JP2013053089A - ウイルス疾患の予防・治療剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウイルスの感染予防、ウイルス感染細胞の除去に寄与し、高い効果を発揮するウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤を提供すること。
【解決手段】ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を有効成分として含有する、ウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤。該ウイルス性疾患は、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、エプステインバールウイルス、RSウイルス、ライノウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルス、コロナウイルス、アフトウイルス、水胞性口炎ウイルスなどである。
【選択図】図3
【解決手段】ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を有効成分として含有する、ウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤。該ウイルス性疾患は、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、エプステインバールウイルス、RSウイルス、ライノウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルス、コロナウイルス、アフトウイルス、水胞性口炎ウイルスなどである。
【選択図】図3
Description
本発明は、特定の乳酸菌株を有効成分として含有するウイルス疾患の予防・治療剤に関する。
近年、乳酸菌は、免疫賦活力などの生理学的機能の観点からプロバイオティックスとして注目されている。乳酸菌を利用した食品素材などがこれまでに数多く提案されており、また、乳酸菌をウイルス感染の予防または治療に用いる検討も行なわれている。これらにおいて検討されている乳酸菌の属は多岐に渡っている。
特許文献1には、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株が腸管のIgA産生を増加させ、免疫賦活に機能することが記載されている。しかし、特許文献1においては、ウイルス疾患に対する作用は確認されていない。
特許文献2には、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株がインフルエンザワクチンの効果を増強することが記載されている。しかし、特許文献2においては、AYA株単独でのウイルス疾患に対する作用は確認されていない。
特許文献2には、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株がインフルエンザワクチンの効果を増強することが記載されている。しかし、特許文献2においては、AYA株単独でのウイルス疾患に対する作用は確認されていない。
特許文献3には、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムをウイルス感染の予防/治療に用い得ることが記載されており、T細胞などの免疫細胞の活性化、大腸菌の食作用は確認されている。しかし、特許文献3においては、実際のウイルス疾患に対する作用は確認されていない。
特許文献4には、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムL−137株がIL−12産生を増加させ、免疫賦活に機能することが記載されている。しかし、特許文献4においては、ウイルス疾患に対する作用は確認されていない。
非特許文献1には、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムL−137株がマウスのインフルエンザ感染試験で、生存率の向上、インターフェロン産生の増加を示すことが記載されている。しかし、さらに高い効果が望まれている。
特許文献4には、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムL−137株がIL−12産生を増加させ、免疫賦活に機能することが記載されている。しかし、特許文献4においては、ウイルス疾患に対する作用は確認されていない。
非特許文献1には、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムL−137株がマウスのインフルエンザ感染試験で、生存率の向上、インターフェロン産生の増加を示すことが記載されている。しかし、さらに高い効果が望まれている。
ハウスウェルネスフーズ株式会社、ニュースリリース、2009年12月9日、インターネット〈URL:http://www.house-wf.co.jp/release/weblog/2009/12/hk_l-137.html〉
本発明の目的は、ウイルスの感染予防、ウイルス感染細胞の除去に寄与し、高い効果を発揮するウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、様々な種類の乳酸菌の中でも、ラクトバチルス・プランタラムAYA株が、ウイルス疾患に対して特に高い効果を発揮することを知見し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を有効成分として含有する、ウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤を提供するものである。
また、本発明は、ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を有効成分として含有する、ウイルス感染の予防剤を提供するものである。
