JP2013064155A - 熱抑制したデンプン及びフラワー並びにその製造のための方法 - Google Patents

熱抑制したデンプン及びフラワー並びにその製造のための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】顆粒デンプン又はフラワーを脱水及び加熱処理することを含んで成る方法により、熱抑制されたデンプン及びフラワーを調製すること。
【解決手段】本発明は熱抑制された、α化していない顆粒デンプンの製造方法であって:
(a)デンプンを実質的に無水となるまで脱水し、そして
(b)この実質的に無水なデンプンを 100℃以上の温度でこのデンプンを抑制するのに有効な時間加熱処理する;
ことを含んで成る方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は熱抑制したデンプン及びフラワー並びにその製造方法に関する。この熱抑制したデンプン及びフラワーは、食品において及び工業製品の製造において現状利用されている化学的に架橋したデンプン及びフラワーの代わりに利用できうる。
従来技術は、デンプンを、様々な目的のために、例えば、乾燥、異臭の蒸発、スモーク風味の付与又はデキストリン化のために、以下の文献により示されている通りにして加熱できることを教示している。
Seidelら1981年12月1日承認の米国特許第 4,303,451号は、ワキシーメイズデンプンを 120〜 200℃の範囲において天然pHで加熱して、木臭を除去する、及びα化によりテクスチャーを改良することが開示されている。
1986年12月11日の日本国公開公報61−254602号は、ワキシーメイズデンプン及びワキシーメイズデンプン誘導体を 100〜 200℃の温度で加熱してアラビアゴムに代わる乳化特性を有するデンプンを供することを開示している。この工程においては、デンプンを水分の存在下で、好ましくは pH4.0〜 5.0の酸性条件下で加熱してデンプンを加水分解し、乳化特性を得ている。
米国特許第 4,303,452号はゲル強度を高めるため及びスモーク風味を付与するためのワキシーメイズデンプンのスモーク処理を開示している。スモークの酸性度を解消するため及び4〜7のpHを有する最終デンプン製品を得るため、デンプンのpHをスモークする前に9〜11の範囲に上げておいている。スモーク中でのデンプンの好適な水分含有量は10〜20%としている。
これらの文献は、デンプンを様々な目的のために加熱することを開示しているが、それらは、抑制化デンプンを作るための加熱の利用、又は化学試薬の利用抜きでどのようにして抑制されたデンプンを作るかについては開示していない。
天然デンプン顆粒を水の中に分散させて加熱すると、それらは約60℃において水和して膨潤し、そして65〜95℃の範囲の間でピーク粘度に達する。この粘度上昇は数多くの食品及び工業用途における所望の特性であり、そしてそれは高膨潤顆粒間の物理引力又は摩擦力に由来する。しかしながら、膨潤水和デンプン顆粒はかなり脆い。デンプンスラリーを92〜95℃の温度に保つと、デンプン顆粒は分断し始め、そして粘度は下がり(breakdown)始める。極端なpHの剪断条件も顆粒を崩壊及び分断しがちであり、これによりデンプンポリマーは解離し、そして溶け始め、当初の高粘度からの急降下を招いてしまう。
デンプン顆粒の膨潤及び粘度の低下の両者は、分子間架橋をデンプン分子間に導入する化学試薬でデンプンを処理することによって抑制できることが知られている。この架橋は、顆粒同志を束ねる会合性水素結合を補強し、デンプン顆粒の膨潤を抑制し、そしてその結果、顆粒の崩壊及び分断を抑制する。この抑制のため、架橋化デンプンも抑制化デンプンと呼ばれている。
化学架橋化デンプンは安定で粘性なデンプンペーストが必要とされる多くの用途において用いられているため、もし天然又は改質デンプンが化学架橋化デンプンと同等に挙動するように化学品の利用抜きで抑制されうるのなら、値段、時間及び化学品の利用の削減において有利であろう。
本発明のデンプン及びフラワーは、化学試薬を添加することなく、化学架橋化デンプンの特徴を有するデンプン又はフラワーをもたらす方法において熱抑制されている。これらの熱抑制化デンプン及びフラワーを92〜95℃及びpH3の水の中に5〜 6.3%の無水固形分として分散させると、それらは抑制化デンプンの特徴的な性質を示す:即ち、実質的に完璧に抑制されたデンプン及びフラワーは糊化に耐えるであろう;高度に抑制されたデンプン及びフラワーは一定の度合いまでしか糊化せず、そして粘度の連続上昇を示すであろうが、ピーク粘度にまでは達しないであろう;中程度に抑制されたデンプン及びフラワーは、抑制されていない同じデンプンと比べ、低めのピーク粘度及び低めのパーセント粘度低下を示すであろう;並びに、わずかに抑制されたデンプン及びフラワーは、コントロールデンプンと比べ、若干のピーク粘度上昇及び低めのパーセント粘度低下を示すであろう;という性質。
一般に、熱抑制方法は、顆粒デンプン又はフラワーを無水又は実質的に無水状に至るまで脱水する(本明細書の目的のためには、1重量%未満の水分含有量を意味する)、次いでこの無水又は実質的に無水なデンプン又はフラワーを抑制が及ぼされるのに有効な温度及び時間熱処理する、段階を含んで成る。この脱水和及び熱処理段階は共に、デンプン又はフラワーの分解又は加水分解が回避される条件下で行う。
このデンプン又はフラワーはその天然pHにおいて(一般には pH5.0〜 pH6.5の範囲)脱水及び加熱してよく、又はデンプン又はフラワーのpHをはじめから中性以上にまで上げておいてもよい。
