JP2013055993A - 開創器 - Google Patents

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Abstract

【課題】両端の環状部材間の長さ調整可能な開創器において、長さ調整時の体外側環状部材のねじり易さを確保しつつ、体外側環状部材への操作力の解除時には、環状部材からの可撓性スリーブの巻き外しを防止する十分なねじり剛性を体外側環状部材がもつようにする。
【解決手段】筒状の可撓性スリーブ4と、可撓性スリーブ4の両端の体外側環状部材2及び体内側環状部材3とを備える。体外側環状部材2は、周方向へ交互の配列で相互に連結された角形ブロック21と帯状弾性体22とを備えている。帯状弾性体22は、伸長時には角形ブロック21を周方向へ離反させ、縮小時には角形ブロック21を周方向へ接触させる。角形ブロック21は、周方向隣りの角形ブロック21との周方向接触に体外側環状部材2のねじり抵抗力を生じさせる。
【選択図】図2

Description

本発明は、手術時に切開創を保護する開創器に関する。
開創器として、1対のフランジ状リングが、内周側において筒状のシリコーンゴム膜の両端の周縁に連設されて、一方のフランジ状リングを切開創から腹腔内へ挿入して、腹壁を体内側及び体外側からフランジ状リングにより挟むとともに、シリコーンゴム膜の拡開力で切開創を拡開状態に保持するものがある(例えば特許文献1)。
そのような開創器は、2つのフランジ状リング間の長さが固定されているので、腹壁の厚い患者には使用できないとともに、腹壁の薄い患者には腹壁とリングとの間に隙間が生じてしまい、切開創への開創器の装着が不安定になって、切開創を適切に保護することができないという問題がある。
これに対して、特許文献2は、筒状の可撓性スリーブの両端に環状部材を取付けられた開創器を開示する。該開創器では、体内側環状部材を腹腔内へ挿入してから、体外側環状部材をねじって、可撓性スリーブを体外側環状部材の環状軸線の周りに巻き回すことにより、両環状部材間の長さを調整することができるようになっている。
実用新案登録第3062106号公報 特表2010−526603号公報
特許文献2の開創器では、可撓性スリーブが巻き回された体外側環状部材が、被験者の腹壁表面にセットされた状態において、可撓性スリーブが体外側環状部材から巻き外されないようにするため、体外側環状部材のねじり剛性を大きくしなければならない。しかしながら、ねじり剛性が大きいことは、術者が長さ調整のために可撓性スリーブを体外側環状部材に巻き回していく時に、体外側環状部材をねじり難くするので、可撓性スリーブの巻上げ時の操作力を増大させてしまう。
本発明の目的は、環状部材間の長さ調整時の環状部材のねじり易さを確保しつつ、環状部材の操作力を解除した時には、環状部材に十分なねじり剛性を生じさせることができる開創器を提供することである。
本発明の開創器は、両端において開口する筒状の可撓性スリーブと、前記可撓性スリーブの一端側を開口状態に保持するように前記一端側開口部の周縁が固定されている体内側環状部材と、前記可撓性スリーブの他端側を開口状態に保持するように前記他端側開口部の周縁が固定されているとともにねじりによる内外周の反転の繰り返しにより前記可撓性スリーブをねじり方向へ巻き回し及び巻き外し可能な体外側環状部材とを備え、前記体外側環状部材は周方向へ交互の配列で連結されたブロック部と弾性伸縮部とを有し、前記弾性伸縮部は、伸長時には前記ブロック部を周方向へ離反させ、縮小時には、前記ブロック部を周方向へ相互に接触させる。
本発明によれば、体外側環状部材を半径方向外側へ広げる力が体外側環状部材に作用すると、弾性伸縮部が伸張して、周方向へ隣接関係のブロック部同士は、周方向へ離反する。これにより、ブロック部間のねじり抵抗が解除されるので、体外側環状部材はねじり易くなる。この結果、術者による体外側環状部材への可撓性スリーブの巻き回し又は巻き外しを円滑にすることができる。一方、体外側環状部材を半径方向外側へ広げる操作力がなくなると、弾性伸縮部がその復元力により縮小して、ブロック部は周方向へ相互に接触する。これにより、体外側環状部材のねじり剛性が増大する。したがって、体外側環状部材への弾性伸縮部の巻き回し後に体外側環状部材への操作力を解除したときに、体外側環状部材が内外周反転して、可撓性スリーブが体外側環状部材から巻き外されるのを防止することができる。
