JP2013074644A - 電動機および電動送風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイル用のスペースを開口部内に確保しつつ、コイルを巻回する際の各絶縁部材の移動を確実に規制できる電動機を提供する。
【解決手段】電動機は、フィールドコア組立の開口部51の内部に沿って開口部51と各コイルとの間にそれぞれ位置し、各コイルとフィールドコア組立とをそれぞれ絶縁する複数のシート状のスロット絶縁46を有する。電動機は、フィールドコア組立の厚さ方向の両端側に、各コイルを保持するリテーナ47および端子台48を有する。リテーナ47および端子台48は、フィールドコア組立の開口部51の内方へと突出する突起部47g,48gを各スロット絶縁46に対応してそれぞれ備える。各スロット絶縁46は、リテーナ47および端子台48の突起部47g,48gと対向する位置に突起部47g,48gが嵌合する切欠開口部46d,46dをそれぞれ備える。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、コイルと固定子本体とを絶縁するシート状の絶縁部材を有する電動機およびこれを備えた電動送風機に関する。
従来、例えば電気掃除機などに用いられる電動送風機の電動機は、固定子としてのステータであるフィールド組立と、このフィールド組立の内部に配置された回転子としてのロータであるアーマチュア組立とを有している。フィールド組立は、固定子鉄心である枠状の固定子本体であるフィールドコア組立と、このフィールドコア組立にそれぞれ巻回されたコイルと、これらコイルをフィールドコア組立に固定するコイル保持部材とを備えている。フィールドコア組立は、中央部に開口した開口部の互いに対向する位置に突出部がそれぞれ突設されており、これら突出部にコイルが巻回されることで電磁石がそれぞれ構成される。また、これらコイルと、開口部との間には、開口部の内部に沿ってシート状の絶縁部材としてのスロット絶縁が配置されている。
特開2010−57340号公報
このような電動機では、コイルを形成するための巻線作業の際に振動、あるいは巻線の張力などによってスロット絶縁の位置がずれることでコイルに巻き込まれ、巻線不良が発生したり、所望の巻数に達することができなくなったりしないように、例えば各スロット絶縁をコイル保持部材のいずれかと合成樹脂により一体成形することが考えられる。
しかしながら、コイル保持部材と各スロット絶縁とを一体成形する場合、各スロット絶縁の厚みをコイル保持部材の厚みと大きく異ならせることが容易でないため、各スロット絶縁の厚みが厚くなり、各コイルを収容する開口部の突出部の周囲のスペースがそれぞれ狭くなるという問題がある。
この点、上記特許文献1に記載された構成では、各コイル保持部材に支持部を突設し、これら支持部の基端側に形成される溝部により、各スロット絶縁をフィールドコア組立の厚さ方向(軸方向)に挟持している。しかしながら、このような構成では、各スロット絶縁のフィールドコア組立の厚さ方向(軸方向)へのずれは規制できるものの、フィールドコア組立の開口部の内部に沿う移動を規制することができない。
本発明が解決しようとする課題は、コイル用のスペースを開口部内に確保しつつ、コイルを巻回する際の各絶縁部材の移動を確実に規制できる電動機およびこれを備えた電動送風機を提供することである。
実施形態の電動機は、開口部、および、この開口部の互いに対向する位置にそれぞれ突設された複数の突出部を備え、磁性体により形成された固定子本体を有する。この電動機は、固定子本体に対して開口部に一部が収納された状態で突出部のそれぞれに巻回されて固定子本体とともにそれぞれ電磁石を構成する複数のコイルを有する。また、この電動機は、固定子本体の開口部の内部に沿ってこの開口部と各コイルとの間にそれぞれ位置し、各コイルと固定子本体とをそれぞれ絶縁する複数のシート状の絶縁部材を有する。さらに、この電動機は、固定子本体の厚さ方向の両端側にそれぞれ取り付けられ、各コイルを保持する対をなすコイル保持部材を有する。各コイル保持部材は、固定子本体の開口部の内方へと突出する突起部を各絶縁部材に対応してそれぞれ備える。各絶縁部材は、各コイル保持部材の突起部と対向する位置にこれら突起部が嵌合する嵌合開口部をそれぞれ備える。
