JP2013052268A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タグカバー部57B の内部におけるICタグシール12の裏側に、ベース部52及び蓋部53A を相互に結合するICタグプレート60及び破断部材70を設け、タグカバー部57B を蓋部53A から切り離すと、ICタグシール12が外部に露出される。この状態で、ICタグシール12を刃物で切断すると、ICタグプレート60も切断され、ベース部52及び蓋部53A を結合しているICタグプレート60及び破断部材70の結合状態が解除され、これにより、ベース部52及び蓋部53A の結合状態も解除され、基板ケース50A が解放可能となる。従って、基板ケース50A を解放するには、ICタグシール12を切断する必要があり、基板ケース50A を開放すると、確実にICタグシール12が破断されるようになる。
【選択図】図13
Description
このうち、制御基板は、遊技動作を制御するプログラムを記憶したROM、及び、高速演算機能を有するLSI等からなるCPUを備え、ROMに記憶されたプログラムをCPUで実行するものとなっている。
このような制御基板は、真正のROMを入賞しやすい不正なプログラムを記憶した不正ROMに交換する等の不正行為を防止するために、箱状に形成された透明な合成樹脂製の基板ケースの内部に収納されている。
そして、これらのベース部及び蓋部は、内部に設置された制御基板を不正行為から保護するために、閉じた状態で互いに結合されるようになっている。
これらのベース部及び蓋部の結合には、専用の結合具、例えば、一方が他方の内部に挿入可能となるように、テレスコピック状に形成された一対の筒体を備えた、いわゆる「カシメ」が利用される。
以上のような遊技機では、閉じられた基板ケースが不正に開けられた場合に、開けられたことが直ちに判るように、ベース部及び蓋部の両方に跨って封印シールが貼り付けられるようになっている。そして、基板ケースが開けられると、封印シールが破れるので、これにより、開けられたことが判るようになっている。
このようなICタグシールを採用すれば、専用の読取装置を利用すれば、記録内容の読み出しと、駆動電力の供給とが無線通信で同時に行えるので、貼り付けられた封印シールが本物であるか否かの判別を容易且つ迅速に行うことができる。
、基板ケースが不正に開けられたか否かの判別を容易且つ迅速に行うことができる。
しかしながら、前述のICタグシールを利用しても、鋭利な刃物、例えば、カミソリ等を利用して、基板ケースからICタグシールを丁寧に剥がせば、ICタグの無線アンテナや外観に何らダメージを与えずに基板ケースからICタグシールを剥がすことができ、これにより、剥がされたICタグシールの再利用が可能となり、基板ケースを開けた後、ICタグシールを再貼付するとで、基板ケースが開放されたか否かの判別が困難となる、という問題がある。
このようなICタグシールによれば、カミソリ等を利用してICタグシールの剥離処理を丁寧に行ったとしても、基板ケースからICタグシールを剥がすために、貼着層の貼着力に抗する剥離力をICタグシールに加えると、この剥離力でベースシートが破断され、ICタグシールの外観が損なわれる。
このため、カミソリ等を利用したICタグシールの剥離処理でも、ICタグシールの再利用が不可能となり、基板ケースを開けたか否かの判別を有効に行うことができる。
そこで、本発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基板ケースに貼付されたシールが基板ケースの開放によって確実に破断される遊技機を提供することである。
ースに貼付され、前記結合手段により前記ベース部材および前記蓋部材を閉止して結合させた状態において、前記基板ケースに貼付された前記シールの表面を覆うカバー部(例えば、実施形態におけるタグカバー部57B)を備えて構成される。そして、前記カバー部は、破断可能な破断部(例えば、実施形態における破断部59A)を有し、前記破断部を破断させて前記カバー部の一部を前記基板ケースから取り外すことが可能に構成され、前記基板ケースを開放させて前記制御基板を取り出すときには、前記カバー部の前記破断部を破断して前記カバー部の一部を前記基板ケースから取り外し、外部に露出した前記シールを破断または剥離して前記結合手段による前記ベース部材および前記蓋部材の結合を解除するように構成される。
[第1実施形態]
(スロットマシン1の概要)
