JP3140467B2 - 熱的に抑制された予備ゲル化された粒状スターチ及びフラワー並びにそれらの製造方法 - Google Patents

熱的に抑制された予備ゲル化された粒状スターチ及びフラワー並びにそれらの製造方法

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JP3140467B2 JP08522372A JP52237296A JP3140467B2 JP 3140467 B2 JP3140467 B2 JP 3140467B2 JP 08522372 A JP08522372 A JP 08522372A JP 52237296 A JP52237296 A JP 52237296A JP 3140467 B2 JP3140467 B2 JP 3140467B2
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【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、抑制された予備ゲル化された粒状スターチ
及びフラワー(flour)並びにそれらの製造方法に関す
る。
背景技術 天然のスターチ粒子は冷水に不溶である。しかしなが
ら、天然のスターチ粒子が水に分散され、そして加熱さ
れた場合には、それらは水和して膨潤する。次いで、加
熱、剪断又は極端なpHを続けると、ゲル化した粒子の断
片及びスターチ分子は水に分散、すなわち溶解する。
スターチ基材に依存して、予備ゲル化されたスターチ
は、水に分散した後、特定の組織(texture)及び粘度
特性を示す。アミロースを含有するスターチは、ゲル様
又は非凝集性の組織を示す。アミロース含有率の高い、
例えばアミロース含有率が40%以上のスターチは固化し
て非常に堅いゲルとなる。主としてアミロペクチンを含
有するスターチ、すなわちワキシースターチ(waxy sta
rch)は、アミロース含有スターチと同様なゲル特性を
提供しない。未改質の予備ゲル化されたアミロペクチン
含有スターチは、水に分散された場合に、凝集性及び流
動性のある組織を示す。
予備ゲル化前にスターチを化学的に架橋させて組織を
改良することができる。架橋によって、粒子を互いに結
合させる会合の基因である水素結合が強められ、ゲル化
時のスターチ粒子の膨潤及び水和が抑制され、その結
果、抑制されたスターチ粒子が残留する。化学的に架橋
されたスターチの予備ゲル化された粉末を水に分散させ
ると、その分散液は重い(heavy)又は短い(stort)と
記述される非凝集性及び軟膏状の組織を有する。
特定の食品に対しては、冷水中で少なくとも弱いゲル
を形成する瞬間ゲル化スターチ(instent gelling star
ch)が望ましい。米国特許第4,391,836号(1983年7月
5日にC.W.Chiuに付与)には、約70gのブルーム強度を
有する少なくとも弱いゲルを形成させることを特徴とす
る瞬間ゲル化タピオカスターチ又はポテトスタートを製
造する方法が開示されている。pHが約5〜12である天然
のタピオカスターチ又はポテトスターチの水性スラリー
をドラム乾燥させて当該スターチを冷水分散性にする。
ドラム乾燥されたスターチは、次いで熱処理され、それ
らのピーク又は最大粘度がブラベンダー粘度範囲(タピ
オカスターチに対しては約1000〜4200B.U.であり、そし
てポテトスターチに対しては約2400〜4400B.U.であ
る。)に低下される。熱処理は慣用的な加熱装置内で約
125〜180℃で約1.5〜24時間を要して実施される。この
順序を逆にすると、すなわち熱処理の次にドラム乾燥さ
せると、うまくいかない。pHが約6.5であり、そして適
切な時間及び温度が選択される限りにおいては、わずか
に転化された(流動性)タピオカスターチ及びポテトス
ターチを用いることができる。この方法により瞬間ゲル
化ワキシースターチを製造することができない。
予備ゲル化されたスターチに香料をブレンドすること
が望ましい。トウモロコシ、ソルガム(sorghum)及び
コムギのような多くのスターチは、少量の不飽和脂肪酸
を含む。脂肪酸は貯蔵時に不快な臭気を発する。更に、
依存する蛋白質は、スターチに望ましくない穀物の風味
を与える。トウモロコシ及びワキシーメイズのような特
定のスターチは、予備ゲル化の結果として生じる「木の
ような」又は「ポプシクル棒(popsicle stick)」の臭
気のために増粘食品に使用されない。ワキシーコーンス
ターチを予備ゲル化する際に「木のような」臭気の発生
を防止する方法を開示している米国特許第4,303,451号
(1981年12月1日にW.C.Seidelに付与)を参照された
い。スターチ粒子は、ゲル化前に約120〜200℃の温度で
0.1〜24時間加熱される。この加熱時間は、デキストリ
ン化を達成するには不十分ではあるが、木のような臭気
