JP2013057595A - 検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料保持プレートの窪部を撮像した画像から特定された領域の濃度値を、窪部壁面の影響を排除して精度よく算出することのできる技術を提供する。
【解決手段】マイクロプレートMに設けられたウェルの上方から光を入射させ、下面に透過した光を受光してウェルの原画像を得る(ステップS101)。原画像中の検出対象領域を適宜の画像処理によって特定するとともに(ステップS102)、各検出対象領域を取り囲む背景としての周囲領域を特定する(ステップS103)。各検出対象領域Riについて、当該検出対象領域のRiの輝度情報と、当該検出対象領域Riを取り囲む周囲領域Siの輝度情報とを用いて当該検出対象領域Riの濃度値を算出することで(ステップS105、S106)、背景に映り込むウェル壁面の影響を排除する。
【選択図】図3

Description

この発明は、試料保持プレートの窪部を撮像した画像から所定の条件に合致する領域を特定し該領域の濃度値を求める技術に関するものである。
医療や生物科学の実験においては、例えばウェルとも称される窪部を多数配列して設けたプレート状の器具(例えばマイクロプレート、マイクロタイタープレート等と呼ばれる)の各ウェルに液体(例えば培養液)や培地等を注入し、ここで培養した細胞等を観察することが行われる。例えば抗癌剤の創薬過程においては、複数の薬剤について濃度を変えながら細胞に作用させ、細胞の生死を判断することが行われる。そして、このような観察を支援するための種々の光学装置が従来より提案されている。
例えば特許文献1に記載の光学装置では、ウェルの上方から光を入射させ、下方に透過した光を受光することでウェルの撮像を行っている。この技術においては、レンズにより収束させた光を入射させることに起因してウェルの側壁面の影が画像に映り込むという問題に対応するために、光の入射の態様を異ならせて複数回撮像した部分画像から1つのウェルの画像を再構成している。
米国特許第7718131号明細書
上記した従来技術のように窪部の壁面の影響を考慮した撮像方法によっても、その影響を完全に排除することは困難である。特に、画像内の特定領域の画像濃度を定量的に求めようとする場合に、壁面の影響を除去した数値を精度よく求める方法が確立されるには至っていない。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、試料保持プレートの窪部を撮像した画像から特定された領域の濃度値を、窪部壁面の影響を排除して精度よく算出することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明は、画像から光学特性の異なる領域を検出し、当該領域の濃度値を検出する検出方法において、上記目的を達成するため、光透過性を有する窪部が複数設けられた試料保持プレートの上方から光を照射し、前記試料保持プレートの下方に透過した光を受光して、前記窪部を含む原画像を撮像する撮像工程と、前記原画像の前記窪部に相当する画像領域内から、周囲と光学特性の異なる領域を検出対象領域として特定する検出対象領域特定工程と、前記検出対象領域を取り囲む周囲領域を特定し、当該周囲領域の輝度情報を取得する周囲領域情報取得工程と、前記検出対象領域の輝度情報と、当該検出対象領域に対応する前記周囲領域の輝度情報とに基づいて、前記検出対象領域の濃度値を算出する濃度値算出工程とを備えることを特徴としている。
窪部壁面の影響は、窪部を撮像した原画像の背景濃度の変化として原画像内に現れる。すなわち、原画像内の検出対象領域およびその周辺の背景濃度が窪部壁面の影響を受ける。したがって、同じ対象物を撮像した画像であっても、当該対象物の背景に窪部壁面の影響がある場合とない場合とでは、当該対象物の画像濃度に違いが生じる。そして、このような画像濃度の差異は、それぞれの対象物の背景にも同様に生じているはずである。
このような知見に鑑みて上記のように構成された発明では、検出対象領域の濃度値が、当該検出対象領域の輝度情報と、当該検出対象領域の周囲領域の輝度情報とに基づいて算出される。検出対象領域とその周囲領域とでは窪部壁面の影響の程度はほぼ同等と考えられるから、検出対象領域の輝度情報から濃度値を算出するのに際してその周囲領域の輝度情報を反映させることにより、窪部壁面の影響をキャンセルして検出対象領域の濃度値を算出することが可能となる。すなわち、この発明によれば、窪部を撮像した画像から特定された検出対象領域の濃度値を、窪部壁面の影響を排除して精度よく算出することができる。
この発明において、周囲領域情報取得工程では、例えば当該検出対象領域の輪郭を外方向に第1膨張量で膨張させてなる第1膨張領域を、当該検出対象領域の輪郭を外方向に第1膨張量より大きい第2膨張量で膨張させてなる第2膨張領域から除外した領域を、周囲領域とするようにしてもよい。この場合、検出対象領域として特定された領域のすぐ外側に隣接する領域は周囲領域から除外されて、検出対象領域の外縁から少し離れて検出対象領域を取り囲む領域が周囲領域として扱われる。
