以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
図1に示すパチンコ遊技機1の構成例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数は、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第2特図保留記憶数は、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。このように、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときには、可変表示の保留が発生する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
第1保留表示器25Aや第2保留表示器25Bとともに、あるいは、これらの保留表示器に代えて、画像表示装置5の表示領域に始動入賞記憶数表示エリアを設けてもよい。すなわち、始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
画像表示装置5の表示領域における所定縁部の近傍には、可動演出部材60が設けられている。一例として、表示領域が横長の方形状(横向きの長方形)である場合には、長辺(例えば上縁部となる上辺)における外周縁部の近傍にて表示領域の周囲を装飾する装飾部材の内部または外部に、可動演出部材60が収容されていればよい。このように、可動演出部材60は、画像表示装置5における表示領域の所定端部に近接して設けられたものであればよい。図1では、可動演出部材60が装飾部材の内部に収容されることを、破線により示している。
可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出用模型(演出用役物装置)を構成するものであればよい。すなわち、可動演出部材60は、表示領域の周囲を装飾する装飾部材の内部または外部に収容された退避位置と、表示領域の前面に進出した進出位置とのあいだで、移動可能なものであってもよい。このとき、退避位置から進出位置へと向かう方向は、画像表示装置5における表示領域の所定縁部(例えば上縁部となる上辺)から他の縁部(例えば下縁部となる下辺)へと向かう方向であればよい。なお、所定縁部から他の縁部に達するまで進出してもよいし、他の縁部に達するより前(例えば表示領域の中央部)に進出位置となるようにしてもよい。可動演出部材60は、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出動作によって、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを示唆すればよい。なお、可動演出部材60は、表示領域の前面に進出可能なものに限定されず、例えば回転装飾体を用いて構成され、表示領域の近傍にて回転する演出動作によって、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを示唆してもよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L、9Rなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、可動演出部材60を動作させる可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「14」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「14」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしていもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
このような短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、確変状態や時短状態が終了して通常状態になることがある。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「14」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示動作などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数(再変動回数)である。初回変動が開始されてから全部の飾り図柄が一旦仮停止表示された後、最終停止図柄となる確定飾り図柄が導出されるまでの期間にて、1回目に実行される擬似連変動は第1擬似連変動とも称され、2回目に実行される擬似連変動は第2擬似連変動とも称され、3回目に実行される擬似連変動は第3擬似連変動とも称される。
「擬似連」の可変表示演出では、一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せとなる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。また、擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチハズレ組合せ(単に、「リーチ組合せ」ともいう)となる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。例えば擬似連チャンス目のうちで「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される飾り図柄(中図柄)を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(擬似連チャンス図柄)としてもよい。通常時における飾り図柄の可変表示でも使用される飾り図柄のうちに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示されることで擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄が含まれてもよい。
擬似連チャンス図柄を含む擬似連チャンス目を停止表示することのように、「擬似連」の可変表示演出において初回変動を含む複数回の変動表示に伴って実行される画像表示などの所定演出は、再変動演出という。なお、再変動演出は、画像表示装置5の画面上(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5C)にて画像表示(例えば擬似連チャンス図柄の仮停止表示)を行うことによるものに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでいてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。
再変動演出として、擬似連チャンス図柄といった特殊な飾り図柄を停止表示することに代えて、あるいは特殊な飾り図柄の停止表示とともに、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5の画面上に特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。また、再変動演出として、例えば擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されるときなどに、特殊な効果音となる音声をスピーカ8L、8Rから出力するように制御されてもよい。こうした再変動演出の一部または全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部または全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示、効果音の出力のうち、一部または全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)といった、所定の遊技価値が付与される可能性が高まるようにしてもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。そして、擬似連変動(再変動)の繰返し実行回数(擬似連回数)が多くなったときには、擬似連回数が少ないときよりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)によって演出の発生割合が変化するように制御されてもよい。例えば擬似連変動が2回行われることにより「リーチ確定」となり、擬似連変動が3回行われることにより「スーパーリーチ確定」となるようにしてもよい。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「擬似連」の他にも、例えば「滑り」や「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、単一または複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様として所定のリーチ演出が開始される。一方、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出の一部として、あるいはリーチ演出とは異なる演出として、可変表示結果が「大当り」となる可能性といった、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される可能性が高いことを示唆する高期待度演出が実行されることがある。高期待度演出は、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後、ノーマルのリーチ演出が実行されている所定期間にて実行可能となる。高期待度演出の一例として、可動演出部材60が画像表示装置5における表示領域の前面に進出するとともに、効果音の出力や発光体の点灯といった所定の演出動作が実行されればよい。高期待度演出の他の一例として、画像表示装置5における表示領域に同一または類似した多数のキャラクタを示す演出画像群が通過するように表示(群画像表示)させるといった所定の演出動作が実行されてもよい。
飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後、高期待度演出の実行開始タイミングより前の所定タイミングになったときには、高期待度演出が実行されるか否かを煽るためのリーチ後煽り演出が実行される。リーチ後煽り演出の一例として、可動演出部材60を画像表示装置5の表示領域における所定端部の近傍にて揺動させることにより、可動演出部材60が表示領域の前面に進出する高期待度演出が実行される可能性があることを示唆すればよい。こうした高期待度演出の示唆として、可動演出部材60を収容位置から一部進出させ、上下に揺動させることにより、可動演出部材60が全部進出して高期待度演出が実行される可能性があることを示唆できればよい。なお、可動演出部材60を用いたリーチ後煽り演出が実行される表示領域における所定端部の近傍は、表示領域の所定端部における境界部分を含んだ所定位置であってもよいし、表示領域の境界部分は含まずに所定端部よりも表示領域の内側または外側のいずれかにおける所定位置であってもよい。
