JP2013053070A - ジヒドロピロロキノリン誘導体 - Google Patents

ジヒドロピロロキノリン誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】NK受容体拮抗薬として有用な化合物を提供する。
【解決手段】式(I)
【化1】


[式中、
Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基等を示し、X1およびX2はそれぞれ結合手等を示し、
X3は置換基を有するメチレン基を示し、Yは結合手等を示し、Zは置換基を有していてもよい炭化水素基等を示す。]で表される化合物またはその塩。

Description

本発明は、光学活性なジヒドロピロロキノリン誘導体及びその用途に関する。
タキキニンとは、一群の神経ペプチドの総称であり、哺乳動物ではサブスタンスP(以下、SP)、ニューロキニンA(以下、NKAと略す)およびニューロキニンB(以下、NKBと略す)が知られている。これらのペプチドは生体内に存在するそれぞれの受容体(ニューロキニン1、ニューロキニン2、ニューロキニン3、以下それぞれNK1、NK2、NK3と略す)に結合することによって、さまざまな生物活性を発揮することが知られている。
特に、NK2受容体の拮抗薬は、ニューロキニンA依存性の病理の予防及び治療に有用であると考えられるが、それらは、肺疾患(特に、喘息の気管支痙攣、咳、慢性閉塞性肺疾患並びに肺過敏)、胃腸管疾患(特に、腸管痙攣、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍のない消化不良、胃食道逆流症及びGI管障害)、中枢神経疾患(例、鬱、不安症)、泌尿器疾患(例、排尿障害)、鎮痛疾患(例、神経性疼痛、リウマチなどの炎症性疾患に伴う疼痛など)などの疾患の予防及び治療において有用であると考えられる(非特許文献1)。
このような、NK2受容体の拮抗薬として、ヘキサヒドロピロロキノリン誘導体及びその製造方法の開示がある(特許文献1)。また、NK2受容体の拮抗薬として、ジヒドロピロロキノリン誘導体及びその製造方法の開示もある(特許文献2)。
しかし、なお、より優位な活性を有する化合物が求められている。
国際公開WO2008−153027号パンフレット 国際公開WO2005−105802号パンフレット
Expert Opin. Ther. Targets,2003年,7巻(3),343頁
本発明は、優れたNK2受容体拮抗作用を有する化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、ジヒドロピロロキノリン誘導体の中でも、その側鎖として、これまでと異なる置換基を有する環状炭化水素基を有する化合物がより優れたNK2受容体拮抗作用を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]
式(I)
[式中、Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、
Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、
X1およびX2はそれぞれ結合手または置換基を有していてもよい2価のC1−5鎖状炭化水素基を示し、
X3は置換基を有するメチレン基を示し、
Yは結合手または置換基を有していてもよいイミノ基(−NH−)を示し、
Zは置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。]で表される化合物またはその塩(以下、化合物(I)と略称する場合がある。);
[2]
X3が(1)フッ素原子及び(2)フッ素原子で置換されたC1−3アルキル基から選ばれる置換基を有するメチレン基である前記[1]記載の化合物;
[3]
X1がエチレン(−CHCH−)であり、X2がメチレン(−CH−)である前記[1]記載の化合物;
[4]
X3がフッ素原子を有するメチレン基である前記[2]記載の化合物;
[5]
Rが置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基である前記[1]記載の化合物;
[6]
Aがフッ素原子で置換されてもよいベンゼン環である前記[1]記載の化合物;
[7]
Yが結合手またはイミノ基(−NH−)である前記[1]記載の化合物;
[8]
Zが置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基である前記[1]記載の化合物;
[9]
前記[1]記載の化合物のプロドラッグ;
[10]
前記[1]記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなるニューロキニン(NK)受容体拮抗剤;
[11]
前記[1]記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなるニューロキニン2(NK2)受容体拮抗剤;
[12]
前記[1]記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなる医薬;
[13]
消化器疾患または中枢疾患の予防・治療剤である前記[12]記載の医薬;
[14]
消化器疾患が、機能性消化管疾患である前記[13]記載の医薬;
[15]
機能性消化管疾患が、過敏性腸症候群または機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia)である前記[14]記載の医薬;
[16]
哺乳動物に対し、前記[1]記載の化合物またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする消化器疾患または中枢疾患の予防・治療方法;
[17]
消化器疾患が、機能性消化管疾患である前記[16]記載の予防・治療方法;
[18]
機能性消化管疾患が、過敏性腸症候群または機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia)である前記[17]記載の予防・治療方法;
[19]
消化器疾患または中枢疾患の予防・治療剤を製造するための前記[1]記載の化合物またはそのプロドラッグの使用;
[20]
消化器疾患が、機能性消化管疾患である前記[19]記載の使用;
[21]
機能性消化管疾患が、過敏性腸症候群または機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia)である前記[20]記載の使用;
[22]
哺乳動物に対し、前記[1]記載の化合物またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とするNK2受容体拮抗方法;
[23]
NK2受容体拮抗剤を製造するための前記[1]記載の化合物またはそのプロドラッグの使用を提供するものである。
本発明によれば、NK受容体拮抗薬、特にNK2受容体拮抗薬として有用な化合物(I)であるジヒドロピロロキノリン誘導体が提供される。
本発明について、以下詳細に説明する。
Aで示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」とは、置換又は無置換のベンゼン環を示し、その置換基としては、
(1)ハロゲン原子;
(2)シアノ基;
(3)水酸基;
(4)カルバモイル基;
(5)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基;
(6)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を示す。
「C1−3アルキル基」とは、炭素数1から3の直鎖又は分枝状アルキル基を示し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
「C1−3アルコキシ基」とは、炭素数1から3の直鎖又は分枝状アルコキシ基を示し、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基」としては、メチル基、エチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基,シアノメチル基、カルバモイルメチル基、カルバモイルジフルオロメチル基、2−シアノエチル基、2−カルバモイルエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、ジフルオロヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノメトキシ基、カルバモイルメトキシ基、シアノジフルオロメトキシ基、カルバモイルジフルオロメトキシ基、2−シアノエトキシ基、2−カルバモイルエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいベンゼン環」におけるベンゼン環の置換基としては、
(1)ハロゲン原子;
(2)水酸基;
(3)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基;
(4)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基が好ましく、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、メチル基、エチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシ基、エトキシ基、モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基がより好ましく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、メチル基、メトキシ基がさらに好ましい。
置換基の置換位置は、置換可能な位置のいずれでもよく、8位がより好ましい。
置換基数は、0個から4個までが可能であり、2以下が好ましく、0又は1がより好ましい。
R又はZで示される「置換基を有していてもよい複素環基」とは、置換又は無置換の複素環基を示す。「複素環基」とは、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1ないし3種、1ないし5個のヘテロ原子を含む3ないし14員(単環、2環又は3環式)複素環基を示し、非芳香族複素環基又は芳香族複素環基を示す。
「非芳香族複素環基」とは、芳香族性を示さない単環、2環又は3環式複素環基を示し、オキサゾリジニル基(2−オキサゾリジニル基、4−オキサゾリジニル基、5−オキサゾリジニル基等)、イミダゾリジニル基(1−イミダゾリジニル基、2−イミダゾリジニル基、4−イミダゾリジニル基等)、イミダゾリニル基(1−イミダゾリニル基、2−イミダゾリニル基、4−イミダゾリニル基等)、アジリジニル基(1−アジリジニル基、2−アジリジニル基等)、アゼチジニル基(1−アゼチジニル基、2−アゼチジニル基等)、ピロリジニル基(1−ピロリジニル基、2−ピロリジニル基、3−ピロリジニル基等)、ピペリジニル基(1−ピペリジニル基、2−ピペリジニル基、3−ピペリジニル基等)、アゼパニル基(1−アゼパニル基、2−アゼパニル基、3−アゼパニル基、4−アゼパニル基等)、アゾカニル基(1−アゾカニル基、2−アゾカニル基、3−アゾカニル基、4−アゾカニル基等)、ピペラジニル基(1,4−ピペラジン−1−イル基、1,4−ピペラジン−2−イル基等)、ジアゼパニル基(1,4−ジアゼパン−1−イル基、1,4−ジアゼパン−2−イル基、1,4−ジアゼパン−5−イル基、1,4−ジアゼパン−6−イル基等)、ジアゾカニル基(1,4−ジアゾカン−1−イル基、1,4−ジアゾカン−2−イル基、1,4−ジアゾカン−5−イル基、1,4−ジアゾカン−6−イル基、1,5−ジアゾカン−1−イル基、1,5−ジアゾカン−2−イル基、1,5−ジアゾカン−3−イル基等)、1−モルホリニル基、4−チオモルホリニル基、インドリル基、ジヒドロキノリル基等が挙げられる。
「芳香族複素環基」とは、芳香族性を有する単環、2環又は3環式複素環基を示し、ピロリル基(1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基等)、フリル基(2−フリル基、3−フリル基等)、チエニル基(2−チエニル基、3−チエニル基等)、ピラゾリル基(1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基等)、イミダゾリル基(1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基等)、イソオキサゾリル基(3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基等)、オキサゾリル基(2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基等)、イソチアゾリル基(3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基等)、チアゾリル基(2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基等)、トリアゾリル基(1,2,3−トリアゾール−4−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基等)、オキサジアゾリル基(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基等)、チアジアゾリル基(1,2,4−チアジアゾール−3−イル基、1,2,4−チアジアゾール−5−イル基等)、テトラゾリル基、ピリジル基(2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基等)、ピリダジニル基(3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基等)、ピリミジニル基(2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基等)、ピラジニル基、イソインドリル基(1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基等)、インドリル基(1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基等)、ベンゾ[b]フラニル基(2−ベンゾ[b]フラニル基、3−ベンゾ[b]フラニル基、4−ベンゾ[b]フラニル基、5−ベンゾ[b]フラニル基、6−ベンゾ[b]フラニル基、7−ベンゾ[b]フラニル基等)、ベンゾ[c]フラニル基(1−ベンゾ[c]フラニル基、4−ベンゾ[c]フラニル基、5−ベンゾ[c]フラニル基等)、ベンゾ[b]チエニル基、(2−ベンゾ[b]チエニル基、3−ベンゾ[b]チエニル基、4−ベンゾ[b]チエニル基、5−ベンゾ[b]チエニル基、6−ベンゾ[b]チエニル基、7−ベンゾ[b]チエニル基等)、ベンゾ[c]チエニル基(1−ベンゾ[c]チエニル基、4−ベンゾ[c]チエニル基、5−ベンゾ[c]チエニル基等)、インダゾリル基(1−インダゾリル基、2−インダゾリル基、3−インダゾリル基、4−インダゾリル基、5−インダゾリル基、6−インダゾリル基、7−インダゾリル基等)、ベンゾイミダゾリル基(1−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、4−ベンゾイミダゾリル基、5−ベンゾイミダゾリル基等)、1,2−ベンゾイソオキサゾリル基(1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル基、1,2−ベンゾイソオキサゾール−4−イル基、1,2−ベンゾイソオキサゾール−5−イル基、1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−イル基、1,2−ベンゾイソオキサゾール−7−イル基等)、ベンゾオキサゾリル基(2−ベンゾオキサゾリル基、4−ベンゾオキサゾリル基、5−ベンゾオキサゾリル基、6−ベンゾオキサゾリル基、7−ベンゾオキサゾリル基等)、1,2−ベンゾイソチアゾリル基(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル基、1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イル基、1,2−ベンゾイソチアゾール−5−イル基、1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イル基、1,2−ベンゾイソチアゾール−7−イル基等)、ベンゾチアゾリル基(2−ベンゾチアゾリル基、4−ベンゾチアゾリル基、5−ベンゾチアゾリル基、6−ベンゾチアゾリル基、7−ベンゾチアゾリル基等)、イソキノリル基(1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基等)、キノリル基(2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、8−キノリル基等)、シンノリニル基(3−シンノリニル基、4−シンノリニル基、5−シンノリニル基、6−シンノリニル基、7−シンノリニル基、8−シンノリニル基等)、フタラジニル基(1−フタラジニル基、4−フタラジニル基、5−フタラジニル基、6−フタラジニル基、7−フタラジニル基、8−フタラジニル基等)、キナゾリニル基(2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、5−キナゾリニル基、6−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、8−キナゾリニル基等)、キノキサリニル基(2−キノキサリニル基、3−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、7−キノキサリニル基、8−キノキサリニル基等)、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル基(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル基、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル基、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−イル基、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル基、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル基、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル基等)、イミダゾ[1,2−a]ピリジル基(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−イル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル基等)等が挙げられる。
「非芳香族複素環基」として好ましいものは、2−オキサゾリジニル基、4−オキサゾリジニル基、5−オキサゾリジニル基、1−イミダゾリジニル基、2−イミダゾリジニル基、4−イミダゾリジニル基、1−イミダゾリニル基、2−イミダゾリニル基、4−イミダゾリニル基、1−ピロリジニル基、1−ピペリジニル基、1−アゼパニル基、1,4−ピペラジン−1−イル基、1−モルホリニル基、4−チオモルホリニル基、インドリル基、ジヒドロキノリル基等が挙げられ、1−ピロリジニル基、1−ピペリジニル基、1,4−ピペラジン−1−イル基、1−モルホリニル基がより好ましい。
「芳香族複素環基」として好ましいものは、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、2−チエニル、3−チエニル、1−ピロリル、4−チアゾリル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、2−オキサゾリル、5−オキサゾリル、4−イソオキサゾリル等が挙げられ、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、2−チエニル、3−チエニル、4−チアゾリル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、2−オキサゾリル、4−イソオキサゾリルがより好ましい。
複素環基としては芳香族複素環が好ましい。
「置換基を有していてもよい複素環基」における複素環の置換基としては、
(1)ハロゲン原子;
(2)シアノ基;
(3)水酸基;
(4)カルバモイル基;
(5)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基;
(6)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基;
(7)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいC3−14環状炭化水素基;
(8)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい複素環基が挙げられる。
「ハロゲン原子」、「C1−3アルキル基」、「C1−3アルコキシ基」及び「複素環基」は、前記「置換基を有していてもよいベンゼン環」にて例示したものと同意義である。
「C1−6アルキル−カルボニルオキシ基」とは、炭素数1から6の直鎖又は分枝状アルキル基で置換されたカルボニルオキシ基を示し、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、イソプロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基等が挙げられる。
「C3−14環状炭化水素基」とは、炭素数3から14の単環又は多環であり、芳香族性又は非芳香族性の炭化水素基を示し、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−アンスリル基、テトラヒドロナフチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、1−インダニル基、2−インダニル基、4−インダニル基、1−ビシクロ[2,2,1]ヘプタニル基、2−ビシクロ[2,2,1]ヘプタニル基、7−ビシクロ[2,2,1]ヘプタニル基等が挙げられる。好ましくは芳香族炭化水素基であり、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましくフェニル基がより好ましい。
「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基」としては、メチル基、エチル基、シアノメチル基、カルバモイルメチル基、カルバモイルジフルオロメチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヒドロキシメチル基、ジフルオロヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基等が挙げられる。
「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、シアノメトキシ基、カルバモイルメトキシ基、シアノジフルオロメトキシ基、カルバモイルジフルオロメトキシ基、アセトキシエトキシ基、モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基等が挙げられる。
「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいC3−14環状炭化水素基」としては、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、シクロプロピル、1−アダマンチル等が挙げられ、置換基の置換位置は、置換可能な位置のいずれでもよく、置換基数は0〜2が好ましく、0又は1がより好ましい。
「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい複素環基」としては、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、3−メチル−1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、4−メチル−1−イミダゾリル基、2−チエニル基、5−クロロ−2−チエニル基、3−チエニル基、5−クロロ−3−チエニル基、1−ピロリル基、1−ピペリジニル基、2−メチル−4−チアゾリル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、2−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−メチル‐5−オキサゾリル基、3−メチル−4−イソオキサゾリル基等が挙げられ、置換基の置換位置は、置換可能な位置のいずれでもよく、置換基数は0〜2が好ましく、0又は1がより好ましい。
「置換基を有していてもよい複素環基」における複素環基の置換基としては、
(1)ハロゲン原子;
(2)水酸基;
(3)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基;
(4)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基;
(5)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいC3−14環状炭化水素基;
(6)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい複素環基が好ましく、
フッ素、塩素、臭素、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、フェニル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、3−メチル−1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、4−メチル−1−イミダゾリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ピロリル基、2−メチル−4−チアゾリル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、2−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−メチル−5−オキサゾリル基、3−メチル−4−イソオキサゾリル基がより好ましく、フッ素、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ピバロイルオキシメチル基、1−ピラゾリル基、3−メチル−1−ピラゾリル基、2−メチル−4−チアゾリル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、2−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−メチル‐5−オキサゾリル基、3−メチル−4−イソオキサゾリル基がさらに好ましい。
R又はZで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」とは、置換又は無置換の炭化水素基を示す。「炭化水素基」とは、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基及び芳香族炭化水素基を示す。
「C1−6アルキル基」とは、炭素数1から6の直鎖又は分枝状アルキル基を示し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
「C2−6アルケニル基」とは、炭素数2から6の直鎖又は分枝状アルケニル基を示し、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基等が挙げられる。
「C2−6アルキニル基」とは、炭素数2から6の直鎖又は分枝状アルキニル基を示し、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基等が挙げられる。
「C3−8シクロアルキル基」とは、炭素数3から8のシクロアルキル基を示し、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ビシクロ[2,2,1]ヘプタニル基、2−ビシクロ[2,2,1]ヘプタニル基、7−ビシクロ[2,2,1]ヘプタニル基等が挙げられる。
「芳香族炭化水素基」とは、炭素数6から14の単環、2環又は3環の芳香族性を有する炭化水素基を示し、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−アンスリル基等のC6−14アリール基が挙げられる。
「置換基を有していてもよい炭化水素基」における炭化水素基の置換基としては、
(1)ハロゲン原子;
(2)シアノ基;
(3)水酸基;
(4)カルバモイル基;
(5)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基;
(6)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基;
(7)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいC3−14環状炭化水素基;
(8)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい複素環基が挙げられる。
「ハロゲン原子」、「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基」、「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基」、「C1−6アルキル−カルボニルオキシ基」、「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいC3−14環状炭化水素基」及び「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい複素環基」は前記「置換基を有していてもよいベンゼン環」にて例示したもの、又は前記「置換基を有していてもよい複素環基」にて例示したものと同意義である。
「置換基を有していてもよい炭化水素基」における炭化水素基の置換基としては、
(1)ハロゲン原子;
(2)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基;
(3)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基;
(4)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいC3−14環状炭化水素基;
(5)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい複素環基が好ましく、
