JP2013063199A - 超音波プローブおよび超音波画像診断装置 - Google Patents

超音波プローブおよび超音波画像診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】超音波を良好に受発信できる超音波プローブおよび超音波画像診断装置を提供すること。
【解決手段】開口部211を有するセンサーアレイ基板2と、センサーアレイ基板2上に設けられて、開口部211を閉塞する支持膜3と、支持膜3の厚み方向から見る平面視において、開口部211の内側領域に設けられ、支持膜3上に形成される圧電体と、平面視において、少なくとも開口部211が形成される領域において、支持膜3との間で、外部空間から密閉される第1空間S1を形成するとともに、開口部211に対向して、被検体に接触可能な接触部522を備える第1樹脂部52と、第1空間S1に連通し、外部空間から密閉される第2空間S2を形成する第2樹脂部53と、第1空間S1及び第2空間S2に充填される超音波伝達媒体6と、を備える。第2樹脂部53の少なくとも一部には、支持膜3の膜厚方向の剛性よりも小さい剛性の可撓部532が設けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、被検体に超音波を送信し、その反射波(エコー)を受信する超音波プローブ、および、その超音波プローブを備える超音波画像診断装置に関する。
従来、超音波を受発信する超音波トランスデューサーを用いて、検査対象の位置や状態などを検出する超音波センサーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1には、超音波トランスデューサーを備える超音波出力部と、超音波出力部上に設けられる音響インピーダンス整合層とで構成される液体検知ユニット(超音波センサー)が開示されている。この液体検知ユニットでは、超音波出力部の一面側の一部に超音波受発信面が形成されている。また、音響インピーダンス整合層は、超音波出力部の一面側に形成され、超音波出力部と接する面と反対側に、超音波を出力する出力面を有している。この出力面には、流動性結合剤保持凹部が形成され、液体検知ユニットの出力面を容器に接触させる際、流動性結合材保持凹部に流動性結合剤を充填して、出力面を容器に接触させる。
また、超音波出力部の一面側に筒状の凹部形成用部材を設け、この凹部形成用部材の内部に音響インピーダンス層を充填することで、流動性結合剤保持凹部を形成し、出力面を容器に接触させる際、流動性結合材保持凹部に流動性結合剤を充填する構成が開示されている。
特開2009−25179号公報
ところで、超音波トランスデューサーを用いて生体の状態を検出する場合には、特許文献1に記載の液体ユニットの出力面を生体に接触させて、超音波を受発信することが考えられる。生体の状態を良好に検出するには、出力面を生体に密着させることが好ましい。
しかしながら、上述した特許文献1では、出力面には、流動性結合剤保持凹部が形成されており、この流動性結合剤保持凹部に流動性結合剤を充填して生体と接触させる。この場合、流動性結合剤が流動性結合剤保持凹部から流れ出ると、生体と出力面とを密着させることができなかったり、生体と出力面との間に気泡が生じたりして、気泡により超音波が反射されて正しい検出処理を行えないという問題がある。そこで、凹部を設けず、出力面を平坦にし、生体を出力面に押し付けて密着させることが考えられる。しかしながら、この場合には、生体と出力面とが密着するものの、出力面が内側に撓み、音響インピーダンス層に隣接して設けられた超音波トランスデューサーの超音波受発信面も変形してしまう。
また、筒状の凹部形成用部材を超音波出力部の超音波受発信面が設けられる一面側に形成し、凹部形成用部材の端部に出力面を形成して凹部形成用部材の内部を密閉し、かつこの密閉された凹部形成用部材の内部に液体の音響インピーダンス層を設ける構成も考えられる。しかし、この場合でも出力面に生体を密着させると、出力面の撓みにより液体の音響インピーダンス層の内圧が高くなり、この内圧により超音波受発信面も変形する。
このように、超音波トランスデューサーが変形すると、超音波受発信面の振動の変位量が小さくなり、超音波を良好に受発信できないという問題がある。
本発明の目的は、超音波を良好に受発信できる超音波プローブおよび超音波画像診断装置を提供することにある。
本発明の超音波プローブは、
開口部を有する基板と、
前記基板上に設けられて、前記開口部を覆う支持膜と、
前記支持膜上で、前記支持膜の厚み方向から見る平面視において、前記開口部内に設けられる圧電体と、
前記平面視において、前記開口部を含む第1空間を形成する第1樹脂部と、
前記第1空間に連通する第2樹脂部と、
前記第1空間、前記第2空間、及び、前記第1空間と前記第2空間との連通部、に充填される液体と、を備え、
前記第1空間の容積、及び、前記第2空間の容積を変化させるように、前記第1樹脂部及び前記第2樹脂部は変形可能であることを特徴とする。
本発明では、第1樹脂部を人体等の被検体に押し当てた場合、第1樹脂部は変形し、第1空間内の液体は第2空間に流れる。すなわち、検査時に超音波プローブを動かしても、常に被検体と第1樹脂部との密着性が良好になる。
従って、被検体が第1樹脂部に密着され、第1空間内の内圧が高くなった場合でも、支持膜の変形を抑制できる。したがって、圧電体に電圧を印加して支持膜を振動させる場合や、超音波を支持膜で受信して振動させる場合に、支持膜の振動が減衰せず、超音波を良好に受発信できる。
