が含まれている。このうち外枠2は、上下左右の木枠材を矩形に組み合わせて構成されており、その前側下部には、本体枠3の下面を受けるための下受板6が備えられている。外枠2の左側縁部には、ヒンジ機構7を介して本体枠3の左側端部が連結されており、図2に示されているように、本体枠3は外枠2の手前側にて開閉可能となっている。この本体枠3は、前枠体8と遊技盤装着枠9、機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。このうち前枠体8は、本体枠3の前面側に位置して形成されており、その外形は、下受板6を除く外枠2の外郭形状に合致する大きさを有している。
遊技盤装着枠9は前枠体8の後部に一体的に形成されており、この遊技盤装着枠9には遊技盤4が前方から嵌め込むようにして装着されている。遊技盤4もまたヒンジ機構25を介して本体枠3より前面側へ開閉可能となっており、この開閉動作に伴って遊技盤4は本体枠3に対して着脱可能となっている。遊技盤装着枠9のうち、遊技盤4が嵌め込まれる部位の下開口縁部にキャッチロック9a(いわゆる「パチン錠」)が設けられている。図示のように、遊技盤装着枠9に遊技盤4が嵌め込まれた状態でキャッチロック9aが締め付けられると、遊技盤4が下方に強く押し付けられるようにして遊技盤装着枠9に固定される。
また、遊技盤4の右上隅部と右下隅部にはそれぞれロック部材4cが取り付けられている。ロック部材4cは遊技盤4の幅方向に細長く延びたプレート形状をなしており、その先端部は遊技盤4から右側方に突き出た状態で遊技盤4を遊技盤装着枠9に対して係止する爪の働きをする。即ち、ロック部材4cはその先端部分が遊技盤4の右側端から側方に突出した突出位置か、もしくは遊技盤4の右側端から内側(中心方向)に引っ込んだ引込位置のいずれかで遊技盤4に係止される。
一方、図2には示されていないが、遊技盤装着枠9の内縁には上下のロック部材4cにそれぞれ対応する位置に係止穴が形成されている。このため遊技盤4を遊技盤装着枠9に嵌め込んだ状態で、上下のロック部材4cをそれぞれ突出位置で係止させれば、その先端部が係止穴に入り込んだ状態で遊技盤4を遊技盤装着枠9に係止し、その前方への脱落を防止する。逆に、上下のロック部材4cを突出位置から退出させて遊技盤装着枠9との係止を解除すれば、遊技盤4を遊技盤装着枠9から容易に取り外すことができる。
遊技盤4の盤面(前面)には、環状に成形された案内レール11が設けられており、この案内レール11は外レールと内レールとから構成されている。そして遊技盤4の盤面には、案内レール11の内側にほぼ円形状の遊技領域12が区画して形成されている。なお、遊技領域12内の構成(盤面構成)については後述する。
前枠体8の左下隅の位置には、装着板13を介して低音用スピーカ14が内蔵されている。また、前枠体8の右下隅の位置には発射レール15が設けられており、この発射レール15は遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く役割を果たしている。そして前枠体8には、発射レール15や低音用スピーカ14よりも下方の位置に下前面部材16が装着されている。この下前面部材16のほぼ中央位置に下皿17が形成されており、さらにその右側位置に発射ハンドル18が設けられている。
図2に一部が示されているように、本体枠3(前枠体8)の右側端部には、その裏面側に施錠装置19が装着されている。この施錠装置19は、外枠2に対して本体枠3全体を施錠したり、あるいは、本体枠3に対して前面枠5を施錠したりする機能を備えている。施錠装置19は2種類の枠施錠ラッチ21及び扉施錠ラッチ23を有しており、このうち一方の枠施錠ラッチ21は外枠2の閉止具20に対応している。例えば、図2に示されている状態から本体枠3を外枠2に対して押し込むと、上下で2つの枠施錠ラッチ21がそれぞれ対応する閉止具20に係合し、これにより本体枠3が外枠2に施錠された状態で固定される。
もう一方の扉施錠ラッチ23は、前面枠5の後面に設けられた閉止具22に対応しており、例えば図2に示されている状態から前面枠5を本体枠3に対して押し込むと、上下で3つの扉施錠ラッチ23がそれぞれ対応する閉止具22に係合し、これにより前面枠5が本体枠3に施錠された状態で固定される。
施錠装置19はまたシリンダー錠24を有しており、本体枠3及び前面枠5が閉止された状態で、例えばホールの管理者・従業員がシリンダー錠24の鍵穴に専用の鍵を挿入して一方向に回すと、枠施錠ラッチ21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠される。また、これとは逆方向に鍵を回すと、扉施錠ラッチ23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出しているため、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作を容易に行うことができるものとなっている。
なお、本実施形態では、時計回り方向に鍵を回動操作(捻り操作)することで外枠2に対して本体枠3が解錠され、反時計回り方向に鍵を回動操作(捻り操作)することで本体枠3に対して前面枠5が解錠される。このように、鍵の回動操作の方向を異ならせるだけで、本体枠3又は前面枠5のいずれかを解錠させることができる。また、施錠装置19は、本体枠3が閉塞状態にて施錠されたときに、鍵以外のものを用いた外部操作によって枠施錠ラッチ21と外枠2の閉止具20との係合が解除されないように枠施錠ラッチ21の変位をロックするロック機構をさらに備えている。
これにより、本体枠3が閉塞状態で施錠されたときは、ロック機構により枠施錠ラッチ21がロックされる。また本体枠3(全面枠8)には、枠施錠ラッチ21よりも外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙に近い側(図2でみて右側方)にリブが突設して形成されており、不正行為を意図した遊技者等が外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙から針金等を差し込んで直接枠施錠ラッチ21を操作しようとしても、その針金等はリブに当接し、それ以上の進入を阻まれる。したがって、外枠2と本体枠3(前面枠3)との間隙から針金等を用いて本体枠3を不正に解錠するような行為を抑止することができる。
前面枠5はガラス枠やガラス扉とも称され、この前面枠5はヒンジ機構25を介して本体枠3の前面側に開閉可能に装着されている。前面枠5は、その裏側に扉本体フレーム26を有するほか、前側に枠ランプ27(サイド装飾装置)や上皿28、音響電飾装置29を備えている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成されており、この扉本体フレーム26は前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。前面枠5を閉じると、遊技盤4を含む前枠体8の前面側が前面枠5によって覆われることとなるが、扉本体フレーム26の中央にはほぼ円形の開口窓30が形成されており、この開口窓30を通じて遊技盤4の遊技領域12を前方から視認することができる。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられており、この窓枠31には透明な2枚のガラス板32が前後に間隔をおいて嵌め込まれている。
なお本実施形態の構成では、遊技盤4の右方ではなく下方にシリンダー錠24を配置し、合わせて遊技盤4の右方に配置された施錠装置19を薄型化することで、遊技盤4に形成された遊技領域12の面積を従来よりも大きく確保することができる。これにより遊技者の見る目を大いに引きつけ、その視認に対する興趣を高めることができる。また本実施形態の構成では、遊技領域12の拡大に合わせて前面枠8の開口窓30が拡大されているため、その部分では前面枠8の剛性が低下することとなるが、本実施形態では前面枠8の下部に上皿28が一体的に形成されているため、この上皿28の部分が補強となって前面枠8全体としての剛性の低下を抑制している。
図1に示されているように、前面枠5には開口窓30の周囲において、左右両側部に枠ランプ27が配設されているほか、その下部に上皿28が配設されており、さらには上部に音響電飾装置29が配設されている。これら枠ランプ27や音響電飾装置29、上皿28等は全体として前面枠5の外形を構成するべく一体をなし、相互に外観上の一体感を想起させるデザインが施されている。
このうち枠ランプ27は、ランプ基板を内蔵したサイド装飾体33を主体として構成されており、サイド装飾体33はちょうど開口窓30の左右で一対をなしている。サイド装飾体33には、横長に延びるスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、個々の開口孔には、ランプ基板に実装されたランプ(LED:発光ダイオード)に対応するレンズ34が組み込まれている。
また音響電飾装置29は、高音用に2つのスピーカ36を内蔵しており、これらスピーカ36の前面側はスピーカカバー37で覆われている。スピーカ36は前面枠5の左右に一対をなして配置されており、左右のスピーカ36をつなぐようにして透明カバー体35が設置されている。透明カバー体35は前面枠5の幅一杯に拡がっており、その奥には装飾用のLEDを有したランプ基板やリフレクタ体等が設置されている。音響電飾装置29は、これらスピーカ36やスピーカカバー37、透明カバー体35、ランプ基板、リフレクタ体等の構成部材が相互に組み付けられた状態でユニット化されている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、下部に上皿28が前面枠8と一体的に設けられているほか、左右の両側部に枠ランプ27が装着されており、また上部に上部スピーカ36が装着されている。なお枠ランプ27については、各種遊技内容に応じてその点灯・消灯制御が実行されており、上部スピーカ36及び下部スピーカ14については、各種遊技内容に応じて複数種類の音出力態様により音出力制御が実行される。このように本実施形態のパチンコ機1では、各種遊技内容に応じて枠ランプ27の点灯・消灯制御や、上部スピーカ29及び下部スピーカ14の音出力制御を実行することで演出効果を高め、遊技者の興趣を向上するようになっている。また、上部スピーカ29及び下部スピーカ14では、不正行為が実行されたことを報知する警告音や、遊技に関するエラーが発生したことを報知する情報音等の出力も行われる。
パチンコ機1の構造上、上記の枠体(外枠2、本体枠3、前面枠5)が本体を構成する部分であり、遊技盤4の板材、つまり遊技板は本体に着脱可能に支持された部分となっている。外枠2は遊技場(ホール)の島設備にパチンコ機1を固定する役割を担い、また本体枠3は遊技板を含めた遊技盤4全体を着脱可能に支持する役割を担う。遊技板はベニヤ板等の強度部材からなり、その前面及び背面には各種構成要素(障害釘、役物、入賞装置、装飾品類、電子機器・制御基板類)が取り付けられている。
図3は、遊技盤4を単独で示している。上記のように遊技盤4は矩形状に成型された遊技板4aを強度部材として構成されており、その前面に遊技領域12が円形状に形成されている。遊技領域12内には、所定の配列で多数の障害釘(障害部材)が打ち付けられているほか、その適宜の位置に球誘導用の風車40が設けられている。遊技領域12内の上半分には、ひときわ大きく目を引く演出装置42が配置されており、この演出装置42にはパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等を象徴したデザインがあしらわれている。
演出装置42は、その全体が縦方向に扁平した楕円形状の外形をなしているが、そのところどころに角張った部分を有する。特に正面からみて演出装置42の頂部は山形状に突出し、その山頂に相当する部分から左右に延びる上縁部は、緩やかな下り傾斜を有している。また、演出装置42の左側縁部は縦方向にゴツゴツと切り立ったような形状をなしており、このため左側縁部の上端と下端がそれぞれ角張った外形をなしている。一方、演出装置42の右側縁部は遊技領域12の外縁に沿って円弧状に湾曲しており、その輪郭線は左側縁部と対照的に滑らかなカーブを描いている。また、演出装置42の下側縁部は中央に向かって直線的に絞り込まれたような下り傾斜を有しており、そして中央の位置では水平方向に屈曲されている。
演出装置42の内側には液晶表示装置50(変動表示手段)が設置されており、この液晶表示装置50は比較的大型の表示画面を有している。また演出装置42の内側には、液晶表示装置50の表示画面を取り囲むようにして各種の装飾体43a,43b,43cや可動装飾体44a,44b,44cが配置されているほか、可動装飾体44a〜44cの外側には演出装置42の周縁部に沿って別の装飾体43d,43e等が配置されている。
また、正面からみて可動装飾体44a,44b,44cよりも奥の位置には、それぞれ固定装飾体45a,45b,45cが設置されており、これら固定装飾体45a,45b,45cの周囲の領域にはさらに別の装飾部材46が設置されている。装飾部材46は、液晶表示装置50の左右の両側方及び上方の領域に拡がるようにして敷設されており、それゆえ演出装置42を前面側からみたとき、装飾部材46は装飾体43a,43b,43cや可動装飾体44a,44b,44cの背景領域としての位置付けとなる。
上記のように演出装置42には、視覚的にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴するデザインが付されており、それゆえ個々の装飾体43a〜43eや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45c、装飾部材46には独特の造形が施されている。
即ち、本実施形態のパチンコ機1におけるゲームコンセプトは、原始時代の地球を背景として、この時代の地球に生きる人類(原始人)や原始動物の生き様や行動をコミカルに表現した創作的ストーリーの上に成り立っている。但し、ここでいう「原始時代」は考古学上の正確な時代区分に基づくものではなく、社会一般に定着しているイメージとしての「原始時代」を背景としている。したがって、そこに登場するキャラクタの風貌はあくまで現代の人類を原始人らしくコミカルに表現したものであり、また、原始哺乳動物として登場する「マンモス」や「類人猿」、「サーベルタイガー」、「モグラ」等の風貌は、いずれも原始時代の動物らしく見えるようにコミカルにアレンジされたキャラクタとして表現されている。
まず演出装置42の全体を見ると、その外観には原始地球の表面らしく土色のゴツゴツとした岩肌をモチーフとした造形が施されている。そして、演出装置42の上縁部に目をやると、そこには「マンモス」をイメージしてデザインされた装飾体43aが配置されており、この装飾体43aは、ちょうど「マンモス」が頭にたん瘤をつくってひっくり返った様子を表現している。また、これに対応するようにして、装飾体43aの右側には「石斧」をデザインした装飾体43dが配置されており、この装飾体43dは、原始人であるキャラクタが狩りをする道具としての「石斧(=棒切れに石をくくりつけた道具)」をデザイン的に表現したものとなっている。したがって、装飾体43a,43dの造形を目にした遊技者は、そこから「原始人が石斧を使ってマンモスを仕留めた」というストーリーを感じ取ることができる。
また演出装置42の右側縁部に目をやると、そこには「マンモスの牙」をイメージしてデザインされた装飾体43eが配置されている。このため遊技者が装飾体43eの造形に接すると、そこから「原始人が狩りで仕留めたマンモスの牙を装飾品として利用している」というストーリーを感じ取ることができる。なお装飾体43eは、その外面(前部ユニット42aの側面に相当する面)がそのまま遊技球の流下を案内する案内面にもなっている。
一方、演出装置42の下縁部に目をやると、そこには「マンモスの頭部と牙」をデザインした装飾体43cが左右で一対をなすようにして配置されている。また、装飾体43cの近傍には、原始地球に生い茂った「草むら」をイメージした装飾が施されていることから、この装飾体43cを目にした遊技者は、「草むらからマンモスの頭がのぞいている」というイメージを抱くことになる。
また本実施形態では、「マンモスの頭部と牙」や「草むら」をイメージした装飾体が遊技領域12内で演出装置42内のステージ部(転動部)よりも高い位置に配置されているため、遊技領域12を流下する遊技球が必要以上にステージ部に進入することを防止することができる。これにより、演出装置42のステージ部において安定したステージ性能(上始動口52へ遊技球を放出する性能)を発揮することが可能となる。要するに、遊技球がステージ部に導かれるということは、単に遊技領域12を流下していくよりも上始動口52に入賞する確率が高くなるということである。このため、流下中の遊技球があまり過度にステージ部に進入すると、製品の開発段階で計画された遊技性能に狂いが生じてくることになるが、本実施形態では、装飾体が遊技球の不所望な進入を堰き止める防波堤の役割を果たすので、遊技性能を保証しつつ装飾性を高めることができるという2重のメリットが生じる。
また演出装置42の左側縁部に目をやると、そこには片仮名文字で「ゴ」と「ン」を象った装飾体43bが配置されている。さらにこれら装飾体43bは、仮名文字である「ゴ」や「ン」を立体的な形状で表現したものとしてデザインされており、その外形には岩を切り出してできたかのようにゴツゴツとした造形が施されている。なお、装飾体43bで表される「ゴ」と「ン」は、これらを続けて「ゴン」と読ませるためのものであり、「ゴン」は、上記の創作的ストーリーに登場するキャラクタ(主人公)の名前となっている。
次に演出装置42の上縁部から右側縁部に目をやると、そこには片仮名文字で「ギ」や「オ」を象った可動装飾体44a,44b,44cが配置されている。また、これら装飾体44a,44b,44cは、仮名文字である「ギ」や「オ」を立体的な形状で表現したものとしてデザインされており、その外形には岩を切り出してできたかのようにゴツゴツとした造形が施されている。
このうち、上縁部に位置する可動装飾体44aの近傍には、片仮名の小文字である「ャ」と共に長音符号である「ー」を象った装飾体45aが配置されている。この装飾体45aで表される「ャ」,「ー」の文字は、可動装飾体44aで表される「ギ」からつづけて「ギャー」と拗音を長くのばして読ませるためのものである。同様に、右側縁部に上下に並んで位置する可動装飾体44b,44cの近傍には、それぞれ長音符号である「ー」を象った装飾体45b,45cが配置されている。これら装飾体45b,45cで表される「ー」は、各可動装飾体44b,44cで表される「オ」からつづけて「オー」と長音に読ませるためのものである。なお、可動装飾体44a〜44c及び装飾体45a〜45cで表される「ギャー」や「オー」は、上記の創作的ストーリーに登場するキャラクタ等の叫び声を表すものとなっている。
演出装置42よりも下方の遊技領域12には上始動口52(始動入賞口)が配置されており、その直下の位置には、入球装置56と一体化された下始動口54(始動入賞口)が配置されている。入球装置56には左右一対の開閉部材56aが付属しており、図中に示されているように開閉部材56aが左右に拡開した状態に変位すると下始動口54に遊技球が入賞可能となり、逆に開閉部材56aが閉じた状態に変位すると遊技球は下始動口54に入賞しなくなる。なお入球装置56にも、演出装置42と同様にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴したデザインが施されている。
入球装置56の左右の離れた位置にはゲート58が一対をなして配置されている。また、入球装置56の下方の位置には大入賞口装置60が配置されている。この大入賞口装置60は大入賞口62を開閉するための開閉部材60aを有している。図示のように開閉部材60aが手前側へ倒れ込むようにして開いた状態に変位すると、上方から流下してくる遊技球が開閉部材60aに案内されて大入賞口62に入賞可能となり、逆に開閉部材60aが盤面に沿う位置まで変位すると、大入賞口62が閉じられて遊技球は入賞しなくなる。
その他、大入賞口装置60の左右の位置には一般入賞口66が一対をなして配置されている。また、遊技領域12の下縁部に沿って左右一対のサイド装飾部材64が配置されており、これらサイド装飾部材64にもそれぞれ一般入賞口66が形成されている。これらサイド装飾部材64もまた、演出装置42と同様にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴したデザインを有し、その造形には演出装置42との視覚的な統一感が与えられている。
サイド装飾部材64では、遊技の進行に伴い各種情報の表示が行われるものとなっており、各種情報の表示は、各サイド装飾部材64に内蔵されたLEDの点灯・点滅により表示することができる。このため、例えば右側のサイド装飾部材64には、4つの発光領域64aが形成されており、これら発光領域64aはいずれも小円形状をなし、そして4つが菱形を描くようにして配列されている。さらに発光領域64aの上方には2つの発光領域64b,64cが形成されており、これら発光領域64b,64cにはそれぞれ動物の骨(大腿骨のように棒状で、両端に関節部となる膨らみがあるもの)をかたどったデザインが施されている。また、左側のサイド装飾部材64にも合計で4つの発光領域64d,64eが形成されている。これら発光領域64d,64eはいずれも小円形状をなし、縦方向に1列を描くようにして配列されている。以下、発光領域64a〜64eについて概略を説明する。
まず右側に4つ配列された発光領域64aは、特別図柄表示器(抽選情報表示器)として機能する。特別図柄は、パチンコ機1において特別図柄抽選(大当り判定)が行われ、その当落の結果が出たということを外部に向けて表示するためのもの(抽選情報)である。例えば、パチンコ機1における通常遊技状態(大当り遊技でない状態)で上始動口52又は下始動口54への入賞があると、それを契機に4つの発光領域64aがいろいろなパターンで点滅動作を開始し、特別図柄の変動状態が表示される。このような特別図柄の変動開始(いわゆる「始動」)により、遊技者は大当り判定が行われたこと(あるいは、これから抽選の結果が出ること)を認識することができる。この後、ある程度の時間が経過すると発光領域64aの点滅動作が停止し、そのときの抽選結果(当落結果)を表示する態様で特別図柄が停止表示される。特別図柄の停止表示の態様について、簡易な例では4つの発光領域64aが全て点灯していれば当選(大当り)を表し、4つの発光領域64aのいずれか1つでも消灯していれば落選を表すといった態様が挙げられる(但し、これら以外の態様もある。)。これにより、遊技者は大当り判定に当選したか否かを視覚的に認識することができる。なお本実施形態では、4つの発光領域64aの他に液晶表示装置50を用いて装飾的な図柄(例えば「0」〜「9」の数字をデザインしたもの)を変動・停止表示させることで、特別図柄の変動表示と停止表示に関連した各種の演出を行うことが可能である。
また、特別図柄表示器に関連して演出装置42の下縁部に4つの発光領域48が形成されており、これら4つの発光領域48は特別図柄の始動記憶ランプ(入賞表示器)として機能する。即ち、4つの発光領域48には個々に数字の「1」,「2」,「3」,「4」をかたどったデザインが施されており、4つの発光領域48は左から右へ「1」〜「4」を表すようにして順番に並んでいる。これら4つの発光領域48は、「1」〜「4」の発光(点灯)態様によって特別図柄の始動記憶数(1〜4)を表すことができる。
具体的には、遊技中に上始動口52又は下始動口54への入賞があると、これを契機として特別図柄の始動条件が記憶され、この状態で特別図柄が変動表示中であれば、「1」に対応する発光領域48が発光(点灯)して始動記憶数が1であることが表示される。一方、始動条件が記憶されている状態で、特別図柄が変動していなければ(変動状態から停止表示状態になった場合を含む)、記憶された始動条件に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。この場合、始動条件の記憶は消去され、あわせて始動記憶数「1」に対応する発光領域48の発光が停止(消灯)される。なお、本実施形態では始動記憶数の上限が4であるため、上限に達した場合、それ以上の始動条件は記憶されない。
次に、発光領域64aの上方に配置された2つの発光領域64b,64cのうち、右側に位置する発光領域64cはその点灯・点滅により普通図柄表示器として機能することができる。普通図柄は、パチンコ機1において普通図柄当り判定が行われ、その当落の結果が出たということを表すためのものである。例えば、パチンコ機1における通常遊技状態(大当り遊技でない状態)でゲート58を遊技球が通過すると、それを契機に発光領域64cが点灯又は点滅動作を開始し、これにより普通図柄の変動状態が表示される。一方、左側の発光領域64bは、その点灯又は消灯によって内部的な遊技様態(大当り確率が比較的高い高確率遊技様態であるか、あるいは大当り確率が比較的低い低確率遊技様態であるかの様態)を表示することができる。
そして、左側のサイド装飾部材64に4つ縦に並んで配置された発光領域64d,64eのうち、下2つの発光領域64eは、点灯・点滅によって普通図柄の始動記憶数(1〜4)を表示することができる。また、上2つの発光領域64dは、大当りになった場合にいずれか1つが点灯し、それによって大当りの種類を表示することができる。なお、大当りの種類については、パチンコ機1の制御に関する構成と合わせて後述する。
図4は、遊技板4aに対する演出装置42の具体的な取付態様を示している。演出装置42は大きく分けて、遊技板4aを挟んで前後に分割された2つのユニットから構成される。具体的には、遊技板4aの前面側に前部ユニット42aが位置し、この前部ユニット42aは遊技板4aに対してその前面側から取り付けられる。逆に遊技板4aの背面側には後部ユニット42bが位置し、この後部ユニット42bは遊技板4aに対してその背面側から取り付けられる。また液晶表示装置50は、後部ユニット42bに対してその背面側から取り付けられる。
遊技板4aには、その合板材を厚み方向(前後方向)に貫通して形成された貫通穴4bが形成されている。この貫通穴4bは、遊技領域12の中央からやや上よりの範囲にかけて大きく開口しており、その開口形状は、前部ユニット42aの外形にほぼ合致している。
前部ユニット42aは、演出装置42の外周部分を構成するようにして環状に成形されており、それゆえ前部ユニット42aの内側部分は大きく開口した状態にある。前部ユニット42aは、その前後方向でみると遊技板4aに対向する後半分の部位42rが貫通穴4b内にぴったり嵌り込む形状に成形されており、この後半分の部位42rを貫通穴4b内に嵌め込んだ状態で前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられる。なお本実施形態では、前部ユニット4aに電気的な動作を行う部品(例えばソレノイド、LED、基板等)が何も取り付けられていない。このため前部ユニット42aの取り付けに際し、貫通穴4bを通じて何らかの電気配線を接続する必要がないことから、前部ユニット42aは特に他の構成要素との電気的な接続関係を気にすることなく、それ単体で遊技板4aに対して着脱可能となっている。
また前部ユニット42aには、外周を取り巻くようにしてフランジ部42nが形成されており、このフランジ部42nは遊技板4aの前面と平行に拡がっている。それゆえ前部ユニット42aは、その後半分の部位42rを貫通穴4b内に嵌め込んだ状態でフランジ部42nを遊技板4aの前面(化粧シート面)に密着させることができる。フランジ部42nには、適宜の位置にねじ孔が形成されており、前部ユニット42aを遊技板4aに取り付ける際は、フランジ部42nのねじ孔を通じて前部ユニット42aがねじ留めされるものとなっている。
さらに前部ユニット42aには、後半分の部位42rから後方に向けて突出する係合片(第1又は第2の係合片)42sが形成されている。係合片42sは前部ユニット42aの上縁部に1本と、下縁部に2本(図4には1本のみ示されている)の合計3本が形成されており、いずれも貫通穴4bを通じて遊技板4aの前面側から挿入されると、遊技板4aの背面からさらに後方に突出する。
一方、前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられた状態で、その前半分の部位42fや装飾体43b,43d,43e等はいずれも遊技板4aの前面側に位置する。逆に、下縁部に位置する2つの装飾体43cは、後半分の部位42rと共に貫通穴4b内に位置する。前部ユニット42aの前半分の部位42f及び装飾体43b,43d,43eは、その厚みが例えば案内レール11やパネル飾り4cとほぼ同じに設定されている。このため、前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられると、その前半分の部位4f及び装飾体43b,43d,43eは遊技領域12内で盤面から手前に突出し、それによって遊技球の流下を誘導・案内する部材としても機能する。
これに対して後部ユニット42bは、特に貫通穴4bとの間に嵌め合わせの関係を構成することなく遊技板4aの背面に取り付けられる。後部ユニット42bも同様に、フランジ部(図4には示されていない)のねじ孔を通じて遊技板4aにねじ留めされる。
後部ユニット42bは、その取付状態において大部分が遊技板4aの背面側に位置しており、特に上記の固定装飾体45a,45b,45c及び装飾部材46は、いずれも遊技板4aの背面よりわずかに後方に位置する。このため遊技者が遊技盤4に相対すると、貫通穴4bからさらに奥まった位置に固定装飾体45a,45b,45c及び装飾部材46が配置されている様子が視認されるため、そこに視覚的な奥行きを感じることができる。
但し、後部ユニット42bには上記の装飾体43aや可動装飾体44a,44b,44cが取り付けられており、これら装飾体43a及び可動装飾体44a,44b,44cはいずれも後部ユニット42b(特に装飾部材46)から前面側に突出している。したがって、後部ユニット42bが遊技板4aに取り付けられる際、装飾体43a及び可動装飾体44a,44b,44cは背面側から貫通穴4b内に進入した状態となる。
なお後部ユニット42bは、遊技板4aの背面において貫通穴4bよりも広い範囲にわたって配置されている。つまり、後部ユニット42bは貫通穴4bの開口面積よりも大きい外形を有しており、前面側からは、貫通穴4bを通じて後部ユニット42bの一部のみが視認されている。このため本実施形態では、遊技板4aの前面側から貫通穴4bをくぐらせて後部ユニット42bを着脱することはできない構造となっている。
さらに後部ユニット42bには、前部ユニット42aの係合片42sに対応して3箇所に係合孔42hが形成されており(図3には下側の2箇所のみ示されている)、係合孔42hは、後部ユニット42bの係合片(第1又は第2の係合片)68a,68b等に形成されている。前部ユニット42a及び後部ユニット42bが遊技板4aに対して前後から取り付けられると、3本の係合片42sは貫通穴4bを通じて後部ユニット42bにまで達し、それぞれ対応する係合孔42hに差し込まれる。またこの状態で、個々の係合片42sが係合孔42h(係合片68a,68b等)に係合するので、これにより前部ユニット42a及び後部ユニット42bが相互に位置決めされる。なお、ここでいう「係合」は、前後方向への拘束力を発揮するものではなく、前部ユニット42a又は後部ユニット42bの上下・左右・斜め方向(盤面に沿う方向)への位置ずれを拘束するものである。
演出装置42の下縁部、つまり液晶表示装置50の画面より下方の部位には球誘導部材70,72が配置されている。球誘導部材70,72は、その上面にて遊技球を案内し、その転動方向にいろいろな変化を与えることができる。図4中に2点鎖線で示されているように、球誘導部材72は前部ユニット42aと共に手前側へ分離可能な構造となっている。なお、球誘導部材70,72については後に詳述する。
遊技盤4には、演出装置42と共に表示ユニットが取り付けられている。上記の液晶表示装置50は、表示制御基板と一体化された表示ユニットとして構成されており、この表示ユニットの状態で後部ユニット42bに対し背面側から取り付けられている。液晶表示装置50は、その画面上で演出的な画像を表示することができ、遊技盤4の完成状態で、液晶表示装置50の画面は貫通穴4bを通じて前面側から視認される。また本実施形態では、液晶表示装置50の背面に表示制御基板(120)が一体的に取り付けられている。なお、表示制御基板(120)の構成については図11を参照しながら後述する。
図5は、演出装置42を構成要素に分解した状態で示している。既に説明したように、演出装置42は大きく分けて前部ユニット42a及び後部ユニット42bから構成されており、これらは相互に着脱可能な構造となっているが、後部ユニット42bにはさらに2つの球誘導部材70,72及び内部装飾体74が着脱可能に取り付けられている。
図5に示されているように、後部ユニット42bには、液晶表示装置50の表示画面よりも下方の部位に奥壁68が形成されており、この奥壁68は後部ユニット42bが遊技板4aに取り付けられた状態では、盤面に対してほぼ平行に位置する。奥壁68は後部ユニット42bの左右側縁部の間をつなぐようにして拡がり、正面からみてほぼ逆台形状をなしている。
奥壁68の両側端部には、それぞれ係合片68a,68bが形成されており、これら係合片68a,68bはいずれも奥壁68から前面側に向けて突出している。また、左右の係合片68a,68bは扁平した円筒形状をなし、このうち正面からみて左側の係合片68aは縦方向に扁平しており、右側の係合片68bは横方向に扁平している。そして、これら係合片68a,68bの内部にそれぞれ上記の係合孔42hが形成されている。なお図5に示されているように、後部ユニット42bの上部位置には、3つ目の係合孔42hを形成するための係合片68sが形成されている。
左右の係合片68a,68bの上方には、それぞれねじ用のボス部68cが形成されており、このボス部68cもまた前面側に突出している(図5には左側のボス部68cのみが示されている)。また奥壁68の下端部には、その中心から左右対称となる位置に2つのボス部68dが形成されている。これらボス部68dもまた、奥壁68から前面側に突出している。そして2つのボス部68dより上方の位置には、それぞれねじ用の貫通孔68eが形成されている。
球誘導部材70,72及び内部装飾体74は、いずれも前面側から奥壁68に対して着脱可能となっている。図5に示されている状態から取付順にみると、内部装飾体74が最初に奥壁68に取り付けられ、その前面側から奥側の球誘導部材72が取り付けられ、そして最後に手前側の球誘導部材70が取り付けられる。
このうち、内部装飾体74の下縁部にはU字形状の切欠部74aが形成されており、内部装飾体74が奥壁68に密着されたとき、これら切欠部74aによって下側にある2つのボス部68dとの干渉が避けられるものとなっている。また図5には示されていないが、内部装飾体74の背面側には2つのねじ穴が形成されており、これらねじ穴は奥壁68の貫通孔68eにそれぞれ対応している。
奥側と手前側の球誘導部材70,72には、それぞれ両端部に係合孔部(係合部)70a,72aが形成されている。これら係合孔部70a,72aはいずれも球誘導部材70,72を前後方向に貫通して形成されており、その開口形状は係合片68a,68bの外形よりわずかに大きい。また球誘導部材70,72には、それぞれボス部68c,68dに対応する位置にねじ孔が形成されている。なお、図5には奥側の球誘導部材72についてのみ、ねじ孔72b,72cが示されているが、手前側の球誘導部材70にも同様のねじ孔(符号を70b,70cとして区別する)が形成されている。
図5に示されている状態から内部装飾体74が奥壁68に押しつけられるようにして密着すると、内部装飾体74は係合片68a,68bの間に位置付けられる。この状態で、内部装飾体74は後部ユニット42bの背面側から2つの貫通孔68eを通じてねじ留めされる。内部装飾体74の前後方向の厚み寸法は、左右の係合片68a,68bやボス部68c,68dの突出寸法よりも小さく設定されている。それゆえ、最初に内部装飾体74が取り付けられた状態では、左右の係合片68a,68b及びボス部68c,68dが依然として前面側に突出した格好となる。