周囲領域の輝度情報を利用して検出対象領域の濃度値を求める場合、周囲領域の輝度情報に検出対象領域自体の輝度が反映されていると算出誤差の原因となる。画像によっては検出対象領域とそれに隣接する領域との境界が明瞭でない場合もあり、特定された検出対象領域の輪郭が本来の境界とは少しずれる場合もあり得る。このことは上記した算出誤差の原因となる。上記のように検出対象領域に隣接する領域を周囲領域から除外することで、境界が曖昧であっても検出対象領域自体を周囲領域に含めてしまうことが回避され、算出精度を向上させることができる。
また例えば、当該検出対象領域の輪郭を外方向に第1膨張量で膨張させてなる当該検出対象領域の第1膨張領域と、当該検出対象領域と異なる他の検出対象領域を第1膨張量で膨張させてなる他の検出対象領域の第1膨張領域とを、当該検出対象領域の輪郭を外方向に第1膨張量より大きい第2膨張量で膨張させてなる第2膨張領域から除外してなる領域を、周囲領域とするようにしてもよい。近接位置にある他の検出対象領域の第1膨張領域は、他の検出対象領域の一部を含む可能性があるので、さらにこの領域をも除外することで、他の検出対象領域が周囲領域に含まれるのを回避して、さらに算出精度を向上させることができる。
あるいは例えば、当該検出対象領域の輪郭を外方向に所定の範囲で膨張させてなる膨張領域から当該検出対象領域を除外した領域を、周囲領域とするようにしてもよい。窪部壁面の影響の度合いは位置によって異なるから、上記のようにして検出対象領域に隣接する領域のみを周囲領域とすることで、より精度よく濃度値を算出することが可能である。
また、周囲領域情報取得工程では、例えば一の検出対象領域に対して特定された周囲領域が他の検出対象領域を含む場合、該周囲領域から当該他の検出対象領域と重複する領域を除外した領域を、周囲領域とするようにしてもよい。上記したように、周囲領域の輝度情報に検出対象領域の輝度が影響すると算出誤差の原因となる。このことは、他の検出対象領域の輝度の影響が含まれる場合も同じである。他の検出対象領域を周囲領域から除外することで、それぞれの検出対象領域の濃度値をより精度よく算出することが可能となる。
また例えば、濃度値算出工程では、検出対象領域内の画素それぞれについて、当該画素の輝度を輝度情報として濃度値を算出するようにしてもよい。こうすることで、検出対象領域内の各位置での濃度情報を画素単位で得ることができ、種々の分析に役立てることができる。
また例えば、周囲領域情報取得工程では、周囲領域内の輝度の平均値を当該周囲領域の輝度情報とするようにしてもよい。
また例えば、濃度値算出工程では、検出対象領域の輝度情報と、周囲領域の輝度情報に所定の重み付け係数を乗じた値との差に基づき検出対象領域の濃度値を算出するようにしてもよい。検出対象領域において検出された濃度から周囲領域の濃度を差し引くことで、検出対象領域および周囲領域に現れた窪部壁面の影響をキャンセルして検出対象領域の濃度値を求めることができる。このとき、窪部壁面の影響は、検出対象領域と周囲領域とで全く同じというわけではない。検出対象領域の輝度情報、周囲領域の輝度情報のいずれかに適宜の重み付けをして差を求めることで、窪部壁面の影響をより効果的に除去することが可能である。この場合、例えば、重み付け係数を周囲領域の輝度情報に応じて決定するようにしてもよい。本願発明者の知見によると、こうすることでより算出誤差を抑えることが可能である。
また、重み付け係数については例えば、検出対象領域特定工程において検出された互いに異なる2つの検出対象領域について算出した濃度値の差が所定の閾値以下となるように、重み付け係数を最適化する最適化工程を備えるようにしてもよい。互いに異なる2つの検出対象領域でそれぞれ算出された濃度値の差が十分に小さければ、重み付け係数の設定が適切であるということができる。このようにして重み付け係数を評価し最適化を行うことで、算出精度をより向上させることが可能である。
より具体的には、例えば、最適化工程では、2つの検出対象領域について、適宜に設定した重み付け係数を用いて濃度算出工程を実行してそれぞれ濃度値を算出し、それらの濃度値の差が閾値以下となるまで、重み付け係数の変更設定と濃度値の算出とを実行することができる。このように重み付け係数を変更設定しながら2つの検出対象領域の濃度値を算出しその差が小さくなるように収束させてゆくことで、重み付け係数を最適化することができる。
これらの場合において、例えば、2つの検出対象領域は、原画像における窪部の中心からの距離が互いに異なるように選ばれてもよい。上記の最適化工程では、使用する2つの検出対象領域間で窪部壁面の影響の度合いの差が大きい方が、最適化の精度は高くなる。ここで、窪部壁面の影響は、概ね原画像における窪部の中心から等距離の位置において同程度となる傾向にある。したがって、例えば窪部の中心付近と外周付近のように、窪部の中心からの距離が異なる2つの検出対象領域を選ぶようにすれば、窪部壁面の影響の度合いの差が大きい検出対象領域が選ばれることとなる。これにより、重み付け係数の最適化をより精度よく行うことができ、結果として検出対象領域の濃度値の算出精度を向上させることができる。
