以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々設けられている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、例えば左右方向の略中央に押しボタン式の演出用操作手段
(操作手段)12が設けられている。なお、演出用操作手段12内にはLED13が配置されており、例えば操作有効期間中に点灯されるようになっている。
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤21が着脱自在に装着されている。遊技盤21の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、センターケース24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。また、センターケース24には、液晶式等の画像表示手段29の他、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段32、普通保留個数表示手段33等が設けられている。
普通図柄表示手段31は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段31の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段33がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段(図柄始動手段)26は、特別図柄表示手段32による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口26a,26bと、下特別始動口26bを開閉する開閉手段39とを備え、例えばセンターケース24の下側に配置されている。上特別始動口26aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口26bは、開閉手段39により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段39が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段(図柄表示手段)32は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄
(図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口26a,26bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値(変動記憶情報、特定判定乱数値)が予め定められた大当たり判定値(特定判定値)と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口26a,26bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、例えば画像表示手段29上に大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
大入賞手段27は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板40を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段32の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板40が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
また、画像表示手段29には、例えば特別図柄表示手段32による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄34が変動表示される他、特別保留個数を示す保留表示画像35、演出用操作手段12の操作が有効な操作有効期間中であることを示す操作有効期間報知画像36等の各種演出画像が遊技状態に応じて表示されるようになっている。
ここで、演出図柄34は、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の数字図柄等で構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。
また、演出図柄34では、例えば3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。なお、本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄34も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄34も外れ態様となるものとする。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、41は主制御基板、42は演出制御基板で、これら各制御基板41,42は、遊技盤21に装着されたセンターケース24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤21を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板41は、主に遊技盤21側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段51、普通始動口チェック処理手段52、普通乱数記憶手段53、普通図柄処理手段54、普通利益状態発生手段55、普通図柄表示制御手段56、特別乱数作成処理手段61、特別始動口チェック処理手段62、特別乱数記憶手段63、特別図柄処理手段64、特別利益状態発生手段65、特別図柄表示制御手段66、特別遊技状態発生手段67、先読み判定手段68、制御コマンド送信手段69等を備えている。
