JP2013063901A - 水素発生材料、水素発生材料の製造方法、水素発生材料の容器、水素燃料車両、及び携帯用機器 - Google Patents

水素発生材料、水素発生材料の製造方法、水素発生材料の容器、水素燃料車両、及び携帯用機器 Download PDF

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Abstract

【課題】水素化アルミニウムから水素を発生させる際の供給熱量を低減し、加熱装置を小型化できる水素発生材料を提供する。
【解決手段】水素発生材料は、水素化アルミニウム11と酸化アルミニウムの水和物であるベーマイト〔AlO(OH)〕12及び水吸着層13を含む。水素発生材料の粒子構造として、水素化アルミニウム11は、ベーマイト12を介して水吸着層13と接している。
【選択図】図2

Description

本発明は、水素発生材料及びその周辺技術に係り、特に移動体に水素を供給するのに好適な水素発生材料、水素発生材料の製造方法、水素発生材料の容器、水素燃料車両、及び携帯用機器に関する。
従来より携帯型燃料電池や水素燃料車両に水素を供給する方法として、極低温の液体水素貯蔵装置から水素を供給する方法、高圧水素ガスタンクから水素を供給する方法、及び水素を含む材料から移動体上で水素を発生させて供給する方法が知られている。
ところが液体水素貯蔵装置は、高性能な断熱容器を備えても一日当たり数%の液体水素蒸発を抑制できず、また装置が大がかりになる欠点がある。また高圧水素ガスタンクも高圧力に対して強度を備えなければならず、単位貯蔵水素当たりの容積及び重量が嵩むという欠点がある。このため、水素以外の原料から携帯型燃料電池または水素燃料車両において水素を発生させる方法に注目されている。
このような水素発生方法の従来技術としては、アルミニウム水素化物を約200℃の温度で加熱すると、(化a)式に示すように、金属アルミニウムと水素に分解することが知られている(非特許文献1)。
AlH3 → Al + (3/2)H2 …(化a)
また、燃料電池用の水素供給システムとして、金属水素化物の加水分解により水素を供給する第1の水素貯蔵システムと、水素吸蔵材を用いて水素を供給する第2の水素貯蔵システムとの間で熱交換を行う水素供給システムが知られている(特許文献1)。この水素供給システムによれば、第1の水素貯蔵システムで発生した熱を第2の水素貯蔵システムへ供給することにより、水素発生時に外部からの加熱を必要とせず、また外部へ無駄な熱を廃棄する必要もなくなり、総合的なエネルギ効率を高めることができる。
Decomposition Kinetics of the AlH3 Polymorphs Jason Greatz and James J. Reilly J.Phys.Chem.B 2005,109,22181-22185.
特開2004−206950号公報(第6頁、図2)
しかしながら非特許文献1に記載の金属水素化物の分解反応は吸熱反応であり、水素発生時に大量の熱供給が必要となるので、金属水素化物を加熱するための加熱装置の容積及び重量が嵩むとともに、必要な熱量の供給を継続する必要があるという問題点があった。
また、特許文献1に記載の金属水素化物の加水分解により水素を供給する第1の水素貯蔵システムと、水素吸蔵材を用いて水素を供給する第2の水素貯蔵システムとを備える水素供給システムでは、異なる2つの水素貯蔵システムを備える必要がある。このため、既存の水素貯蔵タンクよりも大きな重量、容積を必要とするという問題点があった。
上記問題点を解決するため、本発明は、水素化アルミニウムと、酸化アルミニウムと、加熱により水を放出する物質である水放出物とを含む水素発生材料であって、水素化アルミニウムと水放出物とは、酸化アルミニウムを介して接していることを要旨とする。
また、本発明は、ヒドロキシル基を有する化合物と水素化アルミニウムとを接触させることにより、水素化アルミニウムに水放出物の層を形成したことを要旨とする水素発生材料の製造方法である。
本発明に係る水素発生材料によれば、加熱時に水素化アルミニウムの熱分解反応と並行して、水放出物が放出する水と、水素化アルミニウムまたは水素化アルミニウムが分解したアルミニウムとが反応する水分解反応により水素と熱とが生成する。このため、水素発生のために供給すべき熱量が大幅に減少し加熱装置の容積及び重量を削減することができる水素発生材料を提供することができるという効果がある。また、水素化アルミニウムと水放出物とは、酸化アルミニウムを介して接しているので、安定性の高い水素発生材料を提供することができるという効果がある。
また本発明に係る水素発生材料の製造方法によれば、水素化アルミニウムの表面に、水放出物の層を形成した水素発生材料を容易に形成することができるという効果がある。また、本発明に係る水素発生材料の製造方法によれば、放出された水が水素化アルミニウム或いはアルミニウムと反応して発熱反応を誘発するので、水素発生のために供給すべき熱量を大幅に減少した水素発生材料を製造することができるという効果がある。
