JP2013053107A - 血圧上昇抑制剤及びこれを含有する飲食品 - Google Patents

血圧上昇抑制剤及びこれを含有する飲食品 Download PDF

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Abstract


【課題】本発明は副作用の少ない天然物由来の成分により高血圧を十分改善できる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】コウリャンの茎部、特に表皮より抽出・分離されたワックス混合物、特にオクタコサナール及びトリアコンタナールを主成分とするワックス混合物が、白色脂肪細胞を有意に低下し、血漿中のアンジオテンシンIIの濃度を有意に低下させることによって血圧を効果的に低下させる優れた生理活性効果を有することを見出した。
【選択図】なし

Description

本発明は、イネ科モロコシ属に属するコウリャンの茎部より抽出・分離された副作用のない特殊なワックス混合物を有効成分とする血圧上昇抑制剤及びそれを含有する飲食品に関するものである。
高血圧は、虚血性心疾患、脳卒中あるいは腎不全等の発症リスクとなる生活習慣病のひとつであり、肥満、高脂血症あるいは糖尿病との合併はメタボリックシンドロームと呼ばれる。
高血圧症の改善には、生活習慣を改善して、原因を除去することが重要であるが、生活習慣改善でも高血圧が改善しない場合は薬剤治療が必要となる。高血圧症の薬剤としては、例えば利尿剤、交感神経抑制剤(β−ブロッカー、α−ブロッカー等)、カルシウム拮抗剤、アンジオテンシン(ACE)変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗剤などが使用されている。
しかし、薬剤はそれ自体が体への負担となるばかりでなく、副作用を伴うことが多いため、継続的な服用は必ずしも好ましくない。
近年、重篤な副作用を伴わない天然物由来の物質の生理活性効果がとくに注目されつつあり、現在までに有効成分の採取方法ならびに有効成分による高血圧症に対する改善の試みが、以下のように数多く開示されている。
例えば、イネ科植物の緑葉が抗高血圧効果を有することは、既に公知であるが、単に緑葉末または搾汁粉末を摂取するだけでは十分な抗高血圧効果は得られない。この問題を解決するために、イネ科植物の搾汁から水可溶部を得て、これを極性溶媒処理または加熱処理して不溶性固形分を除去し、抗高血圧効果を有する成分を得る方法が試みられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、イネ科植物の特定部位の根部または根部抽出物を原料とするアンジオテンシン変
換酵素阻害剤の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、上記のイネ科植物の特定部位である緑葉あるいは根部から得られた成分の利用方法の提案は、いずれも高血圧改善に対する有効成分が十分に特定されておらず、高血圧症に対する改善効果が十分ではない。
一方、イネ科植物由来の分離成分(ワックス等)の生理活性効果がとくに注目され、現
在までに有効成分の採取方法等に対する試みが以下のように数多く開示されている。
例えば、甘蔗(サトウキビ)茎部の表皮部分を剃刀あるいはピーラーで削り落して、有機溶媒を用いて加温状態下で抽出する方法(例えば、特許文献4参照)、サトウキビ等の天然産物から抽出・分離した高級飽和脂肪族アルデヒドを有効成分とする骨粗鬆症予防治療剤(例えば、特許文献5)あるいは高級飽和脂肪族アルコールを有効成分とする2型糖尿病の改善剤(例えば、特許文献6)等の提案がある。
さらに、本願発明者等は、イネ科植物のコウリャンより抽出・分離された特殊ワックス混合物を有効成分とするインスリン非依存性の2型糖尿病の改善剤及びそれを含有する飲食物を提案している(特許文献7参照)。
しかし、これらの試みは、いずれも、イネ科植物に由来する分離・抽出成分であるワックスあるいは高級飽和脂肪族アルコール(ポリコサノール)の有する1型あるいは2型糖尿病に対する改善効果あるいは高級飽和脂肪族アルデヒドの有する骨粗鬆症予防効果に関するものであり、高血圧症に対する改善効果については何ら言及されていない。
