JP2013061296A - 廃イオン交換樹脂の処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特に原子力施設における廃イオン交換樹脂を高い減容率で処理する。
【解決手段】所定の容器中で、廃イオン交換樹脂を水と混合して廃イオン交換樹脂スラリーを生成する。次いで、過酸化水素水供給器から、廃イオン交換樹脂スラリーに対して、0℃〜20℃の温度に調整された過酸化水素水を供給し、廃イオン交換樹脂スラリー中の廃イオン交換樹脂を酸化して分解する。
【選択図】図1
【解決手段】所定の容器中で、廃イオン交換樹脂を水と混合して廃イオン交換樹脂スラリーを生成する。次いで、過酸化水素水供給器から、廃イオン交換樹脂スラリーに対して、0℃〜20℃の温度に調整された過酸化水素水を供給し、廃イオン交換樹脂スラリー中の廃イオン交換樹脂を酸化して分解する。
【選択図】図1
Description
本発明は、廃イオン交換樹脂の処理方法及び処理装置に関する。
原子力施設では、復水(発電機のタービン冷却水)の浄化や、炉水の放射能分析や化学成分の分析に粒状イオン交換樹脂や粉末イオン交換樹脂が大量に使用されている。粒状イオン交換樹脂や粉末イオン交換樹脂は、一般に再生処理によって繰り返し使用されるが、繰り返し使用していると次第に処理能力が低下してくるので、イオン交換能力の低くなったイオン交換樹脂は、廃棄処理される。
これらの廃イオン交換樹脂は直接セメントにより固化処理され、または加熱溶融した塩化ポリエチレンとエクストルダー中で混合、混練しペレット廃棄体として貯蔵されている。このペレット廃棄体も、より安定した形態で貯蔵、処分するには、セメントにより固化処理することがより好ましい。
一方、廃イオン交換樹脂をセメント固化するに際しては、一般に廃イオン交換樹脂を減容化した後にセメント固化に供するのが一般的である。
廃イオン交換樹脂を減容する方法としては、焼却法に代表される気体中で酸化分解する方法(乾式法)や、液体中で酸化分解する方法(湿式法)がある。
乾式法では、湿式法と比較して酸化分解に用いられる気体状の酸化剤(例えば空気)が大量に必要になるとともに粉体の処理物が生成する。そのため、湿式法に比べ、廃ガスや粉体を処理するための装置が別途必要となり、イオン交換樹脂の処理装置が全体として大型化・複雑化する傾向がある。
これに対し、湿式法では、酸化剤として扱う量が少量で済む上に酸化分解で生成する生成物が水中に閉じ込められる。そのため、乾式法に比べ、廃棄物のハンドリングが容易なものとなり、イオン交換樹脂の処理装置の小型化・簡素化が図られる。従来、湿式法に基づくイオン交換樹脂の処理技術として、イオン交換樹脂を触媒の存在下で過酸化水素水と共に300℃以上で反応させるものが提案されている(特許文献1参照)。なお、触媒の存在下で酸素含有ガスを圧入供給して酸化分解させる技術も提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、いずれの方法も廃イオン交換樹脂の減容率は十分でなく、さらに高い減容率を達成することが可能な廃イオン交換樹脂の処理方法及び処理装置の確立が求められている。
本発明の課題は、特に原子力施設における廃イオン交換樹脂を高い減容率で処理することである。
本発明の一態様は、廃イオン交換樹脂の処理方法であって、所定の容器中で、前記廃イオン交換樹脂を水と混合して廃イオン交換樹脂スラリーを生成するステップと、過酸化水素水供給器から、前記廃イオン交換樹脂スラリーに対して、0℃〜20℃の温度に調整された過酸化水素水を供給し、前記廃イオン交換樹脂スラリー中の廃イオン交換樹脂を酸化して分解するステップと、を具えることを特徴とする、廃イオン交換樹脂の処理方法に関する。
