JP2013059964A - 筆記具用インキカートリッジ及びそれを収容した筆記具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器2と栓体3とからなり、栓体3が筆記具本体内に形成される槍体74によって押圧開放されることで筆記具にインキ4が供給される筆記具用インキカートリッジであって、栓体3が容器2の開口端部方向に移動することを抑制する蓋体5が設けられ、蓋体5には槍体74が貫通可能な孔部51が形成される筆記具用インキカートリッジ。筆記具用インキカートリッジを槍体74が蓋体孔部51を貫通した状態で収容してなる筆記具6。
【選択図】図3
Description
また、前記インキカートリッジは、ユーザーが筆記具購入後に新品のカートリッジを取り付けて使用できるように、未開封状態(未使用状態)で槍体後方に配置され軸筒内に収容されることがある(例えば、特許文献3参照)。この場合、軸筒内をカートリッジが移動可能な状態で収容されるため、不用意な落下等で衝撃が加わった際に槍体と栓体が強く接触して栓体が外れてしまい、軸筒内でインキ漏れを生じる虞がある。また、前記収容状態では、軸筒内に槍体の長さ分の空間(筆記時には接続され不要となる空間)が必要となるため、軸筒や尾栓を長くする必要がある。
前記カートリッジでは、蓋体によって栓体が容器の開口部方向に移動することを抑制しているため、単体での保管時には、落下等の衝撃や、温度や気圧の変化に伴う内圧上昇によって栓体が外れることがない。また、槍体後方に配置するように軸筒内に収容した場合であっても、槍体と栓体が直接接触することがなく栓体が外れることがない。そのため、インキ漏れを確実に防止できるものである。
しかしながら、インキカートリッジを槍体後方に配置するように軸筒内に収容した状態では、軸筒内に槍体の長さ分の空間(筆記時に接続された後には不要となる空間)が必要となったり、尾栓を浮かせた状態で保持する必要がある等、収容状態での筆記具の全長が長くなってしまうものであった。
更に、前記蓋体が、容器開口部を被覆するとともに、栓体と接触することを要件とし、前記蓋体が、容器外壁面を挟持する挟着部と、前記挟着部から延設される脚部からなり、前記挟着部に孔部が形成されることを要件とする。
更には、前記いずれかの筆記具用インキカートリッジを槍体が蓋体孔部を貫通した状態で収容してなる筆記具を要件とする。
更に、前記槍体の軸方向長さMと、蓋体脚部の軸方向長さLが、L>Mであること、前記筆記具が、本体後方に一端を開口する着脱可能な後軸を備えており、前記蓋体を備えた筆記具用インキカートリッジを収容した状態で後軸が筆記具本体と接続可能であることを要件とする。
尚、本発明において「上」とは、容器の開口方向を示し、「下」とは、容器の底部(閉鎖部)側を示し、「前」とは、筆記具のペン先側を示し、「後」とは、筆記具の軸側を示す。
また、前記インキカートリッジを未開封状態で筆記具内の槍体後方に配置した場合であっても、空間を確保するための軸筒の延長や尾栓を浮かせた状態での保持等、筆記具の全長を延長することなく通常寸法を維持できる。そのため、カートリッジ単体のみならず、収容状態(筆記具装着前)においても、槍体と栓体との接触による軸筒内でのインキ漏れを確実に防止できる。また、前記栓体を取り付けた筆記具用インキカートリッジを通常寸法の筆記具内に収容できるため、インキがペン先に供給されていない状態でセリースに内包して陳列する場合であっても、同一セリース内で筆記具とインキカートリッジを並列配置した時のように横幅を大きくすることや、尾栓浮かせに伴う縦方向の延長等を抑制でき、販売時の小スペース化が可能となる。
前記容器は透明、不透明のいずれであってもよいが、外側からインキ収容量が視認できるように、透明性を有する材質で形成することが好ましい。
更に、容器の内壁面には、軸方向に伸びるリブや溝を設けることができる。これにより、筆記具接続時のインキの誘導性を高めたり、透明性を有する場合には外側からの視認性を高めることが可能となる。
また、前記容器内壁面の上方部分(開口部近傍)には、栓体を挿入保持するために用いられるテーパー、リブ、溝部(ビード)等を形成することが好ましい。これにより、栓体取付時の挿入性を向上させたり、栓体の取付位置が明確になると共に、嵌着力を強固にすることができる。尚、前記加工が施されない場合には、開口部の形状に応じて栓体の形状及び外径を圧入密閉可能なものとすることが好ましい。