第1の実施形態の電動機を示す斜視図であり、(a)は一方のコイル保持部材側を示し、(b)は他方のコイル保持部材側を示す。 同上電動機の固定子をファン側から示す斜視図である。 (a)は同上固定子をブラシ装置側から示す平面図、(b)は(a)の断面図である。 同上固定子の一方のコイル保持部材を示す斜視図である。 同上固定子の他方のコイル保持部材を示す斜視図である。 同上固定子の固定子本体を示す平面図である。 同上電動機を備えた電動送風機を一部を切り欠いて示す側面図である。 第2の実施形態の電動機を示す斜視図であり、(a)は一方のコイル保持部材側を示し、(b)は他方のコイル保持部材側を示す。
以下、第1の実施形態の構成を図1ないし図7を参照して説明する。
図7において、11は電動送風機を示し、この電動送風機11は、例えば電気掃除機の掃除機本体に収容されて吸塵用の送風動作を行うものである。そして、この電動送風機11は、電動機12と、この電動機12により回転される遠心ファン13と、これら電動機12と遠心ファン13との間に位置する整流板であるディフューザ14と、遠心ファン13を覆って電動機12に取り付けられるファンカバー15とを備えている。
電動機12は、金属製のフレーム21と、このフレーム21に収容された電動機本体22と、ブラシ装置23,23とを有している。
フレーム21は、有底円筒状のフレーム本体25と、このフレーム本体25の開口側に一体的に取り付けられるフレーム端面板26とを備えている。
フレーム本体25の外周面には、複数の排気口31が開口形成されている。また、このフレーム本体25の底部には、電動機本体22を支持するためのモータヘッド部32が凹設されており、このモータヘッド部32の内部には、ベアリング33と、このベアリング33とともに電動機本体22を軸方向(スラスト方向)に付勢するためのスラストばね34とが収容されている。
また、フレーム端面板26は、フレーム本体25の径方向に沿って形成され、フレーム本体25の開口を横断して配置され、このフレーム本体25に対してねじ止め固定されている。さらに、このフレーム端面板26の中央部には、ディフューザ14を保持する円筒状の保持部36が一体に形成されており、この保持部36の内部には、ベアリング37が取り付けられている。
また、電動機本体22は、図1ないし図7に示すように、固定子としてのステータであるフィールド組立41と、回転子(電機子)としてのロータであるアーマチュア組立42とを備えている。
フィールド組立41は、固定子鉄心としての固定子本体であるフィールドコア組立44と、このフィールドコア組立44に巻回された(一方および他方の)コイル45,45と、フィールドコア組立44とコイル45,45とを絶縁するためのシート状の絶縁部材としてのスロット絶縁46,46と、コイル45,45を保持する(一方および他方の)コイル保持部材としてのリテーナ47および端子台48とを有している。
フィールドコア組立44は、例えば磁性体である電磁鋼板をプレス機で打ち抜いた同一形状の鉄心板を積層し結合して構成された積層鉄心からなり、平面視で外形形状が略四角形状の環状(枠状)に形成されており、中央部に開口部51が形成されている。また、このフィールドコア組立44の厚さ方向の両端面には、リテーナ47および端子台48を保持固定するための円形状の保持孔部52がそれぞれ形成されている(図6)。さらに、このフィールドコア組立44は、四隅がフレーム本体25の内面に圧接された状態でフレーム21の内部に保持固定されており、外面とフレーム本体25の内面との間に排気口31に連通する風路Wが形成されている(図7)。