あるいは例えば、2つの検出対象領域は、それぞれの検出対象領域に対応する周囲領域間での輝度情報の差が所定値以上となるように選ばれてもよい。この場合も、窪部壁面の影響の程度が異なる2つの検出対象領域を用いて重み付け係数の最適化が行われるので、重み付け係数の最適化および濃度値の算出における精度の向上を図ることができる。
この発明によれば、試料保持プレートの窪部を撮像した原画像内に存在する所定の条件に合致する検出対象領域の濃度値を、窪部壁面の影響を除去して精度よく算出することが可能である。
この発明を好適に適用可能な検出装置の一態様の概略構成を示す図である。 1つのウェルについての撮像結果を例示する図である。 この発明にかかる濃度値の検出方法を示すフローチャートである。 周囲領域を特定する周囲特定処理の例を示すフローチャートである。 図4の処理内容を模式的に示す図である。 係数の最適化方法を示すフローチャートである。 本実施形態の検出方法による濃度値の算出結果の例を示す図である。
図1はこの発明を好適に適用可能な検出装置の一態様の概略構成を示す図である。より詳しくは、この発明にかかる検出方法の一実施形態を適用可能な検出装置の構成の例を示す図である。この撮像装置1は、図1(a)に示すように、それぞれに例えば培養液、培地、試薬などの液体等(図示せず)が注入された複数の、例えば96個(12×8のマトリクス配列)のウェルWを形成されたサンプル(マイクロプレート)Mの下面周縁部に当接して該マイクロプレートMを略水平状態に保持するホルダ11と、該ホルダ11の上部に設けられた光源12と、ホルダ11の下部に設けられた撮像ユニット13と、これらを司って所定の動作を実行させる制御部10とを備えている。以下の説明のために図1に示す通りに座標軸を設定する。X−Y平面は水平面であり、Z軸は鉛直軸である。
マイクロプレートMにおける各ウェルWの直径および深さは代表的には数mm程度である。一例として、後述する実験において用いられたマイクロプレートMの各部の寸法を示す。図1(b)に示すように、各ウェルWの上部における開口Wtの直径Dtが6.69mmである一方、ウェル底面Wbの内径Dbが6.58mmである。これからわかるように、ウェルWの内壁面Wsは単純な円筒面ではなく、側面が斜めに傾斜したテーパー形状となっている。また、ウェルWの深さDdは10.9mmであり、複数ウェルWの配列ピッチDpは9mmである。なお、各部の寸法は単なる例であって、この撮像装置1が対象とするマイクロプレートのサイズはこれらに限定されるものではなく任意である。
光源12は、制御部10に設けられた光源制御部112によって制御され、光源制御部112からの制御指令に応じてホルダ11に保持されたマイクロプレートMの上方から複数のウェルWに対して一括して光Lを照射する。照射される光は可視光であり、特に白色光が好ましい。
撮像ユニット13は、光源12から出射されてホルダ11に保持されたマイクロプレートMの下方に透過してくる透過光Ltを受光することでマイクロプレートMの画像を撮像するカメラとして機能するものである。撮像ユニット13は制御部10に設けられたカメラ駆動機構113に連結されており、カメラ駆動機構113は、ホルダ11に保持されたマイクロプレートMの下面に沿って撮像ユニット13を水平面(X−Y平面)内で走査移動させる。
すなわち、この実施形態では、撮像ユニット13がマイクロプレートMの下面に沿って走査移動可能となっている。なお、ここでは撮像ユニット13がマイクロプレートMに対して移動するが、撮像ユニット13とマイクロプレートMとの間の相対移動が実現されれば足り、この意味でマイクロプレートMを撮像ユニット13に対して移動させるようにしてもよい。
撮像ユニット13により撮像された画像データは画像処理部114に与えられる。画像処理部114は、撮像ユニット13からの画像データに対して適宜画像処理を施したり、画像データに基づく所定の演算処理を実行する。処理前後のデータは必要に応じて記憶部115に記憶保存される。また、画像処理部114により処理された画像データに基づき、検出処理部116が本発明にかかる検出方法を体現した検出処理を実行する。
また、この撮像装置1は、撮像ユニット13により撮像された原画像や画像処理部114で処理された画像、さらには検出処理部116により実行される検出処理によって得られた検出結果などを表示するための表示部15と、図示を省略しているが、オペレータからの操作入力を受け付けるキーボード、タッチパネルまたはタブレット等の受付手段とを有している。
この撮像装置1は、各ウェルWに保持された液体等(本明細書では、液体、ゲル状のまたは半流動性を有する固体、および、例えば軟寒天のように流動性を有する状態でウェルに注入されその後固化するものの総称である)およびその中に含まれる細胞等の撮像対象物の光学像を撮像したり、その光学像から所定の光学的特徴を有する、より具体的にはウェルWに保持された液体等とは異なる光学的特性を有する特異な部分をその光学的特性の差異を利用して検出するという用途に適用することができる。例えば、培養液や培地中の細胞や細胞集塊(スフェロイド)を撮像対象物として撮像したり、さらに画像処理によりそのような細胞等を自動的に検出する目的に好適に使用することができる。