この状態で、次に奥側の球誘導部材72が内部装飾体74の前面側に重ね合わせられると、左右の係合片68a,68bがそれぞれ対応する係合孔部72aに嵌り込み、これらの嵌め合わせによって球誘導部材72が後部ユニット42bに対して位置決めされる。またこの状態で、球誘導部材72のねじ孔72b,72cが位置する部位は、それぞれ対応するボス部68c,68dの前端に密着する。この場合、左右の係合片68a,68bは依然として前面側に突出しているが、ボス部68c,68dは球誘導部材72の背後に隠れた状態となる。
そして、最後に手前側の球誘導部材70が奥側の球誘導部材72の前面側に重ね合わされると、同様に左右の係合片68a,68bがそれぞれ対応する係合孔部70a,70bに嵌り込み、これらの嵌め合わせによって球誘導部材70が後部ユニット42bに対して位置決めされる。この状態で手前側の球誘導部材70のねじ孔は、奥側の球誘導部材72のねじ孔72b,72cの前面側に正確に位置付けられる。
この後、手前側の球誘導部材70のねじ孔を通じて固定用のねじを締め込むことにより、2つの球誘導部材70,72を共に後部ユニット42bに対して固定することができる。
遊技盤4の製造工程において、遊技板4aに対して最初に後部ユニット42bを取り付ける際は、上記の手順により内部装飾体74及び球誘導部材70,72が先に後部ユニット42bに装着されている。したがって通常、遊技板4aに対する演出装置42の取付作業は、後部ユニット42bと前部ユニット42aの2つについてだけとなる。
図6は、演出装置42の左側縁部の一部と下縁部を示している。上記のように前部ユニット42a及び後部ユニット42bがそれぞれ遊技板4aに取り付けられると、前部ユニット42aは後部ユニット42bの前面側に位置付けられる。このとき、前部ユニット42aは手前側の球誘導部材70のねじ孔70b,70cの前面側に密着し、この状態でねじ孔70b,70cを遮蔽することで、これらを前面側から視認できなくしている。また本実施形態では、上記の係合片68a,68bもまた前部ユニット42aの下側縁部に遮蔽されており、これにより球誘導部材70の着脱や位置決めに関する全ての構成が前面側から視認されなくなっている。なお、上部位置にある係合片68sについても、前部ユニット42aの上縁部によって前面側から視認不能に遮蔽されている。
図6に示されているように、前部ユニット42aの左側面、つまり装飾体43bの左側面には、側方の遊技領域12に向けて開口する球導入口76が形成されている。そして前部ユニット42aには、球導入口76から内部に延びる上ワープ通路78aが形成されている。上ワープ通路78aは、球導入口76から右下方へ緩やかに傾斜した後、ちょうど装飾体43bの中心あたりから奥方向に折れ曲がり、緩やかに下り傾斜している。
この後、上ワープ通路78aは前部ユニット42aの後端位置で終了し、そこから奥の位置で下ワープ通路78bに引き継がれるようにして連結されている。下ワープ通路78bは、後部ユニットの左側縁部の内部を延びるようにして形成されており、上ワープ通路78aから続く最奥部で下ワープ通路78bが突き当たりになると、そこから下ワープ通路78bは下方に折れ曲がるようにして一気に下っている。そして、下ワープ通路78bは後部ユニット42bの左側縁部の下端位置で右方向へ折れ曲がり、終端位置で右方向に開放されている。下ワープ通路78bの終端にはワープ出口78c(球出口)が形成されており、このワープ出口78cは奥側の球誘導部材72の上面に通じている。
したがって、遊技領域12を流下する遊技球が球導入口76に飛び込むと、上ワープ通路78a及び下ワープ通路78bを通って演出装置42の内側に導かれ、そしてワープ出口78cから奥側の球誘導部材72上に放出される。
この後、遊技球は奥側の球誘導部材72から手前側の球誘導部材70に順次乗り移るようにして転動し、最終的に球誘導部材70から前部ユニット42aの下縁部を介して下方にこぼれ落ちるか、もしくは放出通路72dに入り込んで下側の放出口72eから真下に放出されることとなる。このとき、放出口72eから放出された遊技球は、その直下に配置されている2本の障害釘(命釘)の間を真下に通り抜け、比較的高い確率で上始動口52に入賞することができる。これに対し前部ユニット42aの上縁部を介してこぼれ落ちる遊技球の大部分は、障害釘に跳ね返されて落下方向がランダムに変化するので、比較的低い確率でしか上始動口52に入賞しなくなる。以下、球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様について説明する。
図7から図9は、球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様と、合わせて前部ユニット42aからの遊技球の放出態様を示している。上記のように、上ワープ通路78a及び下ワープ通路78bを通って案内された遊技球は、ワープ出口78cから奥側の球誘導部材72(第1の球誘導部材)上に送出される。奥側の球誘導部材72には、正面からみて最も奥(液晶表示装置50の画面寄り)の位置に上段ステージ80(上段球転動部)が形成されており、そして上段ステージ80の手前側に中段ステージ82(中段球転動部)が形成されている。
このうち上段ステージ80は谷形状に中央が低くなっているが、反対に中段ステージ82は山形状に中央が高くなっている。また、上段ステージ80の中央位置には、手前側へ傾斜する窪み部80a(送出部)が形成されている。このため遊技球は、上段ステージ80上を左右に転動しながら減速し、やがて中央の窪み部80aに入り込み、ここから中段ステージ82上へ移動することとなる。このとき、中央の窪み部80a内に入り込んだ遊技球のなかには、すぐに中段ステージ82上へ移動せず、この窪み部80a内にて僅かに左右方向に揺れ動くようにして転動するものもある。
中段ステージ82は左右で対称の形状をなしており、遊技球が中段ステージ82上に移動すると、中央の振分部81a(山形状に形成された部分)において左右いずれかへ転動方向が振り分けられ、そのまま遊技球は傾斜に沿って転動する。中段ステージ82は中央に振分部81aを有するほか、振分部81aの両側に奥側傾斜面81bを有し、そして左右の両端部に放出傾斜面81cを有する(図7,8には左側のみ参照符号が付されている)。
奥側傾斜面81bは振分部81aから僅かに一段下がった位置に形成されており、この奥側傾斜面81bは左右方向への下り傾斜を有するだけでなく、前後方向でみて後方、つまり奥側へも僅かに下り傾斜を有している。このため奥側傾斜面81bは、遊技球を左右の下り傾斜方向に転動させるだけでなく、遊技球を奥側の壁面に沿わせるようにして転動させることができる。これにより、奥側傾斜面81bでは遊技球が前後にふらつくような挙動を示すことがなく、その転動態様を安定させることができる。
また、両側端部にある放出傾斜面81cは奥側傾斜面81bから僅かに一段下がった位置に形成されており、この放出傾斜面81cは、奥側傾斜面81bに比べると、僅かに左右方向への下り傾斜が緩くなっている。さらに、放出傾斜面81cは手前側(前方)へも僅かに下り傾斜を有している。一方、中段ステージ82の両側端部では、側壁82aが両側端へ近づくにつれて手前側へ湾曲するようにして成形されている。このため遊技球は、中段ステージ82の両側端に近づくと、湾曲した側壁82aに沿って手前側へ案内され、放出傾斜面81cを介して手前側の球誘導部材70上へこぼれ落ちる。
手前側の球誘導部材70(第2の球誘導部材)には、その上面に下段ステージ84(下段球転動部)が形成されているほか、その両端部には、それぞれ中段ステージ82の側壁82aに連なる案内壁84aが形成されている。これら案内壁84aは、側壁82aとは反対に下段ステージ84の両側方から前面側へ回り込むようにして湾曲して成形されている。このため、上記のように中段ステージ82の側壁82aに案内されて手前側へこぼれ落ちた遊技球は、今度は案内壁84aに沿ってUターンするようにして案内される。
下段ステージ84は、上面が波打つようにして成形されており、その中央部分がわずかに盛り上がっているほか、中央部分から左右の部分が緩やかなカーブを描くようにして窪んでいる。また、中央部分とその左右の部分には、それぞれ窪み部84b,84cが形成されており、このうち中央部分の窪み部84bは奥側へ向けて下り傾斜を有し、その左右の部分の窪み部84cは、反対に手前側へ向けて下り傾斜を有する。
図9に示されているように、上記の放出通路72dは下段ステージ84の後方を下り、そして下段ステージ84よりも下方の位置から前方へ屈曲されて緩やかに傾斜している。放出通路72dは前部ユニット42aの内部にまで通じ、そして上記の放出口72eにて前面側へ開放している。
したがって、下段ステージ84上に転動してきた遊技球のうち、左右の部分の窪み部84cを通り過ぎて中央部分の窪み部84bまで到達し、そして窪み部84b(第1の誘導経路)から放出通路72dに入り込んだ遊技球は、上記のように放出口72eから真下方向へ放出されるため、比較的高い確率で上始動口52に入賞する態様で誘導される(図7,図9)。
これに対し、左右の部分の窪み部84c(第2の誘導経路)は、遊技球を下段ステージ84から前部ユニット42aの下縁部に送出するための誘導経路となっている。このため、下段ステージ84上に転動してきた遊技球のうち、その中央部分まで到達する勢いがなかったか、もしくは中央部分まで到達する勢いはあったが、窪み部84bを通り過ぎて左右いずれかに下ってしまった遊技球は、左右の部分の窪み部84c内に入り込み、ここから手前側にこぼれ落ちる。なお、窪み部84c内に入り込んだ遊技球のなかには、ここで僅かに左右に揺れ動くようにして転動するものもある。いずれにしても、窪み部84c内に入り込んだ遊技球は、やがてその傾斜に沿って手前側へ誘導され、前部ユニット42aの下縁部の上面を介して下方の遊技領域12に送出されることとなる。
前部ユニット42aの下縁部は、その中央の部分が低くなった谷形状に形成されている。また、この中央の部分(放出口72eより上方の部分)は手前側へ僅かに傾斜しており、さらには遊技球が左右方向に転動できるだけの幅を有している。したがって、下段ステージ84の窪み部84cから前部ユニット42aの下縁部へ移動した遊技球は、その中央の部分に集められ、ここで左右方向に転動しながらその位置を変え、やがて下方にこぼれ落ちる。この場合、遊技球は左右方向でみるといろいろな位置から落下するので、比較的低い確率でしか上始動口52に入賞しない態様で誘導される(図8,図9)。
以上が下段ステージ84、つまり、手前側の球誘導部材70による2通りの誘導態様であるが、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合は、下段ステージ84の曲面形状や窪み部84b,84cの面形状によって変わってくる。例えば、中央部分の窪み部84bが周囲の下段ステージ84の上面から極端に大きく落ちくぼんでいれば、それだけ遊技球が窪み部84bに入りやすくなり、その結果、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合が相対的に高くなる。反対に、中央部分の窪み部84bが周囲の下段ステージ84の上面と比較してそれほど落ちくぼんでいなければ、それだけ遊技球が窪み部84bに入りにくくなり、その結果、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合が相対的に低くなる(その他の各種要因も考えられるが、ここでは割愛する)。
上記のような遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合は、パチンコ機1の開発過程で行われる球誘導部材70の性能評価に関係してくる。即ち、パチンコ機1の開発過程では、試作段階で制作されたパチンコ機1について遊技球の試射による性能試験が行われており、この中で球誘導部材70の性能(放出通路72dへの誘導割合)が検証される。そして、性能評価の結果、見直しが必要であれば球誘導部材70の具体的な形状を変更して改めて試射を行い、性能評価を繰り返すといった作業が日常的に行われている。あるいは、曲面形状の異なる複数の球誘導部材70を1つずつ順番に付け替えて試射を行い、個々の球誘導性能を比較・検討するといった性能評価も行われる。このような性能評価に際して、本実施形態では球誘導部材70の着脱作業に関する有利な構造を採用しており、以下にその具体的な内容を説明する。
図10は、パチンコ機1の組み立て後における球誘導部材70の着脱の態様を具体的に示している。なお、ここでいう「組み立て後」は、パチンコ機1が作動できる状態、つまり遊技球を発射して遊技を行ったり、賞球を払い出したり、演出動作を行ったりできる状態に組み立てられた後を意味する。したがって、ここでは上記の前部ユニット42a及び後部ユニット42bは既に遊技板4aに取り付け済みであり、また、遊技盤4には必要な構成要素が全て取り付けられた状態で遊技盤装着枠9に装着されている。
図10に示されているように、パチンコ機1が組み立てられた後であっても、その前面枠5を開放することで、演出装置42の前部ユニット42aだけを遊技板4aから取り外すことが可能である。即ち、前部ユニット42aは、そのフランジ部42nを介して遊技板4aに複数箇所でねじ留めされていることから、これらねじを緩めて抜き取れば、あとは前部ユニット42aを手前側へ引っ張るだけで、これを容易に遊技板4aから離脱させることができる。なお、図10では本体枠3までもが外枠2から前面側へ開かれた状態で示されているが、ここでは本体枠3を開放することが必須ではない。したがって、以下の説明では前面枠5だけが開放されている場合にも該当するものとする。
前部ユニット42aが取り外されると、それまで前部ユニット42aが嵌め込まれていた貫通穴4bが前面側に露出する。そして、このとき貫通穴4bの下側部分には、球誘導部材70の着脱空間86が形成(開通)された状態で存在することとなる。この着脱空間86は、手前側の球誘導部材70を後部ユニット42bに対して遊技板4aの前面側から着脱するための作業経路・空間としての位置付けであり、前面側からみて球誘導部材70の外形寸法とほとんど同じか、それより大きい投影面積を有する経路・空間として規定される。
したがって、通常の完成状態で前部ユニット42aが遊技板4aに装着されていると、球誘導部材70の前面側の一部(係合片68a,68b、ねじ孔70b,70cを含む部分)は前部ユニット42aの下縁部によって遮蔽されているため、この状態で着脱空間86は形成されていない(閉鎖されている)ことになる。
一方、図10に示されているように、前面枠5を開放した状態でさらに遊技板4aから前部ユニット42aが取り外されると、着脱空間86が形成(開通)された状態となる。この状態で、パチンコ機1の開発者・設計者は既存の球誘導部材70を取り外し、そして新たに用意した別の球誘導部材70に付け替える作業を行うことができる。このとき開発者・設計者は、まず着脱空間86を通じて前面側に露出されたねじの頭に工具を突き立て、そのまま工具を回してねじを緩めることで2箇所の締結を解除することができる。そして開発者・設計者が着脱空間86を通じて球誘導部材70を手前側へ引っ張れば、その係合孔部70aと後部ユニット42bの係合片68a,68bとの嵌め合わせが外れるので、その後は容易に球誘導部材70だけを取り外すことができる。なお、このとき奥側の球誘導部材72の締結も一緒に解除されているが、奥側の球誘導部材72はその係合孔部72aを係合片68a,68bに嵌め合わせた状態にあるので、手前側の球誘導部材70と一緒に奥側の球誘導部材72が脱落してしまうことはない。
上記のようにして既存の球誘導部材70が取り外されると、後部ユニット42bには奥側の球誘導部材72が残された状態となる。次に設計者・開発者は、交換品として用意された別の球誘導部材70を着脱空間86内に位置付け、そして、左右の係合孔部70aを後部ユニット42bの係合片68a,68bに嵌め合わせるようにして球誘導部材70を押し込んでいく。係合孔部70a,70bが係合片68a,68bに正確に嵌め合わせられていれば、後はそのまま球誘導部材70を押し込んでいくだけで球誘導部材70が後部ユニット42bに対して正確に位置決めされる。これにより、奥側の球誘導部材72に対して手前側の球誘導部材70が重ね合わせられるようにして位置付けられる。そして開発者・設計者は、着脱空間86を通じて球誘導部材70,72を共にねじ留めし、後部ユニット42bへの取り付けを完了する。
このようにして球誘導部材70の付け替えが終わると、開発者・設計者は図10に示される状態から前部ユニット42aを元通りに遊技板4aに装着し、後は前面枠5を閉じるだけでパチンコ機1の試射による性能試験を行うことができる。
パチンコ機1の開発過程では1作業日あたりに高頻度で球誘導部材70を付け替えし、性能評価を行うことが繰り返し行われているが、本実施形態では、このような性能評価の結果に応じて球誘導部材70の具体的な形状を変更しながら試行錯誤を繰り返していくような場合においても、作業性を大幅に向上することで、パチンコ機1の開発工数を大幅に削減することができる。
その一方で、通常、パチンコ機1の組み立て状態では、前部ユニット42aによって着脱空間86が形成されていない(閉鎖されている)ため、球誘導部材70が不用意に脱落してしまうことはない。したがって、長期間にわたる性能試験や実際の遊技場での稼働に充分に耐えることができるので、パチンコ機1の信頼性や耐久性、品質向上等に大きく寄与できる。
また、前部ユニット42aの取付状態では、球誘導部材70を固定するねじ等の固定部材(締結具)が前面側からは視認されないので、遊技者からは球誘導部材70が着脱可能であることが意識されなくなる。このため、パチンコ機1の構造に何らかの改変を加えることを意図した不正遊技者がいたとしても、球誘導部材70を別のもの(極端に上始動口52に入賞する割合を高く改造した不正パーツ)に入れ替えようとする発想にまでは至らず、不正行為を未然に防止できるという効果を奏する。
本実施形態では、球誘導部材70を固定するねじ等の固定部材(締結具)が前部ユニット42aの装飾体43cによって覆い隠されているため、演出装置42の外観を損なうことがない。
図11は、パチンコ機1の動作を制御するための構成を概略的に示している。パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板のグループと周辺基板のグループとで分担されており、このうち主基板のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。これら基板類は、いずれもパチンコ機1の背面側に設置されており、通常、本体枠3の施錠を解除した上で本体枠3を開放しない限り前面側から視認されたり、操作されたりすることはない。この他にも、パチンコ機1には電源基板や発射制御基板、インタフェース基板(CR機の場合)等が装備されているが、いずれも公知のものを適用できるため、ここでは図示と共に詳細な説明を省略する。
主基板グループは、主制御基板101と払出基板105とから構成されている。主制御基板101は、中央演算装置としてのCPU102をはじめ、読み出し専用メモリとしてのROM103(変動表示時間記憶手段、変動表示態様記憶手段)や読み書き可能メモリとしてのRAM104等を備えている。このうちCPU102は、ROM103に格納されている遊技制御プログラムを実行し、この実行に伴いパチンコ機1で行われる各種遊技を制御する。またCPU102は、周辺基板グループや払出基板105に送信するコマンド(演出コマンド、払出コマンド等)を作成する。また、RAM104には、主制御基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主制御基板101には、ゲートスイッチ174a、始動口スイッチ170a,170b(入賞検出手段)、カウントスイッチ175a、一般入賞口スイッチ113a等が接続されており、主制御基板101には、これらスイッチ類から検出信号が入力される。具体的には、ゲートスイッチ174aは遊技領域12内のゲート58に対応して設置されており、遊技球が流下する過程でゲート58を通過すると、その通過がゲートスイッチ174aにより検出され、そして検出信号が主制御基板101に入力される。また、始動口スイッチ170aは上始動口52に対応して設置されており、また始動口スイッチ170bは、下始動口54に対応して設置されている。したがって、遊技球が上始動口52又は下始動口54に入賞すると、対応する始動口スイッチ170a,170bから主制御基板101に検出信号が入力される。またカウントスイッチ175aは大入賞口62に対応して設置されており、大当り遊技中に大入賞口62に遊技球が入賞すると、カウントスイッチ175aから主制御基板101に検出信号が入力される。そして、一般入賞口スイッチ113aは一般入賞口66に対応して配置されており、遊技球が一般入賞口66に入賞すると、一般入賞口スイッチ113aから主制御基板101に検出信号が入力される。
そして、CPU102は、これら入力された検出信号に応じた処理を実行する。即ちCPU102は、入力された検出信号に基づいてソレノイド171a,176a、特別図柄表示器141、普通図柄表示器144、特図始動記憶ランプ147(発光体)、普図始動記憶LED148、状態表示LED145、大当り種類表示LED146等に対し、それぞれの駆動信号を出力する。さらにCPU102は、入賞に応じた遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを払出基板105に対して出力する。
なお、上記の特図始動記憶ランプ147は、前部ユニット42aの発光領域48aを発光させるための発光体(LED)であるが、この特図始動記憶ランプ147は基板と共に後部ユニット42bに取り付けられている。このため本実施形態では、特図始動記憶ランプ147の電気配線や基板類が前部ユニット42aには全く取り付けられていない。
払出基板105もまた、中央演算装置としての払出CPU106をはじめ読み出し専用メモリとしての払出ROM107や読み書き可能メモリとしての払出RAM108等を備えている。なお、上述した始動口スイッチ170a,170bやカウントスイッチ175a、一般入賞口スイッチ113a等により遊技球の入賞が検出されると、各スイッチから検出信号が主制御基板101に入力される。そして主制御基板101では、入力された検出信号に基づいてCPU102から払出基板105に対して規定個数の遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信される。そして、払出基板105は、主制御基板101から受けとった払出コマンドを処理し、規定個数分の遊技球の払い出しを実行するべく払出装置109(払出モータ)に対して駆動信号を出力する。この結果、実際に払出装置109によって規定個数分の遊技球の払い出しが行われる。
また払出基板105(球払出手段)には、発射モータを備えた発射装置135(球発射手段)が接続されており、発射装置135は、発射モータの動力を用いて遊技球を遊技領域12に向けて発射する動作を行うことができる。遊技者が操作ハンドル18を操作(捻り操作)すると、発射装置135の発射モータが駆動され、これにより遊技球が打ち出される。
図11には示されてないが、発射装置135には、遊技者の身体が操作ハンドル18に触れていることを検知するためのタッチセンサが内蔵されている。発射装置135は、遊技者が操作ハンドル18に触れていることが検知されている場合に発射モータを駆動可能な状態となる。そして、この状態で操作ハンドル18が初期の位置から時計回り方向に捻り操作されると、発射装置135は実際に発射モータを駆動して遊技球を発射する。
あるいは、下皿17が満タン、つまり、払い出された遊技球で下皿17が満杯になったことを検出する下皿満タンスイッチを設け、この下皿満タンスイッチからの検出信号が入力されたときに操作ハンドル18の操作を受付不能な状態とする制御を行い、これにより発射装置135による発射モータの駆動を不可能な状態にすることもできる。即ち、払出装置109から払い出された遊技球はひとまず上皿28に貯留されるが、上皿28に貯留しきれない数の遊技球が払い出された場合には、その貯留しきれない分の遊技球は上皿28と連通した下皿17に貯留される。この状態でさらに払出装置109により遊技球が払い出され、いよいよ下皿17が満タンになると、上記の下皿満タンスイッチから検出信号が出力されるので、これにより操作ハンドル18の操作が受付不能な状態に制御される。またこの場合、下皿満タンスイッチからの検出信号が出力されなくなると、操作ハンドル18の操作を受付可能な状態に復帰する制御が行われる構成としてもよい。
周辺基板グループは、サブ統合基板111やランプ駆動基板119、役物制御基板115、表示制御基板120等から構成されている。このうちサブ統合基板111(演出態様表示制御手段)は、統合CPU112をはじめ統合ROM113(演出態様記憶手段)、統合RAM114を備えている。また、サブ統合基板111は、音出力に関する制御を行う音源IC128を備えるほか、音出力に関する読み出し専用メモリとしての音ROM127をも備えている。統合CPU112は、統合ROM113に格納されている演出制御プログラムを実行することにより主制御基板101から受信された演出コマンドに基づく処理を実行する。また、統合RAM114には、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号、主制御基板101から受信した演出コマンド等の情報が一時的に記憶される。そして、統合CPU112は、RAM114に記憶されている演出コマンドを読み出すと、この読み出した演出コマンドに基づいて表示制御基板120に対して表示コマンドを送信したり、ランプ駆動基板119にランプ点灯信号やソレノイド駆動信号を送信したり、あるいは、枠ランプ27に駆動信号を出力したりする。またサブ統合基板111は、音源IC128によって演出コマンドに基づく音出力態様を音ROM127から読み出し、この読み出した音出力態様に応じた駆動信号を上部スピーカ29及び下部スピーカ14に出力する。
ランプ駆動基板119は、サブ統合基板111から受信したランプ点灯信号を遊技盤ランプに送信し、また、サブ統合基板11から受信したソレノイド駆動信号をソレノイドに送信する。遊技盤ランプ及びソレノイドは、演出装置42に装備されているものであり、このうち遊技盤ランプは演出装置42において発光演出に用いられ、またソレノイドは、可動装飾体44a,44b,44cの駆動に用いられる。なお、ランプ駆動基板119は、サブ統合基板111から送信されるランプ点灯信号を各ランプ(LED)別に振り分けて遊技盤ランプに受け渡すほか、サブ統合基板111から送信されるソレノイド駆動信号をソレノイドにそのまま受け渡すものであり、実質的な遊技盤ランプ及びソレノイドの制御はサブ統合基板111が行っている。以下、ランプ駆動基板119を省略して説明する場合がある。
表示制御基板120は、中央演算装置としての表示CPU121を備えるほか、読み出し専用メモリとしての表示ROM122や読み書き可能メモリとしての表示RAM123を備えている。このうち表示CPU121は、サブ統合基板111からの表示コマンドに基づいて液晶表示装置50を制御する。
次に、上述した各種の構成部材や装置等が設けられた遊技盤4にて実現される遊技について説明する。まず、遊技者が操作ハンドル18を捻り操作することにより、パチンコ機1の裏面側に設けられた発射装置135によって遊技球が打ち出される。発射装置135から打ち出された遊技球は、発射レール15及び案内レール11に沿って上昇すると遊技領域12の上部に放出され、この後は遊技領域12内を障害釘等に衝突しながら流下する。
遊技領域12を流下する遊技球がゲート58を通過すると、ゲートスイッチ174aによって遊技球の通過が検出され、この検出信号に基づいて普通図柄表示器144(表示領域64c)では普通図柄の変動表示(LEDが緑色と赤色とで交互に点灯する表示態様)が開始される。
即ちゲートスイッチ174aにより遊技球が検出されると、主制御基板101のCPU102は所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そしてCPU102は、普通図柄表示器144による普通図柄の変動開始時に普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとするか否かの判定を行い、この判定結果に応じた態様(本実施形態では、当りであれば赤色の点灯表示、はずれであれば緑色の点灯表示)で最終的に普通図柄を停止表示させる。
また、普通図柄表示器144において普通図柄の変動表示中に遊技球がゲート58を通過すると、CPU102にて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(本実施形態では4個)までRAM104に記憶される。このとき、記憶された普通図柄当り判定乱数の個数は普図始動記憶LED148(発光領域64e)の点灯態様によって表示される。具体的には、ゲート58の通過が有効である間(普通図柄の始動記憶数が4未満のとき)にゲートスイッチ174aにより遊技球の通過が検出されると、その都度、普図始動記憶LED148の点灯態様を切り替える。
本実施形態では、例えば普図始動記憶数が1である場合に下側の普図始動記憶LED148(発光領域64e)が1つだけ点灯し、次に普図始動記憶数が2に増えると、下側に加えて上側の普図始動記憶LED148(発光領域64e)が共に点灯する(2つ点灯する態様)。さらに普図始動記憶数が3に増えると、それまで単純点灯していた上側の普図始動記憶LED148が点滅状態に切り替わり、下側の普図始動記憶LED148は単純点灯状態のままとなる。そして、普図始動記憶数が最大の4に達すると、2つの普図始動記憶LED148が共に点滅状態になる。反対に、普通図柄表示器144にて普通図柄の変動表示が開始されると、その都度、普図始動記憶数が1つずつ減っていくので、この場合は上記と逆の態様により普図始動記憶LED148が点灯・点滅することになる。
本実施形態では、普通図柄の変動開始時にCPU102において普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとする判定がなされた場合には、所定期間経過後に普通図柄表示器144(発光領域64c)が赤色に点灯した状態で停止表示される。そしてこの後、ソレノイド171aを作動状態(通電状態)に切り替えることで左右の開閉部材56aを拡開させ、入球装置56を所定期間(例えば0.5秒間)にわたり開放状態にする制御が行われる。これにより、下始動口54への入賞が可能な状態となる。またこの後、所定期間が経過するとソレノイド171aを非作動状態(非通電状態)に戻すことで開閉部材56aを初期位置に復帰させ、入球装置56を閉塞状態に戻す制御が行われる。
これに対し、普通図柄の変動開始時にCPU102において普通図柄当り判定乱数に基づいてはずれとする判定がなされた場合、所定期間経過後に普通図柄表示器144(発光領域64c)が緑色に点灯した状態で停止表示されるだけであり、特に入球装置56は開放状態に制御されない。したがって、この場合は依然として下始動口54には入賞できない状態であるが、上始動口52への入賞は引き続き可能となっている。
遊技領域12内を流下する遊技球が上始動口52又は下始動口54に入賞すると、始動口スイッチ170a又は始動口スイッチ170bにより遊技球の入賞が検出される(所定の判定条件の成立)。この場合、特別図柄の変動表示が開始可能な状態(例えば、大当り遊技中でない状態であるか、又は特別図柄・装飾図柄の変動表示中でない状態)であれば、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示が開始されると共に、液晶表示装置50で装飾図柄(例えば数字の「0」〜「9」をデザインしたもの)の変動表示が開始される。本実施形態では、特別図柄が4つの発光領域64aの点灯の組み合わせで表される。また装飾図柄は、液晶表示装置50画面上にて左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄の3つが表され、これらはいずれも装飾図柄の列が画面上を一定方向へ順送り(スクロール)されるようにして変動表示される。
特別図柄や装飾図柄の変動表示は所定期間経過後に停止され、その停止時に特別図柄が特定の態様(大当りとなる複数の発光領域64aの点灯の組み合わせ:大当り図柄)で表示されると、これに合わせて装飾図柄の停止図柄(左・中・右の装飾図柄全てが停止した状態)も特定の態様(同一の装飾図柄の組み合わせ:大当り図柄(特定表示結果))で表示される。この場合、主制御基板101のCPU102は「大当り遊技状態(利益付与状態)」の制御を開始する。なお、変動表示が行われる期間は、大当り判定乱数やその他の乱数に応じて数秒〜数十秒の範囲内で決定される。
大当り遊技状態では、CPU102はソレノイド176aを作動させて大入賞口装置60を開放させる制御を行う。即ち、ソレノイド176aが作動すると、開閉部材60aがその下縁部を支点としてパチンコ機1の手前方向に倒れ込むようにして回動し、これにより大入賞口62への入賞を可能とする。このような大入賞口装置60の開放制御は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、もしくは所定個数(例えば、9個)の遊技球が大入賞口62に入賞したことがカウントスイッチ175aにより検出されるかのいずれかの条件が満たされるまで継続して行われる。
上記のいずれかの条件が満たされると、CPU102はソレノイド176aを非作動(非通電)の状態に戻し、それまで手前方向へ倒れていた開閉部材60aを盤面に沿って起立させる。これにより大入賞口62が閉じた状態となり、大入賞口装置60は閉塞状態に制御されることになる。大当り遊技状態において、CPU102は大入賞口装置60を開放状態にしてから閉塞状態に戻すまでを1回の開閉サイクル(以下、これをラウンドともいう)とする制御を繰り返し実行し、この制御を所定回数(15ラウンド)まで繰り返すと、そこで大当り遊技状態を終了させる。このように、大当り遊技状態に移行すると大入賞口62が開放されるので、この開放された大入賞口62に遊技球を入賞させることで、上始動口52や下始動口54、一般入賞口66等に遊技球を入賞させるよりも短時間で多量の遊技球を獲得可能であることから、遊技者の興趣を高めることができる。
また本実施形態では、左・中・右の装飾図柄は、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止するように制御される。装飾図柄の停止図柄とは、左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始して中装飾図柄が停止表示されることにより左・中・右の装飾図柄全てが停止表示された状態の図柄の組み合わせをいう。
また本実施形態では、特別図柄の停止時に表示される特定の態様には、さらに特別態様(確変大当りとなる複数の発光領域64aの点灯の組み合わせ)があり、停止時の特別図柄が特別態様で表示された場合には、装飾図柄の停止図柄も特別態様(確変大当り図柄:本実施形態では、同一の奇数図柄の組み合わせ)となる。この場合、いわゆる「確変大当り」となり、大当り遊技状態の終了後、次に大当り遊技状態となる確率(当選確率)が高くなる(本実施形態では、確率変動状態では70分の1の確率であり、確率変動状態以外では490分の1の確率である。)。即ち、停止時の特別図柄が特別態様であった場合は、大当り遊技の終了後に「確率変動状態」という遊技者にさらに有利な状態になる。
大当り遊技の終了後に確率変動状態になると、以下の内容でいわゆる時短制御が行われる。即ち、確率変動状態では、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまでの変動時間と、普通図柄表示器144(発光領域64c)にて普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまでの変動時間とを通常状態よりも短縮する制御が行われる。また、あわせて普通図柄表示器144(発光領域64c)における普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率を高める制御が行われる。さらに、普通図柄の変動表示の結果「当り」となった場合に開閉部材56aの開放時間を通常状態よりも延長する制御(本実施形態では、通常状態で0.5秒間、時短状態及び確率変動状態で1.8秒)が行われると共に、入球装置56の開放回数を通常状態よりも増加させる制御(本実施形態では、通常状態で1回、時短状態及び確率変動状態で3回)も行われる。