本明細書でいう中性とは、pH前後のpH値範囲を含み、そして約 pH6.5〜約 pH7.5を含むことを意味する。
好ましくは、この方法はデンプンのpHを中性以上にまで上昇させる、デンプンを無水又は実質的に無水状となるまで脱水する、そしてこの無水又は実質的に無水なデンプンを 100℃以上の温度で抑制化デンプンを供するのに有効な時間にわたり熱処理する段階を含んで成る。
この方法の条件、例えばデンプン又はフラワーの初期pH、脱水及び熱処理温度、並びに熱処理時間を変えることにより、抑制レベルは、デンプン又はフラワーの種々の粘度特性を供するように変えることができる。脱水及び熱処理方法のパラメーターは脱水及び熱処理のために用いられる特定の装置の相関的なものでありうるため、装置の選択も抑制レベルのコントロールにおける要素であろう。
一の態様において、脱水及び熱処理段階は同時に行われる。この工程段階は植物材料からのデンプン又はフラワーの抽出を含む連続工程の一部として実施してよい。
本発明の熱抑制化デンプン及びフラワーは顆粒であり、そして任意の天然資源に由来しうる。この天然資源はバナナ、トウモロコシ、ピー、ポテト、スイートポテト、バーレー、ホイート、ライス、サゴ、アマランス、タピオカ、ソーガム、ワキシーメイズ、ワキシーライス、ワキシーバーレー、ワキシーポテト、ワキシーソーガム、高アミロース含有デンプン等でありうる。好適なデンプンはワキシーデンプン、例えばワキシーメイズ、ワキシーライス、ワキシーポテト、ワキシーソーガム及びワキシーバーレーである。特別に区別しない限り、本明細書の中でのデンプンについての言及は、その対応のフラワーを含むことを意味する。デンプンについての言及は、タンパク質含有デンプンも含むことを意味し、そのタンパク質は内因性タンパク質でも、動物又は植物資源由来の付加タンパク質、例えばゼイン、アルブミン及びダイズタンパク質である。
本明細書で用いている天然デンプンとは、自然の中で見い出せるものをいう。このデンプンは天然デンプンであるか、又は酵素、熱もしくは酸変換、酸化、リン酸化、エーテル化(特にヒドロキシアルキル化)、エステル化、及び化学架橋により改質されたものであってよい。
熱抑制を成し遂げるためのこの方法の第一段階において、デンプンを、それを無水又は実質的に無水な状態にするのに十分な時間及び温度で脱水する。第二段階において、この無水又は実質的に無水なデンプンをそれを抑制するのに十分な時間及び温度で熱処理する。
デンプンを水の存在下で加熱に委ねると、デンプンの酸加水分解又は分解が生じうる。加水分解又は分解は抑制を妨害又は阻止するであろう。従って、デンプンの加水分解のための条件は、抑制が加水分解又は分解に打ち勝つであろうように選ぶ必要がある。この基準に合うあらゆる条件が利用できるが、適切な条件は、低温での脱水又は脱水前にデンプンのpHを上昇させることより成る。この好適な条件は低温と、中性〜塩基性pHとの組合せより成る。
好ましくは、デンプンを脱水する温度は 125℃以下に保ち、そしてより好ましくは 100〜 120℃の温度に、又はその温度範囲に保つ。脱水温度は 100℃未満でよいが、しかし 100℃以上の温度が水分除去において一層効果的であろう。
好適なpHは7以上、一般には pH7.5〜10.5、好ましくは8〜 9.5、そして最も好ましくはpH8より大とする。12より高いpHでは糊化し易くなる。従って、12未満でのpH調整が一層効効的である。
pHの調整のため、顆粒デンプンを水又はその他の水性媒質の中に、一般には 1.5〜 2.0部の水、対、 1.0部のデンプンの比でスラリー化し、そしてpHを任意の適当な塩基の添加により上昇させる。バッファー、例えばリン酸ナトリウムを、必要ならばpHの維持のために用いてよい。次いでデンプンを脱水して乾燥させるか、又は直接2〜6%の水分含有量にまで乾燥させる。このような乾燥手順は、デンプンを無水状態にまで脱水させる熱抑制工程の段階とは区別される。他方、粉末状のデンプンに塩基の溶液を、デンプンが所望のpHに達するまで散布するか、又はアルカリ性ガス、例えば NH3をデンプンの中に注入してよい。
食品用途にとっては、pH調整段階において使用するのに適切な食品級塩基には、限定することなく、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ピロリン酸回ナトリウム、オルトリン酸アンモニウム、オルトリン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム及び水酸化カリウムが含まれ、並びに食品医薬品局法又はその他の食品規制法のもとで食品用途について認可されている任意のその他の塩基が含まれうる。これらの規制下で認可されていない塩基も、それらがデンプンから洗い流され、従って最終製品が食品用途にとっての良好な製造行為に合致することを条件として、利用してもよい。好適な食品級塩基は炭酸ナトリウムである。熱抑制工程のテキスチャー及び粘度の利点はpHが高いほど高まる傾向にあるか、しかしより高いpHは熱処理工程の際のデンプンの褐色化を高める傾向にあることに注意すべきである。
デンプンが食品のために用いられるのでないなら、デンプンのpHを高めうる任意の有効又は適当な無機又は有機塩基を使用してよい。
脱水させた後、デンプンを、それを抑制するのに有効な時間、及び温度又は温度範囲で熱処理する。好適な熱の範囲は 100℃より高い温度又は温度範囲である。実用的な目的にとって、熱処理温度の上限値は通常 200℃程度であり、その温度では高度に抑制されたデンプンが得られうる。一般に熱処理は 120〜 180℃、好ましくは 140〜 160℃、より好ましくは 160℃で行われる。時間及び温度のプロフィールは所望する抑制レベルに依存するであろう。