の発生を抑制するには十分である。熱処理後、ワキシー
メイズスターチは、ドラム乾燥のような公知の技術によ
り予備ゲル化される。トウモロコシ、コムギ、コメ及び
サゴの組織及び風味は、この熱処理により改良された
が、これらのスターチは食品組成物において一致しない
再現可能な結果を与えた(第2段階、第14行〜18行参
照)。
ある用途において、化学的に改質されたスターチ及び
フラワーは許容可能でないか又は望ましくない。従っ
て、未改質の予備ゲル化された粒状スターチであって、
化学的に架橋された予備ゲル化された粒状スターチの組
織特性を有し、且つ実質的に悪い風味を有しない粒状ス
ターチが求められている。
発明の開示 本発明は、熱的に抑制された予備ゲル化された粒状ス
ターチ及びフラワーを提供する。これらのスターチ及び
フラワーは、当該スターチ粒子の大部分が膨潤するが、
そのまま残るように予備ゲル化される。また、スターチ
及びフラワーが、化学的に架橋したスターチの粘度及び
組織特性を有するように、化学薬品を使用せずにスター
チ及びフラワーは熱的に抑制される。熱的に抑制された
予備ゲル化された粒状スターチ又はフラワーは冷水中に
分散され、そしてもし十分に抑制されている場合には、
スターチがアミロペクチン含有スターチであるならば非
凝集性かつ軟膏状の組織を有し、またスターチがアミロ
ース含有スターチであるならば滑らかで均質なゲル状の
組織を有する。
スターチ及びフラワーは、最初に予備ゲル化され、次
いで熱的に抑制されてもよく、またそれらは最初に熱的
に抑制され、次いで予備ゲル化されてもよい。
熱的抑制方法は、(a)場合に応じてスターチ又はフ
ラワーのpHを約7.0以上のpHに調節する工程;(b)無
水物又は実質的に無水物になるまでスターチ又はフラワ
ーを脱水する工程;及び、(c)脱水されたスターチ又
はフラワーを、それらを抑制するのに十分な温度で十分
な時間を要して熱処理し、スターチ又はフラワーを抑制
し、好ましくはスターチ又はフラワーを非凝集性にする
工程を含む。本明細書において用いる「実質的に無水
物」なる用語は、1重量%以下の水分を含有することを
意味する。
予備ゲル化方法は、最初に粒状スターチ又はフラワー
を水中で、典型的には1.0部のスターチに対して1.2〜2.
0の割合の水の中でスラリー化させ、次いで好ましくは
塩基の添加によりpHを中性以上に調節することにより実
施される。本明細書において「中性」とは、pH7に近いp
H値の範囲にわたり、約pH6.5〜約7.5を意味する。スラ
リーは、粒状構造を破壊しない公知の予備ゲル化法を用
いて予備ゲル化され、次いで水分が2〜15%になるまで
乾燥される。乾燥された予備ゲル化された粒状スターチ
又はフラワーは、次いで脱水により熱的に抑制され、次
いで脱水されたスターチ又はフラワーは熱処理される。
代わりに、スターチ又はフラワーが、pH調節され、熱
的に抑制され、次いで予備ゲル化されるべき場合には、
粒状スターチ又はフラワーを水中でスラリー化させ、塩
基の添加によりpHを中性以上に調節し、そしてスターチ
又はフラワーをその水分が約2〜15%になるまで乾燥す
る。乾燥された粒状スターチ又はフラワーは、pH調節と
同時に又はpH調節後、無水物又は実質的に無水物になる
まで脱水することにより加水分解され、次いで脱水され
た粒状スターチ又はフラワーは熱処理される。得られる
粒状の熱的に抑制されたスターチ又はフラワーを水によ
り洗浄し、次いで粒状スターチを破壊しない公知の方法
を用いて予備ゲル化することが好ましい。
脱水は、熱的脱水であっても非熱的脱水であってもよ
い。熱的脱水は、含有率を1%以下、好ましくは0%に
減少させるのに十分な温度で十分な時間を要して慣用的
なオーブン若しくは電子オーブン又は他の加熱装置内で
スターチを加熱することにより実施される。非熱的脱水
を実施するための代表的な方法には、溶剤、好ましくは
親水性溶剤、より好ましくは水と共沸混合物を形成する
親水性溶剤(例えば、エタノール)を使用して粒状スタ
ーチ又は予備ゲル化されたスターチから水を抽出するこ
と又は粒状スターチを凍結乾燥させることが含まれる。
予備ゲル化工程又は熱的抑制工程の両方の後に、粒子
の団結性を保つための公知の方法により生成物を洗浄す
ることができる。
熱的抑制前又は後の種々の蛋白質、脂質及び他の臭気
成分の除去によって、熱的に抑制されたスターチの風味
(すなわち、味及び香気)が改良される。予備ゲル化さ
れていないスターチからの蛋白質の亜塩素酸ナトリウム
抽出法は以下で述べる。蛋白質、脂質及び他の臭気成分
を除去するために用いられる他の方法としては、アルカ
リ性pH(例えば、pH11〜12)でスターチを洗浄すること
及び/又はプロテアーゼによりスターチを処理すること
が挙げられる。蛋白質及び/又は脂質に対してアフィニ
ティーを含有する極性及び無極性溶剤を使用することも
