JP2013076841A - 反射防止フィルム及びその反射防止フィルムを備える偏光板、ディスプレイ、バックライト部材 - Google Patents

反射防止フィルム及びその反射防止フィルムを備える偏光板、ディスプレイ、バックライト部材 Download PDF

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Abstract

【課題】透明基材上にハードコート層、反射防止層を順に備える反射防止フィルムにあって、十分な反射防止機能と帯電防止機能を有し、全光線透過率が高い反射防止フィルムを安価に提供する。
【解決手段】プラスチックやガラスなどの透明基材1の少なくとも一方の面に、ハードコート層12と低屈折率層11とを順次積層してなる反射防止膜が形成された反射防止フィルムにおいて、前記ハードコート層12にスルホン酸基が導入された無定形炭素が導入されている。
【選択図】 図1

Description

本発明はディスプレイなどの表面に外光が反射することを防止することを目的として設けられる反射防止フィルム、特に、液晶ディスプレイ(LCD)、CRTディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などのディスプレイの表面に設けられる反射防止フィルム及びその反射防止フィルムを備える偏光板、ディスプレイ、バックライト部材に関する。
反射防止フィルムには、ディスプレイの視認性を低下させる塵埃(埃など)が、光学フィルムの表面に付着することを防止する対策をとることが要求される。
そのため、塵埃付着防止の観点から、ATO粒子など導電性粒子や四級アンモニウム塩などを含有する帯電防止層を設けることが知られている(特許文献1)。
しかし、導電性粒子や、四級アンモニウム塩などを添加することで反射防止フィルムのコストが高止まりする問題がある。
また、帯電防止材料として、カーボンナノチューブを添加することも行われている(特許文献2)。
しかしながら、カーボンナノチューブはハードコート塗工液に対する分散性が悪く新たに分散剤を導入する必要があるため、コストが高止まりする問題があるほか、分散剤そのものが光学特性に対し悪影響を与える可能性があり、その選択に制限が発生する。
特開2005−196122号公報 特開2003−215307号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、反射防止フィルムの低反射性を損なわず、かつ帯電防止機能を有し、さらに生産性に優れた安価な反射防止フィルム及びその反射防止フィルムを備える偏光板、ディスプレイ、バックライト部材を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく反射防止フィルムについて鋭意検討を重ねた結果、以下に示す反射防止フィルムにより前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、請求項1に係る発明は、プラスチックやガラスなどの透明基材の少なくとも一方の面に、ハードコート層と低屈折率層とを順次積層してなる反射防止膜が形成された反射防止フィルムにおいて、前記ハードコート層には、スルホン酸基が導入された無定形炭素が導入されていることを特徴とする反射防止フィルムである。ハードコート層にスルホン基が導入された無定形炭素を添加することで反射防止フィルムの導電率が向上すると共に、ハードコート層の屈折率が上昇することから、反射防止フィルムの低反射率化が同時に達成される。また、このようにして作製した反射防止フィルムは、全光線透過率が高い。
請求項2に係る発明は、スルホン酸基が導入された無定形炭素が、13C核磁気共鳴スペクトルにおいて縮合芳香族炭素6員環及びスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環の化学シフトが検出され、粉末X線回折において半値幅(2θ)が5〜30°である炭素(002)面の回折ピークが少なくとも検出されることを特徴とする反射防止フィルムである。このようなスルホン基が導入された無定形炭素を用いることにより、ハードコート層の屈折率が上昇すると共に、反射防止フィルムの導電率が向上する。
請求項3に係る発明は、スルホン酸基が導入された無定形炭素が極性溶媒に分散することを特徴とする反射防止フィルムである。このような無定形炭素を用いることで、ハードコート層内にスルホン基が導入された無定形炭素が分散し良好な導電性を得ることが出来る。また、反射防止フィルムの全光線透過率が高い。
請求項4に係る発明は、スルホン酸基が導入された無定形炭素がハードコート層から溶出しないことを特徴とする反射防止フィルムである。
また、請求項5に係る発明としては、請求項1乃至3のいずれかに記載の反射防止フィルムを備えることを特徴とする偏光板である。
また、請求項6に係る発明としては、請求項1乃至3のいずれかに記載の反射防止フィルムを備えるディスプレイである。
また、請求項7に係る発明としては、請求項1乃至3のいずれかに記載の反射防止フィルムを備えるバックライト部材である。
本発明によれば、低反射性、塵埃付着防止性に優れた反射防止フィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る反射防止フィルムを示す断面図。 スルホン基が導入された無定形炭素の13C MAS核磁気共鳴スペクトルを示す図。 スルホン基が導入された無定形炭素合成の概念を示す図。 スルホン基が導入された無定形炭素の粉末X線回折パターンを示す図。
本発明の実施形態に係る反射防止フィルムについて説明する。