ほとんどの工業的用途にとって、脱水及び熱処理段階は連続式とし、そして周囲温度から始めるデンプンの熱適用により成し遂げる。ほとんどの場合、温度が約 125℃に達する前に水分は追い出され、そしてデンプンは無水又は実質的に無水となるであろう。デンプンが無水又は実質的に無水な状態に達し、そして加熱を続けると、最終熱処理温度に到達したと同時に、又はその前においてさえも、ある程度の抑制レベルが達成されているであろう。通常、このような初期抑制レベルでは、ピーク粘度は、より長めの熱処理時間によって到達された抑制レベルのそれより高いが、しかしながらピーク粘度からの粘度の一層大きい低下があるであろう。熱処理を続けると、ピーク粘度は低くなるが、しかし粘度低下は小さくなる。
水分が熱処理段階中に存在しているとき、そして特に熱処理段階を高温で行うとき、抑制を達成するためにはpHをpH8より高く調整する。
デンプンの資源、脱水条件、加熱時間及び温度、初期pH、並びに処理段階中に水分が存在しているかしていないかは、全て達成し得る抑制度に影響を及ぼす変動要素である。これらの要素は全て相互に関連し合い、そして実施例の試験は、種々の変動要素が抑制レベルの調節、並びに抑制化製品のテキスチャー及び粘度特性の調節に影響することを示す。
これらのデンプンは個別に抑制されうるか、又は複数のものを同時に抑制してよい。これらのデンプンは、熱抑制工程を妨害してしまうことがないか、又はデンプン製品の特性を変えてしまうその他の材料又は成分の存在下で抑制させてよい。
工程段階は常圧、真空又は加圧で行ってよく、そして当業者に公知の任意の手段を用いて成し遂げてよいが、しかしながら好適な方法は大気又は不活性の気性環境中でのドライ加熱の適用による。
熱処理段階の次に、デンプンをスクリーニングにかけて所望の粒子サイズを選別し、水の中でスラリー化し、そして洗浄、濾過、次いで乾燥し、又は他に精製してよい。pHは所望の通りに調節してよい。特に、pHはデンプンの天然pHに再調整してよい。熱抑制化デンプンは、この熱抑制段階の後に顆粒を崩壊させるためにα化しておいてもよい。
この熱抑制工程は商業的用途のためにデンプンを改質するのに用いられているその他のデンプン反応、例えば加熱又は酸変換、酸化、リン酸化、エーテル化(特にヒドロキシアルキル化)、エステル化及び化学架橋化と一緒に採用できうる。通常、これらの改質はデンプンを熱抑制する前に行うが、しかし事後に行ってもよい。
脱水及び熱処理装置は工業用オーブン、例えば慣用のオーブン、マイクロ波オーブン、デキストリナイザー、流動層リアクター及びドライヤー、加熱器具の付いたミキサー及びブレンダー、並びにその他のタイプのヒーターであってよく、ただしこの装置には水分が溜らないように及びデンプンの上に沈降しないように大気に至る通風口が付いていることが条件とされる。好ましくは、この装置には装置から水蒸気を除去するための手段、例えば装置のヘッドスペースから空気を追い出す真空装置もしくはブロアーが付いているか、又は流動ガスが流れている。熱処理段階は脱水段階を行うのと同じ装置において成し遂げてよく、そして最も好都合には脱水段階と連続させる。脱水段階が熱処理段階と連続しているとき、そして特に脱水及び熱処理装置が流動層反応リアクター又はドライヤーであるとき、脱水段階はその装置を最終熱処理温度にするのと同時に行う。
0又は低パーセンテージの粘度落下の高粘度を有する優れた熱抑制化デンプンは、流動層リアクターの中での方が、その他の慣用の加熱オーブンを用いて達成されうるときよりも短時間で得られる。適当な流動ガスは空気及び窒素である。安全性の理由のため、12%未満の酸素を含むガスを利用することが好ましい。
慣用のオーブンは幅広い用途に許容される良好な熱抑制化製品を供するのに利用できうる。この装置の温度は、熱抑制化デンプン製品を得るために 120〜 180℃、好ましくは 140〜 160℃、そして最も好ましくは約 160℃に調整すべきである。160℃の温度では、加熱段階は 3.5〜 4.5時間行うのが好ましい。選定した精密な温度、バッチサイズ、pH、使用するデンプン又はフラワーの選択、及びその他の要素に依存して、加熱工程は約1〜20時間行ってよい。
一の特定の態様において、不粘性の熱安定性デンプンは、0〜12重量%の水分含有量を有する天然顆粒デンプンを塩基の添加により 8.0より高いpHに調整し、次いで 120〜 180℃で1〜20時間加熱する工程により作られる。先に述べた通り、水分はこの加熱中に追い出され、そして熱処理段階は無水又は実質的に無水なデンプン又はフラワーで行う。慣用のオーブンを使用する工業スケールでは、4〜5時間の加熱が、加熱段階を実施する前にデンプン温度を 160℃にまで平衡化するのに必要とされうる。
テキスチャーによる抑制の特性決定
低〜中程度の抑制度を有するデンプン又はフラワーは、水性媒質の中に分散させて糊化するように熱したとき、一定のテキスチャー特性を示すであろう。以下の実施例においては、これらのサンプルは、そのサンプルの加熱糊化スラリーが不粘着性で滑らかなテキスチャーを示すときに、抑制されたものであると決定している。
ブラベンダーデーターによる抑制の特性決定
