JP2013079891A - 超音波を用いた風向風速センサ - Google Patents

超音波を用いた風向風速センサ Download PDF

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Abstract

【課題】超音波式風向風速センサに於いて、従前のよりも、使用される超音波送受波器、発信機、受信機の数を少なくする。
【解決手段】本発明の超音波式風向風速センサは、超音波を発する送波器LLと、送波器から発せられた超音波を受波してその到来を検出すると共に超音波を反射する第一の受波器Hと、第一の受波器にて反射された超音波を受波してその到来を検出する第二の受波器RRとを有する。送波器LL及び第二の受波器RRと第一の受波器との間の空気流の向き及び/又は速度は、送波器LLから第一の受波器Hまでの超音波の伝播時間と、第一の受波器Hから第二の受波器RRまでの超音波の伝播時間とに基づいて算定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、風向風速センサに係り、より詳細には、自動車等の車両に搭載され、走行中の車両の受ける風の向き及び速度を検出する超音波を用いた風向風速センサに係る。
自動車等の車両に於いて、超音波を用いた風向風速センサ(以下、「超音波式風向風速センサ」と称する。)を車両の屋根部分などに配置し、走行中に車両が受ける横風を検知する構成が知られている。そして、かかる風向風速センサで検出された横風の風速、風向等の情報は、横風による不安定な挙動を抑制すべく、ステアリング制御等に利用される。そのような超音波を用いた風向風速センサの具体的な構成(特許文献1)に於いては、典型的には、図5(A)に模式的示されている如く、二組の対向して配置された超音波送受波器(超音波振動子)の対L1−R1、L2−R2が、互いに直角の方向を向くように設けられ、それぞれの超音波送受波器対の間にて超音波が発せられ、その超音波の伝播時間が計測される。超音波の伝播時間は、超音波送受波器対の間の風、即ち、空気の流れの向き及び速さによって変化するため、かかる超音波の伝播時間を解析することにより、風速と風向とが検出できることとなる。また、風向風速センサの構成の別の態様として、特許文献2には、同一平面内に一つの超音波送波器と、それを囲繞するように4つの超音波受波器とを配置し、超音波送波器から発せられた超音波が超音波送波器及び超音波受波器に配置された平面に対向して配置された反射板にて反射して4つの超音波受波器に到達する際の超音波の伝播時間の差を解析して、風速と風向とを検出する構成が提案されている(車載用ではないが、類似の構成が特許文献3にも記載されている。)。
特開昭57−77965号公報 特開平8−220127号公報 特開平10−132839号公報
図5(A)に例示の超音波式風向風速センサの場合、4個の超音波振動子と、二個の発信機と、二個の受信機とを必要とし、回路の構造がやや複雑であった。また、後により詳細に説明される如く、音速の検出を行わずに、風向及び風速を検出する場合には、超音波の送受信を2回以上実行する必要があり、検出時間がやや長くなっていた。
かくして、本発明の一つの目的は、超音波式風向風速センサに於いて、従前のよりも、使用される超音波送受波器、発信機、受信機の数が少なく、構造を複雑にせずに、検出時間を短縮できるようにすることである。
本発明によれば、上記の課題は、超音波式風向風速センサであって、超音波を発する送波器と、送波器から発せられた超音波を受波してその到来を検出すると共に超音波を反射する第一の受波器と、第一の受波器にて反射された超音波を受波してその到来を検出する第二の受波器とを有することを特徴とする風向風速センサによって達成される。