特開昭55−087725号報 特開昭56−116226号報 特開2004−051519号報 特開昭59−053427号公報 WO2004/105739号公報 特開2007−063203号公報 WO2011/043237号公報
本発明は副作用の少ないイネ科植物由来の天然成分により高血圧症を十分改善できる新しい技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記の問題点に鑑み鋭意検討した結果、イネ科モロコシ属に属するコウリャンより抽出・分離された特定なワックス混合物が、意外にも血圧を効果的に低下させる優れた生理活性効果を有することを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)コウリャンの茎部より抽出・分離されたワックス混合物を有効成分とする血圧上昇抑制剤、
(2)ワックス混合物が、オクタコサナール及びトリアコンタナールを主成分とする(1)記載の血圧上昇抑制剤、
(3)コウリャンの茎部が、コウリャンの茎部の表皮である(1)又は(2)記載の血圧上昇抑制剤、
(4)(1)、(2)又は(3)のいずれかに記載の血圧上昇抑制剤を含有する飲食品、
(5)コウリャン茎の表層部分を削り取り、溶媒抽出した後加熱溶解し常温で再結晶させることを特徴とするワックス混合物の製造方法
に関するものである。
(1)本発明に用いる天然原料
本発明の原料であるコウリャンは、現代中国名が高粱(こうりゃん、カオリャン)であり、モロコシ、タカキビ(高黍)、また地方によりモロコシキビ、トウキビ、ソルガムとも呼ばれる、イネ科モロコシ属の一年草の植物・穀物である。熱帯、亜熱帯の作物で乾燥に強く、米、コムギなどが育たない地域でも成長し、主にアフリカ・中央アメリカ・東南アジアで食用に栽培される。草丈は、野生種でおおむね3メートルに達するが、栽培用品種では1.5メートル程度のものが多い。葉も長さ1メートル以上で幅10センチメートル程度になり、茎は太さ3センチメートル程度で芯の詰まったものとなっている。
コウリャンには子実型コウリャン(グレインソルガム)、ソルゴー型コウリャン(フォレッジソルガム)がある。子実型は、穀物を採取するのが目的で栽培されており、穀物を食料や酒の原料および飼料として用いられる。ソルゴー型は、穂はほとんどつかないが、茎および葉を丸ごと飼料として用いられる。
本発明に適する品種としては、子実型コウリャンが本願において高血圧症に顕著な改善効果を有することが判明したオクタコサナール及びトリアコンタナール成分をより多く含むため好適である。前記両成分の含有量は、コウリャン茎からのサンプル採取方法に大きく依存すること、ならびに前記両成分はとくに茎部の表皮部分に多く、さらには茎の節近傍の表皮部分に極めて高濃度で存在することから、採取の仕方によってはソルゴー型においても十分に本願の効果を発揮できることが確認されている。
(2)本発明のワックス混合物の分離及び抽出方法
以下に本発明のワックス混合物の代表的な製造方法を挙げる。
表皮の分離方法
本発明のワックス混合物は、コウリャンの茎部の表皮部分、とくに節部の近傍に集中して高濃度に存在しているため、各種手段を用いて選択的かつ効率的に回収することが望ましい。例えば、ケインセパレーションシステム(以下、CSSと略記する。米国AmClyde社製、米国特許第3690358号、図2)等の分離装置により表皮のラインド部分と内部組織のピス(Pith)とを機械的に分離して、そのうちの表皮を抽出に供する方法、ワイヤーブラシを用いてコウリャンの表皮を手作業で研磨して収集する方法、ナイフ、剃刀等により手作業によって削り取って収集する方法、あるいは自動皮むき機等を利用する方法が有効である。
ワックス成分の抽出・精製方法
次に、ワックス成分は、採取した表皮部分からガラス製ソックスレー抽出器等を用いた溶剤抽出法によって得る。すなわち、溶剤は、ベンゼン、イソプロパノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒を用いて、湯浴にて70〜100℃で、2〜4時間加温して抽出を行った後、残留溶剤を蒸発して乾固させて粗ワックスを得る。さらに、前記粗ワックスを薄膜蒸留器にて蒸留し、高沸点分を残渣として除去することにより、本発明の精製ワックス混合物を得る。