できる。例としては、アルコール(例えば、エタノー
ル)、ケトン(例えば、アセトン)、エーテル(例え
ば、ジオキサン)、芳香族溶剤(例えば、ベンゼン又は
トルエン)等がある。食品用途に対しては、適切な食品
用溶剤が使用されるべきである。
スターチ又はフラワーの初期pH、脱水法及び脱水条
件、並びに熱処理温度及び熱処理時間等の加工条件を変
えることによって、抑制度を変化させて種々の粘度特性
を最終的な予備ゲル化された粒状スターチ又はフラワー
に付与することができる。脱水及び熱処理法のパラメー
ターが、熱的脱水及び熱処理のために使用される特定の
装置の関数でありうる限りは、装置の選択は、抑制度を
調節する際の因子にもなるであろう。
発明の実施の形態 トウモロコシ、エンドウ(pea)、ジャガイモ、サツ
マイモ、オオムギ、コムギ、コメ、サゴ、アマランス
(amaranth)、タピオカ、ソルガム、ワキシーコーン、
ワキシータピオカ、ワキシーライス、ワキシーオオム
ギ、ワキシーポテト、ワキシーソルガムのような供給
源、並びにアミロース含有率が40%以上のスターチ及び
フラワーから当該スターチ及びフラワーを得ることがで
きる。
本明細書において「天然」のスターチは、自然界に見
出されるものである。スターチは、未改質のものであっ
ても、転化(例えば、酵素転化、熱転化、又は酸転
化)、酸化、ホスホリル化、エーテル化、エステル化、
及び/又は化学的架橋により改質されたものであっても
よい。フラワーは、漂白又は酵素転化により改質されて
もよい。これらの修飾は、予備ゲル化前若しくは後又は
脱水及び加熱処理前若しくは後に実施することができ
る。
粒状構造を保つ公知の方法のいずれによってもスター
チを予備ゲル化することができる。具体的な方法は、米
国特許第4,280,851号(1981年7月28日にPitchon等に付
与);米国特許第4,465,702号(1984年8月14日に付
与);米国特許第5,037,929号(1984年8月6日にRajag
opalan等に付与);及び米国特許第5,149,799号(1991
年9月22日にRubensに付与)に開示されている。
米国特許第4,280,851号は、粒状の予備ゲル化された
スターチを調製するための複式噴霧乾燥方法を開示して
いる。水性溶剤中の粒状スターチの混合物は、ノズル集
成体内の噴霧口を通じて噴射されて微細な霧を形成す
る。熱媒が、前記ノズル集成体内の第2開口部を通じて
噴霧されたスターチの霧中に噴射され、スターチをその
ゲル化温度まで加熱する。密閉チャンバーが、噴霧及び
熱媒射出装置を取り囲み、そして当該チャンバーからス
ターチの加熱された霧が出るように配置された通気口を
画定している。この配置は、スターチの霧がチャンバー
を通じて噴霧口から通気口まで移動する間の時間がスタ
ーチのゲル化時間を決めるようなものである。得られる
噴霧乾燥された予備ゲル化されたスターチは、窪みのあ
る球状の形態にある均一にゲル化したスターチ粒子を含
み、その粒子の大部分は完全であり、また破壊されてお
らず、そして再び水和させると膨潤する。
この複式噴霧/噴霧乾燥方法を実施する装置が米国特
許第4.600,472号(1986年7月13日にPitchon等に付与)
に開示されている。これらのスターチの製造に使用する
のに適するノズルが米国特許第4,610,760号(1986年9
月9日にKirkpatrick等に付与)に開示されている。米
国特許第4,847,371号(1989年7月11日にSchara等に付
与)には複式噴霧方法及びPitchon等の特許明細書に記
載のものと同様な装置が開示されている。
米国特許第4,465,702号は、冷水で膨潤する粒状コー
ンスターチを製造する方法を開示している。10〜25重量
部の未ゲル化スターチが50〜75重量部の水性C2〜C3アル
カノールと約13〜20部の水の中でスラリー化される。ア
ルカノール及び水混合物は、スターチ中の水を含めて約
15〜35重量%の水を含む。スターチスラリーは、密封区
画内で約300〜360゜Fの温度で約30分間加熱される。次
いで、予備ゲル化された粒状スターチがスラリーから回
収される。
米国特許第5,037,929号は、冷水に可溶な粒状スター
チを製造する方法を開示している。このスターチ粒子
は、水及び1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、
又はグリセロールのような多価アルコールの中でスラリ
ー化される。スラリーが80〜130℃で約3〜30分間加熱
されると、スターチの粒子団結性を保ったまま粒子の結
晶構造は一重らせん結晶又は非晶質状態に変化する。ス
ターチは液相から回収される。
米国特許第5,149,799号は、予備ゲル化された粒状ス
ターチを製造するための単式噴霧乾燥方法及び装置を開
示している。このスターチは水性媒体中でスラリー化さ
