JP2013073928A - リチウムイオン二次電池用負極の製造方法及びリチウムイオン二次電池用負極 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極の製造方法及びリチウムイオン二次電池用負極 Download PDF

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Abstract

【課題】電池の高出力特性を低下させることなく、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極の製造方法を提供することにある。
【解決手段】集電体10上に、活物質を含む第1の層11を塗布する工程と、第1の層11を乾燥する工程と、第1の層11上に、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な金属酸化物を含む第2の層12を塗布する工程と、第2の層12を乾燥する工程と、第1の層11及び第2の層12が形成された集電体10を圧延する工程とによって、リチウムイオン二次電池用負極を製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、炭素材料を含む活物質層上に、チタン酸リチウムを含む保護層を形成した構造のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池用負極に関する。
リチウムイオン二次電池は、携帯用電子機器や通信機器などの駆動電源として利用が広がっている。一般に、リチウムイオン二次電池では、負極板に、リチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料を用い、正極板には、LiCoOなどの遷移金属とリチウムの複合酸化物を活物質として用いており、これによって高出力、高容量の二次電池を実現している。近年、電子機器および通信機器の多機能化に伴って、さらなる高出力、高容量化が望まれている。
ところで、高出力、高容量化を図ったリチウムイオン二次電池においては、例えば、何らかの原因で異物が電池内部に混入することによってセパレータが損傷し、これにより、正極板と負極板とが内部短絡を起こした場合、短絡部位に電流が集中して流れることによって急激な発熱が生じ、これに起因して、正極および負極材料の分解や、電解液の沸騰又は分解によるガス発生等が起きるおそれがある。
このような内部短絡に起因する問題に対して、負極活物質層又は正極活物質層の表面に、アルミナ等の絶縁性微粒子を含む多孔性保護膜を被覆することによって、内部短絡の発生を防止する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、負極活物質層又は正極活物質層の表面に被覆されたアルミナ等の絶縁性微粒子を含む多孔性保護膜は、導電性が低いため、電池の内部抵抗が増加し、電池の高出力特性を低下させる要因となる。また、活物質として機能しないため、電池の高容量化を阻害させる要因ともなる。
そこで、特許文献2には、集電体の表面に炭素材料等を含む主負極層を形成し、さらに、この主負極層の表面に、スピネル構造を有するチタン酸リチウムを含む表面層を形成した負極構造が記載されている。チタン酸リチウムは、リチウムを吸蔵、放出する性質を有するため、負極活物質として機能するが、スピネル構造を有するチタン酸リチウムは、リチウムを吸蔵している状態では低抵抗を示すが、リチウムを吸蔵していない状態では、高抵抗を示す。従って、内部短絡が発生した場合、短絡部で急激な放電が生じるため、短絡部近傍のチタン酸リチウムはリチウムを吸蔵していない状態になる。その結果、短絡部での表面層の抵抗が大きくなるため、短絡部に大電流が流れるのを抑制することができる。
特開2009−91461号公報 特開2010−97720号公報
特許文献2に記載の表面層に用いるチタン酸リチウムは、チタン酸リチウム中のリチウムイオンの拡散速度が、炭素材料中のリチウムイオンの拡散速度よりも大きいという特性がある。従って、炭素材料を含む活物質層上に、チタン酸リチウムを含む保護層を形成した構造の負極は、リチウムイオン二次電池を高出力化が可能となる。
しかしながら、上記負極構造を備えたリチウムイオン二次電池において、高出力化を図ると、サイクル特性が低下するという新たな問題が生じる。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたもので、その主な目的は、電池の高出力特性を低下させることなく、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極の製造方法を提供することにある。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極の製造方法は、集電体上に、活物質を含む第1の層を塗布する工程(a)と、第1の層を乾燥する工程(b)と、第1の層上に、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な金属酸化物を含む第2の層を塗布する工程(c)と、第2の層を乾燥する工程(d)と、第1の層及び前記第2の層が形成された前記集電体を圧延する工程(e)とを有することを特徴とする。