本発明の超音波プローブにおいて、
前記開口部は同じ面積で、一定の間隔で複数設けられ、各々の前記開口部内に前記圧電体が配置される、
ことが好ましい。
本発明では、開口部を覆う支持膜が振動することで、超音波を送信及び受信することができる為、超音波の反射波(エコー)の画像を取得する場合、同じ面積で一定の間隔で配置することで、高精度の画像を取得することができる。
本発明の超音波プローブにおいて、
前記基板の開口部は、前記基板の厚み方向に貫通して形成され、
前記支持膜は、前記基板の一面側を覆い、
前記第1樹脂部は、前記支持膜に対して開口するとともに、この開口端が前記基板の一面側と反対側の他面側に接続されることで前記第1空間を形成する第1凹部を有し、
前記第2樹脂部は、前記支持膜に対して開口するとともに、この開口端が前記基板の他面側に接続されることで前記第2空間を形成する第2凹部を有することが好ましい。
ところで、各凹部の開口端が基板の一面側を覆う支持膜に接続されている場合において、検査対象を基板の開口部に対向する第1樹脂部に対して強く密着させると、その当接部が支持膜に接触し、支持膜に設けられた圧電体に接触するおそれがある。これにより、支持膜や圧電体を破損することがある。
本発明では、第1樹脂部の第1凹部及び第2樹脂部の第2凹部の開口端は、支持膜が覆っていない側の基板の他面側に接続されている。このため、第1空間は、第1凹部の内部に加えて、開口部の内側領域も含んで形成される。そして、検査対象が、第1樹脂部に対して強く密着し、その当接部が押圧されて支持膜側に大きく撓んだ場合、当接部が基板に接触することとなる。すなわち、当接部が支持膜や圧電体に接触することがなく、支持膜や圧電体が破損することを防止できる。
本発明の超音波プローブにおいて、
前記第2樹脂部の変位を検出する変位検出手段と、
前記変位検出手段により前記第2樹脂部の変位を検出すると、前記圧電体への電圧印加処理、または、前記圧電体から出力される信号の検出処理を実施する超音波受発信手段とを備えることが好ましい。
本発明では、第2樹脂部の変位を検出する変位検出手段を備えている。このため、変位検出手段が第2樹脂部の変位を検出すると、検査対象が当接部に当接したことを検出できる。したがって、変位検出手段により、検査対象の当接を検出した後、超音波受発信手段により超音波の受発信を実施することで、検査対象に対して確実に超音波を到達させることができる。
本発明の超音波プローブは、
筐体と、
液体が充填される液体充填空間と、
前記液体充填空間の一部を形成し、前記筐体の外側に位置し、柔軟性のある樹脂から成る接触部と、
前記液体充填空間の一部を形成し、柔軟性のある樹脂から成る可撓部と、を備え、
前記接触部から超音波を送受信することを特徴とする。
上記の構成では、液体充填空間が柔軟性のある接触部と柔軟性のある可撓部で形成されているので、被検体に接触部を押し付け、接触部が変形すると、それに倣って可撓部も変形し、常に、被検体と接触部は密着状態を維持することができるので、接触部から超音波を良好に送受信できる。
前述した本発明の超音波プローブにおいて、
前記可撓部は前記筐体の外側に位置しても良い。
この構成にすることで、接触部の変形に伴う可撓部の変形を目視して確認することができる。
前述した本発明の超音波プローブにおいて、
前記可撓部は前記筐体の外側に位置しても良い。
この構成にすることで、作業中に誤って可撓部に触れることがないので、接触部と被検体との密着性を悪くすることがない。
本発明の超音波画像診断装置は、前述した何れかの超音波プローブを備えることを特徴とする。
この発明では、既に説明したとおり、被検体と接触部との密着性が良好になり、高精度のエコー画像を取得することができる。
本発明の第1実施形態に係る超音波画像診断装置の構成を示す概略図。 前記第1実施形態に係る超音波画像診断装置に用いる超音波プローブの要部構成図であり、(A)は実施例を示し、(B)は図2(A)の変形例を示す図。 前記第1実施形態に係る超音波プローブの要部を模式的に示す断面図。 前記第1実施形態に係る超音波トランスデューサーを示す断面図。 前記第1実施形態に係る超音波トランスデューサーの配置レイアウトを示す模式図。 前記第1実施形態に係る超音波プローブの要部の作用を模式的に示す断面図。 本発明の第2実施形態に係る超音波プローブの要部の作用を模式的に示す断面図。 前記第2実施形態に係る超音波プローブの要部の変形例の作用を模式的に示す断面図。 本発明の第3実施形態に係る超音波プローブのブロック図。
[第1実施形態]
以下、本発明に係る第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、超音波画像診断装置300の構成を示す概略図であり、図2は、その超音波画像診断装置300に用いる超音波プローブ100の要部構成図である。図3は、超音波プローブ100に内蔵される検査装置1に組み込まれる超音波受発信部10を模式的に示す断面図である。
[超音波画像診断装置の構成]
本実施形態の超音波画像診断装置300は、図1に示すように、超音波プローブ100と超音波観測装置200とから構成される。この超音波プローブ100は、筐体100a、ケーブル100b、コネクタ100cを備えている。筐体100aには、被検体と接する部分である接触部522と、可撓部532を備えている。なお、接触部522と可撓部532は筐体100aから外部に露出している。
