JP2013064216A - ダブルラッセル経編地およびその製造方法および表皮材 - Google Patents
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Abstract
着座時のみならず、突起物で引っかかれた場合にも、表地と裏地を結び付けるための編成糸が表地から引き出されることなく、良好な風合いや触感、外観、さらには耐摩耗性を保持することができるダブルラッセル経編地、すわなち、耐スクラッチ性の良好なダブルラッセル経編地を提供する。
【解決手段】
表地に編み込まれた接結糸と裏地に編み込まれた接結糸が互いに交絡することにより表地と裏地が接結されてなるダブルラッセル経編地であって、表地に編み込まれた接結糸が、収縮糸を収縮させたものであることを特徴とするダブルラッセル経編地。
【選択図】 図2
Description
さらには、モノフィラメント糸と、マルチフィラメント糸または紡績糸との組み合わせであることが好ましい。
また、表地を編成する地糸のうち、表地の編目を構成する地糸の繊度に対する、接結糸として表地に編み込まれる収縮糸の繊度の割合は、10〜55%であることが好ましい。
本発明のダブルラッセル経編地は、図1にその側面図で示すような2列の針床NB1、NB2を有するダブルラッセル編機を使用して編成される。図1において、N1、N2はそれぞれ編機幅方向に並列する前後の編針(ニードル)、T1、T2は前後の針釜(トリックプレート)を示し、K1〜K6は各筬L1〜L6のガイド部G1〜G6に通糸される編成糸を示している。また、B1〜B6は各編成糸のビームを示す。
前述のように、表側接結糸は収縮糸であることが求められる。ここで、収縮糸とは、乾熱や湿熱など熱を加えた条件下で、収縮特性を示す糸をいうものとする。その収縮特性の程度は、収縮による前述の作用効果が得られる限り特に限定されるものではないが、好ましくは190℃における乾熱収縮率が12〜70%であり、より好ましくは30〜50%である。190℃における乾熱収縮率が12%未満であると、編目がルーズになり、裏側接結糸を表地の裏面に十分に係止することができず、突起物で引っかかれた場合に、表側および裏側の両接結糸が引き出される虞がある。上限の70%に関しては、現在、収縮糸として市販されているものの上限であり、今後、190℃における乾熱収縮率が70%を超える収縮糸が新たに市販された場合は、この限りではない。
裏側接結糸の形態は特に限定されるものではなく、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、紡績糸のいずれであってもよい。なかでも、クッション性や厚み保持性の点から、モノフィラメント糸であることが好ましい。裏側接結糸の形態がモノフィラメント糸であると、その剛性によりダブルラッセル経編地の厚みを保持することが可能となり、十分なクッション性を得ることができる。
表側地糸の形態は特に限定されるものではなく、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、紡績糸のいずれであってもよい。なかでも、風合いや触感の点から、マルチフィラメント糸または紡績糸であることが好ましい。さらには、これらを加工し、嵩高性を付与したものであってもよい。
表地の編組織は特に限定されるものではなく、例えば、鎖編組織、挿入組織、デンビー編組織、コード編組織などを挙げることができ、これら単独による編組織(デンビー編組織、コード編組織に限る)または適宜組み合わせた編組織とすることができる。耐スクラッチ性をより良好ならしめるには、突起物が滑りやすく、引っかかりにくくすることであり、そのためには、凹凸が少ない編組織とすることが好ましい。例えば、開口部を有する編組織と開口部を有さない編組織とでは、開口部を有さない編組織の方が、凹凸が少なく、耐スクラッチ性は良好である。
熱処理のタイミングとしては、染色、仕上げセットの工程を経る前に対して熱処理を行う、いわゆるプレセットであることが好ましい。
ダブルラッセル経編地の密度は、16〜65コース/2.54cm、16〜40ウエル/2.54cmであることが好ましい。密度が下限値未満であると、突起物で引っかかれた場合に、突起物が編目に侵入しやすく、表側および裏側の両接結糸が引き出される虞がある。密度が上限値を超えると、ダブルラッセル経編地の風合いや触感が粗硬化したり、編立性が悪くなったりする虞がある。
幅50mm、長さ220mmの大きさの試験片を経方向(ウエル方向)、緯方向(コース方向)からそれぞれ3枚採取し、図3に示す形状にカット後、摩擦試験機I形(クロックメーター、株式会社大栄化学精器製作所製)に固定する。
摩擦子の先端に25mm四方の大きさの面ファスナー(YKKクロックロンADNマッシュルームタイプ、YKK製)を貼り付け、摩擦子に荷重200gfを掛けて、試験片の表面上100mmの間を30回往復/分の速さで6回往復摩擦する。摩擦後の試験片の状態を目視にて観察し、下記の基準に従って等級付けし、さらに、4級以上を「○」、3級を「△」、2級以下を「×」と判定した。
5級:外観変化が無く、糸が引き出されていない
4級:外観変化がわずかに認められるが、糸は引き出されていない
3級:外観変化が明らかに認められ、糸がわずかに引き出されている
2級:外観変化が著しく、糸が引き出されている