熱抑制化デンプンの特性決定を、水の中に分散させて糊化させた後のその粘度の測定値を参照することにより詳しく行う。粘度を測定するのに用いる装置はブラベンダー VISCO/ Amylo/GRAPH(C.W. Brabender instruments, Inc., Hackensack, NJ により製造)とする。VISCO/ Amylo/GRAPH は、デンプンスラリーをプログラム式加熱サイクルにかけたときに生ずる粘度のバランスをとるのにかかるトルクを記録する。非抑制デンプンについては、そのサイクルは、通常約60〜70℃での粘度上昇の開始、65〜95℃の範囲におけるピーク粘度の発生、及びそのデンプンを通常92〜95℃の高温に保ったときの任意の粘度低下を経る。この記録は、ブラベンダー単位(BU)で表わす任意測定単位で、加熱サイクルを通じて粘度を追尾した曲線より成る。
抑制化デンプンは、抑制されていない同じデンプン(以下、コントロールデンプン)との曲線とは異なるブラベンダー曲線を示すであろう。低レベルの抑制では、抑制デンプンはコントロールのピーク粘度よりも若干高いピーク粘度に達し、そしてコントロールに比して、粘度の%低下の減少はないであろう。抑制度が高まると、ピーク粘度及び粘度低下は下降する。高レベルの抑制では、糊化速度及び顆粒の膨潤率は低下し、ピーク粘度は消失し、そして長時間加熱すると、ブラベンダートレースは上昇曲線を描き、粘度のゆっくりとした連続上昇を示唆する。非常に高レベルの抑制では、デンプン顆粒はもはや糊化しなくなり、そしてブラベンダー曲線は平らであり続ける。
サンプルの調製
使用するデンプン及びフラワーは全て顆粒として、そしてことわりのない限り、ニュージャージー州ブリッジ・ウォーター市のNational Starch and Chemical Companyより供されたものとした。
試験サンプルにとってのコントロールは試験サンプルと同じ天然資源に由来し、改質させないか又は試験サンプルと同じように改質させ、そして何らかのことわりのない限り同じpHとした。
試験及びコントロールサンプルの両方のデンプン又はフラワーは全て、個々に調製して試験した。
サンプルのpHは、デンプン又はフラワーを30〜40%の固形分で水の中にスラリー化し、次いで十分な量の5%の炭酸ナトリウム溶液を所望のpHが達せられるまで加える。
サンプルは全て当業界において慣用の通りにして、約2〜15%の水分となるまでスプレードライ又はフラッシュドライした(粘化させずに)。
コントロールサンプルは更に脱水も、熱処理もしなかった。
熱抑制段階の前後のサンプルのpH測定は、1部の無水デンプン又はフラワー、対、4部の水より成るサンプルで行った。
慣用のオーブン又はデキストリナイザーを特性するときを除き、試験サンプルはニュージャージー州ニューブランズウィック市の Procedyne Corporationより製造された流動層リアクターモデル No. FDR-100の中で脱水及び熱処理した。流動層リアクターの断面積は0.05平方メートルであった。出発層高さは 0.3〜 0.8メートルとしたが、通常は0.77メートルである。何らかのことわりのない限り流動ガスは空気とし、そして5〜15m/min の速度で利用した。リアクターの側壁はホットオイルで加熱し、そして流動ガスは電気ヒーターで加熱した。サンプルをリアクターに載せ、次いで流動ガスを導入するか、又は流動ガスを導入しながら載せた。載せる順序でサンプルに差は認められなかった。そのサンプルを無水となるまで周囲温度から 125℃にし、そして更に特定の熱処理温度に加熱した。処理温度を 160℃とするとき、その温度に達するまでの時間は3時間以内とした。
最終加熱温度でのサンプルの水分レベルは、何らかのことわりのない限り0%とした。サンプルの一部を取り出し、そして表の中に表示する温度及び時間での抑制について試験した。
これらのサンプルは以下のブラベンダー手順を利用して抑制について試験した。
ブラベンダー手順
何らかのことわりのない限り、以下のブラベンダー手順を利用した。コーン、タピオカ及びワキシーライスフラワーを除く全てのサンプルを、固形分5%の無水デンプンスラリーとするのに十分な量の蒸留水の中でスラリー化した。コーン、タピオカ及びワキシーライスフラワーは 6.3%の無水固形分においてスラリー化した。pHをクエン酸ナトリウムのクエン酸バッファーで pH3.0に調整し、そしてそのスラリーを 350cm/gのカートリッジの付いたブラベンダー VISCO/ Amylo/ GRAPHのサンプルカップに入れた。そのデンプンスラリーを92℃にまで急速加熱し、そして10分間保った。ピーク粘度及びピーク粘度の10分後の粘度をブラベンダー単位(BU)で記録した。パーセント粘度低下は次の式に従って計算した:
Figure 2013064155
尚、「ピーク」はブラベンダー単位でのピーク粘度であり、そして「(ピーク+10′)」はピーク粘度の10分後のブラベンダー単位の粘度である。
ピーク粘度に達しないとき、即ち、データーが上昇曲線又は平らな曲線を示すとき、92℃での粘度及び92℃に達してから30分後の粘度を記録した。
ブラベンダー曲線からのデーターを用い、抑制は、水の中に5〜 6.3%の固形分において92〜95℃でpH3で分散させたときに、ブラベンダー加熱サイクルの際に、ブラベンダーデーターが、(i)粘度上昇なし又はほぼ粘度上昇なし(デンプンは抑制され、しかも糊化しなかった、又は糊化に強く耐えたことを示す);(ii)ピーク粘度のない連続上昇式粘度(デンプンが高度に抑制され、且つ一定の度合いまで糊化したことを示す);(iii )コントロールに比しての低めのピーク粘度及び低めのパーセント粘度低下(中程度の抑制を示す);又は(iv)コントロールに比しての若干のピーク粘度の上昇及び低めのパーセント低下(低レベルの抑制を示す);を示したときに、抑制があったものと決定した。