一例では、前記ブロック部は、周方向への相互の接触時に前記ブロック部間に所定値以上のねじり剛性を生じさせる接触力が接触部分に得られる大きさ及び形状に設定されている。
ブロック部の形状及び大きさが、周方向への相互の接触時に所定の接触力が得られるものに設定されることにより、弾性伸縮部の縮小時に体外側環状部材に所望のねじり剛性を生じさせることができる。
一例では、前記ブロック部は、前記体外側環状部材のねじり方向の断面が多角形状となっている。
ブロック部の断面が多角形断面とされることにより、体外側環状部材が縮閉状態で被験者の腹面にセットされたときは、各ブロック部はその角部の存在により内外周反転を行い難くなる。これにより、開創器のセット時に、可撓性スリーブが体外側環状部材から巻き外れるのを有効に防止することができる。
一例では、前記ブロック部及び前記弾性伸縮部は、前記体外側環状部材のねじり方向の断面が共に矩形とされ、前記弾性伸縮部は、前記体外側環状部材の周方向に延在する帯状に形成されるとともに、前記弾性伸縮部の矩形断面の長辺は、前記ブロック部の矩形断面の一方の対辺間の長さとほぼ同一であり、前記弾性伸縮部の矩形断面の短辺は、前記ブロック部の矩形断面の他方の対辺間の長さより短い長さとなっている。
弾性伸縮部が帯状とされることにより、弾性伸縮部が矩形断面の長辺方向の両側を体外側環状部材の内外周側とした縮小状態では、内周側部分は十分に縮小しているのに対し、外周側部分は縮小不十分であり、周方向縮小力について内周側と外周側とで差異が生じる。この差異は、体外側環状部材をわずかにねじると、差異を解消するねじり力として作用するため、ねじり方向の位置としては不安定となる。これに対し、弾性伸縮部が矩形断面の短辺方向の両側を体外側環状部材の軸線方向両側へ向けた縮小状態では、周方向縮小力について内周側と外周側とで均等となる。この均等の状態は、体外側環状部材を少しねじっても、均等状態へ戻ろうとするねじり力として作用する。したがって、体外側環状部材が縮閉状態で被験者の腹面にセットされたときは、弾性伸縮部が幅方向の両側を体外側環状部材の軸線方向両側へ向けた縮小状態となって、可撓性スリーブが体外側環状部材から巻き外れるのを有効に防止することができる。
一例では、前記体外側環状部材は、前記可撓性スリーブがブロック部間に侵入するのを阻止する阻止部材をブロック部間に有する。
体外側環状部材のねじり回しは、ブロック部を周方向へ離反させて、体外側環状部材のねじり剛性を小さくさせた状態で実施するが、その際にブロック部間の間隙に可撓性スリーブが入り込むと、弾性伸縮部が縮小したときに、可撓性スリーブがブロック部間に挟まってしまう。ブロック部間の可撓性スリーブの挟まりは、弾性伸縮部縮小時のブロック部間を滑り易くしてしまうとともに、可撓性スリーブの内径を狭めて、ブロック部間の円滑な伸長を阻害して、体外側環状部材のねじり回しの操作性を悪化させる。これに対し、阻止部材は、弾性伸縮部の伸長時に周方向へブロック部間が広がった時のブロック部間の間隙に可撓性スリーブが入り込むのを阻止して、ブロック部間に可撓性スリーブが挟み込まれることを的確に抑制する。
開創器の斜視図。 体外側環状部材を半径方向への拡開状態で示す図。 体外側環状部材を半径方向への縮閉状態で示す図。 体外側環状部材の角形ブロック間のねじり方向断面及び接触面を示す図。 開創器を被験者の腹壁に装着するときの説明図。 図1の開創器の体外側環状部材を一部改良した体外側環状部材の構造図。
図1を参照して、開創器1の構造を概略的に説明する。開創器1は、軸線方向両端の体外側環状部材2及び体内側環状部材3と、軸線方向両端の開口周縁を体外側環状部材2及び体内側環状部材3の内周又は外周に固着されている可撓性スリーブ4とを備えている。