開口部51は、アーマチュア組立42の一部および各コイル45の一部がそれぞれ嵌合して収容されるものであり、この開口部51の互いに対向する辺部には、それぞれ突極である先端側が円弧状の略Y字状に形成された突出部53,53が突出している。したがって、この開口部51は、突出部53,53のそれぞれの基端部を挟みコイル45,45の一部がそれぞれ収容される収容部としてのスロット部55,55,55,55と、各スロット部55,55間に亘って連続する中間開口部としての連続開口部56と、突出部53,53の先端間に形成される略円形状の回転用開口部57とを有している(図6)。
各スロット部55は、突出部53,53の厚さ方向に延びる側面と開口部51の内面とで区画されている。
また、各連続開口部56は、各コイル45に対して離間された位置であり、これら連続開口部56のスロット部55,55間に連続する内面56aは、平面状に形成されている。
また、各コイル45は、スロット絶縁46の一部と、リテーナ47および端子台48の一部とにより絶縁された状態でフィールドコア組立44の各突出部53にそれぞれ巻回されている。さらに、これらコイル45は、リテーナ47および端子台48の一部に沿って巻回されているとともに、これらリテーナ47および端子台48により押さえられていることにより、所定の巻き付け形状が保持されている(図2、図3(a)および図3(b))。
また、各スロット絶縁46は、例えばポリエステル樹脂などの絶縁性を有する合成樹脂などによりシート状(薄板状)に形成されている。これらスロット絶縁46は、長手方向両端部にスロット部55の内面55aに沿うように湾曲された絶縁部材本体としてのスロットカバー部46aと、これらスロットカバー部46a,46aを連結する平板状の連結部46bとを一体に備えている。そして、これらスロット絶縁46は、同側に隣接する突出部53,53間に亘ってフィールドコア組立44の開口部51の内面に配置されており、各スロットカバー部46aが各スロット部55の内面55aを覆って各コイル45とフィールドコア組立44とを電気的に絶縁するとともに、連結部46bが各連続開口部56の内面56aを覆って配置されている。
さらに、各スロット絶縁46の幅寸法、すなわちフィールド組立41(フィールドコア組立44)の厚さ方向に沿う寸法は、フィールドコア組立44の厚みより大きい。そのため、各スロット絶縁46の両縁部46c,46cは、フィールドコア組立44の厚さ方向の端面より突出する。そして、このフィールドコア組立44の厚さ方向の端面よりも突出した両縁部46c,46cには、連結部46bの位置に対応して、嵌合開口部としての四角形状の切欠開口部46d,46dがそれぞれ切り欠き形成されている。これら切欠開口部46d,46dは、例えばスロットカバー部46a,46aの略中間の位置にて連結部46bに配置されている。換言すれば、これら切欠開口部46d,46dは、各コイル45に対向する位置を除く位置である連続開口部56に臨んで配置されている。
また、リテーナ47は、例えば絶縁性を有する合成樹脂などの部材により四角形枠状に形成されており、フィールドコア組立44の厚さ方向の一端側である遠心ファン13側に重ねて配置されている。このリテーナ47は、突出部53,53の先端部と同様な円弧状をなす一対の(一方の)保持部47a,47aと、これら保持部47a,47a間を連結する(一方の)連結枠部47bとを一体に備える環状(枠状)に形成されている(図4)。
各保持部47aには、背面側に沿って各コイル45の一部が巻回されている。また、各保持部47aの中央部には、リテーナ47の外側へと折り返された(一方の)ストッパ部47cが舌片状に突出してそれぞれ形成されている。
また、連結枠部47bの両端部には、スロット部55の形状に沿う(一方の)絶縁支持部47dが形成されている。さらに、この連結枠部47bの各保持部47aの外側に位置する部分には、(一方の)スペーサ部47eが形成されているとともに、これらスペーサ部47eの先端側の位置の背面側(フィールドコア組立44側)に、略円柱状の(一方の)係合突起47fが突出して形成されている。そして、この連結枠部47bの保持部47a,47aの中間に位置する両側部分には、それぞれ(一方の)突起部47gが内方に向けて突出して形成されている(一方のみ図示)。