超音波を用いて風向及び/又は風速を検出するためには、原理的に、少なくとも二つの方向に於ける超音波の伝播速度に関する情報(通常、送波器−受波器間の距離は固定されているので、実際には、超音波の伝播時間)を知る必要がある。そこで、従前では、既に述べた如く、二組の送波器と受波器の対を準備する必要があった。しかしながら、上記の本発明の構成に於いては、一方の受波器にて反射された超音波を別の受波器にて検出するという手法が採用される。そして、送波器から第一の受波器までの超音波の伝播時間と、第一の受波器から第二の受波器までの超音波(反射波)の伝播時間とに基づいて、送波器及び第一、第二の受波器の間に流通する空気流の向きと速度、即ち、風向と風速とが検出されることとなる。かかる構成によれば、二つの方向に於ける超音波の伝播速度に関する情報の取得が一つの送波器と二つの受波器(即ち、第一及び第二の受波器)とのみにより可能となり、超音波の送・受波器の数、発信機、受信機の数が、従前より低減される。また、後により詳細に示される如く、送・受波器、発信機、受信機を互いに接続するための回路構成も、従前に比して複雑化されることはない。
上記の本発明の構成に於いて、送波器、第一、第二の受波器は、送波器と第一の受波器とを結ぶ方向と、第二の受波器と第一の受波器とを結ぶ方向とが、ずれていれば、任意に配置されてよい。送波器−第一の受波器間の距離、第二の受波器−第一の受波器間の距離は、距離が把握されていれば、任意であってよい。特に、本発明の場合、使用される送波器と受波器の数が従前に比して少ないので、それらの配置場所の自由度が増大され、有利である。なお、典型的には、送波器と第一の受波器とを結ぶ方向と、第二の受波器と第一の受波器とを結ぶ方向とは、互いに直角であってよい。
実施の態様の一つに於いて、上記の本発明による超音波式風向風速センサは、より詳細には、送波器から第一の受波器までの超音波の伝播時間と、第一の受波器から第二の受波器までの超音波の伝播時間と、気温とに基づいて、送波器及び第二の受波器と第一の受波器との間の空気流の向き及び/又は速度を算定するよう構成されていてよい。ここで、気温は、音速の推定値を得るために使用される。かかる構成によれば、一回の超音波の発振により、空気流の向き及び/又は速度が検出可能となり、有利である。
また、上記の本発明による超音波式風向風速センサの別の態様に於いて、送波器及び第二の受波器として、超音波の送受波が可能な送受波器を採用し(第一の送受波器、第二の送受波器)、超音波が第一の送受波器から第一の受波器へ向けて発せられ、第一の受波器にて受波されると共に反射されて第二の送受波器にて受波される第一のモードと、超音波が第二の送受波器から第一の受波器へ向けて発せられ、第一の受波器にて受波されると共に反射されて第一の送受波器にて受波される第二のモードとが実行される。そして、第一のモードにて計測される第一の送受波器から第一の受波器までの超音波の伝播時間と、第一の受波器から第二の送受波器までの超音波の伝播時間と、第二のモードにて計測される第二の送受波器から第一の受波器までの超音波の伝播時間と、第一の受波器から第一の送受波器までの超音波の伝播時間とに基づいて、第一及び第二の送受波器と第一の受波器との間の空気流の向き及び/又は速度が算定される。かかる構成によれば、後でより詳細に説明される如く、気温に基づく音速の推定値を用いずに、空気流の向き及び/又は速度が算定できることとなり、算定精度の向上が期待される。なお、空気流の向き及び/又は速度の算定のために、第一のモードと第二のモードは、任意の回数繰り返されてよく、それぞれのモードの回数が異なっていてもよい。
上記の本発明の超音波式風向風速センサは、車体の屋根部分又はフロント部分等の横風を受ける任意の部位に配置されてよい。
