JP2013052035A - 車両の運転部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】収納ボックスの設計の自由性に富み、広い収容空間を確保できるようにする。
【解決手段】機体本体1の上に、座席シート18を姿勢変更可能に設けて構成した運転部Dと、機体本体1と座席シート18との間に取り外し自在に介在させた収納ボックス13と、収納ボックス13に取り付けられて座席シート18からの荷重を支持して機体本体1に伝達する支持フレーム21とを設けてある。
【選択図】図4

Description

本発明は、機体本体の上に、座席シートを姿勢変更可能に設けて構成した運転部と、前記機体本体と前記座席シートとの間に取り外し自在に介在させた収納ボックスとを設けてある車両の運転部構造に関する。
この種の車両については、運転部の下方に点検口を備えたものがあり、この点検口の上方空間を開放させるように座席シートを揺動させ、その下方で座席シートを支持していた収納ボックスを取り外すことで点検口を見える状態にして点検等の作業が実施されている。
従来、この種の車両の運転部構造としては、収納ボックスは合成樹脂のブロー成形によって成形したものを使用しており、収納ボックス全体で座席シートからの荷重を支持できるように構成してあるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−87739号公報(図5)
上述した従来の車両の運転部構造によれば、収納ボックス全体として、充分な支持強度を確保する必要があったから、収納ボックスの形状も、例えば、周壁や底部分を厚く形成したり、補強の仕切り等を形成する必要があり、その結果、収納ボックスの収納空間を充分に確保できなかったり、収納ボックスを設計する上での自由性に欠ける問題点があった。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、収納ボックスの設計の自由性に富み、広い収容空間を確保できる車両の運転部構造を提供するところにある。
本発明の第1の特徴構成は、機体本体の上に、座席シートを姿勢変更可能に設けて構成した運転部と、前記機体本体と前記座席シートとの間に取り外し自在に介在させた収納ボックスと、前記収納ボックスに取り付けられて前記座席シートからの荷重を支持して前記機体本体に伝達する支持フレームとを設けてあるところにある。
本発明の第1の特徴構成によれば、収納ボックスに取り付けられて座席シートからの荷重を支持して機体本体に伝達する支持フレームを設けてあるから、座席シートからの荷重は、専ら支持フレームを介して支持することができ、収納ボックスの本体による強度負担を少なくすることができる。
従って、収納ボックスの本体は、強度部材として構成する必要がなくなり、例えば、薄肉に形成したり、意匠性を中心に形成したり、設計の自由性が向上する。
その結果、収納ボックスの収容空間を広く確保できるように構成することもできる。
また、収納ボックスに支持フレームが取り付けられているから、収納ボックスの取り外しや設置を行う際、支持フレームも一緒に取り外したり設置することができ、着脱の手間を軽減することができる。
本発明の第2の特徴構成は、前記座席シートは、前記機体本体に枢支部を介して上下揺動自在に取り付けてあり、前記支持フレームは、前記座席シートの揺動先端部を支持する位置に設けられているところにある。
本発明の第2の特徴構成によれば、座席シートは、その一端側の枢支部と、他端側の揺動先端部に位置する支持フレームとで支持されるから、座席シートへの荷重を、偏り無く両端側で安定した状態で支持できる。
従って、座席シートとしての安定性の向上を図ることができる。
本発明の第3の特徴構成は、前記収納ボックスは、合成樹脂の射出成形によって形成してあり、前記支持フレームは、前記収納ボックスの外壁面より内側に設けられているところにある。
本発明の第3の特徴構成によれば、収納ボックスを射出成形によって形成するから、従来のブロー成形に比べて薄肉に形成し易くなる。その結果、大きな収納空間を確保することが可能となる。
また、成形形状の自由性も高いから、収納ボックスとしての意匠性の向上を図ることができる。