一方、停止時の特別図柄が特定の態様で表示された場合であっても、上記の特別態様とは異なる非特別態様(非確変大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ)であれば、装飾図柄の停止図柄も非特別態様(非確変大当り図柄:本実施形態では、同一の偶数図柄の組み合わせ)となり、以下の内容で時短制御が行われる。即ち、大当り遊技状態の終了後、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示が実行される回数が所定の回数(本実施形態では100回)に達するまでの間、特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間とを通常状態よりも短縮する制御が行われる。また、普通図柄の変動表示の結果「当り」となった場合に開閉部材56aの開放時間を通常状態よりも延長する制御と共に、あわせて開閉部材56aの開放回数を通常状態よりも増加させる制御が実行される。これら時短状態では、特別図柄表示器141にて実行される特別図柄の変動表示の回数が所定の回数に達するまでの間、下始動口54への入賞確率が増加して、一定期間内での特別図柄の変動表示の実行回数を増加させることができる(つまり、大当りの抽選機会が増える)ため、それだけ遊技者にとって有利な状態となる。また、上述した確率変動状態では、時短制御に加えて、普通図柄表示器144にて普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率が高められるため、時短状態よりもさらに遊技者に有利な状態となる。なお、通常状態とは、上述した確率変動状態又は時短状態ではない状態を意味する。
また、本実施形態では、特別図柄の停止時に表示される特定の態様には、さらに特殊態様(小当りとなる複数の発光領域64aの点灯の組み合わせ)があり、停止時の特別図柄が特殊態様で表示された場合には、装飾図柄の停止図柄も特殊態様(チャンス演出突入図柄)となる。この場合、いわゆる「小当り」となり、小当り遊技状態の終了後、微時短制御が行われる。微時短制御状態では、普通図柄の変動表示の結果「当り」となった場合に開閉部材56aの開放時間を通常状態よりも若干延長する制御(本実施形態では、通常状態の0.5秒よりも若干長い0.52秒間)が行われる。但し、遊技者にとっては、微時短制御状態の0.52秒間と通常状態の0.5秒間との判別が困難なものとなっている。
なお本実施形態では、上始動口52に遊技球が入賞し、始動口スイッチ170aによって検出されたときに規定個数として3個の遊技球が払い出され、また、下始動口54に遊技球が入賞し、始動口スイッチ170bによって検出されたときに規定個数として4個の遊技球が払い出される。このように、上始動口52と下始動口54とで払出個数に差が設けられているのは以下の理由による。
即ち、下始動口54は通常、開閉部材56aによって閉塞されており、普通図柄の変動表示の結果が「当り」とならない限り入賞の機会がない構造であるのに対し、上始動口52は、常に上方から遊技球を受け入れ可能な構造であることから、上始動口52への遊技球1個の入賞に対する払出個数が多すぎると、遊技場運営者に比較して遊技者が有利になりすぎる。そうすると、遊技場運営者の不利益解消策として始動口(上始動口52及び下始動口54)への入賞が抑制されてしまい、結果的に抽選遊技(大当り遊技状態とするか否かの判定)の期待が減ることで遊技者に不快感を与えてしまいかねない。反対に、上始動口52への入賞に対する払出個数が少なすぎると、それだけ抽選遊技に必要とする遊技球の数が増大してしまい、結果的に過度の投資が必要となって遊技者に不利益を与えてしまうことになる。
一方の下始動口54は、時短状態及び確率変動状態においては遊技者に有利な遊技を提供するものであり、開閉部材56aの開放時間と開放回数の延長制御を行うことで、下始動口54への入賞確率を増加させている。しかし、遊技球の入賞に対する払出個数が少なすぎると、発射球の数に対して払い出しの数が少なくなり、結果的に有利な遊技状態であるにも関わらず、遊技球の残数が次第に減っていくことで遊技者に不快感を与えてしまうことになる。これらの事象を考慮し、本実施形態では上始動口52及び下始動口54それぞれの払出個数(3,4個)が設定されている。
また、特別図柄表示器141における特別図柄の表示結果と、液晶表示装置50における装飾図柄の表示結果とは対応している。即ち、特別図柄の変動開始時に大当りとしない判定がなされた場合には、上記の特定の態様とは異なる態様、つまり、はずれの態様によりLED(4つの発光領域64a)を点灯させて特別図柄を停止表示すると共に、液晶表示装置50では、はずれの態様(はずれ図柄:大当り図柄以外の図柄、本実施形態では少なくとも2種類以上の識別情報(図柄)の組み合わせ)により装飾図柄の画像が表示される。
また装飾図柄は、特別図柄とは異なる演出用の図柄であり、特別図柄の変動表示(4つの発光領域64aの点滅)の内容を演出用の装飾図柄の変動表示によって演出的に表現することで、見た目上の演出効果を高めるものである。つまり、特別図柄表示器141のLEDが特定の態様で点灯表示されると大当り遊技状態に移行する制御が行われるが、万が一、液晶表示装置50において装飾図柄の表示結果が特定の態様となったとしても、特別図柄表示器141におけるLEDが特定の態様で点灯表示されていない場合、大当り遊技状態に移行する制御が行われることはない。
また本実施形態では、大当り遊技状態で実行されるラウンド数として「15回」が設定された1種類の大当り遊技状態に制御可能であるが、大当り遊技状態として遊技者に付与される利益が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成してもよい。例えば、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御するように構成してもよい。この場合には、大当り判定乱数に基づいて大当りとする判定がなされた後、大当り遊技状態にて実行するラウンド数を決定するようにしてもよいし、大当り判定乱数に基づいて異なるラウンド数が設定された複数種類の大当り遊技状態のうちいずれかに制御するか否かの判定を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、状態表示LED145(発光領域64b)が上述した確率変動状態で赤色に点灯制御され、一方、時短状態では緑色に点灯制御される。そして、時短状態又は確率変動状態が終了して通常状態になるか、あるいは大当り遊技状態に移行すると状態表示LED145(発光領域64b)が消灯される。
また本実施形態では、大当り遊技中に上述した大当り種類表示LED146(2つの発光領域64d)が点灯する。具体的には、大当り遊技状態の種類に応じて、大当り種類表示LED146となる上下2つの発光領域64dのいずれか一方か、もしくは両方が点灯する。本実施形態では、1種類の大当り遊技状態にのみ制御可能であるため、大当り種類表示LED146を点灯させる必要はないが、複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成した場合には、複数種類の大当り遊技状態に対応して大当り種類表示LED146を点灯・消灯制御することにより、大当り遊技状態の種類を外部から容易に把握することができる。
例えば、複数種類の大当り遊技状態として、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「2回」が設定された第1大当り遊技状態と、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「15回」が設定された第2大当り遊技状態とを実行可能な構成とした場合を想定する。この場合、第1大当り遊技状態の実行中に大当り種類表示LED146の上側の発光領域64dに対応するLEDを点灯させ、第2大当り遊技状態の実行中に下側の発光領域64dに対応するLEDを点灯させる制御を実行するようにしてもよい。このように、本実施形態のパチンコ機1は、複数種類の大当り遊技状態に制御可能な構成にも対応可能であることが理解される。
図12は、演出装置42を単独(遊技板4aから取り外した状態)で示している。図12では、前部ユニット42aと後部ユニット42bとが相互に組み合わせられた状態、つまり、相互に位置決めされた状態で示されており、それゆえ図12では遊技板4aの前後でみた前部ユニット42aと後部ユニット42bとの相対的な位置関係が明らかとなっている。
図12から明らかなように、前部ユニット42aと後部ユニット42bとが相互に位置決めされると、前部ユニット42aは後部ユニット42bの前面側に重なるようにして配置される。概して後部ユニット42bは、前面側からみて前部ユニット42aよりも大きな外形を有しており、それゆえ後部ユニット42bは前部ユニット42aの周囲にはみ出すようにして配置される。但し、実際には前部ユニット42aと後部ユニット42bとの間に遊技板4aが位置しているため、図12に示される後部ユニット42bの外形が遊技者から視認されることはない。
また図12では、前部ユニット42aの一部(下縁部の左半分と左側縁部の下半分)が破断された状態で示されており、それゆえこの破断箇所では後部ユニット42bの表面が前面側に露出するようにして示されている。
図12中、前部ユニット42aの破断箇所に示されているように、手前側の球誘導部材70にはランプ基板147aが取り付けられており、このランプ基板147aに特図始動記憶ランプ147としてのLED(発光体)が実装されている。ランプ基板147aは放出口72eを挟んで左右両側に1枚ずつ設けられており、各ランプ基板147aに2つずつ特図始動記憶ランプ147(LED)が実装されている。また図12中、前部ユニット42aの下縁部の右半分(破断箇所でない部分)に示されているように、個々の特図始動記憶ランプ147(LED)は、前面側からみて発光領域48の背後に位置付けられている。
図12には示されていないが、各ランプ基板147aの裏面にはコネクタを介してハーネスが接続されており、このハーネスは後部ユニット42bの内部を通って上記のランプ駆動基板119に接続されている。
図13は、特図始動記憶ランプ147から発光領域48につながる導光通路88の構成を詳細に示している。上記のように、特図始動記憶ランプ147(ランプ基板147a)は球誘導部材70、つまり後部ユニット42bに取り付けられていることから、前後方向でみると、特図始動記憶ランプ147(ランプ基板147a)は遊技板4aの背面側で前部ユニット42aよりも奥まったところに位置する。
一方、発光領域48は前部ユニット42aの表面に形成されていることから、発光領域48と特図始動記憶ランプ147との間には一定の間隔(本実施形態では遊技板4aの板厚程度)が存在することになる。このため前部ユニット42aには、発光領域48と特図始動記憶ランプ147との間を埋めるようにして導光部材90が設けられており、さらにこの導光部材90の内部に導光通路88が形成されている。
導光通路88は、導光部材90の内部を前後方向に貫通して延び、その前端及び後端がいずれも開放されている。導光通路88の前端は発光領域48の直ぐ背面側に位置し、また後端はランプ基板147aの実装面に対向するようにして位置している。この状態で、特図始動記憶ランプ147は導光通路88の後端から僅かに内部に進入している。このため特図始動記憶ランプ147が発光すると、この光は導光通路88を通じて前面側に導かれ、そして発光領域48を透過して前面側から視認可能となる。
また前部ユニット42aには、導光部材90と共に光拡散部材48aが取り付けられており、この光拡散部材48aの表面に発光領域48が形成されている。このとき、特図始動記憶ランプ147の発する光は光拡散部材48aにより拡散されるので、発光領域48の全体がほぼ均一な輝度で面発光することになる。これにより、遊技者からは数字の「1」〜「4」が点灯したり、消灯したりする様子が視認されることとなる。
導光部材90は、例えば黒色・暗褐色等の暗色系の樹脂材料から成型されており、それゆえ導光通路88の内壁は、比較的高い遮光性を有する。これにより、導光通路88から周囲への光の漏洩が効果的に防止されるので、特図始動記憶ランプ147の発する光によって対応する発光領域48をくっきりと発光させることができる。
なお図13では、1つの発光領域48に通じる導光通路88が示されているが、導光部材90には、4つの発光領域48全てにそれぞれ対応して4つの導光通路88が形成されている。また、互いに隣り合う導光通路88の間は仕切壁90aによって仕切られており、特に本実施形態では、仕切壁90aが複重(2枚)構造となっている。それゆえ、互いに隣り合う2つの発光領域48(例えば記憶数「1」と「2」を表すもの同士、記憶数「3」と「4」を表すもの同士)との間での光漏れが強固に防止されている。
上記のように前部ユニット42aには、特別図柄の始動記憶数を表示するための発光領域48が形成されているにもかかわらず、特段の電気的な部品・配線・基板等が全く装備されておらず、発光動作を行うための電気的な構成要素(LED、基板、コネクタ、ハーネス類)は全て後部ユニット42bに設けられている。このためパチンコ機1の製造工程(特に遊技盤4の組み立て工程)では、前部ユニット42aを遊技板4aに組み付ける際、前部ユニット42aに対して電気的な構成要素を取り付ける作業を行う必要がないことから、それだけ作業工数を低減し、パチンコ機1の製造効率を大幅に向上することができる。
また本実施形態では前部ユニット42aに電気的な構成要素(LED、基板、コネクタ、ハーネス類)が設けられていないことから、パチンコ機1の組み立て後においても、前部ユニット42aのねじ留めを外すだけでこれを容易に取り外すことができる。したがって、パチンコ機1の組み立て後における球誘導部材70の交換作業に際して、前部ユニット42aを着脱する度にその電気的な配線作業を一々やり直す必要がないことから、球誘導部材70の交換作業を迅速かつ容易に行うことができる。
さらに本実施形態では、パチンコ機1の組み立て後に球誘導部材70の取り替え作業を行う場合、前面枠5を開放し、演出装置42の前部ユニット42aを取り外すだけでよいので、いちいち遊技盤4を遊技盤装着枠9から取り外し、さらにその背面側の制御基板ボックスや後部ユニット42bをも遊技板4aから取り外すような手間が必要なくなる。特に本実施形態では、後部ユニット42bの外形が貫通穴4bの開口面積よりも大きく、後部ユニット42bそのものを遊技板4aの前面側から着脱することができない構造であるが、前面側から貫通穴4bを通じて球誘導部材70の着脱作業を行うことができるところに多大な有用性がある。
球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様については既に説明したが、本実施形態では、奥側の球誘導部材72(第1の球誘導部材)に形成された上段ステージ80及び中段ステージ82の機能に特徴を有する。以下、上段ステージ80及び中段ステージ82の特徴について説明する。
図14は、上段ステージ80及び中段ステージ82での遊技球の転動経路を示している。本実施形態の場合、ワープ通路(78b)及び放出口78cが上段ステージ80の左側にしか設けられていないため、上段ステージ80への遊技球のアプローチは左側からしか行われないが、遊技球が上段ステージ80から中段ステージ82に乗り移ると、ここで転動方向が左右の二手に分かれるようにして振り分けられる。したがって、最終的に下段ステージ84へのアプローチは左右の両側から行われることになる。
これにより下段ステージ84では、中段ステージ82を右方向へ下って、その終端でUターンしてきた遊技球が勢いよく右側から進入してくる態様と、反対に、中段ステージ82を左方向へ下って、終端でUターンしてきた遊技球が勢いよく左側から進入してくる態様の両方が実現されることになる。この結果、下段ステージ84では中央の放出通路72dに対して左右いずれの方向からも遊技球が進入できる転動態様が実現されるため、前部ユニット42aの左側縁部にしかワープ通路(78a,78b)が形成されていないにもかかわらず転動態様がワンパターンにならず、多様な転動態様による面白みを持たせることができる。
上記のように本実施形態では、左側から上段ステージ80に流入してきた遊技球の転動経路を中段ステージ82にて左右方向に振り分け、下段ステージ84に対する2通りのアプローチを設けることで多様な転動態様を実現するところに特徴がある。このため、上段ステージ80上で遊技球を左右方向に長々と転動させる必要はなく、できるだけ速やかに遊技球を中段ステージ82へ移行させることが望ましい。このため本実施形態では、上段ステージ80から中段ステージ82への遊技球のスムーズな移行を実現するための工夫が凝らされている。
まず奥側の球誘導部材72には、上段ステージ80に沿って遊技球の転動を案内するガイドリブ72f,72gが形成されており、これらガイドリブ72f,72gは上段ステージ80の上面からわずかに上方に突出している。このうち、前面側からみて奥側のガイドリブ72fは上段ステージ80の全長とほぼ同じ長さを有しているが、手前側のガイドリブ72gは中央の窪み部80aにて部分的に途切れている。
そして上記のガイドリブ72fには、部分的に上段ステージ80の通路幅を絞り込むようにして前方に突出した部分が形成されており、この突出部分が制動部80bとして機能するものとなっている。なお制動部80bは、中央の窪み部80aから左右に等間隔を存して1つずつ配置されている。即ち、放出口78cから上段ステージ80に流入してきた遊技球は、その中央に向けて傾斜を下りながら転動する過程で、まず左側の制動部80bに衝突し、その勢いを落とされる。ここで勢いを落とされた遊技球には、中央の窪み部80aを通り越してわずかに右側の上り傾斜に差し掛かったあたりで失速し、そのまま左方向へ引き返してしまうものもあれば、ある程度の勢いを保ったまま右側の傾斜を駆け上がり、そして右側の制動部80bに衝突するものもある。さらに右側の制動部80bに衝突した遊技球には、これを通り越して上段ステージ80の右端に向かって転動するものもあれば、制動部80bに跳ね返されて左側へ下っていくものもある。
いずれにしても、上段ステージ80に流入した遊技球は、その転動過程で制動部80bに衝突することで制動力を与えられ、比較的早期に中央の窪み部80aに集まり、そして中央の窪み部80aから中段ステージ82へスムーズに移行することとなる。このため本実施形態では、上段ステージ80上で遊技球がいつまでも左右方向に揺れ動き、なかなか中段ステージ82に移行しないといった転動ロスが生じることはない。
次に、球誘導部材72の内側に設けられている内部装飾体74について説明する。図15は、内部装飾体74とその配置を具体的に示している。図5では、内部装飾体74の形態が簡略化された状態で示されているが、図15中(a)に示されているように、実際の内部装飾体74には、全体として「草むら」をイメージしたデザインが施されており、その「草むら」の中に原始人であるキャラクタと、原始哺乳動物である「サーベルタイガー」のキャラクタを模したキャラクタ装飾部74b,74cが一体的に形成されている。
上記の創作的ストーリーの中で、「マンモス」や「サーベルタイガー」は猛獣としての位置付けがなされており、原始人にとっては狩りの獲物であると同時に、日常的にその存在が恐れられている。このようなストーリー上の背景から、キャラクタ装飾部74b,74cは、「草むら」の中で獲物を探していた原始人(主人公の父親)が偶然に「サーベルタイガー」と鉢合わせし、一気に緊張感が高まっている情景を描写したものとなっている。なお内部装飾体74は、「草むら」のイメージに合致するべく全体として緑色で光透過性の樹脂材料から成形されているが、キャラクタ装飾部74b,74cには、それぞれに固有の肌色、体毛色等が付されている。
本実施形態では、球誘導部材70,72が透明材料から成形されており、それゆえ図15中(b)に示されているように、球誘導部材72の内側に内部装飾体74が設置された状態で、前面側から内部装飾体74を透視することができるものとなっている。なお、図15(b)では手前側の球誘導部材70が省略されているが、手前側の球誘導部材70も透明材料から成形されているため、手前側の球誘導部材70が取り付けられた状態で内部装飾体74の視認性が損なわれることはない。
このように、球誘導部材70,72を透明材料から成形し、その奥の位置に内部装飾体74が配置されている態様であれば、球誘導部材70,72を着色材料で成形した場合よりも装飾性を高めることができるという利点がある。しかもこの場合、たとえ内部装飾体74の表面に凹凸形状からなる造形が施されていたとしても、内部装飾体74に対して直接的に遊技球が接触することがないため、遊技球の転動態様に悪影響を及ぼすことがないという2重のメリットが生じる。
次に図16は、奥側の球誘導部材72に施された装飾領域と内部装飾体74との位置関係を示している。図16中、ハッチングが施された部分は球誘導部材72に形成された装飾領域(参照符号A)を示し、この装飾領域A内には、球誘導部材72の透明材料を部分的に磨りガラス状とする表面処理層が形成されている。このような表面処理層は、例えば球誘導部材72の表面(本実施形態では前面側からみて内表面である)に微細な凹凸を付することで形成することができる。あるいは、装飾領域の形状に合わせて切り出された磨りガラス状の半透明シートを球誘導部材72の表面(内表面)に貼着してもよい。
図16中(a)から明らかなように、装飾領域Aには全体として「草むら」が波立つようなイメージの輪郭線が与えられている。そして図16中(b)に示されているように、このような装飾領域Aは内部装飾体74の前面側に位置付けられているため、遊技者の視点からは、手前側の装飾領域Aの模様と内部装飾体74の造形とが前後に距離を置いて重なり合うようにして視認される。このため遊技者が球誘導部材72を透過して内部装飾体74を視認すると、そこに立体的な奥行きを感じることになる。
さらに本実施形態では、上記のように内部装飾体74が光透過性を有するため、その背後から光を照射して内部装飾体74を装飾的に発光させることが可能となっている。このとき装飾領域Aは、内部装飾体74を透過した光を拡散させることで自身の模様(波立つ形状)をくっきりと際立たせることができるので、遊技者に視覚的な変化をもたらしつつ、発光による装飾性を高めることができる。
また装飾領域Aは、前面側からみて中段ステージ82の後方に位置する壁部と、下段ステージ84(2点鎖線)の後方に位置する壁部に配置されている。つまり装飾領域Aは、中段ステージ82及び下段ステージ84でそれぞれ規定される遊技球の転動経路に沿う位置に形成されている。一方、パチンコ機1の使用に伴い遊技球が繰り返し球誘導部材70,72(中段ステージ82、下段ステージ84)にて転動すると、球誘導部材72の外表面には遊技球の接触による摩耗痕が生じてくると考えられる。特に本実施形態では、球誘導部材72が透明樹脂材料から成型されているため、その外表面に摩耗痕(又は擦過痕)が生じると、その部分で材料の透明性が失われやすい傾向にある。
しかしながら本実施形態では、ちょうど摩耗痕の生じやすい位置(転動経路に沿う位置)にもともと磨りガラス状の装飾領域Aが形成されているため、球誘導部材72の外表面に摩耗痕が生じたとしても、その存在が目立ちにくくなる。一方、装飾領域Aは新品の状態から磨りガラス状の装飾模様として存在しているため、球誘導部材72の外表面に擦過痕が生じたとしても、装飾領域Aそのものの見栄えが極端に劣化するわけではない。したがって本実施形態では、長期間にわたって球誘導部材72の外観上の品質が低下しにくいだけでなく、装飾性を長期間にわたって維持することができるという利点がある。
本実施形態では、演出装置42の大型化に伴い、遊技領域12から遊技球を流入させるワープ通路(78a,78b)を左側にしか設けていないにもかかわらず、放出通路72に通じる下段ステージ84での遊技球の転動態様を多様化することができ、それによって遊技の面白さを大きく向上させることができる。逆に、左側(又は右側)に1つのワープ通路(78a,78b)を設けるだけでも遊技球の転動態様の面白さを充分に確保できることから、左右両側にワープ通路を確保することにとらわれることなく、自由に演出装置42の大型化を図ったり、形状を決める際の自由度を高めたりできるという利点がある。したがって、演出装置42による演出の多様化を大幅に向上することができ、遊技者の視覚に訴える興趣を大きく高めることができる。
また、球誘導部材72の奥に内部装飾体74を配置することで装飾性を高めると共に、その外観上の品質劣化を長期間にわたって抑えることができる。
また本実施形態では、上記のように後部ユニット42bに対して内部装飾体74が着脱可能な構成となっている。その一方で、内部装飾体74は演出装置42内でも比較的大きく目を引く存在であることから、同型のパチンコ機1であっても、内部装飾体74の造形・デザインが違っていると、外観上は別タイプのパチンコ機1として認識されやすい。このため、前部ユニット42aや後部ユニット42bの大部分を共通パーツとしつつ、内部装飾体74に様々なデザインのバリエーションを設定することで、同系列のシリーズ機(例えば、大当り確率、確変突入率、確変転落確率、賞球数等の仕様が異なるもの)を容易に市場に供給することができる。
次に、演出装置42の配置・構造による視覚的な効果について説明する。図17は、遊技盤4の上側部分を示し、この図17では、遊技板4aから前部ユニット42aが取り外された状態で示されている。このため図17では、遊技板4aの貫通穴4bと後部ユニット42bとの大小関係がより明らかとなっている。
上記のように、後部ユニット42bは遊技板4aの背面側において貫通穴4bの開口面積よりも大きい範囲に拡がって配置されている。このため前部ユニット42aが遊技板4aから取り外された状態であっても、真正面からみて貫通穴4bの奥に後部ユニット42bの全体を視認することはできないものとなっている。
また既に説明したように、後部ユニット42bの構成要素のうち装飾体42aや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45cは真正面からみて貫通穴4b内に位置付けられている。これに対し、これらの背後に敷設されている装飾部材46は、その大部分が貫通穴4bの内側に位置しているが、図17中に破線で示されているように、残りの部分は貫通穴4bの外側にまで拡がっており、この部分は真正面からみた場合に遊技板4aの背後に隠れている。なお、図17では装飾部材を表す参照符号「46」が1本の引出線を伴って1箇所(左側縁部)にだけ示されているが、本実施形態でいう「装飾部材46」は、後部ユニット42bの左側縁部から上縁部及び右側縁部までの広範囲に拡がって敷設された部材を意味する。
次に図18は、遊技板4aに対する演出装置42の取り付けを具体的に示している。演出装置42の前部ユニット42aは、そのフランジ部42nが貫通穴4bの周囲に張り出すと共に、後半分の部位42rが貫通穴4b内に嵌め込まれることで、貫通穴4bの周縁部を装飾している。
一方の後部ユニット42bは、上記のように貫通穴4bの開口面積よりも広い範囲に拡がって配置されている。そして図18に示されているように、装飾部材46は遊技板4aの後方にて、上下方向でみた貫通穴4bの開口範囲Pよりも上方に位置する外側領域Sにまで拡がって配置されていることが理解される。なお、図18では上下方向でみた貫通穴4bの開口範囲のみが示されているが、左右方向についても貫通穴4bの開口範囲と後部ユニット42b及び装飾部材46の位置関係は同様である。即ち装飾部材46は、遊技板4aの後方にて、左右方向でみた貫通穴4bの開口範囲よりも側方に位置する外側領域にまで拡がって配置されている。
また本実施形態では、後部ユニット42bに遊技盤ランプとして多数のLED92が配置されており、これらLED92は装飾部材46の背後に設置されている。装飾部材46は光透過性の材料から成型されており、それゆえLED92が発光すると、その光を前方へ透過させて発光動作を行うことができるものとなっている。
ここで図18に示されているように、前部ユニット42aそのものは遊技板4aの背面に密着するようにして取り付けられているが、後部ユニット42bにおいて、遊技板4aの背面と装飾部材46の表面との間には、ある程度の間隙Hが確保されている。このため装飾部材46のうち、外側領域Sに位置する部分は遊技板4aの背面に接しているわけではなく、背面から間隙Hだけ後方に位置した状態にあることが理解される。
次に図19及び図20は、遊技盤4を左右の斜め下方から見上げた状態で示している。なお、図19,20では遊技盤4が単独で示されているが、実際のパチンコ機1では遊技盤4が本体枠3に支持されていることから、遊技盤4は前面枠5の開口窓30を通じて視認される。
これら図19,20に示されているように、遊技盤4をその斜め下方の角度から見上げた状態では、遊技板4aの背面と装飾部材46の表面との間に上記の間隙Hが確保されていることから、この間隙Hから貫通穴4bを通じて、装飾部材46のうち遊技板4aの背面側に隠れた部分が視認可能となる。例えば図19に示されているように、遊技盤4をその左斜め下方から見上げた状態では、前部ユニット42aの右上縁部に位置する装飾体43dの奥に装飾部材46の存在がはっきりと視認されている。また図20に示されているように、遊技盤4をその右斜め下方から見上げた状態では、前部ユニット42aの左上縁部に位置する装飾体43aの奥に装飾部材46の存在がはっきりと視認されている。
このため本実施形態では、遊技者がいろいろな角度から遊技盤4を視認することで、通常正面からみた状態では遊技板4aの背後に隠れているはずの装飾部材46の存在を視認することができる。また、このとき装飾部材46は遊技板4aの貫通穴4bの外側領域にまで拡がって配置されていることから、遊技者に前後方向への奥行きを感じさせると共に、遊技板4aの背面側で上下・左右方向への空間的な拡がりや開放感を生じさせることができる。
また、装飾部材46において発光動作が行われる場合、通常正面からみて遊技板4aの背後に隠れた装飾部材46から透過光が照射されるため、それまで遊技者が装飾部材46の存在に気付いていなかったとしても、発光動作によって装飾部材46の存在に気付きやすくなり、視覚的な奥行き感や空間的な拡がり感による効果を充分に発揮させることができる。
本実施形態では、装飾部材46について以下の構造を有する。図19,20等に示されているように、装飾部材46についは、全体的にゴツゴツとした立体的な造形が施されており、それによって視覚的な立体感が生み出されている。さらに装飾部材46は、2種類の部材を前後に重ね合わせた多層構造を有している。具体的には、装飾部材46は透明材料から成型された背後装飾体と、その前面側に重ね合わせて取り付けられた前面装飾体とから構成されており、前面装飾体は、赤色に着色された光透過性の材料から成型されている。また、背後装飾体には光拡散用のレンズカット(ダイヤカット等)が形成されており、背後のLED92からの発光がそこで良好に拡散される。
図19,20等で前面側に露出されている大部分は前面装飾体であるが、前面装飾体は、そのところどころが欠落した状態、つまり、部分的に破断されたような形態を有している。そして、前面装飾体が部分的に欠落した領域では、その背後にある透明な背後装飾体が前面側に露出している。
以上のような構成により、装飾部材46において発光動作が行われると、その大部分では赤色の透過光が前面側から視認されることとなるが、ところどころ部分的に白色光(LEDの発光色)が視認される領域が存在する。本実施形態では、このように白色光が視認される領域(前面装飾体が欠落している領域)が「稲妻」を模した形状にデザインされているため、遊技者が前面側から装飾部材46の発光動作をみると、あたかも雷が落ちたかのように感じ、そこに「原始地球の荒れた天候」を想起して演出的な効果を満喫することができる。
次に、可動装飾体44a,44b,44cの構成について詳細に説明する。図21は、演出装置42における可動装飾体44a,44b,44cの作動態様を示している。図21中の矢印で示されているように、可動装飾体44a,44b,44cは、いずれも作動時において左右方向に往復回動することができる。このうち上縁部に位置する可動装飾体44a(片仮名文字の「ギ」を象ったもの)と、その右隣に位置する可動装飾体44b(片仮名文字の「オ」を象ったもの)とは、いずれも初期位置から時計回り方向に回動し、そして残りの可動装飾体44c(片仮名文字の「オ」を象ったもの)は、その初期位置から反時計回り方向に回動する。なお、図21では3つの可動装飾体44a,44b,44cが初期位置から最も大きく変位したときの状態が示されており、この最大変位の状態において、各可動装飾体44a,44b,44cと前部ユニット42aとの間には適度なクリアランスが確保されている。
次に図22は、後部ユニット42bを背面側から示し、ここでは特に可動装飾体44a,44b,44cを作動させるための機構要素が示されている。なお図22には、後部ユニット42bの一部をなすインナケーシングのみが示されており、実際にはインナケーシングの外側にアウタカバー(図示されていない)が組み合わされて後部ユニット42bが構成されている。前面側から視認される装飾体43aや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45c、装飾部材46、球誘導部材70,72、内部装飾体74等はいずれもインナケーシングに組み付けられている。一方、上記のフランジ部42nはアウタカバーに形成されているため、図22には示されていない。
後部ユニット42bの背面側、つまりインナケーシングには、各可動装飾体44a,44b,44cに対応して3つのソレノイド(直動式)94a,94b,94cが装備されている。また、これらソレノイド94a,94b,94cにはそれぞれ、駆動レバー95a,95b,95cが連結されている。各駆動レバー95a,95b,95cは、その先端部がスライドピンを介して対応するソレノイド94a,94b,94cにピン接合されており、そして基端部が回動軸96a,96b,96cに固定されている。回動軸96a,96b,96cは後部ユニット42bのインナケーシングにて回動自在に支持されており、それゆえ駆動レバー95a,95b,95cは、対応する回動軸96a,96b,96cを中心として上下方向に回動(揺動)自在となっている。また駆動軸96a,96b,96cは、インナケーシングを前後方向に貫通して延びており、その後端部にて各駆動レバー95a,95b,95cに連結されていると共に、その前端部にて各可動装飾体44a,44b,44cに連結されている。
また各駆動レバー95a,95b,95cには、対応する回動軸96a,96b,96cの回動範囲(回動角度)を規定するためのストッパ部97a,97b,97cが一体的に形成されている。またインナケーシングには、各ストッパ部97a,97b,97cに対応してストッパハウジング98a,98b,98cが形成されており、各ストッパ部97a,97b,97cは、対応するストッパハウジング98a,98b,98c内に収容された状態にある。
上記の構成において、いずれかのソレノイド94a,94b,94cが通電(励磁)状態になると、直動ロッド(アーマチュア)の引き上げ動作に伴い、対応する駆動レバー95a,95b,95cが上方へ引き上げられるようにして変位する。逆にソレノイド94a,94b,94cが非通電(非励磁)の状態になると、リターンスプリングによって直動ロッドが初期位置に復帰し、この復帰動作に伴い、対応する駆動レバー95a,95b,95cが下方へ押し下げられるようにして変位する。なお本実施形態では、このときの駆動レバー95a,95b,95cの変位角度が30°程度に設定されている。
上記のようなソレノイド94a,94b,94cの通電・非通電の切り替えにより、対応する駆動レバー95a,95b,95cが上下に揺動するようにして変位し、これにより駆動軸96a,96b,96cが往復回動される。そして、このような駆動軸96a,96b,96cの往復回動により、図21に示されるような可動装飾体44a,44b,44cの動作が実現されるものとなっている。