また、本発明は、ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を有効成分として含有する、ウイルス感染細胞の除去剤を提供するものである。
また、本発明は、ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を有効成分として含有する、ウイルス感染の予防剤を提供するものである。
また、本発明は、ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を有効成分として含有する、ウイルス感染細胞の除去剤を提供するものである。
本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤は、マウス脾臓細胞のナチュラルキラー細胞(NK)活性を増加させ、細胞障害率を向上させた。このことから、本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤を用いれば、ウイルスやウイルス感染細胞の除去を有効に行えることが期待できる。また、本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤は、実際に、致死率100%のマウスのインフルエンザ感染試験で生存率を向上させ、生存動物の体重を感染前の90%にまで回復させた。
以上から明らかな通り、本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤は、ウイルスの感染予防、ウイルス感染細胞の除去に寄与し、ウイルス性疾患の予防及び/又は治療に高い効果を発揮するものである。
以上から明らかな通り、本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤は、ウイルスの感染予防、ウイルス感染細胞の除去に寄与し、ウイルス性疾患の予防及び/又は治療に高い効果を発揮するものである。
本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤が含有する乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株は、独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センターに寄託されており、その受託番号はFERM P−21106である。
乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株の菌学的性質を下記に示す。
MRS液体培地(DIFCO社)を用いて、30℃、18時間培養したときの菌の形態(1)菌の形態 桿菌
(2)グラム染色 陽性
(3)運動性 なし
(4)胞子 なし
(5)カタラーゼ なし
(6)通性嫌気性
(7)ブドウ糖の代謝 50%以上乳酸に転換する
(8)生育温度範囲 15℃、30℃および35℃では生育を認めるが、45℃では生育を認めない
(9)乳酸発酵 ホモ型
(10)乳酸の旋光性 DL
(11)炭水化物の発酵性 グリセロールは陽性、D-アラビノースは陰性、L-アラビノースは陽性、リボースは陽性、D-キシロースは陰性、ガラクトースは陽性、グルコースは陽性、フルクトースは陽性、マンノースは陽性、ラムノースは陽性、マンニトールは陽性、ソルビトールは陽性、αメチルDグルコシドは陰性、アミグダリンは陽性、エスクリンは陽性、サリシンは陽性、セロビオースは陽性、マルトースは陽性、ラクトースは陽性、メリビオースは陽性、シュクロースは陽性、トレハロースは陽性、イヌリンは陰性、メレジトースは陽性、ラフィノースは陽性、スターチは陰性、グルコン酸は陽性。
MRS液体培地(DIFCO社)を用いて、30℃、18時間培養したときの菌の形態(1)菌の形態 桿菌
(2)グラム染色 陽性
(3)運動性 なし
(4)胞子 なし
(5)カタラーゼ なし
(6)通性嫌気性
(7)ブドウ糖の代謝 50%以上乳酸に転換する
(8)生育温度範囲 15℃、30℃および35℃では生育を認めるが、45℃では生育を認めない
(9)乳酸発酵 ホモ型
(10)乳酸の旋光性 DL
(11)炭水化物の発酵性 グリセロールは陽性、D-アラビノースは陰性、L-アラビノースは陽性、リボースは陽性、D-キシロースは陰性、ガラクトースは陽性、グルコースは陽性、フルクトースは陽性、マンノースは陽性、ラムノースは陽性、マンニトールは陽性、ソルビトールは陽性、αメチルDグルコシドは陰性、アミグダリンは陽性、エスクリンは陽性、サリシンは陽性、セロビオースは陽性、マルトースは陽性、ラクトースは陽性、メリビオースは陽性、シュクロースは陽性、トレハロースは陽性、イヌリンは陰性、メレジトースは陽性、ラフィノースは陽性、スターチは陰性、グルコン酸は陽性。
乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株は、そのままあるいは必要に応じて薬学的に許容される種々の担体、賦形剤、その他の添加剤、その他の成分を配合して製剤化することによって、本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤とすることができる。また、本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤は、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株を用いて発酵させた種々の動植物性物質をベースとしてもよい。
乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株は、食経験が豊富な素材(パン酵母)から分離したものであるため、安全に利用することができる。したがって、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株をそのまま、食品や飼料の形態の本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤として利用することができ、或いは、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株を有効成分として含有する本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤を通常の飲食品や飼料に含有させて利用することもできる。