図1には、本発明の第1実施形態に係る遊技機としてのスロットマシン1が示されている。図1において、スロットマシン1は、三個の回転リール11の各々に記された複数種類
の図柄が所定の組合せとなるように、回転している回転リール11を停止させる遊技を行うものである。このスロットマシン1には、図1に示すように、当該スロットマシン1の各種装置を収納するとともに、正面形状が長方形となった筐体2が備えられている。
前扉3は、その前面をほぼ二分する上部パネル部4及び下部パネル部5を備えたものとなっている。そして、下部パネル部5の下方には、入賞時に払い出されるメダルを貯留する受皿部6Aが一体成形された受皿ユニット6が設けられている。また、また、上部パネル部4と下部パネル部5との間には、遊技に係る操作を行うための操作卓7が遊技者側に突出するように形成されている。
(上部パネル部4)
上部パネル部4には、図1中、操作卓7の上方且つ幅方向の中央部分において長方形状に形成された表示窓4Aが設けられている。
ここで、筐体2内部に設けられた三個の回転リール11の各々は、その外周面に複数種類の図柄に記されている。そして、各回転リール11の図柄は、筐体2の外部から表示窓4Aを通して目視可能となっている。
また、上部パネル部4の両側縁には、各々が細長い帯状に形成されるとともに、「八」の字を形成するように配置された一対の演出用照明装置4Cが設けられている。これらの演出用照明装置4Cのそれぞれは、上部パネル部4の上端縁から斜め下方へ延び、表示窓4Aの上端縁よりも若干高い高さレベル位置まで達するものとなっている。
これらの演出用照明装置4B〜4Dの各々は、赤色のレンズの内部に配置された高輝度発光ダイオード等の光源を備え、遊技の進行に応じて、その光源の点灯又は点滅により、遊技における視覚的な演出効果を高めるものである。
液晶表示装置4Eの両側には、遊技に係る効果音を発生するスピーカを備えた音声出力部4Fがそれぞれ設けられている。
(操作卓7)
操作卓7は、遊技における操作に必要な各種のスイッチ類が配置されたものである。
すなわち、操作卓7における図1中右端の部分には、前扉3の施錠を解除するための鍵が挿入される鍵穴7Aが設けられている。この鍵穴7Aの左斜め上方には、メダルを投入するためのメダル投入口7Bが開口されたメダル投入部7Cが設けられている。
また、左端のストップボタン7Dの左方であって、マックスベットボタン7Eの左斜め下方の位置には、三個の回転リール11を一斉に回転させる際に操作されるスタートレバー7Fが設けられている。このスタートレバー7Fの左斜め上方には、1回の操作で貯留されているメダルを1枚賭けることのできる、換言すると、メダルを1枚ずつ賭ける際に操作されるベットスイッチ7Gが設けられている。
(下部パネル部5及び受皿ユニット6)
下部パネル部5には、スロットマシン1のモデルタイプを表す象徴するキャラクター等が描かれたパネル5Aが設けられている。
受皿ユニット6には、メダルを貯留する前述の受皿部6Aに加えて、入賞時に受皿部6Aへ向かって払い出されるメダルを排出させるメダル払出口6Bと、遊技に係る効果音を発生するスピーカを備えた音声出力部6Cとが設けられている。
次に、筐体2について簡単に説明する。
筐体2は、遊技の進行に必要な機能を有する複数種類の内部装置を内部に収納する箱状のものである。すなわち、筐体2は、図2に示すように、天面、底面、両方の側面、及び、背面の各々に配置される天板41、底板42、一対の側板43、及び、背板44を備えているとともに、前面が開口された六面体に形成されたものである。
また、筐体2には、一対の側板43の間に架け渡された中板45が設けられている。この中板45によって、筐体2の内部空間は、上下に仕切られている。
次いで、筐体2の内部に設けられている内部装置について簡単に説明する。
筐体2の内部には、図2に示すように、スロットマシン1の遊技動作を制御するマイクロコンピュータからなるCPUを備えた後述する主制御基板80を内蔵する基板ケース50、三個の回転リール11が回転自在に支持するとともに、これらの回転リール11のそれぞれを駆動する図示しないモータを備えたリールユニット10、内部に多数のメダルを貯留させる容器部21を備えるとともに受皿部6Aに向かってメダルを排出するホッパユニット20、及び、これらの装置に電力を供給する電源装置9等が設けられている。
前扉3の裏側の面には、表側に画面が露出している液晶表示装置4Eの裏側に配置されるとともに、液晶表示装置4E、演出用照明装置4B〜4D及び音声出力部4F, 6Cの動作を制御する図示しないサブ制御基板を内蔵する基板ケース2Dが設けられている。