なお後部ユニット42bのインナケーシングには、その他の構成としてLED基板92a,92b,92c,92d(遊技盤ランプ)が設置されている。このうち、図22でみてインナケーシングの上縁部の右側(前面側からみると左側)に配置されたLED基板92aは、上記の装飾体43aに対応するものであり、このLED基板92aには、その前面側に多数のLED(92)が実装されている。本実施形態では、これらLED(92)の発光により装飾体43aの発光演出が行われる。
また、図22でみてLED基板92aの左側に位置するLED基板92bはインナケーシングの左半分(前面側からみると右半分)の部位に拡がる大きさを有し、全体としてLED基板92bは、インナケーシングの上縁部から3つのソレノイド94a,94b,94cが設置されている部位を全てカバーするようにして鈎形状に敷設されている。この大型のLED基板92bにも同様に多数のLEDが実装されており、これらLEDの発光により装飾部材46の発光動作が行われるものとなっている。さらに図22でみてインナケーシングの右側縁部(前面側からみると左側縁部)に位置するLED基板92cもまた、装飾部材46の発光動作を行うためのものである。また、インナケーシングの下縁部に位置するLED基板92dは、上記の内部装飾体74の発光動作を行うためのものである。
図23及び図24は、可動装飾体44aを構成要素に分解した状態で示している。なお、これら図23及び図24では1つの可動装飾体44aを例に挙げているが、その他の可動装飾体44b,44cについても基本的に同じ構造が採用されている。したがって、以下では1つの可動装飾体44aについて説明しているが、その内容は他の可動装飾体44b,44cについても実質的に同様に当てはまる。
図23,24に示されているように、可動装飾体44aは大きく分けてアウタシェル200、フロントレンズ202、内蔵LED基板204、そしてリヤカバー206の4つのパーツから構成されている。このうち、アウタシェル202は可動装飾体44aの外表面を構成するものであり、その外形には片仮名文字の「ギ」を象った立体的なデザインが施されている。またアウタシェル200は文字通り薄肉中空のシェル構造をなし、図24に示されているように、その後端部は全体的に大きく開放されている。一方、アウタシェル200の前端部には、ちょうど片仮名文字の「ギ」を型抜きしたような文字型開口200aが形成されている。
フロントレンズ202は、光透過性又は光拡散性を有した板状の半透明材料から成形されており、その表面及び裏面には、それぞれ稲妻をイメージしたような立体的な造形が施されている。フロントレンズ202は、アウタシェル200の後端開口から嵌め込むようにして取り付けられ、上記の文字型開口200aを塞ぐようにしてアウタシェル200の内側に収容される。このためフロントレンズ202の外形は、アウタシェル200の内縁の形状にほぼ合致している。またフロントレンズ202は、その前端面にて浮き彫り状に成形された文字型凸部202aを有しており、この文字型凸部202aはアウタシェル200の文字型開口200aに合致する形状を有している。したがって、フロントレンズ202がアウタシェル200に収容された状態では、文字型開口200aにフロントレンズ202の文字型凸部202aがぴったり嵌り込んでアウタシェル200の前端部に位置付けられる。そしてこの状態で、文字型凸部202aはアウタシェル200の前端部と共に可動装飾体44aの前面を形成する。
内蔵LED基板204もまた、アウタシェル200の後端開口から嵌め込むようにして取り付けられる。このため内蔵LED基板204の外形は、アウタシェル200の内縁の形状にほぼ合致している。但し、内蔵LED基板204はフロントレンズ202のようにアウタシェル200の前端部まで深く進入せず、フロントレンズ202の背面から一定間隔を存して後端開口の近傍に位置付けられる。
内蔵LED基板204には、上記の遊技盤ランプの一部として多数のフルカラーLEDチップ204a(電装品)が実装されており、これらLEDチップ204aは、内蔵LED基板204の実装面に分布するようにして配置されている。LEDチップ204aは個々に赤色・緑色・青色(RGB)のLEDを有しており、それによりフルカラー発光が可能となっている。また本実施形態では内蔵LED基板204の実装面が白色塗装されており、それゆえ実装面にて高い光反射性を有している。一方、内蔵LED基板204の背面には、ハーネス線束(電気配線)を接続するための雌コネクタ204bが実装されている。
リヤカバー206は、アウタシェル200の後端開口を塞ぐようにして取り付けられる。このためリヤカバー206の外形は、アウタシェル200の後端開口の形状に合致している。図24に示されているように、アウタシェル200の内側には2本のねじ留め用のボス部200bが形成されており、これらボス部200bはアウタシェル200の前端部から後端開口に向けて延びている。リヤカバー206はアウタシェル200の後端開口に嵌め込まれた状態でボス部200bに接触し、それ以上の進入を規制される。
一方、リヤカバー206には、その前面側に2本の抑えロッド206aが形成されており、これら抑えロッド206aはリヤカバー206の前面から前方に突き出すようにして一体的に形成されている。リヤカバー206がアウタシェル200の後端開口に嵌め込まれると、これら抑えロッド206aの先端がフロントレンズ202の背面にぴったり当接し、これによりアウタシェル200内にてフロントレンズ202の配置が固定されるものとなっている。そしてこの状態で、リヤカバー206はアウタシェル200に対してねじ留めされる。
なお、フロントレンズ202及び内蔵LED基板204にはそれぞれ、2本のボス部200bに対応する位置に挿通孔202c,204cが形成されており、これらフロントレンズ202及び内蔵LED基板204がアウタシェル200に取り付けられる際、それぞれの挿通孔202c,204cにボス部200bが挿通される。また内蔵LED基板204には、抑えロッド206aに対応する位置にも挿通孔204dが形成されており、内蔵LED基板204がリヤカバー206に取り付けられる際、2本の抑えロッド206aは対応する挿通孔204dに挿通される。
内蔵LED基板204はリヤカバー206の直ぐ奥に寄り添うようにして配置され、この状態で内蔵LED基板204がリヤカバー206にねじ留めされるものとなっている。リヤカバー206には、内蔵LED基板204の雌コネクタ204cに対応する位置に矩形の挿通穴206cが形成されており、それゆえ内蔵LED基板204がリヤカバー206に取り付けられた状態で、その雌コネクタ204cに対してリヤカバー206の背面側から雄コネクタを接続することが可能となっている。
上記の駆動軸96aは、その前端部にてリヤカバー206にねじ留めされるものとなっている。この状態でリヤカバー206に対して駆動軸96aが強固に固定されるので、駆動軸96aの回動は、そのままリヤカバー206を介して可動装飾体44aの全体に伝達される。なおリヤカバー206には、駆動軸96aの取付部に適宜、補強のためのリブが放射状に形成されている。
図25及び図26は、可動装飾体44aをその完成状態で示している。図25中(b)に示されているように、アウタシェル200にリヤカバー206が取り付けられた状態で、内蔵LED基板204の雌コネクタ204cに雄型のコネクタ208が接続されている。コネクタ208には複数の電気配線からなるハーネス線束208が接続されており、このハーネス線束208は、コネクタ208から離れた位置で、粘着テープ片210(配線固定部材)によりリヤカバー206の背面に固定(貼着)されている。
また図26から明らかなように、本実施形態では、可動装飾体44aの前後方向の仮想的な中心線と駆動軸96aの軸線とが互いに平行ではない。したがって、遊技者が駆動軸96aの軸線方向(水平方向)から可動装飾体44aを視認していたとしても、可動装飾体44aの前面の他に、その上面が一定の角度を存して遊技者に視認される。さらにこの状態で、駆動軸96aの軸線周りに可動装飾体44aが回動すると、その仮想的な中心線は「みそすり運動」をするようにして変位する。この場合、駆動軸96aの軸線に対して可動装飾体44aの外側面が様々な角度に変位するため、遊技者が可動装飾体44aの動きを一定の角度(例えば真正面)から視認していても、遊技者の視線方向に対して可動装飾体44aの外側面が様々な角度に変位し、それによって視覚的な変化を生じさせることができる。
図27は、後部ユニット42bから可動装飾体44a,44b,44cが取り外された状態を示している。図25中(b)に例示されているように、各可動装飾体44a,44b,44cには、内蔵LED基板204につながるハーネス線束208が接続されているが、これに対応して後部ユニット42bの前面(装飾部材46の表面)には3つの配線孔212a,212b,212cが形成されており、これら配線孔212a,212b,212cを通じて各ハーネス線束208が後部ユニット42bの内部(インナケーシング)に挿通されるものとなっている。
このとき、配線孔212a,212b,212cは、いずれも前面側からみて対応する可動装飾体44aの可動範囲内に隠れるようにして位置付けられている。したがって、可動装飾体44a,44b,44cが作動しても、配線孔212a,212b,212cの存在は可動装飾体44a,44b,44cによって隠されたままとなる。また本実施形態では、ハーネス線束208が可動装飾体44a,44b,44cの表面色と同系色であるため、ハーネス線束208そのものの存在が目立たなくなっている。
このように、本実施形態では可動装飾体44a,44b,44cが内蔵LED基板204のような電装品を有し、かつ、ソレノイド94a,94b,94cによって作動される態様であるが、その作動時・非作動時を通じてハーネス線束208の存在が前面側から視認されなくなっているので、演出時の見栄えを損なわず、興趣を大きく向上させることができる。
本実施形態では、可動装飾体44a,44b,44cをそれぞれ単独で作動させることもできるし、2つ以上(2つ又は3つ全て)を同時又は同時期に作動させることもできる。特に本実施形態では、3つある可動装飾体44a,44b,44cのうち、一番下に位置する可動装飾体44c(「オ」を象ったもの)の作動方向が他の2つと反対に設定されているため、一番下の可動装飾体44cだけを単独で作動させると、この可動装飾体44cの左側部分は、その上の可動装飾体44bから相対的に下方へ離れていく方向へ作動することになる。これにより、演出装置42内での可動装飾体44b,44cの相互干渉が効果的に排除されるため、部品の破損や機械的なトラブルの発生が防止され、演出動作の確実性を保証することができる。
また本実施形態において、前部ユニット42aの内周面の形状は、可動表示体44a,44b,44cとの干渉を避けるためのクリアランスを考慮して決定されているが、上記の「石斧」型の装飾体43dや「マンモスの牙」型の装飾体43eは、このようなクリアランスを確保できる位置に効果的に配置されている。これにより、遊技領域12や演出装置42の限られたスペースを最大限に有効に活用しながら装飾性を高めると共に、可動表示体44a,44b,44cの可動範囲を大きく確保することに成功している。
次に、可動装飾体44a,44b,44cの制御について説明する。可動装飾体44a,44b,44cの制御には、大きく分けて駆動機構の制御と、LEDチップ204aの発光制御の2種類が含まれている。このうち駆動機構の制御については、駆動機構を構成するソレノイド94a,94b、94cの駆動制御として行われる。また発光制御は、LEDチップ204aの発光・発光色・階調制御として行われる。
上記の駆動制御及び発光制御は、既に説明したサブ統合基板111により行われる(適宜、図11を参照)。即ちサブ統合基板111は、ランプ駆動基板119を介してソレノイド94a,94b,94cにそれぞれ駆動信号を入力し、それによって各ソレノイド94a,94b,94cを個別に駆動することができる。この結果、対応する可動装飾体44a,44b,44cが個別に作動し、前面側から視認可能な位置で「文字が動く」という態様で演出動作が実行される。
また、サブ統合基板111からランプ点灯信号が出力されると、このランプ点灯信号がランプ駆動基板119にて分配され、対応するLEDチップ204aに入力される。これにより、サブ統合基板11は各LEDチップ204aの点灯・点滅・消灯の制御をはじめ、発光色の制御やその発光輝度の階調制御を実行することができる。この結果、対応する可動装飾体44a,44b,44cが個別に発光動作を行い、前面側から視認可能な位置で「文字が発光する」という態様で演出動作が実行される。
上記のように本実施形態では、可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御をサブ統合基板111により行うことができるが、サブ統合基板111においてどのような動作パターンを採用するかは、主制御基板101から送信される演出コマンドに基づいて決定される。そしてサブ統合基板111は、主制御基板101から送信された演出コマンドから抽選の結果(当落結果のみならず、特別図柄の変動・停止表示態様、確率変動の有無等)を解釈し、可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御を実行する(装飾制御手段)。
サブ統合基板111の統合ROM113には、予め演出コマンドに対応した演出パターンデータが記憶されており、サブ統合基板111は、主制御基板101から受信した演出コマンドに基づき、対応する演出パターンデータを読み出す。
演出パターンデータには、予め可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御についての具体的な制御内容が記録されている。例えば、3つの可動表示体44a,44b,44cのいずれを作動させるか(作動対象)、どのような態様で作動させるか(作動態様)、3つの可動表示体44a,44b,44cのいずれについて発光動作を行うか(発光対象)、LEDチップ204aによる発光動作をどのような態様で行うか(発光パターン)等についての情報が細かく設定されている。
サブ統合基板111において演出パターンデータが選択されると、当該演出パターンデータにおいて作動対象に設定された可動表示体44a,44b,44cに対応するソレノイド駆動信号がサブ統合基板111から出力される。これにより、作動対象となる可動表示体44a,44b,44cが可動範囲内で作動する。また、当該演出パターンデータにおいて複数種類の作動態様が用意されていれば、例えば可動表示体44a,44b,44cを小刻みにふるえるように作動させたり、ゆっくりと往復的に作動させたりすることもできる。
また同様に、当該演出パターンデータにおいて発光対象に設定された可動表示体44a,44b,44cに対応するランプ点灯信号がサブ統合基板111から出力される。これにより、発光対象となる可動表示体44a,44b,44cにおいて発光動作が実行される。また、当該演出パターンデータにおいて複数種類の発光態様が用意されていれば、例えば可動表示体44a,44b,44cの発光輝度を多階調に変化させたり、発光色を段階的に変化させたり、点灯・点滅パターンを変化させたりすることができる。
このとき、例えば大当り判定の結果が当選であれば、3つの可動表示体44a,44b,44cを一斉に激しく作動させる演出パターンを採用したり、3つの可動表示体44a,44b,44cを順番に作動させるといった演出パターンを採用したりすることで、いわゆる「大当り信頼度が高い」ということを演出的に表現することができる。
あるいは、主制御基板101において大当り乱数値からはずれリーチ変動の変動表示パターンが選ばれた場合、上記の演出パターンに近似した内容で3つの可動表示体44a,44b,44cを作動させることで、遊技者にリーチ演出を提供することもできる。
さらにLEDチップ204aの発光態様についても、大当り変動やリーチ変動等の変動表示パターンの違いによって発光態様を様々に設定することで、抽選結果に基づく多様な演出を実行することが可能となる。
本発明は上記の一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することが可能である。
(1)一実施形態では、前部ユニット42aに導光部材90が設けられているが、前部ユニット42aではなく後部ユニット42bに導光部材を設置することもできるし、前部ユニット42a及び後部ユニット42bの両方に導光部材を設置することもできる。
(2)一実施形態では前部ユニット42aの発光領域として、特別図柄の始動記憶数を表示するものを挙げているが、前部ユニット42aの発光領域は、特別図柄そのものを表示するものであってもよいし、普通図柄又は普通図柄の始動記憶数を表示するものであってもよい。あるいは、発光領域は図柄抽選に直接関係するものではなく、演出的な動作を行う性質のものであってもよい。
(3)上記の一実施形態では、性能評価の対象となる手前側の球誘導部材70に加えて、奥側の球誘導部材72までが後部ユニット42bに対して着脱可能な構造となっているが、奥側の球誘導部材72は後部ユニット42bと一体に成形された構造であってもよい。即ち、奥側の球誘導部材72は、手前側の球誘導部材70と違って球誘導性能の評価には直接関係していないため、後部ユニット42bと一体の構造であっても本発明の実施に支障はないからである。
(4)一実施形態では、球誘導部材70により放出通路72dに誘導されなかった遊技球が前部ユニット42aの下縁部に移動すると、その中央の部分(放出口72eの上方)に集められてから落下するものとなっているが(図8)、さらに中央の部分から左右に離れた位置から遊技球が落下する態様であってもよい。この場合、放出通路72dに遊技球が誘導された場合の入賞確率を相対的に高めることができるため、球誘導部材70上での遊技球の動きに対する遊技者の期待感を高める効果が増す。
(5)一実施形態では、交換対象となる球誘導部材70と共に奥側の球誘導部材72が後部ユニット42bにねじ留めされているが、これらは別々に固定される態様であってもよい。
(6)また一実施形態では、前部ユニット42aの方に突出した係合片42sが形成されており、これを受け入れる係合孔42hが後部ユニット42bの方に形成されているが、これらの位置関係は逆であってもよい。
(7)一実施形態では、演出装置42の左側部にワープ通路(78a,78b)が形成されているが、右側部にワープ通路が形成されている態様であってもよい。
(8)一実施形態では、可動装飾体や固定の装飾体で表される片仮名文字として「ギ」,「ャ」,「オ」,「ー」を挙げているが、その他の種類の文字を用いて言語的に別の意味を持つ文字列を構成してもよい。
(9)また一実施形態では、可動装飾体が片仮名文字を象った形態を有しているが、可動装飾体は平仮名文字や漢字の他、外国文字等の各種の言語用文字を象ったデザインが施されたものでもよい。
(10)可動装飾体の配置について、一実施形態ではパチンコ機の遊技盤を例に挙げているが、可動表示体は例えば、回胴式遊技機(スロットマシン)の前面扉の内側に配置されていてもよい。
(11)その他、一実施形態で挙げた前部ユニット42aや後部ユニット42bの具体的な形態はあくまで一例であり、これらは適宜変形可能であることはいうまでもない。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主制御基板101で実行される種々の制御処理について図28乃至図39を参照して説明する。図28は、主制御基板101に搭載されるCPU102が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。図29は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図30は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図31は、主制御基板101で更新される乱数を示す一覧表図である。図32は、遊技処理の一例を示すフローチャートである。図33は、変動開始処理を示すフローチャートである。図34は、大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。図35は、変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図36は、変動表示パターンテーブルの一例を示す一覧表図である。図37は、当り関連の制御コマンドの一例を示す説明図である。図38は、遊技処理における大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図39は、遊技処理における大当り遊技中処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板101に搭載されるCPU102により所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
図28に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、CPU102は、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM104に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM104に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM104をクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定:割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM104に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM104に記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主制御基板101に搭載されるRAM104にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときにサブ統合基板111に主制御基板101が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板101が起動したことをサブ統合基板111に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM104にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理が終了すると、CPU102は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU102は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成する。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板101に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板101に搭載されるCPU102により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では、24V)復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM104にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、即ち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
図29は、電源断発生時処理(ステップS4)の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理は、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。CPU102は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM104のチェックサムを算出し、RAM104の所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM104の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、CPU102は、RAM104の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、CPU102は、RAM104へのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU102には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、図29の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU102が起動することになる。
図30は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、この実施の形態では、メイン処理の実行中に主制御基板101に搭載されるCPU102により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU102は、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS19の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ174a、始動口スイッチ170a,170b、カウントスイッチ175a、一般入賞スイッチ113a等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出基板105に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。ステップS13の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS14の遊技処理では、遊技の進行状態に応じてパチンコ機1を制御する処理が実行される。ステップS15の普通図柄遊技では、普通図柄表示器144に関わる制御処理を実行する。ステップS16の普通電動役物遊技では、開閉部材56aの開閉制御するための処理を実行する。ステップS17の特別図柄遊技では、遊技処理(ステップS14)の処理の結果に基づいて特別図柄表示器141を変動表示する制御を実行する。ステップS18の特別電動役物遊技では、ソレノイド176aを可動制御して開閉部材60aの開閉制御を実行する。ステップS19のコマンド伝送出力処理では、遊技処理(ステップS14)でセットされた演出コマンドをサブ統合基板111に送信する処理を実行する。また、コマンド伝送出力処理(ステップS19)では、パチンコ機1への電力供給が開始されたときに電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドをサブ統合基板111に送信する処理も行われる。ステップS20のI/Oポート出力処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶ランプ147に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS11からステップS20の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS21)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS13)及び乱数更新処理2(ステップS3)で主制御基板101に搭載されるCPU102により更新される各種乱数について図31を参照して説明する。図31に示すように、この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定)に用いられる大当り判定乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに確変大当りとするか否かの判定(確変判定)に用いられる確変判定乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定されたときにリーチ態様を伴うはずれとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器141に表示されている特別図柄の変動表示パターン(変動表示時間)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数、入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かの判定(普通図柄当り判定)に用いられる普通図柄当り判定乱数、等がある。なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定すると共に、画像表示装置42にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしてもよい。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定乱数、確変判定乱数、及び入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定乱数の更新を行う。即ち、大当り遊技状態の発生及び入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者不利な状態となることを防止できる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生及び普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定乱数及び変動表示パターン乱数の更新を行う。なお、主制御基板101で更新される乱数は、上記したものに限られず、乱数更新処理2では、大当り判定乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる大当り判定乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
図32は、遊技処理(ステップS14)の一例を示すフローチャートである。遊技制御処理において、CPU102は、まず、上始動口52及び下始動口54に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS30)。具体的には、始動口スイッチ170a,170bから検出信号が出力されたか否かを判別し、始動口スイッチ170a,170bから検出信号が出力された場合には上始動口52又は下始動口54に遊技球が入賞した(ステップS30にてYES)と判別し、始動口スイッチ170a,170bからの検出信号が出力されていなければ上始動口52及び下始動口54に遊技球が入賞していない(ステップS30にてNO)と判別する。ステップS30にて上始動口52又は下始動口54に遊技球が入賞したと判別したときには、各種乱数(大当り判定乱数、確変判定乱数、等)を取得し、RAM104に設けられている保留球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS31)。そして、ステップS31で保留球数カウンタが4未満であれば、始動記憶格納処理を行う(ステップS32)。なお、ステップS30で始動口スイッチ170a,170bがオンしていない場合、及びステップS31で保留球数カウンタの値が4である場合、には、始動記憶格納処理を実行しない。その後、CPU102は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS40〜ステップS44のうちいずれかの処理を行う。
始動記憶格納処理では、保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、保留球数カウンタの加算に伴って特図始動記憶ランプ147の点灯表示態様(点灯表示させるランプの個数)を変更する処理と、取得した乱数値(この実施の形態では、大当り判定乱数、確変判定乱数)をRAM104に設けられた始動記憶の保存領域に保留球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。このように、保留球数カウンタは、始動記憶の保存領域に記憶される乱数値の数を示すカウンタである。また、ステップS31において保留球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS30で取得した乱数値を破棄する。なお、ステップS30で上始動口52又は下始動口54に遊技球が入賞したと判別したときには、ステップS30〜ステップS32の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS30で各種乱数を取得せずに、ステップS31で保留球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、始動記憶格納処理(ステップS32)で取得するようにしてもよい。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS40)では、始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する。処理選択フラグが「1」のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS41)では、特別図柄及び装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器141にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットする。処理選択フラグが「2」のときに実行される変動中処理(ステップS42)では、変動表示パターン設定処理(ステップS41)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて特別図柄表示器141における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。このとき、変動開始処理(ステップS40)にて大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、大当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
また、処理選択フラグが「3」のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS43:利益付与状態制御手段)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には、サブ統合基板111に大当り遊技状態の開始表示の実行を指示する大当り開始コマンドを送信すると共に、大入賞口装置60の開放回数等の設定を行う。
処理選択フラグが「4」のときに実行される大当り遊技中処理(ステップS44:利益付与状態制御手段)では、大当り遊技状態が開始された場合に、カウントスイッチ175aによって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数(この実施の形態では、9個)の遊技球が大入賞口62に入賞したとき、又は、所定期間(この実施の形態では、30秒)が経過したとき大入賞口装置60を閉塞状態にするための処理を行うと共に、サブ統合基板111に大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)の実行を指示する大当り中コマンドを送信する。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数(この実施の形態では、15回)に達していなければ、再び、大入賞口装置60を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、サブ統合基板111に大当り遊技状態の終了表示の実行を指示する大当り終了コマンドを送信すると共に処理選択フラグを「0」に更新する。