体外側環状部材2と体内側環状部材3とは、共に、所定の外力により弾性変形自在となっており、自由状態では円形となり、典型的には、体外側環状部材2及び体内側環状部材3は相互にほぼ同一直径の円形となる。体内側環状部材3は、1つの部材から構成され、環状軸線に対して直角方向の断面の形状は典型的には円形となっている。
可撓性スリーブ4は、体外側環状部材2の環状軸線の周りの体外側環状部材2の内外周の一方向又は他方向の反転の繰り返しにより、体外側環状部材2側の周縁部を体外側環状部材2に巻き回し又は巻き外しされる。可撓性スリーブ4は、典型的には透明でかつ体外側環状部材2への巻き回し及び巻き外しが容易でかつ丈夫な薄い材料から作られている。体外側環状部材2及び体内側環状部材3の間の軸線方向長さは、体外側環状部材2へのブロック部の巻き回し量の増減により調整される。
図2及び図3を参照して、体外側環状部材2の構造を説明する。体外側環状部材2は、後述するように、帯状弾性体22の伸縮により、半径方向へ拡開及び縮閉自在になっており、図2及び図3は体外側環状部材2がそれぞれ半径方向へ拡開状態及び縮閉状態にあるときを示している。図2において、(a)は体外側環状部材2を開創器1の軸線方向へ見た図であり、(b)は体外側環状部材2を開創器1の側方から見た図である。また、図3は体外側環状部材2を開創器1の軸線方向から見た図である。
体外側環状部材2は、周方向へ交互の配列で相互に連結された角形ブロック21と帯状弾性体22とを備えている。角形ブロック21はほぼ剛体であり、帯状弾性体22は、弾性的に伸縮自在でかつ弾性的にねじり自在になっている。
角形ブロック21において、体外側環状部材2の周方向両側の2つの側面を接触側側面23と呼ぶことにし、体外側環状部材2の環状軸線周りに4つの側面を周側側面24と呼ぶことにする。円弧状の面取り部25は周側側面24間の境界部に形成されている。角形ブロック21は、ほぼ立方体形状か、又は体外側環状部材2の周方向又は半径方向へ長いほぼ直方体形状となっている。
帯状弾性体22の伸長時では、角形ブロック21は、周方向へ離反し、周方向へ隣接関係の角形ブロック21同士の接触側側面23は、接触していない状態になっている。したがって、体外側環状部材2のねじり剛性又はねじり抵抗力は小さい。
体外側環状部材2の周方向への帯状弾性体22の縮小時では、角形ブロック21は、周方向へ接近し、周方向へ隣接関係の角形ブロック21同士は接触側側面23において相互に接触状態になる。
図4において、(a)は体外側環状部材2の半径方向拡開時の角形ブロック21間のねじり方向断面を示し、(b)は体外側環状部材2の半径方向縮閉時の接触側側面23における接触領域を示している。図4では、左側及び右側の周側側面24がそれぞれ体外側環状部材2の外周側及び内周側となっている。
図4では、帯状弾性体22は、その幅方向を体外側環状部材2の軸線方向へ向けた状態で図示されている。なお、体外側環状部材2の軸線方向を図2(b)の体外側環状部材2における中心線(一点鎖線)が延びる方向と定義する。また、帯状弾性体22について、幅方向及び厚さ方向を、それぞれねじれ方向への帯状弾性体22の矩形断面における長辺及び短辺に沿う方向と定義し、それぞれ長辺方向及び短辺方向と同義とする。補足すると、ねじれ方向への帯状弾性体22の断面は、ねじり力に応じてねじ曲がるようになっているが、帯状弾性体22は、それにねじり力が作用しないときは、弾性力により中立形状として矩形断面になるように、形成されている。長辺方向及び短辺方向はその中立形状の矩形断面について定義したものとなっている。
周方向への帯状弾性体22の縮小状態において、すなわち、半径方向への体外側環状部材2の縮閉状態において、図4のように、帯状弾性体22の幅方向が開創器1の軸線方向(図4の上下方向)となっているものとして、角形ブロック21の接触について説明する。