最初の3例においては、表示の水分は脱水及び熱処理段階前のデンプンの中の水分である。上記した通り、デンプンは周囲温度から加熱温度にまでする際、デンプンは無水又は実質的に無水となる。
実施例1 本例は、本発明の熱処理法による市販の顆粒ワキシーメイズデンプンからの本発明のデンプンの調製を例示する。
工程条件並びにワキシーメイズデンプンの粘度及びテキスチャーに対するその効果を以下の表I及びIIに示す。
熱安定性不粘着性増粘剤を得るため、顆粒デンプンのサンプルを 1.5部の水の中でスラリー化し、そのスラリーのpHを5%のNa3CO3溶液の添加により調整し、次いでそのスラリーを1時間撹拌し、次いで濾過、乾燥及び粉砕した。ドライデンプンサンプル(150g)をアルミホイル製パン(4″×5″× 1.5″)の中に入れ、そして慣用のオーブンの中で表I及びIIに記載の条件下で加熱した。ブラベンダー粘度測定値は、最も熱安定性なデンプンは 160℃及び少なくとも 8.0のpHでの約 3.5〜 6.0時間の加熱により得られることを示した。
Figure 2013064155
a. サンプルは全て、ニュージャージー州ブリッジウォーター市のNational Starch Chemical Companyより入手した顆粒ワキシーメイズデンプンの市販サンプルとした。
b. 未改質コントロールはニュージャージー州ブリッジウォーター市のNational Starch Chemical Companyより入手した市販の顆粒ワキシーメイズデンプンとした。
c. 改質コントロールはニュージャージー州ブリッジウォーター市のNational Starch Chemical Companyより入手した市販の架橋化(オキシ塩化燐処理)顆粒ワキシーメイズデンプンとした。
d. サンプルは、中性pHの91mlの水の中に 7.0gのデンプン(水分量12%)をスラリー化し、次いでこのデンプンスラリーを沸騰湯浴の中で20分加熱することにより調理した。
e. 低温評価は25℃で実施した。
Figure 2013064155
a. サンプルの詳細については表I参照のこと。
b. ブラベンダー手順においては、水の中に分散させた固形分 5.4%の無水デンプンを含むサンプルを50℃に急速加熱し、次いで1分当り 1.5℃で熱を95℃にまで上昇させ、そして20分その温度に保った。
実施例2 本例は、様々なデンプンを本発明の方法によって処理して化学架橋化デンプンに類似する特性を有する不粘着性増粘剤を供することができることを例示する。
工程条件並びにワキシーバーレー、タピオカ、V.O.ハイブリド及びワキシーライスデンプンの粘度及びテキスチャーに対するその効果を以下の表III 及びIVに示す。
Figure 2013064155
a. タピオカデンプンサンプルはニュージャージー州ブリッジウォーター市のNational Starch Chemical Companyより入手した市販の顆粒デンプンとした。ワキシーバーレーデンプンサンプルはフィンランド国のAlkoより入手した市販の顆粒デンプンとした。ワキシーライスデンプンサンプルは日本国Mitsubishi Corpoaitionより入手した市販の顆粒デンプンとした。
b. サンプルは 100mlの水の中で12%の水分量の 7.5gのデンプン20スラリー化し、次いでこのデンプンスラリーを沸騰湯浴の中で20分加熱することにより調理した。
Figure 2013064155
a. V.O.ハイブリドデンプンサンプルはニュージャージー州ブリッジウォーター市のNational Starch Chemical Companyより入手した顆粒デンプンとした。
b. サンプルは 100ml水の中で12%の水分量の 7.5gのデンプンをスラリー化し、次いでこのデンプンスラリーを沸騰湯浴の中で20分加熱することにより調理した。
粘度及びテキスチャー評価の結果は、本発明の方法により、ワキシーバーレー、V.O.ハイブリド、タピオカ及びワキシーライスデンプンから不粘着性、熱安定性デンプン増粘剤を調製できること示す。抑制度(調理した水性分散体における不粘着増粘特性)は熱処理時間を長めると高まった。
実施例3 本例は、処理デンプンの粘度及びテキスチャーに対する温度及びpH並びにデンプン水分含有量の効果を例示する。
A部:
20.4%の水分含有ワキシーメイズデンプンサンプル(100g)を蓋付ガラスジャーの中で 100℃で16時間オーブンに入れて加熱した。同じ条件下で第2サンプルは4時間加熱し、そして第3サンプルは7時間加熱した。その製品の粘度及びテキスチャーを、実施例1の表Iの調理評価法を利用して、12.1%の水分の顆粒ワキシーメイズデンプンコントロールと比較した。その結果を以下の表Vに示す。
Figure 2013064155
a. サンプルはニュージャージー州ブリッジウォーター市のNational Starch Chemical Companyより入手した。
b. 工程は pH5.2で行った。
c. 調理条件については表III 参照のこと。
これらの結果は、この工程の際に加えた水分が、処理していないコントロールデンプンと同程度に粘着性且つ望ましくない製品をもたらしてしまうことを示した。
B部:
市販の顆粒ワキシーメイズデンプン(ニュージャージー州ブリッジウォーター市のNational Starch Chemical Companyより入手)のサンプル(900g)を10″×15″×0.75″アルミニウムトレーに入れ、そしてオーブンの中で15,30,45及び60分間、 180℃で加熱した。デンプンのpHは調整せず、加熱工程の際約 5.2にしたままとした。サンプルの粘度及びテキスチャーを実施例1の方法により評価した。