図33は、変動開始処理(ステップS40)の一例を示すフローチャートである。変動開始処理において、CPU102は、保留球数カウンタの値が0であるか否か判別する(ステップS401)。上述したように、保留球数カウンタの値は、始動記憶の保存領域に格納される乱数値の数を示すものであるため、ステップS401で保留球数カウンタの値が0であれば、始動記憶がないと判別されて処理を終了する。
一方、ステップS401で保留球数カウンタの値が0でなければ、始動記憶移行処理を実行する(ステップS402)。始動記憶移行処理では、保留球数カウンタを1減算する処理と、RAM104に設けられた始動記憶の保存領域に記憶される各種乱数をシフトした後、始動記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される各種乱数(大当り判定乱数等)を読み出す処理と、を行う。具体的には、始動記憶の保存領域にて保留球数カウンタのn(n=1、2、3、4)に対応する保存領域に記憶されている各種乱数を始動記憶の保存領域における保留球数カウンタのn−1(n=0、1、2、3)に対応する保存領域に記憶させる。
次いで、ステップS402で保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定乱数を用いて大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する大当り判定処理を行った後(ステップS403)、処理選択フラグを「1」に更新する(ステップS404)。処理選択フラグを「1」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS41)が実行可能となる。
図34は、大当り判定処理(ステップS403:当落判定手段、高確率状態判定手段、利益判定手段、第二当落判定手段)の一例を示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU102は、大当り遊技中処理(ステップS44)でセットされる確変フラグがON状態であるか(セットされているか)否かを判別する(ステップS51)。確変フラグがON状態であれば、確変状態時大当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS52:高確率状態制御手段)、確変状態フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、通常・時短(微時短を含む)状態時大当り判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS53)。なお、確変状態時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定乱数と一致することにより大当り遊技状態、確変短当り遊技状態、又は小当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が14個設定され、大当り、確変短当り、又は小当りとなる確率である大当り確率が1/70となっている。一方、通常・時短状態時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定値が2個設定され、大当り確率が1/490となっている。
そして、ステップS52,S53で選択した確変状態時大当り判定テーブル、又は、通常・時短状態時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値と、が一致するか否かによって、大当り遊技状態、確変短当り遊技状態、又は小当り遊技状態を発生させるか否か判定する(ステップS54)。ステップS52,S53で選択した確変状態時大当り判定テーブル、又は、通常・時短状態時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り判定乱数の値)と、が一致することに基づいて大当り遊技状態、確変短当り遊技状態、又は小当り遊技状態を発生させると判定したときには、次に、小当り判定テーブルを参照して小当り判定乱数の値が当り値と一致するか否かを判定する(ステップS60)。小当り判定乱数の値が当り値と一致する場合、言い換えれば小当り遊技状態を発生させると判定した場合(ステップS60にてYESとなる場合)は、小当りフラグをON状態(セット)とする(ステップS61)。小当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の小当り判定乱数のうち一致することにより小当り遊技状態を発生させることが決定される小当り判定値(当り値)が100個設定され、小当りとなる確率である小当り確率がほぼ1/10となっている。また、この100個の小当り判定値のうち、20個が小当り遊技状態の終了後に発生する微時短制御の回数を50回に決定する値に設定され、30個が微時短制御の回数を30回に決定する値に設定され、50個が微時短制御の回数を10回に決定する値に設定されている。なお、小当り遊技状態の終了後に発生する微時短制御の回数は、小当り遊技状態の終了後に実行されるチャンス演出の実行期間と対応している。即ち、微時短制御の回数が50回に決定されたときには、チャンス演出開始時のトータル残り回数表示部50dに「あと50個」の文字が表示され(図55(A)参照:指令提示手段)、微時短制御の回数が30回に決定されたときには、チャンス演出開始時のトータル残り回数表示部50dに「あと30個」の文字が表示され(図55(B)参照:指令提示手段)、チャンス演出開始時のトータル残り回数表示部50dに「あと10個」の文字が表示される(図55(C:指令提示手段)参照)。
一方、ステップS60で小当り判定乱数の値が当り値と一致しない場合、言い換えれば小当り遊技状態を発生させないと判定した場合(ステップS60にてNOとなる場合)は、大当りフラグをON状態(セット)とした後に(ステップS55)、所定の判定値が設定された確変判定テーブル(図示しない)に基づいて大当り遊技状態又は確変短当り遊技状態のいずれの遊技状態を発生させるかを判定すると共に、大当り遊技状態を発生させると判定された場合に確変大当りとするか否かを判定する(ステップS56)。
具体的には、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される確変判定乱数の値)と、確変判定テーブルに設定されている判定値と、が一致するか否かに基づいて大当り遊技状態の終了後に確率変動状態に制御する確変大当り、大当り遊技状態の終了後に確率変動状態に制御しない非確変大当り、確変短当り遊技状態の終了後に確率変動状態に制御する確変短当り(短当り)のいずれを発生させるかを判定する。なお、確変判定テーブルでは、確変大当りとする割合が5/8となり、非確変大当りとする割合が1/4となり、確変短当りとなる割合が1/8となるように、各々の判定値が確変判定テーブルに設定されている。即ち、確変突入率(当りのうち確率変動状態を発生させる割合)が3/4となるように、0〜7までの8個の確変判定乱数のうち確率変動状態とすることに決定される6個の判定値が設定されている。
ステップS56で、確変判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値と、が一致することに基づいて確率変動状態に制御する判定(確変大当り又は確変短当り)がなされたときには、確変状態フラグをON状態(セット)とする(ステップS57)。また、ステップS58で、確率変動状態に制御する判定のうち確変短当りとする判定がなされているときには、大当りフラグをOFF状態(リセット)すると共に、確変短当りフラグをON状態(セット)する(ステップS59)。一方、ステップS56で、確率変動状態に制御しない(非確変大当りとする)と判定されたときには、ステップS57〜S59の処理を実行することなく処理を終了する。
なお、大当りフラグ、確変短当りフラグ、小当りフラグ及び確変状態フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM104に記憶される。また、大当りフラグ、確変短当りフラグ、小当りフラグ及び確変状態フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、ON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
また、大当りフラグは、大当り遊技状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態を発生させる。また、確変短当りフラグは、確変短当り遊技状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて確変短当りフラグがセットされていれば、確変短当り遊技状態を発生させる。さらに、小当りフラグは、小当り遊技状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて小当りフラグがセットされていれば、小当り遊技状態を発生させる。そして、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態、確変短当り遊技状態、小当り遊技状態を終了するときには、それぞれ大当りフラグ、確変短当りフラグ、小当りフラグをリセットする処理が実行される。
また、確変状態フラグは、大当り遊技状態終了又は確変短当り遊技状態終了後に確率変動状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態又は確変短当り遊技状態を終了するときに確変状態フラグがセットされていれば、確変状態フラグをリセットし、確率変動状態を示す確変フラグをセットする処理が実行される。確変フラグがセットされた状態では、上述した確率変動状態に制御され、例えば、上述したステップS52の確変状態時大当り判定テーブルが選択されて確率変動状態以外の状態(通常状態、時短状態)よりも大当り遊技状態を発生させると判定される確率が高まる。また、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットする処理が実行される。
図35は、変動表示パターン設定処理(ステップS41)の一例を示すフローチャートである。変動表示パターン設定処理において、CPU102は、今回の変動表示の結果、当り(確変大当り、非確変大当り、確変短当り、小当りのいずれか)とするか否か、即ち、当りフラグ(大当りフラグ、確変短当りフラグ、小当りフラグ)がセットされているかを判別し(ステップS410)、当りフラグがセットされていれば(ON状態であれば)、当りフラグ及び確変状態フラグに応じた変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択する(ステップS411)。具体的には、大当りフラグがセットされている場合に確変状態フラグもセットされていれば、確変大当りとなる場合に用いられる変動表示パターンが設定された確変大当り時変動表示パターンテーブルを選択し、大当りフラグがセットされている場合に確変状態フラグがリセットされていれば、非確変大当りとなる場合に用いられる変動表示パターンが設定された非確変大当り時変動表示パターンテーブルを選択する。また、確変短当りフラグがセット(このとき確変状態フラグもセット)されていれば、確変短当りとなる場合に用いられる変動表示パターンが設定された確変短当り時変動表示パターンテーブルを選択し、小当りフラグがセットされていれば、小当りとなる場合に用いられる変動表示パターンが設定された小当り時変動表示パターンテーブルを選択する。
一方、ステップS410で大当りフラグがセットされていなければ(OFF状態であれば)、リーチ判定乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶すると共に、所定の判定値が設定されたリーチ判定テーブルに設定されている判定値と、取得したリーチ判定乱数の値と、が一致するか否かによって、リーチとするか否かを判定する(ステップS412)。リーチ態様とすると判定されたときには、リーチ態様を伴うはずれ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定されたリーチ時変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択し(ステップS413)、リーチ態様としないと判定されたときには、リーチ態様を伴わないはずれ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定されたはずれ時変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択する(ステップS414)。なお、リーチ判定テーブルでは、リーチ確率(リーチ態様とする割合)が1/12.5となるように、即ち、0〜24までの25個のリーチ判定乱数のうち2個の判定値がリーチ判定テーブルに設定されている。
そして、変動表示パターン乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶すると共に、ステップS411,S413,S414で選択された確変大当り時変動表示パターンテーブル、非確変大当り時変動表示パターンテーブル、確変短当り時変動表示パターンテーブル、小当り時変動表示パターンテーブル、リーチ時変動表示パターンテーブル、はずれ時変動表示パターンテーブル、のいずれか1つの変動表示パターンテーブルに設定されている判定値と、取得した変動表示パターン乱数の値と、が一致する変動表示パターンに決定する(ステップS415:変動表示時間決定手段、変動表示態様決定手段)。なお、ステップS411,S413,S414では、それぞれの変動表示パターンテーブルにおいて、確変フラグ又は時短フラグがON状態であるかを判別し、確変フラグ及び時短フラグがOFF状態であれば、通常状態用変動表示パターンテーブルを選択し、確変フラグがON状態であり且つ時短フラグがOFF状態であれば、内部確変状態用変動表示パターンテーブルを選択し、確変フラグのON/OFFに関わらず時短フラグがON状態であれば、時短有状態用変動表示パターンテーブルを選択する。
なお、時短フラグは、大当り判定処理のステップS56で確変大当り及び確変短当りとしない(非確変大当りとする)と判定されたときにセットされるフラグであり、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態を終了するときにセットする処理が実行される。時短フラグがセットされている場合には、時短状態に制御され、例えば、ステップS414ではずれ時変動表示パターンテーブルから特別図柄の変動時間を通常状態よりも短縮した変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンが選択される。また、大当り遊技状態終了後に所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当り判定処理のステップS54で次回の大当り遊技状態を発生させると判定された場合、又は、大当り遊技状態終了後に所定回数(この実施の形態では、100回)の特別図柄の変動表示が実行された場合、には、時短フラグをリセットする処理が実行される。ここで、大当り遊技状態終了後に所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当り判定処理のステップS54で確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態を発生させると判定された場合には、時短フラグをリセットする処理が実行されない。即ち、所定回数の特別図柄の変動表示のうち確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態を発生するまでに実行されなかった残りの回数が、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態の終了後に実行される。なお、時短フラグがセットされた際に回数カウンタを所定回数にセットし、大当り判定処理で大当りとするか否かを判定する毎に1減算することで、大当り遊技状態終了後に所定回数の特別図柄の変動表示が実行されたか否かを判別する。また、時短フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM104に記憶される。また、時短フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、時短フラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
次いで、ステップS415で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして変動表示パターンコマンド(変動表示コマンド信号)をセットし(ステップS416)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主制御基板101に搭載されるRAM104に設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS417)。ステップS417では、ステップS415で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を有効期間タイマにセットする。なお、ステップS416でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理でサブ統合基板111に送信するときには、特別図柄遊技にて特別図柄表示器141に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。
ここで、変動表示パターンコマンドは、2バイト構成のデータであり、各変動表示パターンコマンドには、特別図柄表示器141にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの変動時間やリーチ演出を特定するためのデータが含まれる。この2バイト構成の変動表示パターンコマンドのうち、1バイト目は、変動表示パターンであることを特定可能なデータであり、2バイト目は、変動番号(変動表示パターン)を特定可能なデータである。即ち、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、1バイト目のデータに基づいて変動表示パターンであることを認識可能であり、さらに、2バイト目のデータに基づいて変動表示パターンを特定する。
なお、ステップS415で決定される変動表示パターンを図36を参照して説明する。図36は、変動表示パターンの一例を示す一覧表図である。液晶表示装置50には、特別図柄の変動時間(特別図柄表示器141にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの時間)に、変動表示パターンに従った演出態様が画像表示される。ここでは、本実施形態のパチンコ機1におけるゲームコンセプトに沿って、創作的ストーリーに登場するキャラクタである「ゴン」(ゴンキャラクタGC)を主人公とし、彼を取り巻く「ゴン父」(ゴン父キャラクタTC:主人公の父親)、「ピーコ」(ピーコキャラクタPC:主人公の女友達)、「類人猿」(類人猿キャラクタRC)、「モグラ」(モグラキャラクタMOC)、「マンモス」(マンモスキャラクタMC)、「サーベルタイガー」等の行動を原始時代の地球を背景としてコミカルに表現し、当落の結果に対する期待感を向上させ、遊技の興趣の低下を抑制している。
変動番号1の「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動表示パターンである。変動番号2の「短縮変動」とは、特別図柄及び装飾図柄の変動時間が「通常変動」よりも短い変動表示パターンである。変動番号3,4の「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴ってノーマルリーチ演出の実行後にスーパーリーチ演出を実行しない変動表示パターンである。
また、変動番号5,6の「ゴン父リーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、ゴン父キャラクタTCが石斧を、一方向に並べられた複数の装飾図柄に向かって勢いよく投げ飛ばすことで装飾図柄を粉砕し、粉砕できずに残った装飾図柄を停止図柄とするゴン父リーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号9,10の「類人猿リーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、類人猿キャラクタRCが一方向に積み上げられた複数の装飾図柄を、素手によって下方の装飾図柄から順に粉砕し、粉砕できずに残った装飾図柄を停止図柄とする類人猿リーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号13,14の「ゴンリーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、ゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCがサーベルタイガーキャラクタ(図示しない)に崖に追い詰められ、複数の装飾図柄と共に崖下に落下し、最後に崖下に落下してきた装飾図柄を停止図柄とするゴンリーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号7,8,11,12,15,16の「崖崩れリーチ」とは、ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出又はゴンリーチ演出のいずれかのスーパーリーチ演出の実行後の発展演出として、ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCの3人組が崖上から次々と落下してくる装飾図柄に右往左往し、もう逃げられないといった場面で3人組が協力して装飾図柄を崖上に持ち上げ、持ち上がれば当該装飾図柄を停止図柄とし、持ち上げられなければ当該装飾図柄以外の装飾図柄を停止図柄とする崖崩れリーチ演出を実行する変動表示パターンである。この崖崩れリーチ演出は、ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出又はゴンリーチ演出のいずれのスーパーリーチ演出を経由してもよく、それぞれゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC又はゴンキャラクタGCが「ギャー」と発声したことを契機に実行される共通の発展演出である。
また、変動番号17,18の「玉乗りリーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、それぞれゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCが一方向に各々回転している装飾図柄に玉乗りの如く乗せられ、次々に迫り来る装飾図柄に乗り換えながら停止図柄を決定する玉乗りリーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号19,20の「石文字リーチ」とは、玉乗りリーチ演出の実行後の発展演出として、ゴンキャラクタGCが回転している装飾図柄に弾き飛ばされることで火山の入口に放り込まれ、装飾図柄と共に地球から飛び出すほど爆発的な噴火を繰り返しながら停止図柄を決定する石文字リーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号21,22の「マンモスリーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCの2人組がマンモスキャラクタMCに崖に追い詰められるが、2人組とマンモスキャラクタMCとの間には装飾図柄が邪魔しており、巨体をなすマンモスキャラクタMCが足の裏で装飾図柄を砕こうとする一方、これを2人組が阻止しようとする駆け引きにより停止図柄を決定するマンモスリーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号23,24の「マンモスリーチ発展」とは、マンモスリーチ演出の実行後の発展演出として、マンモスキャラクタMCが鼻先で装飾図柄を転がし、類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCの2人組を追い詰めようとする一方、れを2人組が阻止しようとする駆け引きにより停止図柄を決定するマンモスリーチ発展演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号25の「確変短当り時ノーマルリーチ」及び変動番号26の「小当り時ノーマルリーチ」とは、変動番号3,4の「ノーマルリーチ」の変動表示パターンと同様にリーチ態様を伴ってノーマルリーチ演出を実行するが、リーチ態様を形成した後の装飾図柄の停止図柄(この実施の形態では、中装飾図柄)として、変動表示中の数字図柄を停止表示することなく、チャンス演出突入図柄を停止表示する変動表示パターンである。なお、変動番号25の「確変短当り時ノーマルリーチ」及び変動番号26の「小当り時ノーマルリーチ」は、それぞれ確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態に制御する判定がなされたときに用いられる変動表示パターンであり、当該変動表示パターンに基づいて装飾図柄の停止図柄をチャンス演出突入図柄で停止表示した後、それぞれ確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態を発生させる。
ノーマルリーチ演出では、リーチ態様を形成した後、大当り図柄(同一の装飾図柄の組み合わせ)となるか否かや、スーパーリーチ演出に発展するか否かを判別するため、未だ停止表示されていない装飾図柄(この実施の形態では、中装飾図柄)に遊技者が注目している。しかしながら、大当り図柄が導出される割合や、スーパーリーチ演出に発展する割合が然程高くないことから、大当り遊技状態に対する期待感が低下し、遊技者がノーマルリーチ演出での変動表示に興味を抱かなくなる虞がある。この実施の形態では、ノーマルリーチ演出にてチャンス演出突入図柄を停止表示させ、「確変短当り遊技状態」及び「小当り遊技状態」に対する期待感を高めることで、ノーマルリーチ演出での変動表示を単調とすることがなく、遊技の興趣が低下することを抑制している。
この実施の形態では、変動番号25の「確変短当り時ノーマルリーチ」及び変動番号26の「小当り時ノーマルリーチ」に、通常変動からノーマルリーチ演出にてチャンス演出突入図柄を停止表示するまで同一の演出が設定されており、液晶表示装置50にて表示される演出態様を見るだけでは結果態様が表示されても「確変短当り遊技状態」又は「小当り遊技状態」のいずれを発生させるか判別することができない(高確率状態不明朗手段)。そして、「確変短当り遊技状態」又は「小当り遊技状態」のいずれを発生させる場合であっても、装飾図柄の停止図柄としてチャンス演出突入図柄を停止表示後、チャンス演出突入表示を表示制御する。なお、変動番号26の「確変短当り時ノーマルリーチ」に基づくチャンス演出突入図柄が停止表示されたときには、チャンス演出突入表示にて確変短当り遊技状態に制御した後、確率変動状態に制御する。また、変動番号26の「小当り時ノーマルリーチ」に基づくチャンス演出突入図柄が停止表示されたときには、チャンス演出突入表示にて小当り遊技状態に制御した後、通常状態に制御する。このように、遊技者がチャンス演出突入図柄の停止表示を把握しても、確変短当り遊技状態と小当り遊技状態が略同一に設定されているため、次回の変動表示から確率変動状態又は通常状態のいずれの遊技状態となるかを判別することができず、確率変動状態に対する期待感を次回の変動表示以降も持続させることができる。即ち、遊技状態の変化を伴わなくとも(通常状態の継続であったとしても)、確率変動状態に対する期待感を持続させたまま遊技を継続させることができ、遊技の興趣が低下することを抑制している。
また、変動番号25の「確変短当り時ノーマルリーチ」及び変動番号26の「小当り時ノーマルリーチ」が実行された場合には、次回の変動表示から確率変動状態と微時短状態とが混在したチャンス演出が実行される。チャンス演出では、変動表示パターンテーブルに設定された変動表示パターン(変動表示時間)に基づいて当該チャンス演出用の画像(図56参照:特別演出態様)を表示制御する。これにより、チャンス演出画像が表示制御された場合には、現在の遊技状態が確率変動状態又は微時短状態のいずれであるかを判別することができず、確率変動状態に対する期待感を持続させることができる。
また、各々の変動表示パターンには、特別図柄の変動時間(特別図柄表示器141にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの時間)が設定されている。特別図柄の変動時間は、サブ統合基板111に送信される変動表示パターンコマンドによって指定される装飾図柄の変動時間とほぼ一致して設定されており、ステップS415では特別図柄の変動時間に応じた装飾図柄の変動時間を有する変動表示パターンに決定される。即ち、特別図柄の変動時間と装飾図柄の変動時間とは、完全に一致していなくてもよい。
また、各々の変動表示パターンには、リーチ態様とした後にリーチ演出が多く実行されるほど演出の実行時間が長くなることに伴って、特別図柄及び装飾図柄の変動時間が長く設定されている。具体的には、特別図柄及び装飾図柄の変動時間は、ノーマルリーチ演出のみを実行する変動表示パターン(例えば、変動番号3,4)よりも、ノーマルリーチ演出の実行後にスーパーリーチ演出を実行する変動表示パターン(例えば、変動番号5,6,9,10,13,14,17,18,21,22)の方が長く設定され、さらにスーパーリーチ演出の実行後に発展演出を実行する変動表示パターン(例えば、変動番号7,8,11,12,15,16,19,20,23,24)の方が長く設定されている。
また、変動番号3〜24の変動表示パターンでは、当落の結果に応じて大当り時とはずれ時とで同一又は類似した演出態様でリーチ演出が実行され、また、該リーチ演出に応じた特別図柄及び装飾図柄の変動時間がほぼ一致して設定されていることから、演出を見るだけでは当否の認識が困難となり、遊技者をハラハラドキドキさせることができ、遊技の興趣を低下させることがない。
この実施の形態では、ステップS411で選択される大当り時変動表示パターンテーブルには、変動番号3〜24の変動表示パターンのうち当落の結果が大当り(確変と非確変との両方を含む)となる変動表示パターン(図36に示す変動表示パターンテーブルの当落にて○が付されている変動表示パターン)が設定され、これらの変動表示パターンに判定値が振り分けられている。また、ステップS413で選択されるリーチ時変動表示パターンテーブルには、変動番号3〜24の変動表示パターンのうち当落の結果がはずれとなる変動表示パターン(図36に示す変動表示パターンテーブルの当落にて×が付されている変動表示パターン)が設定され、これらの変動表示パターンに判定値が振り分けられている。
また、はずれ時変動表示パターンテーブルのうち上述した時短制御が実行されていない場合に選択されるテーブルには、当落の結果がはずれとなる変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンに全ての判定値が振り分けられ、はずれ時変動表示パターンテーブルのうち時短制御が実行されている場合に選択されるテーブルには、当落の結果がはずれとなる変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンに全ての判定値が振り分けられている。
また、大当り時変動表示パターンテーブル及びリーチはずれ時変動表示パターンテーブルでは、リーチ演出の種別に応じて大当り期待度が異なるように各々の変動表示パターンに対して判定値が振り分けられている。具体的には、ノーマルリーチ演出のみを実行する変動表示パターンよりもスーパーリーチ演出を実行する変動表示パターンの方が大当り期待度が高くなるように設定され、さらにスーパーリーチ演出の実行後に発展演出を実行する変動表示パターンの方が大当り期待度が高くなるように設定されている。なお、スーパーリーチ演出を実行する変動表示パターンにおいては、ゴン父リーチ演出(変動番号5,6)、類人猿リーチ演出(変動番号9,10)、ゴンリーチ演出(変動番号13,14)を実行する変動表示パターンの大当り期待度が同程度に設定されている一方、玉乗りリーチ演出(変動番号17,18)、マンモスリーチ演出(変動番号21,22)を実行する変動表示パターンの大当り期待度が順に高くなるように設定されている。また、発展演出を実行する変動表示パターンにおいては、崖崩れリーチ演出(変動番号7,8,11,12,15,16)、石文字リーチ演出(変動番号19,20)、マンモスリーチ発展演出(変動番号23,24)の変動表示パターンの大当り期待度が順に高くなるように設定されている。
また、確変短当り時変動表示パターンテーブルには、変動番号25の「確変短当り時ノーマルリーチ」の変動表示パターンが設定されている一方、小当り時変動表示パターンテーブルには、変動番号26の「小当り時ノーマルリーチ」の変動表示パターンが設定され、これらの変動表示パターンに全ての判定値が振り分けられている。また、大当り時、リーチ時、はずれ時のそれぞれの変動表示パターンテーブルには、変動番号25,26の変動表示パターンが設定されておらず、判定値が振り分けられていない。即ち、当落の結果がはずれとなる場合には、装飾図柄がの停止図柄としてチャンス演出突入図柄を停止表示することなく、チャンス演出を開始することがない。
また、変動番号25の「確変短当り時ノーマルリーチ」及び変動番号26の「小当り時ノーマルリーチ」が実行された後の変動表示では、変動番号25の「確変短当り時ノーマルリーチ」の変動表示パターンが実行されて確率変動状態に制御された場合であっても、微時短状態にて参照される各変動表示パターンテーブルから変動表示パターンを選択する。この実施の形態では、「小当り」に基づく小当り遊技状態後の微時短状態との判別を困難とするため、「確変大当り」に基づく確変大当り遊技状態後の確率変動状態とは異なり、「確変短当り」に基づく確変短当り遊技状態後の確率変動状態にて時短制御を実行していない。これにより、下始動口54への入賞確率が増加しないことから単位時間当りの変動表示回数を増加させる必要がなく、通常状態時にて参照される各変動表示パターンテーブルから変動表示パターンを選択している。
なお、図36に示す変動表示パターンテーブルでは、各種遊技状態に応じて選択テーブルを異なって設定している。即ち、大当り時(非確変及び確変)変動表示パターンテーブル、リーチはずれ時(同図中にはリーチと記載)変動表示パターンテーブル、はずれ時変動表示パターンテーブルのいずれの変動表示パターンテーブルにおいても、通常状態、内部確変(同図中には内確と記載)制御状態及び微時短状態、時短有状態(具体的には、時短制御有りの確率変動制御状態)毎で、テーブルを異なって設定している。ここで、いずれの変動表示パターンテーブルにおいても、内部確変状態と微時短状態とで同一のテーブルを参照して変動表示パターンを選択するようになっている。即ち、確変短当り遊技状態の終了後に発生する内部確変状態と小当り遊技状態の終了後に発生する微時短状態では、変動表示パターンの選択設定が同一となっている。このため、確変短当り遊技状態の終了又は小当り遊技状態の終了を契機として実行されるチャンス演出時では、選択される変動表示パターンによっては内部確変状態であるか、あるいは微時短状態であるかが判別できないようになっており、このような構成によっても遊技の興趣を低下させないようになっている。
変動表示パターン設定処理のステップS417に次いで、CPU102は、大当りフラグ及び確変状態フラグがセットされているか否か確認し(ステップS418)、大当りフラグ及び確変状態フラグがセットされているときには、確変大当りであることを示す演出コマンドである確変大当りコマンドをセットする(ステップS419)。そして、処理選択フラグを「2」に更新する(ステップS420)。なお、ステップS419にてセットされた確変大当りコマンドは、変動表示パターンコマンドと共にコマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。これによりサブ統合基板111に搭載される統合CPU112に今回の変動表示の結果、確変大当りとなることを認識させることが可能となる。