図2は1つのウェルについての撮像結果を例示する図である。上記のように、この実施形態ではウェルWの上方から光を入射させ、ウェルWの底面から下方に透過してくる光を受光して撮像を行う。この場合において、図2(a)に示すように、ウェルWに対応する画像のウェル領域内にウェルWの側壁面、特にウェルWに注入された液体表面のメニスカスによる屈折の影響による液面よりも上部のウェル側壁面の影が画像に映り込んでしまうことがある。特にウェル壁面が不透明な材料で構成されている場合にその影響が顕著である。このような影が検出対象たる細胞集塊Spの画像と重なることにより、細胞集塊Spが隠蔽されて検出精度が低下するおそれがある。
より具体的には、各細胞集塊Spの濃淡の度合いを数値化して定量的に求めようとする場合に、算出される濃度値に各細胞集塊Spの検出濃度に背景部の濃淡の影響に起因する誤差が生じることがある。例えば、算出対象とする細胞集塊Sp自体は比較的淡い明度を有するものである場合、図2(b)に示すように、淡い、つまり明度の高い背景部BG1とともに存在する細胞集塊Sp1は比較的明るく映る一方、図2(c)に示すように濃い、つまり明度の低い背景部BG2とともに存在する細胞集塊Sp2は、背景の影響が現れて比較的濃く映ることになる。そのため、本来同じ濃度と判断されるべき2つの細胞集塊Sp1,Sp2の濃度値の算出結果が大きく異なってしまうケースがあり得る。
この発明にかかる濃度値の検出方法では、このような背景の濃淡に起因する算出誤差を抑えるために、以下のような原理に基づき検出対象たる細胞集塊Spの濃度値を算出している。
図3はこの発明にかかる濃度値の検出方法を示すフローチャートである。最初に、処理の対象となるウェルの画像を取得する(ステップS101)。ウェル画像を取得する方法としては、撮像装置1を動作させることによりウェルWの撮像を行ってもよいし、また予め撮像されて記憶部115に記憶された画像データを呼び出すことによってもよい。こうして得られたウェル画像の中から、濃度値を求めるべき検出対象となる細胞集塊の領域を特定する(ステップS102)。
検出対象となる領域(以下、「対象領域」と称する)を特定する方法は任意であるが、例えば以下のようにして行うことができる。まず、原画像を平滑化してバックグラウンド画像を作成し、各画素ごとに原画像の輝度からバックグラウンド画像の輝度を減算するとともに、減算後の各画素を適当な閾値を用いて二値化する。そして、高濃度の画素、つまり輝度が閾値よりも低い画素によって連続的に囲まれた領域のうち、面積が所定の範囲内にあるものを、対象領域として特定する。こうすることで、画像内において平均以上の高濃度を有する所定の大きさの領域が、対象領域として特定される。特定された対象領域の個数をN個とする。
続いて、こうして特定された各対象領域について、当該対象領域を取り囲む周囲領域の特定を行う(ステップS103)。周囲領域の特定は、例えば次のようにして行うことができる。
図4は周囲領域を特定する周囲特定処理の例を示すフローチャートであり、図5はその処理内容を模式的に示す図である。最初に、上記のように特定された対象領域の全てについて、第1膨張領域を設定する(ステップS201)。図5(a)に示すように、互いに近接して2つの対象領域R1,R2が特定されている場合を考える。第1膨張領域は、図5(b)に斜線を付して示すように、それぞれの対象領域R1,R2の外縁の輪郭部分を外側に向かって一定幅(第1膨張量)だけ拡大してなる領域である。図では対象領域R1に対応する第1膨張領域を符号101、対象領域R2に対応する第1膨張領域を符号201により表している。領域の「膨張」については、例えば、領域の重心から外縁上の各点までの距離に一定量を加算した距離の範囲内にある点の集合、または、領域の重心から外縁上の各点までの距離に一定の倍率を乗じた距離の範囲内にある点の集合を求めること等によって実現可能である。
周囲領域を特定するに当たり、各検出対象領域をどの程度膨張させるかは任意であるが、検出対象領域の背景濃度を把握するという趣旨および他の検出対象領域が多く入り込んでくると処理が複雑になってしまうという観点から、例えば当該検出対象領域のサイズと同程度またはそれ以下とすることが望ましい。例えば、上記した「一定の倍率」については2以下の数値とすればよい。
続いて、各対象領域Ri(i=1,2,…,N)ごとに周囲領域を特定する。この周囲領域は、画像上で対象領域Riを取り囲む領域であって、当該対象領域の背景の輝度情報を得るために使用する領域である。まず、内部パラメータiを1に設定し(ステップS202)、i番目の対象領域Riについて第2膨張領域を設定する(ステップS203)。図5(c)に符号102で示すように、第1の対象領域R1に対応する第2膨張領域は、当該対象領域R1の外縁の輪郭部分を外側に向かって、先の第1膨張量よりも大きい一定幅(第2膨張量)だけ拡大してなる領域である。
そして、当該対象領域Riに対応する第2膨張領域から、当該対象領域Ri、当該対象領域Riに対応する第1膨張領域を除外するとともに、特定されている他の対象領域およびそれに対応する第1膨張領域をも除外し(ステップS204)、残った領域を、当該対象領域Riについての周囲領域Siとして特定する(ステップS205)。当該対象領域Riの周囲にさらに他の対象領域がある場合は、それらの対象領域およびその第1膨張領域も除外する。