各スペーサ部47eは、各コイル45をフィールドコア組立44に対して電気的に絶縁するためのものであり、各保持部47aに対して外方へと突出するリブ状に形成されている。
また、係合突起47fは、フィールドコア組立44の保持孔部52にそれぞれ圧入されることでリテーナ47をフィールドコア組立44の厚さ方向の一端面に保持固定するものであり、例えば先端側へと徐々に細くなるように形成されている。
そして、各突起部47gは、各切欠開口部46dに嵌合することで各スロット絶縁46をそれぞれ保持するもので、各リテーナ47をフィールドコア組立44に取り付けた状態で連続開口部56に位置し、これら連続開口部56の内面56aよりも開口部51の内方へと突出している。換言すれば、これら突起部47gは、突出部53,53の先端間の領域Aに位置している。すなわち、これら突起部47gは、各コイル45に対向する位置を除く位置である連続開口部56に臨んで配置されている。また、各突起部47gは、基端側が各切欠開口部46dと略等しい、または各切欠開口部46dよりも若干小さい幅寸法を有しており、基端側から先端側へと徐々に肉厚、すなわち両側へと拡開状に形成されて、先端側は各切欠開口部46dよりも大きい幅寸法を有している。このため、各突起部47gは、平面視で台形状となっている(図1(a))。
また、端子台48は、例えば絶縁性を有する合成樹脂などにより四角形枠状に形成されており、フィールドコア組立44の厚さ方向の他端側であるブラシ装置23(排気口31)側に重ねて配置されている。そして、端子台48は、基本的にリテーナ47と同様の構成を有しており、突出部53,53の先端部と同様な円弧状をなす一対の(他方の)保持部48a,48aと、これら保持部48a,48a間を連結する(他方の)連結枠部48bとを一体に備える環状(枠状)に形成されている(図5)。
各保持部48aの中央部には、端子台48の外側へと折り返された(他方の)ストッパ部48cが舌片状に突出して形成されている。
また、連結枠部48bの両端部には、スロット部55の形状に沿う(他方の)絶縁支持部48dが形成されている。さらに、この連結枠部48bの各保持部48aの外側に位置する部分には、(他方の)スペーサ部48eが形成されているとともに、これらスペーサ部48eの先端側の位置の背面側(フィールドコア組立44側)に、略円柱状の(他方の)係合突起48fが突出して形成されている。また、この連結枠部48bの保持部48a,48aの中間に位置する両側部分には、(他方の)突起部48gが内方に向けて突出して形成されている(一方のみ図示)とともに、(一方の)端子取付部48hがそれぞれ各保持部48aと同側に突出して形成されている。そして、連結枠部48bの一端側の両側には、(他方)の端子取付部48iがそれぞれ各保持部48aと同側に突出して形成されている。
各スペーサ部48eは、各コイル45をフィールドコア組立44に対して電気的に絶縁するためのものであり、各保持部48aに対して外方へと突出するリブ状に形成されている。
また、係合突起48fは、フィールドコア組立44の保持孔部52にそれぞれ圧入されることでリテーナ47をフィールドコア組立44の厚さ方向の一端面に保持固定するものであり、例えば先端側へと徐々に細くなるように形成されている。
そして、突起部48gは、突起部47gと同様に、各切欠開口部46dに嵌合することで各スロット絶縁46をそれぞれ保持するもので、各端子台48をフィールドコア組立44に取り付けた状態で連続開口部56に位置し、これら連続開口部56の内面56aよりも開口部51の内方へと突出している。換言すれば、これら突起部48gは、突出部53,53の先端間の領域Aに位置している。すなわち、これら突起部48gは、各コイル45に対向する位置を除く位置である連続開口部56に臨んで配置されている。また、各突起部48gは、基端側が各切欠開口部46dと略等しい、または各切欠開口部46dよりも若干小さい幅寸法を有しており、基端側から先端側へと徐々に肉厚、すなわち両側へと拡開状に形成されて、先端側は各切欠開口部46dよりも大きい幅寸法を有している。このため、各突起部48gは、平面視で台形状となっている(図1(b))。