なお、変動表示パターン設定処理では、当落の結果を示す演出コマンドとして確変大当りコマンド以外にも、複数種類の当落コマンドがセットされる。具体的には、大当りフラグがセットされているが確変状態フラグがリセットされている場合に非確変大当りを示す当落コマンドとして非確変大当りコマンド、確変短当りフラグがセットされている場合に確変短当りを示す当落コマンドとして確変短当りコマンド、小当りフラグがセットされている場合に小当りを示す当落コマンドとして小当りコマンド、さらに大当りフラグ、確変短当りフラグ及び小当りフラグのいずれもセットされていない場合にはずれを示す当落コマンドとしてはずれコマンド、をそれぞれセットする処理が実行される。サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、変動表示パターンコマンドと共に送信された当落コマンドにより今回の変動表示の結果、確変大当り、非確変大当り、確変短当り、小当り、はずれのうちいずれとなるかを認識することができる。この実施の形態では、変動表示パターンコマンドにも当落の結果を示す情報が含まれており、統合CPU112は、変動表示パターンコマンドと当落コマンドとの示す当落の結果が一致するか否かを判別している。これにより、統合CPU112に今回の変動表示の結果を確実に認識させることができ、外部ノイズの影響等が原因でコマンド受信に失敗し、間違った変動表示の結果を表示するといった誤動作を防止することができる。
また、変動表示パターン設定処理では、遊技状態を示す演出コマンドとして、確変フラグ又は時短フラグがセットされているか否かを確認し、確変フラグがセットされているときに遊技状態が確変状態であることを示す遊技状態コマンドや、時短フラグがセットされているときに遊技状態が時短状態であることを示す遊技状態コマンドをセットする処理が実行される。遊技状態コマンドは、変動表示パターンコマンド及び当落コマンドと共にコマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、遊技状態コマンドが確変状態を示すことで遊技状態が確変状態であることを認識することができ、時短状態を示すことで遊技状態が時短状態であることを認識することができる。
また、ステップS417で変動時間がセットされた有効期間タイマは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)で変動表示パターンコマンドをサブ統合基板111に送信するときにスタートし、変動中処理(ステップS42)で有効期間タイマがタイムアウトしたときに特別図柄表示器141に駆動信号を出力して特別図柄の変動表示をCPU102により停止制御させると共に、サブ統合基板111に装飾図柄の変動表示停止を指示する演出コマンド(変動停止コマンド)を送信する。なお、サブ統合基板111では、変動停止コマンドを受信したことに基づいて装飾図柄の停止を確定表示するための制御を行う。
また、表示装置に複数の表示領域を設け、それぞれの表示領域にて図柄を変動表示する場合には、上述した大当り判定処理にて大当りとする判定がなされたときに、特定の表示結果で停止表示する表示ラインを複数有する場合には、いずれかの表示ラインにて未だ停止していない図柄が所定の図柄で停止することにより当該表示ラインに停止表示される図柄が特定の表示結果となる状態、又は、いずれかの表示ラインにて全ての図柄が特定の表示結果となるような組み合わせで同期して変動表示している状態、をリーチ態様という。即ち、リーチ態様とは、特定の表示結果(大当り表示)の一歩手前を表す態様(大当りとなる直前の態様)である。この実施の形態では、上述した表示ラインを1つだけ有し、液晶表示装置50に表示される左・中・右の装飾図柄のうち左装飾図柄と右装飾図柄と(任意の2つの装飾図柄の組み合わせでもよい)が同一の図柄で停止し、中装飾図柄(任意の2つの装飾図柄の組み合わせが停止した状態では残りの装飾図柄)については変動表示している状態、又は、液晶表示装置50に表示される全ての装飾図柄が同一の図柄の組み合わせで同期して変動表示している状態(例えば、左・中・右の装飾図柄が常に同一の図柄となるように同期して変動表示している状態)をリーチ態様といい、リーチ態様となった後、枠ランプ27、液晶表示装置50、上部スピーカ36、及び下部スピーカ14等により実行される演出(例えば、枠ランプ27を所定の態様で点灯・点滅、液晶表示装置50にて所定の画像表示、上部スピーカ36及び下部スピーカ14にて所定の音声出力)をリーチ演出という。
また、当り関連の制御コマンドについて図37(A)及び図37(B)を参照して説明する。図37(A)に示す大当り遊技状態コマンドテーブルには、大当り遊技状態に制御するときに液晶表示装置50にて所定の演出表示を指定する演出コマンドが設定され、図37(B)に示す確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態コマンドテーブルには、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態に制御するときに液晶表示装置50にて所定の演出表示を指定する演出コマンドと共に、下部スピーカ14にて所定の音出力態様の出力を指定する演出コマンドが設定されている。
大当り遊技状態コマンドテーブルには、図37(A)に示すように、大当り開始コマンド、大当りラウンド開始コマンド、大当りラウンド終了コマンド、大当り終了コマンド、及び、大入賞口入賞検出コマンドが設定されている。大当り開始コマンドは、大当り遊技状態の開始の演出表示を指定する演出コマンドであり、演出コマンドの1バイト目として「20H」がセットされる。また、大当りラウンド開始コマンドは、所定回数のラウンドのうち何ラウンド目であるかの演出表示を指定する演出コマンドであり、演出コマンドの1バイト目として「22H」がセットされる。なお、大当りラウンド開始コマンドには、大当り時のラウンド回数が15ラウンドであることにより、1〜15ラウンドに対応した大当りラウンド開始コマンドがそれぞれ設定されている。
また、大当りラウンド終了コマンドは、当該ラウンドを終了した後に次のラウンドが開始されるまでのインターバル期間における演出表示を指定するコマンドであり、演出コマンドの1バイト目として「22H」がセットされる。また、大当り終了コマンドは、大当り時のラウンド回数の終了(大当り遊技状態の終了)の演出表示を指定する演出コマンドであり、演出コマンドの1バイト目として「23H」がセットされる。また、大入賞口入賞検出コマンドは、大入賞口62に遊技球を入賞させたときに、この入賞数の演出表示を指定する演出コマンドであり、演出コマンドの1バイト目として「24H」がセットされる。なお、サブ統合基板111では、大当り遊技状態コマンドテーブルに設定された演出コマンドを受信したことに基づいて、各々の演出コマンドに指定された演出を液晶表示装置50にて表示し、当該演出コマンドに指定された演出の演出内容を遊技者に認識させる。
この実施の形態では、装飾図柄の停止図柄として確変大当り図柄(同一の奇数図柄)又は非確変大当り図柄(同一の偶数図柄)のいずれが停止表示されるかや、大当り遊技状態後の変動表示にて液晶表示装置50に「確変中」や「時短中」の演出表示を実行することによって、大当り遊技状態後の遊技状態が確率変動状態又は通常状態(時短状態)のいずれとなるかを通知しているが、大当り遊技状態の終了時にも演出表示することで通知してもよい。この場合、確変大当り遊技状態に制御された場合と非確変大当り遊技状態に制御された場合とで大当り終了コマンドを異ならせ、大当り時のラウンド回数の終了と共に大当り遊技状態後の遊技状態を通知する演出表示を実行すればよい。
確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態コマンドテーブルには、図37(B)に示すように、短当り開始コマンド、短当り開閉開始コマンド、短当り開閉終了コマンド、短当り終了コマンド、及び、大入賞口入賞検出コマンドが設定されている。短当り開始コマンドは、チャンス演出の突入の演出表示(チャンス演出突入表示)の開始を指定する演出コマンドであり、演出コマンドの1バイト目として「20H」がセットされる。また、短当り開閉開始コマンドは、音出力を指定する演出コマンドであり、演出コマンドの1バイト目として「22H」がセットされる。なお、確変短当り時及び小当り時の開閉回数が2回であることにより、1,2回目に対応した短当り開閉開始コマンドのみが設定されている。ここで、短当り時の開閉回数が大当り時のラウンド回数とは異なり2回であることから、3〜15ラウンドに対応した短当り開閉開始コマンドが設定されていない。
また、短当り開閉終了コマンドは、短当り開閉開始コマンドにより開始された音出力の停止を指定するコマンドであり、演出コマンドの1バイト目として「22H」がセットされる。なお、サブ統合基板111では、確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態コマンドテーブルに設定された音出力を指定する演出コマンドを受信したことに基づいて、各々の演出コマンドに設定された音出力を下部スピーカ14にて出力している。ここで、下部スピーカ14にて出力される音出力態様は、騒々しい遊技店では遊技者が聞こえない程度の音量であり、演出コマンドに指定された音出力を遊技者に気付かせない構成としている。なお、本実施形態では、音出力態様として単純なビープ音を出力しているが、各々の演出コマンドに対応して異なる音出力態様としてもよい。
また、短当り終了コマンドは、短当り開始コマンドにより開始されたチャンス演出突入表示の終了を指定する演出コマンドであり、演出コマンドの1バイト目として「23H」がセットされる。また、大入賞口入賞検出コマンドは、大当り遊技状態コマンドテーブルにて設定された大入賞口入賞検出コマンドと同一の演出コマンドであり、演出コマンドの1バイト目として「24H」がセットされる。
図37(C)は、各遊技状態における大入賞口62の開閉回数及び開放時間テーブルの一例を示す。遊技状態が大当り遊技状態である場合には、大入賞口の開閉回数が15回、1回当りの大入賞口の開放時間が30秒に設定されている。一方、遊技状態が確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態である場合には、大入賞口の開閉回数が大当り遊技状態である場合よりも大幅に少ない2回、1回当りの大入賞口の開放時間が大当り遊技状態である場合よりも大幅に短い0.3秒に設定されている。但し、小当り遊技状態である場合には、大入賞口62の1回目の開放にて所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞したときに2回目の開放が実行されない。
図38は、大当り遊技開始処理(ステップS43)の一例を示すフローチャートである。当り遊技開始処理では、当り判定処理(ステップS43)の結果に応じて、即ち、大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態を開始するための処理を実行し、確変短当りフラグ又は小当りフラグがセットされていれば、それぞれ確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始するための処理を実行する。
具体的には、当り遊技開始処理において、CPU102は、セットされているフラグに応じて開始コマンドをセットする(ステップS451)。即ち、大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態コマンドテーブルを選択し、大当り遊技状態コマンドテーブルに設定されている大当り開始コマンドを開始コマンドとしてセットする。一方、確変短当りフラグ又は小当りフラグがセットされていれば、確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態コマンドテーブルを選択し、確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態コマンドテーブルに設定されている短当り開始コマンドをセットする。なお、セットした大当り開始コマンド及び短当り開始コマンドは、上述したコマンド伝送出力処理(ステップS19)でサブ統合基板111に送信される。
次いで、CPU102は、セットされているフラグに応じた開閉回数を開閉回数カウンタにセットする(ステップS452)。即ち、大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態にて参照する大入賞口開閉回数テーブルを選択し、当該大入賞口開閉回数テーブルに設定されている開閉回数として「15回」を開閉回数カウンタにセットする。一方、確変短当りフラグ又は小当りフラグがセットされていれば、確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態にて参照する大入賞口開閉回数テーブルを選択し、当該大入賞口開閉回数テーブルに設定されている開閉回数として「2回」を開閉回数カウンタにセットする。
また、CPU102は、セットされているフラグに応じた開放時間を開放タイマにセットする(ステップS453)。即ち、大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態にて参照する開放時間テーブルを選択し、当該開放時間テーブルに設定されている開放時間として「30秒」を開放タイマにセットする。一方、確変短当りフラグ又は小当りフラグがセットされていれば、確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態にて参照する開放時間テーブルを選択し、当該開放時間テーブルに設定されている開放時間として「0.3秒」を開放タイマにセットする。セットされた開放タイマは、割込処理内で減算される。
そして、大入賞口開放フラグをセットする(ステップS454)。なお、大入賞口開放フラグがセットされると、上述した特別電動役物遊技(ステップS18)にてソレノイド176aを可動制御して開閉部材72aを開放状態にすることにより大入賞口62を開放状態に制御する。そのため、大入賞口開放フラグをセットした後、開閉回数カウンタを1減算する(ステップS455)。また、当り遊技開始処理を終了するときには、処理選択フラグを「4」に更新する。これにより、次回の割込処理にて当り遊技中処理(ステップS44)が実行可能な状態となる。
図39は、大当り遊技中処理(ステップS44)の一例を示すフローチャートである。当り遊技中処理では、当り開始処理の設定内容に応じて大入賞口62を開閉制御するための処理等を実行する。
具体的には、CPU102は、当りフラグ(大当りフラグ、確変短当りフラグ又は小当りフラグ)がセットされている場合に(ステップS460)、待機フラグがセットされていれば(ステップS461)、待機時間タイマがタイムアウトしたか否かを判別し(ステップS462)、待機時間タイマがタイムアウトしていれば、待機フラグをリセットして(ステップS463)、フラグに応じた開放時間を開放タイマにセットする(ステップS464)。なお、待機フラグは、大入賞口62を閉塞状態にした後、再び開放状態に制御するまでの待機中であることを示すフラグであり、待機時間タイマとは、大入賞口62を閉塞状態にした後、再び開放状態に制御するまでの待機時間を示すタイマである。待機フラグがセットされているときに、待機時間タイマがタイムアウトすると、大入賞口62を開放状態にするための処理を行う。即ち、大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態にて参照する開放時間テーブルを選択し、当該開放時間テーブルに設定されている開放時間として「30秒」を開放タイマにセットする。一方、確変短当りフラグ又は小当りフラグがセットされていれば、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態にて参照する開放時間テーブルを選択し、当該開放時間テーブルに設定されている開放時間として「0.3秒」を開放タイマにセットする。
次いで、開放タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS463)、大入賞口62に遊技球の入賞検出があったか否か判別し(ステップS468)、遊技球の入賞検出があれば、入賞検出数に応じた大入賞口検出コマンドをセットする(ステップS469)。即ち、スイッチ入力処理(ステップS11)でカウントスイッチ175aにより遊技球が検出されたと判別したときに、検出した遊技球の個数に応じた大入賞口検出コマンドをセットする。大入賞口検出コマンドは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信され、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、大入賞口検出コマンドに応じた個数の入賞があったことを通知する演出表示を液晶表示装置50にて実行する。
なお、大当り遊技状態では、大入賞口62を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの1回のラウンドにてカウントスイッチ175aにより所定個数として「10個」の遊技球を検出したときに所定期間としての「30秒」が経過していなくても大入賞口62を閉塞状態に制御する。即ち、スイッチ入力処理(ステップS11)で、大当りフラグがセットされているときに「10個」の遊技球を検出した場合には、開放タイマをクリア(「0」)する。開放タイマをクリアすることにより当り遊技中処理のステップS465で開放タイマがタイムアウトしたと判別されて大入賞口62を閉塞状態に制御するための処理が実行される。
一方、確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態では、大入賞口62を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの1回の開閉にてカウントスイッチ175aにより所定個数として「9個」の遊技球を検出したときに所定期間としての「0.3秒」が経過していなくても大入賞口62を閉塞状態に制御する。即ち、スイッチ入力処理(ステップS11)で、確変短当りフラグ又は小当りフラグがセットされているときに「10個」の遊技球を検出した場合には、開放タイマをクリア(「0」)する。開放タイマをクリアすることにより当り遊技中処理のステップS465で開放タイマがタイムアウトしたと判別されて大入賞口62を閉塞状態に制御するための処理が実行される。また、小当りフラグがセットされているときに「10個」の遊技球を検出した場合には、開閉回数カウンタもクリア(「0」)する。開閉回数カウンタをクリアすることにより当り遊技中処理のステップS470で開閉回数カウンタが0であると判別されて小当り遊技状態を終了するための処理が実行される。確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態では、大当り遊技状態にて開放状態とされる「30秒」に比べて格段に短い「0.3秒」しか大入賞口62が開放状態に制御されないため、大入賞口62に所定個数の遊技球が入賞することがほとんどなく、大当り遊技状態よりも大入賞口62に入賞する遊技球の個数は少なくなる。
一方、ステップS465で開放タイマがタイムアウトしていれば、フラグに応じたラウンド(開閉)終了コマンドをセットする(ステップS466)。即ち、大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態コマンドテーブルの大当りラウンド終了コマンドをセットし、確変短当りフラグ又は小当りフラグがセットされていれば、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態コマンドテーブルの短当り開閉終了コマンドをセットする。そして、大入賞口閉塞フラグをセットする(ステップS467)。なお、大入賞口閉塞フラグがセットされると、上述した特別電動役物遊技(ステップS18)にてソレノイド176aを可動制御して開閉部材72aを閉塞状態にすることにより大入賞口62を閉塞状態に制御する。
そして、開閉回数カウンタが0でなければ(ステップS470)、開閉回数カウンタを1減算し(ステップS471)、待機時間を待機時間タイマにセットすると共に(ステップS472)、待機フラグをセットして(ステップS473)、処理を終了する。
一方、開閉回数カウンタが0であれば(ステップS470)、当りフラグ(大当りフラグ、確変短当りフラグ及び小当りフラグ)をリセットし(ステップS474)、フラグに応じた終了コマンドをセットする(ステップS475)。即ち、大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態コマンドテーブルの大当り終了コマンドをセットし、確変短当りフラグ又は小当りフラグがセットされていれば、確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態コマンドテーブルの短当り終了コマンドをセットする。
そして、演出終了待ちタイマをセットする(ステップS476)。演出終了待ちタイマは、液晶表示装置50にて実行される演出(例えば、大当り終了表示、チャンス演出突入表示、等)が終了するまでの時間を示すタイマである。そして、以降の当り遊技中処理では、ステップS460でNOと判別され、演出終了待ちタイマがタイムアウトしたか否かを判別する処理が実行される(ステップS477)。ステップS477で演出終了待ちタイマがタイムアウトしていれば、処理選択フラグを「0」に更新して処理を終了する(ステップS478)。処理選択フラグを「0」に更新することにより、次回の割込処理にて変動開始処理(ステップS40)が実行可能な状態となる。
このように、この実施の形態では、大当り遊技状態を実行する場合と、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態を実行する場合と、の処理を共通化している。即ち、セットされているフラグにより選択するテーブルを異ならせるが実行される処理は略同一である。そのため、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態の制御に関するプログラムを追加することなく大当り遊技状態と確変短当り遊技状態と小当り遊技状態とを実行することが可能となり、主制御基板101に搭載されるROM103のデータ量を低減できる。
また、演出コマンドは、上述したコマンド伝送出力処理(ステップS19)でサブ統合基板111に送信されるが、セットされているフラグにより選択するテーブルを異ならせることで、大当り遊技状態を実行する場合と、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態を実行する場合と、において送信される演出コマンドを異ならせている。このように、当り遊技状態の種類によって演出コマンドを異ならせることで、サブ統合基板111にて大当り遊技状態、確変短当り遊技状態又は小当り開閉短遊技状態のいずれの遊技状態にあるかを認識することができ、大当り遊技状態を実行する場合と、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態を実行する場合と、において異なる演出表示を実行可能としている。従って、当り遊技状態により付与される価値に応じた演出を実行することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
ここで、確変短当り遊技状態を実行する場合と、小当り遊技状態を実行する場合と、のいずれの場合であっても、確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態コマンドテーブルを選択することで、共通の演出コマンドを用いている。このように、確変短当り遊技状態を実行する場合と、小当り遊技状態を実行する場合と、において共通の演出コマンドを用いることで、同一の演出表示及び音出力が実行され、いずれの遊技状態であるか判別困難としている。なお、確変短当り遊技状態を実行する場合と、小当り遊技状態を実行する場合と、のいずれの場合であっても、確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態コマンドテーブルから選択される共通の演出コマンドを用いているが、演出表示装置50にて遊技状態を判別困難とする同一の演出表示を実行すればよく、例えば、確変短当り遊技状態コマンドテーブル及び小当り遊技状態コマンドテーブルを別に設け、各々のコマンドテーブルに設定された異なる演出コマンドを用いてもよい。
また、大当り遊技状態が実行された場合には、大当り遊技状態コマンドテーブルから液晶表示装置50にて所定の演出表示を指定する演出コマンドを選択し、例えば、大当り開始コマンドによる大当り遊技状態の開始の演出表示のように、大当り遊技状態の開始や実行中を遊技者に明確に通知している。一方、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態が実行された場合には、確変短当り遊技状態及び小当り遊技状態コマンドテーブルから液晶表示装置50にて所定の演出表示を指定する演出コマンドと共に、下部スピーカ14にて所定の音出力態様の出力を指定する演出コマンドを選択するが、例えば、短当り開始コマンドが次回からの変動表示にてチャンス演出が実行される旨をチャンス演出突入表示により遊技者に通知しているように、大当り遊技状態とは異なり、確変短当り遊技状態や小当り遊技状態の開始や実行中を遊技者に明確に通知していない。ここで、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態の実行が遊技者に把握された場合には、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態にて大入賞口62への遊技球の入賞が困難であり、多くの遊技球を得られる可能性が低いため、大当り遊技状態と比べると損したような印象を与えてしまう。この実施の形態では、確変短当り遊技状態又は小当り開閉短遊技状態が実行される場合に、確変短当り遊技状態や小当り遊技状態の開始や実行中を通知する演出表示を表示制御することなく、チャンス演出突入表示を表示制御したり、下部スピーカ14にて低音の音出力態様を出力制御することで、確変短当り遊技状態又は小当り遊技状態の実行(具体的には、条件作動装置の開閉制御の実行)を遊技者に気付かれ難くしている。
次に、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112によって実行される処理について説明する。図40はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図41は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
図40に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、統合CPU112は、初期設定処理を行う(ステップS71)。この初期設定処理は、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114をクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS71)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS72)。
この実施の形態では、統合CPU112は、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、即ち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットすると共に、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS72で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS73)、16ms定常処理を行う(ステップS74)。
この16ms定常処理では、主制御基板101から受信した演出コマンドに基づいて画像表示装置42、枠ランプ27,遊技盤ランプ、スピーカ14,29、回転ユニット60等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS72に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS73〜ステップS74を繰り返し行う。一方、ステップS72で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図41は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、サブ統合CPU112は、ステップS91〜ステップS95の処理を実行する。ステップS91のコマンド解析処理では、主制御基板101から受信した演出コマンドを解析する。ステップS92の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドに基づいて液晶表示装置50に関わる制御処理を実行する。具体的には、後述する予告演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS93の音制御処理では、スピーカ14,29に関わる制御処理を実行する。ステップS94のランプ制御処理では、遊技盤ランプ92,204a、枠ランプ27に関わる制御処理を実行する。ステップS95の情報出力処理では、表示制御基板120に表示コマンドを送信すると共に、ランプ駆動基板119にソレノイド駆動信号及びランプ点灯信号を送信する。ステップS96の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS92)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
ここで、上述した乱数更新処理(ステップS96)でサブ統合基板111に搭載される統合CPU112により更新される各種乱数について図42を参照して説明する。図42に示すように、この実施の形態では、装飾図柄の停止図柄として確変大当り図柄の決定に用いられる確変大当り図柄乱数、装飾図柄の停止図柄として非確変大当り図柄の決定に用いられる非確変大当り図柄乱数、装飾図柄の停止図柄としてはずれ図柄の決定に用いられるはずれ図柄乱数、発展式予告を実行するか否かを判定すると共に、発展式予告を実行すると判定されたときに発展式予告パターンの決定に用いられる発展式予告パターン乱数、チャンス演出を実行するときにカウント上限数の決定に用いられるチャンス演出カウント上限数乱数、通常状態又は内部確変状態でチャンス演出に突入するか否かの判定に用いられるチャンス演出突入判定乱数、等がある。
なお、16ms定常処理におけるステップS91〜ステップS96の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS91のコマンド解析処理から)実行しない。即ち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS72で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS96)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理及び16ms定常処理のいずれか一方又は両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図43は、コマンド解析処理(ステップS91)の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、統合CPU112は、まず、主制御基板101から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS601)。この実施の形態では、主制御基板101から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114における受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS601では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、受信コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS602)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS603)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステップS603にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットすると共に、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114における変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS604)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS603にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステップS605)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS605にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS606)。また、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS605にてNO)、受信した演出コマンド(確変大当りコマンド以外の当落コマンド、遊技状態コマンド等)に対応したフラグをセットする(ステップS607)。
図44は、演出制御処理(ステップS92:変動表示制御手段)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、統合CPU112は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS700〜ステップS702のうちいずれかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS700)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンド及び確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定すると共に、予告演出等の設定を行い、処理選択フラグを「1」に更新する。
処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS701)では、変動停止コマンドを受信したときに表示制御基板120に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行い、主制御基板101から大当り開始コマンドを受信していれば処理選択フラグを「2」に更新し、主制御基板101から大当り開始コマンドを受信していなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
処理選択フラグが「2」のときに実行される大当り表示処理(ステップS702)では、主制御基板101から送信される大当り開始コマンドに応じて画像表示装置42に大当り遊技状態の開始を示す表示を行うと共に、主制御基板101から送信される大当り中コマンドに応じて大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)を行うための制御を実行し、大当り終了コマンドを受信していれば大当り遊技状態の終了表示を行い、処理選択フラグを「0」に更新する。