フッ素、塩素、臭素、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、フェニル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、3−メチル−1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、4−メチル−1−イミダゾリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ピロリル基、2−メチル−4−チアゾリル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、2−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−メチル−5−オキサゾリル基、3−メチル−4−イソオキサゾリル基がより好ましく、フッ素、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ピバロイルオキシメチル基、1−ピラゾリル基、3−メチル−1−ピラゾリル基、2−メチル−4−チアゾリル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、2−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−メチル‐5−オキ
サゾリル基、3−メチル−4−イソオキサゾリル基がさらに好ましい。
X1又はX2で示される「置換基を有していてもよい2価のC1−5鎖状炭化水素基」とは、置換又は無置換の2価のC1−5鎖状炭化水素基を示す。「2価のC1−5鎖状炭化水素基」とは、炭素数1から5の鎖状炭化水素の2価基を示し、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−(CH−)、プロピレン基(−(CH−)、ブチレン基(−(CH−)、ペンチレン基(−(CH−)等が挙げられる。
「置換基を有していてもよい2価のC1−5鎖状炭化水素基」におけるC1−5鎖状炭化水素基の置換基としては、
(1)ハロゲン原子;
(2)シアノ基;
(3)水酸基;
(4)カルバモイル基;
(5)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基;
(6)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基が挙げられる。
「ハロゲン原子」、「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基」及び「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基」は前記「置換基を有していてもよいベンゼン環」にて例示したものと同意義である。
「置換基を有していてもよい2価のC1−5鎖状炭化水素基」におけるC1−5鎖状炭化水素基の置換基としては、
(1)ハロゲン原子;
(2)水酸基;
(3)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基;
(4)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基が好ましく、
ハロゲン原子、水酸基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基がより好ましく、フッ素、塩素、水酸基がもっとも好ましい。置換基の数は0ないし2個が好ましく、0ないし1個がより好ましく、0個(無置換)がもっとも好ましい。
X3で示される「置換基を有するメチレン基」におけるメチレン基の置換基としては、
(1)ハロゲン原子;
(2)シアノ基;
(3)水酸基;
(4)カルバモイル基;
(5)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基;
(6)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基が挙げられる。
「ハロゲン原子」、「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基」、「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基」は前記「置換基を有していてもよいベンゼン環」にて例示したものと同意義である。
「置換基を有するメチレン基」におけるメチレン基の置換基としては、
(1)ハロゲン原子;
(2)水酸基;
(3)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基;
(4)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基が好ましく、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、メチル基、エチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシ基、エトキシ基、モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基がより好ましく、フッ素原子およびモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。置換基の数は1又は2個が好ましく、2個がより好ましい。
Yで示される「置換基を有していてもよいイミノ基(−NH−)」とは、置換又は無置換のイミノ基を示し、その置換基としては、
(1)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ホルミル基、1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基、C3−14環状炭化水素基、複素環基、C1−6アルコキシ基、炭化水素基で置換されていてもよいカルボキシル基、炭化水素基で置換されたカルボニル基、炭化水素基で置換されたチオ基、炭化水素基で置換されたスルフィニル基、炭化水素基で置換されたスルホニル基及び1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいカルバモイル基、チオカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基;
(2)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ホルミル基、1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基、C3−14環状炭化水素基、複素環基、C1−6アルコキシ基、炭化水素基で置換されていてもよいカルボキシル基、炭化水素基で置換されたカルボニル基、炭化水素基で置換されたチオ基、炭化水素基で置換されたスルフィニル基、炭化水素基で置換されたスルホニル基及び1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいカルバモイル基、チオカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC2−6アルケニル基;
(3)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ホルミル基、1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基、C3−14環状炭化水素基、複素環基、C1−6アルコキシ基、炭化水素基で置換されていてもよいカルボキシル基、炭化水素基で置換されたカルボニル基、炭化水素基で置換されたチオ基、炭化水素基で置換されたスルフィニル基、炭化水素基で置換されたスルホニル基及び1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいカルバモイル基、チオカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基;
(4)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ホルミル基、1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基、C3−14環状炭化水素基、複素環基、C1−6アルコキシ基、炭化水素基で置換されていてもよいカルボキシル基、炭化水素基で置換されたカルボニル基、炭化水素基で置換されたチオ基、炭化水素基で置換されたスルフィニル基、炭化水素基で置換されたスルホニル基及び1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいカルバモイル基、チオカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよい複素環基が挙げられる。
「ハロゲン原子」、「炭化水素基」、「C3−14環状炭化水素基」「複素環基」「C1−6アルキル基」、「C2−6アルケニル基」、「芳香族炭化水素基」は、前記「置換基を有していてもよいベンゼン環」にて例示したもの、前記「置換基を有していてもよい複素環基」にて例示したもの、又は前記「置換基を有していてもよい炭化水素基」にて例示したものと同意義である。
「C1−6アルコキシ基」とは、炭素数1から6の直鎖又は分枝状アルコキシ基を示し、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
「1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基」としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、2−プロペニルアミノ基、2−プロピニルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基等が挙げられる。
「炭化水素基で置換されていてもよいカルボキシル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペントキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、シクロプロピルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
「炭化水素基で置換されたカルボニル基」としては、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、シクロプロパンカルボニル基、シクロヘキサンカルボニル基等が挙げられる。
「炭化水素基で置換されたチオ基」としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、2−プロペニルチオ基、2−プロピニルチオ基、シクロヘキシルチオ基、フェニルチオ基等が挙げられる。
「炭化水素基で置換されたスルフィニル基」としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ペンチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、2−プロペニルスルフィニル基、2−プロピニルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基等が挙げられる。
「炭化水素基で置換されたスルホニル基」としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、2−プロペニルスルホニル基、2−プロピニルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルホニル基等が挙げられる。
「1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいカルバモイル基」としては、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、イソプロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基、ヘキシルカルバモイル基、2−プロペニルカルバモイル基、2−プロピニルカルバモイル基、シクロプロピルカルバモイル基、シクロヘキシルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいイミノ基(−NH−)」におけるイミノ基(−NH−)の置換基としては、
(1)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ホルミル基、1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基、C3−14環状炭化水素基、複素環基、C1−6アルコキシ基、炭化水素基で置換されていてもよいカルボキシル基、炭化水素基で置換されたカルボニル基、炭化水素基で置換されたチオ基、炭化水素基で置換されたスルフィニル基、炭化水素基で置換されたスルホニル基及び1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいカルバモイル基、チオカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基;
(2)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ホルミル基、1又は2個の炭化水素基で置換され
ていてもよいアミノ基、C3−14環状炭化水素基、複素環基、C1−6アルコキシ基、炭化水素基で置換されていてもよいカルボキシル基、炭化水素基で置換されたカルボニル基、炭化水素基で置換されたチオ基、炭化水素基で置換されたスルフィニル基、炭化水素基で置換されたスルホニル基及び1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいカルバモイル基、チオカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC2−6アルケニル基が好ましく、
メチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ジメチルアミノエチル基、2−ジエチルアミノエチル基、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、カルボキシメチル基、メトキシカルボニルメチル基、2−メチルチオエチル基,2−メチルスルホニルエチル基、2−フェニルチオエチル基、ジメチルカルバモイルメチル基、ジエチルカルバモイルメチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ジメチルアミノエチル基、カルボキシメチル基、メトキシカルボニルメチル基がもっとも好ましい。
A環としては、
(1)ハロゲン原子、
(2)水酸基、
(3)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基、及び、
(4)ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいベンゼン環が好ましく、
ハロゲン原子、水酸基、メチル基、エチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシ基、エトキシ基、モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基及び2−ヒドロキシエトキシ基から選択される1から3個の置換基を有していてもよいベンゼン環が好ましく、
より好ましくは8位にフッ素原子を有していてもよいベンゼン環であり、もっとも好ましくは無置換のベンゼン環である。
Rとしては、
水素原子、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基が好ましく、
水素原子;ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルコキシ基及びC1−6アルキル−カルボニルオキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基でそれぞれ置換されていてもよい3−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、4−チアゾリル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、2−オキサゾリル基若しくは4−イソオキサゾリル基;又は無置換のフェニル基がより好ましく、
水素原子、フェニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、3−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、又は1−(ピバロイルオキシメチル)−2−イミダゾリル基がさらに好ましく、フェニル基、3−チエニル基、又は2−イミダゾリル基がもっとも好ましい。
Zとしては、
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基が好ましく、
無置換のフェニル基、ハロゲン原子で置換されたフェニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−3アルキル基で置換されたフェニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基で置換されたフェニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基で置換されたフェニル基、又はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基及びC1−3アルコキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基でそれぞれ置換されていてもよい1−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、4−チアゾリル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、2−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基若しくは4−イソオキサゾリル基を有するフェニル基がより好ましく、
フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、4−ジフルオロメトキシフェニル基、4−ビフェニリル基、4−(3−メチル−1−ピラゾリル)フェニル基、4−(1−ピラゾリル)フェニル基、4−(2−メチル−4−チアゾリル)フェニル基、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニル基、4−(2−オキサゾリル)フェニル基、4−(5−オキサゾリル)フェニル基、4−(2−メチル‐5−オキサゾリル)フェニル基、又は4−(3−メチル−4−イソオキサゾリル)フェニル基がさらに好ましく、4−(3−メチル−1−ピラゾリル)フェニル基、又は4−(1−ピラゾリル)フェニル基がもっとも好ましい。
X1およびX2としては、
(1)ハロゲン原子、
(2)水酸基、
(3)ハロゲン原子及び水酸基から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基、及び、
(4)ハロゲン原子及び水酸基から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよい2価のC1−5鎖状炭化水素基が好ましく、
ハロゲン原子、水酸基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基及びジフルオロメトキシ基から選択される0ないし2個の置換基を有していてもよい2価のC1−5鎖状炭化水素基がより好ましく、
無置換の2価のC1−5鎖状炭化水素基がさらに好ましく、一方がメチレン(―CH―)であり、かつ他方がエチレン(―(CH―)である態様がもっとも好ましい。
X3としては、
(1)ハロゲン原子、
(2)水酸基、
(3)ハロゲン原子及び水酸基から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル基、及び、
(4)ハロゲン原子及び水酸基から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基からなる群から選択される1又は2個の置換基で置換されているメチレン基が好ましく、
ハロゲン原子、水酸基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基及びジフルオロメトキシ基から選択される1又は2個の置換基で置換されているメチレン基がより好ましく、ジフルオロメチレン(−CF−)、フルオロメチレン(−CHF−)、ビス(トリフルオロメチル)メチレン(−C(CF−、又は(トリフルオロメチル)メチレン(−CH(CF)−)がさらに好ましく、ジフルオロメチレン(−CF−)がもっとも好ましい。
Yとしては、
結合手;イミノ基(無置換);ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ホルミル基、1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基、C3−14環状炭化水素基、複素環基、C1−6アルコキシ基、炭化水素基で置換されていてもよいカルボキシル基、炭化水素基で置換されたカルボニル基、炭化水素基で置換されたチオ基、炭化水素基で置換されたスルフィニル基、炭化水素基で置換されたスルホニル基、1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいカルバモイル基及びチオカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルイミノ基;又はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ホルミル基、1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基、C3−14環状炭化水素基、複素環基、C1−6アルコキシ基、炭化水素基で置換されていてもよいカルボキシル基、炭化水素基で置換されたカルボニル基、炭化水素基で置換されたチオ基、炭化水素基で置換されたスルフィニル基、炭化水素基で置換されたスルホニル基、1又は2個の炭化水素基で置換されていてもよいカルバモイル基及びチオカルバモイル基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基で置換されていてもよいC2−6アルケニルイミノ基が好ましく、
結合手、イミノ基(無置換)、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルイミノ基、水酸基で置換されていてもよいC1−6アルキルイミノ基、1又は2個のC1−3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1−6アルキルイミノ基、C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキルイミノ基、又はC1−3アルキル基で置換されていてもよいカルボキシル基で置換されていてもよいC1−6アルキルイミノ基がより好ましく、
結合手、イミノ基(無置換)、メチルイミノ基、エチルイミノ基、2−ヒドロキシエチルイミノ基、2−ジメチルアミノエチルイミノ基、カルボキシメチルイミノ基、又はメトキシカルボニルメチルイミノ基がさらに好ましく、結合手、又はイミノ基(無置換)がもっとも好ましい。
A環が無置換又はハロゲン原子で置換されているとき、Rは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が好ましく、Zはハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルバモイル基、C1−3アルキル基及びC1−3アルコキシ基からなる群から選択される1つ以上(好ましくは1から3個)の置換基でそれぞれ置換されていてもよい1−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、4−チアゾリル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、2−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基若しくは4−イソオキサゾリル基を有するフェニル基が好ましく、X1及びX2は無置換の2価のC1−5鎖状炭化水素基が好ましく、X3はハロゲン原子、水酸基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基及びジフルオロメトキシ基から選択される1又は2個の置換基で置換されているメチレン基が好ましく、Yとしては結合手、イミノ基(無置換)、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルイミノ基、水酸基で置換されていてもよいC1−6アルキルイミノ基、1又は2個のC1−3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1−6アルキルイミノ基、C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキルイミノ基、又はC1−3アルキル基で置換されていてもよいカルボキシル基で置換されていてもよいC1−6アルキルイミノ基が好ましい。
化合物(I)としては以下の化合物が好ましい。
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド臭化水素酸塩
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド塩酸塩
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[8−フルオロ−4−(1H−イミダゾ−ル−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[8−フルオロ−4−(1H−イミダゾ−ル−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド塩酸塩
N−{(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−[(4−チオフェン−3−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル)カルボニル]シクロヘキシル}−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド
N−{(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−[(4−チオフェン−3−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル)カルボニル]シクロヘキシル}−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド塩酸塩
N−{(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−[(8−フルオロ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル)カルボニル]シクロヘキシル}−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド
N−{(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−[(8−フルオロ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル)カルボニル]シクロヘキシル}−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド塩酸塩
本願発明化合物は構造に起因する異性体が生じる場合があり、それら光学活性異性体又は立体異性体及びそれらの混合物も本願発明に含まれる。
また、本願発明化合物は塩を形成する場合、又、水和物又は/及び溶媒和物を形成する場
合もあるが、いずれの場合も本願発明に含まれる。
本願発明化合物の塩とは、薬学的に許容される塩であり、化合物内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等との塩が挙げられ、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
水和物又は/及び溶媒和物とは、水和物又は溶媒和物及びそれらの混合の何れであってもよい。
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても本願発明化合物に含まれる。同位元素(例、H,14C,35S,125Iなど)などで標識された化合物および重水素変換体も、本願発明化合物に含まれる。
本願発明化合物(I)は、例えば、以下の反応式1に示す方法で合成できる。
なお、反応式中の各化合物は、記載を省略しているが、本願発明化合物も含め、それぞれ記載された構造式の化合物のエナンチオマーをも示し、包含する。反応式中の各化合物は、塩を形成していてもよい。このような塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩としては、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。
また、反応式中の各化合物は水和物又は/及び溶媒和物の何れであってもよい。該水和物等としては、0.23水和物、0.5水和物、1水和物、1水和物1溶媒和物、2溶媒和物等が挙げられる。
各工程で得られた化合物は、その反応液を粗製物として直接次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、それ自体が公知の手段、たとえば、抽出、濃縮、中和、濾過、蒸留、再結晶、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。あるいは、式中の化合物が市販されている場合には市販品をそのまま用いることもできる。
以下にその反応式の略図を示した。略図中、P(P1,P2,P3)は保護基あるいは水素を示す。R1およびR2はそれぞれ、メチル基等のC1−6アルキル基を示す。その他の各記号は前記と同意義である。
Pで示される保護基としては、ペプチド化学などで一般的に用いられる基等が挙げられる。Wiley−Interscience社1999年刊「Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed.」(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著)に記載の基等が挙げられる。P1、P2としては、具体的には、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。P3としては、具体的には、エチル基、メチル基等が挙げられる。
いずれの工程においても、さらに所望により、公知の脱保護反応、アシル化反応、アルキル化反応、水素添加反応、酸化反応、還元反応、炭素鎖延長反応又は置換基交換反応を、単独あるいはその二つ以上を組み合わせることにより、各工程の化合物を合成することができる。
反応式1