前記インキは、溶媒となる水又は有機溶剤中に染料、顔料等の着色剤、樹脂等の従来からインキを構成する組成物が添加される他、必要に応じて、酸化防止剤、耐ドライアップ性付与剤、紫外線吸収剤、防錆剤、潤滑剤、粘度調整剤、剥離剤、顔料分散剤、消泡剤、剪断減粘性付与剤、界面活性剤等の各種添加剤を用いることができる。
前記蓋体を取り付けることで、保管時に栓体が不用意にずれたり外れたりすることがなくなるため、落下や内圧変化に伴うインキ漏れを防止できる。更に、筆記具内に収容する際、蓋体に形成される孔部に槍体を貫装することができるため、軸筒や尾栓内に槍体の距離分の空間を確保する必要がなくなるので、カートリッジ収容状態における筆記具の全長を長くする必要がなくなる。
前記蓋体の被覆方法としては、蓋体が容器開口部近傍で保持される形態が適用でき、具体的には、蓋体が容器壁面(外縁部分)を外側から又は内側と外側から挟持する形状、対向する容器壁面を外側から挟持する形状、容器開口部内に蓋体が圧入嵌合できる形状等が例示できる。尚、前記被覆とは、開口全体を覆うものではなく、孔部が形成される部分被覆を意味している。
また、前記蓋体はいずれも、保管状態では容器の開口部側で確実に保持されると共に、使用時(筆記具取付時)には、容易に外すことができるように嵌着される。
前記孔部により、蓋体を取り付けたカートリッジを筆記具内に収容した状態であっても、カートリッジ接続時に容器内に挿入される槍体の距離と同等の空間を軸筒内に確保する必要がなくなるため、蓋付カートリッジを収容するために軸筒を延設することや、尾栓を浮かせた状態で保持する等、筆記具の全長を延ばすことなく収容できる。
例えば、繊維ペン体、フェルトペン体、プラスチックペン体、万年筆型金属ペン体等のマーキングペンチップや、ボールペンチップをペン先として軸筒前方の筆記先端部に装着し、軸筒内部に筆記先端部と接続状態に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体に、インキカートリッジ内のインキを誘導し、該インキを筆記先端部に供給する構造、筆記先端部後方に櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させ、該インキ流量調節部材の後方にインキカートリッジを取り付ける構造、軸筒内部の筆記先端部とインキカートリッジとの間に弁機構を設け、前記筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペン(サインペン、フェルトペン、筆ペン等)、ボールペン、万年筆が挙げられる。
前記筆記具では、使用状態と同等の形状(通常寸法)で蓋付インキカートリッジが収容され、筆記具販売時にインキがペン先に供給されていない状態での陳列が可能となる。よって、筆記具と別体のカートリッジをセリース内に並列配置する等の必要がなくなるため、小スペース化が可能となる。
図1は本発明の第一の形態の筆記具用インキカートリッジを表す断面図であり、図2は図1の蓋体の断面図及び外観説明図であり、図3は図1の筆記具用インキカートリッジを収容したマーキングペンを表す断面図である。また、図4は第二の形態の筆記具用インキカートリッジに適用される蓋体の断面図及び外観説明図である。
筆記具用インキカートリッジ1は、上端を開口し下端が閉鎖された有底円筒状体であり、合成樹脂(具体的にはポリエチレン樹脂)の射出成形またはブロー成形により得られる容器2の上方開口部分の内側壁面に栓体3が嵌着され、更に上方に蓋体5が冠着されている。また、前記容器2内部は、栓体3上方を筆記具嵌合用の空間部23とし、栓体3下方を水性インキ4が直接収容されるインキ収容部21(内径5.5mm)として適用される略円筒有底体であり、インキ収容部21内周には、軸方向に三本のリブ22が等間隔に延設される。尚、栓体3を固定する位置には、容器内壁面に環状突部を設けることができ、栓体3をより確実に嵌着保持することも可能である。
前記蓋体5は、容器2の開口を外側から被覆するように開口近傍の外壁面を挟持する環状の挟着部52と、前記挟着部52の略中心から軸方向に延設される脚部53とを一体に成形したものであり、前記挟着部52には槍体74の横断面よりも大きい形状の孔部51が形成されている。前記孔部51、挟着部52、脚部53が一体成形されるため、製造が容易且つ安価なものとなる。