リーチ後煽り演出の他の一例として、高期待度演出で表示される多数のキャラクタを示す演出画像群の一部または全部を、画像表示装置5の表示領域における所定端部の近傍にて揺動するように表示させることにより、演出画像群が通過するように表示される高期待度演出が実行される可能性があることを示唆すればよい。なお、演出画像群の一部または全部を表示するリーチ後煽り演出が実行される表示領域における所定端部の近傍は、表示領域の所定端部における境界部分を含んだ所定位置であってもよいし、表示領域の境界部分は含まずに所定端部よりも表示領域の内側における所定位置であってもよい。
この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、ノーマルのリーチ演出が実行されることに伴いリーチ後煽り演出が実行される。このリーチ後煽り演出が実行されたことに続いて、高期待度演出が実行されることもあれば、高期待度演出が実行されないこともある。リーチ後煽り演出が実行された後に高期待度演出が実行されない場合に、所定表示結果を構成する飾り図柄の停止表示を行うことができればよい。
リーチ後煽り演出が実行された後に高期待度演出が実行されない場合の一例として、「擬似連」の可変表示演出が実行されることに対応して、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となってからリーチ後煽り演出が実行され、その後に擬似連チャンス図柄を「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて仮停止表示させることにより、擬似連チャンス目となる飾り図柄を停止表示させてもよい。擬似連チャンス目が停止表示されたことに基づいて、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動が実行されればよい。このように、リーチ後煽り演出が実行されても高期待度演出は実行されない場合に、例えば擬似連チャンス図柄を仮停止表示させるといった、擬似連チャンス目の仮停止表示を行ってから、擬似連変動が実行される再変動演出は、煽り後再変動演出ともいう。
リーチ後煽り演出が実行された後に高期待度演出が実行されない場合の他の一例として、可変表示結果が「大当り」となることに対応して、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となってからリーチ後煽り演出が実行され、その後に大当り組合せを構成する飾り図柄または突確チャンス図柄を「中」の飾り図柄可変表示エリア5Cにて停止表示させることにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した確定飾り図柄を導出表示させてもよい。このように、リーチ後煽り演出が実行されても高期待度演出が実行されない場合に、大当り組合せを構成する飾り図柄または突確チャンス図柄を停止表示させて可変表示結果が「大当り」となる演出は、煽り後大当り導出演出ともいう。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR4とがあればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を、例えば「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図5(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aにセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図5(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bにセットされる。なお、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データは、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したときに抽出されるものに限定されず、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときに抽出されるようにしてもよい。
図5(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図5(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、始動入賞時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。第1始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したことにより第1始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことにより第2始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。また、演出制御基板12に対して合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてもよい。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後にコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、始動入賞判定処理を終了する。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。小当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。大当りフラグや小当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に再び大入賞口を開放状態とするまで待機する処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図6は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかや、確変制御が行われる確変状態であるか否かに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。変動特図は、開始条件が成立した特図ゲームにて可変表示される特別図柄であり、変動特図指定バッファ値に対応して特定することができる。すなわち、変動特図指定バッファ値が「1」の場合には、変動特図が第1特図となる。一方、変動特図指定バッファ値が「2」の場合には、変動特図が第2特図となる。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図7(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。この決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。また、図7(A)に示す決定例では、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で特図表示結果が「小当り」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、特図表示結果が「小当り」に決定されることがない。
その後、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図7(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で大当り種別が「突確」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」には決定されない。すなわち、大当り種別が「突確」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS244;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図8は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図9は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」や「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図10(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図8に示すステップS262の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、図10(A)に示すような決定割合で可変表示結果が「大当り」となる場合の変動パターンが決定されればよい。
図10(B)は、小当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図8に示すステップS264の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、図10(B)に示すような決定割合で可変表示結果が「小当り」となる場合の変動パターンが決定されればよい。
図10(C)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。例えば図8に示すステップS265の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、図10(C)に示すような決定割合で可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンが決定されればよい。
図10(A)に示す決定例では、変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行されてスーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されない変動パターンの決定割合が、変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−8といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。一方、図10(C)に示す決定例では、変動パターンPA2−1、変動パターンPA2−2といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行されてスーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されない変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−8といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。こうした設定により、スーパーリーチのリーチ演出が実行されたときには、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図10(A)に示す決定例では、変動パターンPA5−1から、変動パターンPA5−2、変動パターンPA5−3、変動パターンPA5−4となるに従って、また、変動パターンPA5−5から、変動パターンPA5−6、変動パターンPA5−7、変動パターンPA5−8となるに従って、決定割合が高くなる。一方、図10(C)に示す決定例では、変動パターンPA3−1から、変動パターンPA3−2、変動パターンPA3−3、変動パターンPA3−4となるに従って、また、変動パターンPA3−5から、変動パターンPA3−6、変動パターンPA3−7、変動パターンPA3−8となるに従って、決定割合が低くなる。