また、どのような形状の支持フレームを用いようとも、支持フレームそのものは収納ボックスの外壁面によって遮られ、収納ボックスの意匠性の低下を防止できる。
更には、支持フレームは、収納ボックスの外壁面によって外乱から保護されるから、耐久性の低下を防止し易い。
本発明の第4の特徴構成は、前記収納ボックスの周壁部は、外壁部と、その内側に位置する内壁部と、前記外壁部と前記内壁部との上端部にわたって設けられた上壁部とを備えて構成してあり、前記支持フレームは、前記外壁部と前記内壁部と前記上壁部とで囲まれた状態に配置してあり、前記上壁部は、前記座席シートから前記支持フレームへの荷重伝達部分に介在させてあるところにある。
本発明の第4の特徴構成によれば、支持フレームは、外壁部と内壁部と上壁部とで囲まれた状態に配置してあるから、収納ボックスの外壁部側、及び、内壁部側の何れから見ても前記支持フレームが露出せず、より意匠性と耐久性との向上を図ることができる。
また、上壁部は、座席シートと支持フレームとの間に介在しているから、座席シートと支持フレームとが直接に当接することによるメタルタッチ等を回避でき、それによるガタツキ音等の発生も防止することができる。
車両の左側面図 車両の平面図 運転席の座部の設置状況を示す要部左側面図 助手席の座部の設置状況を示す要部左側面図 収納ボックスを示す分解斜視図
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2は、本発明の「車両の運転部構造」の一実施形態を採用した車両Sを示している。
車両Sは、例えば、農作業や、荷物の運搬や、レジャーや、軽作業等、多目的に使用できるユーティリティビークルとして構成されている。
車両Sは、機体本体1の前後に、独立懸架された左右の走行自在な前輪2と、独立懸架された左右の後輪3とが装備されると共に、機体本体1の後半部下方に原動部4が配備され、機体本体1の前後中間に運転キャビン5が設けられ、機体本体1の後半部上方にダンプ荷台7が配備された基本構造を備えている。
原動部4は、機体本体1の後半部下方に連結支持したエンジン9とミッションケース10と、HST(静油圧式無段変速機)8とを備えて構成してあり、HST8、及び、ミッションケース10で変速された動力が、前輪2及び後輪3に伝達されて、4輪駆動による走行が行われるようになっている。
運転部Dを構成する運転キャビン5の後方下部には、機体本体1の一部として座席支持枠部14が床面より一段高く組みあげられており、この座席支持枠部14の上方に、左側の運転席と右側の助手席とを一連に形成した二〜三人掛け用の座席11が配備されると共に、運転キャビン5における内部前方の運転席側(この例では左側)に、操縦ハンドル12や図示されていないブレーキペダルや加速ペダルなどが設けられている。
座席11は、図3、図4に示すように、座席支持枠14の前部から立設されたヒンジ (枢支部に相当)17に支点q周りに上下揺動可能に支持された座部(座席シートに相当)18と、キャビン内の後壁下部に沿って配備された背もたれ19とで構成されており、この座部18の下方に左右に長い収納ボックス13が配備されている。
即ち、収納ボックス13は、機体本体1と座部18との間に取り外し自在に介在させてあり、座部18は、座席支持枠部14の上に配置された収納ボックス13の上に載置される状態で、前記支点q周りに揺動して姿勢変更可能に設けられている。
運転席の座部18Aは、座席支持枠14に対する前後位置を変更自在に構成されている。この具体的な構成例は、ヒンジ17に下端部を枢支連結した側面視「L」字形状のレール部材6aと、運転席の座部18Aの下面部に取り付けられたスライドバー6bとを設け、レール部材6aの上に沿わしたスライドバー6bを前後方向の任意の位置にずらした状態で双方を固定することで、運転席の前後位置の変更及び固定ができる。また、運転席の背もたれ19Aは、図3に示すように、座部18Aの後方から上方に張り出した左右一対のパイプpに取り付けてあり、座部18Aと一体となって支点q周りに上下揺動できるように構成されている。
助手席の座部18Bは、図4に示すように、座席支持枠14に対する相対的な前後位置は変更不能に構成されている。また、助手席の背もたれ19Bは、助手席の座部18Bとは別体に形成してあり、運転キャビン5内の後壁5aに取り付けてある。
