JP2013064081A - 塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法及び電線ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】混合、混練不足によるケーブル外観異常の出ない塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法及び電線ケーブルを提供する。
【解決手段】添加剤を混合装置に投入し、可塑剤とPVCレジンとを、それらの配合割合が1:1となるように前記混合装置に投入し、これら投入した材料を混合してドライブレンドAを作製した後、前記混合装置に、残りのPVCレジンを投入し、ドライブレンドAと残りのPVCレジンとを混合してドライブレンドBを作製する混合工程S1と、混練機に、前記ドライブレンドВを投入して練り込む混練工程S2と、造粒機に練り込んだ溶融物を投入し、ペレット状に造粒する造粒工程S3と、造粒したペレットを冷却装置にて冷却する冷却工程S4とを備えたものである。
【選択図】図1
【解決手段】添加剤を混合装置に投入し、可塑剤とPVCレジンとを、それらの配合割合が1:1となるように前記混合装置に投入し、これら投入した材料を混合してドライブレンドAを作製した後、前記混合装置に、残りのPVCレジンを投入し、ドライブレンドAと残りのPVCレジンとを混合してドライブレンドBを作製する混合工程S1と、混練機に、前記ドライブレンドВを投入して練り込む混練工程S2と、造粒機に練り込んだ溶融物を投入し、ペレット状に造粒する造粒工程S3と、造粒したペレットを冷却装置にて冷却する冷却工程S4とを備えたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、電線ケーブルの被覆材に用いられる塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法及び電線ケーブルに関するものである。
電線ケーブルの被覆材に用いられるポリ塩化ビニル(以下PVCという)系樹脂組成物は、原材料の主原料となるPVCレジンと、副原料である可塑剤と、安定剤や難燃剤などの添加剤を使用し、例えばPVCレジンが60mass%、可塑剤が30mass%、添加剤が10mass%の配合比で構成される。通常これらの材料は、ブレンダー等の混合装置に投入して混合・撹拌し、次いでこれを混練した後、ペレット状に造粒されて、PVC系樹脂組成物が製造される。
製造工程の流れとしては、図2に示すように、複数の原料からなる原材料を混合する混合工程S20、混合した原材料を練り込む混練工程S21、練り込んだ原材料をペレット状に切る造粒工程S22、最後にペレットを冷やす冷却工程S23からなる。
従来の混合工程S20では、原材料の配合割合に沿った主原料および副原料を順不同にて混合装置に投入し、複数の材料を同時に混合して混和物を作製している。
しかしながら、上述のようにして作製されたPVC系樹脂組成物を用いて、これを導体に押出被覆して電線ケーブルを製造する際、材料の粒が被覆材の外観に出るなどのケーブル外観異常が発生する可能性がある。
これは、PVC系樹脂組成物の混合工程において均一に混合されなかった材料が粉黛のまま残り、ケーブルの外観に粒として発生したものと考えられる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、混合、混練不足によるケーブル外観異常の出ない塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法及び電線ケーブルを提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、添加剤を混合装置に投入し、可塑剤とPVCレジンとを、それらの配合割合が1:1となるように前記混合装置に投入し、これら投入した材料を混合してドライブレンドAを作製した後、前記混合装置に、残りのPVCレジンを投入し、ドライブレンドAと残りのPVCレジンとを混合してドライブレンドBを作製する混合工程と、混練機に、前記ドライブレンドВを投入して練り込む混練工程と、造粒機に練り込んだ溶融物を投入し、ペレット状に造粒する造粒工程と、造粒したペレットを冷却装置にて冷却する冷却工程とを備えたことを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法である。
請求項2の発明は、前記可塑剤は、前記添加剤より多い配合量で投入される請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法である。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法によって得られた塩化ビニル系樹脂組成物からなる被覆材を有することを特徴とする電線ケーブルである。
本発明は、粉黛材料が均一に撹拌・混合することができるため、粉黛の凝集によるケーブル外観異常を防止できるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
