JP2013059114A - 移動局のアップリンク電力を制御するためのオープンループ/クローズドループを組み合わせた方法 - Google Patents

移動局のアップリンク電力を制御するためのオープンループ/クローズドループを組み合わせた方法 Download PDF

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Abstract

【課題】UL E−UTRAに対して、いくつかのセル内送信電力制御が存在する。これらは一般に、低速オープンループPCと、低速クローズドループ(またはCQIベースの)PCとに分類できる。低速クローズドループまたはCQIベースPCは、UL送信中断またはフィードバック送信中断が原因で利用可能なフィードバックが存在しない場合、パフォーマンスを低下させる。上記理由から、送信電力制御の改良された方法が必要とされている。
【解決手段】E−UTRAのためのオープンループ/クローズドループを組み合わせたアップリンク電力制御方式を含む方法および装置が開示される。ULセル内PCのためのオープンループとクローズドループを組み合わせた方法は、無線送受信ユニット(WTRU)の送信電力スペクトル密度(PSD)、PSDTx(例えばRB当たりの電力)を制御する。
【選択図】図8

Description

本発明は、無線通信システムに関する。
進化型ユニバーサル地上無線アクセス(E−UTRA:evolved universal terrestrial radio access)アップリンク(UL)に対しては、第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)のロングタームエボリューション(LTE:long term evolution)作業グループ1(WG1)に提示された、いくつかの送信電力制御(TPC:transmit power control)案が存在する。これらの案は一般に、(低速)オープンループTPCと、低速クローズドループまたはチャネル品質情報(CQI:channel quality information)ベースのTPCとに分類することができる。
オープンループTPCは、経路損失(pathloss)測定およびシステムパラメータに基づいており、経路損失測定は、無線送受信ユニット(WTRU)において実行され、システムパラメータは、進化型ノードB(eNodeB)によって提供される。
クローズドループTPCは一般に、eNodeBから周期的に送信される(TPCコマンドなどの)TPCフィードバック情報に基づいており、フィードバック情報は一般に、eNodeBにおいて測定される信号対干渉雑音比(SINR:signal−to−interference noise ratio)を使用して導き出される。
オープンループTPCは、例えば送信電力履歴を要しない効果的な方法で、長期的なチャネル変動(例えば経路損失および遮蔽(shadowing))を補償することができる。しかし、オープンループTPCは一般に、経路損失測定誤差および送信電力設定誤差をもたらす。他方、低速クローズドループまたはCQIベースのTPCは、eNodeBから伝達されるフィードバックに基づいているので、測定および送信電力設定における誤差にあまり敏感ではない。しかし、低速クローズドループまたはCQIベースのTPCは、UL送信中断もしくはフィードバック送信中断が原因で利用可能なフィードバックが存在しない場合、またはチャネル変動がきわめて活発である場合、パフォーマンスを低下させる。
UL E−UTRAに対しては、第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)のロングタームエボリューション(LTE)作業グループ(WG)#1に提示された、いくつかのセル内(intra−cell)PC案が存在する。これらの案は一般に、低速オープンループPCと、低速クローズドループ(またはCQIベースの)PCとに分類することができる。オープンループPCは、例えば送信電力履歴を要しない効果的な方法で、長期的なチャネル変動(例えば経路損失および遮蔽)を補償することができるが、一般に、経路損失測定および送信電力設定における誤差に悩まされる。他方、低速クローズドループまたはCQIベースのPCは、eNodeBから伝達されるフィードバックに基づいているので、測定および送信電力設定における誤差にあまり敏感ではない。しかし、低速クローズドループまたはCQIベースPCは、UL送信中断またはフィードバック送信中断が原因で利用可能なフィードバックが存在しない場合、パフォーマンスを低下させる。上記の理由から、送信電力制御の改良された方法が必要とされている。
E−UTRAのためのオープンループ/クローズドループを組み合わせたアップリンク電力制御方式を含む方法および装置が開示される。ULセル内PCのためのオープンループとクローズドループを組み合わせた方法は、無線送受信ユニット(WTRU)の送信電力スペクトル密度(PSD:power spectral density)、PSDTx(例えばRB当たりの電力)を制御する。
本発明のより詳細な理解は、例として与えられ、添付の図面と併せて理解される、好ましい実施形態についての以下の説明から得ることができる。
本発明により、低速クローズドループまたはCQIベースPCは、UL送信中断またはフィードバック送信中断が原因で利用可能なフィードバックが存在しない場合でも、パフォーマンスを低下させない、送信電力制御の改良された方法が提供される。
無線通信システムの一例を示す図である。 開示される電力制御(PC:power control)方法を実施するよう構成された送信機および受信機のブロック図の一例を示す図である。 開示される組み合わせPC方法のタイミングの一例を示す図である。 インターTTI(inter−TTI)が1である場合の開示される組み合わせ電力制御方法の一例を示す図である。 インターTTIが2である場合の開示される組み合わせPCタイミングの別の例を示す図である。 不連続送信(DTX:discontinuous transmission)を含む開示される組み合わせPC方式の一例を示す図である。 第nの更新瞬間(update instant)についての開示されるPC方法の一例を示す図である。 TPCを決定するオープンループとクローズドループを組み合わせた開示される方法のフローチャートを示す図である。
これ以降で言及される場合、「無線送受信ユニット(WTRU)」という用語は、限定することなく、ユーザ機器(UE)、移動局、固定もしくは移動加入者ユニット、ページャ、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、コンピュータ、または無線環境で動作可能な他の任意のタイプのユーザデバイスを含む。これ以降で言及される場合、「基地局」という用語は、限定することなく、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、または無線環境で動作可能な他の任意のタイプのインタフェースデバイスを含む。
図1は、WTRU20と、1つまたは複数のノードB30と、1つまたは複数のセル40とを含む無線通信ネットワーク(NW)10の一例を示している。各セル40は、開示される送信電力制御(TPC)方法を実施するように構成された送受信機120を含む1つまたは複数のノードB(NBまたはeNB)30を備える。WTRU20は、開示されるTPC方法をやはり実施するように構成された送受信機110を備える。