また、前扉3の裏側の面には、表側の面に開口されたメダル投入口7Bに対応して、投入されたメダルの適否を判定するメダルセレクタ8が設けられている。
次に、前述の主制御基板を内蔵する基板ケース50について説明する。
基板ケース50は、図3に示すように、略直方体状の箱状に形成された箱状部51を備えた
ものである。この箱状部51は、遊技動作を制御する制御回路が形成されている制御基板である前述の主制御基板80を内部に収納するためのものである。
箱状部51は、外部から内部の視認が可能な透明合成樹脂製の部材であり、図3中奥側のベース部52と、図3中手前側の蓋部53とに分割可能となっている。
更に詳しく説明すると、基板ケース50には、図4に示すように、前述したベース部52、及び蓋部53に加えて、ICタグシール12が貼付されるタグ貼付面61を有するICタグプレート60と、このICタグプレート60に貼付されたICタグシール12を破断するための破断部材70とが設けられている。
ICタグプレート60は、図4及び図5に示すように、ICタグシール12が貼付されるタグ貼付面61と、このタグ貼付面61を横切るように形成されるとともに、当該タグ貼付面61に開口されたスリット62A, 62Bを有するものである。このICタグプレート60のスリット62A, 62Bは、タグ貼付面61を左右に横切る水平スリット62A と、タグ貼付面61を図4中上下に横切る垂直スリット62B とが交差した十文字形の開口である。
ベース部52は、主制御基板80が取り付けられるものであり、適宜な構造の固定部材(図示略)を介して筐体2に固定されるようになっている。
このベース部52の図4中上方の端縁中央には、中空の箱状に形成されている破断部材収納部54が設けられている。
この破断部材収納部54には、ICタグプレート60が取り外し可能に取り付けられる部位であるタグ取付部55が設けられている。
この平坦部55A の両側縁には、蓋部53へ向かって突出するとともに、先端が当該平坦部55A と重なる方向へ折れ曲がったL字形のフック部55B が複数設けられている。
そして、平坦部55A の平面の下端縁には、蓋部53へ向かって突出する鍔部55C が設けられている。
ここにおいて、タグ取付部55は、図4及び図5の如く、平坦部55A 、フック部55B 及び鍔部55C を含んで構成されたものであり、平坦部55A とフック部55B の先端との間で保持しているICタグプレート60を鍔部55C で支持することで、ICタグプレート60のベース部52への取り付けを行うものとなっている。
一方、ICタグプレート60は、平坦部55A とフック部55B の先端との間から上方へ引き上げられることで、ベース部52から取り外し可能となっている。
また、破断部材収納部54は、平坦部55A の上下方向における中央部分が開口され、この開口の内部が破断部材70を収納する破断部材収納室56となっている。
ここで、破断部材70は、ICタグプレート60のタグ貼付面61の裏側に配置されるとともに、タグ貼付面61の裏側からスリット62A, 62Bを通過可能な薄板状のブレード部71A, 71Bを有するものとなっている。そして、このような破断部材70は、タグ貼付面61の表側へ向かって駆動されると、ブレード部71A, 71Bがスリット62A, 62Bを通ってタグ貼付面61から
突出してタグ貼付面61に貼付されたICタグシール12を破断するように形成されたものとなっている。
これらの破断部材収納部54、タグカバー部57、ICタグプレート60及び破断部材70については、後で更に詳しく説明する。
(カシメ部材81及びカシメ受部82)
続いて、ベース部52及び蓋部53を相互に接合するための部材であるカシメ部材81及びカシメ受部82について説明する。
すなわち、カシメ部材81は、図6に示すように、平たい直方体状に形成された基部81A と、入れ子状に形成された一対の筒体のうちの一方として、円筒状に形成された筒状突起部81B とを備えたものとなっている。
このうち、筒状突起部81B は、基部81A の蓋部53に対向する正面から蓋部53へ向かって突出するものとなっている。
また、直方体状の基部81A は、筒状突起部81B が突設された正面が長方形とされ、この長方形における図6中上下方向に延びる辺が長方形の長辺とされ、図6中左右方向に延びる辺が長方形の短辺とされている。
さらに、基部81A は、長辺の長さ寸法が筒状突起部81B の直径の2倍程度の大きさとなっているとともに、その上半分の部位に筒状突起部81B が設けられ、下半分が平坦な部位となっている。