本発明によれば、特に原子力施設における廃イオン交換樹脂を高い減容率で処理することができる。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における廃イオン交換樹脂の処理装置の概略構成を示す図である。
図1に示す廃イオン交換樹脂の処理装置10は、処理に供する廃イオン交換樹脂スラリーSが入った容器11と、容器11の外周に配設され、廃イオン交換樹脂スラリーSの温度を制御するための温度調整器としてのヒーター12とを有している。また、容器11の右上方に設けられた、例えば図示しないバルブ、流量計及びポンプ等を含む過酸化水素水供給器13を有している。この過酸化水素水供給器13には、過酸化水素水供給ラインとしての配管14が接続されている。
図1は、本実施形態における廃イオン交換樹脂の処理装置の概略構成を示す図である。
図1に示す廃イオン交換樹脂の処理装置10は、処理に供する廃イオン交換樹脂スラリーSが入った容器11と、容器11の外周に配設され、廃イオン交換樹脂スラリーSの温度を制御するための温度調整器としてのヒーター12とを有している。また、容器11の右上方に設けられた、例えば図示しないバルブ、流量計及びポンプ等を含む過酸化水素水供給器13を有している。この過酸化水素水供給器13には、過酸化水素水供給ラインとしての配管14が接続されている。
また、配管14の、過酸化水素水供給器13の下流側には冷却器15が接続され、この冷却器15にはチラー16が接続されて、チラー16内のチラー水Wが適宜冷却器15に供給されるようになっている。これにより、過酸化水素水供給器13を通じて配管14内を流れる過酸化水素水を所定の温度に冷却できるようになっている。したがって、冷却器15及びチラー16は、過酸化水素水温度調整器を構成する。
なお、ここで示す過酸化水素水温度調整器の構成はあくまでも一例であり、例えば配管14の外周面に冷媒を直接吹き付けるような構成や、恒温槽を配設するような構成としてもよい。
さらに、容器11の左上方には、容器11内の廃イオン交換樹脂スラリーS中の廃イオン交換樹脂が分解することによって生成したガスを外部に排出するガス排出ラインとしての配管18が設けられ、配管18にはバルブ19が設けられている。
なお、図1に示す廃イオン交換樹脂の処理装置10を構成する各構成要素(例えば、容器11や配管14,18等)は、耐食性に優れたステンレス鋼等から構成することができる。
次に、図1に示す廃イオン交換樹脂の処理装置10を用いた廃イオン交換樹脂の処理方法について説明する。
最初に、図1に示すように、処理装置10における容器11中に、例えば粉末状あるいは粒状の廃イオン交換樹脂及び水を入れるとともに互いに混合して、廃イオン交換樹脂スラリーSを生成する。一例として、原子力施設で使用する廃イオン交換樹脂を処理する場合を考えると、代表的なイオン交換樹脂としては、スチレン及びジビニルベンゼンの共重合体樹脂に、イオン交換基としてのスルホン酸基やトリメチルアミン基が付加したものを挙げることができる。この場合、廃イオン交換樹脂スラリーSを生成するために必要な水の量は、廃イオン交換樹脂の1gに対して水4g〜19gである。
次いで、図示しない過酸化水素水HPの供給源より、過酸化水素水供給器13を介し、過酸化水素水供給ラインとしての配管14を通じて、容器11内の廃イオン交換樹脂スラリーSに対して過酸化水素水HPを供給する。なお、本実施形態において、過酸化水素水供給器13の供給口とは配管14の先端開口部14Aを意味する。
過酸化水素水HPは、環境温度が高いと自ずから水と酸素とに分解してしまう傾向があり、上述のように廃イオン交換樹脂スラリーSに供給された後は、廃イオン交換樹脂スラリーS中の廃イオン交換樹脂と過酸化水素水HPとの酸化反応によって廃イオン交換樹脂スラリーSが発熱し、例えば160℃〜200℃となってしまう。