図2は、開示される方法を実行するように構成された送受信機110、120の機能ブロック図である。典型的な送受信機に含まれる、すなわちWTRUまたはノードBに含まれるコンポーネントに加えて、送受信機110、120は、無線データの送受信を容易にするために、プロセッサ115、125と、プロセッサ115、125と通信する受信機116、126と、プロセッサ115、125と通信する送信機117、127と、受信機116、126および送信機117、127と通信するアンテナ118、128とを含む。加えて、受信機126、送信機127およびアンテナ128は、それぞれ、単独の受信機、送信機およびアンテナとすることができ、または複数の個別の受信機、送信機およびアンテナを含むこともできる。送信機110は、WTRUに配置されてもよく、または多数の送信回路110が、基地局に配置されてもよい。受信機120は、WTRU、ノードBまたはその両方に配置されても良い。
開示されるTPC方法は、アップリンク(UL)セル内電力制御のための、オープンループとクローズドループを組み合わせた方式を含む。この方法は、ULデータチャネル制御チャネルおよびサウンドリファレンスシンボル(SRS:sound reference symbol)の両方のために、オープンループおよび非周期的クローズドループ電力制御(PC)を使用して、WTRUの送信電力スペクトル密度(PSD)もしくはPSD送信(PSDTX)、例えばリソースブロック(RB:resource block)当たりの電力、またはWTRUの送信電力を制御することを含む。UL MCS/許可(grant)が、ノードBにおいて受信される信号対干渉および雑音比(SINR)を表すと仮定して、ULチャネル品質インジケータ(CQI:channel quality indicator)(または変調コーディングセット(MCS:Modulation Coding Set)/許可情報)が、オープンループおよび/または測定誤差を補正するために、WTRUにおいて使用される。CQIが利用可能でない場合、オープンループだけが実施される。クローズドループ成分のために、例えばシグナリング(signaling)オーバヘッドなしなどの、暗黙的なコマンドシグナリングが使用できる。代替として、DL制御チャネルにおける明示的なTPCコマンドシグナリングが、クローズドループ成分のために使用できる。加えて、開示される方法は、オープンループ誤差を迅速に補正して、良好な性能をもたらすことが可能である。
上で指摘されたような開示される方法は、WTRUの送信電力スペクトル密度(PSD)もしくはPSD送信(PSDTx)、例えばリソースブロック(RB)当たりの電力、または送信電力を制御することを含む。開示される方法は、送信PSDを制御することを含むが、それは送信電力を制御することと等価であることに留意されたい。PSDTxは、
PSDTx=PSDopen+α・Δclosed+ΔMCS; 式(1)
として定義される。ここで、PSDopenは、dBm単位の経路損失ベースのオープンループPSDを表し、Δclosedは、以下で詳細に開示される、クローズドループ成分に基づいて決定される電力補正係数(correction factor)であり、ΔMCSは、許可MCS当たりの電力オフセット(power offset)であり、αは、クローズドループPC(補正)コマンド信号を(明示的または暗黙的に)埋め込んだ、ダウンリンク(DL)制御チャネルの利用可能性に応じて、クローズドループ成分を使用可能(α=1)または使用不可(α=0)にするための重み係数である。重み係数は、クローズドループPCコマンド信号の存在を自律的に検出することを介して、WTRU20によって決定することができる。代替として、WTRU20は、コマンド信号がどこに存在するかに関して、eNodeB30からのより高位のシグナリングを介して通知される。送信PSDは、最大送信PSD、PSDmaxを超過すべきではなく、ここで、PSDmaxは、UE電力クラスに依存する最大許容電力Pmaxに基づいて、PSDmax=Pmax/Mのように導き出される。ここで、Mは、与えられたサブフレーム用として有効なリソースブロックの数で表される、ULチャネルリソース割り当てのサイズである。
式(1)の提案されるセル内PC方式は、オープンループベースのPSDと比べて、絶対電力補正係数を使用することができる。式(1)から、第nの更新段階(update instance)におけるWTRUのTx PSDは、
PSDTx(n)
=PSDopen(n)+α・Δclosed(n)+ΔMCS(n)
=PSD’Tx(n−1)+(PSDopen(n)−PSDopen(n−1))
+α・(Δclosed(n)−Δclosed(n−1)+ΔMCS(n);
式(2)
として表すことができる。ここで、PSD’Tx(n−1)は、許可MCS当たりの電力オフセットのない、第(n−1)のTx PSDを表し、PSD’Tx(n−1)=PSDTx(n−1)−ΔMCS(n−1)によって与えられる。
一般に、個々の許可MCSの電力オフセットは、WTRUおよびeNodeBの両方によって知られている。
WTRU20のプロセッサ115は、PSDTxを決定するために、経路損失ベースのオープンループPCと、クローズドループPCとを組み合わせる。開示される方法によれば、WTRU20は最初に、経路損失測定およびシステムパラメータに基づいて、オープンループPCを実行する(PSDopen)。PSDopenは、以下のように計算される。
Figure 2013059114
ここで、
・PSDtargetは、サービングeNodeB30において受信される目標PSDであり、好ましくは、WTRU(または複数のWTRUのうちのサブグループ)固有のパラメータである。目標PSDは、サービス品質(QoS:Quality of Service)(例えば目標ブロック誤り率(BLER:block error rate))に従って、アウターループ(outer loop)機構を介して調整することができ、経路損失測定の関数でもあり、経路損失の一部を補償する。目標PSD、PSDtargetのシグナリングは、調整時に、より高位のレイヤにおけるノードB30からWTRU20へのシグナリングを介して低速ベースで行われる。
Figure 2013059114
は、遮蔽を含む、eNodeB30からWTRU20までの、dB単位のフィルタリングされた経路損失であり、この場合、WTRU20は最初に、その送信電力が知られているDL基準信号(RS)に基づいて、瞬時的な経路損失を測定する。WTRU20は次に、その経路損失にフィルタリング方法を適用する。例えば、第kの段階におけるフィルタリングされた経路損失
Figure 2013059114
は、
Figure 2013059114
として計算することができ、ここで、
Figure 2013059114
およびLは、第(k−1)の段階におけるフィルタリングされた経路損失と、第kの段階における瞬時的な経路損失を表し、ρは、一般にWTRU20によって決定される0≦ρ≦1のフィルタ係数であり、例えば、経路損失変動、高速フェージングレートおよびUL送信時間などに依存する。経路損失のフィルタリングは、PHYレイヤおよび/またはL2/L3レイヤにおいて行うことができる。