超音波プローブ100は、超音波観測装置200の装置本体200aに接続され、オペレーターは操作部200bによって、超音波プローブ100の駆動条件を設定し、表示モニター200cに被検体のエコー画像が表示される。
超音波画像診断装置に用いる超音波プローブ100の要部構成図を図2(A)に示す。被検体に接触させる接触部522は、柔軟性のある樹脂材5によって形成されている。この接触部522と同様に、樹脂材5で可撓部532が形成されている。超音波トランスデューサー4の内部には、複数の圧電体41がアレイ状に配列された超音波トランスデユーサー4が設けられている。そして、超音波トランスデューサー4と樹脂材5によって囲まれる空間Sが設けられ、空間Sは第1空間S1と第2空間S2に区画され、第1空間S1と第2空間S2は連通空間S3によって連通されている。この空間Sには、液体の超音波伝達媒体6が充填されている。すなわち、空間Sは液体充填空間である。
被検体に接触部522を押し付けると、接触部522は被検体の表面凹凸に倣って変形し、接触部522と被検体とを密着させることが可能となり、被検体と超音波トランスデューサー4との間で超音波を伝達させることが可能となる。
超音波トランスデュ−サー4は、圧電体4を駆動及び制御する制御部8と接続されている。本発明の超音波プローブ100は、少なくとも、接触部522、可撓部532、空間S、超音波伝達媒体6、超音波トランスデューサー4、及び制御部8を含む構成になっている。実施例では、接触部522と可撓部532は同じ樹脂材5で形成されているが、柔軟性のある材料であれば、異なる材料で形成しても良い。
また、図2(A)の実施例では、接触部522と可撓部532は両方共、筐体100aから外部に露出している例を示したが、可撓部532は必ずしも外部に露出していない構造であっても良い。本発明の超音波受発信部10では、接触部522を押して変形させると、それに応じて、可撓部532が膨れるように変形する為、なるべく、可撓部532を外部と接触させないように作業することが望ましい。
図2(A)の実施例の変形例を、図2(B)に示す。この変形例では、可撓部532は、筐体100aの内部に設けられ、外部から可撓部532を触ることができない構成になっている。可撓部532が配置される空間である第4空間S4は、外部と空気孔9で連通している。これにより、作業中に誤って可撓部532を押さえつけて、接触部522が変形しにくくなり、被検体との密着性が悪くなるといった不具合が防止できる。
[超音波受発信部の構成]
検査装置1の超音波受発信部10は、図3に示すように、基板としてのセンサーアレイ基板2と、センサーアレイ基板2に積層される支持膜3と、超音波の受発信を行う複数の超音波トランスデューサー4と、支持膜3を覆って支持膜3との間で空間Sを形成する樹脂材5と、空間Sに充填される液体の超音波伝達媒体6とで概略構成される。なお、超音波トランスデューサー4の構成については、後述する。
センサーアレイ基板2は、複数の超音波トランスデューサー4が配置される領域である第1支持部21と、第1支持部21の外周部に隣接する第2支持部22とで構成され、例えば単結晶シリコン(Si)などの半導体形成素材により形成される。また、センサーアレイ基板2には、後述する超音波トランスデューサー4の形成位置に対応し、センサーアレイ基板2の基板面に対して直交する方向から当該センサーアレイ基板2を見た平面視(センサー平面視)で略円形となる開口部211が形成されている。なお、この開口部211の半径aとして、例えば50μmに形成されている。
また、センサーアレイ基板2上には、支持膜3が一様の厚み寸法で形成される。これにより、開口部211は、支持膜3により閉塞される。支持膜3の厚み寸法h1として、例えば2μmに形成されている。また、以降の説明において、支持膜3のうち、開口部211を閉塞する領域をダイアフラム30と称する。
具体的には、この支持膜3は、センサーアレイ基板2上に形成されるSiO2層と、SiO2層上に形成されるZrO2層とを備えた二層構造により形成されている。このような支持膜3は、例えば、Siにより形成されるセンサーアレイ基板2を熱酸化することでSiO2層を形成した後、Zr層を成膜し、Zr層を熱酸化してZrO2層とすることで形成される。
また、支持膜3は、SiO2層とZrO2層とを備えた二層構造であるが、本実施形態での以下の演算では、支持膜3のヤング率Eとしては、支持膜3の二層を合わせて、約70GPaとする。また、上述したように、開口部211の半径aは、50μmであるため、ダイアフラム30の半径aも同様に、50μmであり、面積は7.85×10-3(mm2)となる。この場合、ダイアフラム30の曲げ剛性Dは、ポアソン比νを0.3として、以下の式(1)から算出すると、5.13×10-8(Pa・m3)となる。
なお、本実施形態では、この開口部211として、ダイアフラム30が撓む際の応力バランスが良好な円形に形成される例を示すが、例えば矩形状や楕円形状に形成される形状としてもよい。
Figure 2013063199
・・・(1)
D:曲げ剛性(Pa・m3)、E:ヤング率(Pa)、h:厚さ寸法(m)、ν:ポアソン比
そして、曲げ剛性Dに基づいて、開口部211を閉塞するダイアフラム30の最大撓み量ωmaxは、以下の式(2)から算出すると、1.9×10-12×q(m)となる。