従って、助手席側は、座部18Bのみが支点q周りに上下揺動できるように構成されている。
また、助手席の座部18Bの下面には、後述する収納ボックス13の環状凸部13a (図5参照)と嵌合可能な環状凹部18aが形成してある。
収納ボックス13は、図5に示すように、合成樹脂の射出成形によって構成してあり、周壁部13Aと中仕切り部13Bと底部13Cと、座部支持部13Dとを備えて上方が開口する形状に形成されている。
周壁部13Aは、図4に示すように、上方に凸状の膨出形状に形成してあり、外壁部20aと、その内側に位置する内壁部20cと、外壁部20aと内壁部20cとの上端部にわたって設けられた上壁部20bとを備えて構成してある。
中仕切り部13Bも、周壁部13Aと同様の二重壁構造に形成してある。
底部13Cは、内壁部20cと中仕切り部13Bの下縁部にわたって一体に形成されている。
座部支持部13Dは、図5に示すように、上壁部20bに間隔をあけた4ヵ所に設けられている。詳細説明は、後述する支持フレーム21の説明と共に行う。
収納スペースTは、図5に示すように、周壁部13Aと中仕切り部13Bとで囲まれた空間に主として設けられ、中仕切り部13Bを境目にして、その両側に、運転席直下に位置する第1収納スペースT1と、助手席直下に位置する第2収納スペースT2と、第1収納スペースT1の後方側に隣接する第3収納スペースT3とが設けられている。
周壁部13Aは、外壁部20aと内壁部20cとの間の下部が開口Kとして構成されている(図3、図4参照)。この開口Kは、座席支持枠部14の上面における収納ボックス被載置部の四隅に設けた位置決め用突起14aが嵌入できるように構成してあり、座席支持枠部14の上に収納ボックス13を載置する際、前記位置決め用突起14aに開口Kを嵌合させることで、座席支持枠部14の上面の所定の位置に収納ボックス13が位置決めされる(図5参照)。
因みに、座席支持枠部14には、図5に示すように、収納ボックス13が載置されるエリアの一部に、下方に設置されているエンジン等のメンテナンス用の点検口14bが形成してあり、その点検口14bには、着脱自在な蓋14cが取り付けてある。この点検口14bを開けてメンテナンス作業を実施する際に、収納ボックス13は一時的に取り外される。
また、第2収納スペースT2に隣接する上壁部20bには、全周にわたって環状凸部13aが設けられている。助手席の座部18Bを下方に揺動させると、環状凸部13aに前述した座部18Bの環状凹部18aが嵌合して、第2収納スペースT2の密閉を図ることができる。このように、座部18は、運転席、及び、助手席のいずれに関しても、下方へ揺動させることで収納スペースTを蓋することが可能となる。
また、収納ボックス13には、座部18からの荷重を支持して座席支持枠部14に伝達する支持フレーム21が取り付けてある。
具体的には、収納ボックス13の後端側の周壁部13Aの中に、支持フレーム21が配置され、ボルトによって収納ボックス13に連結されている。従って、収納ボックス13の外壁面13bより内側(外壁部20aと内壁部20cとの間)に設けられている。
支持フレーム21は、図5に示すように、金属パイプ材で構成された棹部分21Aと、棹部分21Aの両端部に形成された柱部分21Bと、棹部分21Aの中間の二ヵ所に間隔をあけて取り付けられた束部分21Cとを設けて構成してある。
座部18からの荷重は、柱部分21Bの上端部と、束部分21Cの上端部とで支持される。束部分21Cで支持した荷重は、棹部分21Aを経由して柱部分21Bに流れ、両端の柱部分21Bから座席支持枠部14に伝わる。
車幅方向での左端の柱部分21Bと、それに隣接する一つの束部分21Cとで構成される運転席支持部22によって運転席の座部18Aが支持され、右端の柱部分21Bと、それに隣接する一つの束部分21Cとで構成される助手席支持部23によって助手席の座部18Bが支持されるように支持フレーム21は寸法設定してある。
また、支持フレーム21は、運転席の座部18Aが前後位置変更できる構成であることを考慮して、運転席支持部22が助手席支持部23より前方に位置するように、前記棹部分21Aを屈曲させて構成してある。