図4(a)では、帯状弾性体22が周方向へ伸長状態になっており、接触側側面23は周方向へ隣りの角形ブロック21の接触側側面23とは非接触(図4(a)において白抜きは非接触状態を示している。)となっている。帯状弾性体22の矩形断面は角形ブロック21の接触側側面23の内側に収まるものとなっており、該矩形断面の長辺の寸法は接触側側面23の辺の寸法に等しく、該矩形断面の短辺の寸法は接触側側面23の辺の寸法より十分に小さく設定されている。
これに対し、図4(b)では、帯状弾性体22が周方向へ縮小状態になっており、体外側環状部材2の周方向へ対峙する接触側側面23同士は、図4(b)において相互に交差する斜線のハッチングにより示す接触領域において相互に接触している。また、この接触領域は、接触側側面23の内周側の端から帯状弾性体22を外周側に越えて外周側の所定位置まで達する範囲となっている。
図4(b)では、接触領域が、帯状弾性体22を外周側の方へ越えた位置まで達しているが、このためには、角形ブロック21は、周方向へ完全な剛体ではなく、帯状弾性体22の縮小による周方向へ隣りの角形ブロック21との接触時に、内周側が外周側より周方向へ適当に縮小する弾性変形可能な部分を少なくとも周方向の一部に有する構造とされる。
図2及び図3の角形ブロック21では、各接触側側面23は、周側側面24に対して直角の1つの平面から形成されている。これに対し、帯状弾性体22の縮小時における周方向へ隣接関係の角形ブロック21同士の接触側側面23間の接触面積を増大するために、各接触側側面23を2つの平面部分から形成することができる。
すなわち、体外側環状部材2の縮閉時に、周方向へ隣接関係の角形ブロック21同士は、体外側環状部材2の軸線方向から見て(図3はこの方向から体外側環状部材2を見ている。)、矩形の時よりも、体外側環状部材2の中心に向かってつぼむ扇形になっている時の方が、接触側側面23間の接触面積が増大する。したがって、接触側側面23を、1つの平面とせずに、帯状弾性体22に対して両側の半部について別々の平面で形成し、体外側環状部材2の縮閉時には、各角形ブロック21の2つの接触側側面23の内周側半部の平面が、体外側環状部材2の軸線方向から見て、体外側環状部材2の中心に向かってつぼむ傾斜角となるように、角形ブロック21を体外側環状部材2の軸線方向から見て扇形の輪郭に形成する。
図5を参照して、開創器1を被験者の腹壁10にセットするときの過程を説明する。術者は、被験者の腹壁10に創傷15を形成した後、(a)に図示されているように、体内側環状部材3を腹壁10の表面11に対して垂直に立てて体外空間13側から創傷15を介して体腔14内へ押し込む。
体腔14内への体内側環状部材3の挿入が終了すると、次は、(b)に図示されているように、体外側環状部材2を少し引き上げて、体内側環状部材3の開口面を腹壁10の裏面12に対して沿わせる。これにより、体外側環状部材2及び体内側環状部材3は共に腹壁10に対してほぼ平行になるとともに、弾性復元力により円形に戻る。
次に、術者は、体外側環状部材2を両手で所定の直径の両端の2箇所を半径方向外向きに引張ってから、角形ブロック21間の間隔を広げる。これにより、帯状弾性体22は伸長して、角形ブロック21は、周方向へ離反し、周方向へ隣接関係の角形ブロック21同士の接触側側面23は、接触していない状態になる。したがって、接触側側面23の相互の接触に因る摩擦力が生じず、体外側環状部材2のねじり剛性又はねじり抵抗力は小さい。
術者は、このように、体外側環状部材2のねじり剛性又はねじり抵抗力を小さくした状態にしてから、該2箇所において、体外側環状部材2の環状軸線の周りに内外周が繰返し反転するように、相互に反対のねじり方向へねじり回していく。これにより、可撓性スリーブ4は、体外側環状部材2側の端において体外側環状部材2に巻き回されていき、可撓性スリーブ4の軸線方向長さが減少し、体外側環状部材2と体内側環状部材3との間の長さが縮小していく。