図1に本発明の反射防止フィルムの断面模式図を示す。反射防止フィルム1は、プラスチックやガラスなどの透明基材13の少なくとも一方の面に、ハードコート層12と低屈折率層11を順に備える。透明基材13にハードコート層12を設けることにより、反射防止フィルム1の表面に高い表面硬度を付与することができ、耐擦傷性に優れた反射防止フィルム1とすることができる。
また、ハードコート層12上には低屈折率層11が設けられる。可視光領域において波長の1/4倍となるような光学膜厚を有する層厚の低屈折率層11を設けることにより、反射防止フィルム1の表面に入射する外光の反射を抑制することができる。
本発明の反射防止フィルム1にあっては、透明基材13上に電離放射線硬化型材料を含むハードコート層形成用塗液を塗布し、その塗膜に対し紫外線照射を行うことでハードコート層12を形成する。さらに該塗膜に対し電離放射線硬化型材料を含む低屈折率層形成用塗液を塗布し該塗膜に対し紫外線照射を行うことで低屈折率層11を形成する。透明基材13に対しハードコート層形成塗液と、低屈折率層形成用塗液をこの順に同時に透明基材13上に塗布し、その塗膜に対し紫外線照射を行ってハードコート層12と低屈折率層11を同時に形成しても構わない。
本発明におけるハードコート層12及び低屈折率層13の塗工方法としては、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法、インクジェット法等既存の塗布方法が挙げられるが、特に限定されない。
本発明の反射防止フィルムにおける透明基材13としては、透明性や光の屈折率等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性を考慮して、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等の有機高分子からなるものが用いられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが好ましい。中でも、トリアセチルセルロースにあっては、複屈折率が小さく、透明性が良好であることから各種ディスプレイに対し好適に用いることができる。
さらに、これらの有機高分子に公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を添加することにより機能を付加させたものも使用できる。また、透明基材13は上記の有機高分子から選ばれる1種または2種以上の混合物、または重合体からなるものでもよく、複数の層を積層させたものであってもよい。
なお、透明基材13の厚みは25μm以上200μm以下の範囲内にあることが好ましく、さらには、20μm以上80μm以下の範囲内にあることがより好ましい。
本発明の反射防止フィルム1におけるハードコート層12は、アクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。例えば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレート」と「ウレタンメタアクリレート」の両方を示している。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計でき、形成されるハードコート層12の物性のバランスを容易にとることが可能であるといった理由から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。具体的には、共栄社化学社製、UA−306H、UA−306T、UA−306l等、日本合成化学社製、UV−1700B、UV−6300B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7640B、UV−7650B等、新中村化学社製、U−4HA、U−6HA、UA−100H、U−6LPA、U−15HA、UA−32P、U−324A等、ダイセルユーシービー社製、Ebecryl−1290、Ebecryl−1290K、Ebecryl−5129等、根上工業社製、UN−3220HA、UN−3220HB、UN−3220HC、UN−3220HS等を挙げることができるがこの限りではない。
またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができ、特にその材料を限定しない。
また、電離放射線硬化型材料は紫外線により硬化されるため、ハードコート層形成用塗液には光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては、紫外線が照射された際にラジカルを発生するものであれば良く、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類を用いることができる。光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化型材料100重量部に対して0.1重量部〜10重量部、好ましくは1重量部〜7重量部、さらに好ましくは1重量部〜5重量部である。
さらに、ハードコート層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、塗液には添加剤として、表面調整剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤等を加えることもできる。
また、ハードコート層形成用塗液にはその他添加剤を加えても良い。添加剤としては、例えば泡消剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤などが挙げられる。
