JP2009117667A - セラミック電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】セラミック素体にクラックが発生した場合であっても、導通不良の発生時期を遅らせることにより、長寿命化を図ることができるセラミック電子部品を提供する。
【解決手段】積層チップバリスタ1では、外部電極51において、第2の内部電極33の引出部分33aが接続される第1の領域61と、ハンダ電極53が接続される第2の領域62とが同一の平面部において互いに重ならない位置に形成されている。このため、バリスタ素体11側にクラックが発生した場合であっても、第2の内部電極33の引出部分33aの断裂が生じることはなく、内部電極対21から外部電極51における第2の領域62の外側部分を経由してハンダ電極53に至る導通経路Rが維持される。したがって、クラックが進行してハンダ電極53が完全に剥離してしまうまで、導通不良の発生時期を遅らせることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミック電子部品に関する。
セラミック電子部品として、セラミック素体と、当該セラミック素体の表面に配置された外部電極とを備えたものが知られている。例えば特許文献1に記載のチップアレイでは、セラミック素体における高さ方向の一面に露出させた内部電極の引出部分にそれぞれ外部電極を接続することにより、小型化を図っている。セラミック電子部品の実装にあたっては、例えばハンダからなる突起状の電極(ハンダ電極)を外部電極に設ける場合がある。
特開2002−57066号公報
上述したようなセラミック電子部品においては、セラミック素体と外部電極との剥離を防止するため、その接続強度を向上させることが技術的課題となっていた。しかしながら、セラミック素体と外部電極との接続強度が強固になると、セラミック素体とハンダ電極との間で生じる応力が外部電極に影響したときに、ハンダ電極の形成位置に対応してセラミック素体にクラックが発生することが考えられる。
このとき、従来のセラミック電子部品のように、内部電極と外部電極との接続位置と、外部電極におけるハンダ電極の形成位置とが重なっていると、セラミック素体にクラックが発生したときに内部電極の引出部分が断裂し、導通不良が早期に生じてしまうという問題がある。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、セラミック素体にクラックが発生した場合であっても、導通不良の発生時期を遅らせることにより、長寿命化を図ることができるセラミック電子部品を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係るセラミック電子部品は、セラミック素体と、セラミック素体の内部に配置された内部電極と、セラミック素体の表面に配置され、ガラス物質を含んで構成された外部電極とを備え、外部電極には、内部電極の引出部分が接続される第1の領域と、実装用のハンダ電極が接続される第2の領域とが同一の平面部に形成されており、第1の領域と第2の領域とは、平面部において互いに重ならない位置に形成されていることを特徴としている。
このセラミック電子部品では、外部電極にガラス物質が含まれているため、セラミック素体と外部電極とが強固に接続され、外部電極の耐衝撃性が向上する。一方、このセラミック電子部品では、外部電極において、内部電極の引出部分が接続される第1の領域と、実装用のハンダ電極が接続される第2の領域とが同一の平面部において互いに重ならない位置に形成されている。このため、ハンダ電極の形成位置に対応してセラミック素体にクラックが発生した場合であっても、内部電極の引出部分が断裂してしまうことはなく、内部電極からハンダ電極に至る導通経路が維持される。したがって、このセラミック電子部品では、クラックが進行してハンダ電極が完全に剥離してしまうまで導通不良の発生時期を遅らせることが可能となり、長寿命化が図られる。
また、外部電極は、セラミック素体の表面に形成され、Ag及びガラス物質を含む第1の電極層と、第1の電極層上に形成され、Ptを含むと共に、複数箇所において第1の電極層に至る孔が形成された第2の電極層とによって構成されていることが好ましい。これにより、外部電極の耐衝撃性の向上と共に、外部電極のハンダ濡れ性及び耐ハンダ喰われ性が向上する。さらに、第2の電極層上にハンダ電極を付着させて当該ハンダを溶融させた場合、溶融したハンダが第2の電極層に形成された孔を通って第1の電極層に接する。ハンダと第1の電極層とが接すると、これらの界面近傍でハンダに含まれるSnと第1の電極層に含まれるAgとの金属間化合物が形成される。したがって、熱サイクル環境下において、ハンダと外部電極との間にクラックが生じることを抑制でき、外部電極の接続信頼性が向上する。