従って、座部18は、揺動先端部を、支持フレーム21によって確実に支持され、安定した支持状態が維持される。
尚、運転席支持部22や助手席支持部23の上端部には、収納ボックス13の座部支持部13Dが被さる状態に設けられている(図3〜5参照)。座部支持部13Dは、支持フレーム21の各柱部分21Bと各束部分21Cとに対応した4ヵ所に設けてあり、主に、柱部分21Bや束部分21Cの上端部が、下方から嵌り込む膨出形状に形成してある。そして、座部支持部13Dの天面部分が、上壁部20bに相当する。この上壁部20bは座部18から支持フレーム21への荷重伝達部分に位置することになり、上壁部20bがガタツキ防止の役割を果たすことが可能となる。
また、支持フレーム21は、収納ボックス13によって全体が覆われているので、外部に露出せず、耐久性の低下を防止できる。また、意匠性の向上も図ることができる。
本実施形態の「車両の運転部構造」によれば、座部18からの荷重は支持フレーム21によって安定した状態で支持できるから、収納ボックス13の本体による強度負担を少なくすることができ、収納ボックス13を、例えば、薄肉に形成したり、意匠性を中心に形成することができ、設計の自由性が向上する。そして、収容スペースTを広く確保することもできる。
また、合成樹脂の射出成形によって収納ボックス13を形成するから、収納ボックス13を薄肉に形成し易くなり、広い収納スペースを確保し易くなる。
また、支持フレーム21は、外壁部20aと内壁部20cと上壁部20bとで囲まれた状態に配置してあるから、暴露防止によって意匠性の向上を図れる他、支持フレーム21の耐久性の向上を図ることができる。更には、上壁部20bによるガタツキ防止効果を叶えることもできる。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 収納ボックス13は、先の実施形態で説明した形状のものに限るものではなく、例えば、周壁部13Aは、外壁部20aと上壁部20bと内壁部20cとを備えた二重壁構造に限るものではなく、一重壁構造による構成であってもよい。
この場合、支持フレーム21は、一重の周壁部13Aの内側に設けることが、意匠性や耐久性の点で好ましい。
また、支持フレーム21が、収納ボックス13の周壁部13Aより外側に露出する構成も可能である。
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
当該車両の運転部構造は、キャビンを設けない車両にも利用することができる。
1 機体本体
13 収納ボックス
13A 周壁部
13b 外壁面
17 ヒンジ(枢支部に相当)
18 座部(座席シートに相当)
20a 外壁部
20b 上壁部
20c 内壁部
21 支持フレーム
D 運転部

Claims (4)

  1. 機体本体の上に、座席シートを姿勢変更可能に設けて構成した運転部と、
    前記機体本体と前記座席シートとの間に取り外し自在に介在させた収納ボックスと、
    前記収納ボックスに取り付けられて前記座席シートからの荷重を支持して前記機体本体に伝達する支持フレームとを設けてある車両の運転部構造。
  2. 前記座席シートは、前記機体本体に枢支部を介して上下揺動自在に取り付けてあり、前記支持フレームは、前記座席シートの揺動先端部を支持する位置に設けられている請求項1に記載の車両の運転部構造。
  3. 前記収納ボックスは、合成樹脂の射出成形によって形成してあり、前記支持フレームは、前記収納ボックスの外壁面より内側に設けられている請求項1又は2に記載の車両の運転部構造。
  4. 前記収納ボックスの周壁部は、外壁部と、その内側に位置する内壁部と、前記外壁部と前記内壁部との上端部にわたって設けられた上壁部とを備えて構成してあり、
    前記支持フレームは、前記外壁部と前記内壁部と前記上壁部とで囲まれた状態に配置してあり、
    前記上壁部は、前記座席シートから前記支持フレームへの荷重伝達部分に介在させてある請求項1〜3の何れか一項に記載の車両の運転部構造。
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