WTRU20がオープンループ成分を決定すると、プロセッサ115は、クローズドループ成分を計算する。当業者が知っているように、FDDにおけるULおよびDLの不完全な相互依存性(reciprocity)が原因の経路損失推定誤差と、非線形な電力増幅が原因のWTRU Txの機能障害(impairment)とを含む、オープンループ関連の誤差が存在する。そのような誤差を補償し、電力制御されるチャネルの品質を目標品質に沿ったものに維持するために、WTRUは、式(1)(または式(2))にあるように、クローズドループPCの形式で、補正をオープンループベースのPSDに適用する。
サービングeNodeB30は、各ULスケジュールされたWTRU(または複数のスケジュールされたWTRUのうちのサブグループ)に対する、WTRU固有の(絶対および/または累積)PC補正コマンドを決定する。好ましくは、eNodeB30は、補正コマンドの基準として、電力制御されるデータチャネルを使用する。結果の補正コマンドは、DLレイヤ1またはレイヤ2制御チャネルで送信される、UL許可および/またはDLスケジューリングチャネルを介して、WTRU20(または複数のスケジュールされたWTRUのうちのサブグループ)にシグナリングされる。補正コマンドは、すべてのHARQプロセス1など、特定の(予め定義された)HARQプロセスに関連付けられたUL許可(UL grant)においてのみシグナリングすることができる。
WTRU20において補正コマンドを受信すると、WTRU20のプロセッサ115は、補正コマンド(または累積補正コマンド)に基づいて、
Δclosed=f(PC補正コマンド); 式(5)
として説明される補正係数Δclosedを決定する。ここで、Δclosedは、コマンドの3ビットを使用する、例えば{+/−4,+/−1dB}など、複数のステップレベルの集合の形を取ることができる。
代替として、eNodeB30は、UL許可および場合によってはDL制御チャネルのDLスケジューリングにおける、3ビットなど、複数のコマンドビットを使用して、各スケジュールされたWTRU20(または複数のスケジュールされたWTRUのうちのサブグループ)に電力補正係数を送信することのできる。ここで、補正コマンドは、好ましくは、電力制御されるULデータチャネル(および利用可能であれば、場合によってはULサウンディングリファレンスシンボル)の(受信PSDまたはSINRなどの)リンク品質に基づいて決定される。例えば、電力補正係数値の集合が、3ビットを用いる{−7,+/−5,+/−3,+/−1,0dB}であると仮定すると、補正係数は、以下のように決定することができる。
Figure 2013059114
ここで、ESINRestおよびSINRtargetはそれぞれ、電力制御されるチャネルの、受信機における実効SINR(ESINR:effective SINR)推定および目標SINRをdB単位で表す。[x]は、xに最も近い、補正集合内の補正値を示す。ESINR推定のためのeNodeBにおいて観測されるサンプルは、DLにおける最後の補正コマンドシグナリング以降に受信された、電力制御されるULチャネルのSC−FDMAシンボル(の一部または全部)を含む。
コマンドシグナリングオーバヘッドを低減するために、補正コマンドは、必ずしもすべてのUL許可(および使用されるならば、すべてのDLスケジューリング)において必要とされるわけではない。すなわち、補正コマンドは、予め設定されたシグナリング時間に(例えば、Nを最小UL PC更新周期以下の設定可能なパラメータとした場合、Nの許可チャネル毎またはNの送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)毎に)送信することができる。
補正コマンドシグナリングタイミングは、eNodeB30において(またはRRCレベルで)WTRU毎に設定され、その後、より高位のレイヤのシグナリングを介して、eNodeB30およびWTRU20の両方において知られる。
補正コマンドがUL許可においてシグナリングされる場合、UL HARQが同期的であると仮定すると、シグナリングタイミング設定は、予め定義されたHARQプロセス、例えばHARQプロセス#1に関連付けられたUL許可など、特定のUL許可においてコマンドシグナリングが行われるように、簡略化することができる。しかし、この場合であっても、必ずしもすべての関連付けられたUL許可チャネルにおいて補正コマンドをシグナリングする必要はない。例えば、シグナリングは、N≧1として、Nの関連付けられた許可チャネル毎に行うことができ、これは、NのHARQサイクル期間毎に1つのコマンドシグナリングと等価である。シグナリングタイミング(または関連付けられたパラメータ)は、半静的レート(semi static rate)で再設定することができる。
図3は、PC補正コマンドがHARQプロセス#1に関連付けられたUL許可において伝送され、Nが2に設定される場合の、開示されるPC方法の一例を示している。この例では、HARQプロセスの数が4であり、インター送信時間間隔(TTI)(inter−transmission time interval)が1に等しいと仮定すると、PC更新レートは8msecである。
WTRU20が、最後のTx PSD調整以降に、UL許可において1つの補正コマンド(または場合によっては複数のUL許可において累積補正コマンド)をサービングeNodeB30から受信する場合、WTRU20は、次のPSD調整のために、受信補正コマンドから(または2つ以上のコマンドが受信された場合は、複数の補正コマンドを組み合わせた後に)補正係数Δclosedを導き出す。
その後、WTRU20は、導き出された補正係数、直近のオープンループPSD、および許可MCSに関連付けられた電力オフセットを使用して、式(1)(または式(2))に従って、データチャネルの送信PSDを調整する。結果のTx PSDは、データチャネルのための次のUL TTIのまさに先頭(第1のSC−FDMAシンボル)に適用され、図3に示されるように、次のPSD調整まで、一定に維持される。
図4は、UL HARQが4つのHARQプロセスを有する同期的方式であり、WTRU20がすべてのTTIにおいて(例えばインターTTI=1)データパケット(例えばHARQプロセス)を送信するようにスケジュールされることを仮定した、開示される組み合わせPC方法のタイミングの一例を示している。加えて、eNodeB30は、HARQプロセス1に関連付けられたUL許可においてのみ、PC補正コマンドを送信する。この場合、WTRU Tx電力更新周期は、4TTI(例えば4msec)である。
図4に示されるように、初期UL送信において、利用可能なPC補正コマンドが存在しないことがあり得るので、WTRU20は、オープンループ成分のみに基づいて(すなわち、式(1)における重み係数αはゼロ)、その送信電力を設定する。次のHARQ送信時間(1つのHARQサイクル時間)の前、eNodeB30は、HARQプロセス1に関連付けられたDL制御チャネルの許可チャネル内で補正コマンドを送信し、その場合、コマンドは、最初の2つのHARQプロセスのリンク品質(電力またはSINR)に基づいて決定される。WTRU20が補正コマンドを正しく受信した場合、WTRU20は、オープンループとクローズドループを組み合わせた方式に基づいて、その送信PSDTxを計算し、そのPSDTxを以降のHARQプロセスに適用する。
図5は、インターTTIが2である場合の、開示される組み合わせPCタイミングの別の例を示している。この場合、UL PC更新周期は、8TTI(8msec)である。
(例えば、最近スケジュールされたULデータ送信、例えば、UL DTXが原因で)