れ、そしてスターチスラリーの流れは約50〜200psigの
圧力で噴霧ノズル内で噴霧チャンバーに供給される。蒸
気が50〜250psigの圧力で噴霧チャンバーに導入される
と同時にスターチが加熱され、そして蒸気がチャンバー
の底部にある通気口を通じてスターチを押し出し、スタ
ーチは霧状になる。この方法は、二流体内部混合噴霧ノ
ズル(two−fluid internal mix spry nozzle)内で実
施される。この方法及び装置は、スターチが噴霧される
際に十分な熱及び水分をスターチに供給してスターチを
均一にゲル化させる。噴霧されたスターチは、最低限の
熱又はスターチが噴霧チャンバーから出る際の剪断作用
により乾燥される。
スターチを水に分散させた場合にスターチが高い又は
低い初期粘度を示したとしても、当該技術分野で公知の
予備ゲル化方法により予備ゲル化の程度を調節すること
ができる。一般に、予備ゲル化に噴霧乾燥が用いられる
ならば、噴霧ノズル内での滞留時間はより長くなり、ス
ターチに対する蒸気の割合は高くなり、その後にスター
チを水中に分散させる場合には予備ゲル化されたスター
チの初期粘度は高くなる。逆に、滞留時間が短くなる
と、熱及び水分の量は減少し、粘度は低くなる。
熱的抑制方法の第1工程において、スターチ又は熱的
に抑制される予備ゲル化されたスターチ(以下、スター
チと呼ぶ)は、当該スターチを無水物又は実質的に無水
物にするのに十分な温度で十分な時間を要して脱水され
る。第2工程において、脱水された(すなわち、無水又
は実質的に無水)スターチは、当該スターチを抑制する
のに十分な温度で十分な時間を要して熱処理される。
水の存在下でスターチが加熱される場合には、スター
チの加水分解又は分解が起こりうる。加水分解及び分解
によって粘度が低下するために抑制の効果が限定され、
高粘度生成物が所望とされる場合に望ましくない。従っ
て、スターチの加水分解の条件は、加水分解及び分解を
抑えながら抑制が促進されるように選ばれる必要があ
る。この基準に合致する条件を用いることができる。溶
剤抽出又は凍結乾燥による水の除去は、スターチを直接
加熱して水を蒸発させるよりもスターチを加水分解させ
にくい。
熱的脱水に対して適切な条件は、低温又は脱水前にス
ターチのpHを上昇させることである。熱的脱水に対して
好ましい条件は、低温と中性から塩基性のpHとの組み合
わせからなる。スターチを脱水するのに用いられる温度
は好ましくは125℃以下、より好ましくは100〜120℃で
ある。脱水温度は100℃以下であることも可能である
が、水分を除去するのに100℃以上の温度がより有効で
ある。
好ましいpHは少なくとも7であり、最も好ましくはpH
8以上であり、典型的にはpH7.5〜10.5であり、好ましく
は8〜9.5である。12以上のpHでは、ゲル化がより容易
に起こり、そのためpHを12以下に調節することが効果的
である。
必要であれば、pHを保つためにリン酸ナトリウムのよ
うな緩衝剤を使用してもよい。pHを上昇させるための代
わりの方法として、スターチ又は予備ゲル化されたスタ
ーチが所望のpHになるまで、熱的抑制工程の間又は前に
当該スターチに塩基溶液を噴霧することからなる。他の
方法は、好ましくは熱的脱水工程及び熱処理工程の間に
アンモニアのようなアルカリ性ガスを吹き込むことから
なる。当該スターチが食品中に使用されない場合には、
当該スターチのpHを上昇させることができる作用しうる
又は適切な無機又は有機塩基を使用することができる。
食品用途に対し、pH調節工程において使用するのに適
する食品用塩基としては、限定するわけではないが、水
酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリ
ウム、オルトリン酸アンモニウム、オルトリン酸二ナト
リウム、リン酸三ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化
カルシウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、並びに食
品及び薬品に関する行政法若しくは他の食品規制法のも
とで食品に対してその使用が認められている他の塩基が
ある。最終製品が、意図する最終用途にとって好ましい
製造方法に適合する限りにおいては、これらの規制法の
もとで食品に対して使用が認められていない塩基も使用
できる。好ましい食品用塩基は炭酸ナトリウムである。
熱的抑制工程により生じる組織及び粘度はpHが上昇する
につれて高められ、高いpHでは熱処理工程時にスターチ
が褐色になる傾向があることに留意しなければならな
い。
実験室規模での溶剤を用いる脱水に対し、スターチ又
はフラワー(水分約4〜5%)をソックスレーシンブル
(Soxhlet thimble)内に入れ、次いでソックスレー(S
oxhlet)抽出器内に入れる。適切な溶剤を前記抽出器内