(a)金属水素化物1及び水放出物2がそれぞれ個別の粒子として水素発生材料に含まれる状態の模式図、(b)金属水素化物1の内部に水放出物2が含まれた水素発生材料の粒子構造を示す図、(c)金属水素化物1の表層に水放出物2の層が形成された構造を示す図、(d)金属水素化物1の表面を覆う金属酸化物3の表面に、水放出物2が形成された構造を示す図である。 金属水素化物として水素化アルミニウム(AlH3 )の表面に水放出層を形成する方法の概略説明図である。 (a)一定出力の加熱装置で試料を加熱した時の実施例1の加湿雰囲気処理した水素発生材料と、実施例2の水中ミリングした水素発生材料と、比較例との水素放出量の時間経過を示す図、(b)実施例1と比較例との水素放出温度を示す図である。 本発明に係る水素発生材料の水含有量を様々に変えた場合の水素放出速度を示す図である。
本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明に係る水素発生材料は、金属水素化物と、加熱によりヒドロキシル基を有する化合物である水を放出する水放出物とを含むことを特徴としている。金属水素化物は、金属をMとすると、次に示す(化1)式の熱分解反応(吸熱反応)により水素を発生する。
MH2 → M + H2 …(化1)
水放出物から加熱により放出された水は、金属水素化物と水分解反応(発熱反応)して、(化2)式に示すように、金属酸化物と水素とを発生させる。
MH2 +H2O → MO + 2H2 …(化2)
この水分解反応は、発熱反応であるので、加熱により水を放出する水放出物は、金属水素化物と共に存在する場合、加熱により発熱を誘発する物質である。
また、(化3)に示すように、金属水素化物が分解した金属と水との反応も発熱反応である。MOとしては、金属酸化物だけではなく、金属水酸化物、金属酸化物の水和物が含まれる。Alの場合は、Al23 、Al(OH)3 、AlOOHが挙げられる。
M +H2O → MO + H2 …(化3)
従って、(化2)及び(化3)による水分解反応の熱を、(化1)に示した金属水素化物の熱分解反応(吸熱反応)のために利用することができる。これにより、水素発生材料から水素を発生させる際に、外部から供給すべき熱量を低減することができる。
加熱により発熱を誘発する物質は、加熱により水を放出する物質以外に、加熱によりヒドロキシル基を有する物質、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコール類が挙げられる。更にカルボキシル基を有する低級カルボン酸等の物質を放出する物質でも同様の効果が得られる。低級アルコール類や、低級カルボン酸等の物質は、水と同様に、金属水素化物と発熱反応して水素を放出することができる。
次に、図1を参照して、本発明に係る金属水素化物1と加熱により水を放出する物質である水放出物2とを含む水素発生材料の様々な構造を説明する。図1(a)は、金属水素化物1及び水放出物2がそれぞれ個別の粒子として水素発生材料に含まれる状態の模式図である。金属水素化物1、水放出物2が個別の粒子として水素発生材料に含まれる場合、2種類の粒子の分布が均一になるように混合して容器へ充填する必要がある。
図1(b)は、金属水素化物1の内部に水放出物2が含まれた水素発生材料の粒子構造を示す図である。このように金属水素化物1と水放出物2が近い距離にある方が発熱反応が進行しやすく、(化2)、(化3)の反応熱を(化1)で利用するのに好都合である。また、図1(b)の構造により、1つの粒子に金属水素化物1と水放出物2とを含むために、水素発生材料を容器に充填する場合、2種類の粒子を均一に混合する必要が無くなり、水放出物分布の均一性、及び放出された水の利用効率が高まるので好ましい。
図1(c)は、金属水素化物1の表層に水放出物2の層が形成された構造を示す図である。金属水素化物1の内部に水放出物2の層を形成するよりも金属水素化物1の表層に水放出物2の層を形成する方が合成方法が容易であるために、実用性が高い。
図1(d)は、金属水素化物1の表面を覆う金属酸化物3の表面に、水放出物2が形成された構造を示す図である。この構造は、金属水素化物1と水放出物2との間に金属酸化物3の層を備えた構造と言うこともできる。金属水素化物1と水放出物2とが直接接触する場合には、金属水素化物1が分解してしまう可能性がある。これを避けるために、金属水素化物1と水放出物2との間に金属酸化物3を挟むことにより、安定性の高い水素発生材料となる。
次に、本発明に係る水素発生材料の組成について、金属水素化物、金属酸化物、水放出物の順に説明する。