Figure 2013063199
・・・(2)
ωmax:最大撓み量(m)、q:単位面積当たりの荷重(Pa)、a:開口部、可撓部の半径(m)
樹脂材5は、センサーアレイ基板2上の支持膜3の外周縁に密着して、センサーアレイ基板2を囲んで形成され、センサーアレイ基板2との間で外部空間から密閉される空間Sを形成する。そして、空間Sには、超音波伝達媒体6が充填されている。この樹脂材5としては、例えば、シリコーンゴムにより形成されている。
より具体的には、樹脂材5は、空間Sを第1空間S1及び第2空間S2に区画するとともに、各空間S1,S2を連通する連通孔511が形成された区画部51と、区画部51及び支持膜3とともに、第1支持部21上に第1空間S1を形成する第1樹脂部52と、区画部51及び支持膜3とともに、第2支持部22上に第2空間S2を形成する第2樹脂部53とを備える。
第1樹脂部52は、センサーアレイ基板2の第1支持部21の外周縁上に立設される第1樹脂壁部521と、第1支持部21に対向し、超音波受発信装置10の一面側に臨む接触部522とを備える。ここで、接触部522は、第1樹脂壁部521の支持膜3から離れる側の端部から、区画部51の支持膜3から離れる側の端部に亘って、形成されている。すなわち、これらの第1樹脂壁部521、接触部522、及び区画部51は、本発明の第1樹脂部を構成し、第1樹脂壁部521、接触部522、及び区画部51で形成される部分は、本発明の第1凹部である。また、第1樹脂壁部521、接触部522、及び区画部51は、センサーアレイ基板2上に形成される支持膜3との間に、外部空間から密閉された第1空間S1を形成している。
第2樹脂部53は、支持膜3上で、第1支持部21の面外方向に設けられる第2支持部22の外周縁に沿って立設される第2樹脂壁部531と、第2支持部21に対向し、超音波受発信装置10の一面側に臨む可撓部532とを備える。ここで、可撓部532は、第2樹脂壁部531の支持膜3から離れる側の端部から、区画部51の支持膜3から離れる側の端部に亘って、形成されている。すなわち、これらの第2樹脂壁部531、可撓部532、及び区画部51は、本発明の第2樹脂部を構成し、第2樹脂壁部531、可撓部532、及び区画部51で形成される部分は、本発明の第2凹部である。また、第2樹脂壁部531、可撓部532、及び区画部51は、センサーアレイ基板2上に形成される支持膜3との間に、外部空間から密閉された第2空間S2を形成している。
区画部51は、上述したように、空間Sを第1空間S1及び第2空間S2に区画する部分であり、支持膜3上で、センサー平面視において、第1支持部21と、第2支持部22との境界部に沿って形成されている。また、この区画部51に形成される連通孔511は、図3に示すように、支持膜3と区画部51との間に形成されていたが、区画部51を貫通させて形成してもよい。また、連通孔511が形成される数についても、第1空間S1及び第2空間S2を連通する複数の連通孔511が形成される構成であってもよく、例えば、区画部51の壁面方向(図3において紙面に直交する方向)に沿って長手状となる1つの連通孔511が形成される構成であってもよい。
上述したような樹脂材5は、第1樹脂壁部521及び第2樹脂壁部531の壁厚み寸法Tは、例えば1mmに形成され、接触部522及び可撓部532の厚み寸法h2も同様に、1mmに形成されている。また、樹脂材5が支持膜3を覆う高さ寸法H(第1樹脂壁部521、第2樹脂壁部531、及び区画部51の支持膜3からの高さ寸法H)は、2mmである。また、センサー平面視において、接触部522のサイズは、3mm×3mmに形成され、可撓部532のサイズは、3mm×2mmに形成される。すなわち、可撓部532の面積は、6(mm2)となる。また、上述したように、樹脂材5としては、シリコーンゴムが用いられるが、このシリコーンゴムの常温でのヤング率Eは、常温から人体の体温の温度条件下で、約4.0×106(Pa)となる。この場合、可撓部532の曲げ剛性Dは、ポアソン比νを0.5として、上述の式(1)を用いて算出すると、4.44×10-4(Pa・m3)となる。
なお、本実施形態では、可撓部532の形状はセンサー平面視矩形状であるが、可撓部532をセンサー平面視円形状のダイアフラム30と対比し易くするために、可撓部532の面積が6(mm2)であることに基づいて、ここでは、可撓部532を円形状であると仮定して、半径aを1.5×10-3(m)とする。
そして、曲げ剛性Dに基づいて、可撓部532の最大撓み量ωmaxは、上述の式(1)から)を用いて算出すると、1.78×10-10×q(m)となる。
なお、本実施形態では、樹脂材5にシリコーンゴムが用いられていたが、これに限定されるものではなく、同様の物性を持つ材質であればよい。
また、本実施形態では、第1空間S1の容積は、第2空間S2の容積よりも大きくなるように形成されている。各空間S1,S2の容積についても、これに限定されるものではなく、第2空間S2の容積が第1空間S1の容積よりも大きく形成してもよく、両者を略同容積としてもよい。
なお、本実施形態では、第2空間S2は、1箇所のみ形成されたが、例えば、第2空間S2を、第1空間S1を挟んで2箇所形成する構成としてもよく、第1空間S1の外周全周に亘って形成する構成などとしてもよい。