図9に示すように、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−8と、変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−8とでは、特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。図10(A)や図10(C)に示す決定割合の設定により、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)が多くなったときには、擬似連回数が少ないときよりも大当り期待度が高められる。また、スーパーBのリーチ演出が実行されたときには、スーパーAのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められるように、決定割合が設定されている。
図8に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後には、変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、可動演出部材60の所定動作(例えば揺動または移動)といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図11は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図12は、可変表示開始設定処理として、図11のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS501)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS501;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS502)。
ステップS502にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS502;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS503)。一例として、ステップS503の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS502にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS502;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS504)。一例として、ステップS504の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS501にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS501;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS505)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS505;Yes)、例えば短期開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS506)。
ステップS506における処理の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1または変動パターンPC1−2が指定された場合に、複数種類の短期開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS506における処理の他の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC2−1または変動パターンPC2−2が指定された場合に、例えばステップS504と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。あるいは、変動パターンPC2−1または変動パターンPC2−2が指定された場合に、ステップS504と同様の処理を実行することにより「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される同一の飾り図柄を決定する一方で、ステップS504とは異なる処理を実行することにより、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(突確チャンス図柄)を停止表示することに決定してもよい。
なお、変動パターンPC2−1または変動パターンPC2−2が指定されて飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合でも、例えば「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って仮停止表示されることによりリーチ態様となった後に、「右」の飾り図柄可変表示エリア5Rにて飾り図柄を再び変動させることにより仮停止表示した飾り図柄を変更させる「滑り」の可変表示演出を行うとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて所定の飾り図柄を停止表示させることで、短期開放チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄の組合せが導出表示されるようにしてもよい。この場合、ステップS506の処理では、変動パターンPC2−1または変動パターンPC2−2が指定された場合でも、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS505にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS505;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS507)。一例として、ステップS507の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS503、S504、S506、S507の処理のいずれかを実行した後には、可変表示中演出決定処理を実行する(ステップS508)。可変表示中演出決定処理は、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合や「擬似連」の可変表示演出が実行される場合などに対応して、各種の演出態様を決定するための処理を含んでいる。
ステップS508にて可変表示中演出決定処理を実行した後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS509)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、可変表示中演出決定処理における決定結果などに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部などに設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS510)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS511)。このときには、例えばステップS510にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS512)、可変表示開始設定処理を終了する。
図13は、可変表示中演出決定処理として、図12のステップS508にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す可変表示中演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンを特定する(ステップS601)。続いて、特定した変動パターンに対応して、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるリーチありか否かを判定する(ステップS602)。このとき、リーチありと判定した場合には(ステップS602;Yes)、擬似連変動が実行されない擬似連なし時または擬似連変動が実行される場合の最終変動時のリーチ後煽り演出を決定する(ステップS603)。
図14(A)は、ステップS603の処理によるリーチ後煽り演出の決定例を示している。この実施の形態において、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後には、常にリーチ後煽り演出が実行される。このリーチ後煽り演出における演出態様には、可動演出部材60を画像表示装置5の表示領域(内部または外部)における所定端部の近傍にて揺動させる「可動演出部材動作」と、多数のキャラクタを示す演出画像群の一部または全部を画像表示装置5の表示領域(内部)における所定端部の近傍にて揺動するように表示させる「群画像表示」とがある。ステップS603の処理では、リーチ後煽り演出における演出態様を「可動演出部材動作」と「群画像表示」のいずれとするかが決定される。
一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ後煽り演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ後煽り演出決定テーブルを参照することなどにより、リーチ後煽り演出における演出態様を決定すればよい。リーチ後煽り演出決定テーブルでは、特図表示結果が「ハズレ」と「大当り」のいずれであるかに応じて、リーチ後煽り演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、リーチ後煽り演出における複数の演出態様のいずれかに割り当てられていればよい。なお、この実施の形態では、特図表示結果が「小当り」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となることがない。したがって、ステップS603の処理では、特図表示結果が「ハズレ」と「大当り」のいずれであるかに応じた所定割合で、リーチ後煽り演出における演出態様を決定すればよい。
図14(A)に示す決定例で特図表示結果が「ハズレ」となる場合に、リーチ後煽り演出の演出態様が「群画像表示」に決定される割合は、「可動演出部材動作」に決定される割合よりも高くなるように設定されている。一方、特図表示結果が「大当り」となる場合に、リーチ後煽り演出における演出態様が「可動演出部材動作」に決定される割合は、「群画像表示」に決定される割合よりも高くなるように設定されている。また、リーチ後煽り演出における演出態様が「可動演出部材動作」に決定される割合は、特図表示結果が「ハズレ」となる場合よりも「大当り」となる場合に高くなる一方、「群画像表示」に決定される割合は、特図表示結果が「ハズレ」となる場合よりも「大当り」となる場合に低くなるように設定されている。こうした設定により、可動演出部材60を揺動させるリーチ後煽り演出が実行されたときには、多数のキャラクタを示す演出画像群が揺動するように表示させるリーチ後煽り演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。