化合物(II)、化合物(III)と化合物(IVa)の3化合物の3成分縮合反応により、化合物(V)を合成し(工程1)、化合物(V)の保護基を脱保護して化合物(VI)とした後(工程2)、化合物(VI)のアミノ基を化合物(VII)でアシル化する(工程3)ことにより、化合物(IX)を製造することができる。また、化合物(IVa)の代わりに化合物(IVb)あるいは化合物(IVc)を用いてもよい。一方、化合物(VI)を化合物(VIII)でアシル化して化合物(X)として(工程4)、化合物(X)の保護基を脱保護して化合物(XI)とした後(工程5)、化合物(XI)のアミンを化合物(XIIa)でアシル化する(工程6)ことにより、化合物(IX)を製造することができる。この時、化合物(XIIa)の代わりに化合物(XIIb)を用いてもよい。化合物(IX)から酸化反応により化合物(I)を製造することができる(工程7)。
(工程1)
化合物(II)、化合物(III)と化合物(IVa)の3化合物の3成分縮合反応により、化合物(V)を合成する方法である。
化合物(III)の使用量は、化合物(II)の使用量1モルに対して、約1モルないし2モル、好ましくは約1モルないし1.2モルである。化合物(IVa)の使用量は、化合物(II)の使用量1モルに対して、約1モルないし2モル、好ましくは約1モルないし1.2モルである。触媒の使用量は、化合物(II)の使用量1モルあたり、約0.01モルないし2モル、好ましくは約0.1モルないし1モルである。触媒としては、プロトン酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン、塩酸、硫酸、リン酸等)及びルイス酸(BF・EtO、AlCl、InCl、TiCl、ZrCl、HfCl,Cu(OTf)、Zn(OTf)、Sc(OTf)、Y(OTf)、La(OTf)、Eu(OTf)、Dy(OTf)、Yb(OTf)等)等を用いることができる。必要に応じて、無水硫酸マグネシウム、モレキュラーシーブス等の脱水剤を加えてもよい。脱水剤の使用量は化合物(II)の使用量1モルに対して、約1〜20モルであり、好ましくは約1〜10モル程度である。
本反応の溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、アセトニトリル、トルエン等が好ましい。反応温度は、通常0℃ないし100℃、好ましくは10℃ないし40℃である。反応時間は通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし24時間である。本反応では、エンド体の化合物(V)とエキソ体の化合物(V)の立体異性体混合物が得られる場合が多い。
(工程2)
化合物(V)の保護基を脱保護により、化合物(VI)を合成する方法である。本反応は保護基P1の種類により変わるが、例えば、Wiley−Interscience社1999年刊「Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed.」(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著)に記載の方法が挙げられる。
保護基P1がtert−ブトキシカルボニル基の場合、例えば、反応剤として塩酸の酢酸エチル溶液あるいはトリフルオロ酢酸が用いられる。必要に応じて、メタノール、エタノール、テトラヒドフラン、アセトニトリル、酢酸エチルを溶媒として加えてもよい。反応温度は、通常0℃ないし100℃、好ましくは10℃ないし40℃である。反応時間は通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし24時間である。
保護基P1がベンジルオキシカルボニル基の場合、例えば、反応剤として水素雰囲気下、パラジウム炭素が用いられる。本反応の溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、メタノール、エタノールが好ましい。反応温度は、通常0℃ないし60℃、好ましくは10℃ないし40℃である。反応時間は通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし24時間である。
(工程3)
化合物(VI)のアミノ基を適当な縮合剤及び必要により塩基の存在下、化合物(VII)でアシル化して化合物(IX)を合成する方法である。
化合物(VII)の使用量は、化合物(VI)の使用量1モルに対して、約1モルないし2モル、好ましくは約1モルないし1.2モルである。縮合剤の使用量は、化合物(VI)の使用量1モルあたり、約1モルないし10モル、好ましくは約1モルないし1.2モルである。縮合剤としては、カルボジイミド類(DCC(すなわち、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、WSC(すなわち、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)、DIC(すなわち、2−ジメチルアミノイソプロピルクロリド塩酸塩)等)、リン酸誘導体(シアノリン酸ジエチル、ジフェニルリン酸アジド、BOP−Cl(すなわち、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリド)等)等が挙げられる。これらは単独で、もしくは添加剤(例、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールあるいは3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジンなど)と組み合わせて用いることもできる。添加剤の使用量は化合物(VI)の使用量1モルに対して、約1〜2モルであり、好ましくは約0.05〜1.2モル程度である。塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類、ピリジン、ルチジン等の芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の3級アミン類、アンモニア又はこれら二種以上の混合物等が用いられる。
本反応の溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましく、これらの溶媒を混合して用いてもよい。反応温度は、通常0℃ないし100℃、好ましくは10℃ないし40℃である。反応時間は通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし24時間である。
また、化合物(IX)は、化合物(VI)を化合物(VII)の反応性誘導体(酸ハライド、酸無水物、活性エステル、エステル、酸イミダゾリド、酸アジド等)と、公知の方法によって、反応させることにより得ることもできる。
(工程4)
化合物(VI)のアミノ基を化合物(VIII)でアシル化して化合物(X)を合成する方法であり、工程3と同様の方法が用いられる。
(工程5)
化合物(X)の保護基を脱保護により、化合物(XI)を合成する方法であり、工程2と同様の方法が用いられる。
(工程6)
化合物(XI)のアミノ基を化合物(XIIa)または化合物(XIIb)でアシル化して化合物(IX)を合成する方法である。
化合物(XIIa)を用いる場合は工程3と同様の方法が用いられる。
化合物(XIIb)を用いる場合は、必要により塩基の存在下で反応を行う。化合物(XIIb)の使用量は、化合物(XI)の使用量1モルに対して、約1モルないし2モル、好ましくは約1モルないし1.2モルである。塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類、ピリジン、ルチジン等の芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の3級アミン類、アンモニア又はこれら二種以上の混合物等が用いられる。
本反応の溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましく、これらの溶媒を混合して用いてもよい。反応温度は、通常0℃ないし100℃、好ましくは10℃ないし40℃である。反応時間は通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし24時間である。
化合物(XIIb)の合成方法としては、実験化学講座第5版14巻(2005年、丸善出版)、実験化学講座第4版20巻(1992年、丸善出版)等に記載のイソシアナートの合成方法等が採用できる。
(工程7)
化合物(IX)を適当な酸化剤で処理することによって相当する化合物(I)に変換する方法である。
酸化剤の使用量は、化合物(IX)の使用量1モルあたり、約1モルないし100モル、好ましくは約1モルないし80モルである。酸化剤としては、二酸化マンガン、キノン系酸化剤[DDQ(すなわち、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン)、クロラニル(2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン)等]等が挙げられる。
本反応の溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン等が好ましい。反応温度は、通常0℃ないし100℃、好ましくは10℃ないし80℃である。反応時間は通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし24時間である。
次に、化合物(I)を合成するのに必要な化合物(VII)と化合物(VIII)の合成法を、以下の反応式2に示す。
反応式2
化合物(XIII)を(XIIa)又は(XIIb)でアシル化して得られる化合物(XIV)(工程8)のエステルを加水分解して化合物(VII)が合成できる(工程9)。一方、化合物(XIII)のアミノ基を保護して得られる化合物(XV)(工程10)のエステルを加水分解して化合物(VIII)が合成できる(工程11)。
(工程8)
化合物(XIII)を(XIIa)又は(XIIb)でアシル化して化合物(XIV)を合成する方法であり、工程6と同様の方法が用いられる。
化合物(XIII)は、例えば、国際公開WO2008−153027号に記載の方法で合成することができる。
(工程9)
化合物(XIV)を塩基性条件下加水分解して化合物(VII)を合成する方法である。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を用いることができる。
本反応の溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、テトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、水等が好ましく、混合して用いてもよい。反応温度は、通常−10℃ないし100℃、好ましくは0℃ないし80℃である。反応時間は通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし24時間である。
(工程10)
化合物(XIII)のアミノ基を保護して化合物(XV)を合成する方法である。
本反応は保護基P2の種類により変わるが、例えば、Wiley−Interscience社1999年刊「Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed.」(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著)に記載の方法が挙げられる。
保護基P2がtert−ブトキシカルボニル基の場合、反応剤として、二炭酸ジ−tert−ブチル等が用いられる。塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が用いられる。本反応の溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、水、テトラヒドフラン等が好ましく、二種類以上の溶媒を混合して用いてもよい。反応温度は、通常0℃ないし100℃、好ましくは10℃ないし40℃である。反応時間は通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし24時間である。
保護基P2がベンジルオキシカルボニル基の場合、反応剤として塩化炭酸ベンジルが用いられる。塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が用いられる。本反応の溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、水、テトラヒドフラン等が好ましく、二種類以上の溶媒を混合して用いてもよい。反応温度は、通常0℃ないし100℃、好ましくは10℃ないし40℃である。反応時間は通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし24時間である。
(工程11)
化合物(XV)を加水分解して化合物(VIII)を合成する方法であり、工程9と同様の方法が用いられる。
化合物(I)はプロドラッグとして用いてもよい。化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸などによる反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。
化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(化合物(I)のアミノ基または複素環基に含まれる窒素原子がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物等);化合物(I)のヒドロキシル基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(化合物(I)のヒドロキシル基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);化合物(I)のカルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(化合物(I)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等);等が挙げられる。これらの化合物は公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
化合物(I)は、安全で低毒性(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性が低い)であり、また、その物性面(例えば、溶解性、膜透過性、代謝安定性、熱安定性)や薬物動態においても優れ、高いNK2選択性且つ優位な効果を有するNK受容体拮抗薬、特にNK2受容体拮抗薬として使用することができる。
優れたNK2受容体拮抗作用を有する化合物(I)は、哺乳動物(マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、炎症もしくはアレルギー性疾患(アトピー、皮膚炎、ヘルペス、乾癬、喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、喀痰、鼻炎、リウマチ関節炎、変形性関節症、骨粗鬆症、多発性硬化症、結膜炎、膀胱炎等)、疼痛、偏頭痛、神経痛、掻痒、咳、さらに中枢神経系の疾患〔統合失調症、パーキンソン病、うつ病、不安神経症、強迫神経症、恐慌性障害、認知症(アルツハイマー病等)等〕、消化器疾患〔機能性消化管疾患(過敏性腸症候群、潰瘍のない消化不良等)、潰瘍性大腸炎、クローン病、ウレアーゼ陽性のラセン状グラム陰性菌(ヘリコバクター・ピロリ等)に起因する異常(胃炎、胃潰瘍等)等〕、嘔吐、排尿異常(頻尿、尿失禁等)、循環器疾患(狭心症、高血圧、心不全、血栓症等)、免疫異常、癌、HIV感染症、心血管疾患、日光皮膚炎、性的機能不全、運動失調、認知障害又は概日リズム障害等の疾患の予防及び/又は治療剤として有用である。なかでも、機能性消化管疾患(過敏性腸症候群、潰瘍のない消化不良等)の予防及び/又は治療剤として有用である。
本発明化合物を含有する医薬は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、本発明化合物を単独で、または薬理学的に許容される担体と混合して、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例、肛門坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等として、経口的または非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位等への投与および直接的な病巣への投与)に安全に投与することができる。