普通乱数作成処理手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段52は、普通図柄始動手段25による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段51で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段54は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段53に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
普通利益状態発生手段55は、普通図柄処理手段54による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、下特別始動口26bの開閉手段39を所定の開閉パターンに従って開状態に変化させるようになっている。
普通図柄表示制御手段56は、普通図柄処理手段54による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段31による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段54で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段54で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段61は、変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段62は、特別図柄始動手段26への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち特別始動口26a,26bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段61で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等(変動記憶情報)を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値、当たり図柄乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段(情報記憶手段)63に記憶させるように構成されている。
なお本実施形態では、変動パターン乱数及び外れ図柄乱数は特別図柄始動手段26が遊技球を検出した時点では取得せず、特別図柄の変動開始時に取得することとするが、それら変動パターン乱数、外れ図柄乱数等についても大当たり判定乱数値等と同様に特別図柄始動手段26が遊技球を検出した時点で取得し、特別乱数記憶手段63に記憶させるように構成してもよい。
特別図柄処理手段64は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段32が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段63に最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値(特定判定乱数値)が予め定められた大当たり判定値(特定判定値)と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段63に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値又は新たに取得された外れ図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて演出図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択機能等を備えている。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)65は、大入賞手段27を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段64による判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段32による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となることに基づいて特別利益状態(利益状態)を発生させるようになっている。本実施形態の開放パターンは、大入賞手段27の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段27を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別図柄表示制御手段66は、特別図柄表示手段32の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて特別図柄表示手段32による特別図柄の変動を開始させると共に、選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段67は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段63に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に基づいて、その大当たり図柄乱数値が所定の確変判定値と一致しない場合には時短状態を、一致する場合には確変状態を夫々発生させるように構成されている。
時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段32の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口26bの開閉手段39の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了する。