に入れ、還流温度まで加熱し、次いでスターチ又はフラ
ワーを脱水するのに十分な時間還流させる。還流時に溶
剤がスターチ又はフラワー上に濃縮されるので、スター
チ又はフラワーは溶剤の沸点よりも低い温度に暴露され
る。例えば、エタノール(沸点約78℃)抽出時に、スタ
ーチの温度はわずかに約40〜50℃である。エタノールが
溶剤として使用される場合には、還流は約17時間継続さ
れる。抽出されたスターチ又はフラワーをシンブルから
取り出し、トレイ上に広げ、そして過剰な溶剤を蒸発さ
せる。エタノールを用いた場合に、エタノールを蒸発さ
せるのに要する時間は約20〜30分間である。スターチ又
はフラワーを即座に適切な熱処理用の加熱装置内に入れ
る。工業的規模での脱水に対して、いかなる連続抽出装
置も適する。
凍結乾燥による脱水に対し、スターチ又はフラワー
(水分4〜5%)をトレイ上に置き、そして凍結乾燥機
内に入れる。適切なバルクトレイ凍結乾燥機はニューヨ
ーク州所在のStone Ridgeから商標名Dura−Tapのもとで
入手可能である。凍結乾燥機は、プログラムされたサイ
クルで作動してスターチ又はフラワーから水分を除去す
る。スターチ又はフラワーの温度を約20℃で一定に保
ち、真空度を50ミリトール(mT)にまで上げる。スター
チ又はフラワーを凍結乾燥機から取り出し、そして即座
に適切な熱処理用の乾燥装置に入れる。
スターチを脱水した後、スターチを抑制するのに十分
な温度又は温度範囲で十分な時間を要してスターチを熱
処理する。好ましい熱処理温度は100℃以上である。実
際的な目的に対する熱処理温度の上限は通常200℃であ
り、200℃では高度に抑制されたスターチを得ることが
できる。典型的には、熱処理は、120〜180℃、好ましく
は140〜160℃、より好ましくは160℃で20時間以内の時
間を要して実施される。抑制度は、pH及び熱処理温度並
びに時間に依存する。例えば、スターチ又はフラワーを
pH9.0に調節し、オーブンの温度が160℃である場合に
は、軽度に抑制されたスターチ又はフラワーは4〜5時
間の加熱を必要とし、中程度に抑制されたスターチ又は
フラワーは約5〜6時間の加熱を必要とし、そして高度
に抑制されたスターチ又はフラワーは6〜8時間の加熱
を必要とする。低温では、長い加熱時間を必要とする。
約5.0〜6.5のpHを有する天然のスターチのように、スタ
ーチ又はフラワーのpHが低い場合には、加熱は低い抑制
をもたらす。
フラワーに対して、対応するスターチと比較した場合
に、それと同様なレベルの抑制を達成するために低い温
度/短い加熱時間が必要とされる。
スターチを熱的に脱水する場合には、脱水工程と熱処
理工程が連続していることも可能であり、これはスター
チを周囲温度から加熱することにより達成することがで
きる。流動床を使用する場合には、温度が約125℃に達
する前に水分が蒸発してスターチが無水物になる。スタ
ーチ又はフラワーが無水物又は実質的に無水物になった
後、加熱を続けたままにしておくと、最終的な熱処理温
度に達する前であっても、同時にある程度の抑制が達成
される。
スターチ又はフラワーは、個々に抑制されても、又は
1種以上が同時に抑制されてもよい。スターチ又はフラ
ワーは、熱的抑制過程を阻害せず、また熱的に抑制され
た予備ゲル化された粒状スターチ又はフラワーの特性を
変化させない他の材料又は添加物の存在のもとで抑制さ
れてもよい。
熱的脱水及び熱処理工程は、常圧下、減圧下又は加圧
下で実施することができ、そして当該技術分野で公知の
手段を用いて達成することができる。好ましい方法は、
乾燥気流中又は不活性気体雰囲気中で乾熱を適用するこ
とによる。
熱的脱水及び熱処理装置は、工業用オーブン、例え
ば、慣用的なオーブン、電子オーブン、デキストリン化
機、流動床反応器及び乾燥機、加熱装置及び他の種類の
加熱器を備えた混合機及び配合機であることができる
が、水分が凝集してスターチ上に凝結しないように当該
装置が通気口を備えていることを条件とする。当該装置
は、水蒸気を当該装置から除去する手段、例えば、当該
装置のヘッドスペースから空気を掃除する減圧若しくは
送風機又は流動ガスを備えていることが好ましい。熱処
理工程は、その中で熱的脱水工程が実施される同一装置
内で達成することができ、脱水工程と連続することが都
合良い。
低分解率で高粘度を有する予備ゲル化され且つ熱的に
抑制されたスターチは、慣用的な加熱オーブンにおける
よりも短い時間で流動床反応器において得られる。適切
な流動ガスは空気及び窒素である。安全上の理由から、
酸素を12%以下含むガスを使用することが好ましい。
適切な流動床反応器は、ニュージャージー州ニューブ
ルンスウィック(New Brunswick)所在のProcedyne Cor
poration製のモデルFDR−100である。この流動床反応器
の断面積は0.05平方メートルである。最初の床高さは0.