また、内部電極及び第1の電極層は、Pdを含んでいることが好ましい。内部電極がPdを含み、第1の電極層がAgを含んでいる場合、AgがPdに拡散する速度とPdがAgに拡散する速度との差によって、内部電極がセラミック素体の表面から突出するように伸びてしまうことがある。この場合、セラミック素体と第1の電極層との密着性が低下し、接続強度が低下してしまうおそれがある。これに対し、内部電極及び第1の電極層に共にPdを含んでいると、内部電極の突出が抑えられ、セラミック素体と第1の電極層との接続強度を十分に確保できる。
また、第1の電極層は、Ag粉末及びガラス粉末を含む導電性ペーストを焼き付けることによって形成された焼き付け電極層であることが好ましい。第2の電極層は、Pt粉末を含む導電性ペーストを焼き付けることによって形成された焼き付け電極層であることが好ましい。これにより、上述した第1の電極層及び第2の電極層を好適に形成できる。
本発明によれば、セラミック素体にクラックが発生した場合であっても、導通不良の発生時期を遅らせることにより、長寿命化を図ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るセラミック電子部品の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明に係るセラミック電子部品の一実施形態である積層チップバリスタの構成を示す斜視図である。図3は、図1におけるIII−III線断面図であり、図4は、図1に示した積層チップバリスタの実装面側の構成を示す平面図である。また、図5は、図4におけるV−V線断面図である。
図1〜図5に示す積層チップバリスタ1は、いわゆるBGA(ボールグリッドアレイ)パッケージ対応タイプのバリスタ素子である。このような積層チップバリスタ1は、実装面側に設けたハンダバンプをリフローすることにより、例えばノートパソコンや携帯電話機などの小型電子機器に対して高密度に実装される。
同図に示すように、積層チップバリスタ1は、略直方体形状のバリスタ素体(セラミック素体)11と、内部電極対21と、接続導体41と、外部電極51と、ハンダ電極53とを備えている。バリスタ素体11は、外表面として、互いに対向する一対の主面13,15を有している。
接続導体41は、バリスタ素体11の一方の主面13上に2つ配置され、外部電極51は、バリスタ素体11の他方の主面15上に4つ配置されている。主面15は、積層チップバリスタ1が実装される面に対向する面となる。バリスタ素体11の外表面のうち、接続導体41及び外部電極51から露出している部分は、絶縁保護層(不図示)によって覆われている。絶縁保護層は、例えばグレーズガラス(例えば、SiO、ZnO、B、Al等からなるガラス)を付着させ、これを所定温度にて焼き付けることにより形成される。
バリスタ素体11は、電圧非直線性(バリスタ特性)を有する複数のバリスタ層が積層された積層体であり、例えば縦1mm、横1mm、厚さ0.5mmに設定されている。実際の積層チップバリスタ1では、複数のバリスタ層は、互いの境界が視認できない程度に一体化されている。バリスタ素体11は、半導体セラミックにて構成されるセラミック素体である。
バリスタ層は、1層当たりの厚さが例えば5〜60μmとなっている。バリスタ層は、例えばZnOを主成分とし、副成分として希土類元素であるPrと、アルカリ土類金属元素であるCaとを含んでいる。また、バリスタ層は、他の副成分として例えばCo、Cr,Si,K、Alなどを含んでいる。各バリスタ層におけるZnOの含有量は特に限定されないが、好ましくは、バリスタ層全体の材料を100原子量%とした場合、69.0原子量%〜99.8原子量%とされる。
内部電極対21は、バリスタ素体11の内部において、2行×2列のマトリクス状に4対配置されている。各内部電極対21は、略矩形状をなす第1の内部電極23及び第2の内部電極33によって構成され、例えば厚さ0.5〜5μmに設定されている。第1の内部電極23は、バリスタ層の面内方向に延在しており、第1の内部電極23の一端は、引出部分23aを経てバリスタ素体11の主面13に露出し、第1の内部電極23の他端は、バリスタ素体11の主面15から所定の距離だけ内側に位置している。
また、第2の内部電極33は、第1の内部電極23と略平行に配置されている。第2の内部電極33の一端は、引出部分33aを経てバリスタ素体11の主面15に露出し、第2の内部電極33の他端は、バリスタ素体11の主面13から所定の距離だけ内側に位置している。すなわち、図3及び図5に示すように、第1の内部電極23と第2の内部電極33とは、バリスタ素体11の側面側から見て互い違いに配置されており、その略半分の領域が互いに対向した状態となっている。