(3)併用可能なワックス混合物以外の成分
本発明において併用可能なワックス混合物以外の成分としては、本発明の目的を妨げない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の薬効成分、添加剤などが挙げられる。前記薬効成分としては、例えば、ビタミン類、血管拡張剤、抗不整脈剤、血栓溶解剤、高脂血症用剤あるいは糖尿病改善剤などが挙げられる。前記添加剤としては、特に制限はなく、例えば、安定化剤、界面活性剤、可溶化剤、水溶性高分子、抗酸化剤、pH調整剤、分散剤などが挙げられる。
(4)本発明の改善剤の形状
本発明の血圧降下剤ならびに飲食品の剤形としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末、細粒、顆粒、マイクロカプセルなどの固形剤としてもよく、更に、これらを錠剤、フィルムコート剤などとしてもよく、カプセルなどに充填してもよい。また、適宜選択した溶媒によって溶液化又は懸濁化して、液剤としてもよい。
(5)本発明の飲食物
本発明のワックス混合物を主成分とする血圧降下剤を含む飲食物としては、これらのワックス混合物を配合した調理油、飲料類、錠剤、顆粒剤、ドレッシング類、マヨネーズ類、クリーム類、チョコレート、ポテトチップス等が挙げられる。このような飲食物は、本発明のワックス混合物の他に、飲食物の種類に応じて一般に用いられる食品原料を添加して製造することができる。
(6)本発明のワックス混合物の適正投与量
本発明の実施例において、約40g のマウスが0.5質量%のワックス混合物を配合した混合飼料を7g/日(ワックス混合物として0.035g)摂取した場合、血圧降下の改善効果があることが見出された。一般的には、ラットやマウスでの体重1kgの有効量の約1/50がヒトでの適正用量であると言われる。したがって、ここでの摂取量は50kgのヒトに換算すると0.875g/日となる。
本発明によれば、副作用の少ない天然物由来の成分により、高血圧症の病状が十分に改善される。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1](コウリャンワックスの成分分析)
(1)コウリャン茎の表皮の採取方法
マウス試験に採用したコウリャンワックスの原料であるコウリャンの産地と品種及び表皮の採取方法は次の通りである。コウリャン原料として、中国遼寧省産の子実型コウリャン(品種名:瀋雑5号)を用いて、以下の2種類の方法で表皮を収集した。
a)採取方法A;コウリャン茎の表面をn−ヘキサンで軽く拭いて粉となっているワックスをふき取った後、ナイフで茎の表皮を表面から1〜2mmの深さまで削り取って採取する方法。
b)採取方法B;コウリャン茎のごく表層部分(表面から0.5mm程度)を真鍮ブラシで削り取って採取する方法。
(2)ワックス成分の抽出・分離方法
上記の方法で採取したコウリャン茎の表皮から、以下の方法でワックス成分を抽出・分離した。
a)抽出・分離A;2L用ガラス製ソックスレー抽出器を使用して、採取方法Aの表皮サンプル100gを、n−ヘキサンを溶媒として抽出した。湯浴温度を95℃として4時間抽出した後、残留溶媒を蒸発させ乾固させて、約1.2gの粗ワックスを得た。この操作を10回行って、最終的にワックス混合物約12gを得た。このサンプルを「コウリャンワックスA」とした。
b)抽出・分離B;2L用ガラス製ソックスレー抽出器を使用して、表皮サンプル150gを、n−ヘキサンを溶媒として抽出した。湯浴温度を95℃として4時間抽出した後、残留溶媒を蒸発させ乾固させて、70gの粗ワックスを得た。次にこの粗ワックス70gと600mLのn−ヘキサンを1Lビーカーに入れ、湯浴上で攪拌して溶解させた後、常温で静置して再結晶させた。この結晶を含む溶液をろ過して、ろ紙上の残留物を減圧乾燥させることにより、63gの精製ワックス混合物を得た。このサンプルを「コウリャンワックスB」とした。
(3)ワックス成分の分析
前記ワックス混合物の組成は、下記の条件にてガスクロマトグラフィーを行い、表1の結果を得た。