最近のクローズドループ補正コマンドが存在しない場合、WTRU20は、オープンループに依存することによって、そのTx PSDを設定することができる。この場合、式(1)における重み係数αは、初期Tx PSD設定の場合のように、ゼロに設定される。
代替として、WTRU20は、DTX以前の時間とUL送信再開以前の時間の間の経路損失変動に基づいて、Tx PSDを設定することもできる。UL DTXが短い場合、WTRUは、
PSDTx(n)=PSD’Tx(n−1)+(PSDopen(n)−PSDopen(n−1))+ΔMCS(n) 式(7)
のように、αをゼロに設定することによって、式(2)を使用することができ、ここで、nは、UL送信再開以前のTx PSD設定時間であり、(n−1)は、DTX以前のPSD設定時間である。この場合のタイミングの一例が、図6に示されている。
別の代替では、WTRU20は、利用可能ならば、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)に、直近のPSDに関する電力オフセットを適用することもできる。ULデータ送信が存在しない場合であっても、DLのための(CQIおよびACK/NACKなどの)UL制御信号は存在することがある。この場合、UL制御チャネルも、式(1)に基づいて(しかし異なるパラメータおよび更新レートを使用して)電力制御されるので、UL制御チャネルTx PSDは、データチャネルTx PSDのために、以下のように使用することができる。
PSDTx(データ)=PSDTx(制御)+Δcontrol(データ,制御)
式(8)
ここで、PSDTx(制御)は、UL制御チャネルの直近のPSD(または最近の更新にわたって平均を取ったPSD)であり、Δcontrol(データ,制御)は、データのTx PSDに対する制御チャネル電力オフセットを表す。
DTX期間が長い場合、WTRU20のPSDTxは、初期PSDTx設定の場合のように、オープンループのみに基づいて、DTXの直後に決定することができる。
図7は、DTXを含む、提案される組み合わせPC方式の一例を示している。
一般に、DL制御チャネル内のUL許可割り当て(例えば割り当てMCSおよびTBS)は、ULデータ送信の(受信PSDまたはSINRなどの)リンク品質と関連付けられる。許可割り当てがeNodeB30において受信されたリンク品質(例えばSINR)を表すように、eNodeB30のプロセッサ125が、UL許可(MCSおよびTBS)をWTRU20に割り当てることができる、別の方法が開示される。この場合、WTRU20は、そのTx PSDを以下のように導き出すことができる。
PSDTx=PSDopen+α・f(UL許可割り当て,SINR)+ΔMCS (dBm); 式(9)
ここで、PSDopen、α、およびΔMCSはそれぞれ、上で定義されたものと同じである。f(UL許可割り当て,SINR)は、式(1)の電力補正係数Δclosedを置き換えた、dB単位の補正係数である。SINRは、dB単位の目標SINRである。許可ベースの補正係数f(UL許可割り当て,SINR)は、以下によって表すことができ、
f(UL許可割り当て,SINR)=SINR−E{SINRest(UL許可割り当て)} 式(10)
ここで、SINRest(UL許可割り当て)は、WTRU20がUL許可割り当てから導き出す、eNodeBで受信されるSINR推定を表す。E{SINRest}は、
E{SINRest(grant)}=ρ・E{SINRest(grantk−1)}+(1−ρ)・E{SINRest(grant)} 式(11)
のように、時間にわたって平均が取られた推定SINRを表し、ここで、grantは、第kの受信UL許可割り当てを表し、ρは、0≦ρ≦1の平均フィルタリング係数である。WTRUにおけるSINRest(UL許可割り当て)の推定は、半静的ベース(semi−static basis)でより高位のシグナリングを介してネットワークによって設定可能な、許可(MCS,TBS)マッピングテーブルに基づくことができる。
式(1)と同様に、式(8)の補正係数は、オープンループ誤差を補償するために使用することができる。式(8)を使用する主な利点は、式(1)(または式(2))は、UL許可(および/またはDLスケジューリング)においてシグナリングされる明示的なコマンドを必要とするが、式(8)は、DL L1/L2制御チャネルでのUL許可において、明示的な補正コマンドシグナリングを必要としない(シグナリングオーバヘッドの低減をもたらす)ことである。式(3)を使用する場合、クローズドループ成分は、DL L1/L2制御チャネルでのUL許可において、明示的な補正コマンドシグナリングなしの、UL許可割り当て(例えばMCSおよび/またはTBS)に基づくことができる。
しかし、式(9)は、スケジューリングと許可(例えばMCS)の持続的な不一致(すなわち、割り当てられたMCSが受信SINRを正確に表さない)など、場合によっては適用可能でないことがある。したがって、WTRU Tx PSD設定は、式(1)と式(8)の間で切り替えることができる。
より高位のレイヤの補正係数タイプシグナリングを介して、eNodeB30(またはネットワーク10)は、(式(1)または式(8)の)どちらがWTRU Tx電力設定のために使用されるかを、WTRU20にシグナリングする。この場合、補正係数タイプ信号は、半静的ベースおよびWTRU毎ベースで、ネットワーク10によって設定可能であることが好ましい。
代替として、1ビットのMCS不一致インジケータ(MCS mismatching indicator)を、DL L1/2制御信号に導入することもできる。例えば、ビット1は、式(1)を使用することを指示することができ、ビット0は、式(8)を指示するために使用することができる。
別の代替では、明示的な補正コマンドレベルの1つが、式(8)の使用を指示するために使用できる。この代替は、式(1)がデフォルトのPC方法であることを仮定している。そのため、eNodeB30は、式(8)の使用を指示するために、UL許可において補正コマンドレベルの1つを設定する。例えば、式(8)の補正コマンドが3ビット長である場合、8つのコマンドレベルの1つ、例えば「000」が設定されると、WTRU20は、式(8)を使用する。
図8は、TPCを決定するためのオープンループおよびクローズドループを組み合わせた開示される方法のフローチャートを示している。WTRU20のプロセッサ115は、目標電力スペクトル密度PSDTarget(ステップ800)と、フィルタリングされた経路損失(L)(ステップ801)とを決定することによって、経路損失測定に基づいてオープンループ電力制御を実行する。その後、WTRU20は、UL許可チャネルを介して受信機116において受信された電力制御補正コマンドを使用して、クローズドループ成分を決定する(ステップ802)。補正コマンドを受信すると、受信機116は、補正係数Δclosedを決定するために、補正コマンドをプロセッサ115に転送する(ステップ803)。その後、プロセッサ115は、補正係数Δclosedを計算する(ステップ804)。その後、プロセッサ115は、送信電力制御を決定するために、オープンループPCをクローズドループ成分と組み合わせる(ステップ805)。