図45は、装飾図柄変動開始処理(ステップS700)の一例を示すフローチャートである。装飾図柄変動開始処理において、統合CPU112は、まず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS710)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主制御基板101から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。即ち、ステップS710で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(ステップS710にてNO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS710にてYES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS711)、受信した変動表示パターンコマンドに基づく変動表示パターンが大当りを発生させる変動表示パターンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS712)。当りパターンであるか否かは、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータを参照することにより確認できる。
変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS712にてNO)、はずれ図柄の停止図柄を決定する(ステップS713)。また、変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS712にてYES)、確変短当りフラグ又は小当りフラグがセットされているか(当りを示すコマンドのうち確変短当り又は小当りを示すコマンドであるか)判別する(ステップS714)。確変短当りフラグ又は小当りフラグがセットされていれば(ステップS714にてYES)、装飾図柄の停止図柄(確変短当り図柄又は小当り図柄)として、左・中・右の装飾図柄のうち左及び右の装飾図柄が同一図柄であり、中の装飾図柄が数字図柄とは異なるチャンス演出突入図柄となる図柄の組み合わせに決定する(ステップS715)。ステップS714で確変短当りフラグ又は小当りフラグがセットされていなければ(ステップS714にてNO)、確変大当りフラグがセットされているか(当りを示すコマンドのうち確変大当りを示すコマンドであるか)判別し(ステップS716)、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS716にてYES)、確変大当り図柄の停止図柄を決定し(ステップS717)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS716にてNO)、非確変大当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS718)。
この実施の形態では、装飾図柄の確変大当り図柄として同一の奇数図柄(特定図柄)の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を停止図柄として決定し、装飾図柄の非確変大当り図柄として同一の偶数図柄(非特定図柄)の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を停止図柄として決定する。また、ステップS713ではずれ図柄の停止図柄を決定するときに、リーチ態様を伴う変動表示パターンであるかを判別し、リーチ態様を伴う変動表示パターンであれば、左・中・右の装飾図柄のうち左及び右の装飾図柄が同一図柄であり、中の装飾図柄は左及び右の装飾図柄とは異なる図柄となる停止図柄に決定する。一方、リーチ態様を伴わない変動表示パターンであれば、左・中・右の装飾図柄のそれぞれが異なる図柄となる停止図柄に決定する。
次いで、統合CPU112は、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判定を行う予告選択処理を実行した後(ステップS719)、確変短当り又は小当りの発生に伴って実行されるチャンス演出の設定を行うチャンス演出設定処理(ステップS720)、及び、チャンス演出を実行するか否かを判定するチャンス演出開始前処理(ステップS721)を実行し、次に、変動表示パターンと後述する予告種類格納領域に記憶される予告パターンとステップS713,S715,S716で決定した装飾図柄の停止図柄とに応じた表示コマンドをセットする(ステップS722:個別コマンド処理手段、第1演出態様制御手段)。そして、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS723)。なお、ステップS722でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて表示制御基板120に送信され、表示制御基板120に搭載される表示CPU121により当該表示コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置50にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。また、ステップS722で予告種類格納領域に記憶される予告パターンを読み出したときには、当該予告パターンを読み出した後、予告種類格納領域の内容をクリアする。これにより、次回の装飾図柄の変動表示にて誤って以前の装飾図柄の変動表示を開始するときに決定した予告パターンの予告演出が実行されることを防止できる。
図46は、予告選択処理(ステップS719)の一例を示すフローチャートである。予告選択処理において、統合CPU112は、まず、チャンス演出開始前処理(ステップS721)でセットされるチャンス演出実行フラグがON状態であるか(セットされているか)否かを判別する(ステップS730)。チャンス演出実行フラグがON状態であれば、そのまま予告選択処理を終了する。チャンス演出実行フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、この処理で用いられる発展予告パターン乱数を抽出し(ステップ731)、統合RAM114の所定の保存領域に記憶する。なお、発展予告パターン乱数は、乱数更新処理(ステップS96)にて更新されている。そして、発展予告パターンテーブル(図48参照)を選択し(ステップS732)、当該発展予告パターンテーブルに設定されている判定値と、抽出した発展予告パターン乱数の値と、が一致する発展予告パターンに決定する(ステップS733)。
次いで、発展予告を実行することが決定されている場合には(ステップS734)、ステップS733で決定した発展予告パターンをサブ統合基板111に搭載される統合RAM114の予告種類格納領域に記憶する(ステップS735)。
なお、発展予告パターンテーブルを図47に示す。この発展予告パターンテーブルには、発展予告パターンとして発展予告パターン番号0〜13の14種類が用意されている。また、発展予告パターン番号0に決定した場合には、発展予告を実行しない。即ち、発展予告パターンテーブルにおいては、発展予告パターン乱数に基づいて発展予告を実行するか否かを決定すると共に、発展予告を実行することが決定されたときには発展予告のいずれを実行するかを決定する。なお、発展予告を実行するか否かを判定する乱数を別に設け、この乱数に基づいて発展予告を実行する判定がなされたときに発展予告パターン乱数に基づいて発展予告パターン番号1〜13のいずれか1つの発展予告パターンに決定してもよい。また、後述する発展予告におけるステップ5を実行するか否かを判定する乱数を別に設け、ステップ1〜ステップ4を実行するか否かに関わらず、この乱数に基づいてステップ5を実行するか否かを決定してもよい。
また、この実施の形態では、発展予告パターンにてステップ1〜ステップ5のうち所定のステップが設定されており、決定された発展予告パターンにもとづいたステップを発展予告演出として順次実行しているが、ステップ1から順に、そのステップを実行するか否かを個々に決定してもよい。例えば、まずステップ1を実行するか否かを判定し、ステップ1を実行すると判定したときにステップ2を実行するか否かを判定するように、ステップ5まで実行するか否かの判定を繰り返す。この場合、ステップ毎に実行するか否かを判定する乱数は、上述した発展予告パターン乱数のみを用いてもよいし、ステップ毎に異なる乱数を用いてもよい。
また、図48に示すように、発展予告パターン番号1は、装飾図柄の変動表示を開始すると共に、平坦な土壌中を何かが動いているかのように土壌表面がモコモコと盛り上がり、該土盛りが画面内前方に向かってくるが、モグラキャラクタMOCが出現しない演出表示(ステップ1−1)を実行する発展予告パターンである。また、発展予告パターン番号2は、装飾図柄の変動表示を開始すると共に、平坦な土壌中を何かが動いているかのように土壌表面がモコモコと盛り上がり、該土盛りが画面内前方に向かってきた後、モグラキャラクタMOCが土盛りの先端から出現する演出表示(ステップ1−2)を実行する発展予告パターンである。
発展予告パターン番号3は、発展予告パターン番号2の発展予告パターンと同様にモグラキャラクタMOCの演出表示(ステップ1−2)を実行し、所定期間経過後にゴン父キャラクタTCを出現させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。また、発展予告パターン番号4は、発展予告パターン番号3の発展予告パターンと同様にモグラキャラクタMOCの演出表示(ステップ1−2)、ゴン父キャラクタTCの演出表示(ステップ2)を順次実行し、所定期間経過後に類人猿キャラクタRCを出現(ステップ3)させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。
発展予告パターン番号5は、発展予告パターン番号4の発展予告パターンと同様にモグラキャラクタMOCの演出表示(ステップ1−2)、ゴン父キャラクタTCの演出表示(ステップ2)、類人猿キャラクタRCの演出表示(ステップ3)を順次実行し、所定期間経過後にゴンキャラクタGCを出現(ステップ4−1)させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。また、発展予告パターン番号6は、発展予告パターン番号4の発展予告パターンと同様にモグラキャラクタMOCの演出表示(ステップ1−2)、ゴン父キャラクタTCの演出表示(ステップ2)、類人猿キャラクタRCの演出表示(ステップ3)を順次実行し、所定期間経過後にゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCの二人組のキャラクタを出現(ステップ4−2)させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。
発展予告パターン番号7〜13は、発展予告パターン番号0〜6のそれぞれと同様の演出表示を実行した後、装飾図柄の組み合わせとしてリーチ態様を表示し、その後にリーチ演出が実行されることを遊技者に認識させる演出表示の実行期間にマンモスキャラクタMCを出現(ステップ5)させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。
この実施の形態で実行される発展予告演出では、複数段階に設定された演出を低い段階に設定される演出から高い段階に設定される演出に向けて順次実行される。具体的には、最も低い1段階(ステップ1)に土盛りからモグラキャラクタMOCが出現しない演出(ステップ1−1)、土盛りからモグラキャラクタMOCが出現する演出(ステップ1−2)を各々設定し、2段階(ステップ2)にゴン父キャラクタTCが出現する演出を設定し、3段階(ステップ3)に類人猿キャラクタRCが出現する演出を設定し、4段階(ステップ4)にゴンキャラクタGCのみが出現する演出(ステップ4−1)、ゴンキャラクタGCと共にピーコキャラクタPCが出現する演出(ステップ4−2)を各々設定し、最も高い5段階(ステップ5)にマンモスキャラクタMCを設定している。
ここで、1段階(ステップ1−1及びステップ1−2)では、土盛りが画面内前方に向かうまでが同一の演出態様であり、その後にモグラキャラクタMOCが出現するか否かが異なる。そして、土盛り後にモグラキャラクタMOCが出現する演出(ステップ1−2)が実行された場合にのみ、2段階(ステップ2)に継続可能となる。また、4段階(ステップ4−1及びステップ4−2)では、少なくともゴンキャラクタGCが出現する類似した演出態様であり、ゴンキャラクタGCと共にピーコキャラクタPCが出現するか否かが異なる。この場合、ゴンキャラクタGCのみが出現する演出(ステップ4−1)、ゴンキャラクタGCと共にピーコキャラクタPCが出現する演出(ステップ4−2)のいずれが実行された場合にも、5段階(ステップ5)に継続可能となる。
なお、5段階(ステップ5)は、1段階(ステップ1)〜4段階(ステップ4)の演出の一部又は全部が実行されることなく、順次実行される演出とは無関係に実行されることがある(発展予告パターン番号7〜10の発展予告パターン)。即ち、4段階(ステップ4)以前に段階的な演出が終了してしまっても、5段階(ステップ5)の演出が実行されることがあり、当該演出に最後まで注目させることができる。
発展予告パターンテーブルは、図47に示すように、ステップS733で発展予告パターン乱数に基づいて発展予告パターンを決定するためのテーブルである。発展予告パターンテーブルでは、変動表示パターンコマンドの各々に対応して発展予告パターン番号0〜13の14種類の発展予告パターンに発展予告パターン乱数の値が振り分けられている。
なお、発展予告パターンテーブルでは、変動番号1,2の変動表示パターンに対して、発展予告パターン番号7〜13の発展予告パターンに発展予告パターン乱数の値が振り分けられていない。これは、発展予告パターン番号7〜13の発展予告パターンに組み込まれたステップ5の演出がリーチ態様の表示後にリーチ演出が実行されることを遊技者に認識させる演出表示(リーチ態様確定画面)の実行期間に実行される演出であり、変動番号1,2の変動表示パターンが実行された場合には、当該演出表示(リーチ態様確定画面)が実行されないためである。
また、発展予告パターンテーブルでは、変動番号2の変動表示パターンに対して、発展予告パターン番号1〜13の発展予告パターンに発展予告パターン乱数の値が振り分けられていない。これは、変動番号2の変動表示パターンが特別図柄及び装飾図柄の変動時間を短くした変動表示パターンであり、発展予告パターンに組み込まれた演出を実行するのに必要な実行時間が用意されていないためである。但し、上記のように時短制御が実行されている場合に選択される変動表示パターンであっても、1段階(ステップ1)〜4段階(ステップ4)の演出の少なくとも一部を実行するのに必要な実行時間(例えば、1段階(ステップ1)から2段階(ステップ2)までを実行可能とする実行時間)を用意し、当該演出を実行する発展予告パターンに発展予告パターン乱数の値を振り分けてもよい。
また、発展予告パターンテーブルでは、変動番号3〜24の当り時変動表示パターンに対してのみ、発展予告パターン番号13の発展予告パターンに発展予告パターン乱数の値が振り分けられている。即ち、発展予告パターン番号13の発展予告パターンに組み込まれたステップ1−2、ステップ2、ステップ3、ステップ4−2、ステップ5の演出が順次実行されたときには、今回の変動表示の結果、大当りが導出される。
また、発展予告パターンテーブルでは、発展予告の進行状況に応じて大当り期待度が異なるように設定されている。具体的には、発展予告で最終的に表示される演出が先のステップ(例えば、ステップ1よりもステップ2、ステップ2よりもステップ3)であるに連れて、大当り期待度が高くなるように設定されている。即ち、ステップ5の演出が組み込まれた発展予告パターン番号12,13の発展予告パターンの大当り期待度が最も高い。なお、ステップ1〜ステップ4の演出の一部又は全部が順次実行されないにも関わらずステップ5の演出が実行される発展予告パターン番号7〜11の発展予告パターンも、発展予告パターン番号12,13の発展予告パターンと同程度に大当り期待度が設定されている。
また、発展予告で最終的に表示される演出が同一の1段階(ステップ1)であっても、ステップ1−1の演出が実行される発展予告パターン番号1の発展予告パターンよりもステップ1−2の演出が実行される発展予告パターン番号2の発展予告パターンのほうが、大当り期待度が高くなるように設定されている。また、発展予告で表示される演出が同一の4段階(ステップ4)であっても、ステップ4−1の演出が実行される発展予告パターン番号5,12の発展予告パターンよりもステップ4−2の演出が実行される発展予告パターン番号6,13のほうが、それぞれ大当り期待度が高くなるように設定されている。
次に、発展予告演出の一例について図49を参照して説明する。図49は、発展予告パターン番号13の発展予告パターンに基づく発展予告演出の一例を示す説明図である。サブ統合基板111にて変動表示パターンコマンドを受信すると、装飾図柄変動開始処理のステップS722で当該変動表示パターンと停止図柄とに応じた表示コマンドと共に、当該変動表示パターンに基づいて決定された各種予告パターン(ここでは、発展予告パターン番号9の発展予告パターン)に応じた表示コマンドをセットし、情報出力処理(ステップS95)で表示制御基板120に送信する。表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、受信した表示コマンドに基づいて表示ROM122からプロセスデータを読み出し、当該プロセスデータに基づいてタイマ(表示画像の切替タイミング等を示す)を設定すると共に、液晶表示装置50に駆動信号を出力して装飾図柄50a〜50cの変動表示を開始する(図49(A))。
なお、装飾図柄50a〜50cは、変動表示の開始時に液晶表示装置50の画面内上方から下方に向けて低速変動から高速変動に移行して変動表示している。また、装飾図柄50a〜50cは、不透明の態様で変動表示しているが、高速変動させることで当該装飾図柄50a〜50cの変動表示領域の背面にある背景画像を見通すことができる。なお、装飾図柄50a〜50cの各々が停止表示される以前に、再び高速変動から低速変動へと移行させることで、装飾図柄50a〜50cが停止表示されることを遊技者が認識することができると共に、いずれの図柄で停止表示されそうであるかも容易に認識することができる。また、この実施の形態では、装飾図柄50a〜50cを常に不透明の態様で変動表示しているが、低速変動から高速変動に移行する過程において背景画像を見通すことを阻害しない半透明の態様で変動表示し、高速変動から低速変動に移行する過程において再び不透明の態様で変動表示してもよい。
この実施の形態では、装飾図柄50a〜50cとして「0」〜「9」の10種類の図柄が用いられている。また、装飾図柄50a〜50cは、「1」,「3」,「5」,「7」,「9」の5種類の奇数図柄である特定図柄と、「0」,「2」,「4」,「6」,「8」の5種類の偶数図柄である非特定図柄と、から構成され、表示制御基板120の表示ROM122に記憶されている。そして、上述した装飾図柄変動開始処理のステップS717で決定する確変大当り図柄の停止図柄として特定図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせに決定し、ステップS718で決定する非確変大当り図柄の停止図柄として非特定図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせに決定する。
また、装飾図柄50a〜50cの形態は、各種数字が立体的に視認されるように肉厚をもった態様であり、その表面部は巨大な岩石を切り出したようにゴツゴツとし、所々がヒビ割れていることで、強い力を加えたりすれば崩れ落ちそうなイメージを醸し出している。また、特定図柄となる装飾図柄50a〜50cは、配色を赤色とすると共に、遊技者の図柄(数字)の認識を妨げない程度に数字面側を若干、左方向に回転された態様とする一方、非特定図柄となる装飾図柄50a〜50cは、配色を青色とすると共に、数字面側を若干、右方向に回転された態様とすることで、遊技者が一見しただけでも特定図柄又は非特定図柄のいずれの図柄であるかを簡単に区別することができる。
図49(A)に示すように、プロセスデータに基づいて装飾図柄50a〜50cの変動表示を開始するときには、平坦な土壌中を何かが動いているかのように土壌表面がモコモコと盛り上がり、該土盛りが液晶表示装置50の画面内前方に向かってくる演出態様を表示制御する。
図49(A)で土盛りが画面内前方に向かってくる演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後にモグラキャラクタMOCが土盛りの先端からひょっこりと顔を出す演出態様を表示制御する(図49(B))。なお、上述した1段階のステップ1−2とは、平坦な土壌が表示制御された段階から土盛り後にモグラキャラクタMOCが出現する演出態様が表示制御される1段階へと段階を発展させた状態である。
図49(B)でモグラキャラクタMOCが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後にモグラキャラクタMOCが土壌へと戻るのと入れ替わりに、ゴン父キャラクタTCが画面内右方から中央付近へと足早に現れ、石斧を振り上げて存在をアピールする演出態様を表示制御する(図49(C))。なお、上述した2段階のステップ2とは、モグラキャラクタMOCが出現する演出態様が表示制御された1段階からゴン父キャラクタTCが出現する演出態様が表示制御される2段階へと段階を発展させた状態である。
図49(C)でゴン父キャラクタTCが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後にゴン父キャラクタTCが画面内中央付近から後方へと走り去るのと入れ替わりに、類人猿キャラクタRCが画面内右方から中央付近へと足早に現れる演出態様を表示制御する(図49(D))。なお、上述した3段階のステップ3とは、ゴン父キャラクタTCが出現する演出態様が表示制御された2段階から類人猿キャラクタRCが出現する演出態様が表示制御される3段階へと段階を発展させた状態である。
図49(D)で類人猿キャラクタRCが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後に類人猿キャラクタRCが画面内中央付近から後方へと走り去るのと入れ替わりに、ゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCの二人組が画面内右方から中央付近へと歩いて現れる演出態様を表示制御する(図49(E))。なお、上述した4段階のステップ4−2とは、類人猿キャラクタRCが出現する演出態様が表示制御された3段階からゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCの二人組が出現する演出態様が表示制御される4段階へと段階を発展させた状態である。また、左装飾図柄50aは、ゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCの二人組が画面内右方から出現した後のタイミングで、高速変動から低速変動に移行して変動表示している。
図49(E)で左装飾図柄50aが低速変動に移行した後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後に左装飾図柄50aが指定された停止図柄の1図柄手前(同図中では、「6」を例示)で一旦、停止表示されるかのように表示されるが、ゴンキャラクタGCが画面内右方から左方へと移動して左装飾図柄50aの前方を横切る過程において、当該1図柄手前の図柄を次の図柄(停止図柄:同図中では、「7」を例示)が押し潰して粉砕する演出態様を表示制御し、左装飾図柄50aを停止表示する(図49(F))。このとき、ゴンキャラクタGCがもっている石斧で当該1図柄手前の図柄を叩き割る仕草をする演出態様も表示制御するため、ゴンキャラクタGCによって指定された停止図柄が出現したかのように見せることができる。
この実施の形態では、左装飾図柄50aとゴンキャラクタGCとが重なり合う、即ち左装飾図柄50aの変動表示領域とゴンキャラクタGCの通過表示領域とが交差するタイミングで、左装飾図柄50aが停止表示される。これにより、発展予告演出として順次表示されるキャラクタを注視している遊技者にとっても、左装飾図柄50aの停止表示に気付かせることができ、またゴンキャラクタGCと左装飾図柄50aとの間で視点の移動も必要ないことから、自然に左装飾図柄50aを注視させることができる。換言すると、左装飾図柄50aの停止図柄が特定図柄又は非特定図柄のいずれの図柄であるかを早く認識したい遊技者にとっても、発展予告演出として順次表示されるキャラクタを安心して注視することができる。
図49(F)で左装飾図柄50aが停止表示された後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後にゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCの二人組が画面内左方へと立ち去り、さらに左装飾図柄の変動表示と同様に、右装飾図柄50cが指定された停止図柄の1図柄手前で一旦、停止表示されるかのように表示されるが、当該1図柄手前の図柄を次の図柄(停止図柄)が押し潰して粉砕する演出態様を表示制御する。ここで、右装飾図柄50cは、プロセスデータに基づいて左装飾図柄50aと同一の停止図柄(同図中では、「7」を例示)で停止表示される(図49(G))。即ち、未だ中装飾図柄50bが変動表示しているが左右装飾図柄50a,50cが停止表示されることで、リーチ態様が形成される。
次いで、リーチ態様を形成し、その後にリーチ演出が実行開始されることを認識させる「リーチ」の文字が画面内後方から画面内前方に向かってくる演出態様をリーチ態様確定画面として表示制御する(図49(H))。また、リーチ態様確定画面では、「リーチ」の文字と共に3匹のマンモスキャラクタMCが土煙を上げながら画面内後方から画面内前方に向かってくる演出態様も表示制御される。なお、上述した5段階のステップ5とは、ゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCの二人組が出現する4段階からマンモスキャラクタMCが出現する演出態様が表示制御される5段階へと段階を発展させた状態である。
この実施の形態では、キャラクタを段階毎に切り替えて出現させることにより、各段階にて各々のキャラクタを遊技者に確実に認識させ、発展予告演出の段階を把握させることができる。なお、段階を発展させる場合に、キャラクタを継続して出現させる(例えば、2段階においては、モグラキャラクタMOC及びゴン父キャラクタTCを出現させる)ことにより、各段階にて複数のキャラクタが出現する演出態様を表示制御してもよい。この場合、遊技者は、出現しているキャラクタの個数によって発展型予告演出の段階を把握することができ、さらに発展予告演出の段階が発展することによって大当り期待度が高くなるため、出現しているキャラクタの個数に応じて大当りが導出される期待感を高めることができる。
次に、発展予告演出と装飾図柄50a〜50cの変動表示の停止タイミングとの関係について図50を参照して説明する。図50は、発展予告演出のタイミングチャートの一例を示す説明図である。
図50に示すように、変動表示パターンに設定された演出態様(第1の演出態様)は、変動時間(演出時間)が経過するにつれて「通常変動」、「リーチ演出」(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、発展演出を含む。)の順で実行される。なお、リーチ態様が形成されるか否かまでの「通常変動」の演出時間には、変動表示パターンに基づいて発展予告パターンテーブル(図47参照)から決定された発展予告パターンに応じて、ステップ1(1段階)〜ステップ4(4段階)の所定の演出表示が実行される。この実施の形態では、「通常変動」の演出時間として約11秒が設定されており、当該「通常変動」にて実行されるステップ1からステップ3の各段階において約2秒、ステップ4においてステップ1からステップ3の各段階よりも若干長い約3秒がそれぞれ設定されている。これにより、キャラクタを約2秒(ステップ4の場合には、約3秒)毎で切り替えて出現させることにより、各段階にて各々のキャラクタを遊技者が認識するための時間を十分に確保でき、発展予告演出の段階を把握させることができる。
なお、この実施の形態では、リーチ態様が形成されない場合、即ち変動番号1の変動表示パターンに基づいて、発展予告パターンテーブル(図47参照)から発展予告パターン番号4〜6の発展予告パターンが決定されることがなく、ステップ3及びステップ4の演出表示が実行されることがないが、発展予告パターン番号4〜6の発展予告パターンを決定可能とし、ステップ3及びステップ4の演出表示を実行してもよい。この場合にも、リーチ態様が形成される場合と同様に、「通常変動」の所定の演出時間内にステップ1(1段階)〜ステップ4(4段階)の所定の演出表示が実行される。
また、上述したように、装飾図柄50a〜50cの変動表示は、変動表示の開始時に低速変動から高速変動に移行し、所定時間経過後に左装飾図柄50a、右装飾図柄50cの順序で高速変動から低速変動に移行し、各々の装飾図柄50a,50cを指定された停止図柄で順次停止表示する。詳細には、発展予告演出におけるステップ4の開始時にゴンキャラクタGCを出現させた後、装飾図柄50a〜50cのうち最初に停止表示される左装飾図柄50a(第一停止図柄)を高速変動から低速変動に移行する過程を経て、指定された停止図柄で停止表示する。そして、左装飾図柄50aが停止表示されるタイミングと略同時期に、左装飾図柄50aの次に停止表示される右装飾図柄50c(第二停止図柄)を高速変動から低速変動に移行した後、指定された停止図柄で停止表示する。
この実施の形態では、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させている。一般に、変動表示の結果、大当りが導出される場合には、大当り図柄として同一図柄の組み合わせを表示することになり、中装飾図柄50b、右装飾図柄50c(第一停止図柄以外の図柄)が左装飾図柄50a(第一停止図柄)の停止図柄と同一図柄で停止表示されるため、左装飾図柄50aが特定図柄又は非特定図柄のいずれかで停止表示された時点で、確変大当り図柄又は非確変大当り図柄のいずれとなるか(特定図柄又は非特定図柄のいずれの組み合わせとなるか)を判別することができる。この確変大当り図柄又は非確変大当り図柄のいずれとなるかは、大当り遊技状態の終了後に得られる遊技者の利益(確率変動状態となるか否か)に直接的に関わるため、左装飾図柄50aの変動表示の行方に注目することになる。
例えば、発展予告演出におけるキャラクタの出現と、左装飾図柄50a(第一停止図柄)の停止表示と、が同時期に実行された場合、左装飾図柄50aの変動表示の行方に注目している遊技者にとっては、発展予告演出が実行されたにも関わらずキャラクタの出現に注目することができず、キャラクタの出現を見逃すことがあった。しかしながら、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させることで、ゴンキャラクタGCの出現から左装飾図柄50aの停止表示に自然に遊技者の意識を移行させることができる。従って、発展予告演出におけるキャラクタの出現と、左装飾図柄50a(第一停止図柄)の停止表示と、を共に見逃すことがなく、発展予告演出による演出効果を存分に発揮することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
さらに、この実施の形態では、左装飾図柄50aを停止表示する前段階である低速変動に移行するまでに、発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させている。これにより、左装飾図柄50a(第一停止図柄)が低速変動に移行し、左装飾図柄50aがいずれの図柄で停止表示されそうであるかに遊技者の意識が向かい始める時期には、既にステップ4のキャラクタが出現しており新たなキャラクタが出現することがなく、発展予告演出におけるキャラクタの出現を見逃すことがなく、発展予告演出による演出効果を存分に発揮することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、この実施の形態では、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させているが、ステップ4の終了(ゴンキャラクタGCが画面内から立ち去るまで)には至っていない。しかしながら、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、少なくとも発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させればよく、図51に示すように、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ4を終了させてもよい。
具体的には、発展予告演出におけるステップ4を終了させた(ゴンキャラクタGCを画面内から立ち去らせた)後、装飾図柄50a〜50cのうち最初に停止表示される左装飾図柄50a(第一停止図柄)を高速変動から低速変動に移行する過程を経て、指定された停止図柄で停止表示する。そして、左装飾図柄50aが停止表示されるタイミングと略同時期に、左装飾図柄50aの次に停止表示される右装飾図柄50c(第二停止図柄)を高速変動から低速変動に移行した後、指定された停止図柄で停止表示する。この場合、発展予告演出におけるキャラクタの出現と、左装飾図柄50a(第一停止図柄)の停止表示と、を共に見逃すことがなく、さらに発展予告演出のステップ4にてゴンキャラクタGCを遊技者が認識するための時間を十分に確保することで発展予告演出の段階を容易に把握させることができ、発展予告演出による演出効果を存分に発揮することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、図50に示すように、リーチ態様が形成された後の「リーチ演出」の開始態様である「リーチ態様確定画面」の演出時間には、変動表示パターンに基づいて発展予告パターンテーブル(図47参照)から決定された発展予告パターンに応じて、ステップ5(5段階)の演出表示が実行される。この実施の形態では、「リーチ態様確定画面」の演出時間として約2秒が設定されている。
この実施の形態では、左装飾図柄50a及び右装飾図柄50cを指定された停止図柄で停止表示した後に、発展予告演出におけるステップ5のマンモスキャラクタMCを出現させている。一般に、右装飾図柄50c(第二停止図柄)が停止表示されるタイミングでは、左装飾図柄50a(第一停止図柄)の停止図柄と同一図柄で停止表示されるか否か、即ちリーチ態様が形成されるか否かを判別することができ、その後の変動表示の結果(中装飾図柄50bの停止図柄によっては)、大当りが導出される可能性があるか否かに関わるため、左装飾図柄50aの変動表示の行方と同様に、右装飾図柄50cの変動表示の行方にも注目している。