ある好適な実施形態において、上記工程(c)は、工程(b)の後、第1の層が形成された集電体を圧延することなく実行される。
また、上記工程(c)において、金属酸化物の一部が、第1の層の内部に浸透しており、金属酸化物の第1の層内への浸透距離は、第1の層の膜厚の20%以上であることが好ましい。
さらに、第1の層の表面から、浸透距離までの領域において、活物質の占める体積比率は、30〜50%の範囲にあることが好ましい。
本発明によれば、電池の高出力特性を低下させることなく、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用負極の構成を示した断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用負極の製造方法を示した断面図である。 活物質層と保護層との界面の状態を模式的に示した断面図である。 (a)〜(d)は、負極の断面電子顕微鏡写真を二値化した図である。 本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池の構成を示した断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。さらに、他の実施形態との組み合わせも可能である。
図1は、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用負極2の構成を示した断面図である。
図1に示すように、負極2は、集電体10と、集電体10の上に形成された活物質を含む活物質層(第1の層)11と、活物質層11の上に形成された、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な金属酸化物を含む保護層(第2の層)12とを備えている。
ここで、活物質層11に含まれる活物質は炭素材料からなり、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維等が挙げられる。また、保護層12に含まれる金属酸化物は、例えば、チタン酸リチウムの他、酸化モリブデン等が挙げられる。
なお、活物質層11には、所定量の結着剤が含まれていてもよい。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)等が挙げられる。
また、保護層12には、所定量の導電剤及び結着剤が含まれていてもよい。導電剤としては、黒鉛等の炭素材料が挙げられる。また結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)等が挙げられる。
また、集電体10は、例えば、銅箔または銅合金箔を用いることができる。
なお、本実施形態において、保護層12は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な金属酸化物を含むため、活物質層としても機能するが、保護層12に含まれる金属酸化物が、活物質層11に含まれる炭素材料に比べて導電性の低い材料で構成されていることから、便宜的に、活物質層11と区別して、保護層12と呼んでいる。
図1に示した構造の負極2は、通常、以下のような方法で製造される。
まず、集電体10上に活物質を含む活物質層11を塗布した後、活物質層11を乾燥させる。その後、高容量化を図るために、活物質層11が形成された集電体10を圧延して、活物質層を密度化する。次に、活物質層11上に、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な金属酸化物を含む保護層12を塗布した後、保護層を乾燥させる。然る後、活物質層11及び保護層12が形成された集電体10を圧延することによって、負極2が製造される。
本願発明者等は、このような方法で製造した負極2を用いて、リチウムイオン二次電池を作製し、電池の充放電特性を評価していたところ、高出力化を図ったリチウムイオン電池において、サイクル特性が低下するという問題が生じることを分かった。
上述したように、保護層12に用いるチタン酸リチウムは、チタン酸リチウム中のリチウムイオンの拡散速度が、炭素材料中のリチウムイオンの拡散速度よりも大きいという特性がある。従って、負極2を、炭素材料を含む活物質層11上に、チタン酸リチウムを含む保護層12を形成した構成にすることによって、リチウムイオン二次電池の高出力化が可能となる。
一方、チタン酸リチウムは、炭素材料に比べて、導電性が低く、容量も小さい。そのため、保護層12の膜厚を厚くすると、電池の高出力、高容量化を妨げることになる。