本発明においては、さらにハードコート層13に対しスルホン基が導入された無定形炭素を導入する。
スルホン基が導入された無定形炭素の導入方法としては、ハードコート層形成用塗液に対し添加しても、ハードコート層形成後にさらに上側から塗布しても構わない。ただし、ハードコート層形成用塗液にスルホン基が導入された無定形炭素を予め添加してハードコート層13を形成することが好ましい。ハードコート層形成用塗液にスルホン基が導入された無定形炭素を予め添加してハードコート層13を形成することにより、スルホン基が導入された無定形炭素がハードコート層13から溶出しない反射防止フィルム1とすることができる。
スルホン基が導入された無定形炭素は、スルホン酸基をもち無定形炭素としての性質を示す物質であればどのようなものでもよい。無定形炭素とは、ダイヤモンドや黒鉛のような明確な結晶構造をもたない物質をいい、より具体的には、粉末X線回折において半値幅2θが5〜30°である炭素の(002)のピークがブロードである物質を意味する。
さらには、13C核磁気共鳴スペクトルにおいて縮合芳香族炭素6員環及びスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環の化学シフトが検出されるものが良い。また、スルホン酸密度が1〜10mmol/gであればよい。
スルホン酸基が導入された無定形炭素は、有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理し、重縮合、スルホン化することで合成できる(図2参照)。原料となる有機化合物としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、コロネンといった芳香族炭化水素、グルコース、スクロース、セルロースのような天然高分子、重油、ピッチ、タール中の多環式芳香族炭化水素、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、クラウンエーテルなどの環状エーテルなどを用いるが、どのようなものを用いても構わない。また、耐光性を向上させるため、ピリジン、ビペリジン、キノリン、アクリジン、ピリミジン、ビリタジンなどの環状有機窒素化合物を用いても構わない。また、原料となる有機物として、これらから1種以上を選択しても構わない。
濃硫酸又は発煙硫酸中の有機化合物の加熱処理は、窒素、アルゴン等の不活性ガスを流しながら加熱を行うと好ましい。有機化合物の重縮合、スルホン化の程度は用いる有機化合物により異なるが、反応時間、温度、反応雰囲気により調節できる。反応時間としては、3〜50時間、反応温度は50〜450℃程度が好ましく、極性溶媒への分散性もこれにより調節できる。反射防止フィルムとして塗布した後にケン化などにより溶出しないようにする為には、反応時間は5〜30時間、反応温度は70〜350℃程度が好ましい。このようにして合成したスルホン基が導入された無定形炭素を純水で洗浄し、余分な硫酸を取り除く。
スルホン基が導入された無定形炭素を、ハードコート層形成用塗液に添加する。添加量は、ハードコート層の電離放射線型材料によっても異なるが、ハードコート層形成用塗液中の不揮発成分100質量部に対し0.01質量部以上10質量部未満加える。0.01質量部より少ないとスルホン基が導入された無定形炭素により導電性が発現しにくくなり、10質量部より多いと反射防止フィルムの透明性が下がり黄色みを帯びてくる。
無定形炭素の分散媒として使用される極性溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、2−ヘプタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイゾブチルケトン、メチルアミルケトン、ペンタノン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミン、アニリンなどのアミン類、蟻酸プロピル、蟻酸イソブチル、蟻酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチルなどのエステル類、その他酢酸、プロピオン酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等を用いることができる。また、これらの溶媒のうち二種以上を混合させたものも使用できる。これらの溶媒は、先述のハードコート層形成用塗液に含まれる溶媒としても用いることができる。
また、ハードコート層形成用塗液には、さらに導電性材料を添加してもよい。ハードコート層形成用塗液に導電性材料を添加することにより、得られる反射防止フィルム1に帯電防止性能を付与することができる。導電性材料としては、四級アンモニウム塩材料、金属酸化物粒子、導電性高分子、炭素粒子等を用いることができるが特に材料を問わない。
導電性粒子としてカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、グラフェン、アセチレンブラック、ケッチェンブラックといった炭素粒子を加えた場合、スルホン基が導入された不定形炭素はこれらの分散剤としても働く効果がある。
以上の材料を調整して得られるハードコート層形成用塗液を湿式成膜法により透明基材13上に塗布し、塗膜を形成し、必要に応じて塗膜の乾燥をおこなったあとに、電離放射線である紫外線を照射することにより、ハードコート層12が形成される。
このとき、湿式成膜法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。