本発明の水素発生材料に含まれる金属水素化物1を構成する金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)の何れか1種類以上の金属である。具体的には、LiH、NaH、BeH2 、MgH2 、CaH2 、AlH3 、のような金属水素化物が挙げられる。また、M(AlH4 )n、M(BH4 )n (M=アルカリ金属、またはアルカリ土類金属)で表される金属錯体化合物も金属水素化物1として利用可能である。
水素発生材料の構造を図1(d)の構造とした場合、金属酸化物3を構成する金属としては、アルカリ金属(Li,Na,K,Rb,Cs,Fr)、アルカリ土類金属(Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ra)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)の何れか1種類以上の金属である。
水放出物2は、金属水酸化物、金属酸化物の水和物、或いは水吸着材料の何れかであり、且つ、金属水素化物1の分解温度付近で水を放出することができる材料である。
水放出物2を金属水酸化物とする場合、通常、金属水素化物の表面を覆っている金属酸化物から容易に金属水酸化物を合成することができる。このため、安価に水放出物を形成することができる。
ここで、金属水素化物の分解温度Td1と金属水酸化物の分解温度Td2が同程度である必要がある。例えば、金属水素化物の分解温度Td1が金属水酸化物の分解温度Td2より十分低ければ(Td1<<Td2)、水素発生材料をTd1付近まで昇温して金属水素化物から水素を発生させるときに、金属水酸化物からは水が放出されず、水放出物としての金属水酸化物が水素発生に寄与しない。逆に、金属水素化物の分解温度Td1が金属水酸化物の分解温度Td2より十分高ければ(Td1>>Td2)、水素発生材料をTd2付近まで昇温して金属水酸化物から水を放出させても、金属水素化物の分解温度Td1よりかなり温度が低いので、放出された水が水素発生に寄与することは困難である。
例えば、金属水素化物としてAlH3 、金属水酸化物としてAl(OH)3 の組み合わせを用いる場合には、両者の分解温度が近く、Al(OH)3 から放出された水がAlH3 またはAlH3 の分解物であるAlに有効に作用して、水分解反応による発熱がAlH3 の分解を促進する。
また、水放出物2を金属酸化物の水和物とする場合も、金属水素化物の分解温度Td1と、金属酸化物の水和物の分解温度Td3が同程度である必要がある。
例えば、金属水素化物としてAlH3 、金属酸化物の水和物として、アルミナの1水和物であるベーマイト〔Al23・(H2O),AlO(OH)〕の組み合わせが挙げられる。金属水素化物にAlH3 を用いる場合には、結晶性の高いベーマイトであっても非晶質のベーマイトを使用したとしても効果が得られる。
水放出物2を金属酸化物の水和物とする場合、通常、金属水素化物の表面を覆っている金属酸化物から容易に金属酸化物の水和物を合成することができる。このため、安価に水放出物を形成することができる。
さらに、水放出物2を水吸着材料とすることもできる。この場合にも種々の水吸着材料の中から水放出温度が金属水素化物1の分解温度に近いものを選択する。水吸着材料としては、ゼオライトやシリカゲルが挙げられる。しかし金属水素化物の表面に、ゼオライトやシリカゲルの被膜を形成するプロセスにコストが掛かる。また、ゼオライトやシリカゲルのように大量の水を吸蔵可能な水吸着材料は、金属水素化物1に対して少量の水放出物2を付着させるだけで必要量の水を放出させることができる。
次に、本発明に係る水素発生材料の製造方法を説明する。
〔製造方法1〕
金属水素化物の表面に水を放出する層を形成する第1の実施例は、金属水素化物を加湿雰囲気と接触させることにより、金属水素化物の表面に水を放出する層を形成する方法である。通常、金属水素化物の粒子は、その表面が金属酸化物に覆われている。この金属水素化物の粒子を室温、望ましくは25℃以下の加湿雰囲気中に保管することにより、表面の金属酸化物の一部が水酸化物に変化したり、金属酸化物の水和物に変化する。これにより、金属水素化物の粒子の表面に水放出層が形成される。この方法は、最も簡単な本発明に係る水素発生材料の製造方法であるが、処理に時間が掛かる。
〔製造方法2〕
金属水素化物の表面に水を放出する層を形成する第2の実施例は、金属水素化物をヒドロキシル基を有する液体と接触させることにより、金属水素化物の表面に水を放出する層を形成する方法である。ヒドロキシル基を有する化合物として最も一般的な水(H2O)を用いると、入手が容易であると共に、ヒドロキシル基を有する化合物としての低級アルコール等の含炭素系材料と比較して、水素発生時に不純物ガスが副生することを回避できるので好ましい。また金属水素化物を加湿雰囲気と接触させるよりも液体の水と接触させる方が、短時間で水放出層を形成することができる。尚、室温で水と接触させる場合の接触時間は3日以内であることが好ましい。