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。
先読み判定手段68は、特別図柄始動手段26が遊技球を検出したときに取得される大当たり判定乱数値等(変動記憶情報)の内容を、特別図柄処理手段64による判定よりも前の所定時点、例えばそれらの乱数値を取得した時点で事前に判定するもので、例えばその大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致するか否か、及び大当たり図柄乱数値が確変判定値と一致するか否かに応じて、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致しない「外れ保留記憶」、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が確変判定値と一致しない「通常大当たり保留記憶」、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が確変判定値と一致する「確変大当たり保留記憶」の何れであるかを判定するようになっている。
制御コマンド送信手段69は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減少を指定する保留減少コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、演出図柄の変動後の停止図柄の抽選を指示する停止図柄コマンドをこの順序で演出制御基板42側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に特別保留個数の増加を指定する保留増加コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、遊技状態が変化する際に遊技状態コマンドを演出制御基板42側に送信する機能等を備えている。
ここで、保留増加コマンドは、例えば図3に示すように、増加後の保留個数を示す保留1〜保留4に対応する4種類のコマンドが、外れ保留記憶、通常大当たり保留記憶、確変大当たり保留記憶の3種類に対応して3組設けられている。また、保留減少コマンドは、例えば減少後の保留個数を示す保留0〜保留3に対応する4種類が設けられている(図示省略)。
演出制御基板42は、画像表示手段29、音声出力手段71、ランプ手段72等の各種演出手段を制御するためのもので、図柄変動演出制御手段73、特別保留個数表示制御手段74、操作演出制御手段75等を備えている。
図柄変動演出制御手段73は、演出図柄34の変動表示制御及びそれに伴う音声出力手段71、ランプ手段72等の制御を行うもので、主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信し、その後所定時間内に停止図柄コマンドを受信することを条件に、演出図柄34の変動後の停止図柄を抽選により決定すると共に変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づいて画像表示手段29上で所定の演出画像と共に演出図柄34の変動を開始させ、変動停止指定コマンドを受信したときに、抽選により決定された停止図柄で演出図柄34の変動を停止させ、またその演出図柄34の変動表示に合わせて音声出力手段71から所定の効果音を出力し、ランプ手段72を所定のパターンで発光させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段74は、画像表示手段29への特別保留個数の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段26により新たに遊技球が検出され、主制御基板41から保留増加コマンドを受信したときに、その保留増加コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、画像表示手段29上に保留表示画像35を1個追加的に表示し、また特別図柄の変動開始時に主制御基板41から保留減少コマンドを受信したときに、第1番目の保留に対応する保留表示画像35を消去すると共に第2番目以降の保留に対応する保留表示画像35を前側にシフトさせるようになっている。
本実施形態では、保留表示画像35の表示態様として、図3に示すように先読み非表示態様35aと先読み表示態様35bとが設けられている。先読み表示態様35bは、先読み判定手段68による先読み判定結果に対応するもので、外れ保留記憶に対応する例えばゾウのキャラクターよりなる外れ表示態様、通常大当たり保留記憶に対応する例えばライオンのキャラクターよりなる通常大当たり表示態様、確変大当たり保留記憶に対応する例えばキリンのキャラクターよりなる確変大当たり表示態様の3種類が設けられている。また、先読み非表示態様35aは、先読み判定手段68による先読み判定結果を表示しない表示態様で、例えば先読み表示態様35bの何れとも異なる「○(白丸)」の表示態様となっている。
また、特別保留個数表示制御手段74は、通常時には画像表示手段29上に保留表示画像35を先読み非表示態様35aで表示し、新たな保留記憶に対して後述する先読み予告演出に当選し、その操作有効期間中に演出用操作手段12が操作された場合に、操作演出制御手段75の制御に基づいて、新たな保留記憶に対応する保留表示画像35を先読み非表示態様35aから先読み表示態様35bに切り換えるようになっている。
操作演出制御手段75は、演出用操作手段12の操作を伴う操作演出を制御するもので、操作演出開始処理手段81、操作有効期間報知処理手段82、操作入力監視処理手段83等を備えている。
操作演出開始処理手段81は、操作演出の開始制御を行うもので、図5に示すような操作演出開始処理を、例えば微少時間間隔(例えば4msec毎)で行われる定期割り込み毎に実行するようになっている。ここで、操作演出は、所定の操作有効期間中に演出用操作手段12が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行するもので、本実施形態では、「先読み予告演出」と「図柄予告演出」の2種類の操作演出が設けられているものとする。
