JP2013077616A - 圧電アクチュエータおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】印加電圧に応じて変位する圧電アクチュエータであって、矩形体に形成され、伸縮方向に沿って直列に連結された複数の圧電素子110と、複数の圧電素子110のそれぞれの表面上に形成され、外部電極112に接続された過電流制限部114と、過電流制限部114に接続され、過電流制限部114を介して複数の圧電素子110への電圧印加を可能にするリード部材130とを備える。これにより、一つの圧電素子110が絶縁破壊してショートした場合でも、故障していない圧電素子110を動作させ、圧電アクチュエータ100全体の機能を維持できる。その結果、圧電アクチュエータ100を用いた装置全体としての動作を確保できる。
【選択図】図1
Description
(圧電アクチュエータの構成)
図1は、圧電アクチュエータ100の側面図である。圧電アクチュエータ100は、印加電圧に応じて変位し、たとえば精密位置決めや高速の駆動源として使用される。そのような場合には、図1に示す圧電アクチュエータ100に金属製のキャップを被せて用いられる。キャップは、圧電素子110、リード部材130および突起150を収容している。圧電素子110、リード部材130および突起150は、キャップにより密封される。
次に、上記のように構成された圧電アクチュエータ100の作製方法を説明する。まず、内部電極を印刷した圧電材料の成形体を積層して、焼成することで素子本体111を作製する。そして、所定の寸法に加工後、素子本体111のそれぞれに外部電極112用および過電流制限部114用の各金属ペーストを塗布する。
圧電アクチュエータ100の用途のひとつにマスフローコントローラがある。マスフローコントローラは半導体製造装置などで原料ガスの流量をコントロールする機材である。マスフローコントローラでは、圧電アクチュエータ100が故障した場合、弁が閉じたままとなることがある。
上記の実施形態では、過電流制限部114が電気的に高抵抗の部材により形成されているが、過電流制限部114は、過電流により溶断する構造を有していてもよい。このような構造は、過電流による発熱で溶けるものであればよい。たとえば融点が290℃以下の低融点金属により過電流制限部114が形成されていれば、過電流が生じたときに容易に溶断する。このような低融点金属には、たとえば半田が挙げられる。これにより、絶縁破壊してショートした圧電素子110が生じた場合に、過電流制限部114が溶融して電気的接続が断たれるため、ショートした圧電素子のみを回路から完全に切り離せる。また、過電流制限部114は、融点が900℃程度の銀や銅等の金属で、素子表面に細く印刷され、適度な抵抗を有するよう構成されていてもよい。
(素子本体の作製)
6×6×10mmの積層型の素子本体111を用意した。圧電材料のグリーンシートに銀パラジウムの電極ペーストを印刷して積層・圧着後、脱脂・焼成・加工を行ない、所望の形状の素子本体を得た。得られた素子本体111は、積層1層あたり約63μmで120層積層されたものである。この素子本体111の規格は、推奨駆動電圧120V、最大駆動電圧150Vである。
比較例として、用意した積層型の素子本体111に、内部電極に接続した外部電極212を印刷、焼き付けした。それを4個、積層方向に直列に接着して、外部電極212に接続するようリード線230を素子本体111にはんだ付けした。図2は、比較例の圧電アクチュエータ200を示す側面図である。なお、リード線230は圧電素子210の伸縮に伴う外部電極212の疲労破壊防止の防止とハーメチック端子170との導通を兼ねた役割を果たしている。
一方、実施例として、用意した積層型の素子本体111に対して、内部電極に接続した外部電極112と、内部電極には接続されていない接続電極115と、それらの電極間に約15kΩになるように幅と厚みを調整した抵抗ペーストを印刷、焼き付けし、過電流制限部114を形成した。得られた圧電素子を4個縦に接着し、外部電極112にリード線113をはんだ付けした。これは圧電素子110の伸縮に伴う外部電極112の疲労破壊防止のためである。次に、圧電素子110それぞれの接続電極115とハーメチック端子170をリード線130で接続した。
用意した積層型の素子本体111の内部電極に接続した外部電極112と、内部電極には接続されていない接続電極115を印刷、焼き付けした。これとは別に、約10μm程度のはんだボールをフィラーとして2液性のエポキシ系接着剤と混合し、導電性の接着剤を作製した。これを、上記の外部電極112と接続電極115との間に印刷、硬化した。得られた圧電素子を4個縦に接着し、外部電極にリード線113をはんだ付けした。これは圧電素子110の伸縮に伴う外部電極112の疲労破壊防止のためである。次に、圧電素子110それぞれの外部電極112とハーメチック端子170とをリード線130で接続した。
作製した圧電アクチュエータ(比較例、実施例1、実施例2につき各5本)の絶縁抵抗と変位を150V印加して測定したところ全て1GΩ以上で、約36〜38μmであった。この圧電アクチュエータに50mAのDC電源を接続して徐々に電圧を上昇させたところ、300〜400Vで破壊した。破壊したところですぐに電圧を0Vに落とした。全てのアクチュエータは、4素子中1素子に放電跡が見られ、実施例2では、はんだ部分が溶断していることが確認できた。
110 圧電素子
111 素子本体
112 外部電極
113 リード部材(リード線)
114 過電流制限部
115 接続電極
130 リード部材(リード線)
150 突起
160 ベース
170 ハーメチック端子
Claims (4)
- 印加電圧に応じて変位する圧電アクチュエータであって、
矩形体に形成され、伸縮方向に沿って直列に連結された複数の圧電素子と、
前記複数の圧電素子のそれぞれの表面上に形成され、外部電極に接続された過電流制限部と、
前記過電流制限部に接続され、複数の圧電素子への電圧印加を可能にするリード部材と、を備えることを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 前記過電流制限部の抵抗値は、必要駆動電圧をV、電源電流をIとしたとき、V/Iより大きいことを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。
- 前記過電流制限部は、過電流により溶断する構造を有することを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。
- 請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータの製造方法であって、
圧電層と内部電極とが交互に積層された素子本体のそれぞれに前記外部電極用および過電流制限部用の各金属ペーストを塗布する工程と、
前記塗布された各金属ペーストを素子本体に同時に焼き付ける工程と、を含むことを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
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2011
- 2011-09-29 JP JP2011215169A patent/JP2013077616A/ja active Pending
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