超音波伝達媒体6は、超音波を効率よく伝達させるためのものである。本実施形態では、人体の内部を超音波により検査する装置であるため、例えば水や生理食塩水等の人体の音響インピーダンスと略等しい音響インピーダンスを有する液体が用いられる。また、超音波伝達媒体6として、粘度の高いカルボキシルメチルセルロース水溶液、ひまし油、流動パラフィン等が用いられていてもよい。
図4は、超音波トランスデューサー4を示す断面図である。図5は、超音波トランスデューサー4の配置レイアウトを示す模式図である。
超音波トランスデューサー4は、例えば、制御部からの信号に基づいて超音波を発信したり、超音波を受信したりして演算制御部に出力する素子である。この超音波トランスデューサー4は、図3に示すように、センサーアレイ基板2の第1支持部21上に複数設けられ、例えば、センサー平面視において、図3、5に示すように、縦方向に10個、横方向に10個配置されている。
このような超音波トランスデューサー4は、センサーアレイ基板2の第1支持部21と、支持膜3と、圧電体41とにより構成されている。
第1支持部21は、上述したように、センサーアレイ基板2の超音波トランスデューサー4が配置される部分であり、各超音波トランスデューサー4の形成位置に開口部211が形成されている。
支持膜3は、上述したように、センサーアレイ基板2上に形成され、開口部211を閉塞するダイアフラム30を形成する。
圧電体41は、ダイアフラム30上で、ダイアフラム30の中心位置に形成される膜状部材である。この圧電体41は、径寸法Lが例えば80μmの平面視円形状に形成され、開口部211の径寸法(100μm)よりも小さく形成されている。また、各圧電体41のピッチPが200μmとなるように、各圧電体41が配置されている。この圧電体41は、圧電膜411と、圧電膜411に電圧を印加する電極(下部電極412及び上部電極413)とを備えている。
圧電膜411は、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛:lead zirconate titanate)を膜状にして形成されている。なお、本実施形態では、圧電膜411としてPZTを用いるが、電圧を印加することで、面方向に収縮することが可能な素材であれば、いかなる素材を用いてもよく、例えばチタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO3)などを用いてもよい。
下部電極412及び上部電極413は、圧電膜411を挟んで形成される電極である。これらの上部電極413および下部電極412は、それぞれ開口部211側に形成される図示しない引出部により引き出されて、検査装置1の制御部に接続されている。
超音波トランスデューサー4では、制御部から圧電体41の電極412,413間に所定の駆動電圧が印加されると、圧電膜411が面方向に伸長したり、収縮したりする。これにより、ダイアフラム30が膜厚方向に振動し、ダイアフラム30から所定の駆動電圧の周期に応じた振動数の超音波が接触部522に向けて発信される。すなわち、超音波トランスデューサー4は、被検体へ向けて超音波を発信する発信部として機能する。
また、この超音波トランスデューサー4は、被検体の内部で反射された超音波を受信する受信部としても機能する。この場合、反射された超音波によりダイアフラム30が振動し、その振幅や周波数に応じた電気信号が圧電体41から下部電極412及び上部電極413を介して制御部に出力される。
ここで、制御部は、超音波トランスデューサー4のモードを超音波発信モード及び超音波受信モードのいずれかに切り替えることにより、超音波トランスデューサー4が、受信部及び発信部のいずれかとして機能する。
なお、本実施形態では、各超音波トランスデューサー4は、超音波の発信部及び受信部の両方を兼用し、制御部によりいずれか一方の機能に切り替える構成を例示したが、例えば、超音波発信専用の発信トランスデューサーと、超音波受信専用の受信トランスデューサーとが複数配置される構成などとしてもよい。また、この場合、これらの発信トランスデューサーと受信トランスデューサーとを例えば交互に配置するなどして、1つのアレイ基板に配置する構成としてもよく、複数の発信トランスデューサーにより構成される発信アレイ基板と、複数の受信トランスデューサーにより構成される受信アレイ基板とを、異なる位置に配置する構成などとしてもよい。
[検査装置の動作]
図6は、検査装置1の動作を模式的に示す断面図である。
上述した検査装置1により、被検体を検査するためには、被検体が検査装置1の接触部522に密着するように、超音波プローブ100を装着する。この時、ダイアフラム30の撓み量は変化するが、通常、ダイアフラム30の最大撓み量ωmaxが1.9×10-12×q(m)程度であれば、被検体が接触部522に密着された状態となる。
このように、超音波プローブ100を装着することで、接触部522が支持膜3側に撓む。これにより、第1空間S1の容積が小さくなるとともに、第1空間S1の内圧が上昇する。
ここで、上述したように、ダイアフラム30の曲げ剛性Dは、可撓部532の曲げ剛性Dよりも十分に大きくなる。このため、第1空間S1の内圧の上昇により第1空間S1の超音波伝達媒体6が連通孔511を介して第2空間S2へ流れ、曲げ剛性Dが小さい可撓部532が外部空間に向かって膨出する。また、上記のように、ダイアフラム30の最大撓み量ωmaxが1.9×10-12×q(m)程度であり、可撓部532の最大撓み量ωmaxが1.78×10-10×q(m)程度であるので、可撓部532のみが膨出し、ダイアフラム30には撓みが生じない。