したがって、特に配管14の先端開口部14Aから過酸化水素水HPを連続して供給し、上記酸化反応を連続的に行おうとしても、時間の経過とともに、供給される過酸化水素水HPは上記熱によって加熱されてしまい、水及び酸素に分解してしまうので、連続した酸化処理を行うことができない。このため、廃イオン交換樹脂スラリーS中の廃イオン交換樹脂の酸化を十分に行うことができず、廃イオン交換樹脂スラリーS、すなわち廃イオン交換樹脂の減容を十分に行うことができない。
また、以下に示すように、上記酸化反応は、100℃〜140℃の温度範囲で行うことが好ましいので、当該温度範囲に加熱された廃イオン交換樹脂スラリーSからの発熱によっても、過酸化水素水HPの分解傾向は著しく高くなる。したがって、上述のように連続した酸化処理を行うことはさらに困難となり、廃イオン交換樹脂の減容を十分に行うことができない。
しかしながら、本実施形態では、容器11内の廃イオン交換樹脂スラリーSに供給する過酸化水素水HPを、配管14に設けた冷却器15及びチラー16からなる過酸化水素水温度調整器で十分に冷却し、配管14の先端開口部14Aから廃イオン交換樹脂スラリーSに供給する際の温度を0℃〜20℃とする。
したがって、上述のように、廃イオン交換樹脂スラリーS中の廃イオン交換樹脂と過酸化水素水HPとの酸化反応による発熱や、酸化反応を良好に行う温度範囲である100℃〜140℃に設定した際の発熱によっても、過酸化水素水HPの、廃イオン交換樹脂スラリーSに接触するまでの温度を十分低く保持することができる。この結果、過酸化水素水HPによる廃イオン交換樹脂の酸化反応を連続的に行うことができ、廃イオン交換樹脂の減容を十分に行うことができる。
なお、上記酸化反応による廃イオン交換樹脂の減容は、廃イオン交換樹脂が酸化されることにより、二酸化炭素や水(水蒸気)等に分解されることによって生じるものである。また、このようにして生成した二酸化炭素や水(水蒸気)G等は、配管18及びバルブ19を介して容器11の外部に排出される。
また、過酸化水素水HPの温度は、例えば配管14の先端開口部14A内に設けた温度計により測定する。この温度計は、廃イオン交換樹脂スラリーSの酸化反応による発熱等の影響を受けないように、廃イオン交換樹脂スラリーS側は断熱材で被覆あるいは遮蔽し、過酸化水素水供給器13から供給される過酸化水素水HPの温度を測定し、この温度をもって上記過酸化水素水HPの温度とする。温度計としては、感部にバイメタルを使用した金属製温度計や、白金を用いた電気式温度計など、汎用のものを用いることができる。
本実施形態では、過酸化水素水供給器13の供給口である配管14の先端部14Aを廃イオン交換樹脂スラリーSの液面から10cm以内、さらには2cm以内の領域に位置させることが好ましい。これによって、上記のように冷却された過酸化水素水HPを短時間で廃イオン交換樹脂スラリーSに接触させることができるので、過酸化水素水HPの、廃イオン交換樹脂スラリーSに接触するまでの温度をさらに十分低く保持することができる。この結果、過酸化水素水HPによる廃イオン交換樹脂の酸化反応を連続的に行うことができ、廃イオン交換樹脂の減容をより十分に行うことができる。
なお、配管14の先端部14Aは、上述した作用効果を考慮すると、廃イオン交換樹脂スラリーSの液面に近く配置するほど好ましく、例えば液面に接触させる(液面から0cmの領域)ようにすることもできる。但し、配管14の先端部14Aを廃イオン交換樹脂スラリーS内に埋没させると、配管14の目詰まりや廃イオン交換樹脂スラリーS中で気泡が発生してしまい、廃イオン交換樹脂と過酸化水素水HPとを十分に接触させることができず、その結果、廃イオン交換樹脂の酸化反応を十分に行うことができない場合がある。
さらに、本実施形態では、過酸化水素水HPによる廃イオン交換樹脂の酸化反応を100℃〜140℃、さらには110℃〜130℃の温度範囲で行うことが好ましい。