スケジュールされないデータ(例えばVoIP)のためのTPCの開示される方法において、WTRUがそのTx PSDを設定するためのいくつかの選択肢が、以下のように存在する。i)オープンループPSDのみに依存する。ii)クローズドループ部分については、eNodeBが、(時間的に)特定の瞬間にUL許可を送信し、UL許可が、補正コマンドを搬送する。この場合、UL許可形式(および/または補正コマンド形式)は、スケジュールされたデータの形式と異なって良い。iii)利用可能ならば、PUCCHに直近のPSD(または最近の更新にわたって平均を取ったPSD)に関する電力オフセットを適用する。
Figure 2013059114
ここで、Pは、より高位のレイヤのシグナリングを介してeNodeBによってシグナリングされる、UL干渉レベルなどを含むセル固有の(dBm単位の)パラメータである。
・SINRTargetは、eNodeBがUE(または複数のUEのうちのサブグループ)のためのサービスのクラスを設定することを可能にする、WTRU(または複数のWTRUのうちのサブグループ)固有の(dB単位の)パラメータである。SINRTargetは、サービングセルおよびいくつかの近隣セルまでの経路損失の関数とすることができる。SINRTargetは、半静的ベースでサービングeNodeBによって設定することができ、その後、より高位のレイヤのシグナリングを介してUE(または複数のUEのうちのサブグループ)にシグナリングすることができる。
・PLは、(dB単位の)ダウンリンク経路損失である。
・λは、部分電力制御のためのセル固有の経路損失補償係数であり、0<α≦1である。αは、半静的ベースでeNodeBによって設定され、より高位のレイヤのシグナリングを介してシグナリングすることができる。
・Δclosedは、クローズドループ機構に基づいて決定される、dB単位の電力補正係数である。
・∝は、クローズドループ補正コマンドを伝送するDL制御チャネルの利用可能性に応じて、クローズドループ成分を使用可能(∝=1)または使用不可(∝=0)にするための重み係数である。重み係数は、PC補正コマンドの存在を検出することを介して、WTRUによって自律的に決定される。WTRUは、コマンド信号がどこにいつ存在するかに関して、より高位のシグナリングを介してeNodeBから通知される。例えば、初期UL送信において、eNodeBからの利用可能な補正コマンドは存在しないことがあるので、WTRUは、∝=0を設定する。
・ΔMCSは、許可MCS当たりの電力オフセットである。一般に、個々の許可MCSのための電力オフセットは、WTRUおよびeNodeBの両方によって知られている。
eNodeB30は、与えられた段階において使用されるΔMCSを知っているので、受信PSDからΔMCSの値を取り除くことができ、結果の受信PSD(またはSINR)をネットワーク10によって決定された目標レベルと比較することによって補正コマンドを決定する。
上で説明されたように、この開示された方法は、オープンループベースのPSDと比べて、絶対電力補正係数を使用する。そのため、式(12)から、第nの更新段階におけるWTRU Tx PSDは、以下のように表され、
PSDTx(n)
=PSDopen(n)+α・Δclosed(n)+ΔMCS(n)
=PSD’Tx(n−1)+(PSDopen(n)−PSDopen(n−1))
+α・(Δclosed(n)−Δclosed(n−1))+ΔMCS(n);
式(13)
ここで、PSD’Tx(n−1)は、許可MCS当たりの電力オフセットのない、第(n−1)のTx PSDを表し、PSD’Tx(n−1)=PSDTx(n−1)−ΔMCS(n−1)によって与えられる。
総WTRU送信電力は、Pmaxによって表されるWTRUの最大送信電力レベルによって制約されるので、PTxによって表される総WTRU送信電力は、
Tx=min{Pmax,(10・log10(M)+PSDTx)} (dBm); 式(14)
として表される。ここで、Mは、割り当てられたRBの数である。
したがって、実際のWTRU送信PSDは、
Figure 2013059114
として表すことができる。
式(15)のUL PCは、WTRU20のプロセッサ115によって実施されることに留意されたい。
スケジュールされないデータのための開示されるPC方法によれば、WTRU20は、オープンループPSDを以下のように計算し、
PSDopen=P+SINRTarget+λ・PL (dBm); 式(16)
ここで、
・目標SINR、SINRTargetは、(目標BLERのような)サービス品質(QoS)に従って、サービングeNodeB30においてアウターループ機構を介して調整することができ、サービングセルおよび近隣セルまでの経路損失測定の関数でもある。
・PLは、サービングeNodeBからWTRUまでの、遮蔽を含む、dB単位のフィルタリングされた経路損失である。WTRUは、その送信電力がWTRUにおいて知られているDL RSに基づいて、瞬時的な経路損失を継続的(または定期的)に測定する。その後、フィルタリング方法が、
PL=ρ・PLk−1+(1−ρ)・PL 式(17)
のように、経路損失測定に適用され、ここで、PLおよびPLk−1はそれぞれ、第kの段階および第(k−1)の瞬間におけるフィルタリングされた経路損失を表す。Lは、第kの瞬間における瞬時的な経路損失である。ρは、一般にWTRU20によって決定される、0≦ρ≦1のフィルタ係数であり、経路損失変動、高速フェージングレートおよびUL送信時間などに依存する。代替として、経路損失フィルタリングのために移動平均法を考えることもできる。
クローズドループ成分は、上で開示されたのと同様に、プロセッサ115によって決定される。
Figure 2013059114
ここで、ESINRestおよびSINRtargetはそれぞれ、電力制御されるチャネルの、受信機における実効SINR(ESINR)推定および目標SINRをdB単位で表す。[x]は、xに最も近い、補正集合内の補正値を示す。
上で開示された方法と同様に、補正コマンドがUL許可においてシグナリングされる場合、UL HARQが同期的であると仮定すると、シグナリングタイミング設定は、予め定義されたHARQプロセスに関連付けられたUL許可など、特定のUL許可においてコマンドシグナリングが行われるように、簡略化することができる。
スケジュールされないデータ(例えばVOIP)について、(例えば、最近スケジュールされたULデータ送信、例えば、UL DTXが原因で)最近のクローズドループ補正コマンドが存在しない場合、WTRU20は、オープンループに依存することによって、そのTx PSDを設定することができ、この場合、式(13)における重み係数∝は、初期Tx PSD設定の場合のように、ゼロに設定される。WTRU20は、代替として、DTX以前の時間とUL送信再開以前の時間の間の経路損失変動に基づいて、そのTx PSDを設定することもできる。UL DTXが短い場合、WTRUは、
PSDTx(n)=PSD’Tx(n−1)+(PSDopen(n)−PSDopen(n−1))+ΔMCS(n); 式(19)
のように、βをゼロに設定することによって、式(2)を使用することができる。ここで、nは、UL送信再開以前のTx PSD設定時間であり、(n−1)は、DTX以前のPSD設定時間である。この場合のタイミングの一例が、図4に示されている。
代替として、WTRU20は、利用可能ならば、PUCCHに直近のPSDに関する電力オフセットを適用することができる。ULデータ送信が存在しない場合であっても、DLのための(CQIおよびACK/NACKなどの)UL制御信号は存在することがある。この場合、UL制御チャネル(PUCCH)も、式(12)に基づいて(しかし異なるパラメータおよび更新レートを使用して)電力制御されるので、UL制御チャネル(PUCCH)Tx PSDは、データチャネル(PUSCH)Tx PSDのために、以下のように使用することができる。