図2は、金属水素化物として水素化アルミニウム(AlH3 )、ヒドロキシル基を有する化合物として最も一般的な水(H2O)を用いた金属水素化物の表面に水放出層を形成する方法の概略説明図である。
図2において、処理前の粒子10は、水素化アルミニウム11の表面にベーマイト〔AlO(OH)〕12が形成されている。この処理前粒子10の100mgをガラス製サンプル瓶(容積10cc程度)の容器20にとり、水21としてイオン交換水0.15ccを注ぐ。水素化アルミニウムとイオン交換水の体積比は、1:2程度となるように混合する。そして、8時間毎に5分間、攪拌棒(SUS製スパチュラで代用)22で攪拌する水中ミリング工程を室温(20〜25℃)、大気中で48時間行った。容器を室温に保つことにより、金属水素化物と水との接触中の金属水素化物の分解を回避することができる。
金属水素化物の粒子と水を収容した容器を攪拌することにより、粒子同士が接触し水を含有しやすくなる。処理後の粒子15は、表面のベーマイト層12に水吸着層13が形成されるとともに、ベーマイト層12にクラック14が形成され、水素発生時の水素放出が容易になるという副次的な効果もある。このプロセスを行うと、48時間後には、試料はほぼ自然乾燥しており、その後室温で1週間ほど放置したものを水素発生能測定に用いた。尚、上記の水中ミリングを大量に行う場合には、液体と固体とを混合することのできるボールミルング装置で実施することができる。また、水素化アルミニウムと水との比率は、0.1〜10程度であることが好ましい。
以上の実施例2では、金属水素化物の粒子と水との混合物を攪拌することにより、金属水素化物の表面に水放出層を形成したが、攪拌以外に、金属水素化物の粒子と水との混合物を収容した容器をバイブレータのような装置で振動させることにより、金属水素化物の表面に水放出層を形成することもできる。容器を振動させることにより、攪拌と同様に粒子同士を接触させ、粒子表面のベーマイト層12に水吸着層13が形成されるとともに、ベーマイト層12にクラック14が形成される。
図3は、実施例1の加湿雰囲気処理した水素発生材料と、実施例2の水中ミリングした水素発生材料と、これらの処理を行わない比較例の水素発生材料との水素放出性能を示した図である。図3(a)は、一定出力の加熱装置で試料を加熱した時の水素放出量の時間経過を示す図である。比較例に対して実施例1、実施例2ともに水素放出速度が増加している。例えば、4(wt%)の水素を放出するまでの時間は、比較例が約1.3hに対して、実施例1が約0.9h、実施例2が約0.6hと大幅に短縮(放出速度は大幅に向上)している。これは、加熱装置の出力が一定であることから、一定量の水素を放出させるのに必要な熱量が比較例に対して実施例1,2が減少していることを示している。さらに、最終的な水素放出量も比較例に対して実施例1,2が増加していることがわかる。
図3(b)は、実施例1と比較例との水素放出温度を示す図であり、比較例に対して実施例1は、水素放出温度が15℃程度低温化している。
図4は、本発明に係る水素発生材料の水含有量(wt%)を様々に変えた場合の水素放出速度(任意単位)を示す図である。水含有量が3%程度から13%程度まで水含有させた場合に、水素放出速度が向上している。水含有量が3%程度より少ない場合には、水放出量の絶対量が少なく効果が少ない。水含有量が15%を超えると、過剰な水が含まれるために水素発生材料の金属水素化物の比率が低下し、水素放出速度が低下すると考えられる。
次に、本発明に係る水素発生材料の応用を説明する。まず、本発明の水素発生材料を収容する容器の材料としては、水素脆性が起きにくいオーステナイト系(SUS304,316等、面心立方構造)のステンレススチールや、カーボン繊維等を樹脂で固めたコンポジット材、あるいはアルミニウムが考えられる。容器の耐熱温度は、使用する金属水素化物の分解温度により異なるが、少なくとも200℃程度が必要であり、容器の耐圧は、1MPa程度の耐圧性能が必要である。特に、カーボン繊維等を樹脂で固めたコンポジット材は、高温耐性が低いために、使用する温度域に注意が必要である。
本発明に係る水素発生材料は、高い水素放出量を有し、水素放出時に外部から供給する熱量が少なくてすむために、移動体に水素を供給するのに好適である。本発明の水素発生材料から水素を供給する移動体としては、例えば、固体高分子型燃料電池または固体酸化物型燃料電池等の水素を燃料とする燃料電池を動力源とする水素燃料車両や、水素燃料の内燃機関を動力源とする水素燃料車両が適している。また、水素燃料車両のみならず、燃料電池を電源とした電動カートや電動車椅子等の用途にも好適である。
さらに本発明の水素発生材料は、高い水素放出量を有し、水素放出時に外部から供給する熱量が少なくてすむために、ノート型パーソナルコンピュータやポータブルナビゲーション装置、携帯電話等の携帯用電子機器や携帯用電気機器の電源としての燃料電池に水素を供給するために本発明の水素発生材料が好適である。