また、端子取付部48h,48hには、(一方の)端子61,61が取り付けられており、これら端子61,61には、コイル45,45の巻線の端末部が電気的に接続されている。さらに、これら端子61,61は、ブラシ装置23と電気的に接続されている。
また、端子取付部48i,48iには、(他方の)端子63,63が取り付けられており、これら端子63,63には、コイル45,45の巻線の端末部が電気的に接続されている。
一方、アーマチュア組立42は、回転子軸である回転軸65と、この回転軸65に固定された電機子コアをなす積層鉄心66と、回転軸65に固定された整流子67と、この整流子67に端末部を電気的に接続して積層鉄心66に巻き付けられた回転子巻線であるアーマチュアコイル68とを備えている。
そして、アーマチュア組立42は、回転軸65をベアリング33,37に回転自在に軸支することにより、フィールド組立41の回転用開口部57を貫通してフレーム21に取り付けられ、この取り付け状態で、整流子67が、積層鉄心66とベアリング33との間に位置し、回転軸65がベアリング37および保持部36に挿通されてフレーム21の外部へと突出している。
また、各ブラシ装置23は、フレーム本体25に対して電気的に絶縁されて、このフレーム本体25の径方向に沿って例えばねじ止めなどにより取り付けられている。これらブラシ装置23は、内部にカーボンブラシ71と、このカーボンブラシ71の基端側を先端側へと付勢するコイルばね72とを有しており、このコイルばね72により付勢された状態でカーボンブラシ71の先端側が電動機12の整流子67の外周面に圧接されている。さらに、各ブラシ装置23には、各端子61が挿入されて電気的に接続される導電部材73がそれぞれ配置されている。
また、遠心ファン13は、電動機12のフレーム21から突出するアーマチュア組立42の回転軸65の端部に連結されている。さらに、この遠心ファン13は、ファンカバー15に対向して、円形状の吸込口75が中央部に形成されている。
また、ディフューザ14は、遠心ファン13から外周方向へと吹き出された気流を静圧化して電動機12のフレーム21の内部へと案内するものであり、中央部にフレーム端面板26の保持部36が挿通され、この保持部36の近傍でフレーム端面板26に対してねじ止め固定されることで、電動機12と一体的となっている。
また、ファンカバー15は、有蓋円筒状に形成されており、外周縁部がフレーム本体25の開口縁に圧入されて固定されている。さらに、このファンカバー15の中央部には、円形状の吸気口77が形成されている。この吸気口77は、円環状のシール部材78を介して遠心ファン13の吸込口75と気密に接続される。
次に、上記第1の実施形態の作用を説明する。
電動送風機11を組み立てる際には、まず、予め形成したフィールドコア組立44の開口部51の各スロット部55,55および各連続開口部56に亘って、各スロット絶縁46を嵌合させる。この状態で、各スロット絶縁46のスロットカバー部46a,46aがスロット部55,55の内面55a,55aを覆い、連結部46bが連続開口部56の内面56aを覆う。
次いで、フィールドコア組立44の厚さ方向の両端部に、リテーナ47と端子台48とを取り付ける。このとき、リテーナ47および端子台48の係合突起47f,48fをフィールドコア組立44の保持孔部52にそれぞれ圧入することで、フィールドコア組立44とリテーナ47および端子台48とが互いに一体的に固定される。また、リテーナ47および端子台48の突起部47g,48gの基端側が、それぞれ各スロット絶縁46の切欠開口部46d,46dに対して、各スロット絶縁46の幅方向から嵌合することで、リテーナ47および端子台48によって、各スロット絶縁46がフィールドコア組立44の厚さ方向(軸方向)に挟持されて保持される。さらに、リテーナ47および端子台48の保持部47a,47aおよび保持部48a,48aのそれぞれが、フィールドコア組立44の突出部53,53に沿って重ねられるとともに、絶縁支持部47d,48dがスロット部55,55に沿って重ねられる。