以下の表VIに示す通り、 pH5.2のサンプルは、熱処理していないワキシーメイズデンプンコントロールのそれに似た望ましくない粘着性のテキスチャーを特徴とした。
Figure 2013064155
a. pHは天然ワキシーメイズデンプンのそれから調整せず(pH=5.2)、そしてサンプル1〜4は米国特許第 4,303,451号の工程によって処理したデンプンに相当する(pH調整なし)。
b. 調理条件については表III 参照のこと。
従って、pH、水分含有量及び天然デンプンのタイプを含む選定要素の組合せは、本発明の方法によって所望の不粘着性熱安定性デンプン増粘剤を製造できるかどうかを決定する。
以下の実施例の熱抑制化デンプン及びコントロールは上述の通りに調製し、そしてテキスチャー特性により、又は上述の手順を利用してブラベンダー曲線から得たデーターとの関連づけにより規定する。
実施例4 タピオカ、ワキシーメイズ及びワキシーライスフラワー:ブラベンダー手順による抑制の特性決定
pH9.4〜9.6 のタピオカデンプン、ワキシーメイズデンプン及びワキシーライスフラワーのサンプルを 125℃未満の温度において1%未満の水分量にまで脱水し、 160℃に平衡化し、次いで熱リアクター(水平型のダブルリボンジャケット付槽)の中で 160℃で加熱した。サンプルの熱処理時間は3〜6時間の範囲とした。
サンプルを上記のブベンダー手順に従って抑制について評価し、そしてその結果を以下の表に示す。脱水及び加熱したデンプン及びフラワーは、脱水及び加熱していないコントロールと比べて低下の抑制された粘度を示した。この抑制は冷却した製品における脆い不粘着性テキスチャーと相関する。
Figure 2013064155
実施例5 ワキシーメイズ:初期pH及び加熱時間の効果
天然pH(約6.0)並びにpH7.5, pH8.5及び pH9.5でのワキシーメイズデンプンのサンプルに及ぼす抑制レベルのレベルに対する初期pH及び加熱処理時間の効果を評価し、そして以下の表にデーターを示す。このデーターは、粘度のパーセント低下の変動により反映される様々な抑制レベルを有するデンプンが様々な加熱時間及び初期pHで得られること、並びに高度の抑制はより高いpH値及びより長い加熱時間で得られうることを示す。更に、流動層リアクターを使用する本例における短くした熱処理時間を、実施例4及び5におけるhourにおける熱処理時間と比較すると、標準の熱リアクター又はオーブンで可能である場合よりも、流動層を用いた方が、はるかに短い時間においてより高いピーク粘度を有する抑制デンプンが得られうることがわかる。
Figure 2013064155
実施例6 ワキシーメイズ:加熱温度及び時間の効果
pH9.5でのワキシーメイズデンプンに及ぼす抑制のレベルに対する加熱処理温度及び時間の効果を評価し、そしてその結果を以下の表に示す。このデーターは、抑制サンプルが 100〜 200℃の熱処理温度で得られ、一層高温では又は一層低温での一層長い時間では、一層の抑制が得られることを示す。200℃で加熱したデンプンサンプルを高度に抑制されるか(上昇曲線)又は完璧に抑制された(糊化せず)。
Figure 2013064155
実施例7 ワキシーメイズ:水分及びpHの効果
初期 pH9.5のワキシーメイズデンプンを、1〜2サンプル重量%の水分の存在における抑制について、流動層リアクターのチャンバーの中に飽和空気を注入することによって評価した。その結果を以下の表に示し、そしてデンプンを無水又は実質的に無水な条件で加熱処理した方が、水分の存在下で加熱処理したときよりも強く抑制されることを示す(無水サンプルについての粘度低下についてパーセントの低さに注目)。
Figure 2013064155
Figure 2013064155
実施例8 コーンデンプン: 160℃でのpH及び加熱時間の効果
天然pH及び初期 pH9.5でのコーンデンプンのサンプルに及ぼす抑制レベルに対する 160℃での初期pH及び加熱処理時間の効果を評価し、そしてその結果を以下の表に示す。このデーターは、天然pHに比べて塩基性pHにおいて(粘度上昇に注目)非常に高レベルの抑制が得られ、そしてより長い熱処理時間で一層強い抑制が得られることを示す。
Figure 2013064155
実施例9 ポテトデンプン:pHの効果
天然pH及び初期 pH9.5でのポテトデンプンのサンプルに及ぼす阻害レベルに対する初期pHの効果を評価し、そしてその結果を以下の表に示す。
天然pHでのブラベンダーデーターは、抑制ではなく、デンプンの分解が加熱処理を進めると起きてしまうことを示唆した。本例は、熱抑制がpH及び出発デンプンの両者の相関的なものでありうることを示す。この場合、ポテトデンプンの熱抑制は他のデンプン(例えばワキシーメイズ)と比べ、pHに一層依存しいてることが明らかとなった。従って、ポテトデンプンの脱水及び有効な熱抑制に必要な条件は加水分解及び分解を避けるため、一層厳密である。
しかしながら、塩基性pH範囲での脱水及び熱処理は高粘度を保っている抑制デンプンを提供し、そして90分より長い熱処理時間は上昇し続ける粘度により示される通り、高度に抑圧されたデンプンを提供した。
Figure 2013064155
Figure 2013064155
実施例10 内因性タンパク質を伴うワキシーメイズ
タンパク質、時間及び温度の効果