そして、例えば、オペレーターにより、操作部200b(図1参照)に設けられる入力ボタンが操作され、測定を開始する旨の操作信号が制御部に入力されると、制御部は、圧電体41の電極412,413間に所定の駆動電圧を印加する。これにより、各超音波トランスデューサー4は、ダイアフラム30から被検体に向けて超音波を発信する。そして、超音波は音響インピーダンスが人体と略同等である超音波伝達媒体6、接触部522を介して、接触部522に密着された被検体の内部に伝達される。また、この超音波の発信直後、制御部は、超音波トランスデューサー4の電極412,413への電圧印加を停止させる。すなわち、制御部は、超音波トランスデューサー4を超音波発信モードから超音波受信モードに切り替える。
一方、超音波トランスデューサー4から発信された超音波は、被検体内で反射されると、再び接触部522から超音波伝達媒体6を伝搬し、ダイアフラム30にて受信される。これにより、ダイアフラム30は、受信した超音波の強さに応じて振動し、ダイアフラム30上の圧電体41から検出信号(電流)が制御部に出力される。そして、制御部は、この入力された検出信号に基づいて、被検体内のエコー画像を計測し、超音波観測装置200の表示モニター200c(図1参照)にエコー画像を表示させる制御を実施する。
[第1実施形態の作用効果]
上述した第1実施形態の検査装置1によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態では、支持膜3の開口部211を閉塞する領域と第1樹脂部52との間で第1空間S1が形成され、この第1空間S1には、超音波伝達媒体6が充填されている。この超音波伝達媒体6には、人体の音響インピーダンスと略等しい音響インピーダンスを有する液体が用いられているので、超音波を減衰させることなく良好に伝達できる。また、第1樹脂部52の開口部211に対向する領域には接触部522が設けられ、この接触部522に被検体が密着することで、ダイアフラム30の振動により発生する超音波を被検体の内部に伝達させ、被検体の内部で反射される超音波をダイアフラム30に伝達させることができる。
ここで、上述のように、被検体を第1樹脂部52の接触部522に接触させると、接触部522が撓み、第1空間S1内の内圧が高くなる。ところが、本実施形態では、第2樹脂部53により、第1空間S1と連通する第2空間S2が設けられ、この第2樹脂部53には、ダイアフラム30の曲げ剛性Dよりも小さい曲げ剛性Dを有する可撓部532が設けられている。このため、第1空間S1内の内圧が高くなった場合でも、可撓部532が外部空間側に膨出し、第1空間S1内の超音波伝達媒体6が第2空間S2に流れる。
従って、被検体が接触部522に密着され、第1空間S1内の内圧が高くなった場合でも、ダイアフラム30の変形を抑制できる。したがって、圧電体41に電圧を印加してダイアフラム30を振動させる場合や、超音波をダイアフラム30で受信して振動させる場合に、ダイアフラム30の振動が減衰せず、超音波を良好に受発信できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る検査装置1Aについて、図面に基づいて説明する。
図7は、第2実施形態に係る検査装置1Aの作用を模式的に示す断面図である。図の説明にあたって、前記実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。以下の実施形態についても同様である。
第2実施形態での検査装置1Aは、センサーアレイ基板2と樹脂材5との間に空間Sを形成し、支持膜3をセンサーアレイ基板2の外部空間側の面上に配置する点で、前記第1実施形態と相違する。すなわち、前記第1実施形態の超音波トランスデューサー4の配置位置を変更したものである。
検査装置1Aは、支持膜3がセンサーアレイ基板2の外部空間側の面上に配置され、圧電体41が支持膜3において、第1樹脂部52の接触部522と対向する側と反対側の面上に配置される構成を備えている。すなわち、圧電体41は、第1空間S1の外部に配置されている。これらの構成では、第1支持部21の開口部211内も第1空間S1となり、開口部211内にも超音波伝達媒体6が充填される。
また、前記第1実施形態での超音波トランスデューサー4は、圧電膜411の支持膜3に対向する側と反対側の面から超音波が発信されたが、本実施形態での超音波トランスデューサー4は、圧電膜411の支持膜3に対向する側の面から超音波が発信される。
上述した第2実施形態の検査装置1Aによれば、圧電膜411の支持膜3に対向する側の面から超音波が発信される構成においても、前記第1実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、被検体が接触部522に強く密着することで、接触部522が押圧されて支持膜3側に大きく撓んだ場合でも、接触部522がセンサーアレイ基板2の第1支持部21に接触するので、圧電体41や支持膜3に接触することがなく、圧電体41や支持膜3が破損することを防止できる。
[第2実施形態の変形例]
図8は、第2実施形態の変形例に係る検査装置1Bの作用を模式的に示す断面図である。
本変形例では、第1支持部21には、支持膜3の膜厚方向と直交する方向に貫通する貫通孔212が形成されている。