薬学的に許容される担体としては、製剤素材(starting material)として慣用されている各種有機あるいは無機担体が用いられ、これらは、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等として配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の製剤添加物を用いることもできる。
医薬組成物は、剤型、投与方法、担体等により異なるが、本発明の化合物を製剤全量に対して通常0.01〜100%(w/w)、好ましくは0.1〜95%(w/w)の割合で添加することにより、常法に従って製造することができる。
化合物(I)の投与量は、投与ルート、症状等によって異なるが、例えば、過敏性腸症候群の患者(成人、体重40ないし80 kg:例えば60kg)に経口投与する場合、例えば1日0.01〜1000 mg/kg体重、好ましくは1日0.01〜100 mg/kg体重、さらに好ましくは1日0.5〜100 mg/kg体重、特に好ましくは1日0.1〜10 mg/kg体重、さらに好ましくは1日1〜50 mg/kg体重、特に好ましくは1日1〜25 mg/kg体重である。この量を1日1回または2〜3回に分けて投与することができる。
また、本発明の化合物は、他の活性成分(以下、併用薬物と略記する)と併用して使用することができる。
本発明の化合物は、単剤として使用しても優れたNK受容体拮抗薬、特にNK2受容体拮抗活性の結合活性を示すが、さらに1以上の併用薬物と併用(多剤併用)使用、つまり併用剤とすることによって、その効果をより一層増強させることができる。
併用薬物としては、例えば、以下があげられる。
(1)糖尿病治療剤
インスリン製剤(ウシ又はブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌、イーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤;インスリン亜鉛;プロタミンインスリン亜鉛;インスリンのフラグメント又は誘導体等)、インスリン抵抗性増強剤(塩酸ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはそのマレイン酸塩等)、α−グルコシダーゼ阻害剤(ボグリボース、アカルボース、ミグリトール等)、ビグアナイド剤(フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミン等)、スルホニルウレア剤(トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド等)やその他のインスリン分泌促進剤(レパグリニド、セナグリニド、ミチグリニド又はそのカルシウム塩水和物、ナテグリニド等)、GLP−1アゴニスト(リラグルチド等)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(シタグリプチン、ビルダグリプチン、サクサグリプチン、アログリプチン等)、β3アゴニスト((2R)−6−[(2R)−2−{[(2R)−2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ}プロピル]−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−カルボン酸等)、糖新生阻害剤(グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤等)等。
(2)糖尿病性合併症治療剤
アルドース還元酵素阻害剤(ラニレスタット、エパルレスタット、リドレスタット、フィダレスタット等)、神経成長促進剤(coleneuramide等)等。
(3)抗高脂血剤
コレステロール合成阻害剤であるスタチン系化合物(プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン又はそれらの塩(ナトリウム塩等)等)、スクアレン合成酵素阻害剤あるいはトリグリセリド低下作用を有するフィブラート系化合物(ベザフィブラート、クロフィブラート、シンフィブラート、クリノフィブラート等)等。
(4)降圧剤
アンジオテンシン変換酵素阻害剤(カプトプリル、エナラプリル、デラプリル等)、アンジオテンシンII拮抗剤(ロサルタン、カンデサルタン シレキセチル等)、カルシウム拮抗剤(マニジピン、ニフェジピン、アムロジピン、エホニジピン、ニカルジピン等)、クロニジン等。
(5)抗肥満剤
中枢神経性抗肥満薬(デクスフェンフルアミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス等)、膵リパーゼ阻害薬(オルリスタット等)、β3アゴニスト、ペプチド性食欲抑制薬(レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)等)等。
(6)消化器疾患治療薬
抗便秘薬(ルビプロストン等)、酸分泌阻害薬(Hブロッカー、プロトンポンプ阻害剤等)、胃腸運動改善薬(アロセトロン、ラモセトロン、モサプリド、テガセロド等)。
(7)利尿剤
キサンチン誘導体(サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド等)、抗アルドステロン製剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、炭酸脱水酵素阻害剤(アセタゾラミド等)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(クロルタリドン、メフルシド、インダパミド等)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等。
(8)化学療法剤
アルキル化剤(サイクロフォスファミド、イフォスファミド等)、代謝拮抗剤(メソトレキセート、5−フルオロウラシル等)、抗癌性抗生物質(マイトマイシン、アドリアマイシン等)、植物由来抗癌剤(ビンクリスチン、ビンデシン、タキソール等)、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシド等、なかでも5−フルオロウラシル誘導体であるフルツロンあるいはネオフルツロン等。
(9)免疫療法剤
微生物由来又は細菌由来成分(ムラミルジペプチド誘導体、ピシバニール等)、免疫増強活性のある多糖類(レンチナン、シゾフィラン、クレスチン等)、遺伝子工学的手法で得られるサイトカイン(インターフェロン、インターロイキン(IL)等)、コロニー刺激剤(顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポエチン等)等、なかでもIL−1、IL−2、IL−12等。
(10)動物モデルや臨床使用で悪液質改善効果が認められている薬剤
プロゲステロン誘導体(メゲステロールアセテート等)、メトクロプラミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系薬剤(前記3薬剤については、(ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncology)、第12巻、213〜225頁、1994年)参照)、脂肪代謝改善剤(エイコサペンタエン酸等)((ブリティシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー(British Journal of Cancer)、第68巻、314〜318頁、1993年)参照)、成長ホルモン、IGF−1、悪液質誘導因子であるTNF−α、LIF、IL−6及びオンコスタチンMに対する抗体等。
(11)消炎剤
ステロイド剤(デキサメサゾン等)、ヒアルロン酸ナトリウム、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(インドメタシン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、メロキシカム、アムピロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ等)等。
(12)その他
糖化阻害剤、中枢神経系作用薬(デシプラミン、アミトリプチリン、イミプラミン、フルオキセチン、パロキセチン、ドキセピン、カルバマゼピンなどの抗うつ薬等)、抗てんかん薬(ラモトリジン等)、抗不整脈薬(メキシレチン等)、エンドセリン受容体拮抗薬(アトラセンタン等)、モノアミン取り込み阻害薬(トラマドル等)、インドールアミン取り込み阻害薬(例、フルオキセチン、パロキセチン)、麻薬性鎮痛薬(モルヒネ等)、GABA受容体作動薬(ギャバペンチン等)、GABA取り込み阻害薬(チアガビン等)、α受容体作動薬(クロニジン等)、局所鎮痛薬(カプサイシン等)、プロテインキナーゼC阻害剤(ルボキシストーリン等)、抗不安薬(ベンゾジアゼピン類等)、抗うつ薬(アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、ドスレピン、アモキサピン等)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(シルデナフィル等)、ドーパミン受容体作動薬(アポモルフィン等)、抗コリン剤、α受容体遮断薬(タムスロシン等)、筋弛緩薬(バクロフェン等)、カリウムチャンネル開口薬(ニコランジル等)、カルシウムチャンネル遮断薬(ニフェジピン等)、アルツハイマー病の予防・治療薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン等)、パーキンソン病治療薬(L−ドーパ等)、抗血栓薬(アスピリン、シロスタゾール等)、NK2受容体拮抗薬、HIV感染症治療薬(サキナビル、ジドブジン、ラミブジン、ネビラピン等)、慢性閉塞性肺疾患治療薬(サルメテロール、臭化チオトロピウム、シロミラスト等)等。
本発明の化合物と併用薬物との併用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物と併用薬物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形および投与方法により異なるが、たとえば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分〜3日以内、好ましくは10分〜1日以内、より好ましくは15分〜1時間以内に本発明の化合物を投与する方法が挙げられる。本発明の化合物を先に投与する場合、本発明の化合物を投与した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分から1時間以内に併用薬物を投与する方法があげられる。
本発明の化合物と併用薬物の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、
(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、
(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、
(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、
(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物→併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が用いられる。以下、これらの投与形態と併用剤そのものを含め、本発明の併用剤と略記する。
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明の化合物又は/及び前記併用薬物を自体
公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等とすることができ、それらは、経口的又は非経口的(局所、直腸、静脈等)に安全に投与することができる。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、前記した本発明の医薬組成物に使用されるものと同様のものを使用することができる。
本発明の併用剤における本発明の化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤における本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし99.99重量%の範囲であり、好ましくは約0.1ないし50重量%の範囲であり、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度の範囲である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし99.99重量%の範囲であり、好ましくは約0.1ないし50重量%の範囲であり、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度の範囲である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1ないし99.99重量%の範囲であり、好ましくは約10ないし90重量%程度の範囲である。
本発明の化合物及び併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
本発明の併用剤の投与量は、本発明の化合物の種類、年齢、体重、症状、剤形、投与方法、投与ルート、疾患、投与期間等により異なり、適宜選択することができるが、例えば、過敏性腸症候群の患者(成人、体重約60kg)一人あたり、通常、本発明の化合物又は併用薬物として、それぞれ、1日約0.01〜2000mg/kg、好ましくは1日約0.01〜500mg/kg、より好ましくは1日約0.1〜100mg/kg、とりわけ1日約0.1〜50mg/kgを、なかでも1日約1.5〜30mg/kgの併用剤を、1日1回から数回に分けて経口投与する。もちろん、前記したように投与量は種々の条件で変動するので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
併用薬物は、副作用が問題とならなければどのような量を設定することも可能である。併用薬物としての一日投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受性差、投与の時期、間隔および医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類等によって異なり、特に限定されないが、薬物の量としては、通常、例えば経口投与で、哺乳動物1kg体重あたり約0.001〜2000mgの範囲であり、好ましくは約0.01〜500mgの範囲であり、さらに好ましくは約0.1〜100mg程度の範囲であり、これを通常1日1回〜4回に分けて投与する。
以下、参考例及び実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
原料となる化合物は、国際公開WO2008−153027号パンフレット及び国際公開WO2005−105802号パンフレットに記載の方法、又はそれに準じて合成、使用することができる。
以下の参考例、実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約35℃を示す。「%」は特記しない限り重量パーセントを示す。LCMS(ESIまたはAPCI)の測定はWaters LC−MS system(ZQ,ZMD−1,ZMD−2)、又はAgilent G6100 series LC/MSD systemにより行った。水素核磁気共鳴(H−NMR)スペクトルは、Varian Mercury−300型水素核磁気共鳴装置(300MHz)、又はBruker Ultra Shield−300型水素核磁気共鳴装置(300MHz)を用い、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準としてδ値(ppm)で示した。塩素又は臭素の元素分析はICS−1500(Dionex社製)を用い、炭素、水素及び窒素の元素分析はVario EL(elementar社製)、又はVario MICRO CUBE(elementar社製)を用いて行った。水分測定(電量滴定法)は、AQ−2100(HIRANUMA)微量水分計を用いて行った。
(参考例1)
(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸エチルの合成


(1S,2R)−2−アミノ−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸エチル(7.35g)、4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)安息香酸(7.89g)、トリエチルアミン(9.89g)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N´−エチルカルボジイミド塩酸塩(7.48g)、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル−1−オ−ル(2.72g)及びアセトニトリル(355mL)の混合物を室温で12時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ別して減圧下濃縮した。残留物を再結晶にて精製(再結晶溶媒:酢酸エチル、ヘキサン)し、表題化合物(13.0g)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.08(3H,t,J=7.0Hz),1.76−2.02(3H,m),2.03−2.33(5H,m),2.61(1H,dd,J=33.5,3.2Hz),2.89−3.05(1H,m),3.85−4.19(2H,m),4.67−4.81(1H,m),6.38(1H,d,J=2.3Hz),7.77−7.95(4H,m),8.27(1H,d,J=9.1Hz),8.47(1H,d,J=2.7Hz).
(参考例2)
(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸の合成

(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸エチル(13.3g)のメタノ−ル溶液(170mL)に、1N水酸化ナトリウム水溶液(70mL)を加え室温で12時間撹拌した。メタノ−ルを減圧下留去し、エ−テルで洗浄後、1N塩酸で中和した。有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ別して減圧下濃縮した。残留物を再結晶にて精製(再結晶溶媒:ジイソプロピルエ−テル)し、表題化合物(9.00g)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.73−2.24(5H,m),2.28(3H,s),2.53−2.84(1H,m),2.85−2.97(1H,m),4.68−4.78(1H,m),6.38(1H,d,J=2.3Hz),7.81−8.01(4H,m),8.23(1H,d,J=9.1Hz),8.47(1H,d,J=2.7Hz),12.45(1H,s).
(参考例3)
2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aR,4R,9bR)−1−{[(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキシル]カルボニル}−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾ−ル−1−イル}メチルの合成


2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aS,4R,9bR)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾ−ル−1−イル}メチル二塩酸塩(1.00g)、(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸(0.850mg)及びトリエチルアミン(0.978mL)をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中で混合し、反応液を0℃に冷却し、シアノリン酸ジエチル(0.434mL)を加え、その後室温で12時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ別して減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=50:50〜100:0)で精製し、表題化合物(1.38g)を非結晶状固体として得た。
LCMS,m/z 700(M+1)
(参考例4)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[(3aR,4R,9bR)−4−(1H−イミダゾ−ル−2−イル)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミドの合成


2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aR,4R,9bR)−1−{[(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキシル]カルボニル}−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾ−ル−1−イル}メチル(1.38g)、28%アンモニア水(10mL)及びメタノ−ル(10mL)の混合物を室温で12時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ別して減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=50:50〜100:0)で精製し、表題化合物(680mg)を非結晶状固体として得た。
LCMS,m/z 586(M+1)
(参考例5)
(3aR,4R,9bR)−4−(1−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−1H−イミダゾ−ル−2−イル)−8−フルオロ−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成


2,2−ジメチルプロパン酸(2−ホルミル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル(1.9g)、4−フルオロアニリン(1g)及びトルエン(30mL)の混合物を氷冷下2時間撹拌した。反応液に2,3−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチル(2.5g)及びDy(OTf)(0.27g)を添加し、混合物を室温で10時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、水を加え酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ別して減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=3:7)で精製し、表題化合物(411mg)を非結晶状固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.40−1.71(9H,m),2.06-2.23
(1H,m),2.54(1H,s),3.16−3.47(2H,m),3.81(1H,s),4.68(1H,s),5.17−5.40(1H,m),6.50(1H,dd,J=8.4,4.6Hz),6.73−6.88(1H,m),7.28−7.57(6H,m).
(参考例6)
2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aS,4R,9bR)−8−フルオロ−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾ−ル−1−イル}メチル二塩酸塩の合成


(3aR,4R,9bR)−4−(1−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−1H−イミダゾ−ル−2−イル)−8−フルオロ−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−カルボン酸tert−ブチル(411mg)のメタノ−ル溶液(10mL)に4M塩化水素の酢酸エチル溶液(1.74mL)を0℃で加え、室温で12時間撹拌し、減圧下濃縮し、表題化合物(321mg)を非結晶状固体として得た。
LCMS,m/z 373(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:0.94−1.27(10H,m),1.56−1.76(1H,m),1.99(2H,s),2.92−3.23(3H,m),5.16(2H,dd,J=58.6,3.2Hz),6.07−6.33(1H,m),6.82(1H,dd,J=9.0,5.3Hz),7.00−7.12(1H,m),7.22−7.53(1H,m),7.82(1H,s).
(参考例7)
2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aR,4R,9bR)−1−{[(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキシル]カルボニル}−8−フルオロ−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾ−ル−1−イル}メチルの合成


2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aS,4R,9bR)−8−フルオロ−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾ−ル−1−イル}メチル二塩酸塩及び(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸を用いて参考例3と同様の方法で合成した。
LCMS,m/z 718(M+1)
(参考例8)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[(3aR,4R,9bR)−8−フルオロ−4−(1H−イミダゾ−ル−2−イル)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミドの合成


2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aR,4R,9bR)−1−{[(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキシル]カルボニル}−8−フルオロ−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾ−ル−1−イル}メチルを用いて参考例4と同様の方法で合成した。
LCMS,m/z 604(M+1)
(参考例9)
(3aS,4R,9bR)−4−チオフェン−3−イル−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン二塩酸塩の合成


(3aR,4R,9bR)−4−チオフェン−3−イル−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−カルボン酸tert−ブチルを用いて参考例6と同様の方法で合成した。
LCMS,m/z 257(M+1)
(参考例10)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[(3aR,4R,9bR)−4−チオフェン−3−イル−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミドの合成


(3aS,4R,9bR)−4−チオフェン−3−イル−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン二塩酸塩及び(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸を用いて参考例3と同様の方法で合成した。
H−NMR(CDCl)δ:1.68−2.27(6H,m),2.33−2.43(3H,m),2.50−2.64(2H,m),2.80(1H,d,J=15.1Hz),3.09(1H,s),3.42−3.58(1H,m),3.63(1H,d,J=9.8Hz),3.99(1H,s),4.24(1H,d,J=3.4Hz),4.81(1H,d,J=2.3Hz),5.71(1H,d,J=7.2Hz),6.29(1H,d,J=2.3Hz),6.58(1H,d,J=7.9Hz),6.76(1H,t,J=7.0Hz),7.00−7.14(2H,m),7.29(2H,d,J=2.6Hz),7.32−7.40(1H,m),7.46(1H,d,J=7.9Hz),7.75(3H,d,J=8.7Hz),7.87(1H,d,J=2.3Hz),7.89−7.99(2H,m).
(参考例11)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[(3aR,4R,9bR)−8−フルオロ−4−フェニル−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミドの合成


(3aS,4R,9bR)−8−フルオロ−4−フェニル−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン二塩酸塩及び(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸を用いて参考例3と同様の方法で合成した。
LCMS,m/z 614(M+1)
(参考例12)
2,2−ジメチルプロパン酸(2−ホルミル−1H−イミダゾール−1−イル)メチルの合成


1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド(150g)、炭酸カリウム(258g)及びN,N−ジメチルホルムアミド(3L)の混合物に室温で2,2−ジメチルプロパン酸クロロメチル(259g)を加え、55℃で18時間撹拌した。混合物を室温まで冷却後、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残渣を酢酸エチル(2.25L)で希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(1.5L)及び飽和食塩水(0.75L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=30:70〜40:60)で精製し、標題化合物(291g)を油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.17(9H,s),6.30(2H,s),7.28−7.31(1H,m),7.36−7.40(1H,m),9.84−9.86(1H,m).
(参考例13)
(3aR,4R,9bR)−4−(1−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−1H−イミダゾール−2−イル)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成


アニリン(28.6g)のトルエン(1050mL)溶液に、無水硫酸マグネシウム(111g)及び2,2−ジメチルプロパン酸(2−ホルミル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル(70g)を加えて、室温で3時間撹拌した。反応液にトリス(トリフルオロメタンスルホン酸)ジスプロシウム(37.4g)を加えた後、2,3−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチル(69g)のトルエン溶液(350mL)を1時間かけて滴下した。12時間撹拌した後、反応混合物をろ過し、直接、ろ液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2.1kg、溶出溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=1:3〜3:2)で精製し、標題化合物(51.7g)を淡褐色非晶質固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.19(9H,s),1.46−1.63(9H,m),1.66−1.85(1H,m),2.13−2.34(1H,m),2.62−2.83(1H,m),3.20−3.57(2H,m),4.46−4.63(1H,m),4.92−5.04(1H,m),5.25−5.49(1H,m),5.77−5.93(1H,m),5.96−6.07(1H,m),6.57−6.67(1H,m),6.71−6.82(1H,m),6.98−7.16(3H,m),7.45−7.74(1H,m).
(参考例14)
2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aS,4R,9bR)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル二塩酸塩の合成