ハードコート層形成用塗液を透明基材13上に塗布することにより得られる塗膜に対し、紫外線を照射することによりハードコート層12が形成される。紫外線を照射するにあたっては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の紫外線照射ランプが利用できる。また、紫外線照射の際に酸素濃度を低下させるために導入される不活性ガスとしては、窒素を用いることができる。
なお、硬化によりハードコート層12を形成する工程の前後に乾燥工程もしくは加熱工程を設けてもよい。特に、塗液が溶媒を含む場合、形成された塗膜の溶媒を除去するために電離放射線を照射する前に乾燥工程を設ける必要がある。乾燥手段としては加熱、送風、熱風などが例示される。
本発明の低屈折率層11の形成方法について示す。本発明の低屈折率層11にあっては、湿式成膜法により形成でき、低屈折率粒子とバインダマトリックス形成材料を含む塗液を塗布することにより形成することができる。
低屈折粒子としては、LiF、MgF、3NaF・AlFまたはAlF(いずれも、屈折率1.4)、または、NaAlF(氷晶石、屈折率1.33)等の低屈折材料からなる低屈折率粒子を用いることができる。また、粒子内部に空隙を有する粒子を好適に用いることができる。粒子内部に空隙を有する粒子にあっては、空隙の部分を空気の屈折率(≒1)とすることができるため、非常に低い屈折率を備える低屈折率粒子とすることができる。具体的には、多孔質シリカ粒子や、内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子を用いることができる。
本発明の低屈折率層11に用いられる低屈折率粒子としては、粒径が1nm以上100nm以下であることが好ましい。粒径が100nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、低屈折率層11が白化して反射防止フィルム1の透明性が低下する傾向にある。一方、粒径が1nm未満の場合、粒子の凝集による低屈折率層における粒子の不均一性等の問題が生じる。
また、バインダマトリックス形成材料として、電離放射線硬化型材料を用いることができる。電離放射線硬化型材料としては、ハードコート層形成用塗液に含まれる電離放射線硬化型材料として例示したアクリル系材料を使用することができる。バインダマトリックス形成材料として電離放射線硬化型材料を用いた場合には、電離放射線硬化型材料と低屈折率粒子とを含む塗液を塗布し透明基材上に塗膜を形成し、該塗膜に対し、必要に応じて乾燥をおこない、その後、紫外線、電子線といった電離放射線を照射することにより電離放射線硬化型材料の硬化反応をおこなうことによりバインダマトリックスとすることができ、低屈折率層11を形成することができる。このとき塗布方法としては、ハードコート層形成用塗液を塗布する際に例示した湿式成膜法を用いることができる。さらに乾燥方法、硬化方法についても、ハードコート層12の形成方法で例示した方法を用いることができる。
なお、塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、塗液には添加剤として、表面調整剤、レベリング剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、光増感剤等を加えることもできる。
なお、バインダマトリックスとして電離放射線硬化型材料を用い、紫外線を照射することにより低屈折率層を形成する場合には、塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、ハードコート層形成用塗液に含まれる光重合開始剤として例示した光重合開始剤を使用することができる。
また、バインダマトリックス形成材料としてケイ素アルコキシドの加水分解物を用いることもできる。バインダマトリックス形成材料としてケイ素アルコキシドの加水分解物を用いた場合には、ケイ素アルコキシドの加水分解物と低屈折率粒子とを含む低屈折率層形成用塗液を塗布し透明基材13上に塗膜を形成し、該塗膜に対し乾燥・加熱し、ケイ素アルコキシドの脱水縮合反応をおこなうことによりバインダマトリックスとすることができ、低屈折率層11を形成することができる。
ただし、本発明の反射防止フィルム1の製造方法にあっては、バインダマトリックス形成材料として電離放射線硬化型材料を用い、電離放射線硬化型材料と低屈折率粒子とを含む塗液を塗布し透明基材13上に塗膜を形成する工程、該塗膜に対し紫外線を照射する工程により、低屈折率層11を形成することが好ましい。
以上により、本発明の反射防止フィルム1は形成される。本発明の反射防止フィルム1にあっては、低屈折率層11が形成されている側の反対側の透明基材13側の面に偏光層、第2の透明基材を設けることにより、偏光板とすることができる。偏光層としては、例えば、ヨウ素を加えた延伸ポリビニルアルコール(PVA)を用いることができる。また、もう一方の透明基材としては、反射防止フィルム1に用いる透明基材を用いることができ、トリアセチルセルロースからなるフィルムを好適に用いることができる。
反射防止フィルム1及び第2の透明基材にあっては、偏光層と貼りあわされる前に、ケン化処理がおこなわれる。ケン化処理は、反射防止フィルム1及び第2の透明基材をアルカリ溶液に浸漬することによりおこなわれ、アルカリ溶液としては水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等を例示することができる。