3〜0.8メートルであるが、通常は0.77メートルである。
流動ガスは、他に記載がない限り空気であり、5〜21メ
ートル/分の速度で使用される。前記反応器パネルの側
壁は熱油により加熱され、そして流動ガスは電熱機によ
り加熱される。試料を反応器内に装入し、次いで流動ガ
スを導入するか、又は流動ガスを導入している間に試料
を装入する。試料が無水物になるまで試料を周囲温度か
ら125℃に昇温させ、そして特定の熱処理温度になるま
で更に加熱する。熱処理温度が160℃である場合には、
その温度は3時間以内に達成される。
以下の熱処理工程において、熱的に抑制されたスター
チ又はフラワーを篩分けして所望の粒度を選別してもよ
い。
産業上の応用性 これらのスターチ及びフラワーは、化学的に架橋した
予備ゲル化された粒状スターチが有用であることが知ら
れている食品用途及び工業的用途において有用である。
使用される全てのスターチ及びフラワーが粒状のもの
であって、、ニュージャージー州ブリッジウォータ(Br
idgewater)所在のナショナル・スターチ・アンド・ケ
ミカル・カンパニー(National Starch and Chemical C
ompany)により提供されている。
試験試料のための対照は、試験試料と同じ天然供給元
に由来するものであって、未改質のものであるか又は試
験試料のように改質されたものであり、他に記載がない
限り、pHが同じである。
試験試料及び対照試料の双方の全てのスターチ及びフ
ラワーを個々に調製し、そして試験した。
他に記載が無いかぎり、試料のpHは、水中のスターチ
又はフラワーを固形分30〜40%でスラリー化させ、次い
で所望のpHに達するまで十分な量の5%炭酸ナトリウム
溶液を転化することにより上昇させた。
噴霧ノズルであるタイプ1/2J(イリノイ州ウィートン
所在のSpraying Systems Company製)を使用し、パイロ
ットサイズの噴霧乾燥機であるタイプI−KA#4(マサ
チューセッツ州アットレボロフォールズ(Attleboro Fa
lls)所在のAPV Crepaco,Inc.,Dreyer Division製)内
でスラリーを予備ゲル化した。前記噴霧ノズルは下記の
通りの構成であった:流動キャップ:251376、及びエア
キャップ:4691312。スターチに対する蒸気の比が3.5〜
4.5:1であるように初期低温粘度が低い試料を噴霧し、
そしてスターチに対する蒸気の比が5.5〜6.5:1であるよ
うに初期冷粘度が高い試料を噴霧した。噴霧乾燥後で脱
水工程前の全ての試料の含水率は4〜10%であった。
オーブン内又は前記流動床反応器内で試験試料を脱水
及び熱処理した。
最終加熱温度での試料の含水率は0%であった。流動
床内で脱水し、熱処理した試料の一部を採取し、表に示
した温度及び時間で抑制に関する試験を行った。
下記の通りのブラベンダー法を用いて抑制に関する試
験を試料に対して行った。
試験すべき予備ゲル化された熱的に抑制された粒状ス
ターチを十分な量の蒸留水中でスラリー化させ、下記の
通りのpH3の4.6%無水固形スターチスラリーを得た:13
2.75gのスクロース、26.55gのスターチ、及び同量の酸
又は緩衝化酸並びに下記の水を、標準的な家庭用ミック
スマスター(Mixmaster)配合機内で#1の設定で3分
間混合した。実施例1で報告するブラベンダー粘度に対
し、108gの酢酸及び405.9gの水を使用した。実施例2で
報告するブラベンダー粘度に対し、50gのクエン酸ナト
リウム/クエン酸緩衝液(pH3)及び366.7gの水を使用
した。次いで、350cm/gのカートリッジを備えたブラベ
ンダービスコアミログラフ の試料カップにスラリーを導入し、そしてスラリーを30
℃に加熱して10分間保持したときの粘度を測定した。30
℃での粘度及び30℃で保持後10分経過したときの粘度
(10)を記録した。これらの温度での粘度のデータは、
予備ゲル化の程度の測定値である。30℃での粘度の値が
大きいほど、予備ゲル化工程時の粒子の膨潤及び水和の
程度が大きい。
95℃まで加熱を続け、そしてその温度を10分間維持し
た(10′)。ピーク粘度及び95℃から10分後の粘度をブ
ラベンダーユニット(BU)で記録し、その値を用いて下
記式: (式中、「ピーク」はブラベンダーユニットでのピーク
粘度であり、「(95℃+10′)」は95℃で10分経過した
ときのブラベンダーユニットでの粘度である) に従って粘度のブレークダウン率(%)を計算した。ピ
ーク粘度が無い場合、すなわち示されるデータが増加曲
線又は平らな曲線である場合には、95℃での粘度及び95
℃に達した後10分経過したときの粘度を記録した。
予備ゲル化されたスターチに対し、冷水中に分散され
た場合の粘度は、予備ゲル化工程時に最初にスターチが
加熱される程度に依存する。予備ゲル化時に粒子が完全
に膨潤又は水和しない場合には、スターチを水中に分散
させて加熱したときにゲル化し続ける。抑制は、スター
チを固形分4.6%でpH3の水中に分散させ、加熱した場合
のスターチ粘度を測定することにより決定される。
粘度を測定するのに使用される装置はブラベンダービ
スコアミログラフ (ニュージャージー州ハッケンサック所在のC.W.Braben
der Instruments,Inc.製))である。この は、スターチスラリーをプログラムされた加熱サイクル
にかけた場合に増加する粘度を釣り合わせるのに要する
トルクを記録する。精度は±2%である。
予備ゲル化されたスターチが高い初期低温粘度を有す
ることは、スターチが予備ゲル化工程で非常に蒸煮(co
ok)されたことを意味し、得られるブラベンダートレー