参考例13で得られた、(3aR,4R,9bR)−4−(1−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−1H−イミダゾール−2−イル)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−カルボン酸tert−ブチルを酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物(92g)をアセトニトリル(460mL)に溶解させ、氷冷下、2N塩化水素酢酸エチル溶液(920mL)をゆっくり滴下した。室温で3.5時間撹拌後、反応混合物に酢酸エチル(180mL)を滴下し、さらに18時間撹拌した。この混合物に酢酸エチル(460mL)をさらに滴下して3時間撹拌後、氷冷して2時間撹拌した。窒素気流下で析出物をろ取し、アセトニトリル/酢酸エチル混合溶媒(1:3.4,3.7L)で洗浄して粗結晶を得た。同様の反応操作を、再度(3aR,4R,9bR)−4−(1−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−1H−イミダゾール−2−イル)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−カルボン酸tert−ブチル(92g)を用いて行い、2バッチを合わせて粗結晶を156g得た。得られた粗結晶(78g)を55℃でメタノール(234mL)に溶解させ、同温下、酢酸エチル(650mL)をゆっくり滴下し、1時間撹拌した。さらに酢酸エチル(520mL)を55℃で滴下し、同温下で1時間、室温で18時間撹拌した。析出物をろ取し、メタノール/酢酸エチル混合溶媒(10:90)で洗浄し、乾燥して標題化合物を得た。同様の操作で残りの粗結晶(78g)を再結晶させ、2バッチを合わせて138gの標題化合物を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.10−1.21(9H,m),1.73(1H,brs),1.87−2.10(1H,m),2.93−3.24(3H,m),5.01(1H,brs),5.24(1H,brs),6.09−6.19(1H,m),6.21−6.33(1H,m),6.58−6.73(1H,m),6.74−6.91(2H,m),7.11−7.23(1H,m),7.43(1H,d,J=7.3Hz),7.57(1H,brs),7.72−7.89(1H,m),10.80(1H,brs).
(参考例15)
8−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン−7−カルボン酸エチル



8−ヒドロキシ−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン−7−カルボン酸エチル(230g)、(1R)−1−フェニルエタンアミン(147g)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(9.58g)のトルエン(1.6L)混合物を70℃で1時間撹拌後、Dean−Starkを用いて脱水しながら16時間加熱還流した。反応液を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜6:1)で精製し、標題化合物(290g)を黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.28(3H,t,J=7.0Hz),1.48(3H,d,J=6.8Hz),1.58−1.73(2H,m),2.21(1H,dt,J=14.4,6.3Hz),2.46−2.59(3H,m),3.87−4.03(4H,m),4.14(2H,q,J=6.9Hz),4.58−4.65(1H,m),7.21−7.35(5H,m),9.41(1H,d,J=7.2Hz).
(参考例16)
(7S,8R)−8−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−カルボン酸エチル臭化水素酸塩の合成


イソ酪酸(1220mL)に水素化ホウ素ナトリウム(73.2g)を0℃で少量ずつ加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、0℃に戻した後、8−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン−7−カルボン酸エチル(200g)のイソ酪酸(300mL)溶液を同温で滴下した。混合物を室温で18時間撹拌した後、0〜10℃に氷冷し、水(400mL)及び8N水酸化ナトリウム水溶液(1.75L)を加えて塩基性(pH=9)とした。酢酸エチル(2.5L)を用いて有機層を抽出後、水層に水(2.5L)を加え酢酸エチル(2.5L)で再度抽出した。合わせた有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液(1.6L及び0.8L)、飽和食塩水(1.6L)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、濾液をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1.0kg、溶出溶媒 酢酸エチル)に通し、濃縮した。得られた残渣を酢酸イソプロピル(2.1L)に溶解させ、0〜10℃に氷冷後、酢酸イソプロピル(200mL)で希釈した25%臭化水素酢酸溶液(199g)を滴下し、2時間撹拌した。生成した結晶を濾取し、酢酸イソプロピル(500mL)で洗浄後乾燥し、粗結晶(208g)を得た。このように得られた粗結晶(293g)をエタノール(310mL)及び酢酸エチル(310mL)に70℃で溶解させた。この溶液に同温下、酢酸エチル(735mL)をゆっくり滴下し、続いてヘプタン(735mL)をゆっくり滴下し、結晶を析出させた。この溶液を同温下30分撹拌後、室温で1時間撹拌した。得られた結晶を濾取し、酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒(1:1、200mL)で洗浄し、乾燥することで230gの粗結晶を得た。得られた粗結晶(229g)をエタノール(273mL)及び酢酸エチル(273mL)に70℃で溶解させた。この溶液に同温下、酢酸エチル(572mL)をゆっくり滴下し、続いてヘプタン(572mL)をゆっくり滴下し、結晶を析出させた。この懸濁液を70℃で30分撹拌後、再度ヘプタン(572mL)をゆっくり滴下した。混合物を70℃で30分撹拌、室温で1時間撹拌後、0℃で1時間撹拌させた。得られた結晶を濾取し、酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒(1:1、500mL)で洗浄し、乾燥することで185gの粗結晶を得た。このように得られた粗結晶(250g)をエタノール(250mL)及び酢酸エチル(250mL)に70℃で溶解させた。この溶液に同温下、ヘプタン(750mL)をゆっくり滴下し、結晶を析出させた。同温下30分撹拌後、この溶液にヘプタン(750mL)を滴下し、さらに30分間撹拌した。次いで室温で2時間撹拌した後、得られた結晶を濾取し、酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒(1:2、500mL)で洗浄し、乾燥することで標題化合物(227g)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.26(3H,t,J=7.1Hz),1.30−1.79(7H,m),1.85−2.07(1H,m),2.13−2.28(1H,m),3.15−3.33(2H,m),3.66−3.80(2H,m),3.81−3.95(2H,m),4.16(2H,m),4.48(1H,d),7.36−7.52(3H,m),7.67(2H,dd,J=7.6,1.8Hz),8.58−9.10(1H,m).
(参考例17)
(7S,8R)−8−アミノ−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−カルボン酸エチル臭化水素酸塩の合成


(7S,8R)−8−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−カルボン酸エチル臭化水素酸塩(118g)をエタノール(1.2L)に溶解させ、窒素雰囲気下で10%パラジウム炭素(50wt%含水、11.8g)を加えた後、水素雰囲気下50℃で5時間撹拌した。反応系内を窒素ガスで置換した後、反応液をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。同様の反応操作を(7S,8R)−8−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−カルボン酸エチル臭化水素酸塩(118g、118g、及び118g)を用いて3回行い、合計4バッチを合わせて標題化合物(353g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.30(3H,t,J=7.2Hz),1.67−1.97(3H,m),2.18−2.34(2H,m),2.43(1H,ddd,J=14.1,5.0,2.2Hz),3.35(1H,q,J=4.8Hz),3.63−3.78(1H,m),3.80−4.04(4H,m),4.11−4.31(2H,m).
(参考例18)
(1S,2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−5−オキソシクロヘキサンカルボン酸エチルの合成


(7S,8R)−8−アミノ−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−カルボン酸エチル臭化水素酸塩(353g)にTHF(1.8L)、炭酸ナトリウム(362g)及び水(900mL)を氷冷下加えた。クロロ炭酸ベンジル(215g)を同温下加え、室温で4時間撹拌した。酢酸エチル(2L)で抽出した後、1N塩酸(1.5L)で有機層を洗浄し、さらに飽和食塩水(1.5L)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を濃縮し、(7S,8R)−8−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−カルボン酸エチルを得た。生成物を2バッチに分け、それぞれをアセトン(1.75L)に溶解させ、氷冷下、4N塩酸(875mL)を加えた。反応液を室温で18時間撹拌後、減圧下アセトンを留去し、残留した水層を酢酸エチル(1L)で抽出した。抽出液を飽和食塩水(1L)で洗浄し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1.0kg、溶出溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=1:3〜1:1)で精製し、2バッチを合わせて標題化合物(353g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.23(3H,t,J=7.1Hz),2.02−2.13(3H,m),2.28−2.58(2H,m),2.64−2.78(1H,m),3.10−3.23(1H,m),4.15(2H,q,J=7.0Hz),4.24−4.43(1H,m),5.03−5.20(2H,m),5.63(1H,d,J=8.3Hz),7.21−7.45(5H,m).
(参考例19)
(1S,2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸エチルの合成


(1S,2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−5−オキソシクロヘキサンカルボン酸エチル(103g)をトルエン(1.5L)に溶解させ、氷冷下Deoxo−Fluor(R)(143g)をゆっくりと滴下した後、室温で3時間撹拌した。氷冷下、反応液に水(500mL)をゆっくりと滴下した後、炭酸ナトリウム(150g)の水溶液(1.0L)をゆっくり滴下した。同温下、粉末塩化カルシウム(150g)をゆっくりと加え、室温で45分撹拌した。反応液に水(1L)を加え、酢酸エチル(2.0L)で抽出し、更に酢酸エチル(1.5L)を用いて抽出を行った。合わせた有機層を飽和食塩水(1.5L)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。同様の反応を115g及び105gの(1S,2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−5−オキソシクロヘキサンカルボン酸エチルを用いて行い、合計3バッチを合わせて粗生成物を332g得た。得られた粗生成物のうち粗生成物(166g)をアセトニトリル(1.0L)及び水(1.0L)に溶解させ、氷冷下、塩化ルテニウム(1.05g)を加え、同温下、過ヨウ素酸ナトリウム(108g)をゆっくり加えた後、室温で18時間撹拌した。反応液の有機層を酢酸エチル(2L)を用いて抽出し、さらに酢酸エチル(1.0L)で抽出した。合わせた抽出液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(2.0L)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2.0L)及び飽和食塩水(2.0L)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1.5kg、溶出溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=5:95〜15:85)で精製し、標題化合物を得た。同様の反応操作を残りの粗生成物(166g)を用いて行い、2バッチを合わせて標題化合物を163g得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.18−1.31(3H,m),1.75−2.02(3H,m),2.06−2.25(2H,m),2.29−2.52(1H,m),2.92(1H,dt,J=7.3,4.8Hz),3.99−4.28(3H,m),5.09(2H,s),5.56(1H,brs),7.28−7.41(5H,m).
(参考例20)
4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)安息香酸の合成

4−ヒドラジノ安息香酸(75g)のエタノール(1.5L)溶液に、4,4−ジメトキシブタン−2−オン(65g)を室温でゆっくり加えた。反応液を12時間加熱還流した後、室温に冷却した。析出した結晶をろ取し、乾燥させた。得られた結晶をメタノール(540mL)及びTHF(2.16L)に溶解させた後、活性炭(15g)を加え、室温で2時間撹拌した。活性炭をろ別した後、ろ液を濃縮した。残渣をエタノール(2.6L)から再結晶することにより標題化合物(61.3g)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:2.30(3H,s),6.40(1H,d,J=2.4Hz),7.89−7.97(2H,m),7.99−8.09(2H,m),8.50(1H,d,J=2.6Hz),12.98(1H,brs).
(参考例21)
(1S,2R)−2−アミノ−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸エチルの合成


(1S,2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸エチル(68g)のエタノール(0.7L)溶液に、10%パラジウム炭素(50wt%含水、13.6g)を加え、水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。同様の反応操作を(1S,2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸エチル(68g)を用いて行い、2バッチを合わせて標題化合物(77g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.29(3H,t,J=7.2Hz),1.74−2.49(6H,m),2.70−2.81(1H,m),3.61(1H,brs),4.19(2H,q,J=7.0Hz).
(参考例22)
(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸エチルの合成


(1S,2R)−2−アミノ−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸エチル(77g)、4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)安息香酸(85g)及びアセトニトリル(1L)の懸濁液に、氷冷下、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N´−エチルカルボジイミド塩酸塩(91.6g)及び1H−1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル−1−オ−ル(30.5g)を加えた。室温で18時間撹拌後、反応混合物に水(1L)及び酢酸エチル(1L)を加えた。有機層を抽出後、再度酢酸エチル(1L)で抽出した。合わせた抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1L)及び飽和食塩水(1L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、NH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(700g、溶出溶媒 酢酸エチル)を用いてろ過した。ろ液を濃縮後、残渣をジイソプロピルエーテル(1L)で洗浄し、乾燥することで標題化合物(134g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.29(3H,t,J=7.2Hz),1.84−2.35(5H,m),2.39(3H,s),2.54−2.77(1H,m),3.04(1H,q,J=5.0Hz),4.07―4.34(2H,m),4.41―4.56(1H,m)、6.29(1H,d,J=2.4Hz),7.23−7.34(1H,m),7.68−7.77(2H,m),7.80−7.91(3H,m).
(参考例23)
(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸の合成


(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸エチル(154g)のTHF(1.5L)溶液に、氷冷下、水酸化リチウム一水和物(21.5g)の水溶液(1.0L)を滴下し、同温下3時間撹拌した。反応液を1N塩酸(500mL)で中和した後、酢酸エチル(1.5L、及び0.75L)で抽出した。合わせた抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して粗結晶を得た。得られた粗結晶をテトラヒドロフラン(720mL)に加熱溶解させ(50−55℃)、ヘプタン(500mL)を同温下滴下した。同温下で1時間撹拌した後、反応液にさらにヘプタン(220mL)を滴下して、50℃で1時間、室温で14時間、氷冷下で1時間撹拌した。析出物をろ取し、テトラヒドロフラン/ヘプタン混合溶媒(1:2)で洗浄後、乾燥して、標題化合物(121g)を淡褐色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.71−2.24(5H,m),2.29(3H,s),2.53−2.77(1H,m),2.90(1H,dt,J=12.4,3.9Hz),4.64―4.83(1H,m),6.38(1H,d,J=2.3Hz),7.81−7.96(4H,m),8.25(1H,d,J=9.0Hz),8.48(1H,d,J=2.4Hz),12.49(1H,brs).
(参考例24)
2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aR,4R,9bR)−1−{[(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキシル]カルボニル}−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルの合成