1 金属水素化物
2 水放出物
3 金属酸化物
10 処理前粒子
11 AlH3
12 AlO(OH)
13 水吸着層
14 クラック
15 処理後粒子
20 容器
21 水
22 攪拌棒

Claims (18)

  1. 水素化アルミニウムと、酸化アルミニウムと、加熱により水を放出する物質である水放出物とを含む水素発生材料であって、
    前記水素化アルミニウムと前記水放出物とは、前記酸化アルミニウムを介して接していることを特徴とする水素発生材料。
  2. 前記水素化アルミニウムの粒子の内部に、前記水放出物の層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水素発生材料。
  3. 前記水素化アルミニウムの粒子表面の一部に、前記水放出物の層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水素発生材料。
  4. 前記水素化アルミニウムと前記水放出物の層との間に、前記酸化アルミニウムの層を備えていることを特徴とする請求項3に記載の水素発生材料。
  5. 前記水放出物は、アルミニウムの水酸化物であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の水素発生材料。
  6. 前記水放出物は、酸化アルミニウムの水和物であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の水素発生材料。
  7. 前記水放出物は、水吸着材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の水素発生材料。
  8. 内部に前記水放出物の層を有するベーマイト層で前記水素化アルミニウムの粒子を覆ったことを特徴とする請求項1に記載の水素発生材料。
  9. ヒドロキシル基を有する化合物と水素化アルミニウムとを接触させることにより、水素化アルミニウムに水放出物の層を形成したことを特徴とする水素発生材料の製造方法。
  10. 前記ヒドロキシル基を有する化合物は、水であることを特徴とする請求項9に記載の水素発生材料の製造方法。
  11. ヒドロキシル基を有する化合物の蒸気を含む雰囲気と水素化アルミニウムとを接触させることにより、水素化アルミニウムに水放出物の層を形成したことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の水素発生材料の製造方法。
  12. ヒドロキシル基を有する化合物の液体と水素化アルミニウムとを接触させる場合、前記液体と水素化アルミニウムとを収容した容器を振動させることにより、水素化アルミニウムに水放出物の層を形成したことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の水素発生材料の製造方法。
  13. ヒドロキシル基を有する化合物の液体と水素化アルミニウムとを接触させる場合、前記液体と水素化アルミニウムとを収容した容器を攪拌することにより、水素化アルミニウムに水放出物の層を形成したことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の水素発生材料の製造方法。
  14. ヒドロキシル基を有する化合物の液体と水素化アルミニウムとを接触させる場合、温度環境を室温として、水素化アルミニウムに水放出物の層を形成したことを特徴とする請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の水素発生材料の製造方法。
  15. 請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の水素発生材料を収容する容器であって、その材質が、ステンレススチール、炭素系材料、アルミニウムの何れかであることを特徴とする水素発生材料の容器。
  16. 請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の水素発生材料から発生する水素を燃料とする燃料電池を搭載したことを特徴とする水素燃料車両。
  17. 請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の水素発生材料から発生する水素を燃料とする内燃機関を搭載したことを特徴とする水素燃料車両。
  18. 請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の水素発生材料から発生する水素を燃料とする燃料電池を電源とすることを特徴とする携帯用機器。
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