さらに、基部81A には、当該基部81A の背面及びその周縁に沿った四つの側面を覆うことができる直方体の箱状に形成された金属製の保護カバー部材83が背面側に取り付けられるようになっている。
保護カバー部材83は、カシメ部材81の背面を覆うように取り付けられると、その係止孔83A が基部81A 側の係止突起81D に係止され、カシメ部材81から脱落しないようになっている。
また、保護カバー部材83の四つの側壁のうち、基部81A 側の短辺に沿った側壁83B, 83Cは、基部81A 側の長辺に沿った側壁よりも突出量が大きく、その先端が基部81A 側の長辺に沿った側壁よりもカシメ部材81側に突出している。
一方、ベース部52には、図6中、破断部材収納部5454の両側に、取り外し可能にカシメ部材81が取り付けられるようになっているカシメ取付部84が形成されている。
このカシメ取付部84は、図6中下方の面に開口84A が形成されるとともに、手前の面に
開口84B が形成された箱状の部位である。
カシメ取付部84の下方の開口84A は、カシメ部材81の平たい基部81A の上面に応じたサイズとされている。
この開口84B 両側の鍔部84C は、保護カバー部材83の側壁83B, 83Cに形成されている切り欠き部83D ,83Eの内部を挿通可能となっている。
これにより、保護カバー部材83が背部に取り付けられたカシメ部材81は、カシメ取付部84の下方の開口84A を通ってカシメ取付部84の内部に入れられ、保護カバー部材83の側壁83B, 83Cに形成された切り欠き部83D ,83Eの内部に鍔部84C を挿通させながら、カシメ取付部84の所定位置まで持ち上げられ、これにより、ベース部52への取り付けがなされるようになっている。
また、保護カバー部材83は、カシメ部材81がベース部52に取り付けられると、その側壁83B, 83Cに形成された切り欠き部83D ,83Eが、開口84B の両側に形成された鍔部84C に係止された状態となっている。これにより、カシメ部材81の背面と対向するベース部52の側壁が不正に切り取られ、保護カバー部材83の背面の大きさに相当する孔が開口されても、側壁83B, 83Cの切り欠き部83D ,83Eが、開口84B 両側の鍔部84C に係止され、保護カバー部材83を取り除くことができないようになっている。
このようなカシメ部材81と結合するカシメ受部82は、図7に示すように、蓋部53におけるベース部52に設けられているカシメ取付部84に対応した位置に設けられている。
四角筒状の保護壁部82A は、略正方形の断面形状を有するとともに、断面形状の略正方形が有する四つ辺のそれぞれに沿った4つの側壁を有するものとなっている。
これらの側壁のうち、カシメ部材81に設けられた基部81A の下半分における平坦な部位と対応する側壁は、その先端が他の側壁の先端よりも後退した位置に配置されている。これにより、保護壁部82A には、カシメ部材81に設けられた基部81A の下半分における平坦な部位を逃がす逃げが形成され、カシメ部材81との結合の際に、カシメ部材81の基部81A と干渉しないようになっている。
保護プレート85は、帯状に形成された金属板の長手方向の途中部分を折り曲げることで、略正方形の断面形状を有する略筒状の部材である。
また、保護プレート85は、保護壁部82A への挿入方向の先端となる端縁から後端となる端縁に向かって細長く延びる切り欠き部85A が設けられている。
保護プレート85における切り欠き部85A の先端両側の部分は、筒状の外側へ僅かに折り曲げられている。これにより、保護プレート85は、保護壁部82A の内部に挿入された際に、折り曲げられた切り欠き部85A の先端両側の部分が保護壁部82A の内側面に摩擦力で係止され、蓋部53から脱落しないようになっている。
を内部に挿入させる円筒状の部位である。換言すると、筒状受部82B 及び筒状受部82Bは、入れ子状に形成された一対の筒体であり、筒状受部82B の内部に筒状突起部81B が挿入可能となっている。
そして、内側の筒体である筒状突起部81B の外周面には、図8の如く、鉤状の返し部81E を有する爪部81F が形成されている。
外側の筒体である筒状受部82B の内周面には、筒状突起部81B 側の爪部81F を係止する段部82C が形成されている。筒状突起部81B を筒状受部82B の内部に挿入すると、筒状突起部81B の爪部81F が筒状受部82B の段部82C に係止され、これにより、筒状突起部81B が筒状受部82B の内部に抜け止めされ、筒状突起部81B 及び筒状受部82B が相互に結合されるようになっている。