2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aS,4R,9bR)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル二塩酸塩(69.5g)、トリエチルアミン(57.6g)、(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸(59g)のアセトニトリル(1.7L)溶液に、氷冷下、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N´−エチルカルボジイミド塩酸塩(33.4g)及び1H−1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル−1−オ−ル(5.0g)を加え、室温で18時間撹拌した。反応混合物に1H−1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル−1−オ−ル(5.0g)を加え、室温で22時間撹拌した後、水(0.5L)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.5L)を加え、減圧下アセトニトリル(1.0L)を留去した。有機層を酢酸エチル(1.5L)で抽出し、得られた有機層を飽和食塩水(1L)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1.0kg,溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=20:80)で精製し、標題化合物(109g)を非結晶状固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.07−1.22(9H,m),1.88−2.02(2H,m),2.06−2.27(2H,m),2.32−2.88(8H,m),3.05−3.35(1H,m),3.44−3.79(2H,m),4.16−4.36(1H,m),4.52(1H,d,J=15.1Hz),4.89−4.99(1H,m),5.70−6.10(3H,m),6.23−6.33(1H,m),6.46−6.65(1H,m),6.71−6.90(1H,m),6.98−7.26(4H,m),7.38−7.49(1H,m),7.66−8.08(5H,m).
(参考例25)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[(3aR,4R,9bR)−4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミドの合成

2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aR,4R,9bR)−1−{[(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキシル]カルボニル}−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル(109g)のメタノール(1.1L)溶液に、28%アンモニア水(220mL)を室温にて滴下し、18時間撹拌した。メタノールを減圧下留去し、残留物を酢酸エチル(1L)及び水(1L)で希釈し、不溶物をろ別した。ろ液を分液し、水層を酢酸エチル(1L)で再度抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮して標題化合物(86.4g)を非結晶状固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.55−1.89(2H,m),1.92−2.26(5H,m),2.32−2.42(3H,m),2.44−2.76(3H,m),2.94−3.58(3H,m),4.22−5.79(4H,m),6.22−6.32(1H,m),6.33−6.47(1H,m),6.57−6.77(1H,m),6.86−7.16(3H,m),7.30−7.44(1H,m),7.55−8.01(5H,m),10.77−11.29(1H,m).

(実施例1)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミドの合成


N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[(3aR,4R,9bR)−4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド(4.54g),2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(3.81g)及びテトラヒドロフラン(35mL)の混合物を45〜60℃で12時間撹拌した。反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出した有機層を1規定水酸化ナトリウム水溶液で3回、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、NH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 酢酸エチル)を用いてろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=10:90〜100:0)及びNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 酢酸エチル)で精製した。得られた生成物、活性炭(650mg)、及び酢酸エチル(100mL)の混合物を室温で1時間撹拌した後、セライトを用いてろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エチル、2−プロパノール、及びヘキサンを加え、析出物をろ取することにより、表題化合物(3.33g)を白色非結晶状固体として得た。
LCMS,m/z 582(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.88−2.30(3H,m),2.30−2.52(4H,m),2.52−2.94(2H,m),3.49−3.68(1H,m),3.72−4.03(2H,m),4.39(2H,t,J=8Hz),4.64(1H,brs),6.26(1H,d,J=2.3Hz),7.15−7.36(4H,m),7.55−7.64(1H,m),7.64−7.75(3H,m),7.79−7.91(3H,m),7.99(1H,d,J=8Hz),10.73(1H,brs).
(実施例2)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド臭化水素酸塩の合成


N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド(174mg)の酢酸エチル溶液(3mL)に臭化水素酸水溶液(47%,34.7μl)を添加し、不溶物が溶解するまでエタノールを加え、減圧下濃縮した。残渣をエタノールと酢酸エチルの混合液で結晶化させ、酢酸エチルで洗浄し、表題化合物(151mg)を淡黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.75−2.25(4H,m),2.30(3H,s),2.33−2.45(1H,m),2.67−3.01(1H,m),3.48−3.68(2H,m),3.72−3.78(1H,m),4.30−4.52(1H,m),4.82−4.89(1H,m),5.09(1H,brs),6.41(1H,d,J=2.3Hz),6.96−7.02(1H,m),7.54(1H,d,J=8.3Hz),7.60−7.68(1H,m),7.83(2H,s),7.92(4H,s),8.02(1H,d,J=8.3Hz),8.52(1H,d,J=2.3Hz),8.60(1H,d,J=9.4Hz).
元素分析 計算値:Br,12.06.実測値:Br,12.14.
(実施例3)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド塩酸塩の合成


N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド(222mg)のエタノール溶液(2mL)に2N塩化水素エタノール溶液(191μL)を添加し、一夜撹拌した後、約半分量まで減圧下濃縮した。一夜撹拌して結晶化した。酢酸エチルを添加してさらに1時間撹拌した後、結晶をろ取した。結晶を酢酸エチルで洗浄後、減圧下乾燥させ、表題化合物(120mg)を淡黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.78−2.24(4H,m),2.30(3H,s),2.35−2.48(1H,m),2.68−3.01(1H,m),3.48−3.71(2H,m),3.71−3.90(1H,m),4.38(1H,q,J=9.7Hz),4.74−4.96(1H,m),5.08(1H,brs),6.41(1H,d,J=2.3Hz),6.88−7.04(1H,m),7.53(1H,d,J=7.9Hz),7.60−7.71(1H,m),7.77(2H,s),7.86−7.98(4H,m),8.03(1H,d,J=8.3Hz),8.52(1H,d,J=2.3Hz),8.60(1H,d,J=9.8Hz).
元素分析 計算値:Cl,5.74.実測値:Cl,5.69.
(実施例4)
2,2−ジメチルプロパン酸[2−(1−{[(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキシル]カルボニル}−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル]メチルの合成


2,2−ジメチルプロパン酸{2−[(3aR,4R,9bR)−1−{[(1S,2R)−5,5−ジフルオロ−2−({[4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロヘキシル]カルボニル}−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−4−イル]−1H−イミダゾ−ル−1−イル}メチル(350mg),2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(257.4mg)及びテトラヒドロフラン(6mL)の混合物を45〜60℃で12時間撹拌した。反応液に0.1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出した有機層を0.1規定水酸化ナトリウム水溶液、水、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=0:100〜65:35)で精製し、表題化合物(317mg)を淡褐色非結晶状固体として得た。
LCMS,m/z 696(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.08(9H,s),1.87−2.29(3H,m),2.29−2.51(4H,m),2.51−2.88(2H,m),3.57(1H,dt,J=7.1,4.8Hz),3.71−3.90(2H,m),4.35(2H,t,J=8.1Hz),4.63(1H,brs),6.26(1H,d,J=2.3Hz),6.61−6.78(2H,m),7.20(1H,s),7.25(1H,s),7.31(2H,dt,J=7.2,3.6Hz),7.56−7.64(1H,m),7.64−7.73(3H,m),7.80−7.92(3H,m),8.00(1H,d,J=7.9Hz).
(実施例5)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[8−フルオロ−4−(1H−イミダゾ−ル−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミドの合成


N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[(3aR,4R,9bR)−8−フルオロ−4−(1H−イミダゾ−ル−2−イル)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド(200mg)、二酸化マンガン(2.02g)およびトルエン(100mL)の混合物を80℃で12時間撹拌した。反応混合物をセライトを用いてろ過した後、ろ液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=30:70〜100:0)で精製し、表題化合物(50.0mg)を白色非結晶状固体として得た。
LCMS,m/z 600(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.94−2.50(7H,m),2.51−2.81(2H,m),3.48−3.62(1H,m),3.74−3.93(2H,m),4.30−4.45(2H,m),4.66(1H,s),6.26(1H,d,J=2.3Hz),7.17−7.28(2H,m),7.33−7.44(3H,m),7.68(2H,d,J=9.1Hz),7.74−7.91(3H,m),7.98(1H,dd,J=9.3,5.5Hz).
(実施例6)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[8−フルオロ−4−(1H−イミダゾ−ル−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド塩酸塩の合成


N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[8−フルオロ−4−(1H−イミダゾ−ル−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド(5mg)のメタノール溶液(0.1mL)に塩化水素メタノール溶液(2N,10μL)を添加し、溶媒を減圧下留去した。残渣に酢酸エチルを添加して結晶をろ取し、減圧下乾燥させ、表題化合物(6.4mg)を淡黄色非結晶状固体として得た。LCMS,m/z 600(M+1)
(実施例7)
N−{(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−[(4−チオフェン−3−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル)カルボニル]シクロヘキシル}−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド


N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[(3aR,4R,9bR)−4−チオフェン−3−イル−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド(155mg)を用い、実施例5と同様の方法で、表題化合物(45mg)を白色非結晶状固体として得た。
LCMS,m/z 598(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.56(3H,s),2.04(2H,s),2.33−2.43(3H,m),3.55(3H,dd),4.33−4.44(2H,m),4.61(1H,s),6.21−6.35(1H,m),7.28−7.36(1H,m),7.39−7.48(1H,m),7.58−7.75(4H,m),7.74−7.91(5H,m),8.10(1H,d,J=8.3Hz).
(実施例8)
N−{(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−[(4−チオフェン−3−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル)カルボニル]シクロヘキシル}−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド塩酸塩の合成


N−{(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−[(4−チオフェン−3−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル)カルボニル]シクロヘキシル}−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド(5mg)のメタノール溶液(0.1mL)に塩化水素メタノール溶液(2N,10μL)を添加し、溶媒を減圧下留去した。残渣に酢酸エチルを添加して結晶をろ取し、減圧下乾燥させ、表題化合物(6.2mg)を淡黄色非結晶状固体として得た。
LCMS,m/z 598(M+1)
(実施例9)
N−{(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−[(8−フルオロ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル)カルボニル]シクロヘキシル}−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミドの合成


N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[(3aR,4R,9bR)−8−フルオロ−4−フェニル−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド(205mg)を用い、実施例5と同様の方法で、表題化合物(60mg)を白色非結晶状固体として得た。
LCMS,m/z 610(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.91−2.32(2H,m),2.32−2.50(4H,m),2.68(2H,d,J=32.4Hz),3.35(1H,s),3.53(2H,d,J=8.9Hz),4.24−4.41(2H,m),4.65(1H,s),6.26(1H,d,J=2.4Hz),7.23(1H,d),7.35−7.55(5H,m),7.66−7.72(2H,m),7.78(2H,dd,J=7.9,1.5Hz),7.81−7.89(3H,m),8.15(1H,d,J=9.0Hz).
(実施例10)
N−{(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−[(8−フルオロ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル)カルボニル]シクロヘキシル}−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド塩酸塩の合成


N−{(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−[(8−フルオロ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル)カルボニル]シクロヘキシル}−4−(3−メチル−1H−ピラゾ−ル−1−イル)ベンズアミド(5mg)のメタノール溶液(0.1mL)に塩化水素メタノール溶液(2N,10μL)を添加し、溶媒を減圧下留去した。残渣に酢酸エチルを添加して結晶をろ取し、減圧下乾燥させ、表題化合物(6.0mg)を淡黄色非結晶状固体として得た。
LCMS,m/z 610(M+1)
(実施例11)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミドの合成


2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(78g)のアセトニトリル溶液(1.34L)に、55℃下、参考例25で得られたN−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[(3aR,4R,9bR)−4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド(84g)を加え、2.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(0.5L)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.5L)を滴下した後、不溶物をろ別し、アセトニトリルで洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせ、この混合液中のアセトニトリルを減圧下留去し、水層を水(840mL)で希釈した後、有機層を酢酸エチル(1.5L、及び0.75L)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、酢酸エチル(約1.75L)を減圧下留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1.3kg、溶出溶媒 酢酸エチル)で精製し、標題化合物(71g)を非結晶状固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.90−2.03(1H,m),2.06−2.26(2H,m),2.27−2.47(1H,m),2.35(3H,s),2.50−2.79(2H,m),3.48−3.61(1H,m),3.69−3.90(2H,m),4.24−4.41(2H,m),4.66(1H,brs),6.24(1H,d,J=2.3Hz),7.12(1H,d,J=1.1Hz),7.20−7.29(2H,m),7.34(1H,d,J=7.5Hz),7.54(1H,ddd,J=8.4,6.9,1.4Hz),7.61−7.71(3H,m),7.77−7.88(3H,m),7.91(1H,d,J=7.9Hz),11.22(1H,brs).
(実施例12)
N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド塩酸塩の合成