なお、リーチ後煽り演出の演出態様に応じた大当り期待度は、「可動演出部材動作」よりも「群画像表示」の方が高くなるように設定してもよい。また、リーチ後煽り演出の大当り期待度は、演出態様によらず一定になるように設定してもよい。飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後には、常にリーチ後煽り演出が実行されるものに限定されず、リーチ後煽り演出が実行されない場合を設けてもよい。この場合、ステップS603の処理では、特図表示結果に応じた所定割合で、リーチ後煽り演出を実行するか否かが決定されればよい。例えば、特図表示結果が「大当り」となる場合には「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、リーチ後煽り演出を実行することに決定されればよい。こうして、リーチ後煽り演出が実行されたときには、実行されないときよりも大当り期待度が高められるようにしてもよい。すなわち、リーチ後煽り演出は、特図表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを示唆する演出として実行されてもよい。
図13に示すステップS603の処理に続いて、ステップS601の処理により特定した変動パターンに対応して、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるか否かを判定する(ステップS604)。このとき、スーパーリーチのリーチ演出が実行されると判定した場合には(ステップS604;Yes)、高期待度演出を実行するか否かという高期待度演出の有無を決定する(ステップS605)。
図14(B)は、ステップS605の処理による高期待度演出の決定例を示している。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となってからリーチ後煽り演出が実行され、その後に高期待度演出が実行される場合もあれば、実行されない場合もある。高期待度演出が実行されたときには、所定の発展演出が実行されてから、スーパーリーチのリーチ演出が実行される。高期待度演出が実行されないときでも、所定の発展演出が実行されてから、スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合もある。ステップS605の処理では、スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合に高期待度演出を実行するか否かが決定される。
一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される高期待度演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された高期待度演出決定テーブルを参照することなどにより、高期待度演出の有無を決定すればよい。高期待度演出決定テーブルでは、特図表示結果が「ハズレ」と「大当り」のいずれであるかに応じて、高期待度演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、高期待度演出を実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。
図14(B)に示す決定例で特図表示結果が「ハズレ」となる場合に、高期待度演出を実行しない高期待度演出なしに決定される割合は、高期待度演出を実行する高期待度演出ありに決定される割合よりも十分に高くなるように設定されている。一方、特図表示結果が「大当り」となる場合に、高期待度演出ありに決定される割合は、高期待度演出なしに決定される割合よりも十分に高くなるように設定されている。また、高期待度演出ありの決定割合は、特図表示結果が「大当り」となる場合に「ハズレ」となる場合よりも十分に高くなる一方、高期待度演出なしの決定割合は、特図表示結果が「大当り」となる場合に「ハズレ」となる場合よりも十分に低くなるように設定されている。こうした設定により、リーチ後煽り演出に続いて高期待度演出が実行されたときには、高期待度演出が実行されないときよりも大当り期待度が大幅(飛躍的)に高められる。
なお、高期待度演出の大当り期待度は、その演出態様が複数態様のいずれであるかに応じて異ならせるように設定してもよい。例えば可動演出部材60を画像表示装置5における表示領域の前面に進出させる高期待度演出が実行される場合に、可動演出部材60が進出する際の移動量や移動速度、移動方向といった、可動演出部材60の移動態様の一部または全部を異ならせることにより、あるいは、可動演出部材60に内蔵された発光体(例えば装飾用LED)の発光色や発光量、発光時間、点滅回数といった、可動演出部材60の動作に伴う所定の演出態様の一部または全部を異ならせることにより、異なる大当り期待度が示唆されるようにしてもよい。スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合にのみ高期待度演出が実行可能となるものに限定されず、ノーマルのリーチ演出が実行されてスーパーリーチのリーチ演出が実行されない場合でも高期待度演出を実行する場合があってもよい。
図13に示すステップS605の処理を実行した後には、高期待度演出ありに決定されたか否かを判定する(ステップS606)。このとき、高期待度演出ありと判定した場合には(ステップS606;Yes)、擬似連変動が実行されない擬似連なし時または擬似連変動が実行される場合の最終変動時に高期待度演出を実行するための設定を行う(ステップS607)。
一例として、ステップS607の処理では、ステップS603の処理により決定されたリーチ後煽り演出における演出態様に対応して、可動演出部材60を進出させる高期待度演出(第1高期待度演出)と、多数のキャラクタを示す演出画像群が表示領域を通過するように表示させる高期待度演出(第2高期待度演出)のうち、いずれかの高期待度演出を実行するための演出制御パターンが指定されればよい。より具体的には、ステップS603の処理により「可動演出部材動作」に決定された場合には、第1高期待度演出を実行するための演出制御パターンが指定される。一方、ステップS603の処理により「群画像表示」に決定された場合には、第2高期待度演出を実行するための演出制御パターンが指定される。
なお、リーチ後煽り演出における演出態様と対応する演出態様の高期待度演出が実行されるものに限定されず、演出態様が異なる高期待度演出が実行される場合があってもよい。例えば、「可動演出部材動作」のリーチ後煽り演出に決定されたときでも、所定割合で演出画像群が通過するように表示させる「群画像表示」の第2高期待度演出を実行するための演出制御パターンが指定されてもよい。この場合には、対応する演出態様の高期待度演出が実行される場合よりも大当り期待度が低くなるようにしてもよい。一方、この場合には、法則崩れにより大当り期待度がさらに高くなるようにしてもよい。
ステップS604にてスーパーリーチのリーチ演出が実行されないと判定した場合には(ステップS604;No)、ノーマルのリーチ演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となるか否かを判定する(ステップS608)。演出制御用CPU120は、ステップS601にて特定した変動パターンが、図9に示す変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2のいずれかである場合に、ノーマルのリーチ演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」になると判定すればよい。また、図9に示す変動パターンPC2−1または変動パターンPC2−2のいずれかである場合にも、ノーマルのリーチ演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」になると判定してもよい。
ステップS608にてノーマルのリーチ演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」になると判定した場合には(ステップS608;Yes)、煽り後大当り導出演出を実行するための設定を行う(ステップS609)。一例として、ステップS609の処理では、リーチ後煽り演出が実行されても高期待度演出が実行されない場合に対応して、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおける確定飾り図柄(中図柄)を所定方向に移動させて導出表示するための演出制御パターンが指定されればよい。この場合に対応した中図柄の移動方向は、高期待度演出が実行される場合に可動演出部材60が進出する方向や演出画像群が通過する方向と同一の方向になればよい。すなわち、リーチ後煽り演出が実行されても高期待度演出が実行されない場合に、高期待度演出における演出動作方向と同一の方向に中図柄を移動させて導出表示するように設定されればよい。
この実施の形態において、ノーマルのリーチ演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となる場合には、常に煽り後大当り導出演出が実行されるように設定する。これにより、リーチ後煽り演出が実行されても高期待度演出が実行されない場合に、大当り組合せを構成する飾り図柄や突確チャンス図柄(あるいは突確チャンス目を構成する飾り図柄)といった特殊表示結果を構成する飾り図柄が表示される煽り後大当り導出演出を実行することができる。一方、ノーマルのリーチ演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となる場合でも、煽り後大当り導出演出が実行されない場合を設けてもよい。この場合、ステップS609の処理では、所定割合で煽り後大当り導出演出を実行するか否かが決定されればよい。
ステップS602にてリーチなしと判定された場合や(ステップS602;No)、ステップS606にて高期待度演出なしと判定された場合(ステップS606;No)、ステップS608にてノーマルのリーチ演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となる場合ではないと判定されたとき(ステップS608;No)、あるいは、ステップS607、S609の処理のいずれかが実行された後には、ステップS601にて特定した変動パターンに対応して、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かを判定する(ステップS610)。このとき、「擬似連」の可変表示演出が実行されないと判定した場合には(ステップS610;No)、可変表示中演出決定処理を終了する。一方、「擬似連」の可変表示演出が実行されると判定した場合には(ステップS610;Yes)、再変動演出決定処理を実行してから(ステップS611)、可変表示中演出決定処理を終了する。