ガスクロマトグラフィー条件
カラム:DB−5((5%-Phenyl)-Methylpolysiloxane、カラム長:30m、
ID:0.25mm、膜厚:0.25μm、J&Wサイエンティフィック社製)
昇温条件:150℃→(4℃/分)→320℃(10分)
カラム流量:1.70mL/分
検出器:FID、検出器温度:350℃
キャリアーガス:N2
表1より本願で着目しているオクタコサナール(C28)とトリアコンタナール(C30)を合計した高級飽和脂肪族アルデヒド成分が、サトウキビワックス(21.2)に比して、コウリャンワックスA(47.6)及びB(74.4)に多く、とくにコウリャンワックスBにおいてこの傾向が顕著であるのに対して、高級飽和脂肪族アルコール成分が相対的に極めて少ないことが分かる。
Figure 2013053107
マウス試験条件
・試験マウスの種類;雄性、5週齢の2型糖尿病モデルマウス(KK/Ay)を使用した。
・1群のマウス数;8匹
・飼育方法;CRF-1固形飼料(日本チャールズリバー)にて1週間の予備飼育後、コントロール群、コウリャンワックスA群、コウリャンワックスB群の3群(n=8)に分けた後、下記の実施例1、2及び比較例1の各配合系試験飼料を投与して8週間飼育した。
・飼育環境;飼育中、試験飼料、水は自由摂食とし、室温20〜25 ℃ 、明暗サイクル12時間(照明時間8:00〜20:00)に設定された動物飼育室にて、プラスチックケージ内に一匹ずつ隔離飼育した。飼育中の飼料及び飲料水は自由摂取とした。
・飼料;
〔1〕AIN−93G(大豆油抜き)(オリエンタル酵母株式会社)基本飼料の配合組成(単位:質量%);カゼイン20、コーンスターチ39.8、α化コーンスターチ13.2、シュークロース10.0 、大豆油7.0、セルロースパウダー5.0、AIN−93Gミネラル混合3.5、AIN−93Gビタミン混合1.0
〔2〕標準飼料;上記の基本飼料に、コーン油を7.0質量%添加して、標準配合飼料とした。
〔3〕試験飼料;上記の基本飼料に、コーン油を6.5質量%とコウリャンワックスA及びBを各々0.5質量%を添加して、それぞれコウリャンワックス配合飼料A、コウリャンワックス配合飼料Bとした。
血圧測定
ラット・マウス用非観血式血圧測定装置BP−98A(株式会社ソフトロン)を用いて、40℃に温めた恒温器で保定した後、テールカフ法にて飼育期間中、週に1度、測定を行った。
測定は各3回行い、その平均値を測定値とした。血圧の測定は、13:00〜18:00に実施した。
血漿アンジオテンシンII濃度測定
・血液採取;本飼育終了後、絶食は行わず、ジエチルエーテル麻酔下にて断頭し、血液を採取した。
・血漿分離;採取した血液をヘパリン処理後、4℃、1900gで10分間の遠心分離を行い、血漿を回収した。血漿は分析まで−30℃にて冷凍保存した。
・血漿アンジオテンシンII濃度測定;General protocol for ENZYME IMMUNOASSAY KIT(PHOENICX PHARMACEUTICALS,INC.)を用いて測定した。
脂肪組織重量測定
・脂肪組織を取り出して、白色脂肪組織及び褐色脂肪組織を分け採った後、各組織の重量を電子天秤にて測定した。
[実施例2](血圧等に及ぼす影響の検討)
(コウリャンワックス配合飼料A(本発明1)及びB(本発明2))
試験飼料は、予め基本飼料に使用するコーン油に固形状のコウリャンワックスを均一に溶解した後、AIN−93G基本飼料99.5質量%、コウリャンワックス0.5質量%となるように、均一に混合して用意したものを試験食飼料として、前記の条件下で飼育した。
[比較例1]
(標準配合飼料)
試験飼料は、予め基本飼料に使用する大豆油に固形状のサトウキビワックスを均一に溶解した後、AIN−93G基本飼料99.5質量%、サトウキビワックス0.5質量%となるように、均一に混合して用意したものを試験食として、前記の条件下で飼育した。
マウスに対するコウリャンワックス配合飼料の投与の血圧に及ぼす影響を表2に示す。
Figure 2013053107
比較例1に対して本発明1(コウリャンワックス配合飼料A)及び本発明2(コウリャンワックス配合飼料B)において、血圧の有意な低下が認められた。