前記蓋体5を取り付けた筆記具用インキカートリッジ1を収容した筆記具6を図3により説明する。尚、筆記具6はキャップ式マーキングペンであるが、図3はキャップを外した状態の図面である。
前記ペン体76は、蓋体5を外したインキカートリッジの接続時に、カートリッジ内のインキを筆記先端に供給するインキ誘導芯と一体に形成されており、合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維等)の樹脂加工により得られる棒状体である。尚、筆記先端となる前端は砲弾状に研削され、インキ供給する後端部外周面はテーパー状に面取りされている。
前記ペン芯の材質としては、多数の円盤体を櫛溝状とした構造に射出成形できる合成樹脂であれば汎用のポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等いずれを用いることもできる。
また、前記本体71の後方には、カートリッジ本体2の開口部が接続される円筒状の接続部73と、後軸8が螺合される円筒状の螺合部72が一体成形されている。
更に、前記接続部73の後端には、カートリッジ接続時に栓体3の一部を押圧開放するための槍体74が扇形板状に延設されている。
前記螺合部72、接続部73、槍体74が本体71後方に一体で成形されているため、各パーツを組み立てる必要がなくなり、製造コストを安価にできる。
前記後軸8は、底部となる一端を封鎖する樹脂製筒状部材であり、開口部内壁に螺着用溝が形成されている。
本実施例の筆記具用インキカートリッジ1は、上方に嵌着される蓋体5以外は実施例1と同様の形態で構成されているため、図4では蓋体5の縦断面図(a)と上方視認図(b)のみを示す。
前記蓋体5は、容器2の開口部を外側から部分被覆するように、開口部近傍の対向する外壁面を挟持するR状(上面扇形状)対称形の挟着部52と、前記挟着部52間の略中心から延設される脚部53とを一体に成形したものである。そのため、R状挟持部が形成されていない部分は、槍体74の横断面よりも大きい切り欠き形状(孔部51)として形成されている。前記挟着部52と脚部53が一体成形されるため、製造が容易且つ安価なものとなる。
尚、使用時には、前軸7から後軸8を外して収容するカートリッジ1を取り出した後、容器2開口部から蓋体5を取り外し、容器2の空間部23内に槍体74及び接続部73を挿入するようにカートリッジを嵌入接続することで、槍体74により栓体縁部が押圧され栓体3が開放してインキ4がペン体76(インキ誘導芯)に供給される。最後に後軸8を再び螺合部72に螺着することで筆記状態となる。
2 容器
21 インキ収容部
22 リブ
23 空間部
3 栓体
4 水性インキ
5 蓋体
51 孔部
52 挟着部
53 脚部
6 筆記具
7 前軸
71 前軸本体
72 螺合部
73 接続部
74 槍体
75 インキ流量調整部材
76 ペン体
77 ホルダー
8 後軸
Claims (6)
- 一端が開口され且つ他端が閉鎖された容器と、該容器を密栓する栓体とからなり、前記容器の開口部内に栓体を嵌着することで内部にインキ収容部を構成し、前記栓体が筆記具本体内に形成される槍体によって押圧開放されることで筆記具にインキが供給される筆記具用インキカートリッジであって、
前記栓体が容器の開口端部方向に移動することを抑制する蓋体が設けられ、前記蓋体には槍体が貫通可能な孔部が形成されることを特徴とする筆記具用インキカートリッジ。 - 前記蓋体が、容器開口部を被覆するとともに、栓体と接触することを特徴とする請求項1記載の筆記具用インキカートリッジ。
- 前記蓋体が、容器外壁面を挟持する挟着部と、前記挟着部から延設される脚部からなり、前記挟着部に孔部が形成されることを特徴とする請求項2記載の筆記具用インキカートリッジ。
- 前記請求項1乃至3のいずれかに記載の筆記具用インキカートリッジを槍体が蓋体孔部を貫通した状態で収容してなる筆記具。
- 前記槍体の軸方向長さMと、蓋体脚部の軸方向長さLが、L>Mである請求項4記載の筆記具。
- 前記筆記具が、本体後方に一端を開口する着脱可能な後軸を備えており、前記蓋体を備えた筆記具用インキカートリッジを収容した状態で後軸が筆記具本体と接続可能である請求項4又は5に記載の筆記具。
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