酸化反応の温度を100℃未満とすると、酸化処理に要する時間が長時間化し、作業効率が劣化する。一方、酸化反応の温度が高くなると、過酸化水素水HPによる廃イオン交換樹脂の分解率が向上するが、酸化反応の温度の上限を140℃とすると、例えば廃イオン交換樹脂の分解率が10秒間で5%程度となり、酸化処理に要する時間を十分短くすることができる。したがって、酸化反応の温度を140℃よりも高くすると、酸化反応が極短時間で終了するため、酸化反応の制御が困難となる。また、適切な酸化反応を行う際に必要となる量以上の過酸化水素水HPを使用することになるので、省資源の観点からも好ましくない。
なお、上述のように加熱下で酸化反応を行う場合、バルブ19は閉状態とすることもできるし、開状態とすることもできる。但し、廃イオン交換樹脂が分解して生成した二酸化炭素や水(水蒸気)G等を容器11から適宜排出させるとともに、過酸化水素水HPを連続的かつ安定的に供給して、廃イオン交換樹脂の酸化反応を連続して行うようにするには、バルブ19は開状態とすることが好ましい。
以上のように、本実施形態によれば、廃イオン交換樹脂スラリーSに対して十分な量の過酸化水素水HPを接触させることができ、廃イオン交換樹脂スラリーS中の廃イオン交換樹脂を酸化反応を通じて分解することができるので、当該廃イオン交換樹脂の減容を十分かつ効率的に行うことができる。
なお、酸化反応によって分解せずに残留した廃イオン交換樹脂は、適宜、セメント固化に供することになる。セメント固化は、図示しない容器内に廃イオン交換樹脂の残留物、セメント及び混練水を入れた後、例えば撹拌翼を300rpm〜500rpmで10分〜20分回転させ、廃イオン交換樹脂とセメントとの混練物(セメント混練物)を生成する。
セメント混練物は、例えば生成から10時間程度時間が経過すると、水和反応によって硬化するようになる。
混練水は通常の市水とすることができる。なお、セメント1kg当たりに使用する混練水の量は、例えば数百mlのオーダである。
セメントは、例えばアルミナセメント、高炉スラグセメント、フライアッシュセメント及びポルトランドセメントであることが好ましい。これらのセメント材は容易に入手ができるとともに安価であって、かつ海水や化学物質に対して安定であるので、本実施形態のように放射性廃液を固化して安定化させるセメント材として適している。特に、アルミナセメントは、アルミニウムの原料であるボーキサイトと石灰石から作られ、酸化アルミニウムを含むセメントであって、混練後すぐに強い強度を発揮するので、イオン閉じ込め性に優れている。
(第2の実施形態)
図2は、本実施形態における廃イオン交換樹脂の処理装置の概略構成を示す図である。なお、図1に示す廃イオン交換樹脂の処理装置10の構成要素と類似あるいは同一の構成要素については、同一の符号を用いて表している。
図2は、本実施形態における廃イオン交換樹脂の処理装置の概略構成を示す図である。なお、図1に示す廃イオン交換樹脂の処理装置10の構成要素と類似あるいは同一の構成要素については、同一の符号を用いて表している。
本実施形態の廃イオン交換樹脂の処理装置20においては、容器11内の下方において、廃イオン交換樹脂スラリーS中の廃イオン交換樹脂の粒子径よりも小さい孔径のフィルター21が配置され、このフィルター21上に廃イオン交換樹脂スラリーSが生成及び保持され、さらに、容器11のフィルター21の下方にガス供給ラインとしての配管22が容器11の側面に接続されている点で、図1に示す廃イオン交換樹脂の処理装置10と異なり、その他の構成は処理装置10と同一である。
図2に示す廃イオン交換樹脂の処理装置20を用いた廃イオン交換樹脂の処理方法は、次のようにして行われる。
最初に、図2に示すように、処理装置20における容器11中に、例えば粉末状あるいは粒状の廃イオン交換樹脂及び水を入れるとともに互いに混合して、容器11内に配置したフィルター21上に廃イオン交換樹脂スラリーSを生成する。フィルター21の孔径は廃イオン交換樹脂スラリーS中の廃イオン交換樹脂の粒子径よりも小さいので、廃イオン交換樹脂スラリーSはフィルター21上に保持されることになる。