図5の例では、図5(c)に示すように、対象領域R1の第2膨張領域102の一部が他の対象領域R2およびその第1膨張領域201と重なっている。このため、図5(d)に示すように、対象領域R1に対応して特定された周囲領域S1は、第2膨張領域102からこの重複部分が除外されたものとなる。
このようにする理由は以下の通りである。まず、細胞集塊を撮像した画像では、細胞集塊の外縁が必ずしも明瞭でない場合がある。このことや上記した2値化の手法における平均値の算出結果によって、特定された対象領域の輪郭と本来の細胞集塊の輪郭との間にずれが生じる場合があり得る。このことに鑑みて、対象領域R1の外縁として特定された輪郭よりも少し外側の領域(第1膨張領域101)については、実際には対象領域R1の内部である可能性が残る領域として扱う。すなわち、この領域101は周囲領域S1には含めず、それよりもさらに外側の第2膨張領域102内の領域のみを周囲領域S1に含める。こうすることで、実際には対象領域R1の一部である部分の輝度が周囲領域の輝度として誤算入されてしまうことが回避される。
一方、当該対象領域R1に近接して存在する他の対象領域R2も、当該対象領域R1の背景として扱うべきではないものである。また、他の対象領域R2についても、その外縁が不明瞭な場合がある。そこで、他の対象領域R2およびその第1膨張領域201についても除外し、その残りを周囲領域S1とする。こうすることで、隣接する他の細胞集塊の輝度が周囲領域の輝度として誤算入されてしまうことが回避される。
なお、上記の考え方では、対象領域R1を膨張させてなる第1膨張領域101は対象領域R1自身を含んでいる。対象領域R2においても同様である。したがって、ある対象領域Riの周囲領域Siを特定するに当たり、「当該対象領域の第2膨張領域から、当該対象領域および他の対象領域と、それら全ての第1膨張領域とを除外する」との処理内容は、単に「当該対象領域の第2膨張領域から、全ての対象領域の第1膨張領域を除外する」ことと実質的には等価である。
こうして対象領域R1の周囲領域S1が特定されると、パラメータiを1つずつ増加させながら対象領域の全個数Nになるまで上記処理を繰り返すことで(ステップS206、S207)、全ての対象領域Riについて、周囲領域Siが特定される。一の対象領域の周囲領域と他の対象領域の周囲領域とが一部重複しても構わないが、各周囲領域は他の対象領域およびその第1膨張領域を含まないようにする。こうすることで、対象領域の背景濃度を評価する際に他の対象領域の濃度が影響を及ぼすのを回避することができる。
図3に戻って、濃度値検出方法の説明を続ける。上記のように各対象領域について周囲領域が特定されると、続いて各対象領域の輝度情報と、当該対象領域の周囲領域の輝度情報とに基づいて、当該対象領域の濃度値を算出する。具体的には、パラメータiを1から1つずつインクリメントしながら対象領域の全個数Nになるまで(ステップS104、S107、S108)、以下の処理(ステップS105、S106)を繰り返すことで、全ての対象領域Riについて濃度値Diを算出する。
濃度値の算出は、次のようにして行う。まず、当該対象領域Riの周囲領域Siについての輝度情報を取得する(ステップS105)。より具体的には、周囲領域Si内の全画素の輝度値を平均し、その平均値を当該周囲領域Siの輝度情報Bsiとする。
続いて、対象領域Ri内の各画素Pijごとに、当該画素の輝度値(輝度情報)Brijと先に求めた周囲領域Siの輝度情報Bsiとに基づいて、当該画素の濃度値Dijを求める(ステップS106)。より具体的には、次式:
Dij=W1×|Brij−W2×Bsi| … (式1)
によって、濃度値Dijを算出する。そして、対象領域Ri内の全画素の濃度値Dijの平均値を当該対象領域Riの濃度値Diとする。なお、ここで求めた画素ごとの濃度値Dijについては、例えば画像内の濃度分布をマッピング表示する等の応用が可能であることから、濃度値Diの算出後も例えば記憶部115に記憶保存しておくことが好ましい。
ここで、W1、W2は適宜に定めた係数であり、係数W1は画像データにおける輝度値を濃度値に換算するための比例係数、係数W2は対象領域Riへの背景濃度の寄与の程度を表す重み付け係数である。これらの係数は、検出対象となる細胞の種類やその集塊の構造によってウェル壁面の影響の度合いが異なるとの知見に基づき、その影響を吸収するために設定するものである。これを加味した上記(式1)を用いることにより、この検出方法では、ウェル壁面の影響を除去して各対象領域の濃度値を精度よく算出することができる。これらの係数の最適化方法について、次に説明する。
以下に説明する係数の最適化方法は、同一環境において形成される細胞集塊の立体構造は、集塊の平面情報(例えば画像内で占める面積)が同じであればほぼ同じである、という実験事実に基づくものである。例えば球状の集塊を形成する細胞の場合、面積に比例するように厚みが増大することがわかっている。
また、係数W1、W2については、定数ではなく周囲領域Siの輝度情報Bsiの関数として表したとき、濃度値の算出結果に与えるウェル壁面の影響を特に小さくすることができることが実験によりわかっている。したがって、係数W1、W2については例えば次式:
W1=a1×Bsi+b1 … (式2)