図15は、再変動演出決定処理として、図13のステップS611にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す再変動演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、リーチ後煽り演出を実行した後に再変動(擬似連変動)を実行する回数である煽り後再変動回数を決定する(ステップS621)。
図16は、ステップS621の処理による煽り後再変動回数の決定例を示している。この実施の形態において、煽り後再変動回数は、変動パターンに対応する擬似連変動の実行回数(擬似連回数となる「1」〜「3」のいずれか)よりも少ない回数となるように設定される。ステップS621の処理では、変動パターンに対応する擬似連変動の実行回数(擬似連回数)や、特図表示結果が「大当り」となるか否かに応じて、異なる割合で煽り後再変動回数が決定される。
一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される煽り後再変動回数決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された煽り後再変動回数決定テーブルを参照することにより、リーチ後煽り演出を実行してから擬似連変動を実行する回数を決定すればよい。図16に示す決定例で擬似連変動の実行回数(擬似連回数)が「2」または「3」である場合に、特図表示結果が「ハズレ」であれば、煽り後再変動回数が多くなるに従って、決定割合が低くなる。一方、特図表示結果が「大当り」であれば、煽り後再変動回数が多くなるに従って、決定割合が高くなる。なお、この実施の形態では、特図表示結果が「小当り」となる場合に、擬似連変動の実行回数(擬似連回数)は最大でも「1」である(図9に示す変動パターンPC1−2の場合)。したがって、擬似連変動の実行回数が「2」または「3」である場合には、特図表示結果が「ハズレ」と「大当り」のいずれであるかに応じた所定割合で、煽り後再変動回数を決定すればよい。図16に示すような決定割合の設定により、煽り後再変動回数が多くなるに従って、大当り期待度が高められる。
こうして、特図表示結果が「大当り」となる場合には、特図表示結果が「ハズレ」となる場合よりも多くの煽り後再変動回数に決定される可能性が高められる。一方、高期待度演出は、特図表示結果が「大当り」となる場合に、特図表示結果が「ハズレ」となる場合よりも十分に高い割合で、実行することに決定される。したがって、煽り後再変動回数が多くなるに従って、高期待度演出が実行される可能性が高められる。
図15に示すステップS621の処理を実行した後には、決定された煽り後再変動回数を変数mにセットする(ステップS622)。また、変動パターンに対応する擬似連回数を変数xにセットする(ステップS623)。
その後、初回変動や擬似連変動における飾り図柄の仮停止タイミングを含む再変動演出を実行するための決定や設定が行われる。ここでは、まず、変数mが「0」であるか否かを判定する(ステップS624)。そして、変数mが「0」以外であるときには(ステップS624;No)、変数xに対応する擬似連回数の擬似連変動が開始される再変動タイミングを、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後であるリーチ成立後の所定タイミングに決定する(ステップS625)。また、変数xに対応する擬似連回数の擬似連変動が実行される前(直前)の初回変動中あるいは擬似連変動中に実行するリーチ後煽り演出を決定する(ステップS626)。
この実施の形態において、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後には、常にリーチ後煽り演出が実行される。そこで、ステップS624にて変数mが「0」以外であることに対応して、ステップS625にて再変動タイミングがリーチ成立後の所定タイミングに決定されたときには、ステップS626の処理を実行することにより、リーチ後煽り演出における演出態様が決定されればよい。一例として、ステップS626の処理が実行されるごとに、図13に示したステップS603の処理と同様の所定割合で、リーチ後煽り演出における演出態様が「可動演出部材動作」と「群画像表示」のいずれかに決定されればよい。他の一例として、ステップS626の処理では、ステップS603の処理により決定された演出態様と同一の演出態様に決定されてもよい。
ステップS626の処理を実行した後には、リーチ後に擬似連変動を実行する場合に対応した擬似連チャンス図柄といった、擬似連チャンス目を構成する仮停止図柄を決定する(ステップS627)。演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とするために「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて仮停止表示する同一の飾り図柄を決定することや、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて仮停止表示する擬似連チャンス図柄を決定することにより、擬似連チャンス目を構成する仮停止図柄を決定すればよい。なお、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とした後に、「右」の飾り図柄可変表示エリア5Rにて飾り図柄を再び変動させることにより仮停止表示した飾り図柄を変更させる「滑り」の可変表示演出を行うとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて所定の飾り図柄を停止表示させることで、擬似連チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄の組合せが仮停止表示されるようにしてもよい。この場合、ステップS627の処理では、「滑り」の可変表示演出を実行した後に「右」の飾り図柄表示エリア5Rにて仮停止表示する飾り図柄や、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて仮停止表示する飾り図柄を決定することにより、擬似連チャンス目を構成する仮停止図柄を決定すればよい。
ステップS627の処理に続いて、変数xに対応する擬似連回数の擬似連変動が実行される前(直前)の変動表示中に煽り後再変動演出を実行するための設定を行う(ステップS628)。一例として、ステップS628の処理では、ステップS625の処理により決定された再変動タイミングや、ステップS626の処理によりリーチ後煽り演出を実行する決定結果にあわせて、飾り図柄の仮停止表示タイミングや再変動タイミングに応じた演出制御パターンが指定されればよい。その後、変数mを1減算する(ステップS629)。
ステップS624にて変数mが「0」であるときには(ステップS624;Yes)、変数xに対応する擬似連回数の擬似連変動が開始される再変動タイミングを、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前であるリーチ成立前の所定タイミングに決定する(ステップS630)。この実施の形態において、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならない「非リーチ」の場合に「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターンPA1−3では、擬似連変動の実行回数(擬似連回数)が1回となる。そして、ステップS621の処理では、図16に示すような決定割合の設定により、煽り後再変動回数が「0」に決定され、煽り後再変動演出が実行されないように制限される。したがって、変動パターンPA1−3が指定された場合には、常にステップS624の処理にて変数mが「0」であると判定されることで、ステップS625の処理が実行されず、ステップS630の処理にて再変動タイミングがリーチ成立前の所定タイミングに決定される。これにより、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならない「非リーチ」の変動パターンに対応して「擬似連」の可変表示演出が実行される場合には、擬似連変動が実行される再変動タイミングがリーチ成立後の所定タイミングにはならないように制限される。
ステップS630の処理を実行した後には、リーチ前に擬似連変動を実行する場合に対応した擬似連チャンス目を構成する仮停止図柄を決定する(ステップS631)。ステップS631の処理にて、演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない非リーチ組合せの擬似連チャンス目となる飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS629、S631の処理のいずれかを実行した後には、変数xを1減算する(ステップS632)。そして、減算後の変数xが「0」となったか否かを判定する(ステップS633)。このとき、変数xが「0」以外であれば(ステップS633;No)、ステップS624の処理に戻り、さらに再変動演出を実行するための決定や設定を行う。一方、変数xが「0」になったときには(ステップS633;Yes)、再変動演出決定処理を終了する。
図15に示す再変動演出決定処理では、ステップS622の処理により煽り後再変動回数を変数mにセットするとともに、ステップS623の処理により擬似連回数を変数xにセットする。その後、ステップS632の処理により1減算された変数xがステップS633の処理により「0」になったと判定されるまで、ステップS624〜S633の処理が繰返し実行される。そして、ステップS624の処理により変数mが「0」以外であると判定されたときには、ステップS625〜S628の処理が実行される。これらの処理により、変数xに対応する擬似連回数の擬似連変動が実行される前(直前)の変動表示中に、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としてからリーチ後煽り演出を実行し、さらに煽り後再変動演出を実行するための設定が行われる。一方、ステップS624の処理により変数mが「0」であると判定されたときには、ステップS630、S631の処理により、リーチ成立前に擬似連チャンス目を仮停止表示して擬似連変動を実行するための設定が行われる。
ここで、ステップS621の処理では、例えば図16に示すような決定割合の設定により、煽り後再変動回数が変動パターンに対応した擬似連変動の実行回数(擬似連回数)未満に決定される。したがって、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合に、少なくとも1回目の擬似連変動が実行される前(直前)の初回変動では、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに擬似連チャンス目が仮停止表示される。