次いで、図示しない過酸化水素水HPの供給源より、過酸化水素水供給器13を介し、過酸化水素水供給ラインとしての配管14を通じて、容器11内の廃イオン交換樹脂スラリーSに対して過酸化水素水HPを供給する。このとき、第1の実施形態の場合と同様に、過酸化水素水HPが、廃イオン交換樹脂スラリーS中の廃イオン交換樹脂と過酸化水素水HPとの酸化反応による廃イオン交換樹脂スラリーSの発熱等によって、水及び酸素に分解してしまい、連続した酸化処理を損なうことがないように、配管14に設けた冷却器15及びチラー16からなる過酸化水素水温度調整器で過酸化水素水HPを十分に冷却し、配管14の先端開口部14Aから廃イオン交換樹脂スラリーSに供給する際の温度を0℃〜20℃とする。
したがって、廃イオン交換樹脂スラリーS中の廃イオン交換樹脂と過酸化水素水HPとの酸化反応による発熱等によっても、過酸化水素水HPの、廃イオン交換樹脂スラリーSに接触するまでの温度を十分低く保持することができる。この結果、過酸化水素水HPによる廃イオン交換樹脂の酸化反応を連続的に行うことができ、廃イオン交換樹脂の減容を十分に行うことができる。
また、本実施形態においては、上述のような酸化反応を行っている間に、容器11のフィルター21の下方に設けた配管22を介して、アルゴン、ヘリウム等の希ガス類や、空気、酸素、窒素などのガスを供給する。
これによって、容器11のフィルター21上に保持された廃イオン交換樹脂スラリーS中の廃イオン交換樹脂が攪拌されるようになるので、廃イオン交換樹脂の、上述のようにして供給された過酸化水素水HPとの接触度合いが増す。また、過酸化水素水HPによる廃イオン交換樹脂の酸化反応を第1の実施形態で述べたように加熱下で行う場合、廃イオン交換樹脂の局所加熱を抑制することができる。したがって、上述した酸化反応がより効率的に行われるようになり、廃イオン交換樹脂の減容を効率的に行うことができる。
さらに、配管22を介して容器11内に供給するガスを空気や酸素等の酸化性ガスOGとすることにより、これらのガスも上記過酸化水素水HPと同様に廃イオン交換樹脂の酸化反応に寄与するようになる。したがって、上記酸化反応に使用する過酸化水素水HPの量を削減することができる。過酸化水素水HPは空気や酸素に比較して高価であるため、上述のように過酸化水素水HPの使用量を削減することにより、目的とする廃イオン交換樹脂の減容を低コストに行うことができる。
但し、配管22を介して導入した空気や酸素等の酸化性ガスは、過酸化水素水HPと比較して酸化力が弱いので、廃イオン交換樹脂の酸化反応は、上述したように主として過酸化水素水HPで行われることになる。
なお、第1の実施形態と同様に、酸化反応による廃イオン交換樹脂の減容は、廃イオン交換樹脂が酸化されることにより、二酸化炭素や水(水蒸気)等に分解されることによって生じるものである。したがって、生成した二酸化炭素や水(水蒸気)G等は、配管18及びバルブ19を介して容器11の外部に排出される。また、酸化反応によって分解せずに残留した廃イオン交換樹脂は、適宜、セメント固化に供する。
また、本実施形態では、ガス供給ラインとしての配管22を容器11の側面に接続しているが、フィルター21の下方であれば、容器11の底面であってもよい。さらに、配管22は単一ではなく、複数とすることもできる。
その他の特徴及び酸化反応に関する好ましい条件は、第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