かくして、上記の本発明によれば、一つの超音波受波器を、超音波の検出器として及び超音波の反射体として利用することにより、一回の超音波の発振により、互いに異なる二つの方向に伝播する超音波を生成し、これにより、風向及び/又は風速の検出が可能となる。かかる構成に於いては、超音波送波器は、一つでよいので、発信機も一つ準備されればよく、センサの構成部品数が低減され、構成が簡素化されることとなる。また、超音波送・受波器の数が三つとなるので、超音波送・受波器を同一平面内に配置することが容易となり、車体へのセンサの配置選択及び取付も容易となり、有利である。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1は、本発明の超音波式風向風速センサの原理を説明する図である。 図2は、本発明の超音波式風向風速センサの回路構成を説明する図である。(A)は、気温を用いた音速の推定値の算定を含む構成であり、(B)は、気温を用いた音速の推定を実行せずに、送・受波器間の空気流の向き及び速度(風向、風速)を検出する構成である。 図3は本発明による超音波式風向風速センサの配置例を示す車両の模式的な斜視図である。 図4は、本発明による超音波式風向風速センサの作動をタイムチャートの形式で表した図である。 図5(A)は、従来の超音波式風向風速センサの原理を説明する図であり、図5(B)、(C)は、従来の超音波式風向風速センサの回路構成を説明する図である。
10、11…発信機
20、21、30…受信機
40…演算制御器
50…大気温度センサ
LL、H、RR…超音波送・受波器(超音波振動子)
Ss…超音波
W…横風
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
従来の超音波式風向風速センサの原理と構成
既に触れた如く、超音波を用いて風向と風速を検出するためには、少なくとも二つの方向に伝播する超音波の伝播速度に関する情報を知る必要がある。通常、送波器−受波器間の距離は固定されているので、実際には、超音波の伝播時間を計測し、二方向の超音波の伝播速度の成分が検知される。そこで、従来の超音波式風向風速センサに於いては、二組の超音波振動子(L1、R1)(L2、R2)の対が、図5(A)に示されている如く、互いに直角に配置され、超音波振動子(送波器)L1、L2から発せられた超音波Ssが超音波振動子(受波器)R1、R2に到達するまでの伝播時間が計測される。超音波の伝播時間は、送波器−受波器間の空気流の向きと速度に依存して変化するので、二組の超音波振動子の対の各々に於ける超音波の伝播時間から、空気流の向きと速度が算定されることとなる。
一つの態様(特許文献1)に於いて、具体的には、空気流の向きと速度は、下記の如く算定される。図5(A)を参照して、まず、振動子(送波器)L1から振動子(受波器)R1までの伝播時間T1L、振動子(送波器)L2から振動子(受波器)R2までの伝播時間T2Lは、それぞれ、
T1L=L/(Vu+Va)…(1a)
T2L=L/(Vu+Vb)…(1b)
により与えられる。ここで、Lは、送波器−受波器間の距離であり、Vuは、音速、Vaは、風速Vwの振動子L1−R1間に平行な成分であり、Vbは、風速Vwの振動子L2−R2間に平行な成分である。従って、Va、Vbは、
Va=L/T1L−Vu…(2a)
Vb=L/T2L−Vu…(2b)
により与えられる。ここで、音速Vuは、気温の関数として推定可能であるので、気温の計測値を用いて、予め準備された関数式により与えられる。従って、風速Vwと、風向θは、
Vw=(Va+Vb1/2…(3a)
θ=tan−1(Va/Vb)…(3b)
により与えられる。
なお、送波器及び受波器を切り換えて、上記の振動子R1、R2を送波器として、振動子L1、L2を受波器として、それぞれ使用した場合、超音波Ssの振動子R1から振動子L1までの伝播時間T1R及び振動子R2から振動子L2までの伝播時間T2Rは、それぞれ、
T1R=L/(Vu−Va)…(1c)
T2R=L/(Vu−Vb)…(1d)
により与えられる。従って、式(1a)と(1c)、及び、式(1b)と(1d)から、それぞれ、
Va=(L/2)・(T1R−T1L)/(T1R・T1L)…(2c)
Vb=(L/2)・(T2R−T2L)/(T2R・T2L)…(2d)
により与えられ、かくして、音速の推定値を用いずに、風速Vwと、風向θが決定できることとなる。