従って、従来、保護層12をできるだけ薄く形成するために、集電体10上に炭素材料を含む活物質層11を塗布、乾燥させた後、活物質層11が形成された集電体10を圧延することによって、活物質層11の密度を高めていた。これにより、活物質層11の容量が増加するとともに、圧延により平滑化された活物質層11上に、薄い保護層12を形成することができるため、電池の高出力、高容量化の低下を抑制することができる。
しかしながら、本願発明者等は、サイクル特性が低下した電池を調べていたところ、負極の直流抵抗が、サイクル充放電後に、大幅に増加していることを見出した。
これは、電池を高出力化すると、電解液等との副反応による活物質表面の皮膜形成や、分極等が、特に異なる材料の界面で発生しやすいため、異なる材料からなる活物質層11と保護層12との間で、電子やリチウムイオンの移動がスムーズに行われなくなり、その結果、負極の直流抵抗が増加したためと考えられる。
そこで、本願発明者等は、活物質層11と保護層12との間で、電子やリチウムイオンの移動がスムーズに行われるようにするためには、活物質層11と保護層12との界面の面積をより広くすることが必要であると考え、本発明を想到するに至った。
図2(a)〜(c)は、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用負極の製造方法を示した断面図である。
まず、図2(a)に示すように、通常用いる方法、例えば、ダイコート法、あるいはグラビアコート法等により、集電体10上に、活物質を含む活物質層(第1の層)11を塗布する。
その後、活物質層11を乾燥した後、図2(b)に示すように、活物質層11上に、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な金属酸化物を含む保護層(第2の層)12を塗布する。
さらに、保護層12を乾燥した後、図2(c)に示すように、活物質層11及び保護層12が形成された集電体10を圧延することにより、図1に示した構成の負極2を得る。
すなわち、本発明における負極2の製造方法は、図2(b)に示した工程において、活物質層11が形成された集電体10を圧延することなく、活物質層11上に保護層12を塗布する工程が実行される点が、従来の方法と異なる。
通常、活物質層11は、活物質の他、結着剤等を溶媒中に分散させて調整したスラリーを、集電体10上に塗布することによって形成される。従って、塗布されたスラリーを乾燥することによって、溶媒が蒸発するため、乾燥後の活物質層11は、沢山の微小な空隙が形成されたスポンジ状になっている。このスポンジ状の活物質層11上に、金属酸化物の他、導電剤や結着剤等が溶媒中に分散されたスラリーを塗布して保護層12を形成すると、保護層12中の金属酸化物の一部が、活物質層11の内部に浸透していく。
その結果、図3に示すように、活物質層11の表面から、金属酸化物の浸透距離までの領域11Aにおいて、保護層12を構成する金属酸化物が混在することになる。これにより、活物質層11と保護層12とが接する表面積が増加し、いわゆるアンカー効果によって、活物質層11と保護層12との界面抵抗を低減することができる。その結果、活物質層11と保護層12との間で、電子やリチウムイオンの移動がスムーズに行われて、サイクル特性を向上させることができる。
表1は、本発明の方法で形成した負極と、従来の方法で形成した負極とを用いて、それぞれリチウムイオン二次電池を作製し、両者のサイクル特性を比較した結果を示した表である。
Figure 2013073928
ここで、金属酸化物は、チタン酸リチウム(LixTiyOz:LTO)を使用し、炭素材料21は、黒鉛を使用した。なお、リチウムイオン二次電池の正極活物質は、ニッケル酸リチウムを使用した。
また、表1の電池A1は、集電体10上に活物質層(第1の層)11を形成した後、集電体10を圧延することなく、活物質層11上に保護層(第2の層)12を形成した負極を用いたもので、電池A2は、集電体10上に活物質層11を形成した後、集電体10を圧延し、然る後、活物質層11上に保護層12を形成した負極を用いたものである。
なお、集電体10は、銅箔を用い、活物質層11は、集電体10上に、黒鉛にPVDFからなる結着剤を含有させたスラリーを塗布、乾燥させて形成した。また、保護層12は、活物質層11上に、LTOに黒鉛からなる導電剤を含有させたスラリーを塗布、乾燥させて形成した。また、リチウムイオン電池は、上記負極と、活物質にニッケル酸リチウムを用いた正極とを、セパレータを介して捲回した電極群を、電解液とともに電池ケースに収容し、電池ケースの開口部をガスケットを介して封口して作製した。
表1には、各電池A1、A2について、負極の直流抵抗の評価として、初期の値と、500サイクルの充放電後の値、及び、サイクル特性の評価として、500サイクル後の容量維持率(500サイクル後の容量/初期の容量)の測定結果を示す。
ここで、負極の直流抵抗は、電池を60%まで充電した状態で、電流密度を変化させた時の電流と電圧より、その抵抗を求めた。