第1の内部電極23と第2の内部電極33との間には、少なくとも一層のバリスタ層が介在しており、第1の内部電極23と第2の内部電極33とは、互いに電気的に絶縁されている。第1の内部電極23と第2の内部電極33とは、Pdを主成分としており、副成分として例えばAgを含んでいる。
接続導体41は、図1及び図3に示すように、例えば長辺0.8mm、短辺0.4mmの略長方形状をなし、バリスタ素体11の主面13側に配置されている。各接続導体41は、4つの内部電極対21のうち、バリスタ層の積層方向に並んで位置する2つの内部電極対21の第1の内部電極23がバリスタ素体11の主面15に露出している部分を覆っている。これにより、上述した第1の内部電極23,23同士は、接続導体41を介して互いに電気的に接続されている。
接続導体41は、金属とガラス物質とを含んでいる。接続導体41は、金属として、Ag及びPdを含んでいる。接続導体41は、金属粉末(Ag−Pd合金粉末)及びガラス粉末を含む導電性ペーストを焼き付けることにより形成された焼付け電極層である。接続導体41の厚みは、例えば1〜20μmである。
外部電極51は、図2及び図4に示すように、例えば一辺が0.4mmの略正方形状をなし、内部電極対21に対応するように、2行×2列のマトリクス状にバリスタ素体11の主面15側に配置されている。各外部電極51は、内部電極対21の第2の内部電極33がバリスタ素体11の主面15に露出している部分をそれぞれ覆っている。これにより、外部電極51と第2の内部電極33とは、互いに電気的に接続されている。
ハンダ電極53は、Snを含むハンダによって略半球形状に形成され、外部電極51上に配置されている。ハンダは、いわゆる鉛フリーハンダであって、例えばSn−Ag−Cu系のハンダや、Sn−Zn系のハンダ等である。ハンダ電極53は、例えば印刷法により形成することができる。
図6は、外部電極51とハンダ電極53との接続構造を示す模式図である。同図に示すように、外部電極51は、第1の電極層51aと、第2の電極層51bとを有している。第1の電極層51aは、バリスタ素体11の主面15上に形成されており、Ag、Pd及びガラス物質を含んでいる。第1の電極層51aは、金属粉末(Ag−Pd合金粉末)及びガラス粉末を含む導電性ペーストを焼き付けることにより形成された焼付け電極層である。第1の電極層51aの厚みは、例えば1〜20μmである。
第2の電極層51bは、第1の電極層51a上に形成されており、Ptを含んでいる。第2の電極層51bは、Pt粉末を含む導電性ペーストを焼き付けることにより形成された焼付け電極層である。第2の電極層51bは、ガラス物質を含んでいてもよい。第2の電極層51bには、複数箇所において第1の電極層51aに至る孔51cが形成されている。第2の電極層51bの厚みは、第1の電極層51aの厚みよりも薄く、例えば0.1〜5μmである。第2の電極層51bは、導電性ペーストの焼き付け以外にも、蒸着法やめっき法によっても形成することができる。
ここで、ハンダ電極53は、上述したハンダペーストを、第2の電極層51bの電極形成部に対応する開口が形成されたメタルマスクを用いて、第2の電極層51bにスクリーン印刷した後に、加熱して溶融させることにより略半球形状に形成することができる。このとき、溶融したハンダペーストが第2の電極層51bに形成された複数の孔51c内に入り込み、ハンダ電極53と第1の電極層51aとは、孔51cを通して電気的に接続される。なお、ハンダ電極53は、印刷法以外にも、ディスペンス法、ボール搭載法、蒸着法、又はめっき法等によっても形成することができる。
内部電極対21と外部電極51との接続、及び外部電極51とハンダ電極53との接続に関し、外部電極51では、内部電極対21における第2の内部電極33の引出部分33aが接続される第1の領域61と、ハンダ電極53が接続される第2の領域62とが、同一の平面部に設けられている。
図3及び図4に示すように、第1の領域61は、外部電極51の一方の縁部側に偏在しており、第2の領域62は、外部電極51の他方の縁部側に偏在している。そして、第1の領域61と第2の領域62とは、バリスタ素体11の厚さ方向(平面部の法線方向)から見て互いに重ならない位置に形成されており、例えば5〜80μm程度離間した状態となっている。