先読み予告演出は、先読み判定手段68による判定結果に関する操作時演出処理を実行するもので、この先読み予告演出に当選すると、例えば保留増加後の第1操作有効期間中(図8参照)に演出用操作手段12が操作されることに基づいて、その増加した保留記憶に対応する保留表示画像35の表示態様が先読み非表示態様35aから先読み表示態様35bに切り換えられる(以下、第1操作時演出処理)ようになっている。
また、図柄予告演出は、特別図柄及び演出図柄の変動表示中にその変動結果に関する操作時演出処理を実行するもので、この図柄予告演出に当選すると、例えば特別図柄及び演出図柄の変動中の第2操作有効期間中(図8参照)に演出用操作手段12が操作されることに基づいて、複数種類の図柄予告演出画像84の何れかが画像表示手段29に表示される(以下、第2操作時演出処理)ようになっている。
操作演出開始処理手段81による操作演出開始処理(図5)では、まず保留増加コマンドと変動パターン指定コマンドとの何れかを受信したか否かが判定される(S1,S5)。保留増加コマンドと変動パターン指定コマンドとの何れも受信していない場合にはここで操作演出開始処理は終了する。
保留増加コマンドを受信したと判定された場合には(S1:Yes)、先読み予告演出を行うか否かの抽選(S2)で当選することを条件に(S3:Yes)、先読み予告演出が開始され(S4)、また変動パターン指定コマンドを受信したと判定された場合には
(S5:Yes)、図柄予告演出を行うか否かの抽選(S6)で当選することを条件に
(S7:Yes)、図柄予告演出が開始され(S8)、操作演出開始処理は終了する。
なお、例えば先読み予告演出の開始時(S4)には、受信した保留増加コマンドに基づいて、新たな保留記憶に対応する先読み表示態様35bが複数種類(ここでは3種類)の中から抽選により選択される。後に行われる第1操作時演出処理では、新たな保留記憶に対応する保留表示画像35が、先読み非表示態様35aからここで選択された先読み表示態様35bに切り換えられる。
なお本実施形態では、図3に示すように、外れ保留記憶に対しては、真の表示である外れ表示態様(ゾウ)の選択率が49/50と高確率に設定されている一方、偽の表示である通常確率時大当たり表示態様(ライオン)、確変時大当たり表示態様(キリン)の選択率が夫々1/100,1/100に設定されている。また、通常確率時大当たり保留記憶、確変時大当たり保留記憶に対しては、通常確率時大当たり表示態様(ライオン)又は確変時大当たり表示態様(キリン)と外れ表示態様(ゾウ)との選択率が夫々1/2,1/2に設定されており、通常確率時大当たり保留記憶又は確変時大当たり保留記憶であっても、大当たりに対応する予告演出が出現するのは1/2の確率となっている。このように、外れ保留記憶の場合でも僅かながら通常確率時大当たり表示態様等が選択される可能性があり、また通常確率時保留記憶等の場合でも一定の確率で外れ表示態様が選択されるようになっている。
また、例えば図柄予告演出の開始時(S8)には、受信した変動パターン指定コマンド等に基づいて、複数の図柄予告演出画像84の何れかが抽選により選択される。後に行われる第2操作時演出処理では、ここで選択された図柄予告演出画像84が画像表示手段29に表示される。なお本実施形態の図柄予告演出画像84は、大当たり信頼度(当該変動で大当たりとなる可能性の目安を示すものであって正確な値である必要はない)を表示するようになっており、表示する大当たり信頼度の値が異なる5種類の図柄予告演出画像84について、特別図柄処理手段64による大当たり判定結果が外れの場合と大当たりの場合とで夫々図4に示すような選択率が設定されているものとする。
操作有効期間報知処理手段82は、操作演出に関する操作有効期間中であることを報知するもので、図6に示すような操作有効期間報知処理を、例えば定期割り込み毎に実行するようになっている。操作有効期間報知処理(図6)では、まず何れかの操作演出に関する操作有効期間中であるか否かが判定され(S11)、第1操作有効期間中でも第2操作有効期間中でもない場合には(S11:No)ここで操作有効期間報知処理は終了するが、第1操作有効期間中及び/又は第2操作有効期間中であれば(S11:Yes)、第1操作有効期間と第2操作有効期間とが重複する重複有効期間(重複期間)中であるか、そうでない単独有効期間中であるかが判定される(S12)。
なお、第1操作有効期間は、特別保留個数の増加時に開始される先読み予告演出の操作有効期間であるから、例えば特別保留個数の増加後の一定期間に設定される。また、第2操作有効期間は、特別図柄及び演出図柄の変動開始時に開始される図柄予告演出の操作有効期間であるから、特別図柄及び演出図柄の変動中の一定期間に設定される。従って、重複有効期間は、例えば図8に示すように、新たな特別図柄の変動開始のタイミングと、特別保留個数の増加のタイミングとが比較的近い場合などに発生する。もちろん、特別保留個数の増加タイミングは種々考えられるため、例えば1回の図柄変動中に第1操作有効期間と第2操作有効期間とが共に出現し、それらが重複する場合も考えられる。またこのような場合には、一方の操作有効期間の中に他方の操作有効期間が全て含まれてしまう場合も想定されるが、第1操作有効期間が第2操作有効期間の中に全て含まれている場合には第1操作有効期間全体が重複有効期間となり、逆に第2操作有効期間が第1操作有効期間の中に全て含まれている場合には第2操作有効期間全体が重複有効期間となる。