スは次のようになるであろう:高度に抑制されたスター
チに対してトレースは平らな曲線となり、スターチが既
に非常に膨潤し、更なるゲル化できなくなるほど抑制さ
れたことを示唆するか、又はトレースが増加曲線にな
り、更なるゲル化がある限度まで遅い速度で起こること
を示唆する。あまり抑制されていないスターチに対して
トレースは減少曲線になり、若干の粒子が断片化され、
抑制されていない対照よりも粘度の全減少分が小さい
か、又は第2ピークを示すが、抑制されていない対照よ
りも粘度の低下は小さい。
予備ゲル化されたスターチが低い初期低温粘度を有す
る場合に、このことはスターチが予備ゲル化工程時にあ
まり蒸煮されず、初期粘度ピーク粘度を達成するために
は更に蒸煮する必要があることを意味し、得られるブラ
ベンダートレースは次のようになるであろう:高度に抑
制されたスターチに対し、トレースは増加曲線になり、
遅い速度で更なるゲル化がある限度まで起こることを示
唆し、あまり抑制されていないスターチに対し、トレー
スはゲル化が起こる際にピーク粘度を示し、次いで粘度
が低下するが、抑制されていない対照よりも低い粘度減
少率を示す。
下記実施例における熱的に抑制された予備ゲル化され
た粒状スターチ及び対照は、上記のように調製されたも
のであって、上記手順を用いてブラベンダー曲線から得
られるデータに関係づけて定義されるものである。
ブラベンダー加熱サイクル時に、(i)ブラベンダー
曲線がピーク粘度をもたない連続的に増加する粘度を示
し、予備ゲル化されたスターチが高度に抑制されて更な
るゲル化に耐えることを示唆するか、又は、(ii)ブラ
ベンダー曲線が第2ピークを示すか又は抑制されていな
い対照に比してピーク粘度からの粘度の減少率が低く、
スターチの抑制がある程度達成されたことを示唆するな
らば、ブラベンダー曲線から得たデータを用いて抑制が
存在すると決定される。
実施例1 ワキシーメイズの試料をpH6.0、8.0及び10.0に調節
し、高い及び低い初期粘度の両方で上記のように予備ゲ
ル化した。pHが調節されたスターチを加水分解させ、次
いで流動床内で160℃で示した時間を要して熱処理し
た。それらの抑制について評価した。
結果を以下の表に示す。
データは若干の熱的抑制が全ての場合において達成さ
れたことを示しており、初期pHが高いほど及び加熱時間
が長いほど抑制度が増加することを示している。pHが6.
0で0分及び30分の試料に対し、記録されたピークは実
際に最初の高い粘度がブレークダウンし始めた後に得ら
れた第2ピークであった。pHが10の試料の幾つかでは、
ピーク粘度がなく、高度に抑制されたスターチであるこ
とが示唆された。
実施例2 この実施例は、別のスターチ基材及びワキシーメイズ
スターチからの熱的に抑制された予備ゲル化された粒状
スターチの調製法を説明する。粒状スターチを初期pHに
調節し、上記方法を用いて予備ゲル化し、次いで140℃
のオーブン内で示した時間熱処理した。加熱評価及びブ
ラベンダー結果を以下のように示す。表中で、「mod.」
なる略語は「中程度に」を、「sl.」なる略語は「僅か
に」を、「v.」なる略語は「非常に」を意味する。
この結果は、他のスターチ基材を使用して熱的に抑制
された予備ゲル化された粒状スターチを調製することが
できること、及び脱水及び熱処理に流動床よりもむしろ
オーブンが使用される場合において非凝集性スターチに
対して長い時間及び/又は高いpHが必要とされることを
示している。
実施例3 この実施例は、予備ゲル化前にスターチを熱的に抑制
することができることを示す。粒状ワキシーメイズスタ
ーチを9.5のpHに調節し、次いで流動床内で160℃(320
゜F)で示した時間熱処理した。得られたスターチを再
びスラリー化し、所定のpHにpHを調節し、次いで上記の
噴霧乾燥機内で予備ゲル化させた。噴霧ノズルキャップ
のサイズを変えることによりノズル背圧を変化させるこ
とによって、初期粘度に違いが生じた。噴霧ノズルのキ
ャップサイズはpH5.5及び8.5の試料に対しては7mmであ
り、pH7.0の試料に対しては10.0mmであった。
ブラベンダー結果を以下に示す。
この結果は、熱処理時間が長い場合に、非常に抑制さ
れているが低い初期粘度を有するスターチが得られるこ
とを示している。
実施例4 この実施例は、その後のアルコール抽出によって、熱
的に抑制された予備ゲル化された粒状スターチの風味を
改良することを説明する。
熱的に抑制された予備ゲル化された粒状ワキシーメイ
ズ(pH9.5に調節され、流動床内で160℃で180分間熱処
理されたもの)をソックスレー抽出器に入れ、次いで溶
剤としてエタノール(沸点78℃)を使用して一晩(約17
時間)還流させた。次いで、抽出されたスターチを紙の
上に広げ、過剰なエタノールを蒸発させた。同じ条件下
で熱的に抑制され、次いでエタノール抽出された未ゲル
化粒状ワキシーメイズ及び予備ゲル化された非粒状ワキ
シーメイズは双方とも風味が改良されたために、エタノ
ールにより抽出された予備ゲル化された粒状スターチは
刺激性の低い風味を有するものはもっともである。
実施例5 この実施例では、熱的に抑制されたワキシーメイズの
風味(すなわち、味及び香気)に及ぼす種々の蛋白質、
脂質及び他の臭気成分を除去することの効果を説明す
る。
予備ゲル化工程又は熱的抑制工程のいずれかの前に、
下記のようにワキシーメイズスターチから蛋白質を除去
した。W=1.5(75ポンドの水に対してスターチが50ポ
ンド)でスターチをスラリー化させ、次いで硫酸を用い
てpHを3〜3.5に調節した。スターチの重量に基づいて
2%の塩化ナトリウムを加えた。3%水酸化ナトリウム
溶液を用いて約9.5にpHを上昇させ、次いで乾燥前に良