このような積層チップバリスタ1では、バリスタ層において第1の内部電極23と第2の内部電極33とが互いに対向している領域が、バリスタ特性を発現する。したがって、積層チップバリスタ1では、図7に示すように、直列で接続される2つのバリスタBが2対存在することとなる。
続いて、積層チップバリスタ1の製造方法について説明する。図8は、積層チップバリスタ1の製造手順を示すフローチャートである。また、図9は、積層チップバリスタが製造される様子を示す図である。
まず、バリスタ層を構成する主成分であるZnOと、副成分であるPr、Caと、その他の副成分であるCo、Cr,Si,K、Alとを所定の割合で混合し、バリスタ材料を調整する(S101)。調整後、バリスタ材料に、有機バインダ、有機溶剤、有機可塑剤等を加え、ボールミル等を用いて20時間程度の混合・粉砕を行ことにより、スラリーを得る。
次に、例えばドクターブレード法を用いることにより、例えばポリエチレンテレフタラートからなるフィルム(図示しない)上にスラリーを塗布し、これを乾燥して厚さ30μm程度の膜を形成する。こうして得られた膜をフィルムから剥離することで、グリーンシートを得る(S103)。
次に、電極部分が形成されたグリーンシートと、電極部分が形成されていないグリーンシートとを所定の順序で重ねてシート積層体を形成する(S107)。そして、シート積層体をチップ単位に切断することにより、図9に示すように、分割された複数のグリーン体LS1を得る(S109)。
得られたグリーン体LS1では、第1の内部電極23に対応する電極部分EL1が形成されたグリーンシートGS1と、第2の内部電極33に対応する電極部分EL2が形成されたグリーンシートGS2と、電極部分EL1,EL2が形成されていないグリーンシートGS3とが順次積層されている。なお、グリーンシートGS3は、必要に応じて複数層積層してもよい。
次に、例えば180℃〜400℃の温度で0.5時間〜24時間程度グリーン体LS1を加熱処理し、脱バインダを行う。さらに、例えば850℃〜1400℃の温度で0.5時間〜8時間程度グリーン体LS1を焼成する(S111)。この焼成により、グリーンシートGS1〜GS3がバリスタ層となり、電極部分EL1,EL2がそれぞれ第1の内部電極23及び第2の内部電極33となり、バリスタ素体11を得る。
バリスタ素体11が完成した後、次に、バリスタ素体11の主面13及び主面15に接続導体41及び外部電極51をそれぞれ形成する(S113)。より具体的には、接続導体41及び第1の電極層51aの形成にあたり、まず、Pd及びAgを含む金属粉末(Ag−Pd合金粉末)に、ガラス粉末、有機バインダ、有機溶剤を混合した導電性ペーストを用意する。
次に、用意した導電性ペーストを、例えばスクリーン印刷によってバリスタ素体11の主面13,15に付着させ、これを乾燥させることによって、接続導体41に対応する導体部分及び第1の電極層51aに対応する導体部分を形成する。ガラス粉末には、B、Bi、Al,Si,Sr,Ba、Pr、Zn、Pbのうちの少なくとも一種が含まれるガラスフリットを用いることができる。
また、第2の電極層51bの形成にあたり、まず、Ptを含む金属粉末(Pt粉末)に、有機バインダ、有機溶剤を混合した導電性ペーストを用意する。次に、用意した導電性ペーストを、例えばスクリーン印刷によって第1の電極層51a上に付着させ、これを乾燥させることによって、第2の電極層51bに対応する導体部分を形成する。
そして、形成した導体部分を例えば900℃で焼き付けることにより、各導体部分がそれぞれ接続導体41及び外部電極51(第1の電極層51a及び第2の電極層51b)となる。従来のように、外部電極51の表面にNiやSnといったメッキ層の形成は行わず、焼き付けられた導電性ペーストの外表面は、そのまま外部電極51の外表面となる。
上記導電性ペーストの焼き付けによって第2の電極層51bを形成する際、第2の電極層51bに孔51cが形成される。導電性ペーストを焼き付ける際、Pt粉末同士が焼結してPtからなる大きな塊が形成されていき、このPtからなる塊が第2の電極層51bを形成する。このとき、Pt粉末同士が互いに引き合うため、第2の電極層51bに複数の孔51cが分散して形成される。孔51cは、導電性ペーストの付着厚みやPt粉末の含有量等を調整することにより、形成状態を制御できる。例えば、導電性ペーストの付着厚みを薄くしたり、Pt粉末の含有量を少なくしたりすると、孔51cが形成され易くなる傾向にある。
この後、公知の形成方法により、外部電極51の平面部において、バリスタ素体11の厚さ方向(平面部の法線方向)から見て、内部電極対21と重ならない位置にハンダ電極53をそれぞれ形成すると、上述した積層チップバリスタ1が完成する。