また、サイクル特性は、次のようにして評価した。すなわち、電池を、25℃で、1000mAの定電流で、電圧が4.2Vになるまで充電し、次いで、4.2Vの定電圧で、電流値が50mAとなるまで充電した。充電後の電池を、2000mAの電流で、電圧が2.5Vに低下するまで放電した。この充放電サイクルを繰り返し行い、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の割合を容量維持率[%]とした。
表1に示すように、電池A2では、500サイクル後の負極の直流抵抗が140mΩであったの対して、電池A1では、500サイクル後の負極の直流抵抗が100mΩと低かった。その結果、活物質層11の圧延を行っていない電池A1が、活物質層11の圧延を行った電池A2よりも、サイクル特性が向上しているのが分かる。
これは、図3に示すように、活物質層11の圧延を行っていない電池A1では、活物質層11上に保護層12を塗布する工程において、LTO(金属酸化物)の一部が、活物質層11の内部に浸透して、活物質層11と保護層12とが接する表面積が増加し、いわゆるアンカー効果によって、活物質層11と保護層12との界面抵抗が低減したためと考えられる。その結果、活物質層11と保護層12との間で、電子やリチウムイオンの移動がスムーズに行われて、サイクル特性が向上したものと考えられる。
ところで、上記サイクル特性の向上が、アンカー効果によるものだとすると、図3に示すように、活物質層11の表面から、LTOが活物質層11の内部まで浸透した距離L、及び、活物質層11の表面からLTOの浸透距離Lまでの領域11Aにおける活物質(黒鉛)の占める体積比率が、サイクル特性の向上に影響を与える重要なパラメータであると考えられる。
そこで、これらのパラメータを変えた負極を作製し、表1に示したのと同様のサイクル特性の評価を行った。
表2は、その結果を示した表で、電池B1〜B5は、LTOの浸透距離Lを30〜5μmの範囲に、黒鉛の占める体積比率を45〜7%の範囲に、それぞれ変化させて形成した負極を用いた。
Figure 2013073928
ここで、電池B1及びB2は、活物質層(第1の層)11の圧延処理を行っていない電池で、活物質層11のスラリー濃度(ペースト固形分濃度)を、電池B1では45%に、電池B2では51%に調整したものである。
一方、電池B3〜B5は、活物質層11の圧延処理を行った電池で、圧延処理にける圧力を、電池B5における圧力(2000N(204kgf)/cm)を基準に、電池B3では20%に、電池B4では50%に、電池B5では100%にしたものである。
なお、浸透距離Lは、図4(a)〜(d)に示すように、各電池の断面電子顕微鏡写真を撮影し、それを、活物質(黒鉛)と、金属酸化物(LTO)とに二値化して、活物質層11の表面から、LTOが活物質層11の内部まで浸透した距離を実測して求めた。また、体積比率は、二値化したデータから、長さ0.5mmの範囲を、3箇所に亘って、領域11Aにおける黒鉛の占める割合を計算し、その平均を求めた。ここで、図4(a)〜(d)は、それぞれ、電池B5、B4、B2、B1の断面電子顕微鏡写真を二値化した図である。
表2に示すように、活物質層11の圧延処理を行っていない電池B1、B2では、500サイクル後の直流抵抗は、100mΩ以下で、サイクル特性(容量維持率)は85%以上であった。そして、このときの浸透距離Lは20μm以上、体積比率は30%以上であった。
これに対して、活物質層11の圧延処理を行った電池B3〜5では、500サイクル後の直流抵抗は、127mΩ以上で、サイクル特性(容量維持率)は79%以下であった。そして、このときの浸透距離Lは14μm以下、体積比率は25%以下であった。
以上の結果から、活物質層11の圧延を行っていない電池B1、B2では、LTOの活物質層11内への浸透が十分に行われ、これにより、領域Aにおける黒鉛とLTOとの混在が十分に図られ、その結果、アンカー効果が十分に発揮されたことによって、サイクル特性が向上したことが分かる。
すなわち、本発明の方法で形成した負極2では、LTO(金属酸化物)の一部が、活物質層(第1の層)11の内部に十分に浸透しており、典型的には、LTOの活物質層11内への浸透距離Lは、20μm以上であることが好ましい。また、活物質層11の表面から、浸透距離Lまでの領域11Aにおいて、黒鉛(活物質)の占める体積比率は、典型的には、30%以上であることが好ましい。
なお、LTOの活物質層11内部への浸透距離Lは、活物質層11の膜厚に対する比率として捉えることができる。領域11Aの活物質層11に占める割合が増えると、アンカー効果が期待できないからである。従って、本発明の方法で形成した負極2では、LTOの活物質層11内部への浸透距離Lは、典型的には、活物質層11の膜厚(100μm)に対して20%以上であることが好ましい。
また、領域11Aにおいて、黒鉛(活物質)の占める体積比率が大きすぎると、逆にアンカー効果が低下するため、領域11Aにおいて、黒鉛(活物質)の占める体積比率は、典型的には、30〜50%の範囲にあることが好ましい。