そして、リテーナ47の絶縁支持部47d,47d間および端子台48の絶縁支持部48d,48d間に亘って、各スロット絶縁46のスロットカバー部46a,46aを覆いつつフィールドコア組立44の各突出部53の基端側の位置に巻線を巻き付けることにより、コイル45をそれぞれ構成する。このとき、各スロット絶縁46は、切欠開口部46d,46dにリテーナ47および端子台48の突起部47g,48gが嵌合していることにより、両縁部46c,46cの開口部51の内方、すなわちフィールドコア組立44の中心側への倒れが防止されるとともに、この巻線作業時の振動や巻線の張力などによるフィールドコア組立44の厚さ方向(軸方向)および周方向(回転方向)へのずれが防止される。この状態で、各コイル45は、各スロット絶縁46のスロットカバー部46a,46a、リテーナ47および端子台48のスペーサ部47e,48eにより各突出部53に対して絶縁されているとともに、リテーナ47および端子台48のストッパ部47c,48cによって押さえられて形状が保持される。
この後、端子台48の各端子取付部48h,48iに端子61,63をそれぞれ取り付け、各コイル45の巻線の端末部を各端子61,63に電気的に接続して、電動機本体22を完成する。
この電動機本体22は、端子台48側をフレーム本体25の底部に対向させるようにフレーム本体25へと挿入して、フィールドコア組立44の四隅をフレーム本体25の内面に圧接させた状態で保持固定する。
次いで、予め組み立てたアーマチュア組立42を回転用開口部57に嵌合させるように挿入し、整流子67側の回転軸65の一端部を、フレーム本体25のモータヘッド部32に予め取り付けられたベアリング33に圧入する。
さらに、保持部36にベアリング37を取り付けたフレーム端面板26を、アーマチュア組立42の回転軸65の他端部をベアリング37に圧入して保持部36に挿通しつつフレーム本体25に対してねじ止め固定する。
そして、各ブラシ装置23をフレーム本体25に対して挿入することで、各導電部材73に各端子61を挿入させて電気的に接続し、カーボンブラシ71を整流子67の外周面に圧接させた状態で、各ブラシ装置23をフレーム本体25にねじ止め固定することで、電動機12が完成する。
また、この電動機12に対して、保持部36をディフューザ14に挿通させ、このディフューザ14をフレーム端面板26に対してねじ止め固定する。
この後、保持部36から突出した回転軸65の他端部を遠心ファン13に挿通させてナットなどにより固定することで、遠心ファン13を回転軸65に一体的に固定する。
そして、遠心ファン13およびディフューザ14の一部を覆うようにファンカバー15をフレーム本体25に取り付けることで、電動送風機11が完成する。
この電動送風機11は、電動機12への通電により、アーマチュア組立42とともに遠心ファン13を回転させることで、空気がファンカバー15の吸気口77を介して遠心ファン13へと吸込口75から吸い込まれ、この遠心ファン13から外周方向へと吹き出され、ディフューザ14により整流されてフレーム21内へと流入し、このフレーム21内の風路Wを通過して電動機本体22を冷却した後、排気口31から排気される。
上述したように、上記第1の実施形態によれば、突起部47g,48gと切欠開口部46d,46dとの嵌合によって、各スロット絶縁46をフィールドコア組立44の厚さ方向に挟持するとともに、各スロット絶縁46の周方向へのずれ移動を規制し、各コイル45を構成する巻線作業の際に、振動や巻線の張力によって各スロット絶縁46がフィールドコア組立44のスロット部55,55および連続開口部56に対して、フィールドコア組立44の厚さ方向(軸方向)や周方向にずれることを防止できる。
次に、第2の実施形態を図8を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態のリテーナ47および端子台48のそれぞれに、スロット絶縁46毎に複数ずつ、本実施形態では2つずつの突起部47g,48gがそれぞれ形成されているものである。