W2=a2×Bsi+b2 … (式3)
により表すことができる。a1、a2、b1、b2は適宜のパラメータであり、これらのパラメータを最適化することにより、係数W1、W2が最適化される。
なお、以下に説明する係数の最適化方法については、全ての処理をコンピュータ等(例えば撮像装置1の制御部10)によって実現してもよく、また一部をオペレータの操作に依存するようにしてもよい。全ての処理を自動化した場合、オペレータの負担は軽減される。しかしながら、この種の判断は熟練者の手作業に委ねた方が好結果を得られる場合もあるので、例えば対象領域の抽出やパラメータの微調整などについて、オペレータの操作入力を求めるようにしてもよい。
図6は係数の最適化方法を示すフローチャートである。まず、ウェルWを撮像した原画像から2つの対象領域を抽出する(ステップS301)。抽出される2つの対象領域は、第1に画像内での面積が同程度であることが望ましい。前記したように、面積が同程度であればその色合いや厚みが同程度であると考えられることから、同程度の構造を有する2つを対比することで最適化の精度を高めることができるからである。
第2に、壁面の影響の程度が互いに異なる2つの対象領域を選択することが望ましい。図2(a)に示すように、原画像へのウェル壁面の影響の程度は位置によって異なり、特にウェルの中心部分では影響が少ない一方、周縁部分で影響が大きい。同図においてウェルの中心付近と外周付近にそれぞれ位置する2つの対象領域Sp1、Sp2のように、壁面の影響の程度が互いに異なる2つの対象領域を抽出してパラメータの最適化を行うことでパラメータの普遍性が高まり、より精度よく濃度値を算出することが可能となる。
具体的には、例えばウェルの中心部分に近い対象領域と、周縁部に近い対象領域とを1つずつ抽出することが考えられる。この意味から、面積が同程度でウェルの中心C(図2(a))からの距離が互いに異なる2つの対象領域を抽出するという方法を採ることができる。また、背景の輝度の差異が大きい2つの対象領域を抽出するようにしてもよく、この意味から、それぞれの対象領域に対応する周囲領域の輝度情報の差が所定値以上である2つの対象領域を選んでもよい。
こうして2つの対象領域が選ばれると、上記(式2)、(式3)におけるパラメータa1、a2、b1、b2を適宜の値に仮設定し(ステップS302)、2つの対象領域のそれぞれについて、上記(式1)に基づく濃度値の算出を行う(ステップS303)。より具体的には、各対象領域内の画素ごとに(式1)を適用して濃度値Dijを算出し、その平均値を当該対象領域の濃度値とすることで、それぞれの対象領域の濃度値Diを得る。
こうして算出した2つの対象領域における濃度値の差を求め、その差が予め定めた所定範囲内であれば(ステップS304)、そのときのパラメータ設定値を最適値として係数W1、W2を表す(式2)、(式3)を確定させる。一方、濃度値の差が所定範囲を超えている場合には、ステップS302に戻り、上記したパラメータの仮設定および濃度値の算出を繰り返して行う。なお、パラメータの仮設定を自動化している場合には、さらに種々のパラメータの組み合わせから2つの濃度値の差が最も小さくなるような値を選出するようにしてもよい。
以上のようにしてパラメータa1、a2、b1、b2が最適化され、ウェル壁面の影響を除去するのに最適な係数W1、W2を決定することができる。パラメータの最適化処理は、検出対象となる細胞の種類ごとに実施されることが望ましい。例えば細胞の増殖抑制試験などの場合、薬剤濃度の変化に対してパラメータを変更する必要は必ずしもないが、細胞種が変わる場合には改めてパラメータの最適化を行うことが望ましい。
また、パラメータの最適化については、現に稼働中の装置において実行されることを要するものではない。例えば装置の出荷前に実験的に求めたパラメータの複数セットを記憶させておき、用途に応じてそれらから適切なセットを選択して適用できるようにしてもよい。また、出荷済みの装置にデータ補充を行うことにより、新たな対象物に適したパラメータのセットを提供できるようにしてもよい。
図7は本実施形態の検出方法による濃度値の算出結果の例を示す図である。ここで、図7(a)は撮像された原画像である。図7(b)は、画像の二値化により検出された各対象領域の領域を周囲領域の輝度値によって、また対象領域以外の領域を黒ベタによって、それぞれ塗りつぶしたバックグラウンド画像である。また、図7(c)は上記した(式2)、(式3)におけるパラメータをプリセット値に設定して算出した各画素ごとの濃度値をマッピングした画像であり、図7(d)はパラメータを最適化して算出した濃度値をマッピングした画像である。
図7(a)に示す原画像では特に周縁部での対象領域を視認することが難しくなっているが、図7(b)に示すバックグラウンド画像では、二値化による検出の結果、対象領域の分布や各領域の大きさが把握しやすくなっている。係数の最適化に用いる対象領域の抽出をオペレータに委ねる場合には、例えばこのバックグラウンド画像を表示部15に表示することで、オペレータによる抽出作業を支援することができる。