PSDTx(PUSCH)=PSDTx(PUCCH)+Δcontrol(PUSCH,PUCCH) 式(20)
ここで、PSDTx(PUCCH)は、UL制御チャネル(PUCCH)の直近のPSD(または最近の更新にわたって平均を取ったPSD)であり、Δcontrol(PUSCH,PUCCH)は、PUSCHのTx PSDに対する制御チャネル(PUCCH)電力オフセットを表す。
サウンディングパイロット(sounding pilot)の場合、そのTx PSD、PSDTx(パイロット)は、データTx PSD、PSDTx(データ)に対するパイロット電力オフセットによって、
PSDTx(パイロット)=PSDTx(データ)+Δpilot(データ,パイロット) 式(21)
のように、バイアスがかけられることがある。
ここで、Δpilot(データ,パイロット)は、半静的ベースでeNodeBによって設定されるWTRU固有のパラメータとすることができる、パイロット電力オフセットを表す。
ULにおける制御シグナリングの場合、(目標PSDなどの)異なるパラメータと、データ用よりも高速な更新レートを使用することが好ましい。加えて、制御信号用の補正コマンドのために測定される参照チャネルは、制御チャネル自体であり、制御用の補正コマンドは、DLスケジューリングにおいて伝送されることが好ましい。制御用の補正コマンドのビットの数は、データ用のものと異なってよく、その場合、コマンドビットの数は、WTRU毎ベースの半静的に設定可能なパラメータとすることができる。しかし、データチャネルと制御チャネルとの間の相対平均電力オフセットを、
E(PSDTx(データ))=E(PSDTx(制御))+Δcontrol(データ,制御)
式(22)
のように、維持することができる。ここで、
*E(PSDTx(データ))は、データチャネルについてのdBm単位の平均PSDを表し、
*E(PSDTx(制御))は、制御チャネルについてのdBm単位の平均PSDを表す。
*Δcontrol(データ,制御)は、データチャネルと制御チャネルとの間の電力オフセットである。
UL PCの別の開示される方法では、共用データチャネルのための干渉緩和(Interference Mitigation)を備える、オープンループ/クローズドループを組み合わせたUL PCが使用される。この方法によれば、WTRU20は、ULチャネルのためのその送信PSDを制御する。WTRU20の帯域幅割り当て(例えばRB割り当て)が変化する場合、WTRUの総送信電力は、PSDが一定に保たれるように変化する。
上で開示された方法において説明されたように、WTRU20は、経路損失測定およびシステムパラメータに基づいて、オープンループPCを実行する。その後、WTRU20は、オープンループ誤差を補償するために、何らかの形式のクローズドループPCを使用して、そのPSDを補正する。ULスケジュールされた各WTRUに対して、CQI情報が、AMCおよびスケジューリングのために、eNodeB30から周期的にシグナリングされることに留意されたい。したがって、この開示される方法のクローズドループPC成分は、eNodeBによってシグナリングされるどのような付加的なPCコマンドも必要としない。近隣セルにおけるセル間干渉を緩和するため、WTRU20は、最強の近隣セルからの干渉負荷インジケータ(interference load indicator)を含む。
この方法によれば、UL共用データチャネルの場合、初期送信フェーズにおいて、WTRU20は、DL参照信号(RS:reference signal)に基づいて、その送信PSD、PSDTxを以下のように導き出す。
PSDTx=SINR+PL+IN+K+Δ(IoT)−10・log10(BWRU・NRU); 式(23)
ここで、SINRは、サービングeNodeB30における、dB単位の目標SINRである。PLは、サービングeNodeB30からWTRU20までの、遮蔽を含む、dB単位の経路損失であり、その場合、WTRU20は、DLレイヤ2/レイヤ3シグナリングを介して、その送信電力がWTRU20において知られているDL RSに基づいて、経路損失を測定する。INは、サービングeNodeB30において測定される、dBm単位のUL干渉および雑音電力である。Kは、サービングeNodeB30によって設定される電力制御マージンである。
WTRU20(または複数のWTRUのうちのサブグループ)の目標SINRは、サービングeNodeB30において、(BLERなどの)リンク品質メトリックに従って、アウターループPC方式を使用して、調整可能であることが好ましい。加えて、UL多入力多出力(MIMO:Multiple In Multiple Out)の場合、目標SINRは、選択されたMIMOモードにも依存し、それは、異なるMIMOモードは与えられたリンク品質に対して異なるSINRを必要とするという事実を考慮している。Δ(IoT)は、UL負荷制御ステップサイズを表し、これは、最強の近隣セルのUL干渉負荷(例えばインターフェレンスオーバサーマル(interference over thermal))インジケータIoTの関数である。ここで、最強の近隣セルは、個々の近隣セルからWTRU20までの経路損失測定に基づいて、WTRU20において決定される。各セル40は、WTRU20が選択された最強の近隣セルからのインジケータビットを復号できるように、(HSUPAにおける相対的許可と同様に)UL干渉負荷ビットを周期的にブロードキャストすることが仮定される。
例えば、Δ(IoT)は、以下のような値をもつことができる。
Figure 2013059114
ここで、δは、例えばδ=−1または−2dBなどの、予め定義されたシステムパラメータである。Δ(IoT)を用いて、近隣セルにおけるセル間干渉は、緩和することができる。
セル中心のWTRUは、セル周縁のWTRUよりも僅かな干渉しか他のセルに及ぼさないので、負荷制御ステップサイズの一部は、以下のように考えることができる。
Figure 2013059114
WTRU20は、そのサービングセルと最強の近隣セルの間の経路損失比に基づいて、それがセル周縁にいるか、それともセル内部にいるかについて、例えば、
If(サービングセルの経路損失−最強近隣セルの経路損失)<R(dB),x=4;
のように判定することができる。ここで、Rは、セル内部ゾーンとセル周縁ゾーンの間の仮想境界レイヤ(virtual boundary layer)を表す。パラメータRは、半静的にeNodeB30によってブロードキャストすることができる。
初期送信フェーズの後、WTRU20のPSDTxが、以下のように計算される。
PSDTx=SINR+PL+IN+K+Δ(IoT)+α・f(CQI,SINR)−10・log10(BWRU・NRU) 式(24)
ここで、f(CQI,SINR)は、UL CQIおよび対応する目標SINRに基づいた補正係数であり、CQIおよび目標SINRの両方は、サービングeNodeB30からシグナリングされる。αは、チャネル状態およびCQI利用可能性(またはUL送信中断)に従って決定することができる、0≦α≦1の重み係数である。例えば、スケジュールされたULデータ送信がないことが原因で、eNodeB30からの利用可能なUL CQI(UL MCSまたは許可情報)が存在しない場合、重み係数αは、ゼロに設定されて、WTRU20が(ランダムアクセスチャネル(RACH)のためのPCなど)オープンループPCにのみ依存することを意味する。それ以外の場合は、1以下に設定される。