この実施の形態では、図15に示すステップS622〜S633の処理が実行されることにより、煽り後再変動演出により擬似連変動が実行された後に、さらに擬似連チャンス目となる飾り図柄を仮停止表示させて擬似連変動が実行されるときには、常に飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としてからリーチ後煽り演出を実行し、さらに煽り後再変動演出が実行される。しかしながら、この発明はこれに限定されず、煽り後再変動演出により擬似連変動が実行された後に、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる前のリーチ成立前に擬似連チャンス目となる飾り図柄を仮停止表示させて擬似連変動が実行される場合を設けてもよい。この場合でも、煽り後再変動回数が多くなるに従って、大当り期待度が高くなるように設定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出が実行された後に非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される変動パターンとしては、図9に示す変動パターンPA1−3のように、擬似連変動が1回実行される変動パターンが予め用意されている。擬似連変動の実行回数が「1」である場合には、図15に示すステップS621の処理にて、図16に示す決定割合の設定により、煽り後再変動回数が「0」に決定される。したがって、「擬似連」の可変表示演出が実行されるとともに、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならない「非リーチ」の場合には、煽り後再変動演出が実行されないように制限される。すなわち、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とせずに可変表示を終了させることに決定された場合には、擬似連変動を実行するタイミングとして、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後のタイミングを決定しないように制限される。
なお、この実施の形態では、変動パターンに対応した擬似連変動の実行回数に基づく煽り後再変動回数の決定結果から、間接的に、擬似連変動を実行するタイミングがリーチ成立前のみに決定される。しかしながら、この発明はこれに限定されず、変動パターンから特定される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合には、擬似連変動を実行するタイミングがリーチ成立前のみに決定されるように設定してもよい。
また、この実施の形態では、特図表示結果が「大当り」となる場合に、特図表示結果が「ハズレ」となる場合よりも十分に高い割合で、高期待度演出を実行すると決定されるとともに、特図表示結果が「ハズレ」となる場合よりも多くの煽り後再変動回数に決定される可能性が高められることから、間接的に、煽り後再変動回数が多くなるに従って、高期待度演出が実行される可能性が高められる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、高期待度演出が実行される場合には、実行されない場合よりも多くの煽り後再変動演出に決定される割合が高くなるように設定してもよい。
図17は、可変表示中演出処理として、図11のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS521)。一例として、ステップS521の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS521にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS521;No)、リーチ後煽り演出を実行するためのリーチ後煽り演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS522)。リーチ後煽り演出実行期間は、例えばリーチ後煽り演出に対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS522にてリーチ後煽り演出実行期間であるときには(ステップS522;Yes)、リーチ後煽り演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS523)。
一例として、ステップS523の処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データまたは可動演出部材制御データなど)に応じて、所定の演出態様によるリーチ後煽り演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123やモータ駆動回路16などに対して伝送させればよい。より具体的には、「可動演出部材動作」のリーチ後煽り演出を実行するときに、可動演出部材60を揺動させるための駆動制御信号を作成して、モータ駆動回路16へと伝送させる。一方、「群画像表示」のリーチ後煽り演出を実行するときに、多数のキャラクタを示す演出画像群が揺動するように表示させるための表示制御指令を作成して、表示制御部123へと伝送させる。
ステップS523の処理により演出制御基板12の演出制御用CPU120などから伝送された駆動制御信号に応じて、モータ駆動回路16が可動演出部材用モータ61を回転駆動することにより、可動演出部材60を揺動させるリーチ後煽り演出が実行される。また、ステップS523の処理により演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令に応じて、表示制御部123が所定の映像信号を生成して画像表示装置5に供給することにより、多数のキャラクタを示す演出画像群が揺動するように表示されるリーチ後煽り演出が実行される。
ステップS522にてリーチ後煽り演出実行期間ではないときや(ステップS522;No)、ステップS523の処理を実行した後には、再変動演出を実行するための再変動演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS524)。再変動演出実行期間は、変動パターンおよび再変動タイミングの決定結果などに対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS524にて再変動演出実行期間であるときには(ステップS524;Yes)、再変動演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS525)。
ステップS525の処理では、再変動演出として煽り後再変動演出が実行される場合に、演出制御パターンなどから読み出した表示制御データに応じて作成した表示制御指令を表示制御部123に対して伝送させればよい。このとき伝送された表示制御指令に応じて、表示制御部123が所定の映像信号を生成して画像表示装置5に供給することにより、例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて仮停止表示する擬似連チャンス図柄を、高期待度演出が実行される場合に可動演出部材60が進出する方向や演出画像群が表示領域を通過する方向と同一の方向に移動するように表示させればよい。
ステップS524にて再変動演出実行期間ではないときや(ステップS524;No)、ステップS525の処理を実行した後には、高期待度演出を実行するための高期待度演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS526)。高期待度演出実行期間は、例えば高期待度演出を実行する旨の決定結果に対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS526にて高期待度演出実行期間であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、高期待度演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS527)。
一例として、ステップS527の処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データまたは可動演出部材制御データなど)に応じて、所定の演出態様による高期待度演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123やモータ駆動回路16などに対して伝送させればよい。より具体的には、第1高期待度演出を実行するときに、可動演出部材60を画像表示装置5における表示領域の前面に進出させるための駆動制御信号を作成して、モータ駆動回路16へと伝送させる。一方、第2高期待度演出を実行するときに、多数のキャラクタを示す演出画像群が表示領域を通過するように表示させるための表示制御指令を作成して、表示制御部123へと伝送させる。
ステップS527の処理により演出制御基板12の演出制御用CPU120などから伝送された駆動制御信号に応じて、モータ駆動回路16が可動演出部材用モータ61を回転駆動することにより、可動演出部材60を表示領域における所定端部の近傍から表示領域の前面へと進出させる第1高期待度演出が実行される。また、ステップS527の処理により演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令に応じて、表示制御部123が所定の映像信号を生成して画像表示装置5に供給することにより、多数のキャラクタを示す演出画像群が表示領域を通過するように表示される第2高期待度演出が実行される。
ステップS526にて高期待度演出実行期間ではないときや(ステップS526;No)、ステップS527の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS528)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。なお、リーチ後煽り演出や高期待度演出がリーチ演出に含まれる場合もある。この場合には、ステップS528の処理にてリーチ演出実行期間であると判定されたときに、ステップS522、S523、S526、S527の処理などが実行可能になればよい。ステップS528にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS528;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS529)。
ステップS528にてリーチ演出実行期間ではないときや(ステップS528;No)、ステップS529の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS530)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS521にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS521;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS531)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS531;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS531にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS531;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS532)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS533)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS534)、可変表示中演出処理を終了する。