なお、本発明の反射防止フィルム1は、偏光板化され、さらに、透過型液晶ディスプレイの前面、すなわち、観察側に反射防止層が最表面となるように設けられる。
また、本発明の反射防止フィルム1は、バックライト部材に設けて使用することが可能である。
本発明の無定形炭素作製例を示す。
(スルホン基が導入された無定形炭素作製例)
20gのナフタレンを300mlの96%濃硫酸に加え、この混合物に窒素ガスを30ml/minで吹き込みながら250℃で15時間加熱することによって黒色の液体を得た。この液体を排気速度50L/min、到達圧力1.33Pa以下の高真空ロータリーポンプで真空排気しながら250℃で5時間加熱することによって過剰の濃硫酸の除去と炭化の促進を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末を不活性気流中下180℃で12時間加熱した後、透析にて洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が前述した閃光燃焼を用いた元素分析計による元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。得られたスルホン酸基導入無定形炭素の13C核磁気共鳴スペクトルを図3に示す。核磁気共鳴スペクトルは、前述した13MAS核磁気共鳴スペクトルの測定法に従って測定した(図2)。図2に示すように、130ppm付近には縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れ、140ppm付近にはスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れた。なお、図3中で、SSBと示したピークは、13C MAS核磁気共鳴スペクトルの測定で特徴的に観測されるスピニングサイドバンドであり、炭素種に由来するものではない。
図3には前述したX線解析装置で測定した粉末X線回折パターンを示した。図3に示すように、炭素(002)面と(004)面の回折ピークが確認された。(002)面の回折ピークの半値幅(2θ)は11°であった。また、このスルホン酸基導入無定形炭素のスルホン酸密度は4.9mmol/gであった。
<調整例1>
(ハードコート層形成用塗液1)
ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(BASF社製(光重合開始剤))5質量部、スルホン酸基導入無定形炭素を1質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成塗液1を調整した。
<調整例2>
(ハードコート層形成用塗液2)
ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(BASF社製(光重合開始剤))5質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成塗液2を調整した。
<調整例3>
(ハードコート層形成用塗液3)
四級アンモニウムカチオンを含有するライトエステルDQ100(共栄社化学製)5重量部、ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(BASF社製(光重合開始剤))5質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成塗液3を調整した。
<調整例4>
(ハードコート層形成用塗液4)
アンチモン含有酸化スズ20重量部、ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(BASF社製(光重合開始剤))5質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成塗液4を調整した。
<調整例5>
(ハードコート層形成用塗液5)
カーボンナノチューブ1重量部、ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(BASF社製(光重合開始剤))5質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成塗液5を調整した。
<調整例6>
(ハードコート層形成用塗液6)
カーボンナノチューブ1重量部、ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(BASF社製(光重合開始剤))5質量部、スルホン酸基導入無定形炭素を1質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成塗液6を調整した。
<実施例1>
(ハードコート層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム製:膜厚80μm)の片面にハードコート層形成用塗液1を塗布し、80℃・60秒オーブンで乾燥し、乾燥後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明なハードコート層を形成した。
<調整例7>
(低屈折率層形成用塗液)
多孔質シリカ微粒子分散液(平均粒子径50nm、固形分20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)14.94重量部、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:DPEA−12、日本化薬製)1.99重量部、重合開始剤(BASF社製、商品名;イルガキュア184)0.07重量部、TSF4460(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製:アルキルポリエーテル変性シリコーンオイル)0.20重量部を、溶媒であるメチルイソブチルケトン82重量部で希釈して低屈折率層形成用塗液を調整した。