図5(B)は、上記の(気温に基づく音速推定値を用いない場合の)原理による風向・風速検出を実行するための回路構成の例の略図を示している。同図を参照して、センサの回路に於いては、二つの送波器のそれぞれに対して超音波の発振のための電気信号を与える発信機10、11と、二つの受波器のそれぞれが受容した超音波から変換された電気信号を受容する受信機20、21とを有し、各振動子を送波器とするか受波器とするかを切り換えるためのSW1〜4が設けられている。その作動に於いては、まず、SW1〜4が図示の如く、端子aに設定されている状態にて発信機10、11から電気信号が振動子R2、R1へ発信され、振動子R2、R1から超音波Ssが送波される。その際、同時に発信機10、11からは、時刻を表す信号s1、s2が受信機20、21へ送信され、超音波の発振時刻が記録される。そして、振動子R2、R1から送波された超音波が振動子L2、L1に到達すると、振動子L2、L1から電気信号が受信機20、21へ送信され、図示していない演算器に於いて、それらの時刻と信号s1、s2の表す時刻との差異から、振動子R1から振動子L1までの伝播時間T1Rと、振動子R2から振動子L2までの伝播時間T2Rとがそれぞれ算定される。しかる後、SW1〜4を端子bへ切換え、振動子L2、L1を送波器として、振動子R2、R1を受波器として、それぞれ設定して、上記と同様に、発信機10、11からの振動子L2、L1への電気信号の発信、時刻信号s1、s2の発信、振動子L2、L1から超音波Ssの送波、振動子R2、R1に於ける超音波の受波、超音波を受波した振動子R2、R1からの電気信号の送信の各過程が実行され、振動子L1から振動子R1までの伝播時間T1Lと、振動子L2から振動子R2までの伝播時間T2Lとが決定される。そして、式(2c)、(2d)を用いて、風速Vwの成分Va、Vbが算出され、式(3a)、(3b)を用いて、風速Vwと風向θとが算定される。
図5(C)は、音速推定値を用いない場合の風向・風速検出を実行するための回路構成の別の例の略図を示している。同図の構成の場合には、発信機と受信機の対を一組のみ準備し、更に、スイッチSW3、SW4により、一時に作動する振動子の対の選択が行われる。この構成の場合には、まず、図示の状態で、振動子R2から振動子L2までの伝播時間T2Rが計測され、スイッチSW3、SW4を端子bに切換えて、振動子R1から振動子L1までの伝播時間T1Rが計測され、スイッチSW1、SW2を端子bに切換えて、振動子L1から振動子R1までの伝播時間T1Lが計測され、更に、スイッチSW3、SW4を端子aに切換えて、振動子L2から振動子R2までの伝播時間T2Lが計測される。そして、図5(B)の場合と同様に、式(2c)、(2d)を用いて、風速Vwの成分Va、Vbが算出され、式(3a)、(3b)を用いて、風速Vwと風向θとが算定される。
上記の如き従来の超音波式風向風速センサの場合、二組の超音波振動子の対を準備する必要があり、特に図5(B)の場合には、二組の発信機と受信機の対を必要とし、回路構成がやや複雑となる。また、図5(C)の場合には、一組の発信機と受信機の対のみで良いが、4回の超音波の送波・伝播・受波のサイクルが実行されることとなり、検出時間がやや長くなる。更に、精度良く風向・風速を決定するためには、全ての振動子を同一平面内に配置することが好ましいが、振動子が4つの場合には、センサの配置される車体の形状によって、同一平面内に配置することが困難な場合がある。
本発明の超音波式風向風速センサの原理
上記の従来の技術の構成を改良すべく、本発明の超音波式風向風速センサに於いては、使用する超音波振動子の数が3つである新規な構成が採用される。その際、端的に述べれば、本発明の於いては、3つの振動子のうち、一つの振動子を受波器として用いると同時にその振動子により反射された超音波を更に検出し、これにより、二方向の超音波の伝播時間が計測される。