次に、破断部材収納部54、タグカバー部57、ICタグプレート60及び破断部材70について詳しく説明する。
破断部材収納部54及びタグカバー部57は、例えて言えば「弁当箱」状に形成された部位であり、破断部材収納部54が弁当箱の本体に相当するものであり、タグカバー部57が弁当箱の蓋に相当するものとなっている。
破断部材収納部54は、図9及び図10に示すように、ベース部52の図9中左方の側縁中央部分(図10参照)に形成された箱状の部位である。破断部材収納部54の内部には、前述したように、破断部材70を収納するための破断部材収納室56が形成されている。
タグカバー部57は、ベース部52側の破断部材収納部54に対応して蓋部53に形成された箱状の部位であり、前述したように、ICタグプレート60の全体を覆い、ICタグプレート60に貼付されたICタグシール12を保護するものである。
以上において、蓋部53には、ベース部52及び蓋部53が閉鎖されると、破断部材70と連結するように形成されるとともに、閉鎖状態のベース部52及び蓋部53を開放すると、蓋部53の移動に連動して破断部材70を移動させる連結機構が設けられている。
換言すると、タグカバー部57には、図10の如く、ICタグプレート60側のタグ貼付面61と対向する面57A の端縁近傍位置から突出する一対の腕部91が設けられている。
この腕部91は、ICタグプレート60の端縁の脇を通り、破断部材70に形成されたブレード部71A の端部まで延びるものとなっている。そして、腕部91の先端には、楔状に形成された爪部92が設けられている。
これらのボックス部73は、図10及び図11に示すように、ブレード部71A の両端部において互いに反対側に臨んだ面と、破断部材収納部54の底面54A 側に臨んだ面とが開口されたものとなっている。
ここで、ベース部52及び蓋部53の閉鎖の際に、腕部91の先端が破断部材70側のボックス部73に到達すると、腕部91先端の爪部92がボックス部73の開口から当該ボックス部73の内部に入り込み、これにより、腕部91の爪部92がボックス部73に自動的に係止され、爪部92とボックス部73とが互いに連結されるようになっている。この爪部92とボックス部73との連結によって蓋部53と破断部材70とが互いに連結されるようになっている。
すなわち、破断部材70は、ベース部52及び蓋部53の閉鎖時に、腕部91を介してタグカバー部57に連結され、このような閉鎖状態においてベース部52及び蓋部53が開放されると、タグカバー部57側の腕部91が破断部材70を駆動し、タグカバー部57の移動と連動して、その全体がICタグプレート60側へ移動するようになっている。そして、破断部材70のブレード部71A, 71Bは、その刃先がタグ貼付面61から突き出るようになっている。
この鍔部74には、図11にも示すように、破断部材収納部54の底面54A に突設された平板状のガイド部58に対応した形状の長孔として開口された摺動孔75が設けられている。この摺動孔75は、その内部にガイド部58を挿通させるためのものである。
破断部材70は、ICタグプレート60へ向かって移動する際に、摺動孔75を囲む内側面が破断部材収納部54側のガイド部58に案内されるようになっている。
ICタグプレート60の図11中上方の端縁には、破断部材収納部54から離れる方向に折れ曲がった折れ曲がり部分が形成されている。この折れ曲がり部分は、ベース部52のタグ取付部55から上方へ引き抜く際に、手掛かりとなる把手部60A となっている。
ICタグプレート60は、把手部60A に手を掛けることにより、ベース部52のタグ取付部55から容易に引き抜けるようになっている。
また、ICタグプレート60には、一対の薄肉部63のそれぞれ下端縁から互いに近づく方向へ延びる一対の薄肉部64が設けられている。これらの薄肉部64は、タグ貼付面61における図11中左右方向中央に開口された垂直スリット62B まで達している。
このようなICタグプレート60における水平スリット62A 、垂直スリット62B 、薄肉部63及び薄肉部64に囲まれた略長方形の部分は、図11中上方の部分から分離容易な切り抜き部60B となっている。
ここで、薄肉部63及び薄肉部64は、それぞれの端部が相互に連結され、連結された薄肉部63及び薄肉部64の全体が横に間延びしたU字形を形成している。