3.95%の内因性タンパク質を含み、 pH8.5及び 9.5に調整したワキシーメイズのサンプル、並びに1.52%の内因性タンパク質を含み、 pH7.5及び 9.5に調整したサンプルに及ぼす抑制に対するタンパク質の存在、並びに熱処理時間及び温度の効果を評価し、そしてその結果を以下の表に示す。このデーターは、タンパク質の存在が、タンパク質のないサンプルで達せられた抑制レベルよりも高いレベルをもたらすことを示した。この結果はまた、タンパク質レベル、pH並びに加熱処理時間及び温度が全て独立、且つ累積的な抑制レベル効果を有し、従って、タンパク質、pH、時間及び温度を高くすると抑制が強まることを示す。
Figure 2013064155
Figure 2013064155
Figure 2013064155
Figure 2013064155
実施例11 プロピレンオキサイドで置換したワキシーメイズ:
エーテル化及びpHの効果
天然pH及び pH9.5の、7及び3重量%のプロピレンオキサイドと反応させたワキシーメイズサンプルを抑制について評価し、そしてその結果を以下の表に示す。
このデーターは、置換化デンプン(この場合、エーテル化デンプン)は、この方法により熱抑制され、そして一層高いpHで一層高い抑制が達成されうることを示す。
プロピレンオキサイドに加えて、当業界に公知且つ利用されているその他の適当なエーテル化性剤を熱抑制の前後でデンプンをエーテル化するのに利用できる。典型的なエーテル化性剤はアクロレイン、エピクロロヒドリン及びエピクロロヒドリンとプロピレンオキサイドとの組合せである。
Figure 2013064155
Figure 2013064155
実施例12 アセチル基で置換されたワキシーメイズ:
エステル化及びpHの効果
1重量%の無水酢酸と反応させた天然pH及び pH8.5のワキシーメイズサンプルを抑制について評価し、そしてその結果を以下の表に示す。
このデーターは、置換化デンプン(この場合エステル化デンプン)が、様々な度合いで抑制され、そして一層高いpHで一層強く抑制されうることを示す。
無水酢酸の他に、当業界に公知、且つ利用されているその他の一般的なエステル化性剤が熱抑制の前後でデンプンをエステル化するのに利用できうる。典型的なエステル化性剤は、無水酢酸、無水酢酸と無水アジピン酸との組合せ、オルトリン酸−ナトリウム、無水1−オクチルコハク酸、無水1−オクチルコハク酸と硫酸アルミニウムとの組合せ、オキシ塩化燐、オキシ塩化燐と無水酢酸もしくは酢酸ビニルのいづれかとの組合せ、トリメタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウムとトリポリリン酸ナトリウムとの組合せ、無水コハク酸及び酢酸ビニルである。
Figure 2013064155
Figure 2013064155
実施例13 POCL3で架橋したワキシーメイズ:
架橋及びpHの効果
0.02重量%で POCL3により架橋された、天然pH及び pH9.5のワキシーメイズサンプルを抑制について評価し、そしてその結果を以下の表に示す。データーは下降粘度を示し、そして熱処理時間を長くすると粘度低下がほとんどなくなり、架橋化デンプンはこの方法によって一層抑制されうることを示唆する。このデーターはまた、pHを高めると抑制が更に高まることを示す。
Figure 2013064155
実施例14 ワキシーメイズ:流動ガスN2 にNH3 を散布することによる流動層におけるデンプンpHの調製
10.9%の初期水分含有量のワキシーメイズサンプルを流動層リアクターに、表に示す濃度のアンモニアを含む窒素流動ガスと共に導入した。これらのサンプルを、抑制レベルに及ぼすアンモニアガスの効果について評価した。その結果を pH9.5の実施例5で得られたものと比べることにより、アンモニアガスはデンプンのpHを高め、且つ加水分解を阻止するのに有効であることがわかるが、しかし加水分解及び抑制の促進において、デンプン直接的なpH調整などは有効でなかった。
Figure 2013064155
Figure 2013064155
実施例15 ワキシーメイズ:
Na2CO3を散布することによる流動層におけるpHの調整
ワキシーメイズサンプルを流動層リアクターに導入し、そして25%の炭酸ナトリウム溶液を散布し、同時に流動ガスを導入して、pHを上昇させた。次いでサンプルを周囲温度から 160℃に3時間以内で上げ、そして表に記載の時間にわたって 160℃に保った。
サンプルを抑制について評価した。このデーターは、この技術が酸加水分解を阻止し、且つ抑制を促進するためにサンプルのpHを上昇させるのに有効であることを示す。
Figure 2013064155
実施例16 ワキシーメイズ:流動ガスの効果
窒素ガス及び空気と共に流動させた pH9.5のワキシーメイズサンプルについて、抑制レベルに及ぼす流動ガスの効果を評価した。サンプルを抑制について試験し、そしてデーターは、窒素に比べ、流動ガスとして空気を用いたときに高い抑制率が達せられることを示す。
Figure 2013064155
実施例17 高アミロース含有量の効果
天然pH及び pH9.5の高アミロース含有デンプン(Hylon V)のサンプルを、抑制に及ぼす高アミロース含有量の効果のために評価した。高レベルのアミロースにより、ブラベンダー曲線を得るために加圧式 visco/ amylo/Graph(C.W.Brabender, Hackensack, NJ)を使用する必要があった。サンプルを10%のデンプン固形分でスラリー化し、 120℃に加熱し、そして30分保った。このデーターは、抑制が高pHサンプルでのみ得られたことを示す。
Figure 2013064155
実施例18 ワキシーメイズ及びタピオカ:置換