先ず、本発明の電線ケーブルの被覆材として用いられる塩化ビニル系樹脂組成物の配合割合は、PVCレジンが60±10mass%、可塑剤が30±10mass%、添加剤が10±5mass%の範囲の配合比で構成される。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法は、図1に示す通り、主にドライブレンド(混和物)を作製するための混合工程S1と、混合工程S1で作製したドライブレンドを混練してゲル状の溶融物を作製する混練工程S2と、ゲル状の溶融物を造粒機に投入してペレットを作製する造粒工程S3と、ペレットを冷却装置で冷却して塩化ビニル系樹脂組成物を作製する冷却工程S4とからなる。
混合工程S1;
混合工程S1では、まず塩化ビニル系樹脂組成物の原材料を構成する添加剤(例えば、安定剤、難燃剤など)を混合装置へ一括して投入する(工程S1−1)。混合装置としては、高速ミキサー、リボンブレンダーなどのようなものが使用できる。また加熱方法としては、電熱加熱、蒸気加熱のどちらでも良い。
混合工程S1では、まず塩化ビニル系樹脂組成物の原材料を構成する添加剤(例えば、安定剤、難燃剤など)を混合装置へ一括して投入する(工程S1−1)。混合装置としては、高速ミキサー、リボンブレンダーなどのようなものが使用できる。また加熱方法としては、電熱加熱、蒸気加熱のどちらでも良い。
次に、添加剤が投入された混合装置の中へ、PVCレジンと可塑剤からなる原料Bを投入する(工程S1−2)。このとき、PVCレジンと可塑剤との配合割合であるPVCレジン:可塑剤は、1:1であることが良い。
これら添加剤と可塑剤+PVCレジンとを混合装置にて混合し、ドライブレンドAを作製する(工程S1−3)。
次にドライブレンドAに対して更にPVCレジンを投入し(工程S1−4)、混合することでドライブレンドВを作製する(工程S1−5)。
混練工程S2;
混練工程S2では、混合工程S1で作製したドライブレンドВを混練機に投入する。混練機としては、連続混練機、バッチ式混練機などどのようなものでも使用できる。加熱方法としては、電熱加熱、蒸気加熱のどちらでも良いが、冷却水等で温度調整できる混練機が望ましい。
混練工程S2では、混合工程S1で作製したドライブレンドВを混練機に投入する。混練機としては、連続混練機、バッチ式混練機などどのようなものでも使用できる。加熱方法としては、電熱加熱、蒸気加熱のどちらでも良いが、冷却水等で温度調整できる混練機が望ましい。
混練機内に投入されたドライブレンドBは、熱と剪断力を加えて練り込まれ、配合剤が均一に分散したゲル状の溶融物Cを作製する。
造粒工程S3;
造粒工程S3では、混練工程S2で作製したゲル状の溶融物Cを造粒機へ投入する。造粒方法は、ホットカット、ストランドカット(コールドカット)、ウォータリングカット、アンダーウォータカット、ミストカット等のようなものが使用できる。
造粒工程S3では、混練工程S2で作製したゲル状の溶融物Cを造粒機へ投入する。造粒方法は、ホットカット、ストランドカット(コールドカット)、ウォータリングカット、アンダーウォータカット、ミストカット等のようなものが使用できる。
造粒機内に投入されたゲル状の溶融物Cは、ペレット形状に作製される。
冷却工程S4;
冷却工程S4では、造粒後のペレット(特にホットカット)は完全に冷却されていないことから、ペレット同士が互着してブロックを形成してしまうことを防ぐため、造粒後にペレットを冷却する工程であり、この冷却装置は振動型と吸引タイプ型などどのようなものも使用できる。
冷却工程S4では、造粒後のペレット(特にホットカット)は完全に冷却されていないことから、ペレット同士が互着してブロックを形成してしまうことを防ぐため、造粒後にペレットを冷却する工程であり、この冷却装置は振動型と吸引タイプ型などどのようなものも使用できる。
以上のような製造方法、特に混合工程S1を採用することにより、粉黛材料が均一に撹拌・混合することができるため、粉黛の凝集によるケーブル外観異常を防止できる効果が得られる。すなわち、混合工程で、添加剤と可塑剤とPVCレジンを混合する際に、可塑剤の配合量が、約30mass%であり、添加剤とPVCレジンが、約70mass%であり、従来のように、これらを順不同に混合装置に投入して混合したのでは、液体である可塑剤が、粉体である添加剤とPVCレジンと十分に混合されない可能性があるが、本発明においては、混合装置に添加剤を投入し、その混合装置に、可塑剤の配合量と同量のPVCレジンを1:1の割合で投入して混合することで、可塑剤が、粉体である添加剤とPVCレジンと十分に混合されたドライブレンドAとすることができ、その後ドライブレンドAと残りのPVCレジンを混合してドライブレンドВとすることで、粉黛材料が均一に撹拌・混合することができる。
[実施例1]
塩化ビニル系樹脂組成物を製造する場合、その配合Xは、PVCレジン60mass%、可塑剤30mass%、添加剤10mass%の配合割合で構成されるとする。