式24の補正係数f(CQI,SINR)は、FDDにおけるULおよびDLの不完全な相互依存性(reciprocity)が原因の経路損失測定誤差と、非線形なWTRU送信機の電力増幅が原因のWTRU20の送信機の機能障害(impairment)とを含む、オープンループPC関連の誤差を補償するために使用される。加えて、補正係数は、異なるチャネル状態が原因の目標品質の不一致を補償するために使用される。したがって、電力制御されるチャネルの品質は、(目標SINRのような)与えられた目標品質に沿ったものに維持される。
UL CQI(UL MCSまたは許可情報)はeNodeB30において受信されたSINRを表すという事実を考慮すると、補正係数は、
f(CQI,SINT)=SINR−E{SINRest(CQI)} (dB); 式(25)
のように計算することができ、ここで、SINRest(CQI)は、WTRUがUL CQIフィードバックから導き出す、eNodeBで受信されるSINR推定を表す。E{SINRest(CQI)}は、以下などによる推定SINRの時間にわたる平均を表す。
E{SINRest(CQI)}=ρ・E{SINRest(CQIk−1)}+(1−ρ)・E{SINRest(CQI)}; 式(26)
ここで、CQIは、第kの受信CQIを表し、ρは、0≦ρ≦1の平均フィルタ係数である。
上の式(25)において与えられた、目標SINRと(報告されたCQIから導き出される)推定SINRとの間の差による補正係数は、補償される必要があるオープンループPC関連の誤差を表す。
WTRUの総送信電力は、それぞれdBm単位の、最大電力レベルPmaxと最小電力レベルPminとの範囲内にあるべきであり、最大および最小電力レベルは、WTRUクラスに基づいて決定される。
eNodeB30は、好ましくは、WTRU(または複数のWTRUのうちのサブグループ)固有のパラメータである目標SINRレベル、SINRを含むパラメータをシグナリングし、目標SIRは、目標BLERのようなQoSに基づいて、アウターループ機構を介して調整することができる。目標SINRは、経路損失測定の関数とすることもできる。目標SIRのシグナリングは、インバンドL1/2制御信号を介して、その調整時に行われる。eNodeB固有のパラメータである電力制御マージンKも、eNodeB30によってシグナリングされる。Kは、好ましくは、半静的であり、ブロードキャストチャネル(BCH)を介してシグナリングされる。Kが他のパラメータとともに別途シグナリングされると仮定しても、Kは目標SINRに埋め込まれることができ、すなわち、SINR(埋め込み後)=SINR+K (dB)とすることができることに留意されたい。この場合、WTRU20へのKの明示的なシグナリングは必要とされない。
eNodeB30はさらに、使用されるすべてのサブキャリア(もしくはRB)またはサブキャリアのサブセットにわたって平均された、総UL干渉および雑音レベルINをシグナリングする。このパラメータは、好ましくは、サービングeNodeB30によって導き出される(場合によってはBCHを介してシグナリングされる)。この信号の更新レートは一般に、相対的に低い。最大および最小UL電力レベルPmaxおよびPminも、eNodeB30によってシグナリングされる。各々は、WTRU機能依存のパラメータとすることができるか、またはeNodeB30によって明白にシグナリングすることができるかのどちらかである。
UL AMCの目的で(TTI当たり1回の最大シグナリングレート、例えば1000Hzで)最初はシグナリングされる、ULチャネル品質インジケータCQI(例えばUL MCSまたは許可情報)。
eNodeBがCQIフィードバック生成のために使用する、CQIマッピング規則(またはCQIと測定SINRの間のバイアス)。この規則またはパラメータは組み合わせて、目標SINRとすることができる。この場合、規則(またはパラメータ)の明示的なシグナリングは必要とされない。
各eNodeBからのUL干渉負荷インジケータ。
セル内部ゾーンとセル周縁ゾーンの間の仮想境界レイヤを表す、半静的パラメータR。
開示されるPC方法は、低速ベースでWTRUにブロードキャスト(または直接シグナリング)することができる、目標SINR、セル干渉/雑音レベル、ならびに参照信号送信電力および定数値を含む、上で列挙されたシステムパラメータ以外の、付加的なフィードバックPCコマンドを必要としない。
開示されるPC方法は、E−UTRA要件を満たすために、動的なシステム/リンクパラメータ(目標SINRおよびセル間干渉負荷状態)と、チャネル状態(経路損失および遮蔽)とに対して、柔軟で適応的であるように設計されている。
さらに、この開示される方法は、AMC、HARQおよび適応MIMOなど、他のリンク適応方式と両立可能である。
セル間干渉緩和の代替方法では、各eNodeBから干渉負荷インジケータをブロードキャストする代わりに、サービングeNodeB30が、他のセル40とセル間干渉レベルを調整することができ、目標SIR、電力制御マージンKまたは場合によってはPmaxをしかるべく調整することを通して、それらを具体化することができる。
実施形態
1.無線送受信ユニット(WTRU)の送信電力を制御する方法であって、
経路損失測定に基づいてオープンループアップリンク(UL)電力制御(PC)成分を決定するステップと、
補正係数を含むクローズドループ電力制御成分を決定するステップと、
送信電力を決定するために前記オープンループ成分および前記クローズドループ成分を電力オフセットと組み合わせるステップと
を含む方法。
2.PC補正コマンドを受信するステップであって、前記補正係数は、前記補正コマンドまたは累積補正コマンドに基づくステップ
をさらに含む実施形態1に記載の方法。
3.前記PC補正コマンドは、予め設定されたシグナリング時間に受信される実施形態2に記載の方法。
4.前記予め設定されたシグナリング時間は、特定のUL許可中にある実施形態3に記載の方法。
5.前記UL許可は、ハイブリッドアクセス再送要求(HARQ)プロセスである実施形態4に記載の方法。
6.前記オープンループPC成分は、経路損失変動に基づく実施形態2〜5のいずれかに記載の方法。
7.前記経路損失変動は、不連続送信以前の経路損失とUL送信再開以前の時間の間の変動である実施形態6に記載の方法。
8.前記PC補正コマンドは、リンク品質に基づいて決定される複数のコマンドビットを使用する実施形態2〜7のいずれかに記載の方法。
9.前記補正係数は、以下の式を使用して決定され、
Figure 2013059114
ここで、ESINRestおよびSINRtargetは、実効信号対干渉雑音比(ESINR)および目標SINRを表す実施形態1〜8のいずれかに記載の方法。
10.前記受信PC補正コマンドから前記補正コマンドを計算するステップ
をさらに含む実施形態2〜9のいずれかに記載の方法。
11.次の送信電力更新まで前記送信電力を次のアップリンク送信時間間隔(TTI)の最初に適用するステップ
をさらに含む実施形態1〜10のいずれかに記載の方法。
12.前記補正係数は、初期アップリンク送信においてゼロ(0)である実施形態1〜11のいずれかに記載の方法。