図1は、本発明の超音波式風向風速センサの原理を示している。まず、図1(A)を参照して、本発明の超音波式風向風速センサに於いては、3つの振動子LL、H、RRが準備され、図示の如く、振動子Hの受波面(反射面)から見た振動子LLの方向の為す角と振動子Hの受波面から見た振動子RRの方向の為す角とが互いに反対向きで且つ大きさが等しくなるように、3つの振動子が配置される。これにより、振動子LL又はRRから超音波が発せられると、振動子Hの受波面にて反射され、反射波は、振動子RR又はLLへ向かうこととなる。ここで、例えば、振動子LLと振動子Hを結ぶ線と振動子RRと振動子Hを結ぶ線との狭角が90°を為し、振動子Hの受波面から計って角度θの方向に風速Vwの空気流が生じている場合に、超音波Ssが振動子LLから送波されたとすると、振動子LLから振動子Hに到達するまでの伝播時間T1Lは、
T1L=L/(Vu−Vw・sin(π/4−θw)) …(4a)
となる。ここで、Lは、振動子LL−振動子H間の距離であり、Vuは音速である。更に、振動子Hに入射した超音波Ssは、受波面で反射して振動子RRへ向かうこととなり、振動子Hから振動子RRに到達するまでの伝播時間T2Lは、
T2L=L/(Vu−Vw・cos(π/4−θw)) …(4b)
となる(振動子RR−振動子H間の距離もLとした。)。かくして、式(4a)、(4b)より、風速Vw、風向θwは、それぞれ、
Vw=-(L-Vu×T2L)/(T2L×cos(tan-1(((L-Vu×T1L)/T1L)/((L-Vu×T2L))))…(5a)
θw=π/4−tan-1((L-Vu×T1L)/T1L)/((L-Vu×T2L)/T2L))…(5b)
により与えられる。ここで、音速Vuは、大気温の関数であり、
Vu=331.5+0.6・T0 …(6)
により推定できるので、かかる気温を用いた音速の推定値を用いることにより、式(5a)、(5b)より、風速Vw、風向θwが算定されることとなる。
更に、図1(A)に於いて、振動子LLを受波器とし、振動子RRを送波器として、振動子RRから超音波Ssを送波した場合、振動子RRから振動子Hに到達するまでの伝播時間T2Rと、振動子Hから振動子LLに到達するまでの伝播時間T1Rは、それぞれ、
T2R=L/(Vu+Vw・cos(π/4−θw)) …(4c)
T1R=L/(Vu+Vw・sin(π/4−θw)) …(4d)
となる。ここで、式(4a〜d)からVwとθwを消去すると、音速Vuは、
Vu=L・((T1L+T1R)/(T1L・T1R))/2 …(7a)
又は
Vu=L・((T2L+T2R)/(T2L・T2R))/2 …(7b)
により与えられる。かくして、図1(A)の構成に於いて、超音波Ssを、振動子LLから振動子RRへ超音波を伝播させる場合と、振動子RRから振動子LLへ伝播させる場合との双方にて超音波の伝播時間を計測することにより、音速Vuの値が得られるので、気温に基づく音速の推定値を用いずに、従って、その誤差を考慮せずに、風速Vw、風向θwが算定されることとなる。
なお、振動子LLと振動子Hを結ぶ線と振動子RRと振動子Hを結ぶ線との長さ及び狭角の大きさは、任意であってよい。例えば、かかる狭角が、図1(B)の如く、60°であるとき、振動子LLから超音波Ssを送波する場合には、振動子LLから振動子Hに到達するまでの伝播時間T1L、振動子Hから振動子RRに到達するまでの伝播時間T2Lは、それぞれ、
T1L=L/(Vu+Vw・sin(θw−π/6)) …(8a)
T2L=L/(Vu−Vw・cos(θw−π/3)) …(8b)
により与えられるので、これらの式を用いて、風向θw、風速Vwは、下記の如く算定される。
θw=tan−1((−0.5A−0.5)/(0.86−0.86A))…(9a)
Vw=(L−Vu・T1L)/(T1L・sin(θw−π/6))…(9b)
ここで、
A=T1L・(−L+T2L・Vu)/(T2L・(L−T1L・Vu))…(9c)