各スロット絶縁46に対応するリテーナ47の突起部47g,47gは、連続開口部56における突出部53,53の先端間の領域Aに位置している。すなわち、これら突起部47g,47gは、それぞれ各コイル45に対向する位置を除く位置である連続開口部56に臨んで配置されている。また、これら突起部47g,47gは互いに離間されており、好ましくは、領域Aの中心線に対して互いに線対称な位置に配置されている(図8(a))。
同様に、各スロット絶縁46に対応する端子台48の突起部48g,48gは、連続開口部56における突出部53,53の先端間の領域Aに位置している。すなわち、これら突起部48g,48gは、それぞれ各コイル45に対向する位置を除く位置である連続開口部56に臨んで配置されている。また、これら突起部48g,48gは互いに離間されており、好ましくは、領域Aの中心線に対して互いに線対称な位置に配置されている(図8(b))。
また、各スロット絶縁46の切欠開口部46dは、突起部47g,48gのそれぞれに対応して両縁部46c,46cに形成されている。
そして、上記第2の実施形態によれば、突起部47g,48gを、各スロット絶縁46のそれぞれに対応して複数、例えば2つずつリテーナ47および端子台48に形成することにより、各スロット絶縁46をスロットカバー部46a,46a間の複数箇所でリテーナ47および端子台48により固定でき、突起部47g,48gを軸として各スロットカバー部46aがフィールドコア組立44の厚さ方向にずれる、いわゆるフィールドコア組立44の厚さ方向への各スロット絶縁46の回転ずれを確実に防止できる。
なお、上記第2の実施形態において、リテーナ47の突起部47gおよび端子台48の突起部48gは、それぞれスロット絶縁46毎に3つ以上ずつ形成してもよい。この場合、各スロット絶縁46の切欠開口部46dも、各突起部47g,48gに対応させて形成することで、上記第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
そして、以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、フィールドコア組立44の厚さ方向の両端面に固定するリテーナ47および端子台48のそれぞれに、フィールドコア組立44の開口部51の内方へと突出する突起部47g,48gを各スロット絶縁46に対応して形成するとともに、各スロット絶縁46の各突起部47g,48gと対向する位置にこれら突起部47g,48gが嵌合する切欠開口部46d,46dを形成することにより、突起部47g,48gと切欠開口部46d,46dとの嵌合によって、各スロット絶縁46をフィールドコア組立44の厚さ方向に挟持するとともに、各スロット絶縁46の周方向へのずれ移動を規制する。このため、各コイル45を構成する巻線作業の際に、振動や巻線の張力によって各スロット絶縁46がフィールドコア組立44のスロット部55,55および連続開口部56に対して、フィールドコア組立44の厚さ方向(軸方向)や周方向にずれることを防止できる。したがって、巻線作業時のスロット絶縁の巻き込みを防止するためにリテーナあるいは端子台とスロット絶縁とを一体成形してスロット絶縁の厚さを厚くすることなく、シート状(薄板状)の各スロット絶縁46を用いて各コイル45用のスペースを開口部51のスロット部55,55内に確保しながらも、コイル45,45を巻回する際の各スロット絶縁46の移動を確実に規制できる。この結果、各コイル45での巻線不良(絶縁不良)を抑制できるとともに、各スロット部55,55の充分なスペースによって各コイル45の所望の巻数を達成することが可能となり、高品位な電動機12を提供できる。
しかも、突起部47g,48gは、それぞれスロット部55,55の外方、すなわち各コイル45に対向する位置を除く位置に配置されているため、これら突起部47g,48gが巻線作業の作業性を低下させることもない。