パラメータの最適化を行っていない図7(c)に示す画像では、検出された各対象領域の濃度が表現されているが、同図の左端部分のようにウェル壁面の影響を受けている部分では他の部分より対象領域の濃度が高く(つまり輝度が低く)表れており、検出された対象領域の濃度値からウェル壁面の影響が十分に排除できていないことがわかる。これに対して、パラメータの最適化を行った図7(d)に示す画像では、画像の中央部に分布する対象領域と周縁部に分布する対象領域との間における濃度差が小さくなっており、ウェル壁面の影響がより抑制されていると言うことができる。実測値の一例を示すと、例えば原画像における処理前の輝度値を濃度値とみなした計算では1.8倍の濃度差があった2つの対象領域について、係数の最適化を行って求めた濃度値では濃度差が1.1倍まで縮小されていることが確認されている。
以上のように、この実施形態では、マイクロプレートに設けられたウェルを撮像してなる原画像から細胞や細胞集塊のような検出対象物に相当する領域の濃度値を算出するのに際して、当該対象領域の輝度情報だけでなく、その周囲を取り囲む周囲領域の輝度情報も算入して濃度値を求めている。こうすることで、対象領域および周囲領域に現れたウェル壁面の影響をキャンセルして、対象領域の濃度値を精度よく求めることが可能である。
具体的には、対象領域内の各画素の輝度情報から、周囲領域を平均した輝度情報に所定の重み付け係数を乗じた値を差し引き、その絶対値に所定の係数を乗じたものを画素ごとの濃度値とする。さらに、それらの平均値を当該対象領域の濃度値とする。また、これらの係数は周囲領域の輝度に応じて設定される。これにより、背景に現れるウェル壁面の影響を効果的に除去して、対象領域の濃度値を精度よく求めることが可能となっている。
また、周囲領域を特定するに際しては、対象領域の外縁直近の隣接領域を除外するとともに、他の対象領域およびその隣接領域と重複する部分についても除外している。このようにすることで、特定された対象領域の外縁が不明瞭であったり他の対象領域が近接位置にあったとしても、これらの影響が算出結果に及ぶのを未然に防止することができる。
また、算出に用いる係数については、実際に撮像された原画像内から抽出した、ウェル壁面の影響の程度が互いに異なる2つの対象領域においてそれらの濃度値の差が小さくなるように最適化されており、ウェル壁面の影響の程度が異なる各対象領域の濃度値をそれぞれ精度よく算出することが可能となっている。
以上説明したように、この実施形態では、マイクロプレートMが本発明の「試料保持プレート」に相当しており、ウェルWが「窪部」に相当している。また、対象領域Riが本発明の「検出対象領域」に相当する一方、周囲領域Siが本発明の「周囲領域」に相当している。
また、上記実施形態においては、図3のステップS101およびS102が、それぞれ本発明の「撮像工程」および「検出対象領域特定工程」に相当している。また、ステップS103およびS105が本発明の「周囲領域情報取得工程」に相当している。また、ステップS106が本発明の「濃度値算出工程」に相当している。また、図6に示す係数の最適化処理が、本発明の「最適化工程」に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態はマイクロプレートに形成されたウェルを撮像する撮像装置であるが、本発明にかかる濃度値の検出方法を実行する装置が撮像機能を有することは必須ではない。例えば、自身は撮像機能を持たず、他の撮像装置で撮像された画像を受け取って上記処理を行う処理装置に対しても、本発明を適用することが可能である。この意味において、本発明を実行するハードウェアは汎用コンピュータであってもよい。
また、上記実施形態では、濃度値の算出に用いる係数は定数ではなく周囲領域の輝度情報の関数となっているが、このことは必須の要件ではない。例えば、細胞種や撮像条件などが変わるごとにそれに応じて係数の最適化を行うのであれば、係数を定数としても十分な算出精度を得ることができる場合もある。また、上記実施形態では係数を周囲領域の輝度情報の一次関数としているが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、各検出対象領域とその背景との境界の不明確さに起因する算出誤差を排除するために第1膨張領域を周囲領域から除外しているが、このことは必須の要件ではない。例えば検出の対象とする細胞の画像濃度が高く輪郭が明瞭なものであるなど、検出対象領域とその背景との境界が明らかな場合には、特定された検出対象領域のすぐ外側に隣接する領域を含む周囲領域を設定してもよい。例えば、検出対象領域を所定の膨張量で膨張させた膨張領域から、当該検出対象領域および隣接する他の検出対象領域との重複部分を除外した領域を、この場合の周囲領域とすることができる。
また、上記実施形態では、各対象領域の濃度値を、それぞれ当該対象領域の周囲領域の輝度情報を用いて算出しているが、算出に用いる周囲領域の輝度情報は、異なる対象領域について共通の値、例えば全ての周囲領域の平均輝度や、最も輝度の高い周囲領域(その意味するところは、最もウェル壁面の影響を受けていない周囲領域ということである)の輝度を輝度情報として用いるようにしても構わない。ただしこの場合、対象領域ごとの背景濃度の違いを算出結果に反映させるために、係数を周囲領域の関数とすることが望ましい。