一方、蓋部53側に設けられているタグカバー部57には、図11の如く、薄肉部63及び薄肉部64が形成するU字形に対応したカッター挿通溝59が形成されている。このカッター挿通溝59は、タグカバー部57におけるタグ貼付面61と対向する側壁を貫通するものである。薄肉部63及び薄肉部64は、カッター挿通溝59を通じてタグカバー部57内に挿入されたカッターで切断可能となっている。このような薄肉部63及び薄肉部64は、カッターで切断することにより、切り抜き部60B がICタグプレート60から分離され、切り抜き部60C が切り抜き部60B から分離するようになっている。
以上のような本実施形態では、基板ケース50は、筐体2に取り付けられる際、ベース部52及び蓋部53が閉鎖状態にされる。このベース部52及び蓋部53の閉鎖により、蓋部53側のタグカバー部57に設けられた腕部91の先端が、ベース部52側の破断部材収納部54に収納された破断部材70に係止され、ベース部52側の破断部材70と、蓋部53側のタグカバー部57とが連結される。
そして、基板ケース50が開放され、換言すると、ベース部52から離れる方向に蓋部53が移動されると、破断部材70が蓋部53側のタグカバー部57と連動して移動し、これにより、ブレード部71A, 71Bの刃先が、図12(B)に示すように、ICタグプレート60のタグ貼付面61から突出し、タグ貼付面61に貼付されているICタグシール12(図示略)を突き破って切り裂き、且つ、ICタグチップを破壊するようになっている。
そこで、図12(C)に示すように、カッターCの刃先をカッター挿通溝59の中に挿入し、このカッターCで、薄肉部63及び薄肉部64を切断し、図12(D)に示すように、切り抜き部60B をICタグプレート60から分離するとともに、切り抜き部60C を切り抜き部60B から分離する。すると、ICタグプレート60は、破断部材70のブレード部71A, 71Bによる係止から開放され、ベース部52のタグ取付部55から引き抜くことができる。
(実施形態の効果)
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ICタグシール12が貼付されるICタグプレート60を設け、このICタグプレート60が取り外し可能に取り付けられる部位であるタグ取付部55をベース部52に設け、さらに、タグ取付部55に取り付けられたICタグプレート60の全体を覆う部位であるタグカバー部57を蓋部53に設けたので、ICタグシール12がタグカバー部57に覆われ、カミソリ等の刃物でICタグシール12を基板ケース50から剥離することができなくなるうえ、化学薬品の塗布でもICタグシール12を剥離することができなくなり、従って、ICタグの無線アンテナや外観に何らダメージを与えずに基板ケース50からICタグシール12を剥がすことが不可能となる。
貼付面61を横切るように延びるスリット62A, 62Bを開口し、且つ、ICタグプレート60が貼付されるタグ貼付面61の裏側に、スリット62A, 62Bを通ってタグ貼付面61から突出する薄板状のブレード部71A, 71Bを有する破断部材70を設け、さらに、ベース部52及び蓋部53が閉鎖されると、破断部材70と連結するように形成されるとともに、閉鎖状態のベース部52及び蓋部53を開放すると、蓋部53の移動に連動して破断部材70を移動させる連結機構を蓋部53に設けたので、ベース部52及び蓋部53を開放すると、換言すると、基板ケース50を開けると、連結機構の作用によって、ベース部52及び蓋部53が互いに離れる方向に移動するのに連動して、破断部材70がICタグプレート60に向かって移動し、これにより、ブレード部71A, 71Bの刃先がスリット62A, 62Bを通ってタグ貼付面61から突出して、タグ貼付面61に貼付されたICタグシール12を確実に破断することができる。
さらに、連結機構の構成要素として、タグカバー部57に基端が設けられているとともに、ICタグプレート60のタグ貼付面61の裏側に配置された破断部材70まで先端側が延びている腕部91を設けるとともに、この腕部91の先端に爪部92を設け、且つ、破断部材70に、連結機構側の爪部92を係止させるボックス部73を設け、これにより、ベース部52及び蓋部53を閉鎖すると、換言すると、基板ケース50を閉じると、タグカバー部57側に設けた腕部91の先端の爪部92が破断部材70側のボックス部73に係止されて、蓋部53と破断部材70とが自動的に連結されるようにしたので、蓋部53及び破断部材70を互いに別個の部品として形成しても、爪部92とボックス部73との連結によって、蓋部53と破断部材70とが確実に連結される。このため、ベース部52及び蓋部53を開放する際に、換言すると、基板ケース50を開ける際に、この基板ケース50の開放動作に連動して、破断部材70を確実に移動させることができ、基板ケース50の開放動作に連動して破断部材70を駆動する連結機構を確実に実現することができ、従って、基板ケース50の開放動作でICタグシール12を確実に破断することができる。