本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤において、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株の含有量は、ウイルス性疾患の予防及び/又は治療に有効な量であればいかなる量であってもよく、使用形態、剤形、投与又は摂取する者の症状や年齢性別などによって適宜変化させることができる。本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤を経口投与又は摂取させる場合には、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株としての1人1日当たりの投与量又は摂取量が1mg〜20gとなるように含有させることが好ましい。また、食品として摂取する場合には、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株としての1人1日当たりの摂取量は5mg〜5gであることが好ましく、飼料として動物に投与する場合には、乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株として体重g当たり1日0.1mg〜500mgの摂取量となるように含有させることが好ましい。
本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤は、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、エプステインバールウイルス、RSウイルス、ライノウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルス、コロナウイルス、アフトウイルス、水胞性口炎ウイルスなどの空気感染性又は飛沫感染性のウイルス性疾患に対して効果を発揮し、特にインフルエンザに対して高い効果が認められる。
乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムAYA株は、ウイルス感染の予防機能及び/又はウイルス感染細胞の除去機能を発揮する。ラクトバチルス・プランタラムAYA株を有効成分として含有する本発明のウイルス感染の予防剤及び本発明のウイルス感染細胞の除去剤について、特に説明しなかった点については、上述の本発明のウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤についての説明を適宜適用することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)ラクトバチルス・プランタラムAYA株粉末の製造方法
ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を、10μg/mlシクロヘキシミドを含むMRS(de Man−Rogosa−Sharpe)培地を用いて37℃で48時間培養した。その後、遠心分離によって集菌し、滅菌水で3回洗浄した後、滅菌水に懸濁し、121℃で30分間オートクレーブ処理し、これを乾燥してラクトバチルス・プランタラムAYA株粉末試料を得た。
(1)ラクトバチルス・プランタラムAYA株粉末の製造方法
ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を、10μg/mlシクロヘキシミドを含むMRS(de Man−Rogosa−Sharpe)培地を用いて37℃で48時間培養した。その後、遠心分離によって集菌し、滅菌水で3回洗浄した後、滅菌水に懸濁し、121℃で30分間オートクレーブ処理し、これを乾燥してラクトバチルス・プランタラムAYA株粉末試料を得た。
(2)NK活性試験
マウスBALB/c(雌、6週齢、SLC社)6匹を購入し、1週間の馴化後に解剖し、脾臓細胞を得た。得られた脾臓細胞をRPMI1640培地(10%FCS含有)に懸濁することにより脾臓細胞懸濁液(2×107cells/ml)を15ml調製した。そこに、マウスインターロイキン2(Miltenyi Biotec社)を2nMになるように添加して37℃にて5%CO2条件下で5日間培養し、脾臓細胞中のNK細胞を活性化させた。これをエフェクター細胞とした。また、ターゲット細胞としては、マウス由来Yac−1細胞(ATCC NO:TIB160(登録商標))を使用した。
細胞障害性を評価するために、細胞から放出されたラクトースデヒドロゲナーゼ(以下LDH)を定量するキットであるCyto Tox 96(登録商標)Non−Radioactive Cytotoxicity Assay(Promega社)を使用した。
マウスBALB/c(雌、6週齢、SLC社)6匹を購入し、1週間の馴化後に解剖し、脾臓細胞を得た。得られた脾臓細胞をRPMI1640培地(10%FCS含有)に懸濁することにより脾臓細胞懸濁液(2×107cells/ml)を15ml調製した。そこに、マウスインターロイキン2(Miltenyi Biotec社)を2nMになるように添加して37℃にて5%CO2条件下で5日間培養し、脾臓細胞中のNK細胞を活性化させた。これをエフェクター細胞とした。また、ターゲット細胞としては、マウス由来Yac−1細胞(ATCC NO:TIB160(登録商標))を使用した。
細胞障害性を評価するために、細胞から放出されたラクトースデヒドロゲナーゼ(以下LDH)を定量するキットであるCyto Tox 96(登録商標)Non−Radioactive Cytotoxicity Assay(Promega社)を使用した。