この積層チップバリスタ1では、バリスタ素体11に上記導電性ペーストを焼き付けることによって第1の電極層51aを形成する際、上記導電性ペーストに含まれるガラス粉末が軟化して溶融したガラス物質により、第1の電極層51aの内側(バリスタ素体11側)にガラス相と金属相とが混在した領域が形成される。ガラス相と金属相とが混在した領域では、図6に示したように、バリスタ素体11の外表面に付着したガラス物質Gがアンカー的な機能を果たす。これにより、バリスタ素体11と外部電極51との強固な接続が実現され、外部電極51の耐衝撃性が向上する。
ところで、積層チップバリスタ1は、ノートパソコンや携帯電話機などの小型電子機器に搭載されるにあたって、例えば樹脂等からなる基板に実装される。この基板に撓みなどが生じると、セラミック素体とハンダ電極との間で応力が発生する。バリスタ素体11とハンダ電極53との間で応力が発生すると、バリスタ素体11とハンダ電極53との間で生じる応力が外部電極51に影響することが考えられる。
ここで、上述したように、バリスタ素体11と外部電極51とが強固に接続されている場合、図10(a)に示す従来の積層チップバリスタのように、外部電極51において、第2の内部電極33の引出部分33aが接続される第1の領域61と、ハンダ電極53が接続される第2の領域62とが互いに重なる位置に形成されていると、次のような問題が生じる。
すなわち、バリスタ素体11とハンダ電極53との間で生じる応力によって外部電極51にクラックが生じると、図10(b)に示すように、クラックは、外部電極51の第2の領域62の縁部に沿って進行する。クラックが進行していくと、第2の領域62が外部電極51の他の部分から徐々に剥離する。
このとき、バリスタ素体11と外部電極51とが強固に接続されていると、第2の領域62に接するバリスタ素体11の一部11aが、第2の領域62と共に剥離し、バリスタ素体11内の第2の内部電極33の引出部分33aが断裂する。したがって、従来の積層チップバリスタの構成では、クラックの進行によって、断裂した第2の内部電極33の引出部分33aにおいて導通経路Rが遮断され、ハンダ電極53が完全に剥離する前の早い段階で導通不良が生じてしまうこととなる。
これに対し、図11(a)に示すように、積層チップバリスタ1では、外部電極51において、第2の内部電極33の引出部分33aが接続される第1の領域61と、ハンダ電極53が接続される第2の領域62とが同一の平面部において互いに重ならない位置に形成されている。このため、図11(b)に示すように、クラックの進行によって外部電極51の第2の領域62が剥離した場合であっても、第2の領域62と重ならない位置に形成された第1の領域61において、第2の内部電極33の引出部分33aの断裂が生じることはない。
したがって、積層チップバリスタ1では、バリスタ素体11側にクラックが発生した場合であっても、内部電極対21から外部電極51における第2の領域62の外側部分を経由してハンダ電極53に至る導通経路Rが維持され、クラックが進行してハンダ電極53が完全に剥離してしまうまで、導通不良の発生時期を遅らせることが可能となる。これにより、積層チップバリスタ1の長寿命化が図られる。
また、積層チップバリスタ1では、外部電極51において、第1の電極層51aがAgを含み、第2の電極層51bは、Ptを含むと共に、複数箇所において第1の電極層51aに至る孔51cが形成されている。ハンダ電極53と接する第2の電極層51bがPtを含んでいるので、外部電極51のハンダ濡れ性及び耐ハンダ喰われ性が向上する。
さらに、第2の電極層51b上にハンダ電極53を付着させて当該ハンダを溶融させた場合、溶融したハンダが第2の電極層51bに形成された孔51cを通って第1の電極層51aに接する。ハンダと第1の電極層51aとが接すると、これらの界面近傍でハンダに含まれるSnと第1の電極層51aに含まれるAgとの金属間化合物が形成される。したがって、熱サイクル環境下において、SnとAgとの金属間化合物が熱サイクルに伴う繰り返し応力を吸収するように作用し、ハンダと外部電極51との間にクラックが生じることを抑制できる。
一方、第2の電極層51bとハンダ電極53との界面近傍には、第2の電極層51bに含まれるPtと、ハンダに含まれるSnとにより金属間化合物が形成される。このため、ハンダと第1の電極層51aとが第2の電極層51bを挟むようにして結合することとなり、仮に第2の電極層51bとハンダ電極53との間にクラックが生じたとしても、ハンダと第1の電極層51aとの間で電気的な接続が確保される。以上により、熱サイクル環境下において、外部電極51の接続信頼性が向上する。