更に、振動子RRから超音波Ssを送波する場合には、振動子RRから振動子Hに到達するまでの伝播時間T2R、振動子Hから振動子LLに到達するまでの伝播時間T1Rは、それぞれ、
T1R=L/(Vu−Vw・sin(θw−π/6)) …(8c)
T2R=L/(Vu+Vw・cos(θw−π/3)) …(8d)
により与えられるので、音速Vuは、図5(A)の場合と同様に、式(7a)又は(7b)により与えられる。
本発明の超音波式風向風速センサの構成と作動
図2(A)は、上記の本発明の超音波式風向風速センサの、大気温から推定された音速推定値を用いて風向及び風速を検出する場合の例の回路構成の略図を示している。この場合には、超音波の送波は、振動子LLからのみ実行される。同図を参照して、超音波式風向風速センサに於いては、具体的には、超音波Ssを送波する振動子LLへ電気信号10Uを送信する発信機10と、振動子LLからの超音波Ssを受波する振動子Hからの電気信号30Pを受容する受信機30と、振動子Hからの超音波Ssの反射波を受波する振動子RRからの電気信号20Pを受容する受信機20と、大気温Taを計測する温度センサ50と、発信機10の作動の制御と、受信機20、30からの超音波の伝播時間の情報と温度センサ50からの温度の計測値を受信して、風向θw、風速Vwの算出を実行する演算制御器40とが設けられる。振動子LL、H、RRは、車両の横風を受ける任意部位、例えば、図3に模式的に描かれている如く、車両Aの前端又は屋根に於いて配置されてよい。振動子LL、H、RRの相対的な位置関係は、振動子Hが振動子LL、RRに対して車両の前方に置かれてもよく(α)、振動子Hが振動子LL、RRに対して車両の後方に置かれてもよい(β)。なお、本発明の場合、振動子の数は3つであるので、それらは常に同一平面内に配置されることとなり、振動子の配置が容易となる。
作動に於いては、図4を参照して、まず、演算制御器40から発信機10へその作動を指示する制御信号Q1が送信され(ステップ10)、発信機10から振動子LLへ電気信号10Uが供給されるとともに、その時刻を表す信号s1が受信機20、30へ送信される(ステップ20)。そうすると、振動子LLは、電気信号10Uに応答して発振して超音波を送波し(ステップ30)、超音波が振動子Hへ向かって伝播し、振動子Hに受波され、その振動が電気信号30Pに変換されて受信機30へ与えられ(ステップ42)、受信機30は、その時刻と時刻信号s1との差から、T1Lを算定し、その情報P2(=T1L)が演算制御器40へ渡される(ステップ44)。一方、振動子Hの受波面に於いては、更に、超音波の一部が反射され、反射波が振動子RRへ向かって伝播し、振動子RRが超音波を受波すると(ステップ50)、その振動が電気信号20Pに変換されて受信機20へ与えられる(ステップ52)。受信機20は、その時刻と時刻信号s1とから超音波発振から振動子RRへの到達までの時間を算定し、その情報P1(=T1L+T2L)が演算制御器40へ渡される(ステップ54)。そして、演算制御器40は、情報P1、P2を受信すると、温度センサから大気温度値Taとを用いて、式(6)から音速推定値Vuを演算し、情報P1、P2から、T1L、T2L(=P2−P1)を算定して、式(5a)、(5b)により、風向θwと風速Vwとを算定する(ステップ60)。
大気温から推定された音速推定値を用いずに風向及び風速を検出する場合に於いては、図2(B)に示されている如く、演算制御器40からの制御信号Q2に従って、振動子LL、RRを発信機10及び受信機20うちのいずれかに選択的に接続する切換スイッチSW1、SW2が設けられる。かかる構成の作動に於いては、振動子LLが超音波の送波器とし、振動子RRが超音波の受波器とする第一のモードと、振動子RRが超音波の送波器とし、振動子LLが超音波の受波器とする第二のモードとが実行される。例えば、演算制御器40からの制御信号Q2の指示により、図示の如く、SW1、SW2が端子aに設定されている場合には、第二のモードが実行され、超音波が振動子RRから送波され、振動子Hにて受波されると共に反射され、更に反射波が振動子LLにより受波される。