JP2013077889A - 圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の振動腕部31,32、および一対の振動腕部の基端部側を一体的に固定する基部33を備えた圧電振動片30と、圧電振動片がマウントされるベース基板11と、ベース基板に接合され、該ベース基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片を収容するリッド基板12と、を備え、ベース基板には、第一係合部50が形成され、圧電振動片の基部には、第一係合部に係合し、ベース基板の予め決められたマウント位置に該圧電振動片を案内して位置決めさせる第二係合部40が形成されている圧電振動子1を提供する。
【選択図】図3
Description
ところで、振動片5はベース基板1に対して予め決められた位置にマウントされており、このマウントによって機械的に支持されると共に、ベース基板1側の電極に導通がなされている。
図15に示すように、ベース基板1には、パッケージの内外を貫通する一対の貫通電極2A,2Bと、一対の引き回し電極3A,3Bと、が設けられている。各引き回し電極3A,3Bは、貫通電極2A,2Bと、振動片5の基部6に形成された図示しないマウント電極と、に接続されている。
なお、振動片5のマウント電極と引き回し電極3A,3Bとは、例えば導電性接着剤やバンプ(Au等)等のボンディング材8により導電性を確保しつつ接着されている(例えば、特許文献1参照。)。
なお、ボンディング材8としてバンプを用いる場合には、振動片5をベース基板1に接近させるに際して予めバンプを加熱して溶融させておく。そして、その状態で振動片5をバンプに押し付けた後、溶融したバンプを硬化させることで振動片5をマウントさせている。
また、ロボット等で振動片5を位置決め制御しながらマウントしたとしても、例えば数十μm程度の位置精度が要求されるため、機械による制御が困難である。
また、ボンディング材8として導電性接着剤を用いた場合には、仮に振動片5を高精度に位置決めしたとしても、導電性接着剤が塑性変形し易いので、外部衝撃等により振動片5が位置ずれし、やはり上述した問題が生じてしまう。
本発明に係る圧電振動子は、互いに平行に配置された一対の振動腕部、および前記一対の振動腕部の長さ方向における基端部側を一体的に固定する基部を備えた圧電振動片と、前記圧電振動片がマウントされるベース基板と、前記ベース基板に対向して接合され、該ベース基板との間に形成されたキャビティ内に前記圧電振動片を収容するリッド基板と、を備え、前記ベース基板には、第一係合部が形成され、前記圧電振動片の基部には、前記第一係合部に係合し、前記ベース基板の予め決められたマウント位置に該圧電振動片を案内して位置決めさせる第二係合部が形成されていることを特徴とする。
従って、圧電振動片がベース基板やリッド基板等に干渉してその振動特性が損なわれるのを防ぐことができる。また、第一係合部と第二係合部とが係合し合っているので、外部衝撃等によっても圧電振動片の位置ずれが生じ難い。この点においても、安定して良好な振動特性を発揮させ易い。
また、本発明に係る電子機器は、上記本発明に係る前記圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明に係る電波時計は、上記本発明に係る前記圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
図1〜図5に示すように、本実施形態の圧電振動子10は、ベース基板11とリッド基板12とが例えば陽極接合や図示しない接合膜等を介して接合された箱状のパッケージ13と、パッケージ13の内部に形成されたキャビティC内に収納され、ベース基板11上にマウントされた圧電振動片30と、を備えた表面実装型の振動子とされている。
そして、図3及び図5に示すように、これら一対の引き回し電極18,19の上面には、それぞれ金等からなるバンプBが形成されている。
図3、図4に示すように、圧電振動片30は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、互いに平行に延びるよう配置された一対の振動腕部31,32と、一対の振動腕部31,32の基端側を一体的に固定するプレート状の基部33と、を有している。
そして、圧電振動片30は、上記した引き回し電極18、19上に形成されたバンプBに対して、マウント電極が接触した状態でマウントされている。これにより、圧電振動片30は、ベース基板11の上面から浮いた状態で支持されるとともに、引き回し電極18,19に対してそれぞれ電気的接続された状態とされている。
このように構成された圧電振動子10を作動させる場合には、ベース基板11に形成された外部電極20,21に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片30の励振電極に電流を流すことができ、一対の振動腕部31,32を、互いに接近・離間する方向(幅方向)に所定の共振周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部31,32の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として圧電振動子10を利用することができる。
次いで、上記した圧電振動子10の製造方法について簡単に説明する。
まず、圧電振動片30を例えばロボット等によって把持し、ベース基板11上の所定のマウント位置に位置決めする。この際、圧電振動片30の係合凹部40をベース基板11の係合凸部50に対して嵌め込み、両者を係合させる。これにより、圧電振動片30が予め決められたベース基板11の所定のマウント位置に案内され、該圧電振動片30がそのマウント位置からずれてしまうのが抑制される。
本実施形態の圧電振動子10によれば、圧電振動片30に係合凹部40が形成され、この係合凹部40がベース基板11に設けられた係合凸部50に嵌め込まれて係合し合っている。これにより、ベース基板11の所定のマウント位置に圧電振動片30を案内して位置決めさせることができると共に、圧電振動片30がベース基板11の上面に平行な面内で変位するのを防ぐことができる。
加えて、圧電振動片30の位置ずれによる不良品率を抑え、その検査も簡素化、又は不要とすることもできる。その結果、良好な振動特性を有した圧電振動子10を無駄なく低コストで製造することが可能となる。
上記実施形態では、係合凹部40および係合凸部50を、1組のみ設ける構成としたが、この場合に限定されるものではなく、複数組を設けるようにしても良い。
例えば、図6に示すように、係合凹部40を、圧電振動片30の基部33の両側部にそれぞれ1箇所ずつ、合計2つ設け、各係合凹部40に嵌め合う位置に係合凸部50を形成するようにしても良い。
図7は、圧電振動子の第2の変形例を示す図であり、基部に側方に突出する突出部を設け、この突出部に係合凹部を形成した例を示す図である。