N−[(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−{[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]キノリン−1−イル]カルボニル}シクロヘキシル]−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド(130g)をエタノール(260mL)及び酢酸イソプロピル(650mL)に溶解させ、氷冷下で4N塩化水素酢酸エチル溶液(62mL)を酢酸イソプロピル(650mL)で希釈した溶液を滴下した。反応液を氷冷下で15分間撹拌した後、酢酸イソプロピル(650mL)を滴下し、室温で30分間、60℃で2.5時間、及び室温で1時間撹拌した。析出物をろ取し、エタノール/酢酸イソプロピル混合溶媒(1:8、1.3L)で洗浄して粗結晶(117g)を得た。このようにして得られた粗結晶(169g)及び5%水/エタノール混合溶媒(1.69L)の混合物に水(1.5mL)を加え、60℃に加熱して粗結晶を溶解させた後、不溶物をろ別し、5%水/エタノール混合溶液(169mL)で洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせ、この混合液を60℃で加熱溶解させ、同温下でtert−ブチルメチルエーテル(1.5L)を滴下して2時間撹拌した。この混合物に更にtert−ブチルメチルエーテル(1.5L)を滴下し、30分間撹拌した後、室温で1時間撹拌した。析出物をろ取し、エタノール/tert−ブチルメチルエーテル混合溶媒(1:2、1.0L)で洗浄し、乾燥させ、標題化合物(157g)を淡黄色結晶として得た。
LCMS,m/z 582(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:1.80−2.26(4H,m),2.30(3H,s),2.33−2.48(1H,m),2.68−3.02(1H,m),3.48−3.73(2H,m),3.75−3.95(1H,m),4.38(1H,q,J=9.8Hz),4.76−4.96(1H,m),5.10(1H,brs),6.41(1H,d,J=2.3Hz),6.91−7.06(1H,m),7.54(1H,d,J=7.9Hz),7.66(1H,ddd,J=8.5,7.0,1.3Hz),7.82(2H,s),7.88−7.98(4H,m),8.04(1H,d,J=8.3Hz),8.53(1H,d,J=2.4Hz),8.63(1H,d,J=9.8Hz).
水分測定(電量滴定法):0.68%(湿度42.3%)
元素分析値:C3230ClF・0.23H
計算値 C,61.77;H,4.93;N,15.76;Cl,5.70
実測値 C,61.70;H,4.95;N,15.82;Cl,5.67
融点:232℃
[α] 25 −230.6°(c 0.27,MeOH)
粉末X線:線源としてCu−Kα線(管電圧:40KV;管電流:50mA)を用い、RINT Ultima+2100型粉末X線回折装置(理学電気製)を用いて測定される本結晶(Form A)の粉末X線結晶回折パターンを表1に示す。
表1 粉末X線結晶回折のデータ(主なピーク)

製剤例1
(1)実施例1の化合物 10.0g
(2)乳糖 70.0g
(3)コーンスターチ 50.0g
(4)可溶性デンプン 7.0g
(5)ステアリン酸マグネシウム 3.0g
実施例1の化合物(10.0g)及びステアリン酸マグネシウム(3.0g)を可溶性デンプンの水溶液70mL(可溶性デンプンとして7.0g)で顆粒化し、乾燥した後、乳糖(70.0g)及びコーンスターチ(50.0g)と混合する(乳糖、コーンスターチ、可溶性デンプン及びステアリン酸マグネシウムはいずれも第十四改正日本薬局方適合品又は医薬品添加物規格適合品を用いた)。混合物を圧縮し、錠剤を得る。
実験例1
hNK2受容体発現CHO細胞の膜画分を用いたラジオリガンド受容体結合阻害活性
hNK2受容体発現CHO細胞(ユーロスクリーン社製)を、400μg/mLジェネテシン、100U/mL ペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン及び10%非働化血清を含むHAM−F12培地を入れたフラスコで培養した。培地を除き、接着している細胞をPBSで洗浄し、0.5mM EDTAを含むPBSを添加して、細胞をフラスコから剥がした。遠心分離により細胞を回収し、懸濁用緩衝液A(15mM Tris−HCl(pH7.5)、12.5mM MgCl、0.3mM EDTA、1mMEGTA(Ethylene Glycol Bis(beta−aminoethylether)−N,N,N,N−tetraacetic Acid))に懸濁し、ポリトロンホモジナイザー(キネマチカ社製)で破砕し、4℃で850×gで10分間遠心分離し、その上清を回収して4℃で142000×gで60分間超遠心分離した。沈殿画分を懸濁用緩衝液B(7.5mM Tris−HCl(pH7.5) 、12.5mM MgCl、0.3mM EDTA、1mM EGTA、250mM スクロース)に懸濁し、hNK2受容体発現CHO細胞の膜画分標品として凍結(−80℃)保存した。
[受容体結合実験]
ラジオリガンド受容体結合実験は、最終容積が200μLの 96ウェルマイクロアッセイプレートフォ−マットで行った。
96ウェルマイクロアッセイプレートに、測定用緩衝液(50mM Tris−HCl(pH7.4)、0.02%牛血清アルブミン、2μg/mL キモスタチン、40μg/mL バシトラシン、40μg/mL APMSF、3mM MnCl)50μLを添加し、測定用緩衝液に懸濁した前記凍結保存膜画分標品(20μg/mL)50μLを添加した。総結合量を調べるために、2%ジメチルスルホキシドを含む測定用緩衝液(50μL)を加え、非特異的結合量を調べるために、2%ジメチルスルホキシドを含む測定用バッファーで希釈した4μMの非標識NKA(ペプチド研究所株式会社製)溶液(50μL)を加え、測定用緩衝液で希釈した試験化合物(50μL、2%ジメチルスルホキシドを含む)を添加した。さらに各ウェルに400pMの[125I]−NKA(NEN社製)溶液(50μL)を添加した。
室温で30分反応させた後、セルハーベスター(パーキンエルマー社製)を用い、0.3%ポリエチレンイミン水溶液に一日間浸漬したユニフィルタープレート(GF/C)(パーキンエルマー社製)上で急速濾過して反応を停止し、0.02%牛血清アルブミンを含む50mM Tris−HCl(pH7.4)緩衝液(250μL)で細胞を10回洗浄した。GF/Cフィルタープレートを乾燥し、20μLのマイクロシンチ−O(パーキンエルマー社製)を各ウェルに添加し、トップカウント(パーキンエルマー社製)で放射活性を測定した。結果を表2に示す。
特異的結合量は、総結合量から非特異的結合量を減じて得られる値で示される。試験化合物の結合阻害活性は、総結合量から試験化合物を加えた場合の測定値を減じて得られる値の、特異的結合量の値に対する比率で示される。
表2 hNK2受容体結合阻害活性(阻害率(%))

NT:測定せず。
実験例2
試験化合物、ニューロキニンA及びhNK2受容体発現CHO細胞を用いた、細胞内カルシウム濃度により決定される拮抗活性の評価
hNK2受容体発現CHO細胞を384ウェルプレートに7.5×10細胞/ウェルで播種し、24時間培養した。その後培地を除去し、調製した2.5 ug/mLのFulo4、2.5mM プロベネシドと20mM HEPESを含む1Xレコ−ディング メディウム(30μL、Calucium kit II-FLuo4:同仁化学研究所、日本)を添加し、CO2インキュベータ(37℃、5%CO2)で1時間培養した。0.05%牛血清アルブミンと20mM HEPESを含む1Xレコ−ディング メディウムで希釈した試験化合物(10μL、0.6%ジメチルスルホキシド)を添加した。その後、3nMニューロキニンA溶液(20μL)を添加し、細胞内カルシウム濃度変化をFLIPR(モレキュラーデバイス社、日本)で測定した。試験化合物の阻害率は、化合物を添加しない DMSO のみの反応を 100%阻害とし、1nM NKA による反応を 0% 阻害として算出した。結果を表3に示す。
表3 拮抗活性(阻害率(%))
実験例3
hNK3受容体発現CHO細胞の膜画分を用いたラジオリガンド受容体結合阻害活性
[膜画分調整]
hNK3受容体発現CHO細胞を、500μg/mLジェネテシン、100U/mL ペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンおよび10%非働化血清を含むHAM−F12培地で培養した。コンフルエンスに達する前に培地を除き、細胞をPBSで洗浄後、0.5mM EDTAを含むPBSを添加して、細胞をフラスコから剥離させ、細胞懸濁液を回収した。低速遠心分離により、細胞を回収した。細胞を懸濁用緩衝液A(50mM Tris−HCl(pH7.4)、120mM NaCl、5mM KCl、バシトラシン(40μg/mL)、キモスタチン(2μg/mL)、APMSF(40μg/mL)、1mM EDTA)で懸濁し、ポリトロンホモジナイザー(キネマチカ社製)で破砕し、2000×g、4℃で10分間遠心分離した。その上清を回収し、40000×g、4℃で60分間超遠心分離し、沈殿画分を懸濁用緩衝液B(50mM Tris−HCl(pH7.4)、3mM MnCl、0.02%BSA、バシトラシン(40μg/mL)、キモスタチン(2μg/mL)、PMSF(0.5 mM))に懸濁した。この懸濁液のタンパク濃度をBio−Rad Protein Assay kitとタンパク標品のbovine Serum Albuminを用いて測定し、結合実験に使用するまで、hNK2受容体発現CHO細胞の膜画分標品として凍結(−80℃)保存した。
[受容体結合実験]
ラジオリガンド受容体結合実験は、最終容積が200 μLの 96ウェルマイクロアッセイプレートフォ−マットで行った。96ウェルマイクロアッセイプレートに50μLの測定用緩衝液(50mM Tris−HCl(pH7.4)、0.02%牛血清アルブミン、2μg/mL キモスタチン、40μg/mL バシトラシン、40μg/mL APMSF、3mM MnCl)、50μL(300μg/mL)の測定用緩衝液で懸濁した前記凍結保存膜画分標品と50μLの測定用緩衝液で希釈した試験化合物(2%ジメチルスルホキシドを含む)を添加した。50μL の400pMの[125I]−NKB(パーキンエルマーライフサイエンス)溶液を添加して、反応を開始させた。総結合量の測定には、希釈試験化合物液の代わりに50μLの2%ジメチルスルホキシドを含む測定用緩衝液を、非特異的結合量の測定には、50μLの4μMの非標識NKB(ペプチド研究所株式会社製)溶液(2%ジメチルスルホキシドを含む測定用バッファーで希釈)を加えた。
室温で30分反応させた後、セルハーベスター(パーキンエルマー社製)を用い、0.3%ポリエチレンイミンで一日間浸漬したユニフィルタープレート(GF/C)(パーキンエルマー社製)上で急速濾過により反応を停止し、0.02%牛血清アルブミンを含む50mM Tris−HCl(pH7.4)緩衝液(250μL)で膜画分を10回洗浄した。GF/Cフィルタープレートを乾燥させた後、20μLのマイクロシンチ−O(パーキンエルマー社製)を各ウェルに添加し、トップカウント(パーキンエルマー社製)で放射活性を測定した。結果を表4に示す。
特異的結合量は、総結合量から非特異的結合量を減じて得られる値で示される。試験化合物の結合阻害活性は、総結合量から試験化合物を加えた場合の測定値を減じて得られる値の、特異的結合量の値に対する比率で示される。
表4 hNK3受容体結合阻害活性(阻害率(%))
本発明により、NK受容体、特にNK2受容体拮抗薬として有用な化合物(I)であるジヒドロピロロキノリン誘導体の提供が可能となり、NK受容体、特にNK2受容体拮抗薬として治療効果の高い医薬品を提供することができる。

Claims (23)

  1. 式(I)


    [式中、
    Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、
    Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、
    X1およびX2はそれぞれ結合手または置換基を有していてもよい2価のC1−5鎖状炭化水素基を示し、
    X3は置換基を有するメチレン基を示し、
    Yは結合手または置換基を有していてもよいイミノ基(−NH−)を示し、
    Zは置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。]で表される化合物またはその塩。
  2. X3が(1)フッ素原子及び(2)フッ素原子で置換されたC1−3アルキル基から選ばれる置換基を有するメチレン基である請求項1記載の化合物。
  3. X1がエチレン(−CHCH−)であり、X2がメチレン(−CH−)である請求項1記載の化合物。
  4. X3がフッ素原子を有するメチレン基である請求項2記載の化合物。
  5. Rが置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基である請求項1記載の化合物。
  6. Aがフッ素原子で置換されてもよいベンゼン環である請求項1記載の化合物。
  7. Yが結合手またはイミノ基(−NH−)である請求項1記載の化合物。
  8. Zが置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基である請求項1記載の化合物。
  9. 請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
  10. 請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなるニューロキニン(NK)受容体拮抗剤。
  11. 請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなるニューロキニン2(NK2)受容体拮抗剤。
  12. 請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなる医薬。
  13. 消化器疾患または中枢疾患の予防・治療剤である請求項12記載の医薬。
  14. 消化器疾患が、機能性消化管疾患である請求項13記載の医薬。
  15. 機能性消化管疾患が、過敏性腸症候群または機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia)である請求項14記載の医薬。
  16. 哺乳動物に対し、請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする消化器疾患または中枢疾患の予防・治療方法。
  17. 消化器疾患が、機能性消化管疾患である請求項16記載の予防・治療方法。
  18. 機能性消化管疾患が、過敏性腸症候群または機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia)である請求項17記載の予防・治療方法。
  19. 消化器疾患または中枢疾患の予防・治療剤を製造するための請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの使用。
  20. 消化器疾患が、機能性消化管疾患である請求項19記載の使用。
  21. 機能性消化管疾患が、過敏性腸症候群または機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia)である請求項20記載の使用。
  22. 哺乳動物に対し、請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とするNK2受容体拮抗方法。
  23. NK2受容体拮抗剤を製造するための請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの使用。
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