術者は、可撓性スリーブ4の軸線方向長さがほぼ腹壁10の厚さ位になると、可撓性スリーブ4の長さの調整を終了し、(c)に図示されているように、体外側環状部材2を被験者の腹壁10の表面11に置く(セットする)。体外側環状部材2及び体内側環状部材3はそれぞれ腹壁10の表面11及び裏面12に密着するとともに、可撓性スリーブ4が半径方向へ広がって、創傷15が円形に拡開される。
腹壁10への開創器1のセット状態では、体外側環状部材2は、帯状弾性体22の縮小により、周方向へ隣接関係の角形ブロック21同士において接触側側面23が相互に押圧されて接触することになるので、この接触に因る相互の摩擦力が体外側環状部材2のねじり剛性又はねじり抵抗の増大として機能する。このようなねじり剛性又はねじり抵抗の増大は、体外側環状部材2が腹壁10の表面11にセットされた時の体外側環状部材2からの可撓性スリーブ4の意図しない巻き外しの抑止につながる。
角形ブロック21は、腹壁10への開創器1のセット状態では、また、4つの周側側面24の内の1つが腹壁10の表面11に対面することになる。その場合に、帯状弾性体22の幅方向が、腹壁10に対して直角になるときと、平行になるときとの2つの場合がある。しかしながら、ねじり方向への帯状弾性体22のスナップアクションにより、帯状弾性体22は、通常、その幅方向を、体外側環状部材2の半径方向ではなく、体外側環状部材2の軸線方向へ向けた状態で安定する。したがって、体外側環状部材2は、帯状弾性体22の幅方向が腹壁10に対して直角方向に揃う位置になって、腹壁10の表面11に置かれる。
このスナップアクションについて説明する。帯状弾性体22が幅方向の両端を内外周側とした縮小状態では、内周側部分は十分に縮小しているのに対し、外周側部分はなお、周方向へ引っ張られた状態にある。このため、周方向縮小力について内周側と外周側とで所定の差異が生じる。この状態では、体外側環状部材2は、少しでもねじられると、周方向縮小力が内周側と外周側とで均衡するねじり方向へ自力でねじり回転する、ねじり方向の不安定状態となっている。
これに対し、帯状弾性体22が幅方向の両側を開創器1の軸線方向へ向けた縮小状態では、周方向縮小力について内周側と外周側とでほぼ均衡している。このため、体外側環状部材2は、少しねじられても、均衡状態へ戻る、ねじり方向の安定状態となる。
体外側環状部材2は、ねじり方向に90°ねじ回すごとに、安定状態と不安定状態とを交互に繰り返す。安定状態から不安定状態へのねじり力は正であるに対し、不安定状態から安定状態へのねじり力は負になる。この結果、体外側環状部材2のねじ回しにスナップアクションを生じさせることができる。
術者が体外側環状部材2へのねじり方向操作力を解除した時には、帯状弾性体22の幅方向は、通常、図3及び図4に示されるように、体外側環状部材2のねじり方向安定状態である、体外側環状部材2の軸線方向となる。このようなねじり方向安定状態は、帯状弾性体22の幅方向が体外側環状部材2の半径方向となる、ねじり方向不安定状態へ、体外側環状部材2がねじられるのを抑止する。
このような、ねじり方向へ90°ごとの帯状弾性体22のねじりの安定状態及び不安定状態の交互の繰り返しは、体外側環状部材2のねじり剛性の増大させるものとして機能する。体外側環状部材2のねじり剛性の増大は、体外側環状部材2が腹壁10の表面11にセットされた時、体外側環状部材2からの可撓性スリーブ4の意図しない巻き外しの抑止につながる。
ねじり方向の角形ブロック21の多角形断面は、角形ブロック21が腹壁10の表面11において内外周を反転するためには、頂点としての面取り部25を支点に角形ブロック21を表面11から起こす必要があるので、角形ブロック21の内外周反転が抑止され、結果として、体外側環状部材2のねじり剛性の増大につながる。
図6を参照して、体外側環状部材31について説明する。体外側環状部材31は図2〜図4の体外側環状部材2に弾性膜32を追加した構造になっている。図6において、(a)は縮小状態の体外側環状部材31を軸線方向に見た図、(b)は縮小状態の体外側環状部材31を側方から見た図、(c)は体外側環状部材31を伸長して展開した状態で体外側環状部材31の一部を側方から見た図である。