(低屈折率層の形成)
上記方法にて形成したハードコート層上に低屈折率層形成用塗液を乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。
紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン、光源Hバルブ)を用いて照射線量192mJ/mで紫外線照射をおこなって硬化させて低屈折率層を形成し、反射防止フィルムを作製した。
<実施例2>
ハードコート層形成用塗液6を使用した以外は実施例1と同様に、トリアセチルセルロースフィルム上にハードコート層及び低屈折率層を形成し、反射防止フィルムを得た。
<比較例1>
ハードコート層形成用塗液2を使用した以外は実施例1と同様に、トリアセチルセルロースフィルム上にハードコート層及び低屈折率層を形成し、反射防止フィルムを得た。
<比較例2>
ハードコート層形成用塗液3を使用した以外は実施例1と同様に、トリアセチルセルロースフィルム上にハードコート層及び低屈折率層を形成し、反射防止フィルムを得た。
<実施例3>
ハードコート層形成用塗液4を使用した以外は実施例1と同様に、トリアセチルセルロースフィルム上にハードコート層及び低屈折率層を形成し、反射防止フィルムを得た。
<比較例4>
ハードコート層形成用塗液5を使用した以外は実施例1と同様に、トリアセチルセルロースフィルム上にハードコート層及び低屈折率層を形成し、反射防止フィルムを得た。
(実施例1)〜(実施例2)、(比較例1)〜(比較例4)で得られた反射防止フィルムについて、以下の方法で評価をおこなった。
(平均視感反射率)
得られた反射防止フィルムの低屈折率層表面について、自動分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用い、入射角5°における分光反射率を測定した。また、得られた分光反射率曲線から平均視感反射率を求めた。なお、測定の際には透明基材であるトリアセチルセルロースフィルムのうち低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布し、反射防止の処置をおこなった。
(表面抵抗値)
得られた反射防止フィルムの低屈折率層表面の表面抵抗値を、JIS K 6911に準拠して測定した。また、得られた反射防止フィルムを温度100℃、湿度50%の環境下に500時間サンプルを保管し、保管後の反射防止フィルムの低屈折率層表面の表面抵抗値をJIS K 6911に準拠して測定した。
(全光線透過率およびヘイズ値)
得られた反射防止フィルムについて、写像性測定器[日本電色工業(株)製、NDH−2000]を使用して全光線透過率及びヘイズ値を測定した。
表1に評価結果を示す。
Figure 2013076841
実施例1、2は、比較例1、3、4と比較して良好な性能を示した。また、比較例2と同等の性能を示した。本発明におけるスルホン基を導入した無定形炭素は四級アンモニウム塩・導電性金属微粒子等と比較して同等性能を保ちつつ、低コスト化することができる。
1…反射防止フィルム
11…低屈折率層
12…ハードコート層
13…透明基材

Claims (7)

  1. 透明基材の少なくとも一方の面に、ハードコート層と低屈折率層とを順次積層してなる反射防止膜が形成された反射防止フィルムにおいて、前記ハードコート層には、スルホン酸基が導入された無定形炭素が導入されていることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 前記スルホン酸基が導入された無定形炭素は、13C核磁気共鳴スペクトルにおいて縮合芳香族炭素6員環及びスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環の化学シフトが検出され、粉末X線回折において半値幅(2θ)が5〜30°である炭素(002)面の回折ピークが少なくとも検出されることを特徴する請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記スルホン酸基が導入された無定形炭素は、極性溶媒に分散することを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記スルホン酸基が導入された無定形炭素は、ハードコート層から溶出しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の反射防止フィルムを備えることを特徴とする偏光板。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の反射防止フィルムを備えることを特徴とするディスプレイ。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載の反射防止フィルムを備えることを特徴とするバックライト部材。
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KR20200136839A (ko) * 2019-05-28 2020-12-08 주식회사 엘지화학 반사 방지 필름, 편광판 및 디스플레이 장치

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