く洗浄した。スターチの蛋白質濃度は、約0.1%以下に
減少させるべきである。未処理ワキシーメイズの蛋白質
濃度は約0.1%に減少させるべきである。
以下で述べるように熱的に抑制された粒状ワキシーメ
イズのこの処理により風味が改良されたために、この処
理によって熱的に抑制された予備ゲル化された粒状スタ
ーチの風味も改良されるであろう。種々の蛋白質、脂
質、及び他の臭気成分の除去によって、他のスターチ基
材及びフラワーの風味も改良されることが予想される。
M.Meilgaard等による“Sensory Evaluation Techniqu
es"第47〜111頁(CRC Press Inc.,Boca Raton,Florida
1987)に記載されているような片側風味差検定法(one
−sided directional difference taste testing prooe
dure)を用い、蛋白質が減少された熱的に抑制された粒
状ワキシーメイズ(pH9.5に調節;流動床内で160℃で90
分間脱水及び加熱)を、熱処理前に蛋白質が減らされて
いない同様な熱的に抑制されたワキシーメイズと比較し
た。
風味差検定に対し、3%スターチ加工物(100℃で15
分間加熱された試料)を調製し、次いでパネリストにい
ずれの試料が「良好な」な風味であるかを尋ねた。試料
の間に存在する色の違いを打消すために、全ての試験を
知覚評価試験室内で赤色光のもとで行った。結果は次の
通りであった: 上記結果は、熱処理前の蛋白質の除去によって、熱的
に抑制された予備ゲル化されていない粒状ワキシーメイ
ズスターチの風味を改良することが促進されることを示
している。
本発明の好ましい態様を詳細に述べてきたが、当業者
によって本発明の種々の修飾及び改良が明らかになるで
あろう。従って、本発明の真意及び範囲は請求の範囲に
よってのみ限定されるべきであって、上記記載によって
限定されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス,デビット ジェイ. アメリカ合衆国,ミネソタ 55123,イ ーガン,ウエストチェスター サークル 4299 (72)発明者 チウ,チュン−ワイ アメリカ合衆国,ニュージャージー 07090,ウエストフィールド,ウッズ エンド ロード 305 (72)発明者 ジェフコート,ロジャー アメリカ合衆国,ニュージャージー 08807,ブリッジウォーター,ダウ ロ ード 847 (72)発明者 ハンチェット,ダグラス ジェイ. アメリカ合衆国,ニュージャージー 07885,ワートン,セント マリーズ ストリート (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 30/14 A23L 1/05 CA(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子の団結性を保ちながらスターチ又はフ
    ラワーを予備ゲル化する工程;含水率が1%以下になる
    ように粒状スターチ又はフラワーを熱的に又は非熱的に
    脱水させてスターチ又はフラワーを無水物又は実質的に
    無水物にする工程;及び、無水又は実質的に無水のスタ
    ーチ又はフラワーを、それらを抑制するのに十分な温度
    で十分な時間を要して熱処理する工程であって、前記温
    度が100℃以上であり、そして前記時間が20時間以内で
    ある工程により調製される熱的に抑制された予備ゲル化
    された粒状スターチ又はフラワー。
  2. 【請求項2】バナナ、トウモロコシ、エンドウ、ジャガ
    イモ、サツマイモ、オオムギ、コムギ、コメ、サゴ、ア
    マランス、タピオカ、ソルガム、V.O.ハイブリッドワキ
    シーメイズ、ワキシーメイズ、ワキシータピオカ、ワキ
    シーライス、ワキシーオオムギ、ワキシーポテト、ワキ
    シーソルガム、及び40%以上のアミロースを含有するス
    ターチから成る群より選ばれ、脱水工程前に8〜9.5のp
    Hに調節された請求項1記載のスターチ。
  3. 【請求項3】熱的に抑制された予備ゲル化された粒状ス
    ターチ又はフラワーを製造する方法であって、 粒子の団結性を保ちながらスターチ又はフラワーを予備
    ゲル化させる工程; 含水率が1%以下になるように粒状スターチ又はフラワ
    ーを熱的に又は非熱的に脱水させて前記スターチ又はフ
    ラワーを無水物又は実質的に無水物にする工程;及び 無水又は実質的に無水のスターチ又はフラワーを、それ
    らを抑制するのに十分な温度及び時間を要して熱処理す
    る工程であって、前記温度が100℃以上であり、そして
    前記時間が20時間以内である工程を含む方法。
  4. 【請求項4】脱水工程及び熱処理工程前に粒状スターチ
    のpHを8〜9.5に調節する工程を更に含み、脱水工程及
    び熱処理工程が流動床内で120〜180℃で4時間以内の時
    間を要して同時に実施され、そして予備ゲル化工程が同
    時脱水熱処理工程後に実施される請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】予備ゲル化工程、脱水工程若しくは熱処理
    工程及び/又はpHが調節された脱水及び熱処理されたス
    ターチを水を用いて洗浄する工程の前又は後に、スター
    チから蛋白質及び/又は脂質を除去する工程を更に含む
    請求項4記載の方法。
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