また、基部33に形成された突出部34H,35Hにより、基部33における振動を確実に吸収し、振動が外部に漏れてしまうのを防ぎ易い。また、振動が基部33において十分に減衰されずにマウント部分を通じてパッケージ13側に漏れてしまうと、共振周波数Fがシフトしてしまうが、基部33に突出部34H,35Hを形成することで、共振周波数Fのシフトを抑えるとともに、電気信号から機械振動への変換時の損失を抑え、CI値が上昇して品質が低下するのを防ぎ易い。
図8は、圧電振動子の第3の変形例を示す図であり、基部に設けたサイドアームに係合凹部を形成した例を示す図である。
この図8に示すように、基部33の幅方向両側に、長さ方向に沿って延在する一対のサイドアーム29を基部33に一体的に形成しても構わない(いわゆる、サイドアームタイプ)。
この場合、サイドアーム29の先端部29aに図示しないマウント電極が位置するよう形成されている。また、引き回し電極18、19は、一端部が貫通電極16,17に導通され、他端部が、サイドアーム29の先端部29aのマウント電極に対向し、バンプBを介して導通するよう形成されている。
これら切欠き部37は、それぞれ幅方向の外側に向けて開口するとともに、基部33の厚さ方向に貫通している。したがって、この場合の基部33は、他の部分に比べて幅が狭い幅狭部を有するくびれ形状をなしている。
この切欠き部33によって形成された上記幅狭部により、振動腕部31,32によって励起された振動が基部33側に伝わってしまうルートを狭くできるので、該振動を振動腕部31,32側に閉じ込めて、基部33側に漏れてしまうことを抑制しやすい。これにより、さらに振動漏れを効果的に抑制することが可能となる。
図9は、圧電振動子の第4の変形例を示す図であり、図6に示した構成において、係合凹部を貫通孔に代えた例を示す図である。
図10は、圧電振動子の第5の変形例を示す図であり、図7に示した構成において、係合凹部を貫通孔に代えた例を示す図である。
図11は、圧電振動子の第6の変形例を示す図であり、図8に示した構成において、係合凹部を貫通孔に代えた例を示す図である。
なお、図11に示したように、引き回し電極18,19の一部に係合凸部50を形成するようにしても良い。
そして、圧電振動片30の基部33に形成されたマウント電極に導通させた状態で係合凹部40を形成し、ベース基板11の外部電極20、21に導通させた状態で係合凸部50を形成する。なお、引き回し電極18,19自体に係合凸部50を設けることによって、外部電極20、21に導通させても良い。
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図12を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図12に示すように、圧電振動子10を、集積回路101に電気的接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上述した集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子10が実装されている。これら電子部品102、集積回路101および圧電振動子10は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図13を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子10を有する携帯情報機器(電子機器)110を例にして説明する。
ここで、本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカおよびマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化および軽量化されている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化および複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キーおよびその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図14を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図14に示すように、フィルタ部131に電気的接続された圧電振動子10を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子10を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子10は、上述した搬送周波数と同一の40kHzおよび60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
また、接合凹部40および接合凸部50の配置、設置数、形状等は、上記した場合に限定されるものではなく、自由に設定して構わない。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
Claims (7)
- 互いに平行に配置された一対の振動腕部、および前記一対の振動腕部の長さ方向における基端部側を一体的に固定する基部を備えた圧電振動片と、
前記圧電振動片がマウントされるベース基板と、
前記ベース基板に対向して接合され、該ベース基板との間に形成されたキャビティ内に前記圧電振動片を収容するリッド基板と、を備え、
前記ベース基板には、第一係合部が形成され、
前記圧電振動片の基部には、前記第一係合部に係合し、前記ベース基板の予め決められたマウント位置に該圧電振動片を案内して位置決めさせる第二係合部が形成されていることを特徴とする圧電振動子。 - 前記第一係合部が、前記ベース基板の表面から突出した突起部とされ、
前記第二係合部が、前記圧電振動片の基部に形成された凹部または貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子。 - 前記第一係合部および前記第二係合部が、複数組形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電振動子。
- 前記第一係合部は、前記ベース基板に形成され、前記圧電振動片に給電するための外部電極に導通し、
前記第二係合部は、前記圧電振動片の前記ベース基板に形成されたマウント電極に導通し、
前記第一係合部と前記第二係合部との係合により、前記外部電極と前記マウント電極とが互いに導通していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の圧電振動子。 - 請求項1に記載の前記圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
- 請求項1に記載の前記圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
- 請求項1に記載の前記圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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