塩化ビニル系樹脂組成物を製造する場合、その配合Xは、PVCレジン60mass%、可塑剤30mass%、添加剤10mass%の配合割合で構成されるとする。
図1で説明した製造方法のように、ブレンダー(混合装置)に添加剤を投入する。
次に可塑剤30mass%に対してPVCレジンも1:1の割合の30mass%をブレンダーに投入する。その後、これらの材料を150℃まで加熱したブレンダーにて混合する。10分間の混合後、残りのPVCレジンを30mass%をブレンダーに投入し、再度ドライアップするまで混合する。
これにより出来たドライブレンドを混練機に投入し、造粒機にてペレット形状にし、これを冷却装置にて冷却して塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
本発明の製造方法にて製造した塩化ビニル系樹脂組成物にて、ケーブル押出を実施した結果、目視で被覆材の外観異常は見られなかった。
[比較例1]
塩化ビニル系樹脂組成物を製造する場合、その配合XはPVCレジン60mass%、可塑剤30mass%、添加剤10mass%の配合割合で構成されるとする。
塩化ビニル系樹脂組成物を製造する場合、その配合XはPVCレジン60mass%、可塑剤30mass%、添加剤10mass%の配合割合で構成されるとする。
混合工程にて、順不同にPVCレジン60mass%、可塑剤30mass%、添加剤10mass%をブレンダーに投入し、これらの材料を150℃まで加熱したブレンダーにてドライアップするまで混合する。
これにより出来たドライブレンドを混練機に投入し、造粒機にてペレット形状にし、これを冷却装置にて冷却させて塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
この製造方法にて製造した塩化ビニル系樹脂組成物にて、ケーブル押出を実施した結果、目視で被覆材の数箇所からケーブル外観異常が見られた。
S1 混合工程
S2 混練工程
S3 造粒工程
S4 冷却工程
S2 混練工程
S3 造粒工程
S4 冷却工程
Claims (3)
- 添加剤を混合装置に投入し、可塑剤とPVCレジンとを、それらの配合割合が1:1となるように前記混合装置に投入し、これら投入した材料を混合してドライブレンドAを作製した後、前記混合装置に、残りのPVCレジンを投入し、ドライブレンドAと残りのPVCレジンとを混合してドライブレンドBを作製する混合工程と、
混練機に、前記ドライブレンドВを投入して練り込む混練工程と、
造粒機に練り込んだ溶融物を投入し、ペレット状に造粒する造粒工程と、
造粒したペレットを冷却装置にて冷却する冷却工程と
を備えたことを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。 - 前記可塑剤は、前記添加剤より多い配合量で投入される請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1又は2記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法によって得られた塩化ビニル系樹脂組成物からなる被覆材を有することを特徴とする電線ケーブル。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011204279A JP2013064081A (ja) | 2011-09-20 | 2011-09-20 | 塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法及び電線ケーブル |
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JP2011204279A Withdrawn JP2013064081A (ja) | 2011-09-20 | 2011-09-20 | 塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法及び電線ケーブル |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101814347B1 (ko) | 2017-09-13 | 2018-01-02 | 김종석 | Pvc 덕트의 제조 방법 |
CN114437471A (zh) * | 2022-01-17 | 2022-05-06 | 东莞福川精密工业股份有限公司 | 一种柔性电缆料及其制备方法 |
WO2024045398A1 (zh) * | 2022-09-02 | 2024-03-07 | 南方电网科学研究院有限责任公司 | 500kV以上电压等级交联聚乙烯电缆绝缘材料造粒方法及装备 |
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2011
- 2011-09-20 JP JP2011204279A patent/JP2013064081A/ja not_active Withdrawn
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