前述の図2の体外側環状部材2では、半径方向への拡開時に、周方向へ隣接関係の角形ブロック21の接触側側面23間の空間がその周囲へ開放され、可撓性スリーブ4がこの開放空間内に侵入して、侵入した可撓性スリーブ4の部分が体外側環状部材2の縮閉時に接触側側面23間に挟み込まれる可能性が高まる。接触側側面23間への可撓性スリーブ4の挟み込みは接触側側面23間の接触力の減少につながる。
そこで、体外側環状部材31では、弾性膜32が、帯状弾性体22の厚さ方向(矩形断面の短辺方向)の両側において、周方向へ隣接する角形ブロック21の周側側面24の側縁間に張り渡されている。
弾性膜32は、帯状弾性体22の幅方向両側には存在しないので、帯状弾性体22の厚さが見える方向から体外側環状部材31を見たときは(図6(c)はこの方向から体外側環状部材31を見ている。)、帯状弾性体22と体外側環状部材31との間に隙間が形成されている。この隙間は、体外側環状部材31の周方向への帯状弾性体22の範囲のねじれ易さの維持に寄与する。
弾性膜32は、体外側環状部材31の半径方向拡開及び縮閉に追従するものでなければならないので、帯状弾性体22と同様に、体外側環状部材31の周方向及び半径方向へ弾性変形するようになっている。
弾性膜32の幅及び厚さはそれぞれ帯状弾性体22の矩形断面(図4(a)参照)の幅及び厚さとほぼ等しく、体外側環状部材31の軸線方向視で弾性膜32の周長と体外側環状部材31の周長とはほぼ等しい。各弾性膜32において帯状弾性体22に対面する側を内面側、その反対側を外面側と呼ぶことにする。弾性膜32は、内面側が凸面に、外面側が凹面になるように形成されている。これにより、体外側環状部材31の半径方向縮閉時には、体外側環状部材31の内周側となった方の弾性膜32は、内面側の方へ変位して、角形ブロック21間に折り畳まれる。また、体外側環状部材31の外周側となった方の弾性膜32は、十分に広がって、角形ブロック21間を外周側から仕切る。
体外側環状部材31では、帯状弾性体22の縮小時に、内周側の弾性膜32が周方向の接触側側面23間に折り畳まれる結果、周方向へ隣接する接触側側面23同士は、直接接触することなく、内周側の弾性膜32を介して接触する。したがって、体外側環状部材31では、接触側側面23と弾性膜32との接触面が周方向へ所定の押圧力で接触することにより、接触面間には体外側環状部材31のねじり抵抗力が生じる。このねじり抵抗力により、体外側環状部材2の場合と同様に、体外側環状部材31が腹壁10の表面11にセットされた時の体外側環状部材2からの周可撓性スリーブ4の巻き外しを抑止することができる。
可撓性スリーブ4を体外側環状部材31に巻き回し又は巻き外しするために、帯状弾性体22を引張して、体外側環状部材31を半径方向へ拡開したとき、可撓性スリーブ4は、帯状弾性体22の矩形断面の短辺方向では弾性膜32の外面によって、また、帯状弾性体22の矩形断面の長辺方向では帯状弾性体22とその両側の弾性膜32との短辺側の各側面によって、周方向の接触側側面23間の隙間へ侵入するのを阻まれる。これにより、術者が体外側環状部材31への操作力を解除して、体外側環状部材31が自由状態になった時に、可撓性スリーブ4が周方向の帯状弾性体22の間に挟み込まれるのが防止される。
本発明を実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されることなく、要旨の範囲内で種々に変形して実施可能である。
例えば、実施形態では、可撓性スリーブ4は、開口の全周縁にわたり、周方向へ連続的に体外側環状部材2及び体内側環状部材3の周に沿って固定されているが、確実な固定が保証されるのであれば、固定点は周方向へ離散的であってもよい。
帯状弾性体22は、ねじり方向断面が矩形であるとして説明したが、円や三角、その他、多角形状とすることもできる。