以上のように、本実施形態においても、廃イオン交換樹脂スラリーSに対して十分な量の過酸化水素水HPを接触させることができ、廃イオン交換樹脂スラリーS中の廃イオン交換樹脂を酸化反応を通じて分解することができるので、当該廃イオン交換樹脂の減容を十分かつ効率的に行うことができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,20 廃イオン交換樹脂の処理装置
11 容器
12 ヒーター
13 過酸化水素水供給器
14,18,22 配管
15 冷却器
16 チラー
19 バルブ
21 フィルター
S 廃イオン交換樹脂スラリー
W チラー水
HP 過酸化水素水
11 容器
12 ヒーター
13 過酸化水素水供給器
14,18,22 配管
15 冷却器
16 チラー
19 バルブ
21 フィルター
S 廃イオン交換樹脂スラリー
W チラー水
HP 過酸化水素水
Claims (7)
- 廃イオン交換樹脂の処理方法であって、
所定の容器中で、前記廃イオン交換樹脂を水と混合して廃イオン交換樹脂スラリーを生成するステップと、
過酸化水素水供給器から、前記廃イオン交換樹脂スラリーに対して、0℃〜20℃の温度に調整された過酸化水素水を供給し、前記廃イオン交換樹脂スラリー中の廃イオン交換樹脂を酸化して分解するステップと、
を具えることを特徴とする、廃イオン交換樹脂の処理方法。 - 前記過酸化水素水を供給している間において、前記容器の外周に配設した温度調整器によって、前記廃イオン交換樹脂スラリーを100℃〜140℃に保持するステップを具えることを特徴とする、請求項1に記載の廃イオン交換樹脂の処理方法。
- 前記容器内に前記廃イオン交換樹脂の粒子径よりも小さい孔径を有するフィルターを配置して、前記廃イオン交換樹脂スラリーは、前記容器中の前記フィルター上で生成し、
前記容器内の前記フィルターの下方から前記廃イオン交換樹脂スラリーに向けてガスを供給するステップを具えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の廃イオン交換樹脂の処理方法。 - 廃イオン交換樹脂の処理装置であって、
前記廃イオン交換樹脂を水と混合して廃イオン交換樹脂スラリーを生成するための容器と、
前記廃イオン交換樹脂スラリーに対して過酸化水素水を供給するための過酸化水素水供給器と、
前記過酸化水素水の温度を0℃〜20℃の温度に調整するための過酸化水素水温度調整器と、
を具えることを特徴とする、廃イオン交換樹脂の処理装置。 - 前記過酸化水素水供給器の供給口を、前記廃イオン交換樹脂スラリーの液面から10cm以内の領域に位置させて、前記過酸化水素水を供給するように構成したことを特徴とする、請求項4に記載の廃イオン交換樹脂の処理装置。
- 前記過酸化水素水を供給している間において、前記廃イオン交換樹脂スラリーを100℃〜140℃に保持するための、前記容器の外周に配設した温度調整器を具えることを特徴とする、請求項4又は5に記載の廃イオン交換樹脂の処理装置。
- 前記容器内に配置した前記廃イオン交換樹脂の粒子径よりも小さい孔径を有するフィルターと、
前記容器内の前記フィルターの下方に連結したガス供給ラインとを具え、
前記廃イオン交換樹脂スラリーは、前記容器中の前記フィルター上で生成し、前記ガス供給ラインを介して、前記容器内の前記フィルターの下方から前記廃イオン交換樹脂スラリーに向けてガスを供給するように構成したことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一に記載の廃イオン交換樹脂の処理装置。
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JP2010261869A (ja) * | 2009-05-08 | 2010-11-18 | Toshiba Corp | イオン交換樹脂の処理方法およびその処理装置 |
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