しかしながら、この実施の形態では、左装飾図柄50a(第一停止図柄)及び右装飾図柄50c(第二停止図柄)が停止表示されるタイミングでは、発展予告演出によりキャラクタが出現することがなく、左装飾図柄50a及び右装飾図柄50cの停止表示に注目することを妨げることがない。これにより、左装飾図柄50aが停止表示される前の発展予告演出(ステップ1〜ステップ4)、左装飾図柄50a及び右装飾図柄50cの停止表示、リーチ態様確定画面における発展予告演出(ステップ5)、リーチ態様確定画面後のリーチ演出という流れで、それぞれを自然に遊技者の意識を移行させることができる。従って、発展予告演出におけるキャラクタの出現と、左装飾図柄50a(第一停止図柄)及び右装飾図柄50c(第二停止図柄)の停止表示と、を共に見逃すことがなく、発展予告演出による演出効果を存分に発揮することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態では、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させている一方で、左装飾図柄50a及び右装飾図柄50cを指定された停止図柄で停止表示した後に、発展予告演出におけるステップ5のマンモスキャラクタMCを出現させている。ここで、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ5のマンモスキャラクタMCを出現させようとすると、各段階にて各々のキャラクタを遊技者が認識するための時間を十分に確保できず、発展予告演出の段階を把握させることが困難となる。しかしながら、「リーチ態様確定画面」にてキャラクタを出現させることで、左装飾図柄50a及び右装飾図柄50cの停止表示に注目することを妨げることがなく、且つ、5段階のキャラクタを遊技者が認識するための時間を十分に確保することができ、発展予告演出の段階を把握させること容易とする。
図52は、装飾図柄変動開始処理(ステップS700)で実行されるチャンス演出設定処理(ステップS720:指令演出表示制御手段)の一例を示すフローチャートである。チャンス演出設定処理において、統合CPU112は、まず、チャンス演出開始前処理(ステップS721)でセットされるチャンス演出実行フラグがON状態であるか(セットされているか)否かを判別する(ステップS801)。チャンス演出実行フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、そのままチャンス演出設定処理を終了する。チャンス演出実行フラグがON状態であれば、変動表示パターンが当りパターンであるか否か判別する(ステップS802)。変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS802にてYES)、チャンス演出当り表示コマンドをセットした後に(ステップS803:同一コマンド処理手段、第2演出態様制御手段)、チャンス演出実行フラグをリセットして(ステップS804)、チャンス演出設定処理を終了する。なお、変動表示パターンが当りパターンであるか否かは、受信した変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータを参照することにより確認できる。
また、変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS802にてNO)、チャンス演出はずれ表示コマンドをセットする(ステップS805:同一コマンド処理手段、第2演出態様制御手段)。その後、統合CPU112は、チャンス演出開始前処理のステップS816でセットされるチャンス演出用のカウンタの値から変動表示パターンに応じた値(対応値、減算値)を減算する(ステップS806:カウンタ演算手段、カウンタ値減算手段)。そして、統合CPU112は、チャンス演出用のカウンタ値が「0」以下であるか否かを判定し(ステップS807)、カウンタ値が「0」以下であれば(特別終了条件、指令終了条件の成立)、ステップS804に移行してチャンス演出実行フラグをリセットする(特別演出終了制御手段、指令演出終了制御手段)。
ここで、変動表示パターンに応じた値は、図54(A)に示す通りである。具体的には、図54(A)に示す「斧投げ回数」が変動表示パターンに応じた値となる。変動時間が6秒となる変動番号1の変動表示パターンが選択されているときは、チャンス演出用のカウンタから「1」が減算される。同様にして、変動時間が12秒となる変動番号3の変動表示パターン又は変動時間が15秒となる変動番号4の変動表示パターンが選択されているときは、チャンス演出用のカウンタから「2」が減算され、変動時間が18秒となる変動番号5の変動表示パターン又は変動時間が21秒となる変動番号6の変動表示パターンが選択されているときは、チャンス演出用のカウンタから「3」が減算され、変動時間が24秒となる変動番号7の変動表示パターン又は変動時間が27秒となる変動番号8の変動表示パターンが選択されているときは、チャンス演出用のカウンタから「4」が減算され、変動時間が30秒となる変動番号9,25,26の変動表示パターン又は変動時間が33秒となる変動番号10の変動表示パターンが選択されているときは、チャンス演出用のカウンタから「5」が減算され、変動時間が36秒となる変動番号11の変動表示パターン又は変動時間が39秒となる変動番号12の変動表示パターンが選択されているときは、チャンス演出用のカウンタから「6」が減算され、変動時間が42秒となる変動番号13,17の変動表示パターン又は変動時間が45秒となる変動番号14,18の変動表示パターンが選択されているときは、チャンス演出用のカウンタから「7」が減算され、変動時間が48秒となる変動番号15,19の変動表示パターン又は変動時間が51秒となる変動番号16,20の変動表示パターンが選択されているときは、チャンス演出用のカウンタから「8」が減算され、変動時間が54秒となる変動番号21の変動表示パターン又は変動時間が57秒となる変動番号22の変動表示パターンが選択されているときは、チャンス演出用のカウンタから「9」が減算され、変動時間が60秒となる変動番号23の変動表示パターン又は変動時間が63秒となる変動番号24の変動表示パターンが選択されているときは、チャンス演出用のカウンタから「10」が減算される(対応値設定手段、同一コマンド処理手段)。
なお、「斧投げ回数」とは、チャンス演出時の1回の変動表示でゴン父キャラクタTCが石斧ON(図56参照)を投げる回数に対応しており、例えば、チャンス演出時に「斧投げ回数」が2回となる変動番号3の変動表示パターンが選択された場合は、1回の変動表示でゴン父キャラクタTCが石斧ONを2回投げる演出表示が行われ、「斧投げ回数」が10回となる変動番号23の変動表示パターンが選択された場合は、1回の変動表示でゴン父キャラクタTCが石斧ONを10回投げる演出表示が行われる。
図53は、装飾図柄変動開始処理(ステップS700)で実行されるチャンス演出開始前処理(ステップS721:特別演出開始制御手段、コマンド処理切替手段)の一例を示すフローチャートである。チャンス演出開始前処理では、統合CPU112は、まず、小当りフラグがセットされているか判別し(ステップS811)、小当りフラグがセットされていれば(ステップS811にてYES:特別開始条件、指令開始条件の成立)、前述した大当り判定処理の小当り判定(ステップS60)で決定された微時短制御の回数をそのままカウント上限数の値(終了決定値、所定の上限数値)としてチャンス演出用のカウンタ(カウンタ手段)にセットし(ステップS812)、その後、ステップS817に移行する。一方、小当りフラグがセットされていなければ(ステップS811にてNO)、確変短当りフラグがセットされているか判別する(ステップS813)。
そして、統合CPU112は、確変短当りフラグがセットされていれば(ステップS813にてYES:特別開始条件、指令開始条件の成立)、図54(B)に示すカウント上限数判定テーブル(終了決定値記憶手段)を参照して、チャンス演出カウント上限数乱数の抽出値からチャンス演出でのカウント上限数を決定する(ステップS815:終了決定値決定手段)。なお、図54(B)に示すように、カウント上限数判定テーブルでは、0〜9までの10個のチャンス演出カウント上限数乱数のうち、50回のカウント上限数を決定する判定値が5個設定され、30回のカウント上限数を決定する判定値が3個設定され、10回のカウント上限数を決定する判定値が2個設定されている。これにより、確変短当りの発生に伴って実行されるチャンス演出のカウント上限数は、「50回」が50%、「30回」が30%、「10回」が20%の確率で決定されるようになっている。
その後は、ステップS815で決定されたカウント上限数の値(終了決定値、所定の上限数値)をチャンス演出用のカウンタ(カウンタ手段)にセットし(ステップS816:終了決定値設定手段、上限数値セット手段)、また、チャンス演出実行フラグをセットする(ステップS817)。即ち、ステップS816では、カウント上限数に「50回」が決定されたときは、チャンス演出用のカウンタに「50」をセットし、カウント上限数に「30回」が決定されたときは、チャンス演出用のカウンタに「30」をセットし、カウント上限数に「10回」が決定されたときは、チャンス演出用のカウンタに「10」をセットする。
また、ステップS813で確変短当りフラグがセットされていないときは(ステップS813にてNO)、チャンス演出実行フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS818)。チャンス演出実行フラグがセットされていなければ(ステップS818にてNO)、チャンス演出突入判定乱数の抽出値に基づいてチャンス演出に突入するか否かを判別する(ステップS819)。具体的には、図54(C)に示す状態別(通常状態と内部確変状態)のチャンス演出突入判定テーブルを参照して、チャンス演出突入判定乱数の抽出値からチャンス演出に突入するか否かを決定する(指令開始判定手段)。なお、通常状態のチャンス演出突入判定テーブルでは、0〜99までの100個のチャンス演出突入判定乱数のうち突入決定値が1個設定されており、内部確変状態のチャンス演出突入判定テーブルでは、0〜99までの100個のチャンス演出突入判定乱数のうち突入決定値が10個設定されている。即ち、通常状態では、1/100の確率でチャンス演出に突入する一方、内部確変状態では、1/10の確率でチャンス演出に突入するようになっている。通常状態及び内部確変状態以外の遊技状態となる時短有の確変状態では、チャンス演出突入判定乱数の抽出に基づいたチャンス演出の突入判定は行われないようになっている。即ち、確変大当り遊技状態の終了後に発生する確変状態では、チャンス演出が実行されないようになっている。
その後、統合CPU112は、カウント上限数の値(終了決定値、所定の上限数値)として「30」の値をチャンス演出用のカウンタ(カウンタ手段)にセットし(ステップS820:終了決定値設定手段、上限数値セット手段)、前記ステップS817に移行して、チャンス演出開始前処理を終了する。即ち、小当り又は確変短当り以外の突入契機となるチャンス演出突入判定乱数の抽出に基づいてチャンス演出への突入が決定された場合には、カウント上限数に固定値となる「30回」が一律でセットされる。但し、このような構成に限定するものではなく、小当り又は確変短当りを契機としてチャンス演出に突入する場合と同様に、チャンス演出カウント上限数乱数の抽出に基づいてカウント上限数を複数種類の中から選択するようにしてもよい。
次に、チャンス演出(第2の演出態様)の一例について図55及び図56を参照して説明する。図55及び図56は、チャンス演出の一例を示す説明図である。チャンス演出実行フラグがセットされている状態で、サブ統合基板111が変動表示パターンコマンドを受信すると、チャンス演出設定処理のステップS803又はステップS805で当該変動表示パターンに応じたチャンス演出表示用のコマンドをセットし、情報出力処理(ステップS95)で表示制御基板120に送信する。表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、受信した表示コマンドに基づいて表示ROM122からプロセスデータを読み出し、当該プロセスデータに基づいてタイマ(表示画像の切替タイミング等を示す)を設定すると共に、液晶表示装置50に駆動信号を出力して変動表示パターンに応じたチャンス演出を表示する。
チャンス演出時の液晶表示装置50での表示は、図55及び図56に示すように、表示画面のほぼ中央領域でゴン父キャラクタTCがイノシシキャラクタICに向って石斧ONを投げ付ける演出表示(特定の演出態様、指令実行演出態様)が行われ(図56参照)、表示画面の左側領域には、前述したチャンス演出用のカウンタ値と対応したカウント数をトータル残り回数として表示するトータル残り回数表示部50d(カウンタ値表示手段)が設けられる一方、表示画面の右側領域には、今回の変動表示で石斧ONを投げる残りの回数を表示する今回残り回数表示部50e(カウント表示手段)が設けられる。具体的に、トータル残り回数表示部50dには、「あと・個」の文字が表示され、「・」の部分にトータル残り回数がカウントダウンで表示される。
なお、チャンス演出の開始時点では、図55に示すように、表示画面のほぼ中央領域には、チャンス演出が開始された旨を遊技者に認識させると共に、遊技者に対して指令を提示する「石斧で獲物を倒せ!!」の文字51が表示される。即ち、チャンス演出は、その開始時点で遊技者に指令を提示し、当該指令が達成されるか否かによって大当りになるか否かを決定する指令演出として構成されている。また、チャンス演出開始時のトータル残り回数表示部50dには、前記チャンス演出開始前処理のステップS812、ステップS816、又はステップS820でセットされるカウント上限数が表示される。具体的には、カウント上限数に「50」がセットされたときには、図55(A)に示すように、トータル残り回数表示部50dに「あと50個」の文字が表示され、カウント上限数に「30」がセットされたときには、図55(B)に示すように、トータル残り回数表示部50dに「あと30個」の文字が表示され、カウント上限数に「10」がセットされたときには、図55(C)に示すように、トータル残り回数表示部50dに「あと10個」の文字が表示される。また、今回残り回数表示部50eは、上下方向に並列した計10個の表示部から構成されている。そして、今回の変動表示の開始時点では、今回残り回数表示部50eを構成する10個の表示部のうち、今回の変動表示パターンに応じた「斧投げ回数」の数だけ下から順に点灯表示され、石斧ONが投げられる毎に上から順に消灯表示されていく(複数回指令実行表示制御手段)。
図56(A)のチャンス演出の表示画面では、石斧ONを振りかざしたゴン父キャラクタTCが表示され、トータル残り回数表示部50dには「あと9個」の文字が表示されることで、チャンス演出で石斧ONを投げる残りの演出回数が9回である旨を遊技者に認識させている。また、今回残り回数表示部50eには、計10個の表示部のうち3個の表示部が点灯表示されることで(図56中には、薄く表示された部分が消灯部分を示し、濃く表示された部分が点灯部分を示す)、今回の変動表示において石斧ONを投げる残りの演出回数が3回である旨を遊技者に認識させている。
なお、このように1回の変動表示において斧投げ回数が3回となるのは、前記図54(A)に示す変動番号5又は変動番号6の変動表示パターンをサブ統合基板111が受信した場合である。また、図56(A)中のトータル残り回数表示部50dには「あと9個」の文字が表示されている場合を例示しているが、チャンス演出の開始時点では、チャンス演出開始前処理のステップS816でセットされたカウント上限数と対応した数値が表示される。即ち、チャンス演出の開始時点では、チャンス演出期間内でのトータルの斧投げ回数を示す「あと50個」「あと30個」「あと10個」のいずれかがトータル残り回数表示部50dに表示される。
その後、図56(B)〜(D)に示すように、ゴン父キャラクタTCがイノシシキャラクタICに向って石斧ONを投げ付ける演出表示が行われる。これに伴って、今回残り回数表示部50eは、1個消灯されて2個の表示部が点灯表示された状態となり、今回の変動表示における残りの斧投げ回数が2回に減った旨を遊技者に認識させる。また、トータル残り回数表示部50dの表示は、「あと8個」の文字に切り替わり、チャンス演出で石斧ONを投げる残りの演出回数が8回である旨を遊技者に認識させる。
そして、今回の変動表示がはずれとなる場合、即ち、チャンス演出設定処理のステップS805でチャンス演出はずれ表示コマンドがセットされた場合には、図56(E)に示すように、投げ付けられた石斧ONからイノシシキャラクタICが逃げる演出表示が行われる。但し、図56(E)の表示画面は、1回の変動表示において斧投げ回数が3回となる演出表示の1回目の演出表示(斧投げ演出)が終了した時点のものであり、その後、同様にして、ゴン父キャラクタTCが投げ付けた石斧ONからイノシシキャラクタICが逃げる演出表示が2回行われて、1回の変動表示となる斧投げ演出が終了する。また、図56(A)の表示状態から、斧投げ回数が3回となり且つ表示結果がはずれとなる1回の変動表示(変動番号5の変動表示パターンに応じた変動表示)が実行されたときには、図示しないが、当該変動表示(3回の斧投げ演出)の終了時点でトータル残り回数表示部50dに「あと6個」の文字が表示される。
その後、同様にして、チャンス演出設定処理のステップS805でチャンス演出はずれ表示コマンドがセットされて、規定の斧投げ回数に到達すると(チャンス演出用のカウンタが0になると)、図56(F)に示すように、斧投げ演出の開始画像となるゴン父キャラクタTCの表示が行われることなく、トータル残り回数表示部50dの表示が「あと0個」となってチャンス演出が終了する。
一方、今回の変動表示がはずれとなる場合、即ち、チャンス演出設定処理のステップS803でチャンス演出当り表示コマンドがセットされた場合には、図56(G)に示すように、投げ付けられた石斧ONがイノシシキャラクタICに命中した演出表示が行われ、その後、図56(H)に示すように、「V」の文字50f(所定の表示態様)が表示されることで、当りが確定した旨を遊技者に認識させる(指令達成表示制御手段)。なお、図56(G)(H)の表示画面は、斧投げ回数が3回となり且つ表示結果が当りとなる1回の変動表示(変動番号6の変動表示パターンに応じた変動表示)が実行され、1回目の演出表示(斧投げ演出)が終了した時点で当りが確定した場合を例示するものである。但し、当り確定の演出表示は、1回目の斧投げ演出に限定するものではなく、1回の変動表示における斧投げの上限回数以下であれば、何回目の斧投げ演出で行われてもよい。この場合、図示しないが、サブ統合基板111(統合ROM113)に当り確定回決定用の乱数を設け、当該当り確定回決定用乱数の抽出に基づいて当り確定回を決定するようにすればよい。また、このような当り確定表示が行われたときには、トータル残り回数表示部50dに残りの斧投げ回数が表示されている場合、言い換えれば、チャンス演出用のカウンタが1以上であっても、その時点でチャンス演出が終了する。また、当り確定の演出表示において、1回の変動表示で今回残り回数表示部50eに所定の斧投げ回数(例えば、3回)を表示(表示部を所定数点灯表示)しておき、所定の斧投げ回数が終了した時点で、再度、斧投げの演出(例えば、4回目の斧投げ演出)を行い、石斧ONがイノシシキャラクタICに命中する演出表示を行うようにしてもよい。このような構成とした場合、所定の斧投げ回数が終了した時点で、一旦、遊技者にハズレと思わせ、その後、敗者復活的に当りを認識させることができるので、より一層、演出に対する興趣の低下を抑制することができる。
なお、上記したチャンス演出時の液晶表示装置50には、ゴン父キャラクタTCがイノシシキャラクタICを石斧ONで狙う演出画像を表示して、石斧ONがイノシシキャラクタICに命中した態様を表示することで、当落判定が当りとなった旨を遊技者に認識させる構成となっているが、このような演出表示に合わせて装飾図柄を表示画面の隅部分等に小さく変動表示するようにしてもよい。但し、このような構成とした場合でも、装飾図柄の表示結果は、当落判定と対応した表示結果を停止表示するものである。
以上のように、本実施形態の構成によれば、変動表示時間と対応させて対応値を設定し、特別演出態様での演出表示(チャンス演出)時には、変動表示毎に該変動表示と対応する対応値をカウントしていく。そして、カウンタ手段のカウンタ値が演出表示の開始時点で設定される終了決定値をカウントすると、これに基づいて特別演出態様での演出表示を終了する。このため、遊技者は、特別演出態様の終了時点が残りの変動表示回数や時間からストレートに分かることがないので、特別演出態での演出表示が終了することに対する緊張感を持続的に持たせることができ、ひいては遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、この構成によれば、ストレートには特別演出態様の終了時点が分からないものの、変動表示が行われる毎に徐々にカウンタ手段のカウンタ値が加算又は減算されていき、終了決定値がカウントされたときに、特別演出態様での演出表示が終了する。このため、突然、特別演出態様での演出表示を終了させるのではなく、徐々に特別演出態様での演出表示が終了する旨を強調させて遊技者に認識させることができるので、特別演出態様での演出表示に対する緊張感を効果的に演出することができる。
また、長い変動表示時間が選択された場合は、カウントする値が大きく、短い変動表示時間が選択された場合は、カウントする値が小さい。このため、結果的に特別演出態様での演出表示中に大当りすることがない場合、変動表示時間が長く大当り期待度が高い演出態様が選択される割合が高い程、特別演出態様での演出表示の終了時点が早くなり、変動表示時間が短く大当り期待度が低い演出態様が選択される割合が高い程、特別演出態様での演出表示の終了時点が遅くなる。従って、選択される演出態様の大当り期待度に応じて特別演出態様での演出表示の終了に変化を持たせることができ、ひいては特別演出態様での演出表示に対する興趣の低下を抑制することができる。
また、カウンタ値の演算毎に特定の演出態様での演出表示(ゴン父キャラクタTCがイノシシキャラクタICに向って石斧ONを投げ付ける演出表示)を実行することで、遊技者に分かり易い演出内容でカウンタ値の変化を認識させることができる。また、当落判定の結果が当りとなる場合は、特定の演出態様での演出表示において所定の表示態様(「V」の文字50f)を表示する。このため、特別演出態様での演出表示中に、カウンタ値の演算毎に行われる特定の演出態様で所定の表示態様が表示されたときには、これによって当りが確定した旨を遊技者に認識させることができる。また、変動表示毎の対応値を個々にカウント表示することで、変動表示毎のカウント値の演算を分り易く遊技者に認識させることができる。
また、チャンス演出の開始時にセットされる終了決定値、言い換えれば特別演出態様での演出表示の終了を決定する値を複数種類(例えば、50回、30回、10回の3種類)に設定することで、特別演出態様での演出表示を多様化することができ、より一層遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本実施形態の構成によれば、当落判定の結果が当りであり且つ第二の利益付与状態とする判定(小当り遊技状態を発生させる判定)がなされたこと、又は当落判定の結果がはずれであり且つ第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定(確変短当り遊技状態を発生させる判定)がなされたことを特別開始条件の成立として、第二の利益付与状態の終了後に特別演出態様による表示制御を開始する。このため、特別演出態様での演出表示を第二の利益付与状態終了後の演出とすることができる。従って、第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態であるか否かの遊技者の関心を通常時とは異なる演出で高めることができ、ひいては遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、周辺基板が主基板から受信する変動表示時間に関わるコマンド信号(変動表示パターンコマンド)に基づいて特別演出態様による表示制御を実行する。このため、周辺基板が主基板から変動表示時間に関わるコマンド信号を受信すると、当該コマンド信号に基づいて、周辺基板が特別演出態様での演出表示を実行する構成にできるので、主基板側の制御負担を軽減して特別演出態様での演出表示を実行することができる。
また、本実施形態の構成によれば、当落判定手段の判定結果が当りであり且つ利益判定手段により第二の利益付与状態とする判定がなされた場合(確変短当りが判定された場合)、当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ第二当落判定手段により第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされた場合(小当りが判定された場合)に比べて、複数種類の変動表示時間のうち長い変動表示時間に決定する割合が高い。このため、第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態となる場合は、第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態以外の通常状態となる場合に比べて、長い変動表示時間となる演出が実行され易くなる。即ち、当落判定手段により遊技者に利益を付与すると判定する割合が高い高確率状態では、変動表示時間の長い演出の実行割合を高めることで、大当りに対する期待感を高めることができる。従って、第二の利益付与状態終了後の遊技状態毎で期待感に変化を持たせることができ、ひいては遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、高確率状態判定手段により高確率状態に制御する判定がなされた場合(確率変動を伴う大当りが判定された場合)と、高確率状態判定手段により高確率状態に制御しない判定がなされた場合(確率変動を伴わない大当りが判定された場合)とで、複数種類の変動表示時間の決定割合をほぼ同一に設定している。このため、遊技状態中の演出内容によっても第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態であるか又は通常状態であるかが判別できなくなり、高確率状態に対する期待感を持続させることができる。
また、当落判定手段の判定結果が当りであり且つ利益判定手段により第二の利益付与状態とする判定がなされた場合(確変短当りが判定された場合)、当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ第二当落判定手段により第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされた場合(小当りが判定された場合)に比べて、複数種類の終了決定値のうち大きい値の終了決定値に決定する割合が高い。このため、第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態となる場合は、第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態以外の通常状態となる場合に比べて、特別演出態様での演出表示期間(所定期間)が長く設定され易くなる。従って、第二の利益付与状態終了後の遊技状態毎で期待感に変化を持たせることができ、ひいては遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、個別コマンド処理手段の処理に基づく第1の演出態様(通常の図柄変動演出時の態様)と、同一コマンド処理手段の処理に基づく第2の演出態様(チャンス演出時の態様)とによって識別情報を変動表示する構成にでき、然も、第2の演出態様による演出時には、複数種類の変動表示態様においてほぼ同一の変動表示時間となる変動表示態様の変動表示コマンド信号を同一のコマンド信号として処理するので、複数種類の変動表示コマンド信号に対して個別の表示用データを用意しておく必要がなく、ひいては周辺基板の制御負担を軽減した上で、変動表示手段による演出表示を多様化することができる。
また、本実施形態の構成によれば、チャンス演出において、1回の変動表示に対して指令実行演出態様(ゴン父キャラクタTCがイノシシキャラクタICに向って石斧ONを投げ付ける演出表示)を複数回表示制御するので、1回の変動表示において一旦(1回目の指令実行演出態様で)指令が達成されずに変動表示(指令演出)が継続する場合でも、2回目以降の指令実行演出態様で指令が達成される可能性がある。このため、無意味な(大当りする期待感のない)リーチ演出を遊技者に延々と見せる等のような、指令演出中に遊技者を飽きさせることを回避でき、1回の変動表示における指令演出の開始時点から終了時点まで継続的に大当りの期待感を遊技者に持たせることができるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、指令演出の実行契機となる当落判定手段の判定結果が当りであり且つ利益判定手段により第二の利益付与状態とする判定がなされたとき、即ち第二の利益付与状態終了後の遊技状態が高確率状態となる場合では、当落判定手段の判定結果がはずれであり且つ第二当落判定手段により第二の利益付与状態と略同等の利益を付与する判定がなされたとき、即ち第二の利益付与状態終了後の遊技状態が通常状態となる場合に比べて、指令演出の突入率が高く設定されている。このため、指令演出の実行中は高確率状態中となる確率が高くなるので、指令演出の実行によって当りになり易い印象を遊技者に持たせることができ、指令演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、上記した実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の前面枠や本体枠を開放した状態を示す斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤の分解斜視図である。 演出装置の分解斜視図である。 演出装置の左側縁部及び下縁部を部分的に示した図である。 球誘導部材による遊技球の誘導態様を説明するための図である。 球誘導部材による遊技球の誘導態様を説明するための図である。 図7,8中、IX−IX線に沿う断面図である。 球誘導部材の着脱作業を説明するための図である。 パチンコ機の制御に関する構成を表すブロック図である。 演出装置を単独で示した正面図である。 図12中、XIII−XIII線に沿う断面図(遊技板を含む)である。 図12中、XIV−XIV線に沿う断面図である。 内部装飾体と球誘導部材との配置関係を示した正面図である。 装飾領域の配置を具体的に示した正面図である。 遊技盤の上部分を示した正面図である。 図17中、XVIII−XVIII線に沿う遊技盤の断面図である。 遊技盤の上部分を左斜め下の角度から見上げた斜視図である。 遊技盤の上部分を右斜め下の角度から見上げた斜視図である。 可動装飾体の作動状態を示した正面図である。 後部ユニット(インナケーシング)の背面図である。 可動装飾体の分解斜視図である。 図23とは異なる方向からみた可動装飾体の分解斜視図である。 可動装飾体の正面図及び背面図である。 図25中、Z−Z線に沿う断面図である。 配線孔の配置を示した後部ユニットの正面図である。 主基板に搭載されるCPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主基板に搭載されるCPUにより実行される電源断発生時処理を示すフローチャートである。 主基板に搭載されるCPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主基板に搭載されるCPUにより更新される乱数を示す一覧表図である。 主基板に搭載されるCPUにより実行される遊技処理を示すフローチャートである。 遊技処理における変動開始処理を示すフローチャートである。 変動開始処理における大当り判定処理を示すフローチャートである。 遊技処理における変動表示パターン設定処理を示すフローチャートである。 変動表示パターンテーブルの一例を示す説明図である。 当り関連の制御コマンドの一例を示す説明図である。 遊技処理における大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 遊技処理における大当り遊技中処理の一例を示すフローチャートである。 サブ統合基板に搭載される統合CPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 サブ統合基板に搭載される統合CPUにより実行される16msタイマ割込処理を示すフローチャートである。 サブ統合基板に搭載される統合CPUにより更新される乱数を示す一覧表図である。 16msタイマ割込処理におけるコマンド解析処理を示すフローチャートである。 16msタイマ割込処理における演出制御処理を示すフローチャートである。 演出制御処理における装飾図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 装飾図柄変動開始処理における予告選択処理を示すフローチャートである。 発展予告パターンテーブルの一例を示す説明図である。 発展予告パターンの一例を示す一覧表図である。 発展予告演出の一例を示す説明図である。 発展予告演出のタイミングチャートの一例を示す説明図である。 発展予告演出のタイミングチャートの一例を示す説明図である。 装飾図柄変動開始処理におけるチャンス演出設定処理を示すフローチャートである。 装飾図柄変動開始処理におけるチャンス演出開始前処理を示すフローチャートである。 同図(A)は変動表示パターンに対応した斧投げ回数を示す一覧表図であり、同図(B)は小当り時及び確変短当り時のカウント上限数判定テーブルを示す一覧表図であり、同図(C)はチャンス演出突入判定テーブルを示す一覧表図である。 チャンス演出の一例を示す説明図である。 チャンス演出の一例を示す説明図である。
符号の説明
GC ゴンキャラクタ
IC イノシシキャラクタ
MOG モグラキャラクタ
MC マンモスキャラクタ
ON 石斧
RC 類人猿キャラクタ
TC ゴン父キャラクタ
1 パチンコ機
3 本体枠
4 遊技盤
4a 遊技板
4b 貫通穴
5 前面枠
8 前枠体
9 遊技盤装着枠
10 機構装着枠
12 遊技領域
42 演出装置
42a 前部ユニット
42b 後部ユニット
42s 係合片
42h 係合孔
44a,44b,44c 可動装飾体
46 装飾部材
48 発光領域
48a 光拡散部材
50 液晶表示装置
50a,50b,50c 装飾図柄
52 上始動口
54 下始動口
62 大入賞口
68a 係合片
68b 係合片
70 球誘導部材
72 球誘導部材
74 内部装飾体
80 上段ステージ
80a 窪み部
82 中段ステージ
84 下段ステージ
86 着脱経路
88 導光通路
90 導光部材
90a 仕切壁
92 LED
101 主制御基板
102 CPU
111 サブ統合基板
112 統合CPU
120 表示制御基板
147 特図始動記憶ランプ
208 ハーネス線束
210 粘着テープ片
212a,212b,212c 配線孔

Claims (1)

  1. 遊技球が打ち込まれる遊技領域と、該遊技領域内に配置されて遊技球の入賞が可能な始動入賞口と、該始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて遊技者に所定の利益を付与するか否かを判定する当落判定手段と、該当落判定手段による判定結果に基づいて識別情報を変動表示する変動表示手段と、前記当落判定手段により遊技者に利益を付与すると判定したときに遊技者に利益を付与する利益付与状態に制御する利益付与状態制御手段と、を備え、前記利益付与状態制御手段により利益付与状態に制御するときに前記変動表示手段にて前記識別情報の変動表示を開始して特定表示結果を停止表示する遊技機において、
    指令開始条件の成立に基づいて指令を遊技者に提示する指令提示手段と、
    該指令提示手段により指令が提示されてから複数回の変動表示に亘る所定期間において各変動表示毎にほぼ同一の指令実行演出態様で前記変動表示手段に指令演出を表示制御する指令演出表示制御手段と、を備え、
    前記指令演出表示制御手段は、
    前記指令演出の実行期間中に前記当落判定手段により遊技者に利益を付与する判定がなされた場合、前記指令実行演出態様として前記指令が達成される演出態様で前記指令演出を表示制御する指令達成表示制御手段と、
    1回の変動表示に対して前記指令実行演出態様を複数回表示制御する複数回指令実行表示制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。

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