角形ブロック21と帯状弾性体22とが周方向へ交互の配列で相互に連結された体外側環状部材2の製作方法としては、角形ブロック21と帯状弾性体22とを個々に用意し、角形ブロック21と帯状弾性体22とを交互に直列に結合する仕方がある。また、1つの所定長さの弾性帯を用意し、角形ブロック21の2等分割し、弾性帯に所定間隔で、角形ブロック21の2等分割品を弾性帯の両側から固着して、各角形ブロック21を製作し、最後に弾性帯の端を相互に結合する仕方もある。
帯状弾性体22に代えて、環状のコイルばねを採用することもできる。その場合、各角形ブロック21は、その中心を1つのコイルばねに挿通されるものの、コイルばねの各箇所に固定されることなく、コイルばねの中心線に沿って移動自在とすることもできる。
ブロック部としての角形ブロック21は、体外側環状部材2のねじり方向における断面がほぼ正方形又はほぼ長方形となっているが、その他の多角形の断面とすることも可能である。また、その多角形断面においては、角形ブロック21の面取り部25のように、角部にR等の加工が施されていてもよいとする。
周方向へ隣接関係の角形ブロック21同士が接触側側面23において周方向へ接触した時のねじり抵抗としての接触力を増大させるために、接触側側面23における摩擦を増大させる細かい凹凸や溝を形成することができる。あるいは、周方向へ隣接関係の角形ブロック21同士の接触側側面23に、周方向へ相互にかみ合って、ねじり方向の相対的なねじりを阻止する噛み合い歯を形成することもできる。
このような摩擦を増大させる細かい凹凸、溝、噛み合い歯は、図5の体外側環状部材31における接触側側面23と弾性膜32の内面との接触面、及び弾性膜32が内面側に折り畳まれて相互に接触した弾性膜32の外面の部位にも形成することができる。
1・・・開創器、2・・・体外側環状部材、3・・・体内側環状部材、4・・・可撓性スリーブ、21・・・角型ブロック(ブロック部)、22・・・帯状弾性体(弾性伸縮部)、31・・・体外側環状部材、32・・・弾性膜(阻止部材)。

Claims (5)

  1. 両端において開口する筒状の可撓性スリーブと、
    前記可撓性スリーブの一端側を開口状態に保持するように前記一端側開口部の周縁が固定されている体内側環状部材と、
    前記可撓性スリーブの他端側を開口状態に保持するように前記他端側開口部の周縁が固定されているとともにねじりによる内外周の反転の繰り返しにより前記可撓性スリーブをねじり方向へ巻き回し及び巻き外し可能な体外側環状部材とを備え、
    前記体外側環状部材は周方向へ交互の配列で連結されたブロック部と弾性伸縮部とを有し、
    前記弾性伸縮部は、伸長時には前記ブロック部を周方向へ離反させ、縮小時には、前記ブロック部を周方向へ相互に接触させることを特徴とする開創器。
  2. 請求項1記載の開創器において、
    前記ブロック部は、周方向への相互の接触時に前記ブロック部間に所定値以上のねじり剛性を生じさせる接触力が接触部分に得られる大きさ及び形状に設定されていることを特徴とする開創器。
  3. 請求項1又は2記載の開創器において、
    前記ブロック部は、前記体外側環状部材のねじり方向の断面が多角形状となっていることを特徴とする開創器。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の開創器において、
    前記ブロック部及び前記弾性伸縮部は、前記体外側環状部材のねじり方向の断面が共に矩形とされ、
    前記弾性伸縮部は、前記体外側環状部材の周方向に延在する帯状に形成されるとともに、前記弾性伸縮部の矩形断面の長辺は、前記ブロック部の矩形断面の一方の対辺間の長さとほぼ同一であり、前記弾性伸縮部の矩形断面の短辺は、前記ブロック部の矩形断面の他方の対辺間の長さより短い長さとなっていることを特徴とする開創器。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の開創器において、
    前記体外側環状部材は、前記可撓性スリーブがブロック部間に侵入するのを阻止する阻止部材をブロック部間に有することを特徴とする開創器。
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