ここで、被検体の内部が接触部522を強く押圧した場合に、図8に示すように、接触部522が第1支持部21に接触することがある。この場合において、図7に示すような前記第2実施形態の構成では、第1空間S1が第1樹脂部52により区画されてしまい、第1空間S1の第2空間S2側の超音波伝達媒体6は、第2空間S2へ流れやすいものの、第1空間S1の第2空間S2側と反対側の超音波伝達媒体6は、第1支持部21により第2空間S2へ流れにくくなるおそれがある。さらに、接触部522が第1支持部21に接触することで、接触部522が開口部211を閉塞してしまい、ダイアフラム30が第1空間S1の内圧の上昇により撓んでしまうおそれがある。
図8に示す本変形例の構成によれば、接触部522が第1支持部21に接触した場合でも、第1支持部21に貫通孔212が形成されているので、第1空間S1の第2空間S2側と反対側の超音波伝達媒体6は、貫通孔212を介して、第2空間S2へ向けて流れることができる。従って、前記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、接触部522が第1支持部21に接触した場合に、接触部522が開口部211を閉塞することで、ダイアフラム30が第1空間S1の内圧の上昇により撓んでしまうことも防止できる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る検査装置1Cについて、図面に基づいて説明する。以下では、図3、4も適宜参照して説明する。
図9は、第3実施形態に係る検査装置1Cのブロック図である。
第3実施形態での検査装置1Cには、第2樹脂部52の変位を検出する変位検出手段としての変位センサー7と、変位センサー7からの検出信号を検出して検査装置1Cを制御する制御部8とが設けられている点で前記各実施形態と相違する。
変位センサー7は、第2樹脂部53の可撓部532の変位を検出するものである。この変位センサー7は、可撓部532の変位を検出すると、制御部8へ検出信号を出力する。
ここで、変位センサー7としては、接触型のセンサーが用いられ、差動トランス方式によるものが例示できる。この場合には、電磁誘導によって2つのコイルに生じる電圧差により変位を検出する。なお、接触型のセンサーに限定されず、非接触型のセンサーを用いてもよく、例えば静電容量の変化により変位を検出する静電容量式や、超音波センサーを用いて超音波の反射時間により変位を検出するものや、可撓部532に歪検出素子を配置して、変位を検出するものであってもよい。
制御部8は、超音波トランスデューサー4の電極412,413へ電圧信号を出力、及び、圧電体41から出力される電圧信号に基づいて、脈拍や血圧などの血流状態を計測する処理を実施する超音波発信手段としての駆動電圧出力部81を備えている。
駆動電圧出力部81は、変位センサー7からの検出信号が入力されると、超音波トランスデューサー4の電極412,413へ電圧信号を出力する。一方、駆動電圧出力部81は、変位センサー7から検出信号の入力がない場合には、被検体が接触部522から離れたことを検知して、電極412,413へ電圧信号の出力を停止する処理を実施する。
また、駆動電圧出力部81は、超音波を受信した圧電体41から出力される電圧信号を検出して、この電圧信号に基づいて、脈拍や血圧などの血流状態を計測する処理を実施する。
まず、被検体を接触部522に接触させると、接触部522が内側に撓み、第1空間S1の超音波伝達媒体6が連通孔511を介して、第2空間S2へ流れる。
そして、第2空間S2を構成する可撓部532が膨出して、変位センサー7は、この変位を検出し、制御部8の駆動電圧出力部81へ検出信号を出力する。
駆動電圧出力部81は、変位センサー7から検出信号が入力されると、被検体が接触部522に接触したことを検知し、超音波トランスデューサー4を超音波発信モードに切り替えるとともに、超音波トランスデューサー4の電極412,413へ電圧信号を出力する。これにより、上述したように、電極412,413は、入力された電圧信号に基づいて、圧電膜411に所定の電圧を印加し、ダイアフラム30から超音波が接触部522へ発信される。そして、駆動電圧出力部81は、超音波トランスデューサー4を超音波受信モードに切り替える。
一方、接触部522に接触する被検体から反射された超音波をダイアフラム30が受信すると、制御部8の駆動電圧出力部81へ電圧信号を出力し、駆動電圧出力部81は、この電圧信号に基づいて、被検体の内部を、エコー画像として撮像する処理を実施する。
上述した第3実施形態の検査装置1Cによれば、前記第1実施形態での効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、制御部8は、被検体が接触部522に接触したことを検知でき、制御部8の駆動電圧出力部81が電極412,413へ電圧信号を出力する。このため、被検体が接触部522に接触している場合のみにおいて、超音波を確実に発信でき、被検体に超音波を確実に到達できる。
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、空間Sを区画部51で第1空間S1及び第2空間S2に区画していたが、区画部51を設けない構成であってもよい。この場合でも、接触部522に被検体が接触して、接触部522が内側に撓んだ場合に、超音波伝達媒体6が空間S内で流動でき、可撓部532を膨出させる。