図18(A)は、変動パターンに対応した「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)が3回であり、図15に示すステップS621の処理により決定される煽り後再変動回数が2回であって、図13に示すステップS605の処理により高期待度演出ありに決定された場合における各種演出の実行タイミングを示している。この場合、初回変動と各回の擬似連変動(第1擬似連変動〜第3擬似連変動)が行われる期間に対応して、擬似連チャンス目となる飾り図柄を仮停止表示してから再変動させる再変動演出(煽り後再変動演出を含む)や、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合のリーチ後煽り演出、さらには高期待度演出といった、各種の演出を実行するタイミングが、例えば変動パターンや各種の決定結果に対応して選択された演出制御パターンにより、予め定められている。
一例として、図18(B)に示すように、タイミングTY01、TY11、TY21は、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる前(リーチ前)またはリーチ態様となってからリーチ後煽り演出が実行された後(煽り後)に、再変動演出の実行を開始するタイミングとなる。タイミングTY12、TY22、TY32は、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となってからリーチ後煽り演出の実行を開始するタイミングとなる。タイミングTY33は、最終回の擬似連変動(第3擬似連変動)が行われる最終変動時にて高期待度演出の実行を開始するタイミングとなる。こうした複数のタイミングで実行される各種演出における演出態様(演出内容)は、使用パターンとなる演出制御パターンに対応して設定されればよい。
タイミングTY12、TY22、TY32のように、リーチ後煽り演出の実行を開始するタイミングは、「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って仮停止表示されて飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて飾り図柄の変動表示(スクロール表示など)が継続して行われている期間に含まれていればよい。あるいは、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となってから、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて飾り図柄が一旦仮停止表示された後のタイミングにて、リーチ後煽り演出の実行が開始されるようにしてもよい。
図19および図20は、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行される各種演出における動作例を示している。
図19は、図13に示すステップS603の処理または図15に示すステップS626の処理により、リーチ後煽り演出が「可動演出部材動作」の演出態様に決定された場合に対応した演出動作例を示している。この演出動作例では、図19(a)に示すように飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったことに基づいて、図19(b)に示すように表示領域の所定縁部に対応する演出位置にて可動演出部材60が揺動するリーチ後煽り演出が実行される。このとき、可動演出部材60は、例えば画像表示装置5における表示領域の上縁部となる上辺が形成する表示領域の内部と外部との境界部分の付近にて、揺動するように動作すればよい。表示領域の境界部分の付近としては、可動演出部材60が境界部分の前面に掛かった状態であってもよいし、境界部分の前面には掛からないように表示領域の内部まで進出した状態(高期待度演出の場合までは進出していない状態)であってもよい。可動演出部材60の揺動に伴い、可動演出部材60に内蔵された装飾用LEDといった発光体を点灯または点滅させてもよい。発光体の点灯または点滅に代えて、あるいは発光体の点灯または点滅とともに、画像表示装置5の表示領域にリーチ後煽り演出の実行に伴う所定の演出画像を表示させてもよい。
図13に示すステップS605の処理により高期待度演出を実行することに決定された場合には、図19(b)に示すリーチ後煽り演出に続いて、図19(c)に示すように可動演出部材60が画像表示装置5における表示領域の前面に進出する高期待度演出が実行される。このとき、可動演出部材60は、初期位置となる表示領域の上縁部(上辺)の近傍における退避位置から、表示領域の前面にて「中」の飾り図柄表示エリア5Cを覆うような進出位置へと向かう可動演出方向に、移動して進出するように動作すればよい。可動演出部材60の進出に伴い、可動演出部材60に内蔵された装飾用LEDといった発光体を点灯(例えばフラッシュ点灯など)させてもよい。発光体の点灯に代えて、あるいは発光体の点灯とともに、画像表示装置5の表示領域に高期待度演出の実行に伴う所定の演出画像を表示させてもよい。
リーチ後煽り演出が実行されても高期待度演出が実行されない場合には、煽り後再変動演出が実行されることがある。例えば図15に示すステップS624の処理により変数mが「0」以外であると判定されることで、ステップS628の処理により煽り後再変動演出を実行するための設定が行われた場合には、図19(b)に示すリーチ後煽り演出に続いて、図19(d)に示すように擬似連チャンス図柄が「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて仮停止表示される煽り後再変動演出が実行される。
図19(d)に示す擬似連チャンス図柄は、例えば画像表示装置5における表示領域の上縁部(上辺)から、表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cへと向かう方向にスクロール表示されて仮停止表示されればよい。この表示方向は、高期待度演出にて可動演出部材60が表示領域の前面へと進出するときに移動する方向である可動演出方向と同一の方向であればよい。これにより、リーチ後煽り演出に続いて高期待度演出の実行を望んで可動演出部材60の進出に注目していた遊技者は、高期待度演出の代わりに擬似連チャンス目が仮停止表示されて「擬似連」の可変表示が実行されることを容易に認識することができ、高期待度演出が実行されない場合における演出の意外性を高めることができる。
図15に示すステップS624の処理により変数mが「0」であると判定されることで、ステップS628の処理による煽り後再変動演出の実行設定が行われなかった場合には、図19(b)に示すリーチ後煽り演出が実行されてから、高期待度演出や煽り後再変動演出が実行されずに、図19(e)に示すように変動パターンなどに対応したリーチ演出が実行される。
図20は、図13に示すステップS603の処理または図15に示すステップS626の処理により、リーチ後煽り演出が「群画像表示」の演出態様に決定された場合に対応した演出動作例を示している。この演出動作例では、図20(a)に示すように飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったことに基づいて、図20(b)に示すように表示領域の所定縁部に対応する演出位置にて多数のキャラクタを示す演出画像群の一部を揺動させるように表示するリーチ後煽り演出が実行される。このとき、演出画像群は、例えば画像表示装置5における表示領域の上縁部となる上辺が形成する表示領域の内部と外部との境界部分の付近にて、揺動するように表示されればよい。演出画像群の揺動表示に伴い、表示領域の周囲に配置された装飾用LEDといった発光体を点灯または点滅させてもよい。発光体の点滅または点灯に代えて、あるいは発光体の点灯または点滅とともに、画像表示装置5の表示領域にリーチ後煽り演出の実行に伴う所定の演出画像(多数のキャラクタを示す演出画像群とは異なる演出画像)を表示させてもよい。
図13に示すステップS605の処理により高期待度演出を実行することに決定された場合には、図20(b)に示すリーチ後煽り演出に続いて、図20(c)に示すように演出画像群が画像表示装置5における表示領域を通過するように表示される高期待度演出が実行される。このとき、演出画像群は、表示領域における所定縁部となる上縁部(上辺)から、他の縁部となる下縁部(下辺)へと向かう画像表示方向に、移動して通過するように表示されればよい。演出画像群の通過い伴い、表示領域の周囲に配置された装飾用LEDといった発光体を点灯(例えばフラッシュ点灯など)させてもよい。一方、図15に示すステップS624の処理にて変数mが「0」以外であると判定されたことによるステップS628での設定に基づいて、図20(b)に示すリーチ後煽り演出に続いて、図20(d)に示すように擬似連チャンス図柄が「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて仮停止表示される煽り後再変動演出を実行することができる。
図20(d)に示す擬似連チャンス図柄は、例えば画像表示装置5における表示領域の上縁部となる上辺から、表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cへと向かう方向にスクロール表示されて仮停止表示されればよい。この表示方向は、高期待度演出にて多数のキャラクタを示す演出画像群が表示領域を通過するときに移動する方向である画像表示方向と同一の方向であればよい。これにより、リーチ後煽り演出に続いて高期待度演出の実行を望んで演出画像群の通過に注目していた遊技者は、高期待度演出の代わりに擬似連チャンス目が仮停止表示されて「擬似連」の可変表示演出が実行されることを容易に認識することができ、高期待度演出が実行されない場合における演出の意外性を高めることができる。
図15に示すステップS624の処理にて変数mが「0」であると判定されることにより、ステップS628での設定が行われれなかった場合には、図20(b)に示すリーチ後煽り演出が実行されてから、高期待度演出や煽り後再変動演出が実行されずに、図20(e)に示すように変動パターンなどに対応したリーチ演出が実行される。
煽り後再変動演出が実行されるときには、例えば図19(d)や図20(d)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な擬似連チャンス図柄が仮停止表示されることにより、擬似連チャンス目を構成する飾り図柄の組合せとなるようにしてもよい。あるいは、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて飾り図柄が仮停止表示されるときに、例えば「右」の飾り図柄表示エリア5Rにて一旦仮停止表示された飾り図柄を再び変動させる「滑り」の可変表示演出を行うことで、通常時における可変表示でも使用される飾り図柄の組合せからなる擬似連チャンス目を仮停止表示させるようにしてもよい。