1級:外観変化が極めて著しく、糸が引き出されている
幅70mm、長さ300mmの大きさの試験片を経方向、緯方向からそれぞれ1枚採取し、裏面に幅70mm、長さ300mm、厚み10mmの大きさのウレタンフォームを添えて、平面摩耗試験機T−TYPE(株式会社大栄科学精器製作所製)に固定する。綿帆布をかぶせた摩擦子に荷重9.8Nを掛けて、試験片の表面上140mmの間を60回往復/分の速さで10000回往復摩耗する。この間、摩耗回数2500回往復ごとに綿帆布を交換するものとする。摩耗後の試験片の状態を目視にて観察し、下記の基準に従って判定した。
○:外観変化がほとんど無い
△:外観変化がやや認められ、ホツレが発生している
×:外観変化が著しく、破れが発生している
パネラーによる官能評価を行い、下記の基準に従って判定した。
○:柔らかな風合い・触感である
△:硬い風合い・触感の部分がある
×:全体的に風合い・触感が硬い
パネラーによる官能評価を行い、下記の基準に従って判定した。
○:十分なクッション性がある
△:ややクッション性に欠ける
×:クッション性に欠ける
ダブルラッセル編機(RD6DPLM−77E−22G、カールマイヤー社製)を使用して、図4に示すように、筬L1、L2に導糸した裏側地糸により裏地を編成し、筬L5、L6に導糸した表側地糸により表地を編成し、筬L4に導糸した裏側接結糸と筬L3に導糸した表側接結糸により表地と裏地を接結してダブルラッセル経編地を編成した。
表1または表2に従い、実施例1と同様の手順で、ダブルラッセル経編地を得た。
ダブルラッセル編機(RD6DPLM−77E−22G、カールマイヤー社製)を使用して、図5に示すように、筬L1、L2に導糸した裏側地糸により裏地を編成し、筬L5、L6に導糸した表側地糸により表地を編成し、筬L3に導糸した連結糸により表地と裏地を連結してダブルラッセル経編地を編成した。
実施例4は、編目を構成する表側地糸の繊度に対する表側接結糸(収縮糸)の繊度の割合が好ましい範囲の下限値に満たないため、表地と裏地が剥離し、耐摩耗性がやや劣るものであり、一方、実施例5は好ましい範囲の上限値を超えるため、耐スクラッチ性がやや劣るものであった。
実施例6は、表地がコード編組織とコード編組織を組み合わせた開口組織であるため、挿入組織を一部に用いた実施例1に比べて平坦性に劣り、耐スクラッチ性がやや劣るものであった。
実施例9は、表側接結糸として用いられる収縮糸の収縮率が好ましい範囲の下限値に満たないため、耐スクラッチ性がやや劣るものであった。
実施例12は、裏側接結糸の全てにマルチフィラメント加工糸を用いているため、クッション性がやや劣るものであった。
比較例1は、表側接結糸として非収縮糸を用いているため、表側接結糸、裏側接結糸が十分に固定されず、耐スクラッチ性、耐摩耗性が劣るものであった。
比較例2は、モノフィラメント糸を連結糸に用いた構造であるため、耐スクラッチ性、風合い・触感が劣るものであった。
実施例1〜12にて得られた経編地を車両用内装材に使用したところ、突起物で引っかかれた場合にも、表地と裏地を結び付けるための編成糸が表地から引き出されることなく、良好な風合いや触感、外観、さらには耐摩耗性を保持することができるものであった。
T1,T2 … 針釜(トリックプレート)
K1,K2 … 編成糸(裏側地糸)
K3 … 編成糸(表側接結糸)
K4 … 編成糸(裏側接結糸)
K5,K6 … 編成糸(表側接結糸)
L1〜L6 … 筬
G1〜G6 … ガイド
B1〜B6 … ビーム
B … 裏地
F … 表地
D … ダブルラッセル経編地
Claims (7)
- 表地に編み込まれた接結糸と裏地に編み込まれた接結糸が互いに交絡することにより表地と裏地が接結されてなるダブルラッセル経編地であって、表地に編み込まれた接結糸が、収縮糸を収縮させたものであることを特徴とするダブルラッセル経編地。
- 裏地に編み込まれる接結糸がモノフィラメント糸であることを特徴とする、請求項1に記載のダブルラッセル経編地。
- 裏地に編み込まれる接結糸が、モノフィラメント糸と、マルチフィラメント糸または紡績糸との組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載のダブルラッセル経編地。
- 接結糸として表地に編み込まれる収縮糸の190℃における乾熱収縮率が、12〜70%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のダブルラッセル経編地。
- 表地を編成する地糸のうち、表地の編目を構成する地糸の繊度に対する、接結糸として表地に編み込まれる収縮糸の繊度の割合が、10〜55%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のダブルラッセル経編地。
- 表地に編み込まれた収縮糸からなる接結糸と裏地に編み込まれた接結糸とが互いに交絡することにより表地と裏地が接結されるように編成した後、熱処理により収縮糸を収縮させることを特徴とするダブルラッセル経編地の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のダブルラッセル経編地を用いた車両用内装材用または家具用の表皮材。
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