前記各実施形態では、第1樹脂部52と第2樹脂部53とを同一の材質、同一の厚み寸法h2,Tで構成したが、異なる材質、また異なる厚み寸法であってもよい。また、可撓部532のみを異なる材質、異なる厚み寸法にしてもよい。また、可撓部532をセンサー平面視円形状に形成してもよい。
前記各実施形態では、可撓部532は、第2支持部22と対向するように形成されていたが、第2樹脂部53の側方に形成してもよい。
前記各実施形態では、センサー平面視において、第1樹脂部52の接触部522のサイズは、3mm×3mmに形成されていたが、これに限定されず、接触部522に接触する検査対象の形状や大きさに応じて形成してもよい。
前記各実施形態では、第1空間S1及び第2空間S2を連通する連通孔511を設けたが、チューブ等の管状部材により第1空間S1及び第2空間S2を連通してもよく、この場合には、第2空間S2が袋状に形成された第2樹脂部53のみにより構成され、第2樹脂部53が支持膜3やセンサーアレイ基板2に固定されていなくてもよい。
図3および図6から図8で示した実施形態では、便宜上、第2空間S2は、センサーアレイ基板2の第2支持部22上に形成する図で説明をしたが、これに限定されず、例えば、図2(A)や図2(B)で示したように、センサーアレイ基板2とは別の位置に設けても良い。
図2(A)に示す実施例では、筐体100aの一部に可撓部532が露出する構成としているが、この場合、可撓部532の変位量を例えば目視で確認することで、接触部522に被検体等が密着したか否かを容易に判断することができる。
一方、図2(B)に示す変形例では、可撓部532は筐体100aから露出しないので、作業中に誤って、可撓部532に押して接触部522と被検体との密着性を悪くするという弊害が無くなる。すなわち、図2(A)、図2(B)の各々に固有の長所がある。
前記各実施形態では、支持膜3がセンサーアレイ基板2上に配置されたが、第1支持部21の開口部211を閉塞する箇所のみに配置されてもよい。
前記各実施形態では、開口部211はセンサーアレイ基板2を貫通するように形成していたが、これに限定されず、凹部として形成してもよい。この場合には、支持膜3は凹部の開口を閉塞するように形成される。また、支持膜3は凹部の底面に形成されてもよい。
1,1A,1B,1C…超音波センサー、2…センサーアレイ基板、3…支持膜、5…樹脂材、6…超音波伝達媒体、7…変位センサー(変位検出手段)、41…圧電体、52…第1樹脂部、53…第2樹脂部、81…駆動電圧出力部(超音波発信手段)、211…開口部、412…下部電極、413…上部電極、522…接触部(当接部)、532…可撓部、S1…第1空間、S2…第2空間。

Claims (8)

  1. 開口部を有する基板と、
    前記基板上に設けられて、前記開口部を覆う支持膜と、
    前記支持膜上で、前記支持膜の厚み方向から見る平面視において、前記開口部内に設けられる圧電体と、
    前記平面視において、前記開口部を含む第1空間を形成する第1樹脂部と、
    前記第1空間に連通する第2樹脂部と、
    前記第1空間、前記第2空間、及び、前記第1空間と前記第2空間との連通部、に充填される液体と、を備え、
    前記第1空間の容積、及び、前記第2空間の容積を変化させるように、前記第1樹脂部及び前記第2樹脂部は変形可能である
    ことを特徴とする超音波プローブ。
  2. 前記開口部は同じ面積で、一定の間隔で複数設けられ、各々の前記開口部内に前記圧電体が配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記基板の開口部は、前記基板の厚み方向に貫通して形成され、
    前記支持膜は、前記基板の一面側を覆い、
    前記第1樹脂部は、前記支持膜に対して開口するとともに、この開口端が前記基板の一面側と反対側の他面側に接続されることで前記第1空間を形成する第1凹部を有し、
    前記第2樹脂部は、前記支持膜に対して開口するとともに、この開口端が前記基板の他面側に接続されることで前記第2空間を形成する第2凹部を有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波プローブ。
  4. 前記第2樹脂部の変位を検出する変位検出手段と、
    前記変位検出手段により前記第2樹脂部の変位を検出すると、前記圧電体への電圧印加処理、または、前記圧電体から出力される信号の検出処理を実施する超音波受発信手段とを備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の超音波プローブ。
  5. 筐体と、
    液体が充填される液体充填空間と、
    前記液体充填空間の一部を形成し、前記筐体の外側に位置し、柔軟性のある樹脂から成る接触部と、
    前記液体充填空間の一部を形成し、柔軟性のある樹脂から成る可撓部と、を備え、
    前記接触部から超音波を送受信することを特徴とする超音波プローブ。
  6. 前記可撓部は前記筐体の外側に位置することを特徴とする請求項5に記載の超音波プローブ。
  7. 前記可撓部は前記筐体の内側に位置することを特徴とする請求項5に記載の超音波プローブ。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の超音波プローブを備えることを特徴とする超音波画像診断装置。
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