そして、単独有効期間中であれば単独有効期間報知画像36aが(S12:No→S14)、重複有効期間中であれば重複有効期間報知画像36bが(S12:Yes→S13)、画像表示手段29に表示され、操作有効期間報知処理は終了する。ここで、単独有効期間報知画像36aは、演出用操作手段12の操作が有効な操作有効期間中であってしかもそれが単独有効期間であることを報知するためのもので、例えば図9(a)に示すように演出用操作手段12の操作を促す画像1つで構成されている。また、重複有効期間報知画像36bは、演出用操作手段12の操作が有効な操作有効期間中であってしかもそれが重複有効期間であることを報知するためのもので、例えば図9(b)に示すように、単独有効期間報知画像36aと同様の画像を2つ並べた構成となっている。
なお、画像表示手段29への有効期間報知画像36a,36bの表示と合わせて、他の報知手段による報知、例えば演出用操作手段12のLED13の発光等を行うことで、より確実に遊技者を演出用操作手段12の操作へと誘導することができる。この場合も、単独有効期間中と重複有効期間中とで報知内容(例えばLED13の発光状態)を異ならせることが望ましい。
操作入力監視処理手段83は、操作時演出処理の開始制御を行うもので、図7に示すような操作入力監視処理を、例えば定期割り込み毎に実行するようになっている。操作入力監視処理(図7)では、まず演出用操作手段12が操作されたか否かが判定され(S21)、操作されたと判定された場合には(S21:Yes)、何れかの操作有効期間中であるか否かが判定される(S22〜S24)。そして、演出用操作手段12が操作されていないか(S21:No)、操作されてもそれが操作有効期間中でない場合には(S22,S23,S24:No)、ここで操作入力監視処理は終了する。
演出用操作手段12が操作され且つそれが第1操作有効期間中(重複有効期間中を除く)であると判定された場合には(S23:Yes)、新たな保留記憶に対応する保留表示画像35の表示態様を先読み非表示態様35aから先読み表示態様35bに切り換える第1操作時演出処理が実行される(S23a)。即ち、例えば特別保留個数が2個から3個に増加した場合には、図10に示すように、その第3番目の保留記憶に対応する保留表示画像35の表示態様が、先読み非表示態様35a(○)から、当該先読み予告演出の開始時(S4)に選択された先読み表示態様35b、例えば通常大当たり表示態様(ライオン)に切り換えられる。
また、演出用操作手段12が操作され且つそれが第2操作有効期間中(重複有効期間中を除く)であると判定された場合には(S24:Yes)、図柄予告演出画像84を画像表示手段29に表示する第2操作時演出処理が実行される(S24a)。即ち、図11に示すように、当該図柄予告演出の開始時(S8)に選択された図柄予告演出画像84、例えば「大当たり信頼度80%」の文字が表された図柄予告演出画像84が、例えば変動中の演出図柄34に重なるように画像表示手段29上に表示される。
また、演出用操作手段12が操作され且つそれが重複有効期間中であると判定された場合には(S22:Yes)、第1操作時演出処理と第2操作時演出処理とが結合された結合演出処理が実行される(S22a)。この結合演出処理は、第1操作時演出処理と第2操作時演出処理との単なる並行処理とは異なる別個の操作時演出処理であり、本実施形態では、図12に示すように、先読み予告演出の開始時(S4)に選択された先読み表示態様35bのキャラクター(例えばライオン)と、図柄予告演出の開始時(S8)に選択された図柄予告演出画像(例えば「大当たり信頼度80%」)とを結合した新たな結合予告演出画像86を画像表示手段29上に表示するようになっている。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、先読み予告演出と図柄予告演出の2種類の操作演出を設け、先読み予告演出に係る第1操作有効期間と、図柄予告演出に係る第2操作有効期間とが重複する重複有効期間中に演出用操作手段12が操作されることを条件に、その重複有効期間専用に設けられた結合演出処理を実行するように構成されているため、特定の操作演出が優先されることによって演出が単調になったり、或いは非優先側の操作演出について最適な出現タイミングを逃すなどの問題は発生せず、各操作演出の相乗効果によって十分な演出効果を得ることができる。また、結合演出処理は、2種類の操作演出についての操作時演出処理が結合された結合演出処理であって、しかもそれら2種類の操作演出についての操作時演出処理の並行処理とは異なる態様に構成されているため、重複有効期間中に操作すると通常見られない特別な演出を見ることができるという付加価値要素が追加され、遊技者により強くアピールすることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、操作演出は3種類以上設けてもよい。この場合、2以上の操作有効期間が重複する場合にその期間を重複有効期間とすることができる。
各操作演出の内容、即ちそれらの開始条件や操作時演出処理の内容等については任意である。例えば結合演出処理は、実施形態のように、操作有効期間が重複した複数の操作演出における操作時演出処理の内容を結合したものであることが望ましいが、少なくとも各操作演出の操作時演出処理とは異なるものであればよい。また、単独有効期間報知画像36a、重複有効期間報知画像36bも任意であり、単独有効期間であるか重複有効期間であるかを遊技者が判別できればよい。
演出用操作手段12は押しボタン式のものに限られるものではなく、タッチ式、レバー式等どのようなものでもよい。また、演出用操作手段を複数設け、操作演出毎に異なる操作手段を操作させるように構成してもよい。この場合、重複有効期間中はそれら複数の操作手段のうちの特定の操作手段を操作することにより重複有効期間に係る全ての操作演出について操作したものとみなすようにしてもよい。
実施形態では、先読み判定手段68による判定結果に関する操作時演出処理を実行する先読み予告演出と、特別図柄及び演出図柄の変動表示中にその変動結果に関する操作時演出処理を実行する図柄予告演出との2種類の操作演出を設けた例を示したが、複数の操作演出が設けられていればよく、各操作演出の内容は任意である。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。