図13に示すステップS608の処理によりノーマルのリーチ演出を実行した後に可変表示結果が「大当り」になると判定された場合には、図19(b)や図20(b)に示すリーチ後煽り演出に続いて、例えば大当り組合せを構成する飾り図柄または突確チャンス図柄といった、所定の飾り図柄が「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示されるように導出される煽り後大当り導出演出が実行される。このとき導出される飾り図柄は、煽り後再変動演出にて擬似連チャンス図柄が仮停止表示される場合と同様に、高期待度演出にて可動演出部材60が進出するときの可動演出方向または演出画像群が表示領域を通過するときの画像表示方向と同一の方向に、スクロール表示されて導出されればよい。これにより、リーチ後煽り演出に続いて高期待度演出の実行を望んで可動演出部材60の進出や演出画像群の通過に注目していた遊技者は、高期待度演出の代わりに大当り組合せを構成する飾り図柄や突確チャンス図柄が導出されることを容易に認識することができ、高期待度演出が実行されない場合における演出の意外性を高めることができる。
こうして、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったことに基づいてリーチ後煽り演出が実行された後には、高期待度演出が実行される場合もあれば実行されない場合もある。リーチ後煽り演出が実行されても高期待度演出が実行されない場合に、煽り後再変動演出や煽り後大当り導出演出といった、所定表示結果を構成する飾り図柄が表示される特定演出を実行することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、図13に示すステップS603にてリーチ後煽り演出を「可動演出部材動作」または「群画像表示」の演出態様のいずれかに決定することなどにより、可動演出部材60を動作させるリーチ後煽り演出や高期待度演出と、多数のキャラクタを示す演出画像群を表示させるリーチ後煽り演出や高期待度演出とのうち、いずれかのリーチ後煽り演出や高期待度演出を選択的に実行できるものとして説明した。これに対して、可動演出部材60を動作させる演出と、多数のキャラクタを示す演出画像群を表示させる演出とのうち、いずれか一方の演出のみが実行可能であり、他方の演出は実行されることがないものであってもよい。
他の一例として、上記実施の形態では、リーチ後煽り演出が実行されても高期待度演出が実行されない場合に、擬似連チャンス図柄といった擬似連チャンス目を構成する飾り図柄を表示する煽り後再変動演出だけでなく、大当り組合せを構成する飾り図柄や突確チャンス図柄となる飾り図柄を表示する煽り後大当り導出演出も実行できるものとして説明した。これに対して、煽り後再変動演出と煽り後大当り導出演出とのうち、いずれか一方の演出のみが実行可能であり、他方の演出は実行されることがないものであってもよい。
上記実施の形態では、図13に示すステップS603の処理にてリーチ後煽り演出の演出態様が「群画像表示」に決定されたことや、ステップS607の処理による設定などに対応して、図20(c)に示すような多数のキャラクタを示す演出画像群が所定の画像表示方向に移動して通過するように表示されるものとして説明した。一方、このような演出画像群を移動表示させるものに限定されず、例えば単一のキャラクタを示す演出画像といった、任意の特定画像が移動表示されるものであればよい。具体的な一例として、図19(c)に示す可動演出部材60と同様の星型を示す演出画像を、所定の画像表示方向に移動表示させることにより、高期待度演出が実行されてもよい。この場合、特定画像が表示領域の所定縁部から他の縁部に向けて通過するように移動表示されてもよいし、特定画像が表示領域の所定縁部から中心部に向けて進出するように移動表示された後、所定縁部へと戻るように移動表示されたり、段階的に消去(フェードアウト)されたりしてもよい。
これらの他にも、パチンコ遊技機1といった遊技機の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、示唆演出や期待度昇格演出といった所定演出を実行するための画像表示装置5における画像表示動作やスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける点灯動作や演出用模型に含まれる可動部材の動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1といった遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、画像表示装置5における表示領域の所定縁部の近傍に可動演出部材60が設けられ、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったときには、表示領域の所定縁部に対応する演出位置にて、例えば可動演出部材60を揺動させるといった、リーチ後煽り演出が実行される。このリーチ後煽り演出が実行された後には、例えば可動演出部材60が表示領域の前面に進出するといった有利態様で動作することにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを示唆する高期待度演出が実行される場合がある。一方、リーチ後煽り演出が実行されても高期待度演出が実行されない場合に、例えば擬似連チャンス図柄や大当り組合せを構成する飾り図柄あるいは突確チャンス図柄といった、所定表示結果を構成する飾り図柄が「中」の飾り図柄表示エリア5Cなどに表示される煽り後再変動演出や煽り後大当り導出演出を実行することができる。こうして、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後のリーチ後煽り演出に続いて実行される演出を多様化させることで、遊技者に与える演出の意外性を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
煽り後再変動演出や煽り後大当り導出演出にて所定表示結果を構成する飾り図柄が表示されるときには、高期待度演出にて可動演出部材60が動作するときに、表示領域の所定縁部の近傍から表示領域の前面へと向かう可動演出方向と同一の方向に、飾り図柄を移動表示させる。これにより、高期待度演出の実行を望んで可動演出部材60の進出に注目していた遊技者は、煽り後再変動演出や煽り後大当り導出演出により所定表示結果を構成する飾り図柄が表示されることを容易に認識することができ、高期待度演出が実行されない場合における演出の意外性を高めることができる。
また、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったときには、画像表示装置5における表示領域の所定縁部に対応する演出位置にて、例えば多数のキャラクタを示す演出画像群の一部を揺動するように表示させるといった、リーチ後煽り演出が実行される。このリーチ後煽り演出が実行された後には、例えば演出画像群が表示領域を通過するといった有利態様で表示されることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを示唆する高期待度演出が実行される場合がある。一方、リーチ後煽り演出が実行されても高期待度演出が実行されない場合に、例えば擬似連チャンス図柄や大当り組合せを構成する飾り図柄あるいは突確チャンス図柄といった、所定表示結果を構成する飾り図柄が「中」の飾り図柄表示エリア5Cなどに表示される煽り後再変動演出や煽り後大当り導出演出を実行することができる。こうして、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後のリーチ後煽り演出に続いて実行される演出を多様化させることで、遊技者に与える演出の意外性を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
煽り後再変動演出や煽り後大当り導出演出にて所定表示結果を構成する飾り図柄が表示されるときには、高期待度演出にて演出画像群が通過するときに、表示領域の所定縁部から他の縁部へと向かう画像表示方向と同一の方向に、飾り図柄を移動表示させる。これにより、高期待度演出の実行を望んで演出画像群の通過に注目していた遊技者は、煽り後再変動演出や煽り後大当り導出演出により所定表示結果を構成する飾り図柄が表示されることを容易に認識することができ、高期待度演出が実行されない場合における演出の意外性を高めることができる。
図15に示すステップS621の処理にて煽り後再変動回数を決定するときには、図16に示すような決定割合の設定により、煽り後再変動回数が変動パターンに対応する擬似連変動の実行回数(擬似連回数)未満に決定される。その後、ステップS622〜S633の処理が実行されることにより、少なくとも1回目の擬似連変動が実行される前の初回変動では、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに擬似連チャンス目が仮停止表示されてから第1擬似連変動の実行が開始される。こうした第1擬似連変動の実行により、「擬似連」の可変表示演出が実行されたことを遊技者に明確に認識させてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となることで、さらなる擬似連変動が実行されないような印象を遊技者に与える。しかしながら、リーチ後煽り演出に続いて煽り後再変動演出が実行されることで、擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されてから、さらに擬似連変動が実行される。これにより、「擬似連」の可変表示演出にて複数回の擬似連変動が実行されるときに、遊技者に与える演出の意外性を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図15に示すステップS621の処理にて煽り後再変動回数を決定するときには、図16に示すような決定割合の設定により、煽り後再変動回数が多くなるに従って、大当り期待度が高められる。これにより、リーチ後煽り演出が実行されても高期待度演出が実行されない場合に、煽り後再変動演出が実行されることで大当り期待度が高められることで、さらに擬似連変動にて高期待度演出が実行されることへの期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に、「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンPA1−3に対応して煽り後再変動回数が「0」に決定されることなどにより、擬似連チャンス目を仮停止表示して擬似連変動の実行を開始する再変動タイミングは、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とした後のリーチ成立後にはならないように決定される。これにより、例えば飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とすることで可変表示結果が「大当り」となることへの期待感が高められた後、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出されて遊技者を落胆させることを防止できる。