また、積層チップバリスタ1では、第2の内部電極33及び第1の電極層51aが共にPdを含んでいる。第2の内部電極33がPdを含み、第1の電極層51aがAgを含んでいる場合、AgがPdに拡散する速度とPdがAgに拡散する速度との差によって、第2の内部電極33がバリスタ素体11の表面から突出するように伸びてしまうことがある。この場合、バリスタ素体11と第1の電極層51aとの密着性が低下し、接続強度が低下してしまうおそれがある。これに対し、第2の内部電極33及び第1の電極層51aに共にPdを含んでいると、第2の内部電極33の突出が抑えられ、バリスタ素体11と第1の電極層51aとの接続強度を十分に確保できる。
また、第1の電極層51aは、Ag粉末及びガラス粉末を含む導電性ペーストを焼き付けることによって形成された焼き付け電極層であり、第2の電極層51bは、Pt粉末を含む導電性ペーストを焼き付けることによって形成された焼き付け電極層である。第1の電極層51aがAgを含んでいることにより、外部電極51の低抵抗化が図られている。また、第2の電極層51bがPtを含んでいることにより、メッキ層の形成が不要となる。この結果、積層チップバリスタ1の製造工程数を削減でき、製造コストを低減できる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した実施形態では、セラミック電子部品の一例として積層チップバリスタについて説明したが、本発明は、セラミック素体を有するセラミック電子部品であれば、例えば積層チップコンデンサ、積層アクチュエータ、又は積層チップインダクタ等の電子部品にも適用できる。
また、上記実施形態では、第1の電極層51aがPdを含んでいるが、内部電極に含まれる金属元素によっては、第1の電極層51aは、必ずしもPdを含んでいる必要はなく、Pdの代わりに他の金属元素を含んでいてもよい。
本発明に係るセラミック電子部品の一実施形態である積層チップバリスタの構成を接続導体側から示す斜視図である。 本発明に係るセラミック電子部品の一実施形態である積層チップバリスタの構成を外部電極側から示す斜視図である。 図1におけるIII−III線断面図である。 図1に示した積層チップバリスタの実装面側の構成を示す平面図である。 図4におけるV−V線断面図である。 外部電極及びハンダ電極の構成を説明するための模式図である。 図1に示した積層チップバリスタの等価回路を示す図である。 積層チップバリスタの製造手順を示すフローチャートである。 積層チップバリスタが製造される様子を示す図である。 従来構成における積層チップバリスタの導通経路を示す模式図である。 図1に示した積層チップバリスタの導通経路を示す模式図である。
符号の説明
1…積層チップコンデンサ(セラミック電子部品)、11…バリスタ素体(セラミック素体)、21…内部電極対、23…第1の内部電極、33…第2の内部電極、33a…引出部分、51…外部電極、51a…第1の電極層、51b…第2の電極層、51c…孔、53…ハンダ電極、61…第1の領域、62…第2の領域。

Claims (5)

  1. セラミック素体と、
    前記セラミック素体の内部に配置された内部電極と、
    前記セラミック素体の表面に配置され、ガラス物質を含んで構成された外部電極とを備え、
    前記外部電極には、前記内部電極の引出部分が接続される第1の領域と、実装用のハンダ電極が接続される第2の領域とが同一の平面部に形成されており、
    前記第1の領域と前記第2の領域とは、前記平面部において互いに重ならない位置に形成されていることを特徴とするセラミック電子部品。
  2. 前記外部電極は、
    前記セラミック素体の表面に形成され、Ag及び前記ガラス物質を含む第1の電極層と、
    前記第1の電極層上に形成され、Ptを含むと共に、複数箇所において前記第1の電極層に至る孔が形成された第2の電極層とによって構成されていることを特徴とする請求項1記載のセラミック電子部品。
  3. 前記内部電極及び前記第1の電極層は、Pdを含んでいることを特徴とする請求項2記載のセラミック電子部品。
  4. 前記第1の電極層は、Ag粉末及びガラス粉末を含む導電性ペーストを焼き付けることによって形成された焼き付け電極層であることを特徴とする請求項2又は3記載のセラミック電子部品。
  5. 前記第2の電極層は、Pt粉末を含む導電性ペーストを焼き付けることによって形成された焼き付け電極層であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項記載のセラミック電子部品。
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