さらに、保護カバー部材83の側壁83B, 83Cに切り欠き部83D ,83Eを形成し、保護カバー部材83が背部に取り付けられた状態で、カシメ部材81をベース部52に取り付けると、その側壁83B, 83Cに形成された切り欠き部83D ,83Eが、開口84B の両側に形成された鍔部84C に係止されるようにしたので、カシメ部材81の背面と対向するベース部52の側壁が不正に切り取られ、保護カバー部材83の背面の大きさに相当する孔が開口されても、側壁83B, 83Cの切り欠き部83D ,83Eが、開口84B 両側の鍔部84C に係止され、保護カバー部材83を取り除くことができない。従って、カシメ部材81及びカシメ受部82を破壊するために、保護カバー部材83の背面に孔を開けても、保護カバー部材83を取り除くことができず、これにより、カシメ部材81及びカシメ受部82の破壊が防止され、ひいては、ROM等の不正交換
を未然に防止することができる。
図13,14には、本発明の第2実施形態が示されている。
本第2実施形態は、前記第1実施形態におけるカッターCの刃先を挿入させるためのカッター挿通溝59が設けられたタグカバー部57を、カッターCで切断される破断部59A が設けられたタグカバー部57B としたものである。
なお、以下の説明において、前記第1実施形態と同様の装置や部位等には、同一符号を付し、その説明を省略又は簡略する。
すなわち、本第2実施形態に係る基板ケース50A は、前記第1実施形態における基板ケース50と同様に、遊技動作を制御する制御回路が形成されている図示しない制御基板を収納するために、図13に示すように、箱状に形成された箱状部51A と、スロットマシン1の固有の情報が記録されたICタグが設けられているICタグシール12と、このICタグシール12が貼付されるICタグプレート60とを備えたものとなっている。
このうち、ベース部52は、ICタグシール12が貼付されたICタグプレート60が設置されるものとなっている。
そして、ICタグプレート60は、ICタグシール12が貼付される板状部材であり、換言すると、基板ケース50A におけるICタグシール12の貼付部位となっている。
蓋部53A は、ベース部52におけるICタグプレート60が設置された部位を覆うタグカバー部57B が設けられたものである。換言すると、タグカバー部57B は、ICタグプレート60に貼付されたICタグシール12の全体を覆う蓋部53A の一部分である。
そして、ICタグプレート60及び破断部材70は、タグカバー部57B の内部において、ICタグシール12の裏側に配設されたものとなっている。
このようなタグカバー部57B には、図13の如く、蓋部53A から当該タグカバー部57B を刃物で切り離す際に、刃物で破断される部位であることを示すとともに、刃物で破断される破断部59A が設けられている。
この破断部59A は、タグカバー部57B における肉厚が薄くなった肉薄部分が延びて、矩形波状に折れ曲がった溝を形成したものである。
そして、ICタグシール12は、タグカバー部57B の破断部59A が刃物で破断されて、タグカバー部57B が蓋部53A から切り離されると、基板ケース50A の外部に露出するように形成されている。
また、ICタグプレート60は、基板ケース50A の外部に露出しているICタグシール12が刃物で切断される際に、ICタグシール12とともに刃物で切断され、図12(D)に示すように、切り抜き部60B, 60C が分離するように形成されている。
そして、ICタグプレート60がベース部52から引き抜かれると、破断部材70は、破断部材70による係止から開放され、蓋部53A とともにベース部52から離れる方向へ移動可能となっている。
以上において、結合手段としてのICタグプレート60及び破断部材70は、基板ケース50A の外部に露出しているICタグシール12が刃物で切断されると、ICタグシール12とともにICタグプレート60が刃物で切断され、これにより、ICタグプレート60及び破断部材70の双方が互いに係止しあう結合状態から開放される。
以上のような基板ケース50A は、ベース部52及び蓋部53A を結合していた結合を解除されると、開放可能、すなわち、開くことが可能となるように形成されている。