ワキシーメイズ及びタピオカデンプンのサンプルを 1.5部の水にスラリー化した。そのスラリーを52℃の湯浴に入れ、撹拌し、そして1時間かけて平衡にした。このサンプルの重量の 0.8%にまで濃 HClを加えた。このサンプルを52℃で1時間かけて変換させた。次いでpHを炭酸ナトリウムで 5.5に調整し、次いで水酸化ナトリウムで pH8.5にした。このサンプルを濾過により回収し、そしてエアードライにかけた(約11%の水分)。50gの量のデンプンをアルミトレーに入れ、カバーをかけ、そして強制ドラフトオーブンの中に 140℃で 5.5時間入れておいた。このデンプンを抑制について評価し、そしてその結果を以下の表に示し、そして変換デンプンのこの方法により熱抑制されうることが示された。
Figure 2013064155
実施例18 天然pHの熱抑制化ワキシーメイズの食品への利用
本例は、 160℃で 150分熱処理しておいた天然pH(pH6)の熱抑制化ワキシーメイズデンプン(T−Iデンプン)を含む、バーベキューソースの調製を述べる。重量%における成分は以下の通りである:
Figure 2013064155
このソースを85℃に加熱し、15分保ち、そして室温に一夜冷やした。このソースは滑らかで不粘着性のテキスチャーを有していた。
用途の記載
本法により調製した顆粒熱抑制化デンプンは、化学架橋化デンプンを使用する食品又は工業製品において利用できうる。これらのデンプンの主たる利点は、それらが、化学試薬の利用抜きで、化学架橋化デンプンの抑制特性を有している点にある。更なる利点は、これらの熱抑制化デンプン及びフラワーは、熱抑制処理により実質的に滅菌され、そして適切に保存すると無菌のままである点にある。また、天然の連結溶解安定性を有するデンプンをこの方法により熱抑制したとき、その熱抑制化デンプンは凍結溶解安定性のままである点、有利である。

Claims (28)

  1. 熱抑制された、α化していない顆粒デンプンの製造方法であって:
    (a)デンプンを実質的に無水となるまで脱水し、そして
    (b)この実質的に無水なデンプンを 100℃以上の温度でこのデンプンを抑制するのに有効な時間加熱処理する;
    ことを含んで成る方法。
  2. 前記デンプンが、穀物、根、塊茎、豆又は果実デンプンである、請求項1記載の方法。
  3. 前記デンプンが、バナナ、コーン、ピー、ポテト、スイートポテト、バーレー、ホイート、ライス、サゴ、アマランス、タピオカ、ソーガム、V.O.ハイブリドワキシーメイズ、ワキシーメイズ、ワキシーライス、ワキシーバーレー、ワキシーポテト、ワキシーソーガム及び40%より多くのアミロースを含むデンプンより成る群から選ばれる天然顆粒デンプンである請求項1記載の方法。
  4. 前記デンプンが未改質デンプンである、請求項1記載の方法。
  5. 前記デンプンが改質デンプンである、請求項1記載の方法。
  6. 前記デンプンが変換デンプンである、請求項5記載の方法。
  7. 前記デンプンが誘導化デンプンである、請求項5記載の方法。
  8. 前記デンプンが化学架橋化デンプンである、請求項5記載の方法。
  9. 前記デンプンを無水となるまで脱水する、請求項1記載の方法。
  10. 前記熱処理を 100℃以上の温度で行う、請求項1記載の方法。
  11. 前記の脱水及び熱処理の段階を同時に行う、請求項1記載の方法。
  12. 前記デンプンを流動層リアクターの中で脱水及び加熱処理する、請求項1記載の方法。
  13. 請求項1記載の方法により製造したデンプン。
  14. 請求項1記載の方法により製造した少なくとも一種のデンプンを含む食品。
  15. 熱抑制された、α化していない顆粒フラワーの製造方法であって:
    (a)フラワーを実質的に無水となるまで脱水し、そして
    (b)この実質的に無水なフラワーを 100℃以上の温度でこのフラワーを抑制するのに有効な時間加熱処理する;
    ことを含んで成る方法。
  16. 前記フラワーが、穀物、根、塊茎、豆又は果実デンプンである、請求項15記載の方法。
  17. 前記フラワーが、バナナ、コーン、ピー、ポテト、スイートポテト、バーレー、ホイート、ライス、サゴ、アマランス、タピオカ、ソーガム、V.O.ハイブリドワキシーメイズ、ワキシーメイズ、ワキシーライス、ワキシーバーレー、ワキシーポテト、ワキシーソーガム及び40%より多くのアミロースを含むフラワーより成る群から選ばれる天然顆粒フラワーである請求項15記載の方法。
  18. 前記フラワーが未改質フラワーである、請求項15記載の方法。
  19. 前記フラワーが改質フラワーである、請求項15記載の方法。
  20. 前記フラワーが変換フラワーである、請求項19記載の方法。
  21. 前記フラワーが誘導化フラワーである、請求項19記載の方法。
  22. 前記フラワーが化学架橋化フラワーである、請求項19記載の方法。
  23. 前記フラワーを無水となるまで脱水する、請求項15記載の方法。
  24. 前記熱処理を 100℃以上の温度で行う、請求項15記載の方法。
  25. 前記の脱水及び熱処理の段階を同時に行う、請求項15記載の方法。
  26. 前記フラワーを流動層リアクターの中で脱水及び加熱処理する、請求項15記載の方法。
  27. 請求項15記載の方法により製造したフラワー。
  28. 請求項15記載の方法により製造した少なくとも一種のフラワーを含む食品。
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