例えば、各対象領域Riの周囲領域Siの輝度情報のうちの最大値(つまり最も輝度の高い周囲領域の輝度情報)をBsmaxとしたとき、
Dij=W1×|Brij−Bsmax| … (式4)
として各画素の濃度値をDijを求めるようにしてもよい。このときの係数W1は、各対象領域Riの周囲領域Siの輝度情報Bsiの関数であるが、その値または数式は、(式1)における係数W1とは異なったものである。
また、上記実施形態の係数最適化処理では、原画像から抽出した1組(2つ)の対象領域について濃度値の比較を行いパラメータを最適化しているが、このような比較を行う対象領域の組をより多くしてパラメータの最適化を行うようにしてもよい。
この発明は、例えば医療・生物科学分野で用いられるマイクロプレートのような、窪部を有する試料保持プレートを撮像して検出対象物の濃度を検出する技術に特に好適に適用することができるが、その応用分野は医療・生物科学分野に限定されない。
1 撮像装置
11 ホルダ
12 光源
13 撮像ユニット
101,201 第1膨張領域
102 第2膨張領域
M マイクロプレート(試料保持プレート)
R1,R2 検出対象領域
S1 周囲領域
W ウェル(窪部)

Claims (13)

  1. 画像から光学特性の異なる領域を検出し、当該領域の濃度値を検出する検出方法において、
    光透過性を有する窪部が複数設けられた試料保持プレートの上方から光を照射し、前記試料保持プレートの下方に透過した光を受光して、前記窪部を含む原画像を撮像する撮像工程と、
    前記原画像の前記窪部に相当する画像領域内から、周囲と光学特性の異なる領域を検出対象領域として特定する検出対象領域特定工程と、
    前記検出対象領域を取り囲む周囲領域を特定し、当該周囲領域の輝度情報を取得する周囲領域情報取得工程と、
    前記検出対象領域の輝度情報と、当該検出対象領域に対応する前記周囲領域の輝度情報とに基づいて、前記検出対象領域の濃度値を算出する濃度値算出工程と
    を備えることを特徴とする検出方法。
  2. 前記周囲領域情報取得工程では、当該検出対象領域の輪郭を外方向に第1膨張量で膨張させてなる第1膨張領域を、当該検出対象領域の輪郭を外方向に前記第1膨張量より大きい第2膨張量で膨張させてなる第2膨張領域から除外してなる領域を、前記周囲領域とする請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記周囲領域情報取得工程では、当該検出対象領域の輪郭を外方向に第1膨張量で膨張させてなる当該検出対象領域の第1膨張領域と、当該検出対象領域と異なる他の検出対象領域を前記第1膨張量で膨張させてなる他の検出対象領域の第1膨張領域とを、当該検出対象領域の輪郭を外方向に前記第1膨張量より大きい第2膨張量で膨張させてなる第2膨張領域から除外してなる領域を、前記周囲領域とする請求項1に記載の検出方法。
  4. 前記周囲領域情報取得工程では、当該検出対象領域の輪郭を外方向に膨張させてなる膨張領域から当該検出対象領域を除外した領域を、前記周囲領域とする請求項1に記載の検出方法。
  5. 前記周囲領域情報取得工程では、一の前記検出対象領域に対して特定された前記周囲領域が他の前記検出対象領域を含む場合、該周囲領域から当該他の検出対象領域と重複する領域を除外した領域を、前記周囲領域とする請求項1ないし4のいずれかに記載の検出方法。
  6. 前記濃度値算出工程では、前記検出対象領域内の画素それぞれについて、当該画素の輝度を前記輝度情報として前記濃度値を算出する請求項1ないし5のいずれかに記載の検出方法。
  7. 前記周囲領域情報取得工程では、前記周囲領域内の輝度の平均値を当該周囲領域の輝度情報とする請求項1ないし6のいずれかに記載の検出方法。
  8. 前記濃度値算出工程では、前記検出対象領域の輝度情報と、前記周囲領域の輝度情報に所定の重み付け係数を乗じた値との差に基づき前記検出対象領域の濃度値を算出する請求項1ないし7のいずれかに記載の検出方法。
  9. 前記濃度値算出工程では、前記重み付け係数を前記周囲領域の輝度情報に応じて決定する請求項8に記載の検出方法。
  10. 前記検出対象領域特定工程において検出された互いに異なる2つの前記検出対象領域について算出した濃度値の差が所定の閾値以下となるように、前記重み付け係数を最適化する最適化工程を備える請求項8または9に記載の検出方法。
  11. 前記最適化工程では、前記2つの前記検出対象領域について、適宜に設定した前記重み付け係数を用いて前記濃度算出工程を実行してそれぞれ前記濃度値を算出し、それらの濃度値の差が前記閾値以下となるまで、前記重み付け係数の変更設定と前記濃度値の算出とを実行する請求項10に記載の検出方法。
  12. 前記2つの前記検出対象領域は、前記原画像における前記窪部の中心からの距離が互いに異なるように選ばれる請求項10または11に記載の検出方法。
  13. 前記2つの前記検出対象領域は、それぞれの検出対象領域に対応する前記周囲領域間での前記輝度情報の差が所定値以上となるように選ばれる請求項10または11に記載の検出方法。
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