ところで、本発明では、アンカー効果によって、活物質層11と保護層12との界面抵抗が低減され、その結果、活物質層11と保護層12との間で、電子やリチウムイオンの移動がスムーズに行われて、サイクル特性の向上が図られる。従って、このような効果は、電子やリチウムイオンの移動が低下する低温環境において、より顕著に発揮される。
表3は、表2に示した電池B1〜B5と同じ電池を用いて、0℃の低温環境における直流抵抗、及びサイクル特性を評価した結果を示した表である。
Figure 2013073928
表3に示すように、活物質層11の圧延処理を行っていない電池B1、B2は、500サイクル後の直流抵抗、及びサイクル特性(容量維持率)が、活物質層11の圧延処理を行った電池B3〜B5に比べて、大幅に改善されているのが分かる。
図5は、本実施形態における負極2を用いたリチウムイオン二次電池100の構成を示した断面図である。
図5に示すように、正極1と負極2とがセパレータ3を介して捲回された電極群4が、非水電解液(不図示)とともに、電池ケース7に収容されている。正極1は、正極リード5を介して正極端子を兼ねる封口体8に接合され、負極2は、負極リード6を介して負極端子を兼ねる電池ケース7の底部に接合されている。そして、電池ケース7の開口部は、ガスケット9を介して、封口体8で封口されている。
本実施形態において、負極2以外のリチウムイオン二次電池100を構成する他の構成要素については、特に制限はなく、通常使用される部材等を用いることができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態においては、負極2は、集電体10の片面に活物質層11及び保護層12を形成したが、集電体10の両面に形成してもよい。
本発明は、自動車、電動バイク又は電動遊具等の駆動用電源として有用である。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電極群
5 正極リード
6 負極リード
7 電池ケース
8 封口体
9 ガスケット
10 集電体
11 活物質層(第1の層)
11A 領域
12 保護層(第2の層)
100 リチウムイオン二次電池

Claims (11)

  1. 集電体上に、活物質を含む第1の層を塗布する工程(a)と、
    前記第1の層を乾燥する工程(b)と、
    前記第1の層上に、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な金属酸化物を含む第2の層を塗布する工程(c)と、
    前記第2の層を乾燥する工程(d)と、
    前記第1の層及び前記第2の層が形成された前記集電体を圧延する工程(e)と
    を有する、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  2. 前記工程(c)は、前記工程(b)の後、前記第1の層が形成された前記集電体を圧延することなく実行される、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  3. 前記工程(a)〜(d)は、連続的に実行される、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  4. 前記工程(c)において、前記金属酸化物の一部が、前記第1の層の内部に浸透しており、前記金属酸化物の前記第1の層内への浸透距離は、前記第1の層の膜厚の20%以上である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  5. 前記第1の層の表面から、前記浸透距離までの領域において、前記活物質の占める体積比率は、30〜50%の範囲にある、請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  6. 前記金属酸化物は、チタン酸リチウムからなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  7. 前記第2の層の平均膜厚は、3〜30μmの範囲にある、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  8. 前記炭素材料は、黒鉛からなる、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法で形成されたリチウムイオン二次電池用負極であって、
    前記金属酸化物の前記第1の層内への浸透距離は、前記合剤層の膜厚の20%以上である、リチウムイオン二次電池用負極。
  10. 前記第1の層の表面から、前記浸透距離までの領域において、前記活物質の占める体積比率は、30〜50%の範囲にある、請求項9に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  11. 請求項9または10に記載のリチウムイオン二次電池用負極を備えたリチウムイオン二次電池。
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