13.前記補正係数は、アップリンク許可割り当てである実施形態1〜12のいずれかに記載の方法。
14.前記許可ベースの補正係数は、以下の式を使用して決定され、
f(UL許可割り当て,SINT)=SINR−E{SINRest(UL許可割り当て)};
ここで、SINRest(UL許可割り当て)は、WTRUが前記UL許可割り当てから導き出す、eNodeBで受信されるSINR推定を表す実施形態13に記載の方法。
15.受信補正係数符号に基づいて前記許可ベースの補正係数を使用するかどうかを決定するステップ
をさらに含む実施形態14に記載の方法。
16.受信MCS不一致インジケータに基づいて前記許可ベースの補正係数を使用するかどうかを決定するステップ
をさらに含む実施形態14に記載の方法。
17.受信MCS不一致インジケータに基づいて明示的な補正コマンドを使用するかどうかを決定するステップ
をさらに含む実施形態14に記載の方法。
18.干渉負荷インジケータを決定するステップであって、前記干渉負荷インジケータは、最強の近隣セルから決定される、ステップ
をさらに含む実施形態1〜17のいずれかに記載の方法。
19.前記送信電力は、ダウンリンク参照信号に基づき、前記干渉負荷インジケータは、セル間干渉を緩和するために使用される実施形態18に記載の方法。
20.実施形態1〜19のいずれかに記載の方法を実施するように構成されたプロセッサを備える無線送受信ユニット(WTRU)。
21.実施形態1〜19のいずれかに記載の方法を実施するように構成されたプロセッサを備えるノードB。
上では特徴および要素が特定の組み合わせで説明されたが、各特徴または要素は、他の特徴および要素を伴わずに単独で使用することができ、または他の特徴および要素を伴うもしくは伴わない様々な組み合わせで使用することができる。本明細書で提供された方法またはフローチャートは、汎用コンピュータまたはプロセッサによる実行のための、コンピュータ読取り可能記憶媒体内に含まれる、コンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実施することができる。コンピュータ読取り可能記憶媒体の例は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光媒体を含む。
適切なプロセッサは、一例として、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、他の任意のタイプの集積回路(IC)、および/または状態機械を含む。
ソフトウェアと連携するプロセッサは、無線送受信ユニット(WTRU)、ユーザ機器(UE)、端末、基地局、無線ネットワークコントローラ(RNC)、または任意のホストコンピュータで使用される無線周波数送受信機を実装するために使用することができる。WTRUは、カメラ、ビデオカメラモジュール、ビデオフォン、スピーカフォン、バイブレーションデバイス、スピーカ、マイクロフォン、テレビ送受信機、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)ラジオユニット、液晶表示(LCD)ディスプレイユニット、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)モジュールもしくは超広帯域(UWB)モジュールなどの、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施されるモジュールと併せて使用することができる。
本発明は、一般的に無線通信システムに利用することができる。特に、送信電力制御の改良された方法を実現できる。
20、110 WTRU
30、120 ノードB
40 セル
115、125 プロセッサ
116、126 受信機
117、127 送信機

Claims (15)

  1. 無線送受信ユニット(WTRU)の送信電力を制御する方法であって、
    経路損失測定に基づいて、オープンループアップリンク(UL)電力制御(PC)成分を決定するステップと、
    補正係数を含むクローズドループPC成分を決定するステップと、
    前記オープンループPC成分および前記クローズドループPC成分を、変調および符号化スキーム(MCS)に関連しているオフセット値と関連した差分係数と組合せて、送信電力を決定するステップと
    を備えることを特徴とする方法。
  2. PC補正コマンドを受信するステップであって、前記補正係数は前記PC補正コマンドまたは累積補正コマンドに基づいているステップ
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記PC補正コマンドは、予め設定されたシグナリング時間に受信されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記予め設定されたシグナリング時間は、特定のUL許可中にあることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記UL許可は、ハイブリッドアクセス再送要求(HARQ)プロセスに関連付けられていることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記PC補正コマンドは、リンク品質に基づいて決定される複数のコマンドビットを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  7. 前記補正係数は、アップリンク許可割り当てであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 経路損失測定に基づいた、オープンループアップリンク(UL)電力制御(PC)成分と、補正係数を含むクローズドループPC成分とを決定するプロセッサであって、前記オープンループPC成分および前記クローズドループPC成分は、無線送受信ユニット(WTRU)送信電力を決定するオフセット値と関連した差分係数と組合せられ、前記オフセット値は変調および符号化スキーム(MCS)に関連している、プロセッサ
    を備えたことを特徴とするWTRU。
  9. PC補正コマンドを受信する受信機であって、前記補正係数は、前記PC補正コマンドまたは累積補正コマンドに基づいている受信機
    をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載のWTRU。
  10. 前記PC補正コマンドは、予め設定されたシグナリング時間に受信されることを特徴とする請求項9に記載のWTRU。
  11. 前記予め設定されたシグナリング時間は、特定のUL許可中にあることを特徴とする請求項10に記載のWTRU。
  12. 前記UL許可は、ハイブリッドアクセス再送要求(HARQ)プロセスに関連付けられていることを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
  13. 前記PC補正コマンドは、リンク品質に基づいて決定される複数のコマンドビットを含むことを特徴とする請求項9に記載のWTRU。
  14. 前記補正係数は、アップリンク許可割り当てであることを特徴とする請求項8に記載のWTRU。
  15. 前記プロセッサは、干渉負荷インジケータを決定し、前記干渉負荷インジケータは、最強の近隣セルから決定されることを特徴とする請求項8に記載のWTRU。
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