エフェクター細胞としての脾臓細胞と、ターゲット細胞としてのYac−1細胞を、96穴マイクロプレート(丸底)を用いて37℃、5%CO2条件下で4時間培養した。その際、コントロールでは、脾臓細胞とYac−1細胞とを培養し、テストでは、脾臓細胞とYac−1細胞に、上記(1)で調製したラクトバチルス・プランタラムAYA株粉末試料を加えて共培養した。
尚、細胞数は、脾臓細胞は5×106個/wellとし、Yac−1細胞は5×103個/wellとした。AYA株粉末試料は50μg/wellとした。また、1ウェルあたり100マイクロリットルの系として培養を実施した。
尚、細胞数は、脾臓細胞は5×106個/wellとし、Yac−1細胞は5×103個/wellとした。AYA株粉末試料は50μg/wellとした。また、1ウェルあたり100マイクロリットルの系として培養を実施した。
培養後に遠心(250gで4分間)してから上清を実験試料として50μl採取し、それにSubstrate Mix(上記キットの付属品)を50μl加え、遮光し室温で30分間インキュベートした。そして、50μlのStop Solution(上記キットの付属品)を加え、490nmの吸光度を測定し、実験試料のLDH量を求めた。実験試料のLDH量の結果を下記の式に入力して、細胞障害率を算出した。
尚、上記の式における各項目は、以下の通りである。
実験試料:コントロールの場合は脾臓細胞とYac−1細胞を培養した後の上清中のLDH量、テストの場合は脾臓細胞とYac−1細胞をラクトバチルス・プランタラムAYA株粉末試料と共培養した後の上清中のLDH量
Effector Spontaneous:脾臓細胞を単独で培養した際の上清中のLDH量
Target Spontaneous:Yac−1細胞を単独で培養した際の上清中のLDH量
Target Maximum:Yac−1細胞を融解処理し上清中に放出させたときに存在するLDH量
実験試料:コントロールの場合は脾臓細胞とYac−1細胞を培養した後の上清中のLDH量、テストの場合は脾臓細胞とYac−1細胞をラクトバチルス・プランタラムAYA株粉末試料と共培養した後の上清中のLDH量
Effector Spontaneous:脾臓細胞を単独で培養した際の上清中のLDH量
Target Spontaneous:Yac−1細胞を単独で培養した際の上清中のLDH量
Target Maximum:Yac−1細胞を融解処理し上清中に放出させたときに存在するLDH量
細胞障害率を示すグラフを図1に示す。図1から明らかなように、ターゲット細胞と脾臓細胞の共培養下における、ラクトバチルス・プランタラムAYA株によるNK活性上昇による細胞障害効果が1%の有意水準で確認された。
(3)インフルエンザ感染試験
マウスBALB/c(雌、6週齢、SLC社)20匹を購入し、1群10匹の2群(コントロール群及びテスト群)に分けた。1週間の馴化後に餌を各群4週間自由摂取させた。コントロール群の餌は、市販の飼料(商品名AIN93G、オリエンタル酵母工業)とし、テスト群の餌は、コントロール群と同じ市販の飼料に、上記(1)で製造したラクトバチルス・プランタラムAYA株粉末試料を5質量%添加したものとした。
4週間の摂取終了後、PBSで8.3%に希釈したソムノペンチルを200μl/匹注射し、麻酔が効いてからインフルエンザウイルスX−31株を2.5×105×TCID50/匹になるように経鼻投与した。感染当日から感染10日後まで1日1回全マウスの体重を測定し、生存率を求めた。尚、本試験においては、インフルエンザウイルス感染による急激な体重減少を伴うため、人道的エンドポイントとして「Institutional Animal Care and Use Committee Guidebook 2nd Edition 2002」を参考に20%の体重減少を設定した。
マウスBALB/c(雌、6週齢、SLC社)20匹を購入し、1群10匹の2群(コントロール群及びテスト群)に分けた。1週間の馴化後に餌を各群4週間自由摂取させた。コントロール群の餌は、市販の飼料(商品名AIN93G、オリエンタル酵母工業)とし、テスト群の餌は、コントロール群と同じ市販の飼料に、上記(1)で製造したラクトバチルス・プランタラムAYA株粉末試料を5質量%添加したものとした。
4週間の摂取終了後、PBSで8.3%に希釈したソムノペンチルを200μl/匹注射し、麻酔が効いてからインフルエンザウイルスX−31株を2.5×105×TCID50/匹になるように経鼻投与した。感染当日から感染10日後まで1日1回全マウスの体重を測定し、生存率を求めた。尚、本試験においては、インフルエンザウイルス感染による急激な体重減少を伴うため、人道的エンドポイントとして「Institutional Animal Care and Use Committee Guidebook 2nd Edition 2002」を参考に20%の体重減少を設定した。
コントロール群およびテスト群の体重の測定結果(単位:g)を表1−1及び1−2にそれぞれ示す。表1−1及び1−2に示した結果を、感染時体重に対する比(感染時体重を100とした相対値)に換算した結果を表2−1及び2−2にそれぞれ示す。また、表2−1及び2−2に示した結果を図2−1及び2−2にグラフとしてそれぞれ示す。さらに、表2−1及び2−2に示した結果から求めた生存率を図3に示す。
図3から明らかな通り、AYA株摂取により、生存率が1%水準で有意に上昇することが確認された。
Claims (3)
- ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を有効成分として含有する、ウイルス性疾患の予防及び/又は治療剤。
- ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を有効成分として含有する、ウイルス感染の予防剤。
- ラクトバチルス・プランタラムAYA株(受託番号FERM P−21106)を有効成分として含有する、ウイルス感染細胞の除去剤。
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