このような本第2実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができるうえ、次のような作用効果を付加できる。
すなわち、基板ケース50A の蓋部53A に、当該基板ケース50A に貼付されたICタグシール12の全体を覆うタグカバー部57B を設けたので、ICタグシール12がタグカバー部57B に覆われ、ICタグシール12を基板ケース50A から剥がす際に、カミソリ等の刃物を利用することができなくなるうえ、化学薬品をICタグシール12に塗布することができなくなり、従って、ICタグの無線アンテナや外観に何らダメージを与えずに基板ケース50A からICタグシール12を剥がすことが不可能となる。
また、破断部として、肉厚が薄くなった部位を線状に延ばすとともに、矩形波状に折れ曲がった溝を採用したので、刃物で破断部59A を切断する際に、刃先の移動方向を途中で複数回変更する必要があり、単なる直線状に延びる溝として形成した場合よりも、切断に時間がかかるようになる。このため、遊技場で迅速に基板ケース50A を開放することが困難となり、この点からも、基板ケース50A の防犯性を向上することができる。
例えば、前記実施形態では、ベース部側にICタグプレートが取り付けられるタグ取付部を設け、蓋部側にICタグプレートを覆うタグカバー部、並びに、このタグカバー部と破断部材とを連結する連結機構(腕部及び爪部)を設けたが、逆に、蓋部側にICタグプレートが取り付けられるタグ取付部を設け、ベース部側にICタグプレートを覆うタグカバー部、並びに、このタグカバー部と破断部材とを連結する連結機構(腕部及び爪部)を設けてもよい。
さらに、破断部としては、肉厚が薄くされた溝状のものに限らず、切断すべき方向に延びるとともに、表側に突出するとともに内部が中空の突条であって、内部の中空が裏側に開口されている突条形破断部を含んだものを採用することもできる。
このような突条形破断部を二つ離間して設け、その間に、平板状に形成された平板状破断部を設ければ、突条形破断部を切断するにあたり、カッティング・プライヤー(いわゆる「ニッパー」)等の切断工具の刃をタグカバー部57B の表面に沿わした状態で、突条形破断部の根本部分を切断し、その後、平板状破断部を切断するにあたり、切断工具の刃をタグカバー部57B の表面に対して立てた状態で、平板状破断部を切断することとなるので、途中で、切断工具の持ち方を変える、あるいは、ニッパーからカッターへ工具を持ち変える必要が生じ、タグカバー部57B を切り離す際に、破断部の切断に時間がかかるようになる。このため、溝状の破断部のみを設けた場合よりも、遊技場で迅速に基板ケース50A を開放することが困難となり、この点からも、基板ケース50A の防犯性を向上することができる。
なお、本発明は、スロットマシンに限らず、パチンコ機等の弾球遊技機にも適用でき、要するに、マイクロプロセッサからなるCPUを内部に収納している基板ケースを備えた遊技機全般に適用できる。
12 ICタグシール
50,50A 基板ケース
52 ベース部
53,53A 蓋部
57,57B タグカバー部
59A 破断部
60 結合手段を形成するICタグプレート
70 結合手段を形成する破断部材
80 制御基板である主制御基板
Claims (1)
- 制御基板を内部に収納して遊技機に取り付けられる基板ケースと、前記遊技機の固有の情報を有して前記基板ケースに貼付されるシールとを備える遊技機であって、
前記基板ケースは、ベース部材および蓋部材に分割された箱状に形成されるとともに、前記ベース部材および前記蓋部材を前記制御基板を内部に収納した状態で閉止して結合させる結合手段を有し、
前記シールは、前記結合手段の少なくとも一部を覆い隠すように前記基板ケースに貼付され、
前記結合手段により前記ベース部材および前記蓋部材を閉止して結合させた状態において、前記基板ケースに貼付された前記シールの表面を覆うカバー部を備え、
前記カバー部は、破断可能な破断部を有し、前記破断部を破断させて前記カバー部の一部を前記基板ケースから取り外すことが可能に構成され、
前記基板ケースを開放させて前記制御基板を取り出すときには、前記カバー部の前記破断部を破断して前記カバー部の一部を前記基板ケースから取り外し、外部に露出した前記シールを破断または剥離して前記結合手段による前記ベース部材および前記蓋部材の結合を解除するように構成されたことを特徴とする遊技機。
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