また、突起部47g,48gを基端側から先端側へと徐々に拡開状に形成して、基端側を切欠開口部46dと略等しい幅寸法、あるいは切欠開口部46dよりも若干小さい幅寸法とし、先端側を切欠開口部46dよりも大きい幅寸法とすることにより、各スロット絶縁46がスロット部55,55および連続開口部56の内面55a,55a,56aから離間される方向へのずれを突起部47g,48gによって規制できる。したがって、各スロット絶縁46の両縁部46c,46cが巻線作業中に開口部51の内方、すなわちフィールドコア組立44の中心側へと倒れることを、より確実に防止できる。
さらに、上記の電動機12を備えることにより、信頼性が良好で、種々の特性に対応した電動送風機11を容易に提供できる。
なお、上記各実施形態において、電動機12は、電動送風機11に用いるものに限定されず、電動機単体として用いたり、他の任意の機器に用いたりすることが可能である。
また、各スロット絶縁46の切欠開口部46d,46d、および、リテーナ47および端子台48の突起部47g,48gは、連続開口部56における突出部53,53の先端間の領域A内の任意の位置に形成できるだけでなく、開口部51に対して突出部53,53の先端側の距離が充分にある場合など、開口部51および突出部53,53の形状によっては、スロット部55,55に対応する位置に形成するなど、コイル45の巻線作業の作業性を低下させない任意の位置に形成できる。
さらに、各突起部47g,48gは、基端側に対して先端側を徐々に拡開するように形成したが、例えば先端側に基端側(切欠開口部46dの幅寸法)よりも幅広となる部分を形成するだけでも、同様の作用効果を奏することが可能である。
そして、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11 電動送風機
12 電動機
13 遠心ファン
44 固定子本体であるフィールドコア組立
45 コイル
46 絶縁部材としてのスロット絶縁
46d 嵌合開口部としての切欠開口部
47 コイル保持部材としてのリテーナ
47g 突起部
48 コイル保持部材としての端子台
48g 突起部
51 開口部
53 突出部

Claims (4)

  1. 開口部、および、この開口部の互いに対向する位置にそれぞれ突設された複数の突出部を備え、磁性体により形成された固定子本体と、
    この固定子本体に対して前記開口部に一部が収納された状態で前記突出部のそれぞれに巻回されて前記固定子本体とともにそれぞれ電磁石を構成する複数のコイルと、
    前記固定子本体の前記開口部の内部に沿ってこの開口部と前記各コイルとの間にそれぞれ位置し、前記各コイルと前記固定子本体とをそれぞれ絶縁する複数のシート状の絶縁部材と、
    前記固定子本体の厚さ方向の両端側にそれぞれ取り付けられ、前記各コイルを保持する対をなすコイル保持部材とを具備し、
    前記各コイル保持部材は、前記固定子本体の前記開口部の内方へと突出する突起部を前記各絶縁部材に対応してそれぞれ備え、
    前記各絶縁部材は、前記各コイル保持部材の前記突起部と対向する位置にこれら突起部が嵌合する嵌合開口部をそれぞれ備えている
    ことを特徴とした電動機。
  2. 突起部は、基端側から先端側へと徐々に拡開状に形成されている
    ことを特徴とした請求項1記載の電動機。
  3. 突起部は、各絶縁部材のそれぞれに対応して複数ずつ各コイル保持部材に形成されている
    ことを特徴とした請求項1または2記載の電動機。
  4. 請求項1ないし3いずれか一記載の電動機と、
    この電動機により回転される遠心ファンと
    を具備したことを特徴とした電動送風機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019146286A (ja) * 2018-02-15 2019-08-29 東芝ライフスタイル株式会社 電動送風機および電気掃除機

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