マウスに対するコウリャンワックス配合飼料の投与のアンジオテンシンIIの濃度に及ぼす影響を表3に示す。
Figure 2013053107
比較例1に対して、本発明1(コウリャンワックス配合飼料A)及び本発明2(コウリャンワックス配合飼料B)において、アンジオテンシンIIの濃度の有意な低下が認められた。とくに、コウリャンワックス配合飼料Bにおいてその効果が顕著であることが分かる。
Figure 2013053107
比較例1に対して、本発明1(コウリャンワックス配合飼料A)及び本発明2(コウリャンワックス配合飼料B)において、白色脂肪細胞の有意な低下ならびに褐色脂肪細胞の有意な増加が認められた。
以上の実施例ならびに比較例の結果から、オクタコサナール及びトリアコンタナールの高級飽和脂肪族アルデヒドを主成分とする本発明のコウリャンワックス混合物は、白色脂肪組織の減少、これに伴うアンジオテンシンIIの濃度の優位な低下をもたらすことが分かる。
アンジオテンシンIIは、強力な血圧上昇作用を有しており、この前駆体であるアンジオテンシノーゲンは肝臓と白色脂肪組織で合成されるので、白色脂肪組織が減少するということは、アンジオテンシノーゲンの減少、ひいては、強力な血圧上昇作用を有しているアンジオテンシンIIの濃度の優位な低下をもたらし、本発明の課題である高血圧症の改善に資することができる。
また、オクタコサナール及びトリアコンタナールの高級飽和脂肪族アルデヒドは生体内で高級飽和脂肪族アルコールから合成されるため、高級飽和脂肪族アルデヒドを直接摂取したほうが生理活性が強くなり、また高級飽和脂肪族アルデヒドの融点は高級飽和脂肪族アルコールの融点より低いため、吸収率も高いこと等が白色脂肪組織の減少に影響を与えているものと考えられる。
[実施例3](ヒト介入試験)
コウリャンワックスB 10mgを含有したソフトカプセル(以下、コウリャンワックス含有カプセルという)を下記の処方で製造した。
カプセル形状;オーバル4型
カプセル皮膜材質;豚ゼラチンのカラメル着色皮膜
処方;コウリャンワックスB10mg、オリーブ油 190mg、皮膜重量 約130mg合計重量 330mg
次に、年齢60歳女性を被験者として、以下の手順でヒト介入試験を行った。まず、東日本労働衛生センターにて、成人病検診を受診した。その1ヵ月後から12ヶ月後までの11ヶ月間、上記で準備したコウリャンワックス含有カプセルを毎日3粒摂取し、12ヵ月後に、再度、東日本労働衛生センターにて、成人病検診を受診した。
コウリャンワックス含有カプセルの摂取前と摂取後の検診結果を表5に示す。表5より、BMI値(肥満度)が上昇しているにも拘わらず、血圧は明らかに低下していること、血糖値、コレステロール(HDL、LDL)、肝機能(γ−GTP)等にはとくに問題が見られないことが分かる。
Figure 2013053107
本発明によると、低コストで容易に製造でき、生活習慣病に起因する高血圧症の改善に有効であり、安全性が高く常用可能なコウリャン由来の特定組成のワックス混合物を有効成分とする血圧上昇抑制剤、及び、それを含み、病院用飲食品、健康飲料乃至食品、飼料用サプリメント等として好適な飲食物を提供することができる。

Claims (5)

  1. コウリャンの茎部より抽出・分離されたワックス混合物を有効成分とする血圧上昇抑制剤。
  2. ワックス混合物が、オクタコサナール及びトリアコンタナールを主成分とする請求項1記載の血圧上昇抑制剤。
  3. コウリャンの茎部が、コウリャンの茎部の表皮である請求項1又は2記載の血圧上昇抑制剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の血圧上昇抑制剤を含有することを特徴とする飲食品。
  5. コウリャン茎の表層部分を削り取り、溶媒抽出した後加熱溶解し常温で再結晶させることを特徴とするワックス混合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104043091A (zh) * 2014-06-30 2014-09-17 陈忠 一种防高血压的中药组合物

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