その間、図2(A)の構成と同様に、受信機30は、発信機10から与えられる超音波の送波時刻s1と受信機30の受波時刻とから、振動子RRから振動子Hまでの超音波の伝播時間T2Rを算定し、演算制御器40へ出力し、受信機20は、送波時刻s1と受信機20の受波時刻とから、振動子RRから振動子Hを経て振動子LLまでの超音波の伝播時間(T1R+T2R)を算定し、演算制御器40へ出力する。かかる第二のモードが終了すると、演算制御器40からの制御信号Q2の指示により、SW1、SW2が端子bに設定されて、第一のモードが実行される。第一のモードでは、超音波が振動子LLから送波され、振動子Hにて受波されると共に反射され、更に反射波が振動子RRにより受波される。その間、上記と同様に、受信機30は、発信機10から与えられる超音波の送波時刻s1と受信機30の受波時刻とから、振動子LLから振動子Hまでの超音波の伝播時間T1Lを算定し、演算制御器40へ出力し、受信機20は、送波時刻s1と受信機20の受波時刻とから、振動子LLから振動子Hを経て振動子RRまでの超音波の伝播時間(T1L+T2L)を算定し、演算制御器40へ出力する。かくして、演算制御器40に於いて、T1L、T2L、T1R、T2Rが与えられると、式(7a)又は(7b)から音速値Vuが演算され、更に、式(5a)、(5b)を用いて、風速Vw、風向θwが算定されることとなる。なお、上記の第一及び第二のモードは、交互に実行されてもよく、或いは、一方のモードが他方のモードよりも多く実行されてよい。(温度、湿度に変化がなければ、一旦、音速値が得た後は、片方のモードのみが実行されてよい。
かくして、上記の本発明の超音波式風向風速センサに於いては、超音波振動子の数は、3つでよく、回路構成等も従前に比して簡素化される。また、従前の構成に比して、一組の風向、風速の検出に要する超音波の発振回数が、低減され、その分、検出時間の短縮が為される。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。

Claims (3)

  1. 超音波式風向風速センサであって、超音波を発する送波器と、前記送波器から発せられた超音波を受波してその到来を検出すると共に前記超音波を反射する第一の受波器と、前記第一の受波器にて反射された超音波を受波してその到来を検出する第二の受波器とを有することを特徴とする風向風速センサ。
  2. 請求項1の風向風速センサであって、前記送波器が超音波の送受波が可能な第一の送受波器であり、前記第二の受波器が超音波の送受波が可能な第二の送受波器であり、超音波が前記第一の送受波器から前記第一の受波器へ向けて発せられ、前記第一の受波器にて受波されると共に反射されて前記第二の送受波器にて受波される第一のモードと、超音波が前記第二の送受波器から前記第一の受波器へ向けて発せられ、前記第一の受波器にて受波されると共に反射されて前記第一の送受波器にて受波される第二のモードとを実行し、前記第一の送受波器から前記第一の受波器までの超音波の伝播時間と、前記第一の受波器から前記第二の送受波器までの超音波の伝播時間と、前記第二の送受波器から前記第一の受波器までの超音波の伝播時間と、前記第一の受波器から前記第一の送受波器までの超音波の伝播時間とに基づいて前記第一及び第二の送受波器と前記第一の受波器との間の空気流の向き及び/又は速度を算定することを特徴とする風向風速センサ。
  3. 請求項1の風向風速センサであって、前記送波器から前記第一の受波器までの超音波の伝播時間と、前記第一の受波器から前記第二の受波器までの超音波の伝播時間と、気温とに基づいて、前記送波器及び第二の受波器と前記第一の受波器との間の空気流の向き及び/又は速度を算定することを特徴とする風向風速センサ。
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